JP3561670B2 - メモリ制御回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、メモリ制御回路に関し、特にたとえば読み出し要求に応答してメモリからバースト転送方式でデータを読み出す、メモリ制御回路に関する。
【0002】
【背景技術】
SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)は、クロックに同期して動作するDRAMであり、いわゆるバースト転送によって高速アクセスが実現できる。つまり、アクティブコマンドを1回出力すれば、連続する複数のアドレスからデータを読み出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バースト転送は1つのロウアドレスに割り当てられた複数のカラムアドレスにアクセスするときだけ有効である。換言すれば、互いに異なるロウアドレスに割り当てられた複数のカラムアドレスにアクセスするときは、バースト転送は有効ではなく、むしろオーバヘッドのためにアクセス速度が低下してしまう。このため、異なるロウアドレスに割り当てられたカラムアドレスに交互にアクセスするような場合、SDRAMの特性を生かすことができない。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、アクセス先のアドレスが頻繁に変化するときでもデータを高速で読み出すことができる、メモリ制御回路を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、所望アドレス値を含む読み出し要求を取り込む取込手段、メモリの複数のアドレスからデータを読み出す読み出し手段、読み出し手段による読み出しデータの一部を読み出し要求の出力元に返送する第1返送手段、読み出しデータの他の一部を格納する格納手段、格納手段による格納データの一部を読み出し要求の出力元に返送する第2返送手段、所望アドレス値と格納データの読み出し元アドレス値とを比較する比較手段、較手段の比較結果に応じて読み出し手段および第2返送手段を選択的に能動化する能動化手段、読み出し元アドレス値を保持する第1保持手段、および所望アドレス値に基づいて読み出し元アドレス値を更新する更新手段を備え、メモリは、有効データが格納された第1エリア、および有効データの読み出し開始アドレス値が格納された第2格納エリアを含み、読み出し元アドレス値は読み出し開始アドレス値に続く複数のアドレス値である、メモリ制御回路である。
【0006】
【作用】
読み出し手段によってメモリの複数のアドレスからデータが読み出されると、読み出しデータの一部が第1返送手段によって読み出し要求の出力元に返送され、読み出しデータの他の一部が格納手段によって格納される。一方、第2返送手段は、格納手段による格納データの一部を読み出し要求の出力元に返送する。
【0007】
所望アドレス値を含む読み出し要求が取込手段によって取り込まれると、比較手段が、所望アドレス値と格納データの読み出し元アドレス値とを比較する。能動化手段は、比較手段の比較結果に応じて読み出し手段および第2返送手段を選択的に能動化する。このため、所望のアドレス値と読み出し元アドレス値とが所定関係にあれば、格納データの一部が第2返送手段によって読み出し要求の出力元に返送される。
【0008】
さらに、読み出し元アドレス値が第1保持手段によって保持される。この読み出し元アドレスは、所望アドレス値に基づいて、更新手段によって更新される。
【0009】
メモリは、有効データが格納された第1エリア、および有効データの読み出し開始アドレス値が格納された第2格納エリアを含み、読み出し元アドレス値は、読み出し開始アドレス値に続く複数のアドレス値である。
【0010】
この発明のある実施例では、第2返送手段は、所望アドレス値および読み出し元アドレス値に基づいて出力元に返送する格納データを検出する。
【0011】
ましくは、第2格納エリアの全てのアドレス値が第2保持手段によって保持される。不能化手段は、所望アドレス値と第2保持手段のアドレス値とに基づいて格納手段を不能化する。
【0012】
