JP3563750B2 - アナログ回路のための走査に基づく試験 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、大規模集積回路の試験に関し、特にその様な集積回路のアナログ又は混合信号部分を試験するための方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
集積回路を製造する技術が進歩するのにともなって、単一の集積回路装置にますます多くの論理機能を含ませることが出来る。最新の集積回路(IC)装置は、単一の半導体チップ上に10万個以上のトランジスタを包含しており、それらのトランジスタは、例えば汎用マイクロプロセッサなどにおけるような多数の複雑なデジタル機能を行うために相互に接続されている。このような超大規模集積(VLSI)回路の製造のためには、回路の設計に誤りがないことが必要である。更に、そのようなデジタル回路は、目下ますます高度に集積されつつあり、その結果としてアナログ回路はアナログ超大規模集積回路(AVLSI)となる。これらの混合(デジタル及びアナログ)回路の設計にも、誤りがあってはならない。また、このような回路については、或る種の製造欠陥は、それが実行するように設計されている機能の全部を実行することを妨げる可能性があるので、その製造中に何らの欠陥も発生しないことが必要である。そのため、製造後に種々の電気的試験が必要となる
設計者が論理設計段階において試験事項を考慮に入れなければ、ICのための試験プログラムの開発と、そのプログラムのデバッギングとに非常に時間がかかり、また高価となる可能性がある。VLSI及びAVLSIチップの複雑さが増しているために、試験技術によって試験プログラムを個別に開発しデバッグすることは一般には不可能である。論理及び回路の設計者には、今や、試験し易いように論理及び回路を設計する責任があり、またデザインを徹底的に試験するためにいわゆる試験『ベクトル』の縮小セットを必要とする。
【0003】
しかし、回路の複雑さが増すにしたがって、回路中の各素子を確認して電気的に試験することのコスト及び困難さが増大する。電気的試験の見地からは、VLSI回路中のトランジスタの各々が適切に機能することを完全に確認するために、理論上、トランジスタの各々を個別に働かせることが出来るだけではなくて、(デジタル的意味においては、それがスタック・オープン (stuck−open)でもスタック・クローズド (stuck−closed) でもないことを判定すること) 、全ての可能な操作の組み合わせで該回路中の他のトランジスタと関連させて働かせることが出来なくてはならない。アナログ回路は、そのような試験の影響を受けにくく、むしろアナログ素子が適切に作られて適切に接続されていることを保証するためにAC及びDCパラメーター試験が行われる。これは、普通は、所望のデジタル又は論理試験を行うために試験ベクトルを使用する自動化試験装置(ATE)によって達成される。或る試験ベクトルは、或る期間にわたって、所望の試験入力(即ち信号)、付随するクロック・パルス(又はパルス)、及び期待される試験出力(即ち信号)を記述し、その目的は、特定のセル(又はマクロ)を『試験する』ことである。アナログ回路についての試験ベクトルは、アナログ刺激とアナログ出力とを記述する。複雑な回路については、これは多数の試験ベクトルを要し、従って長い試験時間を要する。ここではマクロとセルとは同じ物を意味するために使われる。
【0004】
また、VLSI又はAVLSIの特別の回路構成は、或る特別の信号の組み合わせを除いて他の全ての信号についてその素子の或るものがアクセス不能であるために、非常に特殊な信号パターンが提示されなければ故障又は欠陥を隠してしまうことになる。しかし、各素子に可能な各々の組み合わせを与えるのに要する長い時間との関連で各回路を働かせるのに要する試験設備のコストの高いことを考えると、そのような試験を製造された回路の100%に対して実行するコストは驚異である。このために、過去においては、集積回路製造者はチップ中の活動状態の素子の全部ではなくて一部だけを試験するにとどめるほかはなかったのであるが、その結果として、製品の品質レベルは最善よりは下回っていた。よって、集積回路設計における主要な問題の一つは、最終のICデザインを充分に試験する能力であって、この問題は集積回路の複雑さが高まるに従って重大となる。いわゆる試験のためのデザイン(DFT)における鍵となる概念は制御性と観察性とである。制御性は、デジタル的意味においては全てのノードをセットしリセットする能力を意味し、アナログ的意味においては回路の全てのノードにアナログ刺激を加えることを意味するが、観察性は、回路中のノードの状態又は値を直接又は間接に観察する能力を意味する。種々のDFT技術の目的は、外部の入力/出力から内部のノードを制御し観察する能力を向上させることである。DFT技術は、論理確認及びAC/DCパラメーター試験のために使用され得るものである。
【0005】
回路に試験可能性を設計により設けると、回路に或る程度の影響が及ぶ。おそらく追加の論理を付加しなければならないであろう。この追加の論理は、そのデザインを実施するのに要するシリコンの量を増大させることになる。回路及びその目的システムの開発時間及び試験コストが解析されるまでは、向上した試験可能性からの節約は普通は目立たない。
回路設計者は、このようなVLSI回路の試験の効率を改善するのにスタック・フォールト・モデリング技術(stuck−fault modeling techniques)を使ってきた。デジタル・スタック・フォールト・モデリングは、個々のトランジスタ中のスタック・オープン欠陥やスタック・クローズド欠陥に向けられたものではなくて、論理回路のスタック・ハイ (stuck−high) 及びスタック・ロー (stuck−low)出力を生じさせる結果となるような欠陥のあるトランジスタ(及び欠陥のある相互接続)の効果に向けられている。この場合、試験ベクトルの最小パターンが論理回路の作動のために導出されるが、そのような試験パターンは、若し欠陥が存在するならばスタック・ハイ出力及びスタック・ロー出力を生じさせるように設計された回路への入力である。このような技術は、VLSI回路のデジタル試験効率を改善するうえで効果があった。
