JP3562298B2 - 放電表面処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金属またはセラミック等に、放電表面処理により窒化表面処理層を形成する放電表面処理装置およびこれを用いた放電表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は例えば特開平7―70761号公報に記載されている表面処理方法を説明するための説明図であり、液中放電により金属材料の表面をコーティングして、耐食性または耐磨耗性を与えるものである。図10(a)および(b)は各々一次加工および二次加工を説明する説明図であり、図中26は被処理材、27は一次加工用の圧粉体電極、28は一次加工用圧粉体電極27の電極材料、29は二次加工用電極である。
【0003】
即ち、まずWC(タングステンカーバイド)とCo(コバルト)の粉末を混合して圧縮成形した一次加工用のWC―Co混合圧粉体電極27を用いて、液中で放電処理をおこなうことにより、被処理材料26である炭素鋼(ワーク)に上記圧粉体電極27の電極材料28であるWC―Coを堆積させる(1次加工)。
次に、二次加工用の別の電極29(例えば、銅電極またはグラファイト電極等、一次加工用の電極より消耗しにくい電極)によって、再溶融放電加工(二次加工)をおこない、より高い硬度と高い密着力を得る方法である。
上記のように処理することにより、一次加工の堆積のままでは、被覆層は硬度もHv=1410程度であり空洞も多かったが、二次加工の再溶融加工によって被覆層の空洞が減少し、硬度もHv=1750と向上した。
しかしながら、上記方法は鋼材に対しては硬くしかも密着度のよい被覆層が得られるが、超硬合金のような焼結材料の表面には強固な密着力を持った被覆層を形成することは困難である。
【0004】
しかも、Ti等の硬質炭化物を形成する材料を上記圧粉体電極27として用い、被処理材料26である金属材料(金属,超硬合金)との間に放電を発生させると、再溶融の過程(二次加工)なしに強固な硬質膜を被処理材料の表面に形成できることが知られていた。
【0005】
また、TiH2(水素化チタン)など、金属の水素化物を圧粉体電極27の材料として用い、上記と同様にして被処理材料である金属材料との間に放電を発生させると、上記Ti等の材料を単独で使用する場合よりも、速くて密着性よく硬質膜を形成することができることが知られていた。
【0006】
また、TiH2(水素化チタン)等の水素化物に他の金属やセラミックスを混合したものを圧粉体電極27の材料として用い、被処理材料である金属材料との間に放電を発生させると硬度または耐磨耗性等、様々な性質をもった硬質被膜を素早く形成することができることが知られていた。
【0007】
さらに、上記Ti等の金属電極、TiH2等の金属の水素化物圧粉体電極、TiH2(水素化チタン)等の金属の水素化物に他の金属やセラミックスを混合した圧粉体電極などの電極を使用して形成した被膜を窒化することにより、さらに質の良い被膜とすることができることも知られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来被膜の窒化方法としてはPVD(物理蒸着)等の方法が用いられてきたが、真空等複雑な装置が必要であるという課題があった。
また、カーボンを主成分とする加工液中で放電を発生させて表面処理層を形成する場合、カーボンの比率が圧倒的に高く、形成される表面処理層は炭化物になりやすい反応雰囲気になっている。従って、油中での放電では窒化物を形成することは非常に困難であった。
【0009】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができる放電表面処理装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、上記圧粉体電極に開けられ、上記圧粉体電極と被処理材との間隙に窒素ガスを噴出する孔を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る第2の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、加工液と窒素ガスの混合物を攪拌して上記放電間隙に供給するポンプを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第3の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、密閉された加工槽を用い、この加工槽に窒素ガスを吹き込み、上記電極を回転しながら窒素ガス雰囲気中で上記放電がおこなわれることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図において、1はTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極、3は被処理材、2は圧粉体電極1を保持する保持装置であり、Z軸駆動機構5に接続されている。9,10,5は保持装置2をそれぞれX、Y、Zの任意の方向にNC制御装置(図示せず)の指令により移動させる駆動機構であり、制御回路14に接続され、さらに軌跡移動制御回路15につながれ、X軸駆動機構9はXステージ17に、Y軸駆動機構10はYステージ18に接続されている。11は加工槽、12は加工液、13は放電を発生させるための電源装置で、圧粉体電極1と被処理材3に接続されている。16は処理中の極間電圧を検出する極間検出回路であり圧粉体電極1と被処理材3に接続される。以上の構成により、圧粉体電極1と被処理材3との間に電源装置13により電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段となり、上記被処理材3の表面に表面処理層4を形成する。