この発明のその他の実施例では、メモリはバースト転送方式を採用するメモリである。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、所望アドレスと格納手段による格納データの読み出し元アドレスが所定関係にあれば、メモリにアクセスされることなく、格納手段の格納データが読み出し要求の出力元に返送される。このため、アクセス先のアドレスが頻繁に変化するときでもデータを高速で読み出すことができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】
図1を参照して、この実施例のデータ処理回路10は、CPU12からのアクセス要求に応答してSDRAM32にアクセスするメモリ制御回路14を含む。CPU12は、メモリ制御回路14を通してSDRAM32から有効データ(画像データ)を読み出し、読み出した有効データをメモリカード34に書き込む。
【0016】
SDRAM32は、図2に示すように有効データエリア32aおよびワークエリア32bによって形成される。有効データエリア32aはエリアA〜Hからなり、ワークエリア32bはエリアa〜hからなる。エリアa〜hはエリアA〜Hのアクセス開始アドレス(読み出し開始アドレス)を管理しており、有効データを読み出すには、まずワークエリア32bからアクセス開始アドレスを入手し、入手したアドレスに従って有効データエリア32aにアクセスする必要がある。
【0017】
たとえばエリアAから有効データを読み出すとき、CPU12はまず、エリアaからアクセス開始アドレスを読み出し、さらに次回のアクセスを考慮して、エリアaのアドレス値を更新する。つまり、読み出されたアドレス値に“1”を加算し、加算したアドレス値をエリアaに書く込む。CPU12は続いて、読み出されたアクセス開始アドレスに基づいてエリアAから有効データを読み出す。そして、読み出した有効データをメモリカード34に書き込む。このような処理を繰り返すことによって、エリアAに格納された一連の有効データがメモリカード34に転送される。
【0018】
CPU12は、具体的には図4に示すフロー図を処理する。まず、ステップS1でワークエリア32bのアドレス値を含む読み出し要求をメモリ制御回路14に与え、ワークエリア32bからアドレスデータを読み出す。読み出されたアドレスデータは、ステップS3でキャッシュ12aに格納する。CPU12は続いて、キャッシュ12aに格納されたアドレスデータの値をステップS5でインクリメントする。ステップS7では、インクリメントしたアドレスデータを書き込み要求とともにメモリ制御回路14に出力し、このアドレスデータをワークエリア32bの同じ位置に書き込む。
【0019】
CPU12はその後ステップS9に進み、キャッシュ12aに格納されたアドレス値を含む読み出し要求をメモリ制御回路14に与える。これによって、有効データエリア32aから有効データが読み出され、読み出された有効データはステップS11でキャッシュ12aに格納される。ステップS13では、キャッシュ12aの有効データをメモリカード34に記録し、続くステップS15では有効データの読み出しが全て完了したかどうか判断する。そして、NOであればステップS1に戻り、YESであれば処理を終了する。
【0020】
ただし、SDRAM14はバースト転送方式のメモリであり、有効データエリア32aから1アドレスずつデータを読み出したのでは、SDRAM14の高速アクセス特性を生かせないばかりか、オーバヘッドのために逆にアクセス速度が低下してしまう。このため、この実施例では、メモリ制御回路14を図1に示すように構成し、アクセス先のアドレスが頻繁に変化するときでも高速アクセスが実現できるようにしている。
【0021】
CPU12から出力されたAS(アドレスストローブ)信号,CS(チップセレクト)信号,RDZWR信号およびADRS(アドレス)信号は、キャッシュヒット判別回路18に与えられる。キャッシュヒット判別回路18は、AS信号およびCS信号によってCPU12からアクセス要求が生じたと判断し、RDZWR信号によって要求内容が“読み出し”および“書き込み”のいずれであるかを判別する。RDZWR信号がハイレベルであれば要求内容は“読み出し”であり、RDZWR信号がローレベルであれば要求内容は“書き込み”である。
【0022】
