JP3562357B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体装置の作製に使われる層間絶縁膜として、シリコン酸化膜が広く用いられている。シリコン酸化膜の形成方法としては、様々の方法がある。このうち、シラン等のシリコン化合物と、過酸化水素とをCVD法により反応させることにより形成されるシリコン酸化膜は、平坦性に優れているという特長を有する(以下、「平坦性シリコン酸化膜」という)。例えば、特開平9−102492号公報にこの技術が開示されている。
【0003】
この平坦性シリコン酸化膜は、減圧CVD法により形成されている。よって、比較的大きな引っ張りの内部応力を有する。これが半導体装置の作製の際における半導体ウェハの反りの原因となる。半導体ウェハの反りは、半導体装置の作製において、様々な不都合を生じる。例えば、層間絶縁膜のクラックの原因となる。
【0004】
本発明の目的は、半導体装置の作製の際、半導体ウェハの反りを低減することが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主表面を有する半導体基板と、主表面上に位置する第1のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、を備えた半導体装置の製造方法であって、シリコン化合物と過酸化水素とをプラズマCVD法によって反応させて、第1のシリコン酸化膜を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法である。
【0006】
この製造方法により作製される半導体装置は、主表面を有する半導体基板と、主表面上に位置する第1のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、を備え、第1のシリコン酸化膜は、主にシリコン化合物と過酸化水素との重縮合反応によって形成され、かつ絶対値が100MPa以下の引っ張り又は圧縮の内部応力を有する。
【0007】
本発明の製造方法は、プラズマCVD法により、シリコン化合物と過酸化水素とを反応させて、第1のシリコン酸化膜を形成している。すなわち、平坦性シリコン酸化膜は、プラズマCVD法により形成されている。プラズマCVD法で形成された平坦性シリコン酸化膜は、比較的弱い引っ張り又は圧縮の内部応力を有すると考えられる。おそらく、絶対値が100MPa以下の引っ張り又は圧縮の内部応力と考えられる。したがって、減圧CVD法で形成した場合に比べ、半導体ウェハの反りを低減できる。
【0008】
特に、層間絶縁膜の引っ張りの内部応力が200MPa以上の場合、後工程の熱処理の際、アルミ配線の伸縮により、層間絶縁膜にクラックが発生することがある。第1のシリコン酸化膜の引っ張りの内部応力は、100MPa以下なので、後工程の熱処理の際、アルミ配線の伸縮により、層間絶縁膜にクラックが発生するのを防ぐことが可能となる。
【0009】
また、シリコン化合物と過酸化水素とをプラズマCVD法によって反応させて第1のシリコン酸化膜を形成することにより、平坦性の優れた層を形成することができる。すなわち、本発明により形成される第1のシリコン酸化膜は、それ自体で高い流動性を有し、表面反応による優れた自己平坦化特性を有する。そのメカニズムは、シリコン化合物と過酸化水素とをCVD法によって反応させると、気相中においてシラノールが形成され、このシラノールがウエハ表面に堆積することにより流動性のよい膜が形成されることによると考えられる。
【0010】
これに加えて、高周波を印加することで、OH及びHの離脱並びに気相反応が促進され、水分が少なく、内部応力の低い良質の膜が得られると考えられる。
【0011】
上記シリコン化合物としては、例えばモノシラン、ジシラン、SiH2Cl2、SiF4などの無機シラン化合物、およびCH3SiH3、ジメチルシラン、トリプロピルシラン、テトラエトキシシランなどの有機シラン化合物などを例示することができる。
【0012】
本発明により形成される第1のシリコン酸化膜は、下地の段差を十分にカバーできる程度の膜厚で形成されることが望ましい。第1のシリコン酸化膜の膜厚は、その下限値は下地の凹凸の高さに依存するが、好ましくは300〜1500nmである。
【0013】
なお、本発明の層間絶縁膜には、一層構造又は多層構造のいずれも含まれる。多層構造の場合、層間絶縁膜が圧縮又は引っ張りの内部応力を有するとは、層間絶縁膜全体としてみた場合、層間絶縁膜が圧縮又は引っ張りの内部応力を有するという意味である。よって、層間絶縁膜を構成するある層は、圧縮の内部応力を有し、他の層は、引っ張りの内部応力を有することもありうる。以下の層間絶縁膜もこの意味である。
【0014】
層間絶縁膜が第1及び第4のシリコン酸化膜を含む二層以上の構造の場合、本発明の製造方法は、以下の態様が好ましい。すなわち、第4のシリコン酸化膜を、プラズマCVD法によって形成する工程を含むのが好ましい。この態様によれば、第1及び第4のシリコン酸化膜は、ともにプラズマCVD法で形成される。
【0015】
層間絶縁膜が第1のシリコン酸化膜の下に位置する第2のシリコン酸化膜を含む構造の場合、本発明の製造方法は、以下の態様が好ましい。すなわち、第1のシリコン酸化膜の形成工程の前に、シリコン化合物と、酸素及び酸素を含む化合物の少なくとも一種と、をCVD法によって反応させてベース層となる第2のシリコン酸化膜を形成する工程を含むのが好ましい。
【0016】
このベース層は、ベース層の下の層(ベース層の下に層がない場合は、半導体基板の主表面)に第1のシリコン酸化膜から水分や余分な不純物が移動しないパッシベーション機能、およびベース層の下の層(ベース層の下に層がない場合は、半導体基板の主表面)と第1のシリコン酸化膜との密着性を高める機能を有する。
【0017】
また、上記製造方法で得られた第1及び第2のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜において、上端部から底部に向かって徐々に口径が小さくなるテーパ状のスルーホールが得られる。つまり、第1のシリコン酸化膜は、ベース層を構成する第2のシリコン酸化膜より多少エッチング速度が大きいので、適度な直線状テーパを有するスルーホールが形成される。このようなテーパ状のスルーホールでは、例えばスパッタによってアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜を埋め込むことができ、導電性が優れたコンタクト構造を形成することができる。