【0006】
デジタル・スタック・フォールト・モデリング及び付随のパターン発生と関連させて、共同する回路を、その試験性を改善することに特に向けられたVLSI回路に含ませることが出来る。この共同する回路の一つの構成は、論理回路内の走査径路である。走査径路は、同期して刻時される一連のマスター/スレーブ・ラッチ(又はレジスター)から成り、その各々は該論理回路内の特定のノードに接続されている。これらのラッチは、直列データ・ストリームをロードされることが出来(スキャン・イン(“scan in ”))、そして、その内容を該論理回路内のノードに与えて、その論理回路ノードを所定の状態に予めセットすることが出来る。次にその論理回路を通常の方法で働かせることが出来、(走査ラッチを有する)各ノードにおける該操作の結果が、そのそれぞれのラッチに記憶される。該ラッチの内容を直列にアンロードすることにより(スキャン・アウト (“scanout”))、付随のノードにおけるその特定の試験操作の結果が読み出されて、不適切なノード操作について解析され得る。数個の異なるデータ・パターンでこの操作を反復することにより、該論理回路の全ての必要な組み合わせを実際上試験することが出来るが、各々の活動状態の素子又はセル及びその可能な相互作用の全てを別々に試験するのに比べて試験時間及びコストが少なくなる。このようなデータを走査するための技術は、『VLSIデザイン』( 第5巻、第12号、ページ38−61、1984年12月)のW.J.マックラスキーによる『試験可能性走査技術のためのデザインの概観』(E. J. McCluskey in “A Survey of Design for Testability Scan Techniques”, VLSI Design (Vol. 5, No. 12, pp.38−61, December 1984)において論じられている。
【0007】
また、この技術が進歩するのに従って、集積回路のユーザーは、ユーザーの用途に特有の機能を実行するために特別に設計され構成された集積回路を望むようになる。そのような集積回路はアプリケーション特有集積回路 (Application Specific Integrated Circuits (ASICs)) と呼ばれている。ASIC素子が、プログラマブル・ソフトウェアにおいて具体化された特別の機能を有することのある汎用マイクロコンピューターとコストにおいて競争することが出来、且つ、比較的に小規模な集積回路から成るボード・デザインとコストにおいて競争出来るためには、ASIC回路の設計時間は短くなければならず、且つ、ASIC回路は低コストで製造可能で且つ低コストで試験可能でなければならない。目下、或るASIC素子はデジタル及びアナログ回路の両方を包含するように設計されつつある。従って、以前に設計された回路モジュールを組み合わせることにより新しい回路を構成出来るように、そのような回路のデザインをモジュール式とし、その各モジュールが或る機能を行うようにするのが有益である。このようなアプローチは、非ASICマイクロコンピューター及びマイクロプロセッサにも使用することが出来る。最終製品にかかわらず、モジュール式アプローチを使えば、設計者は、以前に確認されていて既に製造可能とわかっている論理を使うことが出来る。しかし、集積回路における元の場所の特定の走査径路を利用する論理モジュールを新しい回路アプリケーション中に配置すれば、新しい素子のために一般的には新しい試験パターンが必要になり、従って設計/製造サイクル時間が長くなる。
【0008】
1987年6月2日に出願されてテキサス・インスツルメント社に譲渡された米国特許第4,860,290号に記載されているように、走査径路及びその他の試験可能性回路を利用するモジュール式アプローチは、既に使われていて、全てのあり得るデジタル故障に効率的に徹底的に対処する。このようにして、このようなモジュール方式により、試験時間及びコストの短縮が達成される。
近時、アプリケーション特有集積回路(ASIC)の設計にメガモジュール(MegaModulesTM)が使われている。(MegaModuleは、テキサス・インスツルメント社の商標である。)例えば、SRAM、FIFO、レジスターファイル、RAM、ROM、汎用非同期送受信機(UART)、プログラマブル論理アレー又はその他の論理回路であることの出来るこれらの MegaModulesTMの各々は、普通は複雑さが少なくとも500ゲートの集積回路モジュールとして定義されており、複雑なASICマクロ機能である。これらの MegaModulesTMは、予め設計されてASICデザイン・ライブラリーに格納されることが出来る。その後、MegaModules TMは、所望のICチップ上の或る領域内に既存のそのようなMegaModules TMのデザインを置くことによりASICの設計において設計者により使用されることが出来る。
【0009】
従来は、MegaModules TMは標準的カタログ素子として使用可能であるが、普通は試験可能性無しに設計される。MegaModules TMを使用するASICは、その特定のチップのために誂に試験プログラムが開発されることを必要とする。各ASICのために誂の試験プログラムを導出しなければならないので、各試験プログラムのコストが本質的に重複することになる。よって、モジュール式回路のための包括的試験プログラムに対する需要がなお存する。
前述の従来技術の試験方式の殆どは、論理機能を試験することを目指すものであって、アナログ回路又はアナログ及びデジタル混合回路を試験する能力を明示的には持っていない。デジタル回路と全く同じく、埋め込み式の混合信号回路は、試験及び特性検査時に制御又は観察するのがしばしば困難である。また、混合信号回路のための包括的/再使用可能な試験プログラムを書くことも困難である。混合信号回路のための従来の試験方法は、アナログ・モジュールへのアクセスを得ると共にこれを制御するために追加のピン、修正ボンドアウト方式 (modifiled bond out schemes) 、及び未接合パッドを使用している。よって、混合信号回路を試験する容易で且つ単純な方法に対する需要がなお存する。