要求内容が“読み出し”であるとき、キャッシュヒット判別回路18は、ADRS信号に基づいて次のような判別信号をセレクタ28aおよびキャッシュ制御回路20に出力する。
【0023】
ADRS信号が示すアドレス値がキャッシュ24に格納されているデータの出力元のアドレス値と一致する場合、キャッシュヒット判別回路18は判別信号▲1▼を出力する。キャッシュ24は図3に示すように3つの格納エリアを有し、3アドレス分の有効データがこの3つの格納エリアにそれぞれ格納される。ADRS信号の値がこの有効データの読み出し元のいずれか1つのアドレス値と一致するとき、判別信号▲1▼が出力される。
【0024】
ADRS信号が示すアドレス値がワークエリア32bのアドレス値のいずれか1つに一致する場合、キャッシュヒット判別回路18は判別信号▲2▼を出力する。上述のように、有効データの読み出しに先立ってワークエリア32bへのアクセスが行われるため、このときは、判別信号▲2▼が出力される。
【0025】
ADRS信号が示すアドレス値が、キャッシュ24に格納されているデータの出力元のアドレスならびにワークエリア32bのアドレスのいずれにも一致しない場合、キャッシュヒット判別回路18は判別信号▲3▼を出力する。CPU12が要求する有効データがキャッシュ24に格納されていなければ、有効データエリア32aから有効データを読み出す必要がある。このとき、判別信号▲3▼が出力される。
【0026】
キャッシュヒット判別回路18はまた、キャッシュ24に格納されたデータの読み出し元のアドレス情報をキャッシュ制御回路20に出力する。このアドレスは、判別信号が▲1▼を示すときに意味を持つ。キャッシュヒット判別回路18はさらに、判別信号▲2▼および▲3▼の出力時、所定のスタート信号をステートマシン22に出力する。ステートマシン22は、このスタート信号に応答して起動する。
【0027】
キャッシュヒット判別回路18から判別信号▲1▼が出力された場合、セレクタ28aは、CPU12から与えられたADRS信号をキャッシュ制御回路20に出力する。キャッシュ制御回路20は、セレクタ28aからのADRS信号およびキャッシュヒット判別回路18からのアドレス情報に基づいて、図3に示す3つの格納エリアの1つから有効データを読み出す。キャッシュ制御回路20はまた、セレクタ28bにキャッシュ24の出力を選択させるとともに、有効データの読み出しが完了すると同時にREADY生成回路16にREADY信号を出力させる。キャッシュ24から読み出された有効データは、セレクタ28bおよび3ステートバッファ30aを経てCPU12に出力され、READY生成回路16から出力されたREADY信号は、直接CPU12に出力される。なお、3ステートバッファ30aは、CPU12がメモリ制御回路14以外、たとえばメモリカード34にアクセスするときにデータがぶつかるのを防ぐために、普段はハイインピーダンス状態であり、CPU12へデータを出力するときだけ出力ゲートを開く。
【0028】
判別信号▲2▼が出力された場合、セレクタ28aは、CPU12からのADRS信号をアドレス出力回路26に与え、ステートマシン22は、スタート信号に応答してアドレス出力回路26の出力タイミングを制御する。これによって、ADRS信号に含まれるロウアドレス値およびカラムアドレス値が適切なタイミングでSDRAM32に出力される。ステートマシン22はまた、所定タイミングでCLK(クロック)信号,CKE(クロックイネーブル)信号,CS(チップセレクト)信号,RAS(ロウアドレスストローブ)信号,CAS(カラムアドレスストローブ)信号およびWE(ライトイネーブル)信号をSDRAM32に出力する。なお、CLK信号,CKE信号,CS信号,RAS信号,CAS信号およびWE信号は、いずれもアクティブローの信号である。
【0029】
SDRAM32からは、所望のアドレスから始まる4アドレスのデータがバースト転送方式で読み出される。読み出されたデータは、3ステートバッファ30bを経てセレクタ28bおよびキャッシュ24に与えられる。つまり、3ステートバッファ30bはハイレベルの制御信号が与えられない限りSDRAM32からの入力ゲートを開き、これによってSDRAM32から読み出されたデータがセレクタ28bおよびキャッシュ24に与えられる。判別信号が▲2▼を示すとき、CPU12のアクセス要求はワークエリア32bからの読み出しを要求するものであり、読み出されたデータはアドレスデータである。
