JP3562014B2 - 溶接用シール装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、溶接用シール装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、自動溶接作業等において有用な、溶接時のみならず、溶接後の製品高温部をも清浄に保つシール性能に優れ、かつその操作も簡便な、新しい溶接用シール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、各種の製品に対してガスシールによって汚染のない溶接を行う方法が知られており、そのためのガスシールについても様々な工夫がなされてきている。
しかしながら、従来の方法では、このガスシール、たとえばアルゴン(Ar)ガス等によるシールは、溶接アーク照射部のみに対して局在化されて行うのが一般的であり、溶接雰囲気としては溶接アーク照射部だけでなくすでに溶接を行った高温部も清浄に保たねばならないが、このことを考慮した方法や装置はほとんど具体化されていない。
【0003】
それと言うのも、上記のような課題を解消するためには溶接終了後の高温部の汚染を防止するために製品を密閉空間に閉じ込めることが当然にも考えられるが、このような閉じ込めは、一方では溶接をどのようにして行うのか、特に、溶接トーチを、上下、そして水平方向に移動させるにはどうすればよいのかの問題を生じさせる。つまり、製品を収納した空間のシール性の確保の課題と矛盾するものとしてこの問題が避けられない。
【0004】
特に、このような空間のシール性確保と溶接トーチの移動としての溶接動作との矛盾は、効率的で、精度のよい溶接を行うための自動溶接においては重大な課題となる。
このため、現状においては、ガスシールは、溶接アーク照射部に局在化されているのが実情であった。
【0005】
そこで、この発明は、以上の通りの従来の課題を解決するために、アーク照射部のみでなく、溶接の終了した高温部も清浄に保つためのガスシール性に優れ、効率的で、簡便な操作が可能な、新しい溶接手段を提供することを目的としている。さらに詳しくは、この発明は、溶接用の新しいシール手段を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の通りの課題を解決するものとして、上面開口部を有し、被溶接製品を収納するシールボックス体と、このシールボックス体の上面開口部にスライド自在に配設されたシール蓋体とを備えた溶接用シール装置であって、このシール装置には、ガス供給手段並びに溶接ワイヤ供給手段とともに、そのシール蓋体に溶接トーチが配備され、溶接トーチの移動がシール蓋体のスライドによって自在とされていることを特徴とする溶接用シール装置(請求項1)を提供する。
【0007】
また、この発明は、上記課題において、ガス供給手段は、シールボックス体および/またはシール蓋体に配備されていること(請求項2)、ガス供給手段は、溶接トーチと一体化されていること(請求項3)、溶接ワイヤ供給手段は、シール蓋体に配備されていること(請求項4)、シール蓋体は、シールボックス体の上面開口部に水平スライド自在に載置される蓋基部と、この蓋基部に設けられた開口部に上下動自在に装着されたシール部とを有し、このシール部に溶接トーチがその開口部を介して挿入配設されていること(請求項5)をも一つの態様としている。
【0008】
【作用】
上記の構成からなるこの発明では、シールボックス体の上部を開放して、ここにスライド可能なシール蓋体を配置し、このシール蓋体に溶接トーチを配備して、この溶接トーチの移動がシール蓋体のスライドによって自在とされているため、溶接トーチの移動操作と、製品収納の空間のシール性の確保とが矛盾することなく可能とされる。
【0009】
このような作用についても、この発明の構成とともに、以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0010】
【実施例】
添付した図面の図1は、この発明の一実施例を示した正断面図であって、上面開口部(11)を有し、被溶接製品(2)を収納するシールボックス体(1)と、このシールボックス体(1)の上面開口部(11)に部分的な上下動、並びに全体の水平動スライドを自在としたシール蓋体(3)とを備えた溶接用シール装置を示している。
【0011】
この場合の被溶接製品(2)としては、不規則形状製品の代表的なものとして、図2にも例示した通りのゴルフヘッド(21)に、ソールプレート(22)を溶接する事例が示されている。たとえばチタン合金の精密鋳造品からなるゴルフヘッド(21)に、チタンのソールプレート(22)が、その接合端部(23)においてアルゴン(Ar)ガスシールによるTIG溶接により溶接される事例である。