6は窒素ガスボンベで導管8によって保持装置2と接続され、7は窒素ガスボンベ6のバルブであり制御回路14に接続される。以上の構成により、放電雰囲気を窒素成分含有雰囲気として窒化表面処理層を形成するための窒素を噴出して供給する窒素供給手段となり、4は上記のように放電と窒化処理により形成される表面処理層である。
【0018】
次に上記装置を用いた放電表面処理方法を、被処理材3にTi系の被膜を形成する場合について説明する。
被処理材3として炭素鋼を、圧粉体電極1としてTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極を、放電加工液12として放電により炭素を分解生成する油を用いて、加工液12中で放電を発生させた。この場合、電極1の極性が−、被処理材3の極性が+であるが、極性が反対でも、効果に差があるが、同様の効果が得られる。
また、電極1としては表面処理層の元となる材料であるTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極だけでなく、ソリッドのTi電極でもよい。ただし、膜形成の速度、密着性、処理の容易さ等の点でTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極が勝っている。また、被処理材3としては、炭素鋼だけでなく、超硬合金等導電性のものであればよい。
【0019】
本実施の形態において金属の水素化物をベースにした電極を使用することにより、以下の効果を得ることができる。
つまり、金属の水素化物は一般的に不安定であり、数百度の温度で分解して次式のように水素を放出する。
TiH2 → Ti+H2
そのため、金属の水素化物をベースにした電極で放電を行うと分解した水素が被処理材料の表面をクリーニングする効果がある。
また、金属の水素化物をベースにした電極は放電の熱で容易に崩れるため、コーティングのスピードが速くなる。
【0020】
上記放電と同時に圧粉体電極1と被処理材3との間隙に、窒素ガスボンベ6から導管8を通り、圧粉体電極1に開けられた孔から窒素ガスを噴出する。窒素の供給量はバルブ7に接続される制御回路15によって調整される。窒素ガスの供給方法は図1に示すように、電極から供給する。
【0021】
放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とするために供給するものは、上記のように窒素ガスに限定されるものではなく、例えばアンモニア等でもよく、窒化処理の反応性からはむしろアンモニアガスの方がよい。ただし、アンモニアガスは強い臭いがあるため、臭いの処理を工夫する必要がある。
また、上記物質の供給形態も上記のように気体に限らず液体でもよく、例えば気体窒素以外に液体窒素でもよい。
【0022】
放電は加工液中でおこなったり、加工液を吹きかける方式でよく、加工液を吹きかけながら放電をおこない、同時に周囲を窒素雰囲気にして窒化することもできる。
また、放電を加工液を含有しない窒素成分含有雰囲気中でおこなってもよく、雰囲気を気体窒素雰囲気とした気中放電によって窒化被膜を形成できる。この場合、チタンの電極を使用するとTiN被膜が生成され、油を浸透させた圧粉体電極を使用すればTiCN被膜が生成される。
【0023】
さらに、電極成分、加工液の種類により被処理材に形成する表面処理層の成分を変更することができる。
【0024】
本実施の形態において、被処理材3とTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極1との間の放電により形成された表面処理層は、TiC(炭化チタン)が主成分となる。これは、加工液12が油であるため、放電の熱で分解した油の成分のC(炭素)と電極中のTiが熱により次式のように化学反応を起こしTiCとなるためである。
Ti+C → TiC
TiCは非常に硬質(ビッカース硬度2000〜3000)であり、被膜として良質のものである。Ti以外にも炭化物が硬質の物質であるV(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)等を成分とする電極を使用し、同様に窒化されることにより靱性にも優れたものとなる。
TiCNは工具等へのコーティングの膜としては、TiCよりもさらに良好な膜であることが知られている。硬度はTiCと同程度であるが、鉄との親和性がTiCよりさらに低く、工具へのコーティング材料としては、TiCNの方がより優れているということが知られている。
【0025】
即ち、上記放電により、圧粉体電極1が消耗し、圧粉体電極1の成分であるTiと上記窒素ガスの窒素と加工液中のカーボンとが反応してチタンの炭窒化物が生成されて表面処理層を形成したり、被処理材に形成された圧粉体電極1の成分であるTiまたはTiCを主成分とした表面処理層を、上記窒素ガスの窒素によりTiNまたはTiCNとするのである。
また、本実施の形態では表面処理層を被処理材に形成すると同時に窒素ガスを供給したが、一旦形成された表面処理層を本実施の形態と同様に窒素成分雰囲気中で放電処理しても同様の効果を得ることができる。
【0026】
実施の形態2.