【0030】
キャッシュ制御回路20は、判別信号▲2▼が与えられたとき、SDRAM32から読み出された4アドレス分のデータのうち、最初のアドレス以外のデータを廃棄する。つまり、読み出されたデータのキャッシュ24への書き込みは行わず、最初のアドレス(所望のアドレス)からデータが読み出されるときだけセレクタ28bを3ステートバッファ30b側に接続する。キャッシュ制御回路20はまた、セレクタ28bを3ステートバッファ30b側に接続した直後に、READY信号の出力をREADY生成回路16に命令する。この結果、アクセス開始アドレスを示すデータのみが3ステートバッファ30aを通してCPU12に出力され、ほぼ同時にREADY信号がREADY生成回路16から出力される。
【0031】
判別信号▲3▼が出力された場合、セレクタ28aは、判別信号▲2▼の出力時と同様、CPU12からのADRS信号をアドレス出力回路26に出力する。ステートマシン22も、上述と同様、アドレス出力回路26にロウアドレス値およびカラムアドレス値を選択的に出力させ、自らCLK信号,CKE信号,CS信号,RAS信号,CAS信号およびWE信号をSDRAM32に出力する。これによって、SDRAM32から4アドレス分のデータが読み出される。このときのアクセス先は有効データエリア32aであり、読み出された4アドレス分の有効データは、上述と同様、3ステートバッファ30bを通してセレクタ28bおよびキャッシュ24に与えられる。
【0032】
キャッシュ制御回路20は、判別信号▲3▼が出力されたとき、最初のアドレスの有効データをCPU12に出力するとともに、残りの3アドレス分の有効データをキャッシュ24に格納する。つまり、最初のアドレスから有効データが読み出されるタイミングでセレクタ28bを3ステートバッファ30b側に接続し、残りの3アドレス分の有効データが読み出されるタイミングでキャッシュ24に書き込み信号を与える。キャッシュ制御回路20はさらに、有効データがCPU12に出力された直後にREADY生成回路16にREADY信号を出力させる。この結果、CPU12は、所望のアドレスから読み出された有効データとREADY信号とを受け取る。
【0033】
SDRAM32から4アドレス分のデータが読み出されるときのタイミング図を図5に示す。まずロウアドレス値Rが出力され、このときRAS信号が立ち下がる。このロウアドレス値RおよびローレベルのRAS信号によってアクティブコマンドが形成される。1クロック期間経過すると、今度はカラムアドレス値CおよびローレベルのCAS信号が出力される。読み出し時、アクティブローのWE信号はハイレベルとなるため、このカラムアドレス値CおよびCAS信号によってリードコマンドが形成される。リードコマンドが出力されると、所定期間の遅延の後、上記のカラムアドレスCから始まる4アドレスからデータD0〜D3が読み出される。
【0034】
図1に戻って、CPU12のアクセス要求が“書き込み”であるとき、キャッシュヒット判別回路18は、判別信号▲4▼をセレクタ28aに出力するとともに、所定のスタート信号をステートマシン22に与える。セレクタ28aは、判別信号▲4▼に応答してCPU12からのADRS信号をアドレス出力回路26に出力する。ステートマシン22は、上述と同様、アドレス出力回路26にロウアドレス値およびカラムアドレス値を選択的に出力させ、自らCLK信号,CKE信号,CS信号,RAS信号,CAS信号およびWE信号をSDRAM32に出力する。ただし、WE信号はローレベルとし、3ステートバッファ30aおよび30bにはハイレベルの制御信号を与える。
【0035】
CPU12からアクセス要求とともに出力されたデータは、3ステートバッファ30aおよび30bを経てSDRAM32に与えられ、所望のアドレスに書き込まれる。この実施例では、ワークエリア32bにアドレスデータを書き込むときだけ、CPU12から“書き込み”のアクセス要求が出力される。このため、ADRS信号が示すアドレスはワークエリア32bの中に存在し、SDRAM32に与えられるデータはアドレスデータである。
