JP3561612B2 - ニューロオペアンプ回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッチドフィルタ等に用いられるニューロオペアンプ回路に係り、特にニューロオペアンプを多段に接続しても電圧増幅率の変動を抑制できるニューロオペアンプ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
マッチドフィルタやアナログフィルタの構成部分であるサンプルホールド回路は、ニューロオペアンプユニットを多段に接続したもので実現することができる。
【0003】
ニューロオペアンプ回路を利用した従来のサンプルホールド回路の一例について、図2を用いて説明する。図2は、従来のサンプルホールド回路の一例を表す構成ブロック図である。
【0004】
図2に示すように、従来のサンプルホールド回路は、第1のスイッチ1と、ニューロオペアンプユニット2と、第2のスイッチ3とから基本的に構成されている。
つまり、従来のサンプルホールド回路は、第1のスイッチ1と、ニューロオペアンプユニット2とから構成される第1のブロックと、第2のスイッチ3と、ニューロオペアンプユニット2とから構成される第2のブロックとを交互に多段に接続したものである。
【0005】
以下、各部を具体的に説明する。
第1のスイッチ1は、図3に示すように、外部から入力されるクロック信号を反転するインバータ11と、P〜Sの4つの端子を備え、例えばクロック信号が「1」のときにのみ端子Qと端子Sとの間を短絡するCMOSスイッチ12とから構成されている。図3は、第1のスイッチの一例を表す構成ブロック図である。
ここで、クロック信号は、1ビットのディジタル信号であり、周期的に「1」と「0」とを繰り返し出力するようになっている。
【0006】
また、クロック信号は、端子Pにそのまま入力され、インバータ11によって反転されたクロック信号は、端子Rに入力されている。
そして、外部から入力される電圧信号は、そのまま端子Qに入力され、端子Sは、外部に電圧信号を出力する端子となっている。
【0007】
つまり、第1のスイッチ1は、クロック信号が「1」であると、CMOSスイッチ12の端子Pには「1」が、端子Rには、インバータ11を介して「0」が入力され、端子Pに印加される電圧が端子Rに印加される電圧よりも高くなるので、端子Qと端子Sとが短絡し、端子Qに入力される電圧信号が端子Sを介して外部に出力されるようになっている。
ニューロオペアンプユニット2は、第1のスイッチ1又は第2のスイッチ3から入力された電圧信号を特定の増幅率で増幅して出力するものであり、具体的には、後述する。
【0008】
第2のスイッチ3は、図3に示す第1のスイッチ1とほぼ同様のものであるが、クロック信号がCMOSスイッチ12の端子R′にそのまま入力され、インバータ11により反転されたクロック信号がCMOSスイッチ12の端子P′に入力されているところが異なっている。
【0009】
つまり、第2のスイッチ3は、クロック信号として第1のスイッチ1と同じものが入力されていると、第1のスイッチ1のCMOSスイッチ12の端子Qと端子Sとが短絡しているときには、CMOSスイッチ12の端子Q′と端子S′とが短絡していないようになっている。
尚、第2のスイッチ3のCMOSスイッチ12の端子を表す符号には区別のためにダッシュを付加することとした。
【0010】
ここで、ニューロオペアンプユニット2について具体的に、図4を参照しつつ説明する。図4は、汎用のニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
ニューロオペアンプユニット2は、図4に示すように、複数のPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを備えた、いわゆるプッシュプル型の増幅器である3段インバータ21と、複数の入力容量C1〜Cnと、フィードバック容量であるCfとから構成されている。ここで、電源電圧は、Vddであるとしている。
【0011】
汎用のニューロオペアンプユニット2では、複数の電圧信号V1〜Vnの入力を各々対応する入力容量C1〜Cnを介して受けることにより、次の[数1]で表される演算を行い、電圧信号Vout を出力するようになっている。
【0012】
【数1】
【0013】
以下では、説明を簡略にするために、入力される電圧信号及び入力容量を1つである場合に限って説明する。
この場合のニューロオペアンプユニットは、具体的には図5に示すように、3段インバータ21と、演算容量ユニット22とから構成されているものである。図5は、ニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【0014】
ここで、演算容量ユニット22は、入力容量C1と、フィードバック容量Cfとを1つの素子として実現したもので、具体的には、図6(a)に示すようなマスクパターンを備えた素子である。図6は、演算容量ユニット22のマスクパターンの一例を表す説明図である。
【0015】
図6(a)に示すように、演算容量ユニット22では、コンデンサC1,Cfの電極を細かく分割して千鳥状に配列してある。