【0018】
上記スルーホールは、異方性のドライエッチングによって形成されたものの他に、等方性のウエットエッチングと異方性のドライエッチングとを組み合わせてスルーホールの上端部をさらに湾曲したテーパ状に形成させたものであってもよい。
【0019】
また、上記スルーホール内には、まず、200℃以下の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第1のアルミニウム膜を形成し、その後、300℃以上の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第2のアルミニウム膜を形成することが望ましい。
【0020】
上記アルミニウムを主成分とする合金としては、銅、シリコン、ゲルマニウム、マグネシウム、コバルト、ベリリウムなどから選択される少なくとも1種との、2元あるいは3元以上の合金を例示することができる。
【0021】
また、アルカリイオンに対するゲッタリング効果が必要な場合には、ベース層を構成する第2のシリコン酸化膜中にリンなどの不純物を1〜6重量%添加する手段、あるいは第2のシリコン酸化膜と第1のシリコン酸化膜との間に、例えばリンを1〜6重量%含むPSG膜を形成する手段を採用することができる。
【0022】
層間絶縁膜が、第1のシリコン酸化膜の上に位置し、キャップ層を構成する第3のシリコン酸化膜を含む構造の場合、以下の態様が好ましい。すなわち、第1のシリコン酸化膜の形成工程の後に、シリコン化合物と、酸素および酸素を含む化合物の少なくとも1種と、をCVD法によって反応させて多孔性の第3のシリコン酸化膜を形成する工程を含むのが好ましい。
【0023】
この第3のシリコン酸化膜には、層間絶縁膜の厚みを確保する機能及びキャップ層として機能がある。また、第3のシリコン酸化膜は、圧縮の内部応力を有する。よって、第1のシリコン酸化膜が引っ張りの内部応力を有する場合、それを緩和することができる。さらに、この第3のシリコン酸化膜は、多孔性であることに加え、該膜にリン、ボロンなどの不純物、好ましくはリンを添加することにより、該膜を構成するシリコン酸化物のSi−O分子間結合力を弱めることで該膜の応力を緩和することができ、いわば適度に柔らかく更に割れにくい層を構成できる。また、第3のシリコン酸化膜の重要な役割として、該シリコン酸化膜に含まれるリンなどの不純物がアルカリイオンなどの素子の信頼特性に悪影響を及ぼす可動イオンのゲッターとしての機能がある。第3のシリコン酸化膜に含まれる不純物の濃度は、前述したゲッタリング機能や膜の応力緩和の点を考慮すると、好ましくは1〜6重量%である。
【0024】
また、第3のシリコン酸化膜は、第1のシリコン酸化膜の吸湿を防止する機能も有する。
【0025】
また、プラズマCVD法により形成された平坦性シリコン酸化膜は、減圧CVD法により形成された平坦性シリコン酸化膜に比べ、(1)成膜後の内部応力が小さい、(2)プラズマにより重縮合が進んでいる、という性質を有する。このため、平坦性シリコン酸化膜形成後、半導体ウェハを一度大気中に出しても、層間絶縁膜にクラックが発生しにくい。したがって、本発明によれば、第1のシリコン酸化膜を形成する装置と第3のシリコン酸化膜を形成する装置とを、別々にすることができる。
【0026】
また、この第3のシリコン酸化膜を形成するときのプラズマCVD法は、300〜450℃の温度条件下で、高周波によって行われることが望ましい。第1のシリコン酸化膜中の水分の脱離効果があるからである。
【0027】
第3のシリコン酸化膜を形成するときに用いられる酸素を含む化合物は、O2でもよいが、一酸化二窒素(N2O)であることが望ましい。反応ガスとして一酸化二窒素を用いることにより、プラズマ状態の一酸化二窒素は第1のシリコン酸化膜を構成するシリコン化合物の水素ボンド(−H)と反応しやすいので、第3のシリコン酸化膜を成膜中にも第1のシリコン酸化膜のガス化成分(水素、水)の脱離を促進することができる。
【0028】
第3のシリコン酸化膜の形成は、プラズマCVD法の代わりに、300〜550℃の温度条件下で常圧CVD法によって行われてもよい。この場合、第3のシリコン酸化膜を形成するときに用いられる酸素を含む化合物はオゾンであることが望ましい。
【0029】
さらに、第3のシリコン酸化膜を成膜する前に、第1のシリコン酸化膜をオゾン雰囲気にさらすことが望ましい。この工程を経ることにより、オゾンが第1のシリコン酸化膜を構成するシリコン化合物の水素ボンド(−H)や水酸基(−OH)と反応しやすいので、第1のシリコン酸化膜中の水素や水の脱離を促進することができる。
【0030】
また、第3のシリコン酸化膜の膜厚は、平坦性、クラックの防止及び層間絶縁膜の厚みの点を考慮すると、好ましくは100nm以上である。
【0031】
また、本発明の製造方法においては、上述した製造方法で得られた第1及び第3のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜において、上端部から底部に向かって徐々に口径が小さくなるテーパ状のスルーホールが得られる。つまり、前記第1のシリコン酸化膜は第3のシリコン酸化膜に比べてエッチング速度がわずかに小さく、また、第1のシリコン酸化膜と第3のシリコン酸化膜とは両者の界面で良好に接しているので、段差がなく適度な直線状テーパを有するスルーホールが形成される。このようなテーパ状のスルーホールでは、例えばスパッタによってアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜を埋め込むことができ、導電性が優れたコンタクト構造を形成することができる。
【0032】
上記スルーホールは、異方性のドライエッチングによって形成されたものの他に、等方性のウエットエッチングと異方性のドライエッチングとを組み合わせてスルーホールの上端部をさらに湾曲したテーパ状に形成させたものであってもよい。
【0033】
また、上記スルーホール内には、まず、200℃以下の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第1のアルミニウム膜を形成し、その後、300℃以上の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第2のアルミニウム膜を形成することが望ましい。