【0036】
キャッシュヒット判別回路18は、具体的には図6に示すように構成される。SDRAMアクセス判別回路18aは、CPU12からのRDZWR信号に基づいてアクセス要求の内容を判別する。そして、アクセス要求が“書き込み”であれば、ハイレベルのライトアクセス信号をスタート信号生成回路18fに出力し、ローレベルのリードアクセス信号をアドレス比較回路18bに出力する。一方、アクセス要求が“読み出し”であれば、ローレベルのライトアクセス信号をスタート信号生成回路18fに出力し、ハイレベルのリードアクセス信号をアドレス比較回路18bに出力する。SDRAMアクセス判別回路18aはまた、CPU12からのAS信号およびCS信号に基づいて、タイミング信号をスタート信号生成回路18f,アドレスキャッシュ制御回路18cおよびキャッシュ制御回路20に出力する。
【0037】
アドレス比較回路18bは、リードアクセス信号がハイレベルのとき、CPU12から与えられたADRS信号の値をレジスタ18dおよびアドレスキャッシュ18eに格納されたアドレス値と比較する。レジスタ18dにはワークエリア18dのアドレス値が格納されており、アドレスキャッシュ18eには現時点でキャッシュ24に格納されている有効データの読み出し元のアドレス値が格納されている。アドレス比較回路18bは、ADRS信号の値がキャッシュアドレス18eのいずれかのアドレス値と一致するとき判別信号▲1▼を出力し、ADRS信号の値がレジスタ18dのいずれかのアドレス値と一致するとき判別信号▲2▼を出力し、そして、ADRS信号の値がアドレスキャッシュ18eおよびレジスタ18dのいずれのアドレス値とも一致しないとき判別信号▲3▼を出力する。なお、SDRAMアクセス判別回路18aから出力されたリードアクセス信号がローレベルであれば、アドレス比較回路18bは判別信号▲4▼を出力する。
【0038】
アドレスキャッシュ制御回路18cは、アドレス比較回路18bから判別信号▲3▼が出力されたとき、CPU12から出力されたADRS信号に基づいてアドレスキャッシュ18eのアドレス値を更新する。つまり、判別信号▲3▼が出力されるとキャッシュ24の内容が更新されるため、これに合わせてアドレスキャッシュ18eの内容も更新する。具体的には、ADRS信号の値に“1”を加算した値,“2”を加算した値,および“3”を加算した値をアドレスキャッシュ18eに書き込む。なお、アドレスキャッシュ18eのアドレス情報は、アドレス比較回路18bに与えられるだけでなく、キャッシュ制御回路20にも出力される。
【0039】
スタート信号生成回路18fは、判別信号が▲1▼以外のとき、タイミング信号に応答してスタート信号をステートマシン22に出力する。ただし、スタート信号の値はライトアクセス信号のレベルに応じて相違する。ステートマシン22は、この値によって3ステートバッファ30aおよび30bの制御信号およびWE信号のレベルを決定する。
【0040】
キャッシュ制御回路20は、図7に示すように構成される。キャッシュヒット判別回路18から出力されたタイミング信号およびアドレス情報は、タイミング生成回路20aおよびキャッシュ駆動回路20bにそれぞれ与えられる。同じキャッシュヒット判別回路18から出力された判別信号は、タイミング生成回路20a,キャッシュ駆動回路20bおよびデータ出力制御回路20cの全てに与えられる。さらに、セレクタ28aから出力されたADRS信号は、キャッシュ駆動回路20bに与えられる。
【0041】
タイミング生成回路20aは、与えられたタイミング信号および判定信号に基づいて所定のタイミング信号を生成し、READY生成回路16,データ出力回路20cおよびキャッシュ駆動回路20bに出力する。データ出力制御回路20cは、判定信号が▲1▼を示すときセレクタ28bを常にキャッシュ24側に接続し、判定信号が▲2▼または▲3▼を示すときセレクタ28bを所定タイミングで3ステートバッファ30b側に接続する。
【0042】
キャッシュ駆動回路20bは、判定信号が▲1▼を示すとき、ADRS信号およびアドレス情報に基づいて図3に示す格納エリアの1つから有効データを読み出す。読み出された有効データは、セレクタ28bを経てCPU12に出力される。判定信号が▲2▼を示すとき、キャッシュ駆動回路20bは、キャッシュ24を駆動しない。このため、SDRAM32から読み出された4アドレス分のデータ(アドレスデータ)のうち、最初のデータはセレクタ28bを経てCPU12に出力され、残りのデータは廃棄される。