図2は本発明の第2の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図中、3は被処理材である鉄板で、貫通孔20を設け、この貫通孔20から窒素ガス19を噴出するようにし、加工液12として油を用いた。
つまり、鉄板3に設けた貫通孔20から窒素ガス19が所定の供給量{(噴出孔径0.5mm、ガス圧2kgf/cm2)または(噴出孔径1.0mm、ガス圧5kgf/cm2)}で噴出するように窒素ガスボンベを接続し、窒素ガスを放電間隙に供給しながら、TiH2の圧粉体電極1を使用して鉄板3に対して油中放電を行なった。
上記のようにして形成された表面処理層に対してSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy))による元素分析を行った。その結果を図3に示す。図3は質量分析スペクトルで、図3(a)は窒素ガスの供給量(噴出孔径0.5mm、噴出孔数5個、ガス圧2kgf/cm2)の場合、図3(b)は窒素ガスの供給量(噴出孔径1.0mm、噴出孔数5個、ガス圧5kgf/cm2)の場合である。窒素の供給量が少ないと被膜からは窒素元素が検出されない{図3(a)}が、一定量以上を供給すると窒素が検出される{図3(b)}ことが示される。
図4は上記のようにして得られた表面処理層のうち、窒素の供給量の多い方のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルであるが、図に示すように母材成分以外にTiCNが検出されることから、窒素ガスの供給による油中放電でチタンの炭窒化被膜が形成できることが明らかとなった。
【0027】
実施の形態3.
図5は本発明の第3の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図中、3は被処理材である炭素鋼で、21は窒素ガス19と加工液12の混合物、22はポンプであり、加工液12として油を、圧粉体電極1としてTiH2を用いた。
つまり、加工液12中に噴出させた窒素ガス19をポンプ22により加工液とともに汲み上げポンプ内で攪拌して再び放電間隙へ供給した。これにより、放電間隙中の窒素ガス濃度が高くなり、気泡も細かくなるために窒素ガスが放電により反応する確率が上昇する。
図6は形成された表面処理層に対してSIMSによる元素分析を行った結果を示す質量分析スペクトルであるが、窒素の存在が確認できる。
油中における窒素ガスの気泡の細かさ、混合割合を制御することで表面処理層の窒化の度合いも制御できる。
図7は上記表面処理層のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルであるが、図から母材成分以外にTiCNが検出されるため、窒素ガスの供給による油中放電でチタンの炭窒化被膜が形成できることが明らかとなった。
【0028】
実施の形態4.