【0012】
この溶接では、接合端部(23)に沿って、溶接トーチの移動により溶接が行われることになる。
そこで、上記のシール装置では、図1に例示したように、シール蓋体(3)に溶接トーチ(4)が配備され、この溶接トーチ(4)の移動が、シール蓋体(3)のスライドによって自在とされている。より具体的には、上記のシール蓋体(3)は、シールボックス体(1)の上面開口部(11)に水平スライド自在に載置される蓋基部(31)と、この蓋基部(31)に設けられた開口部(311)に上下動自在に装着されたシール部(32)とによって構成されている。蓋基部(31)は、その水平板部(312)が、シールボックス体(1)のフランジ部(12)に乗って、水平方向にスライド自在とされており、シール部(32)は、その垂下面部(321)が蓋基部(31)の立設面部(313)に摺接して上下方向にスライド自在とされている。
【0013】
そして、上記のシール部(32)には、図1の例では、溶接トーチ(4)とワイヤーガイド(5)とが、各々、開口部(322)(323)を介して挿入嵌着されている。
シール部(32)は、図1にも斜視図として例示したように、たとえば楕円形等とすることができ、このようにすることによって、溶接トーチ(4)をロボットハンド(図示せず)等により水平(回転も含めて)スライドさせると、溶接トーチ(4)が偏心した運動中心となり、シール部(31)が装着されている蓋基部(31)を水平方向にスライドさせることになる。このため、溶接トーチの動きに追従してシール部(32)、そして蓋基部(31)が水平スライド運動することになる。
【0014】
また、溶接トーチ(4)が所定の水平位置にあり、蓋基部(31)の水平動が停止している状態であっても、溶接トーチ(4)の上下動は、シール部(32)の上下摺接スライドを介して可能となる。
溶接トーチ(4)、ワイヤーガイド(5)は、各々、開口部(322)(323)に嵌着されているか、別途の取付手段、たとえばネジ構造手段、磁石等によって開口部(322)(323)に挿入密着させることができる。
【0015】
なお、ワイヤーガイド(5)は、溶接トーチ(4)による被溶接製品(2)に対するアーク照射部に溶接ワイヤ(6)を供給する。また、溶接トーチ(4)は、アルゴン(Ar)ガスの供給手段を兼ねており、溶接トーチ(4)によるアーク照射部へ局所的にアルゴンガスが供給されて汚染のない溶接が行われるようにシール作用をより効果的なものとしている。アルゴンガスについては、この図1の例では、シールボックス体(1)に設けた供給管(13)からもシール装置内に供給されるようにしている。もちろん、アルゴンガス供給手段はこれらの一方のみとしてもよい。
【0016】
被溶接製品(2)は、シールボックス体(1)内の支持台(7)に置かれている。この場合、被溶接製品(2)は、適宜な構成のチャッキング装置によって位置固定することができる。
たとえば以下の通りのこの発明のシール装置の例では、上記の通り、溶接トーチ(4)の動きに追従して、その上下動にともなってシール部(32)が上下にスライドし、その水平動にともなって、シール部(32)を介して蓋基部(31)が、シールボックス体(1)の開口部(11)を水平スライドする。
【0017】
これらのスライドにおいては、いずれの場合にもシールボックス体(1)と、蓋基部(31)とシール部(32)とからなるシール蓋体(3)とによって、被溶接製品(2)が収納されている空間は密閉シールされた状態となるため、溶接トーチ(4)、そしてガス供給管(13)から供給されたアルゴンガスがこの空間の全体雰囲気を形成して、溶接時、並びにその終了後の溶接部の汚染を効果的に防止することになる。
【0018】
溶接トーチ(4)の移動による溶接操作は阻害されることなく円滑に可能とされ、しかも、空間シール性の確保が、従来のように矛盾することなく、同時に可能とされる。
自動溶接装置としては、すでに述べた通り、溶接トーチ(4)をロボットハンドやマニプレータによって自動操作できるようにし、別のロボットハンド等にてシールボックス体(1)内への被溶接製品の収納と、その所定位置への固定をあらかじめ行った後、シールボックス体(1)の上面開口部(11)へのシール蓋体(3)の配置、そして溶接トーチ(4)の移動と、アルゴンガスの供給等の一連の手順について自動操作可能とすることができる。
【0019】
もちろん、この発明においては、以上の例に限定されることはない。シール性能を確保し、安定した操作を可能とするために、たとえば図3に例示したように、蓋体基部(31)の立設面部(313)には、バネ(314)によって付勢されたストップピン(315)を設け、これがシール部(32)の垂下面部(321)の穴部(324)に係合してシール部(32)の蓋基部(31)からの抜止めを防止することや、蓋基部(31)の水平板部(312)にはバネ(316)の付勢力を加え、水平板部(312)とシールボックス体(1)のフランジ部(12)との間でのシール漏れが生じないようにすること等の手段の採用が考慮される。