【0010】
しかし、従来技術のこれら及びその他の欠点は本発明により克服されて、アナログ回路又はアナログ・デジタル混合回路のチップ・レベルでの試験及びシステム・レベルでの試験のための改良された方法及び装置が提供される。
【0011】
【発明の概要】
好ましい実施例では、ASIC又はその他の種類のICを試験するために現在使用されている試験可能性方式における走査のためにアナログ回路又はアナログ・デジタル混合回路を制御することの出来る方法及び回路が提供される。本発明の方法及び回路は、混合信号回路又はデジタル回路内に、他の混合信号回路又はデジタル回路へのその入出力インターフェースに、直列デジタル走査径路と、(そのような径路内の)セル及び/又は適切な試験信号を走査する役割を持った他の回路とを置き、それらが標準的走査試験方式を使って制御及び観察され得るようにする。即ち、本発明はアナログ回路又はアナログ・デジタル混合回路を試験する在来のスキャン・イン試験可能性方式を使用するための方法及び装置を提供する。他の類似の試験方式を本発明の教示に従って修正することが出来る。特定のアナログ回路のために回路を試験するための試験信号の組が発生されると、同じ試験の組を、一般的には何処でも且つどのようにでも、その回路のために使用することが出来る。
本発明の方法及び回路は、生産試験と、パッケージングの前及び後の両方における初期特性検査及びデバッギングとに使用し得るものである。走査に基づく方式を採用することにより、回路のアナログ部分が種々の制御/観察インターフェースを使用する種々のチップ内に埋め込まれているときでも、アナログ(又は混合信号)回路のための試験を後の再使用のために『缶詰』に出来る;即ち『モジュール式の』アナログ試験を再使用可能なアナログ回路モジュールのために書くことが出来る。
【0012】
本発明の目的は、アナログ回路を試験するための単純な方法を提供することである。
本発明の他の目的は、試験しやすいアナログ回路を提供することである。
本発明の他の目的は、アナログ回路又はアナログ・デジタル混合回路のための走査試験方式を提供することである。
本発明の他の目的は、アナログ回路のための走査試験の組を開発する方法及び装置を提供することである。
本発明のこれらの及びその他の目的及び利点は、添付図面を参照する以下の詳細な記述から明らかとなろう。
本発明のより完全な理解は、添付図面と関連させて以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の欄を参照することにより得られるであろう。図面において同じ参照数字は図面全体を通じて同じ特徴を指示する。
【0013】
【実施例】
ここで、アナログ回路のブロック11とデジタル回路のブロック12とを内蔵する集積回路10の部分が示されている。本書にもっと詳しく説明するとおり、本発明の方法及び回路は、混合信号回路又はデジタル回路内に、他の混合信号回路又はデジタル回路へのその入出力インターフェースに、直列デジタル走査径路と、(そのような径路内の)セル及び/又は適切な試験信号を走査する役割を持った他の回路とを置き、それらが標準的走査試験方式を使って制御及び観察され得るようにする。本発明の教示に従って、アナログ回路は、機能ブロックと、そのブロックの所望の試験可能性に対処するために各ブロックに付随する所要の走査又は試験セルとに編成されることが出来る。アナログ回路ブロックの複雑さに応じて、埋め込み試験論理を該回路に付加する必要が生じることがある。また、本発明の教示によると、既存の通常の論理の機能を修正し且つ/又は該集積回路の諸部分のトポロジーを変更するために走査又は試験セルを使用することが出来る。更に、所望の試験信号の少なくとも一部分を入力するために該集積回路のピンの第1の組を使うことが出来、試験出力信号を感知するためにピンの第2の組(これは、その第1の組と同じでもよいし、異なっていてもよい)を使うことが出来る。本発明の技術を使用することにより、論理確認、ACパラメトリックス、及び/又はDCパラメトリックスのためにアナログ回路を試験することが出来る。
【0014】
本発明は、修正ボンドアウト方式や未接合パッドを要することなく回路を容易に修正することを可能にするものである。よって、本発明の方法及び回路は生産試験にも、またパッケージングの前後における初期特性検査及びデバッギングにも使用し得るものである。走査に基づく方式を採用することにより、種々の制御/観察性インターフェースを使用する種々のチップ内に該回路のアナログ部分が埋め込まれているときでも、アナログ(又は混合信号)回路についての試験を後の再使用のために『缶詰』にすることが出来る。更に、制御点を走査チェーンの一部とすることにより、内部ノードをピン又は内部モジュール・インターフェースへ導き出す必要はなく、その結果として回路はより単純となる。走査試験方式を採用することにより、混合信号回路を『全デジタル (all−digital)』素子に付加しなければならないとき、アナログ( 又は混合信号) 回路試験を最小限の努力で『全デジタル (all−digital)』素子と結合させることが出来る。