これは、各コンデンサとして機能する電極の形状がマスクパターンの加工ばらつきによって、コンデンサの容量が規格通りにならないことを考慮して、各電極ごとに、ばらつきを分散して、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサCfとの容量の比を1に近づけるためである。
【0016】
演算容量ユニット22の第1のコンデンサC1は、図5に示すように、その端子の一方を入力端子に、また、他方を第2のコンデンサCfの一方の端子に接続されている。尚、以下、入力端子を端子Aと称し、第2のコンデンサCfの両端の端子をそれぞれ端子B、端子Cと称することとする。
【0017】
従って、上記第1のコンデンサC1の両端は、それぞれ端子Aと端子Bとに接続されていることとなり、3段インバータは、端子Bから入力された電圧信号を増幅して端子Cに出力し、さらにフィードバック容量Cfを介して、出力した電圧信号を帰還して入力されるようになっている。
【0018】
そして、図2に示すニューロオペアンプユニット2の端子Cは、第1のスイッチ1又は第2のスイッチ3を介して次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに接続されている。
【0019】
ここで、従来のニューロオペアンプ回路の動作について説明すると、初段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V0と、当該ニューロオペアンプユニット2の端子Cから出力され、次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V1との関係を数式で表すと、次の[数2]に示されるものとなる。
【0020】
【数2】
【0021】
理論的には、C1=Cfとすることができ、この場合は、C1/Cfが1となるので、[数2]は、次の[数3]のようになる。
【0022】
【数3】
【0023】
従って、3段インバータ21に対応するブロックの一つ一つは、しきい値電圧Vdd/2に対して電圧増幅率1の反転オペアンプと同様に動作するようになる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のニューロオペアンプ回路では、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの容量を現実には一致させることができず、それらの比に従って、出力する電圧信号が変動し、かつ実際の回路に適用する場合には、多段に接続して用いるため、かかる電圧信号の変動が累積して、電圧増幅率が大きく変動するという問題点があった。
【0025】
また、上記従来のニューロオペアンプ回路では、演算容量ユニットにおけるコンデンサの電極を複数に分割し、千鳥状に配置しているために、演算容量ユニットを実現する回路のサイズを小さくすることができないという問題点があった。
【0026】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、電圧増幅率の変動を抑制でき、サイズを縮小できるニューロオペアンプ回路を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、入力容量及びフィードバック容量を有する演算容量ユニットと、3段インバータとを備えるニューロオペアンプユニットを複数段に接続するニューロオペアンプ回路であって、奇数段目のニューロオペアンプユニットは、入力容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータからの電圧信号をフィードバック容量を介して3段インバータに帰還して入力し、偶数段目のニューロオペアンプユニットは 、フィードバック容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータからの電圧信号を入力容量を介して3段インバータに帰還して入力することを特徴としており、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できる。
【0028】
上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、請求項1記載のニューロオペアンプ回路において、演算容量ユニットの容量における電極が、1つの演算容量ユニットに対して1組又は2組あることを特徴としており、ニューロオペアンプ回路を小型化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本発明に係るニューロオペアンプ回路(本回路)は、容量比のずれがマスクパターンの形状によって決まるため、各段の容量比のずれが一定であることに着目して、奇数段目の演算容量ユニットで発生した電圧増幅率の変動を偶数段目の演算容量ユニットで相殺するように配線したもので、電圧増幅率の変動を抑制できるものである。
【0030】
すなわち、本回路は、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサCfとが同じ容量を有していることに着目して、偶数段目の第2のコンデンサCfのマスクパターンを第1のコンデンサC1のマスクパターンに擬制して用い、第1のコンデンサC1のマスクパターンを第2のコンデンサCfのマスクパターンとして擬制して用いるものである。
【0031】
本回路を図1を使って説明する。図1は、本回路を利用したサンプルホールドの概略構成ブロック図である。