【0020】
そして、ガス供給手段についても適宜な態様が可能であり、また、図1の例とは異って、シール蓋体(3)は、蓋基部(31)とシール部(32)とが別の形状構造となってもよいし、あるいは両者は一体化されていてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上、詳しく説明した通り、この発明のシール装置により、溶接空間のシール性確保と、溶接トーチによる操作性とは矛盾することなく良好とされ、自動溶接等として有用な、汚染のない溶接を、簡便な構造と操作により可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置の一例を示した正断面図である。
【図2】被溶接製品としてのゴルフヘッドとソールプレートを例示した分解斜視図である。
【図3】図1の例のさらに別の細部の態様を例示した部分断面図である。
【符号の説明】
1 シールボックス体
11 上面開口部
12 フランジ部
13 ガス供給管
2 被溶接製品
21 ゴルフヘッド
22 ソールプレート
23 接合端部
3 シール蓋体
31 蓋基部
311 開口部
312 水平板部
313 立設面部
314 バネ
315 ストップピン
316 バネ
32 シール部
321 垂下面部
322 開口部
323 開口部
324 穴部
4 溶接トーチ
5 ワイヤーガイド
6 溶接ワイヤ
7 支持部
Claims (5)
- 上面開口部を有し、被溶接製品を収納するシールボックス体と、このシールボックス体の上面開口部にスライド自在に配設されたシール蓋体とを備えた溶接用シール装置であって、このシール装置には、ガス供給手段並びに溶接ワイヤ供給手段とともに、そのシール蓋体に溶接トーチが配備され、溶接トーチの移動がシール蓋体のスライドによって自在とされていることを特徴とする溶接用シール装置。
- ガス供給手段は、シールボックス体および/またはシール蓋体に配備されている請求項1のシール装置。
- ガス供給手段は、シール蓋体に配備された溶接トーチと一体化されている請求項1または2のシール装置。
- 溶接ワイヤ供給手段は、シール蓋体に配備されている請求項1ないし3のシール装置。
- シール蓋体は、シールボックス体の上面開口部に水平スライド自在に載置される蓋基部と、この蓋基部に設けられた開口部に上下動自在に装着されたシール部とを有し、このシール部に溶接トーチがその開口部を介して挿入配設されている請求項1ないし4のいずれかのシール装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP05767595A JP3562014B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 溶接用シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05767595A JP3562014B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 溶接用シール装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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|---|---|---|---|
| JP05767595A Expired - Fee Related JP3562014B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 溶接用シール装置 |
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| Country | Link |
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Cited By (1)
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1995
- 1995-03-16 JP JP05767595A patent/JP3562014B2/ja not_active Expired - Fee Related
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