図8は本発明の第4の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図で、図中、23は密閉された加工槽で、3は被処理材である炭素鋼である。
つまり、周囲を囲んだ加工槽23に窒素ガス19を噴出圧(4kgf/cm2)で吹き込み、TiH2またはTi電極を回転数50rpmで回転しながら窒素ガス雰囲気中で放電をおこない窒化被膜を形成した。
図9は本実施の形態で形成した表面処理層のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルである。図9(a)および(b)は各々TiH2電極を用いたスペクトルおよびTi電極を用いたスペクトルである。図から、電極にTiH2および純チタンを使用した場合、それぞれの被膜に対してTiNおよびTiCNが生成しているのがわかる。また、上記表面処理層の硬度はいずれもマイクロビッカースで2200〜2500Hvである。
なお、TiCNが生成するのは電極または被処理材表面に油が残留していたためであり、窒素雰囲気中にカーボンを供給することで被膜の炭化もできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の第1の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、上記圧粉体電極に開けられ、上記圧粉体電極と被処理材との間隙に窒素ガスを噴出する孔を備えたものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。
【0031】
本発明の第2の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、加工液と窒素ガスの混合物を攪拌して上記放電間隙に供給するポンプを備えたことを特徴とするものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。
【0032】
本発明の第3の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、密閉された加工槽を用い、この加工槽に窒素ガスを吹き込み、上記電極を回転しながら窒素ガス雰囲気中で上記放電がおこなわれるものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図2】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図3】本発明による表面処理層の質量分析スペクトルである。
【図4】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図5】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図6】本発明による表面処理層の質量分析スペクトルである。
【図7】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図8】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図9】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図10】従来の放電表面処理方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 圧粉体電極、3 被処理材、4 表面処理層、6 窒素ガスボンベ、24 アンモニアタンク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金属またはセラミック等に、放電表面処理により窒化表面処理層を形成する放電表面処理装置およびこれを用いた放電表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は例えば特開平7―70761号公報に記載されている表面処理方法を説明するための説明図であり、液中放電により金属材料の表面をコーティングして、耐食性または耐磨耗性を与えるものである。図10(a)および(b)は各々一次加工および二次加工を説明する説明図であり、図中26は被処理材、27は一次加工用の圧粉体電極、28は一次加工用圧粉体電極27の電極材料、29は二次加工用電極である。
【0003】
即ち、まずWC(タングステンカーバイド)とCo(コバルト)の粉末を混合して圧縮成形した一次加工用のWC―Co混合圧粉体電極27を用いて、液中で放電処理をおこなうことにより、被処理材料26である炭素鋼(ワーク)に上記圧粉体電極27の電極材料28であるWC―Coを堆積させる(1次加工)。
次に、二次加工用の別の電極29(例えば、銅電極またはグラファイト電極等、一次加工用の電極より消耗しにくい電極)によって、再溶融放電加工(二次加工)をおこない、より高い硬度と高い密着力を得る方法である。
上記のように処理することにより、一次加工の堆積のままでは、被覆層は硬度もHv=1410程度であり空洞も多かったが、二次加工の再溶融加工によって被覆層の空洞が減少し、硬度もHv=1750と向上した。
しかしながら、上記方法は鋼材に対しては硬くしかも密着度のよい被覆層が得られるが、超硬合金のような焼結材料の表面には強固な密着力を持った被覆層を形成することは困難である。
【0004】