【0034】
上記アルミニウムを主成分とする合金としては、銅、シリコン、ゲルマニウム、マグネシウム、コバルト、ベリリウムなどから選択される少なくとも1種との、2元あるいは3元以上の合金を例示することができる。
【0035】
なお、本発明により形成された第1のシリコン酸化膜は、比較的小さい引っ張り又は圧縮の内部応力である。よって、本発明によれば、平坦性シリコン酸化膜の上に必ずしもキャップ層(第3のシリコン酸化膜)を、減圧下で連続して形成する必要はない。
【0036】
本発明の製造方法において、第1のシリコン酸化膜の形成工程におけるプラズマCVDに使われる高周波は、一つの周波数又は二つ以上の周波数を重ね合わせたものがある。一つの周波数とは、例えば、13.56MHzの高周波でプラズマCVDを行うという意味である。二つ以上の周波数を重ね合わせたものとは、例えば、13.56MHzの高周波と270kHzの高周波とを同時に用いてプラズマCVDを行うという意味である。また、第1のシリコン酸化膜の堆積開始時は、第1の周波数の高周波でプラズマCVDを行い、途中で第2の周波数の高周波でプラズマCVDを行なってもよい。なお、本発明の製造方法において用いられる高周波の波形としては、正弦波、非正弦波、パルス波等がある。
【0037】
本発明の製造方法において、層間絶縁膜を形成した後、
層間絶縁膜にスルーホールを形成する工程と、
スルーホールの表面及び層間絶縁膜の表面に、配線の一部となるバリア層を形成する工程と、
バリア層の表面に配線の一部となる導電膜を形成する工程と、
を含むのが好ましい。
【0038】
この製造方法によって製造された半導体装置において、層間絶縁膜は、スルーホールを有する。この半導体装置は、さらに、スルーホールの表面及び層間絶縁膜の表面に形成され、配線の一部となるバリア層と、バリア層の表面に形成され、配線の一部となる導電膜と、を含む。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
{構造の説明}
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面構造図である。第1の実施の形態に係る半導体装置の構造を簡単に説明する。シリコン基板11の主表面には、ゲート電極14を有するMOS電界効果トランジスタが形成されている。MOS電界効果トランジスタを覆うように、シリコン基板11の主表面上に層間絶縁膜20が形成されている。
【0040】
層間絶縁膜20上には、第1の金属配線層38が形成されている。第1の金属配線層38を覆うように、層間絶縁膜20上に層間絶縁膜46が形成されている。
層間絶縁膜46は、三層構造である。層間絶縁膜46は、平坦性シリコン酸化膜である第1のシリコン酸化膜42を含む。
【0041】
層間絶縁膜46上には、第2の金属配線層64が形成されている。第1の金属配線層38と第2の金属配線層64とは、アルミニウム膜を含む導電膜により電気的に接続されている。
【0042】
{製造方法の説明}
次に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図2〜図5は、これを工程順に説明するための断面構造図である。
【0043】
(素子の形成)
図2に示すように、まず、一般的に用いられる方法によって、シリコン基板11にMOS電界効果トランジスタが形成される。具体的には、例えば、シリコン基板11上に選択酸化によってフィールド絶縁膜12が形成され、アクティブ領域にゲート酸化膜13が形成される。チャネル注入により、しきい値電圧を調整した後、SiH4を熱分解して成長させたポリシリコン膜の上にタングステンシリサイドをスパッタし、さらにシリコン酸化膜18を積層し、さらに所定パターンにエッチングすることにより、ゲート電極14が形成される。
【0044】
次いで、リンをイオン注入することによりソース領域あるいはドレイン領域の低濃度不純物層15が形成される。次いで、ゲート電極14のサイドにシリコン酸化膜からなる側壁スペーサ17が形成された後、ヒ素をイオン注入し、ハロゲンランプを用いたアニール処理によって不純物の活性化を行うことにより、ソース領域あるいはドレイン領域の高濃度不純物層16が形成される。
【0045】
次に、100nm以下のCVDシリコン酸化膜を形成し、該膜をHFとNH4Fの混合水溶液で選択的にエッチングすることにより、所定のシリコン基板領域を露出させる。続いて、例えばチタンを30〜100nm程度の膜厚でスパッタし、酸素を50ppm以下に制御した窒素雰囲気中において650〜750℃の温度で数秒〜60秒程度の瞬間アニールを行うことにより、開口したシリコン基板の主表面にチタンのモノシリサイド層が、シリコン酸化膜18上にはチタンリッチのチタンナイトライド(TiN)層が形成される。次いで、NH4OHとH2O2の混合水溶液中に浸漬すると、前記チタンナイトライド層はエッチング除去されてシリコン基板の主表面のみにチタンのモノシリサイド層が残る。さらに、750〜850℃のランプアニールを行って、前記モノシリサイド層をダイシリサイド化させて、高濃度不純物層16の表面に自己整合的にチタンシリサイド層19が形成される。
【0046】
なお、ゲート電極14をポリシリコンのみで形成して選択エッチングで露出させた場合には、ゲート電極とソース,ドレイン領域の両者が側壁スペーサで分離されたチタンサリサイド構造になる。
【0047】
なお、サリサイド構造は、チタンシリサイドの代わりに、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイドから構成されていてもよい。
【0048】
つぎに、図3に示すように、例えば、CVD法により、シリコン酸化膜を含む層間絶縁膜20を形成する。形成条件は、公知の条件を用いることができる。層間絶縁膜20は、一層構造でもよいし、多層構造でもよい。
【0049】
そして、層間絶縁膜20の上に、例えば、スパッタリング法により、アルミニウム膜を含む第1の金属配線層38を形成する。第1の金属配線層38は、一層構造でもよいし、多層構造でもよい。
【0050】
(平坦性シリコン酸化膜を有する層間絶縁膜46の形成)
a.第2のシリコン酸化膜40の形成