尚、図1では、各ブロックの間にあるべき第1のスイッチ及び第2のスイッチを省略している。
【0032】
本回路は、図2を用いて説明した従来のニューロオペアンプ回路と同様に、3段インバータ21と、演算容量ユニット22とを備えているものであるが、各段の接続の状態が少々異なっている。
【0033】
すなわち、本回路では、初段など奇数番目の段にあたるブロックの端子Cから出力される電圧信号は、次段(偶数番目の段)にあたるブロックの端子Aではなく、端子Cに出力されるようになっている。
また、偶数番目の段のブロックは、端子Aを出力端子とし、当該端子Aから出力される電圧信号は、次段(奇数番目の段)のブロックの端子Aに出力されるようになる。
【0034】
ここで、このようにした場合の初段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V0と、当該ニューロオペアンプユニット2の端子Cから次段のニューロオペアンプユニット2の端子Cに出力される電圧信号V1との関係は、従来と同様に[数2]で表されるものとなるが、V1の入力を受けたニューロオペアンプユニット2の端子Aから、さらに次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに出力される電圧信号V2は、V2とV1との関係が次の[数4]で表されることとなる。
【0035】
【数4】
【0036】
従って、V2とV0との関係は、[数4]に[数2]を代入して、次の[数5]に表されるものとなる。
【0037】
【数5】
【0038】
すなわち、本回路の奇数番目のブロックが出力する電圧信号は必ず[数2]のV1に等しくなり、本回路の偶数番目のブロックが出力する電圧信号は必ずV0に等しくなる。
【0039】
つまり、本回路によれば、多段に接続しても電圧増幅率の変動を抑制することができる効果があり、このように接続することによって、演算容量ユニット22のコンデンサの電極を多数に分割する必要もなくなるため、例えば、演算容量ユニット22を図6(b)に示すように2つの電極で実現でき、ニューロオペアンプ回路を小型化できる効果がある。
また、電極を分割する場合にも、分割の個数を1コンデンサにつき、2〜3個程度として、ニューロオペアンプ回路を小型化することも考えられる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、入力容量及びフィードバック容量を有する演算容量ユニットと、3段インバータとを備えるニューロオペアンプユニットを複数段に接続するニューロオペアンプ回路であって、奇数段目のニューロオペアンプユニットは、入力容量を介して前記3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータで増幅された電圧信号を前記フィードバック容量を介して3段インバータに帰還して入力し、偶数段目のニューロオペアンプユニットは、フィードバック容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータで増幅された電圧信号を入力容量を介して3段インバータに帰還して入力するニューロオペアンプ回路としているので、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できる効果がある。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、演算容量ユニットの容量における電極が1つの演算容量に対して1組又は2組ある請求項1記載のニューロオペアンプ回路としているので、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できることを利用して、電極の分割の数を少なくすることができ、従って演算容量ユニットを小型にして、ニューロオペアンプ回路を小型化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本回路を利用したサンプルホールドの概略構成ブロック図である。
【図2】従来のサンプルホールド回路の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】第1のスイッチの一例を表す構成ブロック図である。
【図4】汎用のニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【図5】ニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【図6】演算容量ユニット22のマスクパターンの一例を表す説明図である。
【符号の説明】
1…第1のスイッチ、 2…ニューロオペアンプユニット、 3…第2のスイッチ、 11…インバータ、12…CMOSスイッチ、 21…3段インバータ、 22…演算容量ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッチドフィルタ等に用いられるニューロオペアンプ回路に係り、特にニューロオペアンプを多段に接続しても電圧増幅率の変動を抑制できるニューロオペアンプ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