しかも、Ti等の硬質炭化物を形成する材料を上記圧粉体電極27として用い、被処理材料26である金属材料(金属,超硬合金)との間に放電を発生させると、再溶融の過程(二次加工)なしに強固な硬質膜を被処理材料の表面に形成できることが知られていた。
【0005】
また、TiH2(水素化チタン)など、金属の水素化物を圧粉体電極27の材料として用い、上記と同様にして被処理材料である金属材料との間に放電を発生させると、上記Ti等の材料を単独で使用する場合よりも、速くて密着性よく硬質膜を形成することができることが知られていた。
【0006】
また、TiH2(水素化チタン)等の水素化物に他の金属やセラミックスを混合したものを圧粉体電極27の材料として用い、被処理材料である金属材料との間に放電を発生させると硬度または耐磨耗性等、様々な性質をもった硬質被膜を素早く形成することができることが知られていた。
【0007】
さらに、上記Ti等の金属電極、TiH2等の金属の水素化物圧粉体電極、TiH2(水素化チタン)等の金属の水素化物に他の金属やセラミックスを混合した圧粉体電極などの電極を使用して形成した被膜を窒化することにより、さらに質の良い被膜とすることができることも知られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来被膜の窒化方法としてはPVD(物理蒸着)等の方法が用いられてきたが、真空等複雑な装置が必要であるという課題があった。
また、カーボンを主成分とする加工液中で放電を発生させて表面処理層を形成する場合、カーボンの比率が圧倒的に高く、形成される表面処理層は炭化物になりやすい反応雰囲気になっている。従って、油中での放電では窒化物を形成することは非常に困難であった。
【0009】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができる放電表面処理装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、上記圧粉体電極に開けられ、上記圧粉体電極と被処理材との間隙に窒素ガスを噴出する孔を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る第2の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、加工液と窒素ガスの混合物を攪拌して上記放電間隙に供給するポンプを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第3の放電表面処理装置は、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、密閉された加工槽を用い、この加工槽に窒素ガスを吹き込み、上記電極を回転しながら窒素ガス雰囲気中で上記放電がおこなわれることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図において、1はTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極、3は被処理材、2は圧粉体電極1を保持する保持装置であり、Z軸駆動機構5に接続されている。9,10,5は保持装置2をそれぞれX、Y、Zの任意の方向にNC制御装置(図示せず)の指令により移動させる駆動機構であり、制御回路14に接続され、さらに軌跡移動制御回路15につながれ、X軸駆動機構9はXステージ17に、Y軸駆動機構10はYステージ18に接続されている。11は加工槽、12は加工液、13は放電を発生させるための電源装置で、圧粉体電極1と被処理材3に接続されている。16は処理中の極間電圧を検出する極間検出回路であり圧粉体電極1と被処理材3に接続される。以上の構成により、圧粉体電極1と被処理材3との間に電源装置13により電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段となり、上記被処理材3の表面に表面処理層4を形成する。
6は窒素ガスボンベで導管8によって保持装置2と接続され、7は窒素ガスボンベ6のバルブであり制御回路14に接続される。以上の構成により、放電雰囲気を窒素成分含有雰囲気として窒化表面処理層を形成するための窒素を噴出して供給する窒素供給手段となり、4は上記のように放電と窒化処理により形成される表面処理層である。
【0018】
次に上記装置を用いた放電表面処理方法を、被処理材3にTi系の被膜を形成する場合について説明する。
被処理材3として炭素鋼を、圧粉体電極1としてTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極を、放電加工液12として放電により炭素を分解生成する油を用いて、加工液12中で放電を発生させた。この場合、電極1の極性が−、被処理材3の極性が+であるが、極性が反対でも、効果に差があるが、同様の効果が得られる。
また、電極1としては表面処理層の元となる材料であるTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極だけでなく、ソリッドのTi電極でもよい。ただし、膜形成の速度、密着性、処理の容易さ等の点でTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極が勝っている。また、被処理材3としては、炭素鋼だけでなく、超硬合金等導電性のものであればよい。