図1を参照し続けると、この図には在来の走査試験技術を好都合に使用するモジュール式走査ポート13と論理状態機械14とが見られる。状態機械14は、試験中に少なくとも走査レジスター・ラッチ(SRL)18、19、20によって制御されるデジタル・コア論理16を包含する。即ち、走査ポート13は、試験バス28上の信号を介して、試験動作が何時行われるべきかを判定し、その所望の試験を行うために必要な通常及び/又は試験回路22、24、26、30、32を『作動可能』にする。図示のように、通常のデータ・バス30及びアドレス・バス32も試験目的に使用することが出来るけれども、これは目下好ましくはない。所望の試験のために所要の信号、論理及び/又は接続をセットアップするために、走査径路40を介して、データをSRLに走査して入れることを可能にするために走査ポート13はアナログ回路11に付随する走査レジスター・ラッチ(SRL)19、20を制御することが出来る。このとき、適切なデータ、信号、又はビットが所望の試験のために回路に印加される。走査径路40は、ポート13からレジスター22(40a)へ、制御論理24(40b)へ、試験論理26(40c)へ、SRL20(40d)へ、SRL18へ、SRL19へ伸び、そして図1に示されている様にポート13(40e)へ戻る。試験論理26は、走査径路40の一部であるSRLを包含することが出来、これらのSRL中の信号は、どのアナログ信号がマルチプレクサ50、52から出力されるかを決定するべくマルチプレクサ(MUX)50、52を制御するために使用されることが出来、それに従ってどの素子が試験されるかが決まり、その素子が受ける試験の種類が決まる。
【0015】
例えば、マルチプレクサ52は、オープン(該マルチプレクサが『オフ』にされたとき)、ゼロ、ロー又はハイ抵抗の間の選択を介して、その付随の演算増幅器52に供給されるフィードバックの量を選択するために制御されることが出来る。即ち、演算増幅器54の利得は、例えば、それに限られるわけではないけれども、DCオフセット測定などの増幅器54の或る試験については単位利得に選択的に変更されることが出来、また所望の他の種類の試験については『オープン』ループとすることが出来る。他の条件下では、例えば、それに限られるわけではないけれども、長い『整定』時間の間待たなければならなくなるのを避けるため、試験中などに、増幅器54のために異なるフィードバックを適宜使用することが出来るが、例えば、フィードバックを調整することによって整定時間を短縮して試験を速く行うようにすることが出来る。よって、マルチプレクサ52は、試験論理26のSRLに走査入力される信号の制御下で、アナログ回路のトポロジー及び/又は機能を変えることが出来る。在来のアナログ試験は、増幅器54をそのように試験するために2本以上のピンを必要とする。
同様に、アナログ値をピン72に供給し、変換器62によるその値のデジタル表示への変換が評価され得るように、増幅器54の出力をAD変換器62に供給し又はピン72を変換器62に接続するようにマルチプレクサ50を制御することが出来る。AD変換器62はアナログ回路11に埋め込まれており、この技術は、別の専用の試験ピンを持たずにその試験を行うことを可能にするものである。SRL20は、AD変換器62に付随するデジタル・バッファーを表すものであって、これらの試験のいずれかから結果する信号を捕捉するためにも使用され得る。この構成は、その出力を変換器62に入れて、所望のアナログ値がピン72に与えられるときに走査径路40を介して該変換器のデジタル値をSRL20から走査出力させることによって増幅器54を試験することをも可能にするものである。明らかに、変換器62が最初に試験されるべきである。
【0016】
一般に、本発明の教示に従って、被観察信号及び/又は入力信号は、アナログ信号、アナログ信号のデジタル化された形、又は臨界測定(即ち電圧がターンオン/オフ臨界値より上か下か)であることが出来る。
DA変換器60についても、出力ピン70を介して、その出力の直線性をチェックするために特別のデジタル信号をDA60に印加出来るように、走査径路40の一部でもあるSRL19から成る『D』側にバッファーを包含させることが望ましい。アナログ出力ピン70上の信号を調べるATEによって如何なる出力でも監視することが出来る。即ち、走査径路40は、DA変換器60のためのバッファーを構成するSRL19を包含する。若しこれが行われても、特別の試験を実行するのに必要な所望の試験機能、信号、又は状態機械を提供するために既存のデジタル論理16のうちの或るものを修正するべく、付加の試験論理26(これは埋め込まれることが出来る)を設けることも望ましいかもしれない。例えば、バッファー19を制御する(論理ブロック16内の)通常の論理を、試験ポート13、試験バス28、又は特別のピンからの適切な試験制御信号の制御下で変換器60のバッファー19を自動的にインクリメントし且つ/又はデクリメントする特別の試験論理へシフトさせるために、試験論理26内のSRLを使用することが出来る。即ち、そのようなSRLは、試験制御信号の制御下でバッファー19のための(論理モジュール16内の)通常の制御論理を基本カウンターへシフトさせることが出来る。このようにして、本発明は、通常の論理の機能を制御可能に変えて、試験中に制御可能な試験機能論理を提供する方法を提供する。
【0017】
走査セル及び追加の試験論理が定義されてアナログ回路に包含されると、その回路についての試験の組が発生されることが出来て、その回路と共に運送可能となる。即ち、試験エンジニアは、それがどの様に使われるかによらずに回路についての必要な試験の組を書いたり書き直したりすることを要求されない。このようにして、本発明の技術は、回路の試験可能なブロックと、それに付随する、在来の試験方式に用いることの出来る試験の組とを提供する。このよな試験の組は、論理確認、ACパラメトリックス、及び/又はDCパラメトリックスを包含することが出来る。
ここで図2を参照すると、ゲージ・ドライバー200のブロック図が示されている。アナログ回路200は単純なアナログ回路の例であり、本発明の教示に従ってそのアナログ部分の試験のための走査セルを包含するように構成されたデジタル回路を包含している。このアナログ回路200は、通常はデータ、アドレス、及び制御バス202からデジタル値を受け取り、それを同等のアナログ値に変換する。このアナログ値は、或る量又は値(即ち、タンク内の液体の量)を示す、チップ外の(図示されていない)アナログ・ゲージを駆動する。この回路200は、供給電圧が低すぎるときに出力駆動段を保護するために最終出力ドライバー205を『オフ』にする低電圧臨界値センサー204を有する。