マッチドフィルタやアナログフィルタの構成部分であるサンプルホールド回路は、ニューロオペアンプユニットを多段に接続したもので実現することができる。
【0003】
ニューロオペアンプ回路を利用した従来のサンプルホールド回路の一例について、図2を用いて説明する。図2は、従来のサンプルホールド回路の一例を表す構成ブロック図である。
【0004】
図2に示すように、従来のサンプルホールド回路は、第1のスイッチ1と、ニューロオペアンプユニット2と、第2のスイッチ3とから基本的に構成されている。
つまり、従来のサンプルホールド回路は、第1のスイッチ1と、ニューロオペアンプユニット2とから構成される第1のブロックと、第2のスイッチ3と、ニューロオペアンプユニット2とから構成される第2のブロックとを交互に多段に接続したものである。
【0005】
以下、各部を具体的に説明する。
第1のスイッチ1は、図3に示すように、外部から入力されるクロック信号を反転するインバータ11と、P〜Sの4つの端子を備え、例えばクロック信号が「1」のときにのみ端子Qと端子Sとの間を短絡するCMOSスイッチ12とから構成されている。図3は、第1のスイッチの一例を表す構成ブロック図である。
ここで、クロック信号は、1ビットのディジタル信号であり、周期的に「1」と「0」とを繰り返し出力するようになっている。
【0006】
また、クロック信号は、端子Pにそのまま入力され、インバータ11によって反転されたクロック信号は、端子Rに入力されている。
そして、外部から入力される電圧信号は、そのまま端子Qに入力され、端子Sは、外部に電圧信号を出力する端子となっている。
【0007】
つまり、第1のスイッチ1は、クロック信号が「1」であると、CMOSスイッチ12の端子Pには「1」が、端子Rには、インバータ11を介して「0」が入力され、端子Pに印加される電圧が端子Rに印加される電圧よりも高くなるので、端子Qと端子Sとが短絡し、端子Qに入力される電圧信号が端子Sを介して外部に出力されるようになっている。
ニューロオペアンプユニット2は、第1のスイッチ1又は第2のスイッチ3から入力された電圧信号を特定の増幅率で増幅して出力するものであり、具体的には、後述する。
【0008】
第2のスイッチ3は、図3に示す第1のスイッチ1とほぼ同様のものであるが、クロック信号がCMOSスイッチ12の端子R′にそのまま入力され、インバータ11により反転されたクロック信号がCMOSスイッチ12の端子P′に入力されているところが異なっている。
【0009】
つまり、第2のスイッチ3は、クロック信号として第1のスイッチ1と同じものが入力されていると、第1のスイッチ1のCMOSスイッチ12の端子Qと端子Sとが短絡しているときには、CMOSスイッチ12の端子Q′と端子S′とが短絡していないようになっている。
尚、第2のスイッチ3のCMOSスイッチ12の端子を表す符号には区別のためにダッシュを付加することとした。
【0010】
ここで、ニューロオペアンプユニット2について具体的に、図4を参照しつつ説明する。図4は、汎用のニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
ニューロオペアンプユニット2は、図4に示すように、複数のPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとを備えた、いわゆるプッシュプル型の増幅器である3段インバータ21と、複数の入力容量C1〜Cnと、フィードバック容量であるCfとから構成されている。ここで、電源電圧は、Vddであるとしている。
【0011】
汎用のニューロオペアンプユニット2では、複数の電圧信号V1〜Vnの入力を各々対応する入力容量C1〜Cnを介して受けることにより、次の[数1]で表される演算を行い、電圧信号Vout を出力するようになっている。
【0012】
【数1】
【0013】
以下では、説明を簡略にするために、入力される電圧信号及び入力容量を1つである場合に限って説明する。
この場合のニューロオペアンプユニットは、具体的には図5に示すように、3段インバータ21と、演算容量ユニット22とから構成されているものである。図5は、ニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【0014】
ここで、演算容量ユニット22は、入力容量C1と、フィードバック容量Cfとを1つの素子として実現したもので、具体的には、図6(a)に示すようなマスクパターンを備えた素子である。図6は、演算容量ユニット22のマスクパターンの一例を表す説明図である。
【0015】
図6(a)に示すように、演算容量ユニット22では、コンデンサC1,Cfの電極を細かく分割して千鳥状に配列してある。
これは、各コンデンサとして機能する電極の形状がマスクパターンの加工ばらつきによって、コンデンサの容量が規格通りにならないことを考慮して、各電極ごとに、ばらつきを分散して、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサCfとの容量の比を1に近づけるためである。
【0016】
演算容量ユニット22の第1のコンデンサC1は、図5に示すように、その端子の一方を入力端子に、また、他方を第2のコンデンサCfの一方の端子に接続されている。尚、以下、入力端子を端子Aと称し、第2のコンデンサCfの両端の端子をそれぞれ端子B、端子Cと称することとする。