【0019】
本実施の形態において金属の水素化物をベースにした電極を使用することにより、以下の効果を得ることができる。
つまり、金属の水素化物は一般的に不安定であり、数百度の温度で分解して次式のように水素を放出する。
TiH2 → Ti+H2
そのため、金属の水素化物をベースにした電極で放電を行うと分解した水素が被処理材料の表面をクリーニングする効果がある。
また、金属の水素化物をベースにした電極は放電の熱で容易に崩れるため、コーティングのスピードが速くなる。
【0020】
上記放電と同時に圧粉体電極1と被処理材3との間隙に、窒素ガスボンベ6から導管8を通り、圧粉体電極1に開けられた孔から窒素ガスを噴出する。窒素の供給量はバルブ7に接続される制御回路15によって調整される。窒素ガスの供給方法は図1に示すように、電極から供給する。
【0021】
放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とするために供給するものは、上記のように窒素ガスに限定されるものではなく、例えばアンモニア等でもよく、窒化処理の反応性からはむしろアンモニアガスの方がよい。ただし、アンモニアガスは強い臭いがあるため、臭いの処理を工夫する必要がある。
また、上記物質の供給形態も上記のように気体に限らず液体でもよく、例えば気体窒素以外に液体窒素でもよい。
【0022】
放電は加工液中でおこなったり、加工液を吹きかける方式でよく、加工液を吹きかけながら放電をおこない、同時に周囲を窒素雰囲気にして窒化することもできる。
また、放電を加工液を含有しない窒素成分含有雰囲気中でおこなってもよく、雰囲気を気体窒素雰囲気とした気中放電によって窒化被膜を形成できる。この場合、チタンの電極を使用するとTiN被膜が生成され、油を浸透させた圧粉体電極を使用すればTiCN被膜が生成される。
【0023】
さらに、電極成分、加工液の種類により被処理材に形成する表面処理層の成分を変更することができる。
【0024】
本実施の形態において、被処理材3とTiH2(水素化チタン)系の圧粉体電極1との間の放電により形成された表面処理層は、TiC(炭化チタン)が主成分となる。これは、加工液12が油であるため、放電の熱で分解した油の成分のC(炭素)と電極中のTiが熱により次式のように化学反応を起こしTiCとなるためである。
Ti+C → TiC
TiCは非常に硬質(ビッカース硬度2000〜3000)であり、被膜として良質のものである。Ti以外にも炭化物が硬質の物質であるV(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)等を成分とする電極を使用し、同様に窒化されることにより靱性にも優れたものとなる。
TiCNは工具等へのコーティングの膜としては、TiCよりもさらに良好な膜であることが知られている。硬度はTiCと同程度であるが、鉄との親和性がTiCよりさらに低く、工具へのコーティング材料としては、TiCNの方がより優れているということが知られている。
【0025】
即ち、上記放電により、圧粉体電極1が消耗し、圧粉体電極1の成分であるTiと上記窒素ガスの窒素と加工液中のカーボンとが反応してチタンの炭窒化物が生成されて表面処理層を形成したり、被処理材に形成された圧粉体電極1の成分であるTiまたはTiCを主成分とした表面処理層を、上記窒素ガスの窒素によりTiNまたはTiCNとするのである。
また、本実施の形態では表面処理層を被処理材に形成すると同時に窒素ガスを供給したが、一旦形成された表面処理層を本実施の形態と同様に窒素成分雰囲気中で放電処理しても同様の効果を得ることができる。
【0026】
実施の形態2.
図2は本発明の第2の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図中、3は被処理材である鉄板で、貫通孔20を設け、この貫通孔20から窒素ガス19を噴出するようにし、加工液12として油を用いた。
つまり、鉄板3に設けた貫通孔20から窒素ガス19が所定の供給量{(噴出孔径0.5mm、ガス圧2kgf/cm2)または(噴出孔径1.0mm、ガス圧5kgf/cm2)}で噴出するように窒素ガスボンベを接続し、窒素ガスを放電間隙に供給しながら、TiH2の圧粉体電極1を使用して鉄板3に対して油中放電を行なった。
上記のようにして形成された表面処理層に対してSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy))による元素分析を行った。その結果を図3に示す。図3は質量分析スペクトルで、図3(a)は窒素ガスの供給量(噴出孔径0.5mm、噴出孔数5個、ガス圧2kgf/cm2)の場合、図3(b)は窒素ガスの供給量(噴出孔径1.0mm、噴出孔数5個、ガス圧5kgf/cm2)の場合である。窒素の供給量が少ないと被膜からは窒素元素が検出されない{図3(a)}が、一定量以上を供給すると窒素が検出される{図3(b)}ことが示される。
図4は上記のようにして得られた表面処理層のうち、窒素の供給量の多い方のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルであるが、図に示すように母材成分以外にTiCNが検出されることから、窒素ガスの供給による油中放電でチタンの炭窒化被膜が形成できることが明らかとなった。
【0027】
実施の形態3.