まず、テトラエトキシラン(TEOS)と酸素とを300〜500℃でプラズマCVD法で反応させることにより、膜厚50〜200nmの第2のシリコン酸化膜40が形成される。このシリコン酸化膜40は、第1の金属配線層38の酸化やカスピングもなく、SiH4から成長させた膜より絶縁性も高く、フッ化水素の水溶液に対するエッチング速度も遅く、緻密な膜となる。
【0051】
b.第1のシリコン酸化膜42の形成
次に、プラズマCVD法によって、平坦性シリコン酸化膜である第1のシリコン酸化膜42が形成される。第1のシリコン酸化膜42の形成条件としては、以下の条件が例示できる。
【0052】
H2O2の流量:濃度30〜65体積%のH2O2を0.5〜0.8g/分
SiH4の流量:100sccm(これに〜2000sccmのN2Oを添加してもよい)
チャンバ内圧力:0.5〜10torr
高周波パワー:200〜500w
高周波の周波数:200kHz〜13.56MHz
ウエハ載置台の温度:室温〜200℃
キャリアガス:N2等
装置の種類:平行平板枚葉装置
なお、シリコン化合物としてSiH4のかわりにTEOSを用いる場合、流量は、例えば、1000sccm(希釈ガスとしてHeを含む)である。これに〜1000sccmのO2を添加してもよい。
【0053】
また、パルス波形をした高周波を用いる場合、デュティー比は、例えば、30〜80%である。デュティー比を高くすると、(1)内部応力は、圧縮の内部応力が大きくなる傾向、(2)第1のシリコン酸化膜の平坦性は、劣化する傾向にある。
【0054】
また、二つ以上の周波数を重ね合わせた場合は、例えば、13.56MHz(高周波パワー:500w)と270kHz(高周波パワー:500w)とを同時に用いる。また、プラズマCVDの途中で高周波の周波数を変える場合、例えば、第1のシリコン酸化膜の堆積開始時は、380kHzの高周波でプラズマCVDを行い、途中で13.56MHzの高周波でプラズマCVDを行なう。
【0055】
第1のシリコン酸化膜42は、少なくとも、下層の第2のシリコン酸化膜40の段差より大きい膜厚を有し、つまり該段差を十分にカバーする膜厚で成膜される。また、第1のシリコン酸化膜42の膜厚の上限は、該膜中にクラックが生じない程度に設定される。具体的には、第1のシリコン酸化膜42の膜厚は、より良好な平坦性を得るために、下層の段差より厚いことが望ましく、好ましくは300〜1500nmに設定される。
【0056】
第1のシリコン酸化膜42の成膜温度は、該膜の成膜時の流動性に関与し、成膜温度が高いと膜の流動性が低下して平坦性を損なうので、成膜時の温度は好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜10℃に設定される。
【0057】
また、H2O2の流量は特に制限されないが、例えば濃度は55〜65体積%で、SiH4の2倍以上の流量であることが好ましく、膜の均一性並びにスループットの点から、例えばガス換算で100〜1000SCCMの流量範囲に設定されることが望ましい。
【0058】
この工程で形成される第1のシリコン酸化膜42は、シラノールポリマーの状態にあり、流動性がよく、高い自己平坦化特性を有する。また、第1のシリコン酸化膜42は、多くの水酸基(−OH)を含むために吸湿性が高い状態にある。しかし、高周波を印加しない場合に比べ吸湿性は改善され、低い状態にある。
【0059】
c.第3のシリコン酸化膜44の形成
次に、チャンバ内で減圧下で30〜120秒間放置し、第1のシリコン酸化膜42中の水分を多少除去した後、続けて、SiH4、PH3およびN2Oの存在下において、温度300〜450℃で200〜600kHzの高周波でプラズマCVD法によってガスを反応させることにより、膜厚100〜600nmのPSG膜(第3のシリコン酸化膜)44が形成される。この第3のシリコン酸化膜44は、前記第1のシリコン酸化膜42の吸湿性が高いことを考慮して、前記第1のシリコン酸化膜42の形成に続いて連続的に形成されるか、あるいは第1のシリコン酸化膜42が水分を含まない雰囲気中で保存された後に形成されることが望ましい。
【0060】
また、第3のシリコン酸化膜44は、後に行われるアニール処理によって前記第1のシリコン酸化膜42中に含まれる水、水素などのガス化成分の脱離が容易かつ十分に行われることを考慮して、ポーラス(多孔性)であることが必要である。そのためには、第3のシリコン酸化膜44は、例えば温度が好ましくは450℃以下、より好ましくは300〜400℃、好ましくは1MHz以下、より好ましくは200〜600kHzのプラズマCVD法によって成膜され、かつリンなどの不純物を含むことが望ましい。第3のシリコン酸化膜44にこのような不純物が含まれることにより、第3のシリコン酸化膜44は、よりポーラスな状態となって膜に対するストレスを緩和できるだけでなく、アルカリイオン等に対するゲッタリング効果も持ち合わせることができる。このような不純物の濃度は、ゲッタリング効果、耐ストレス性などの点を考慮して設定される。例えば、不純物がリンの場合には、2〜6重量%の割合で含まれることが望ましい。
【0061】
また、プラズマCVDにおいて、酸素を含む化合物としてN2Oを用いることにより、第1のシリコン酸化膜42中の水素ボンドの脱離が促進される。その結果、第1のシリコン酸化膜42に含まれる水分および水素などのガス化成分をより確実に除去することができる。
【0062】
この第3のシリコン酸化膜44の膜厚は、必要とされる層間絶縁膜の厚みを調整する役割と、N2Oプラズマが水素ボンドを脱離する機能を考慮して、好ましくは100nm以上、より好ましくは200〜600nmに設定される。
【0063】
d.アニール処理
次に、窒素雰囲気中で、温度350〜500℃でアニール処理を行う。このアニール処理によって、前記第1のシリコン酸化膜42および第3のシリコン酸化膜44はより緻密化され、良好な絶縁性並びに耐水性を有する。すなわち、アニール温度を350℃以上に設定することにより、第1のシリコン酸化膜42でのシラノールの縮重合反応がほぼ完全に行われ、該膜中に含まれる水および水素が十分に放出されて、さらに緻密な膜を形成することができる。また、アニール温度を500℃以下に設定することにより、第1の金属配線層38を構成するアルミニウム膜に悪影響を与えることがない。アニール温度は許される限り、高い方が好ましい。なぜなら、(1)層間絶縁膜の絶縁性の向上、(2)後工程における熱処理により、層間絶縁膜が悪影響を受けにくい、からである。