【0018】
図2から分かるように、デジタル値は通常はバス202からバス送受信機206にロードされ又は書き込まれる。その代わりに、デジタル値は送受信機206からバス202に読み出されることも出来る。例えば、CPU(図示せず)は、その通常の制御、データ及びアドレス・バス202を使ってデータ値を書いたり、或るいはデジタル値を読んだりすることが出来る。読み書き制御論理212は、送受信機206及びレジスター208を制御して、制御レジスター208からデータを読み出させ、或いは該レジスターにデータを書き込ませる。読み書き論理212は、制御バス202上の制御信号により制御される。制御レジスター208は、SRLである通常データ記憶素子を持っており、これらのSRLは走査チェーン240内の置かれる。レベル・シフター210は、入ってくる通常デジタル電圧を、DA214のアナログ回路により使用される、より高い電圧にシフトさせる。アナログ回路には、パワー・ピン220によりアナログ素子に適した電圧が供給され、グランド・ピン224によりグランドが供給される。
通常のモードでは、読み書き制御論理212は、デジタル値をデータ・バス202から送受信機206に転送させ、それをレベル・シフター210及びDA変換器(DAC)214に転送するが、これは、それを自動的にアナログ値に変換する。このアナログ値は出力増幅器バッファー段205に渡され、その出力はピン222に置かれる。最終出力222は、イネーブル論理216、リセット論理219、又はアンダーボルテージ・ロックアウト論理230(これはアンダーボルテージ検出器204を介して供給電圧220のレベルを監視する)を制御することによりオン又はオフにされる。リセット論理219は出力ドライバー205とレジスター208とを初期設定する。イネーブル論理216は、出力ドライバー205に対するユーザー(又はCPU)制御を可能にするものであり、典型的にはイネーブル論理216は出力段205をオンに転じさせてアナログ出力をピン222に出力させる。論理のこれら種々のブロックは、SRLをその論理回路に包含させることによって、適切な動作のためにデジタル的に試験される。これらのSRLは、該回路のアナログ部分を試験するためにも使用され得る。
【0019】
即ち、試験モードでは、DA214に与えられる唯一のデータは、SRL208に走査入力されるデータである。その代わりに、通常データ・バス202は、そのような試験デジタル値を供給するために試験モードで使用されることも出来るが、これは現在は好ましくない。試験データは走査チェーン240を介してSRL208に走査入力されるが、この走査チェーンは、試験ポート201から、レジスターSRL208(240a)へ、制御論理212(240b)へ、イネーブル・ブロック216(240c)へ、リセット・ブロック219(240d)へ、UVLOブロック230(240e)へと伸びており、そしてポート201(240f)へと戻る。
ポート201は試験バス203へも接続されている。試験バス203は、試験を行わせ、適切なモジュールを選択させ、またスキャン・イン径路(scan in path) 及びスキャン・アウト径路(scan out path) を設けるために必要な信号をポート201へ供給する。制御論理212は、所望の信号を試験を目的としてこの論理212に供給出来るように、該論理を通常バス202から孤立させる走査チェーン240内のSRLを包含している。DA変換器214は、該変換器に所望の範囲のデジタル値を与え、通常出力ピン222を介して増幅器205のアナログ出力を測定することによって試験されることが出来る。ピン222(及び、随意に、ピン224)は、試験結果出力信号を感知するための集積回路200のピンの全ての第2の『組』であると定義され得るものである。このようにして、増幅器205のロー値、ハイ値及び増分ステップ値はDAC214と関連して、そのアクセプタビリティを評価するために判定されることが出来る。よって、本発明はアナログ回路の機能ブロックの入力ノード及び出力ノードにおけるSRLを使って該アナログ回路を試験する単純な方法を提供するものである。
【0020】
同様にして、アンダーボルテージ検出器204の臨界電圧値は、一系列のアナログ電圧値をピン220に供給することによって試験され得る。ピン220は、試験信号又は組(又は試験の組の一部)を供給又は入力するための集積回路200のピンの全ての第1の『組』であると定義され得る。臨界値に達すると、UVLO230SRLは異なる値にリセットされる。走査チェーン240を連続的に走査することにより、このチェーンが生じたときを識別し、それにより、どのアナログ値が検出器204を『トリガー』したのかを識別することが可能である。このとき該アナログ値の方向(増加するか減少するか)は、検出器204がリセットすることを連続的に判定するために再びチェーン240を走査している間に反転され得る。このようにして、アナログ回路についてのタイミング、ヒステリシス、及び臨界値又はリセット値を試験して、満足出来るものであるか否か判定されることが出来る。
ここで図3を参照すると、本発明の教示に従って試験可能であるように構成されたPLL回路モジュール300が示されている。アナログ回路300はアナログ回路の他の例であって、本発明の教示に従ってそのアナログ部分の試験を行うために走査セルを包含するように構成された或るデジタル回路を含んでいる。特に、位相比較器308に接続さている発振器306を駆動するためにピン302、304に接続された外部クリスタルを通常採用する在来のPLL回路がある。比較器308は通常はループ制御論理310に接続されており、この論理はフィルター312に接続されており、これはDA変換器313とフィルター314とを含む。これら2つのフィルターは高周波数発振器(HFO)316に接続されており、この発振器の出力は512分周器318により分周されて通常クロック出力を提供し、これはピン320上の出力として且つ位相比較器308ヘのフィードバックとして供給される。また、状態機械322は、位相比較器308からの信号に対するループ制御論理310の応答又は制御に対して或る制御を行うことが出来る。