図5は本発明の第3の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図である。図中、3は被処理材である炭素鋼で、21は窒素ガス19と加工液12の混合物、22はポンプであり、加工液12として油を、圧粉体電極1としてTiH2を用いた。
つまり、加工液12中に噴出させた窒素ガス19をポンプ22により加工液とともに汲み上げポンプ内で攪拌して再び放電間隙へ供給した。これにより、放電間隙中の窒素ガス濃度が高くなり、気泡も細かくなるために窒素ガスが放電により反応する確率が上昇する。
図6は形成された表面処理層に対してSIMSによる元素分析を行った結果を示す質量分析スペクトルであるが、窒素の存在が確認できる。
油中における窒素ガスの気泡の細かさ、混合割合を制御することで表面処理層の窒化の度合いも制御できる。
図7は上記表面処理層のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルであるが、図から母材成分以外にTiCNが検出されるため、窒素ガスの供給による油中放電でチタンの炭窒化被膜が形成できることが明らかとなった。
【0028】
実施の形態4.
図8は本発明の第4の実施の形態の放電表面処理装置を説明する説明図で、図中、23は密閉された加工槽で、3は被処理材である炭素鋼である。
つまり、周囲を囲んだ加工槽23に窒素ガス19を噴出圧(4kgf/cm2)で吹き込み、TiH2またはTi電極を回転数50rpmで回転しながら窒素ガス雰囲気中で放電をおこない窒化被膜を形成した。
図9は本実施の形態で形成した表面処理層のX線回折による組成分析結果を示すX線回折スペクトルである。図9(a)および(b)は各々TiH2電極を用いたスペクトルおよびTi電極を用いたスペクトルである。図から、電極にTiH2および純チタンを使用した場合、それぞれの被膜に対してTiNおよびTiCNが生成しているのがわかる。また、上記表面処理層の硬度はいずれもマイクロビッカースで2200〜2500Hvである。
なお、TiCNが生成するのは電極または被処理材表面に油が残留していたためであり、窒素雰囲気中にカーボンを供給することで被膜の炭化もできる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の第1の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、上記圧粉体電極に開けられ、上記圧粉体電極と被処理材との間隙に窒素ガスを噴出する孔を備えたものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。
【0031】
本発明の第2の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、加工液と窒素ガスの混合物を攪拌して上記放電間隙に供給するポンプを備えたことを特徴とするものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。
【0032】
本発明の第3の放電表面処理装置によれば、表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、密閉された加工槽を用い、この加工槽に窒素ガスを吹き込み、上記電極を回転しながら窒素ガス雰囲気中で上記放電がおこなわれるものであり、被処理材の材質に係わらずに質のよい窒化表面処理層を、容易に得ることができるという効果がある。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図2】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図3】本発明による表面処理層の質量分析スペクトルである。
【図4】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図5】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図6】本発明による表面処理層の質量分析スペクトルである。
【図7】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図8】本発明に係わる放電表面処理装置を説明する説明図である。
【図9】本発明による表面処理層のX線回折スペクトルである。
【図10】従来の放電表面処理方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 圧粉体電極、3 被処理材、4 表面処理層、6 窒素ガスボンベ、24 アンモニアタンク。
Claims (3)
- 表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、上記圧粉体電極に開けられ、上記圧粉体電極と被処理材との間隙に窒素ガスを噴出する孔を備えたことを特徴とする放電表面処理装置。
- 表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、加工液と窒素ガスの混合物を攪拌して上記放電間隙に供給するポンプを備えたことを特徴とする放電表面処理装置。
- 表面処理材料または表面処理材料の元となる材料からなる圧粉体電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させる放電処理手段、並びに放電が発生する雰囲気を窒素成分含有雰囲気とする窒素供給手段を備えた放電表面処理装置において、密閉された加工槽を用い、この加工槽に窒素ガスを吹き込み、上記電極を回転しながら窒素ガス雰囲気中で上記放電がおこなわれることを特徴とする放電表面処理装置。
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