【0043】
判定信号が▲3▼を示すとき、キャッシュ制御回路20bは、SDRAM32から読み出された4アドレス分の有効データのうち、3アドレス分の有効データをキャッシュ24に書き込む。書き込みタイミングは、タイミング生成回路20aからのタイミング信号に基づいて決定する。残りの1アドレス分の有効データは、セレクタ28bを経てCPU12に出力される。判別信号が▲4▼を示すときは、SDRAM32へのデータ書き込みが行われるため、判定信号▲2▼の入力時と同様、キャッシュ24は駆動されない。
【0044】
この実施例によれば、バースト転送によって複数アドレス分の有効データが読み出されたとき、要求された有効データのみがCPUに出力され、残りの有効データはキャッシュに格納される。次回の読み出し要求がキャッシュに格納された有効データの読み出し元のアドレスを含む場合、SDRAMへのアクセスは行われず、キャッシュに格納された有効データがCPU12に出力される。このため、読み出し先のアドレスが頻繁に変化するときでも、アクセス時間を短縮することができる。
【0045】
なお、この実施例では、キャッシュ24から有効データを読み出すときも図4に示すステップS1〜S7の処理を実行しているが、ステップS5で現アドレス値に“4”を加算するとともに、SDRAM32から有効データを読み出すときだけステップS1〜S7の処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】SDRAMの構成を示す図解図である。
【図3】キャッシュの構成を示す図解図である。
【図4】図1実施例の動作の一部を示すフロー図である。
【図5】図1実施例の動作の一部を示すタイミング図である。
【図6】キャッシュヒット判別回路の構成を示すブロック図である。
【図7】キャッシュ制御回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…データ処理装置
12…CPU
14…メモリ制御回路
18…キャッシュヒット判別回路
20…キャッシュ制御回路
22…ステートマシン
24…キャッシュ
32…SDRAM

Claims (4)

  1. 所望アドレス値を含む読み出し要求を取り込む取込手段、
    メモリの複数のアドレスからデータを読み出す読み出し手段、
    前記読み出し手段による読み出しデータの一部を前記読み出し要求の出力元に返送する第1返送手段、
    前記読み出しデータの他の一部を格納する格納手段、
    前記格納手段による格納データの一部を前記読み出し要求の出力元に返送する第2返送手段、
    前記所望アドレス値と前記格納データの読み出し元アドレス値とを比較する比較手段、
    記比較手段の比較結果に応じて前記読み出し手段および前記第2返送手段を選択的に能動化する能動化手段
    前記読み出し元アドレス値を保持する第1保持手段、および
    前記所望アドレス値に基づいて前記読み出し元アドレス値を更新する更新手段を備え、
    前記メモリは、有効データが格納された第1エリア、および前記有効データの読み出し開始アドレス値が格納された第2格納エリアを含み、
    前記読み出し元アドレス値は前記読み出し開始アドレス値に続く複数のアドレス値である、メモリ制御回路。
  2. 前記第2返送手段は、前記所望アドレス値および前記読み出し元アドレス値に基づいて前記出力元に返送する格納データを検出する、請求項1記載のメモリ制御回路。
  3. 前記第2格納エリアの全てのアドレス値を保持する第2保持手段をさらに備え、
    前記所望アドレス値と前記第2保持手段の前記アドレス値とに基づいて前記格納手段を不能化する不能化手段をさらに備える、請求項記載のメモリ制御回路。
  4. 前記メモリはバースト転送方式を採用するメモリである、請求項1ないしのいずれかに記載のメモリ制御回路。
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