【0021】
試験ポート324は、試験バス326及び試験論理328に接続されている。径路330における走査は、及び324から試験論理328(330a)へ、状態機械322(330b)へ制御論理310(330c)へ、試験ポート324(330d)へと行われる。試験論理328における走査チェーン内の1つのSRLを使用して、状態機械322について第2の並列シーケンス又は機能を作動可能又は作動不能にする信号を(ライン342を介して)好都合に供給することが出来る。また、本発明は、回路中の論理の機能を変更するために走査セルを使用することが出来る。この第2の機能が作動可能にされたとき、状態機械322は位相比較器308からの如何なる信号も無視して、試験制御目的のためのフィードバック・ループを実際上破壊する。同様に、試験制御を可能にするために他の種類のアナログ回路については試験制御信号又はSRLにより制御されるパス・ゲートをフィードバック・ループ中に置くことが出来る。
この第1の機能を行う状態にある時、状態機械322は、本質的には、制御論理310をインクリメントし且つ/又はデクリメントしてDACブロック313をインクリメントし且つ/又はデクリメントするカウンターである。このインクリメントは、ライン340を介して、ピン304上の適切な信号(例えば正のパルスなど)により制御され得る。通常の動作では、状態機械322は、ライン340からの如何なる信号も無視する。本発明の教示に従って、試験動作中はピン304はその通常アナログ用途からデジタル用途に切り替わっていることに注意されたい。ここでも、本発明は回路の通常論理機能及び/又はトポロジーを変更し且つ/又は修正するために走査セルを使用することが出来る。これは、PLLを所望の範囲にわたって試験することを可能にすると共に、通常出力ピン320を介して、DAC313の測定値の直線性と整定とを可能にする。HFO314の周波数範囲は、DAC313及びHFO314の組み合わせの周波数ステップのサイズと同様に、決定されることが出来る。このようにして発振器の安定性及びジッタが決定され得る。
【0022】
また、デジタル値を直接ロード出来るように、DAC313のためのバッファー(図示せず)は、走査径路330の一部であるSRLから成ることが出来る。該バッファーを走査径路330に含めることにより、ICのためのピン総数に影響を与えずに最大の試験柔軟性が保たれる。
ここで前記したように、状態機械322は、走査径路330の一部であるSRLを包含する。これらのSRLは、アナログ試験を行う前に在来の『スタック・フォールト』試験又は『スタック・アット』試験のために最初に使われる。同様にして、制御論理310は、走査径路330の一部であって『スタック・フォールト』試験のために使われるSRLを包含しているが、前記したようにアナログ回路を試験するためにも使用され得る。
ここで図4を参照すると、アナログ及びデジタル機能モジュールを内蔵するICを試験するためのブロック図400が示されている。特に、CPUモジュール402、デジタル・モジュール404、混合信号モジュール406、及びメモリー・モジュール420がある。例えば4個の外部ピン405を有する試験アクセス・ポート(TAP)401は、試験バス403に接続された複数の試験ポート450−460(及び試験されるべき付随のモジュール)のうちの1つ以上を選択し、そのモジュールを試験するのに必要な通常回路及び/又は試験回路を作動可能にするために使用されることの出来るポート401からの信号を包含する試験バス403に接続されている。各モジュールは別々に試験され、又は一緒に試験されることが出来る。試験バス403は、デジタル信号モジュール及び混合信号モジュールの両方の試験ポート450−460に接続されている。即ち、本発明の教示に従って、試験アクセス・ポート401と試験バス403とは、在来の走査セル及び在来の走査技術を使って両方の種類の回路を試験するために使用され得るものである。希望に応じて、ポート401、バス403、及びポート450−460の代わりに、試験ピンを使うことも出来る。
【0023】
試験アクセス・ポート401は、試験ポートに各々付随する種々のSRLチェーン408、410、418のために、スキャン・イン(SI)ピン405及びスキャン・アウト(SO)ピン409を介して、走査径路407、409、417をも提供する。各試験ポートは、その試験ポートと、付随のSRLのチェーンとが『データ・スキャン・イン』モードにおいて走査入力(スキャン・イン)されるべきか否かを示す信号又はビットで試験アクセス・ポート401によりセットされることが出来る。各試験ポートは、その試験ポートと、付随のSRLのチェーンとが、予め選択された試験モードに包含されるべきか否かを示すビットで試験アクセス・ポート401によりセットされることも出来る。このようにして、モジュールの特別の試験に必要なデータは、デジタルでもアナログでも、そのモジュールに付随するSRLチェーンと、その試験を行うために選択されたSRLチェーンのための試験ポートとに走査入力されることが出来る。
CPUモジュール402とデジタル・モジュール404との試験には、公知の試験走査技術が使われる。前記したように、混合信号モジュール406の試験は、本発明の教示に従う。図4に示されている様に、混合信号モジュール406は、デジタル部分426とアナログ424部分とに分割されることが出来る。デジタル部分426は、ライン428を介して、SRLとインターフェースし且つSRLとの間で信号を転送する。B−SRL432は、在来のマスター/スレーブ・サイクルを使用するが、その通常動作においてSRLに付随する通常1サイクルの遅延を無くする境界SRLである。ライン429aを介して、混合信号モジュール406のアナログ部分424かあ、且つ/又はライン429aを介してデジタル部分426から、またライン429bを介してB−SRL432との間で、ピン又はパッド440、442を使って信号を入出力することが出来る。