【0064】
アニール処理においては、第1のシリコン酸化膜42に対する熱ひずみの影響を小さくするために、段階的にもしくは連続的にウエハの温度を上げる、ランピングアニールを行うことがより望ましい。
【0065】
なお、層間絶縁膜46が層間絶縁膜20の形成位置にある場合、500℃以上でアニール処理を行うことができる。アルミ配線が形成されていないからである。
【0066】
(スルーホールの形成)
CHF3とCF4とを主ガスとした反応性イオンエッチャーで層間絶縁膜46を構成するシリコン酸化膜40、42、44を選択的に異方性エッチングする。これにより、図5に示すように、口径が0.3〜0.5μmのスルーホール48が形成される。
【0067】
このスルーホール48は、上端部から底部に向かって直線的に口径が小さくなるテーパー状を成す。テーパーの角度θは、エッチング条件などによって一概には規定できないが、たとえば、5〜15度の傾斜を有する。このようなテーパー状のスルーホールが得られる理由としては、第1に、シリコン酸化膜40、42、44は、基本的にはほぼ同じエッチング速度を有し、さらに第1のシリコン酸化膜42は第3のシリコン酸化膜44に比べてエッチング速度がわずかに小さいこと、第2に、各シリコン酸化膜の界面が極めて良好に密着していることにある。このようなテーパ状のスルーホール48内では、後述するように、アルミニウム膜の良好な堆積が可能である。
【0068】
以下に、本願発明者らが測定した各シリコン酸化膜のドライエッチング速度を記載する。なお、ドライエッチングは、パワー;800W、気圧;20Pa、エッチャントガス;CF4:CHF3:He=1:2:9の条件で行った。
【0069】
第1のシリコン酸化膜42 ;525nm/分
第3のシリコン酸化膜44 ;550nm/分
第2のシリコン酸化膜40 ;500nm/分
(脱ガス処理)
まず、脱ガス工程を含む熱処理ついて説明する。ランプチャンバで、1.5×10−4Pa以下のベース圧力、150〜350℃、好ましくは150〜250℃の温度で30〜60秒間のランプ加熱(熱処理A)を施す。次いで、別のチャンバで1×10−1〜15×10−1Paの圧力でアルゴンガスを導入し、300〜500℃の温度で、30〜300秒間の熱処理(脱ガス工程;熱処理B)を行うことによって、脱ガス処理を行う。
【0070】
この工程においては、まず、熱処理Aにおいて、主として、ウエハの裏面および側面を含むウエハ全体を加熱処理することにより、ウエハに付着している水分などを除去できる。
【0071】
さらに、熱処理Bにおいて、主として、層間絶縁膜46を構成する第1のシリコン酸化膜42中のガス化成分(H,H2O)を除去することができる。その結果、次工程のバリア層およびアルミニウム膜の形成時に、層間絶縁膜46からのガス化成分の発生が防止できる。
【0072】
本実施の形態においては、ウェッテング層、例えばTi膜は数十原子%のガス化成分(O,H,H2O,N)を固溶することから、この膜を形成する前に、層間絶縁膜46中のガス化成分を除去することが、スルーホール48内でのアルミニウム膜の成膜を良好に行う上で、極めて有効である。ウェッテング層の下位の層間絶縁膜46中のガス化成分を十分に除去しておかないと、ウェッテング層の形成時の温度(通常、300℃以上)で、層間絶縁膜46中のガス化成分が放出され、このガスがウェッテング層中に取り込まれる。さらに、このガスがアルミニウム膜の成膜時にウェッテング層から離脱してウェッテング層とアルミニウム膜との界面に出てくるため、アルミニウム膜の密着性や流動性に悪影響を与える。
【0073】
(ウェッテング層の成膜)
図1に示すように、スパッタ法により、ウェッテング層50を構成する膜として、チタン膜を20〜70nmの膜厚で形成する。スパッタの温度は、膜厚に応じて、200〜450℃の範囲で選択される。
【0074】
(アルミニウム膜の成膜前の脱ガス処理およびウエハの冷却)
図1に示すように、まず、ウエハの冷却を行う前に、ランプチャンバ内において、1.5×10−4Pa以下のベース圧力、150〜250℃の温度で30〜60秒間の熱処理(熱処理C)を行い、基板に付着した水などの物質を除去する。その後、アルミニウム膜を成膜する前に、基板温度を100℃以下、好ましくは常温〜50℃の温度に下げる。この冷却工程は、上記熱処理Cにより上昇した基板温度を下げるために重要なもので、例えば水冷機能を有するステージ上にウエハを載置して該ウエハ温度を所定温度まで下げる。
【0075】
このようにウエハの冷却を行うことにより、第1のアルミニウム膜52を成膜する際に、層間絶縁膜46およびウェッテング層50、さらにウエハ全面から放出されるガス量を極力少なくすることができる。その結果、ウェッテング層50と第1のアルミニウム膜52との界面に吸着する、カバレッジ性や密着性に有害なガスの影響を防ぐことができる。
【0076】
(アルミニウム膜の成膜)
図1に示すように、まず、200℃以下、より好ましくは30〜100℃の温度で、0.2〜1.0重量%の銅を含むアルミニウムを膜厚150〜300nmでスパッタによって高速度で成膜し、第1のアルミニウム膜52が形成される。続いて、同一チャンバ内で基板温度420〜460℃に加熱して、同様に銅を含むアルミニウムをスパッタにより低速度で成膜し、膜厚300〜600nmの第2のアルミニウム膜54が形成される。ここで、アルミニウム膜の成膜において、「高速度」とは、成膜条件や製造されるデバイスの設計事項によって一概に規定できないが、おおよそ10nm/秒以上のスパッタ速度を意味し、「低速度」とは、おおよそ3nm/秒以下のスパッタ速度を意味する。
【0077】
図6に、第1および第2のアルミニウム膜52,54を成膜するためのスパッタ装置の一例を示す。このスパッタ装置は、チャンバ55内に、電極をかねるターゲット56およびステージをかねる電極57を有する。電極57上には処理される基板(ウエハ)Wが設置される。チャンバ55には、第1のガス供給路58が接続され、電極57には、第2のガス供給路59が接続されている。ガス供給路58,59からは、いずれもアルゴンガスが供給される。そして、第2のガス供給路59から供給されるガスによって、ウエハWの温度が制御される。なお、チャンバ55内のガスを排出するための手段は図示しない。
【0078】
このようなスパッタ装置を用いて基板温度をコントロールした一例を図7に示す。図7において、横軸は経過時間を示し、縦軸は基板(ウエハ)温度を示す。また、図7において、符号aで示すラインはスパッタ装置のステージ57の温度を350℃に設定したときの基板温度変化を示し、符号bで示すラインは第2のガス供給路59を通して高温のアルゴンガスをチャンバ内に供給することによってステージ57の温度を高めていったときの基板温度の変化を示している。
【0079】
例えば、基板の温度制御は以下のように行われる。まず、ステージ57の温度は、予め、第2のアルミニウム膜を形成するための温度(350〜500℃)に設定されている。第1のアルミニウム膜を形成する際には、第2のガス供給路59からのガスの供給はなく、基板温度はステージ57による加熱によって、図7の符号aで示すように徐々に上昇する。第2のアルミニウム膜を形成する際には、第2のガス供給路59を介して加熱されたガスが供給されることによって図7の符号bで示すように、基板温度は急激に上昇し、所定の温度で一定になるように制御される。
【0080】
図7に示す例では、ステージ温度が350℃に設定され、そして、基板温度が125〜150℃に設定されている間に第1のアルミニウム膜52が成膜され、その後すぐに第2のアルミニウム膜54の成膜が行われる。
【0081】
アルミニウム膜の成膜においては、成膜速度および基板温度制御とともに、スパッタ装置に印加されるパワーの制御も重要である。つまり、成膜速度とも関連するが、第1のアルミニウム膜52の成膜は高いパワーで行われ、第2のアルミニウム膜54は低いパワーで行われ、さらに高いパワーから低いパワーに切り換える際にパワーをゼロにしないことが重要である。パワーをゼロにすると、減圧下においても第1のアルミニウム膜の表面に酸化膜が形成され、第1のアルミニウム膜に対する第2のアルミニウム膜の濡れ性が低下し、両者の密着性が悪くなる。言い換えれば、パワーを常に印加することにより、成膜中のアルミニウム膜の表面に活性なアルミニウムを供給し続けることができ、酸化膜の形成を抑制できる。なお、パワーの大きさは、スパッタ装置や成膜条件などに依存し一概に規定できないが、例えば図7に示す温度条件の場合、高パワーが5〜10kW、低パワーが300W〜1kWに設定されることが望ましい。
【0082】
このように、同一チャンバ内で第1のアルミニウム膜52および第2のアルミニウム膜54を連続的に成膜することにより、温度およびパワーの制御を厳密に行うことができ、従来よりも低温でかつ安定したアルミニウム膜を効率よく形成することが可能となる。
【0083】
前記第1のアルミニウム膜52の膜厚は、良好なステップカバレッジで連続層を形成することができること、並びに該アルミニウム膜52より下層のウェッテング層50および層間絶縁膜46からのガス化成分の放出を抑制できることなどを考慮して、適正な範囲が選択されるが、例えば100〜300nmが望ましい。また、第2のアルミニウム膜54は、スルーホール48の大きさ並びにそのアスペクト比などによって決定されるが、例えばアスペクト比が3程度で0.5μm以下のホールを埋めるためには、300〜800nmの膜厚が必要である。
【0084】
(反射防止膜の成膜)
さらに、別のスパッタチャンバで、スパッタによりTiNを堆積することにより、膜厚30〜80nmの反射防止膜62が形成される。その後、Cl2とBCl3のガスを主体とする異方性ドライエッチャーで前記ウェッテング層50、第1のアルミニウム膜52、第2のアルミニウム膜54および反射防止膜62からなる堆積層を選択的にエッチングして、第2の金属配線層64のパターニングを行う。
【0085】
このようにして形成された第2の金属配線層64では、アスペクト比が0.5〜3で、口径が0.2〜0.8μmのスルーホール48内において、ボイドを発生させることなく良好なステップカバレッジでアルミニウムが埋め込まれることが確認された。
【0086】
{主な効果の説明}
(1)第1の実施の形態によれば、プラズマCVD法により、シリコン化合物と過酸化水素とを反応させて、第1のシリコン酸化膜42を形成している。すなわち、平坦性シリコン酸化膜は、プラズマCVD法により形成されている。プラズマCVD法で形成された平坦性シリコン酸化膜は、比較的弱い引っ張り又は圧縮の内部応力(絶対値が100MPa)を有すると考えられる。したがって、減圧CVD法で形成した場合に比べ、半導体ウェハの反り、及びアルミ配線上の層間絶縁膜にクラックが発生するのを低減できる。
【0087】
(2)減圧CVD法で形成された平坦性シリコン酸化膜は、比較的大きな引っ張りの内部応力(200〜600MPa)を有する。このため、層間絶縁膜にクラックが発生するのを防止するため、平坦性シリコン酸化膜の上に連続して、圧縮の内部応力を有するキャップ層(第3のシリコン酸化膜44)を形成しなければならない。一方、第1の実施の形態によれば、平坦性シリコン酸化膜である第1のシリコン酸化膜42の内部応力を比較的小さくすることができる。よって、第1の実施の形態によれば、平坦性シリコン酸化膜の上に必ずしもキャップ層(第3のシリコン酸化膜44)を、減圧下で連続して形成する必要はない。
【0088】
(3)減圧CVD法で平坦性シリコン酸化膜を形成し、その上にプラズマCVD法でキャップ層(第3のシリコン酸化膜44)を形成する場合、二つのチャンバを有する装置を用いなければならない。なぜなら、平坦性シリコン酸化膜とキャップ層(第3のシリコン酸化膜44)とを、別の装置で形成する場合、平坦性シリコン酸化膜形成後、半導体ウェハを一度大気中に出さなければならない。このとき、平坦性シリコン酸化膜は、成長の最中で重縮合が十分進んでいない。よって、平坦性シリコン酸化膜は、大気を吸収したり、その表面のみの反応が進んだりする結果、平坦性シリコン酸化膜にクラックが発生する可能性がある。この時点でクラックが発生しなくても、キャップ層(第3のシリコン酸化膜44)を形成する段階で、キャップ層からのストレスにより、平坦性シリコン酸化膜にクラックが発生する可能性がある。
【0089】
したがって、平坦性シリコン酸化膜とキャップ層(第3のシリコン酸化膜44)とは、二つのチャンバを有する装置で形成する必要がある。二つのチャンバを有する装置は、一つチャンバを有する装置と比べ、スループットが悪く、また高価である。
【0090】