【0024】
メモリー420の部分に論理ベクトル又は試験ベクトルを予めロードしておくことが出来るが、該ベクトルは通常バス422を介してSRL430、432に転送されることが出来る(該SRLにデータをロードするため)。同様にして、データをSRL430、432から出してメモリー420に入れ、後にダウンロード及び/又は解析することが出来る。
SRL430、432は、アナログ回路424についての走査可能な制御性及び/又は観察性ポイントとして役立つ。また、このモジュール406に付随する通常ピン440、442も、制御性及び/又は観察性ポイントとして役立つことが出来、ICのピンの『組』であることが出来る。
ここで図5を参照すると、図1(項目13)、図2(項目201)、図3(項目324)、及び図4(項目450−460)において参照されている試験ポートとして使用され得る試験ポート600のブロック図が示されている。特に、SRLの代表的チェーン500、502、504、506は、試験バス(図示せず)からの制御信号520、522、524、526、528により、スキャン・イン・ライン510を介して走査されまたは走査されず、スキャン・アウト・ライン512を介して走査出力されることが出来ることが示されている。1つのポート600のスキャン・イン・ライン510は、図4に示されている様にポートのチェーンを設けるために前のポートのスキャン・アウト・ライン512に接続され得る。該チェーンの最初のポートのスキャン・イン・ライン510は通常は試験バス・スキャン・イン・ライン又はスキャン・イン・ピンに接続され、該チェーンの最後のポートのスキャン・アウト・ライン512は試験バス・スキャン・アウト・ライン又はスキャン・アウト・ピンに接続される。試験ポート600の動作及び構成は、米国特許第4,860,290号に開示されている試験ポートに類似している。
【0025】
試験ポート600は、破線544で示されている制御走査径路モードを有する。試験ポート600は、該チェーンが選択されたときのデータ走査径路モードと(2点鎖線540で図示されている)、該チェーンが選択されなかったときのデータ走査径路モード(1点鎖線542で図示されている)とをも有する。データ走査モードの選択により、そのそれぞれの『スイッチ』に給電し遮断するために適切な信号がピン520及びピン528に供給される。該チェーンが選択されたならば、MSENB524は『ゼロ』状態となり、その第1のスイッチはオープンとなり、その2つの付随の『反転』スイッチは閉成されることになる。該チェーンが選択されていなければ、MSENB524は『1』状態であり、その第1のスイッチは閉成され、その2つの付随の『反転』スイッチはオープンとなる。MBENB526は、常に走査径路内にあって、選択されていないモジュールが、試験されるモジュールの試験を潰すのを防止するために、試験されていないモジュールの孤立化を保証するのに使われる制御信号である。チェーンに付随するモジュールが選択されると、そのチェーンについてのMBENB526は典型的には『1』状態である。しかし、MBENB526のいずれの『状態』も、それを通るデータの流れを禁止しない。制御走査モードが選択されたときには、ピン522には、その付随のスイッチを遮断する適切な信号が供給される。MSENB524とMBENB526とは制御走査径路544の一部であり、その状態は制御走査径路544の走査中にセットされる。
【0026】
本発明の範囲から逸脱することなく当業者は上記の技術及び装置に他の多くの変形及び修正を行うことが出来るであろう。従って、添付図面に図示し、上記の記述において言及した方法及び装置は説明だけを目的としたものであって発明の範囲を限定するべく意図されたものでないことが明らかに理解されるべきである。
以上の記載に関連して、以下の各項を開示する。
(1)通常動作中の信号の入力及び出力のための複数のノードを有するアナログ演算回路と、
選択された試験制御信号に応じて選択された試験を行うのに利用されるべき信号を包含するために少なくとも前記複数のノードに接続された複数の走査セルとから成ることを特徴とする集積回路。
(2)前記複数の走査セルに接続された試験制御信号に応答して試験動作中に前記の選択された試験制御信号を前記走査セルに供給するために試験動作を制御するための試験ポートを更に備えることを特徴とする上記(1)項に記載の集積回路。
(3)前記の選択された試験のうちの一つを実行し、又は、予め選択された試験出力信号に応じて前記の選択された試験のうちの一つを実行するために前記アナログ回路の一部分を構成する他の回路を更に備えることを特徴とする上記(2)項に記載の集積回路。
(4)前記複数の走査セルから成る走査径路を、試験パターン及び試験の組の源に少なくとも接続する試験バスを更に備えることを特徴とする上記(3)項に記載の集積回路。
(5)前記の予め選択された試験出力信号は、前記試験ポート、前記走査セルのうちの予め選択された一つ、前記試験バス、予め選択された試験制御信号、外部ピン、又はその組み合わせ、により提供されることを特徴とする上記(4)項に記載の集積回路。
(6)前記の他の回路は、前記の予め選択された試験のうちの少なくとも一つを行うための試験論理回路、通常論理機能を変更するための論理回路、前記アナログ回路又は集積回路のトポロジーを変更するための回路、又はその組み合わせ、から成ることを特徴とする上記(5)項に記載の集積回路。
(7)前記の他の回路は、予め選択された一つ以上の制御信号、予め選択された試験出力信号、又はその組み合わせ、に更に応答することを特徴とする上記(6)項に記載の集積回路。
(8)前記走査セルのうちの予め選択された一つからの予め選択された信号に応じて特別の試験機能へシフトすることの出来る前記アナログ回路の一部に接続された通常論理機能を有する論理回路を更に備えることを特徴とする上記(2)項に記載の集積回路。
(9)前記論理回路は、予め選択された制御信号に応じて前記の選択された試験のうちの少なくとも一つを行うことを特徴とする上記(8)項に記載の集積回路。