プラズマCVD法により形成された平坦性シリコン酸化膜は、比較的内部応力が小さく、かつ重縮合が十分進んでいるので、平坦性シリコン酸化膜形成後、半導体ウェハを一度大気中に出しても、層間絶縁膜にクラックが発生しにくい。したがって、第1の実施の形態によれば、平坦性シリコン酸化膜を形成する装置とキャップ層を形成する装置とを、別々にすることができる。よって、安価な装置を用いることができ、かつスループットも向上する。
【0091】
(4)第1の実施の形態によれば、シリコン化合物と過酸化水素との気相反応によって得られる、シラノールを含む第1のシリコン酸化膜42を形成することにより、極めて良好な平坦性を有する層間絶縁膜46を形成することができる。よって、配線層の加工などを含めたプロセスマージンを増加させ、品質および歩留まりを向上させることができる。
【0092】
特に、層間絶縁膜46をシリコン基板11の主表面と第1の金属配線層38との間(層間絶縁膜20の形成位置)に形成した場合、次のことが言える。層間絶縁膜46は、従来のBPSG膜のリフロー温度に比べて、かなり低温で平坦化された膜を得ることができるため、パンチスルーや接合リークなどの点で特性を改善することができ、したがって、素子の微細化および信頼性の高いコンタクト構造を達成することができ、また製造プロセス上も有利である。
【0093】
(5)第1の実施の形態によれば、アルミニウム膜のスパッタ前に少なくとも脱ガス工程と冷却工程を含み、さらに好ましくは同一チャンバ内で連続的にアルミニウム膜を成膜することにより、0.2μm程度までのスルーホール48をアルミニウムあるいはアルミニウム合金だけで埋め込むことが可能となり、信頼性および歩留まりの点で向上がはかれた。また、コンタクト部を構成するアルミニウム膜における銅等の偏析や結晶粒の異常成長もなく、マイグレーション等を含めた信頼性の点でも良好であることが確認された。
【0094】
第1の実施の形態において、スルーホール48に、第1および第2のアルミニウム膜52,54が良好に埋め込まれた理由としては、以下のことが考えられる。
【0095】
(a)脱ガス工程を行うことにより、層間絶縁膜46に含まれる水や窒素をガス化して充分に放出することにより、その後の第1のアルミニウム膜52,54の成膜において、層間絶縁膜46やウェッテング層50からのガスの発生を防止することで、ウェッテング層50と第1のアルミニウム膜52との密着性を高め、良好なステップカバレッジの成膜が可能であったこと。
【0096】
(b)第1のアルミニウム膜52の成膜において、基板温度を200℃以下の比較的低温に設定することにより、層間絶縁膜46およびウェッテング層50に含まれる水分や窒素を放出させないようにして、前記脱ガス工程の効果に加えて第1のアルミニウム膜52の密着性を高めたこと。
【0097】
(c)さらに、第1のアルミニウム膜52自体が、基板温度が上がった場合に下層からのガスの発生を抑制する役割を果たすため、次の第2のアルミニウム膜54の成膜を比較的高い温度で行うことができ、第2のアルミニウム膜の流動拡散を良好に行うことができること。
【0098】
[他の実施の形態]
本発明は上記第1の実施の形態に限定されず、その一部を以下の手段で置き換えることができる。
【0099】
{1}第1の実施の形態においては、第3のシリコン酸化膜44のプラズマCVDによる成膜時に、酸素を含む化合物として一酸化二窒素を用いたが、その代わりにオゾンを用いることもできる。そして、第3のシリコン酸化膜44を形成する前に、ウエハをオゾン雰囲気にさらすことが望ましい。
【0100】
例えば、図8に示すベルト炉を用い、ヒーター82によって400〜500℃に加熱された搬送ベルト80上にウエハWを載置して所定の速度で移動させる。このとき、第1のガスヘッド86aからオゾンを供給し、2〜8重量%のオゾン雰囲気中を前記ウエハWを5分以上の時間をかけて通過させる。次いで、第2および第3のガスヘッド86b,86cからオゾン、TEOSおよびTMP(P(OCH3)3)をほぼ常圧で供給し、リンの濃度が3〜6重量%のPSG膜(第3のシリコン酸化膜)44を、膜厚100〜600nmで成膜する。なお、図8において符号84は、カバーを示す。
【0101】
このように一酸化二窒素の代わりにオゾンを用いることにより、常圧CVDによってTEOSによるシリコン酸化膜を形成することができる。また、ベルト炉を用いることにより、成膜を連続的に効率よく行うことができる。
【0102】
また、オゾン雰囲気中にウエハWをさらすことにより、熱脱離スペクトル(TDS)および赤外分光法(FTIR)によって、第1のシリコン酸化膜42は吸湿性や水分が十分少ないこと、反応ガスとして一酸化二窒素を用いた場合と同様に層間絶縁膜46の平坦性が良好であること、および第1のシリコン酸化膜42にクラックが発生しないことが確認された。
【0103】
{2}第1の実施の形態では、第2のシリコン酸化膜40として、プラズマCVDによるTEOSを用いたシリコン酸化膜を用いたが、これに代わり他のシリコン酸化膜を用いてもよい(特に、層間絶縁膜20の形成位置にある場合)。例えば、このような第2のシリコン酸化膜40として、モノシランと一酸化二窒素を用いた高温減圧熱CVD法によって形成した膜でもよい。このシリコン酸化膜は、下地の表面形状に忠実に成膜され、カバレッジ性がよいだけでなく、緻密であるのでパッシベーション機能が高く、さらにアニール処理において急激に昇温しても第1のシリコン酸化膜42にクラックが発生しにくい。また、熱CVD法を用いるため、プラズマダメージがない利点がある。ここでいう高温とは、700〜850℃のことである。
【0104】
{3}第1の実施の形態では、層間絶縁膜46は、3層のシリコン酸化膜から構成されているが、これに限らず他のシリコン酸化膜を加えてもよい。例えば、第2のシリコン酸化膜40と第1のシリコン酸化膜42との間に、プラズマCVD法により形成された、膜厚100〜300nmのPSG膜(リンの濃度;1〜6重量%)を形成してもよい。このPSG膜を入れることにより、可動イオンのゲッタリング機能がさらに向上することが確認された。また、このPSG膜を入れることにより、第1のシリコン酸化膜42に作用する第2のシリコン酸化膜40の内部応力を減少及び第2のシリコン酸化膜40に作用する第1のシリコン酸化膜42の内部応力を減少させることができる。
【0105】
また、例えば、第3のシリコン酸化膜44の平坦性が不十分な場合、次のようにすることができる。第3のシリコン酸化膜44の上に、厚いシリコン酸化膜を形成し、これをさらにCMPによって平坦化するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面構造図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第1工程を示す断面構造図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第2工程を示す断面構造図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第3工程を示す断面構造図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の第4工程を示す断面構造図である。
【図6】本発明に係る実施の形態に用いられるスパッタ装置の一例を模式的に示す図である。
【図7】図6に示すスパッタ装置を用いて基板温度を制御したときの、時間と基板温度との関係を示す図である。
【図8】本発明に係る実施の形態に用いられるベルト炉を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 シリコン基板
12 フィールド絶縁膜
13 ゲート酸化膜
14 ゲート電極
15 低濃度不純物層
16 高濃度不純物層
17 側壁スペーサ
18 シリコン酸化膜
19 チタンシリサイド層
20 層間絶縁膜
38 第1の金属配線層
40 第2のシリコン酸化膜
42 第1のシリコン酸化膜
44 第3のシリコン酸化膜
46 層間絶縁膜
48 スルーホール
50 ウェッテング層
52 第1のアルミニウム膜
54 第2のアルミニウム膜
62 反射防止膜
64 第2の金属配線層
Claims (12)
- 半導体基板と、該半導体基板の上方に位置する第1のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、を含む半導体装置の製造方法であって、
前記層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜にスルーホールを形成する工程と、
前記スルーホールの表面及び前記層間絶縁膜の表面に、バリア層を形成する工程と、
前記バリア層の表面に導電膜を形成する工程と、を含み、
前記層間絶縁膜を形成する工程は、シリコン化合物と過酸化水素とをプラズマCVD法によって反応させて、前記第1のシリコン酸化膜を形成する工程を含み、
前記導電膜を形成する工程は、
200℃以下の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第1のアルミニウム膜を形成する工程と、
その後、300℃以上の温度で、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金からなる第2のアルミニウム膜を形成する工程と、を含む、半導体装置の製造方法。 - 半導体基板と、該半導体基板の上方に位置する第1のシリコン酸化膜を含む層間絶縁膜と、を備えた半導体装置の製造方法であって、
シリコン化合物と過酸化水素とをプラズマCVD法によって反応させて、前記第1のシリコン酸化膜を形成する工程を含み、
前記第1のシリコン酸化膜を形成する工程は、該第1のシリコン酸化膜の堆積開始時に、第1の周波数でプラズマCVDを行い、該第1のシリコン酸化膜の堆積の途中で第2の周波数でプラズマCVDを行なう、半導体装置の製造方法。 - 請求項2において、
前記層間絶縁膜の形成工程の後に、
前記層間絶縁膜にスルーホールを形成する工程と、
前記スルーホールの表面及び前記層間絶縁膜の表面に、バリア層を形成する工程と、
前記バリア層の表面に導電膜を形成する工程と、を含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項1または3において、
前記スルーホールは、該スルーホールの上端部から底部に向かって徐々に口径が小さくなるテーパ状である、半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記層間絶縁膜は、前記第1のシリコン酸化膜の下に位置する第2のシリコン酸化膜を含み、
前記第1のシリコン酸化膜の形成工程の前に、
シリコン化合物と、酸素及び酸素を含む化合物の少なくとも一種と、をCVD法によって反応させて前記第2のシリコン酸化膜を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項5において、
前記第2のシリコン酸化膜を、プラズマCVD法によって形成する、半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記層間絶縁膜は、前記第1のシリコン酸化膜の上に位置する第3のシリコン酸化膜を含み、
前記第1のシリコン酸化膜の形成工程の後に、
シリコン化合物と、酸素および酸素を含む化合物の少なくとも1種と、をCVD法によって反応させて多孔性の前記第3のシリコン酸化膜を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項7において、
前記第3のシリコン酸化膜を、プラズマCVD法によって形成する、半導体装置の製造方法。 - 請求項7または8において、
前記第3のシリコン酸化膜の形成工程で用いられる前記酸素を含む化合物は一酸化二窒素である、半導体装置の製造方法。 - 請求項7〜9のいずれかにおいて、
前記第3のシリコン酸化膜の形成工程の前に、前記第1のシリコン酸化膜をオゾン雰囲気にさらす、半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれかにおいて、
前記第1のシリコン酸化膜の形成工程で用いられる前記シリコン化合物は、モノシラン、ジシラン、SiH2Cl2、SiF4などの無機シラン化合物、およびCH3SiH3、ジメチルシラン、トリプロピルシラン、テトラエトキシシランなどの有機シラン化合物から選択される少なくとも1種である、半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜11のいずれかにおいて、
前記第1のシリコン酸化膜の形成工程におけるプラズマCVDに用いられるプラズマは、一つの周波数又は二つ以上の周波数を重ね合わせたものである、半導体装置の製造方法。
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