(10)前記複数の走査セルの一部は、前記アナログ回路の入力及び出力ノードではない前記集積回路の部分に接続されていることを特徴とする上記(2)項に記載の集積回路。
(11)アナログ回路の複数のモジュールを更に備えており、
前記試験ポートは前記モジュールのうちの一つ以上を選択することを特徴とする上記(2)項に記載の集積回路。
(12)前記試験バスは前記試験ポートと相互に接続されていることを特徴とする上記(4)項に記載の集積回路。
(13)デジタル動作回路についての試験動作を制御するために前記試験バスに相互に接続された第2の試験ポートを更に備えることを特徴とする上記(12)項に記載の集積回路。
(14)通常動作中の信号の入力(72)及び出力(71)のための複数のノードを有するアナログ演算回路(11)と、選択された出力信号に応じて前記アナログ演算回路(11)に対して実行されるべき選択された試験において利用されるべき信号を包含するために少なくとも前記複数のノード(71、72)に接続された複数の走査セル(19、20)とを包含する集積回路(10)。アナログ演算回路(11)のための走査セル(19、20)は走査径路(40)において接続されている。走査径路(40)は、レジスター(22)、制御論理(24)、及び集積回路(10)のデジタル論理コア(16)に付随する試験論理(26)にも接続されている。このようにして単一の走査に基づく試験システムは、アナログ・デジタル混合集積回路(10)上のアナログ演算回路(11)及びデジタル回路(12)の両方を試験することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログ回路の試験を可能にするために本発明の教示に従って接続されたアナログ回路を中に有する集積回路の部分の略ブロック図である。
【図2】本発明の教示に従って試験されることの出来るゲージ・ドライバーの略電気ブロック図である。
【図3】本発明の教示に従って試験されるべく構成されたフェーズ・ロック・ループ(PLL)回路の略電気ブロック図である。
【図4】共通試験バスに接続されたアナログ・モジュール及びデジタル・モジュールの両方を内蔵するICの略ブロック図であるが、これは、デジタル『スタック・アット (stuck−at) 』試験のために使用し得ると共に、本発明の教示に従ってアナログ及び/又はデジタル回路の走査に基づく試験のために使用し得るものである。
【図5】本発明の技術に用いるのに適した試験ポートの略ブロック図である。

Claims (5)

  1. 通常作動中の入出力信号のため複数のノードを有するアナログ演算回路、
    それぞれがデジタル信号を蓄積する複数の走査レジスタ・ラッチを形成し、シリアル・チェーンとして配置されている複数の走査セル、
    前記のアナログ演算回路へ、そして対応する走査レジスタ・ラッチへ接続された少なくとも一つの混合信号回路、
    前記のチェーンを介してシリアルデジタル信号を入出力するため前記の複数の走査セルの前記のシリアル・チェーンへ接続されたテスト・ポート
    を備え、前記のテスト・ポートの通常作動モード中は集積回路が通常作動を遂行し、そして少なくとも一つのテスト・モード中は前記の少なくとも一つの混合信号回路はデジタルデータを前記の対応する走査レジスタ・ラッチと交換することを特徴とした集積回路。
  2. 前記の少なくとも一つの混合信号回路を介して前記のアナログ回路へ接続され、そして前記のテスト・ポートへ接続されているデジタル回路を更に備え、このデジタル回路は
    前記の通常作動モードにあるときには前記のアナログ回路を制御して前記の通常作動を遂行させ、
    前記の少なくとも一つのテスト・モードにあるときには前記のアナログ回路を制御して回路テストを遂行させ、
    前記のアナログ回路の制御は、前記の通常作動とは異なる仕方で前記のアナログ回路を制御することにより、前記のアナログ回路の接続状態を変えることにより、もしくはそれの組み合わせを変えることにより行うようにした請求項1に記載の集積回路。
  3. 前記の集積回路がアナログ入力信号を受けるための少なくとも一つのアナログ入力ピンを含んでおり、
    前記の少なくとも一つの混合信号回路が、前記の少なくとも一つのアナログ入力ピンへ接続されたアナログ入力とデジタル出力とを有するアナログからデジタルへのAD変換器を含み、そして
    前記のアナログからデジタルへのAD変換器に対応する前記の走査レジスタラッチは前記の少なくとも一つのテスト・モードにあるときには前記のアナログからデジタルへのAD変換器のデジタル出力を受けるように接続されている請求項1に記載の集積回路。
  4. 前記の集積回路がアナログ出力信号を受けるための少なくとも一つのアナログ出力ピンを含んでおり、
    前記の少なくとも一つの混合信号回路が、前記の少なくとも一つのアナログ出力ピンへ接続されたアナログ出力とデジタル入力とを有するデジタルからアナログへのDA変換器を含み、そして
    前記のデジタルからアナログへのDA変換器に対応する前記の走査レジスタラッチは前記の少なくとも一つのテスト・モードにあるときには前記のデジタルからアナログへのDA変換器のデジタル入力を供給するように接続されている請求項1に記載の集積回路。
  5. 前記の少なくとも一つの混合信号回路が複数のアナログ入力、単一のアナログ出力そして少なくとも一つのビットデジタル制御入力を有するアナログ・マルチプレクサを含み、このマルチプレクサは前記の単一のアナログ出力に出力するために前記の少なくとも一つのビットデジタル制御信号に対応する前記の複数のアナログ入力の中の一つを選択し、そして前記のマルチプレクサに対応する前記の走査レジスタラッチは前記の少なくとも一つのテスト・モードにあるときには前記のアナログ・マルチプレクサの前記の少なくとも一つのビットデジタル制御入力に供給するように接続される請求項1に記載の集積回路。
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