【0017】
従って、上記第1のコンデンサC1の両端は、それぞれ端子Aと端子Bとに接続されていることとなり、3段インバータは、端子Bから入力された電圧信号を増幅して端子Cに出力し、さらにフィードバック容量Cfを介して、出力した電圧信号を帰還して入力されるようになっている。
【0018】
そして、図2に示すニューロオペアンプユニット2の端子Cは、第1のスイッチ1又は第2のスイッチ3を介して次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに接続されている。
【0019】
ここで、従来のニューロオペアンプ回路の動作について説明すると、初段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V0と、当該ニューロオペアンプユニット2の端子Cから出力され、次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V1との関係を数式で表すと、次の[数2]に示されるものとなる。
【0020】
【数2】
【0021】
理論的には、C1=Cfとすることができ、この場合は、C1/Cfが1となるので、[数2]は、次の[数3]のようになる。
【0022】
【数3】
【0023】
従って、3段インバータ21に対応するブロックの一つ一つは、しきい値電圧Vdd/2に対して電圧増幅率1の反転オペアンプと同様に動作するようになる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のニューロオペアンプ回路では、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの容量を現実には一致させることができず、それらの比に従って、出力する電圧信号が変動し、かつ実際の回路に適用する場合には、多段に接続して用いるため、かかる電圧信号の変動が累積して、電圧増幅率が大きく変動するという問題点があった。
【0025】
また、上記従来のニューロオペアンプ回路では、演算容量ユニットにおけるコンデンサの電極を複数に分割し、千鳥状に配置しているために、演算容量ユニットを実現する回路のサイズを小さくすることができないという問題点があった。
【0026】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、電圧増幅率の変動を抑制でき、サイズを縮小できるニューロオペアンプ回路を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、入力容量及びフィードバック容量を有する演算容量ユニットと、3段インバータとを備えるニューロオペアンプユニットを複数段に接続するニューロオペアンプ回路であって、奇数段目のニューロオペアンプユニットは、入力容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータからの電圧信号をフィードバック容量を介して3段インバータに帰還して入力し、偶数段目のニューロオペアンプユニットは 、フィードバック容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータからの電圧信号を入力容量を介して3段インバータに帰還して入力することを特徴としており、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できる。
【0028】
上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、請求項1記載のニューロオペアンプ回路において、演算容量ユニットの容量における電極が、1つの演算容量ユニットに対して1組又は2組あることを特徴としており、ニューロオペアンプ回路を小型化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本発明に係るニューロオペアンプ回路(本回路)は、容量比のずれがマスクパターンの形状によって決まるため、各段の容量比のずれが一定であることに着目して、奇数段目の演算容量ユニットで発生した電圧増幅率の変動を偶数段目の演算容量ユニットで相殺するように配線したもので、電圧増幅率の変動を抑制できるものである。
【0030】
すなわち、本回路は、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサCfとが同じ容量を有していることに着目して、偶数段目の第2のコンデンサCfのマスクパターンを第1のコンデンサC1のマスクパターンに擬制して用い、第1のコンデンサC1のマスクパターンを第2のコンデンサCfのマスクパターンとして擬制して用いるものである。
【0031】
本回路を図1を使って説明する。図1は、本回路を利用したサンプルホールドの概略構成ブロック図である。
尚、図1では、各ブロックの間にあるべき第1のスイッチ及び第2のスイッチを省略している。
【0032】
本回路は、図2を用いて説明した従来のニューロオペアンプ回路と同様に、3段インバータ21と、演算容量ユニット22とを備えているものであるが、各段の接続の状態が少々異なっている。
【0033】
すなわち、本回路では、初段など奇数番目の段にあたるブロックの端子Cから出力される電圧信号は、次段(偶数番目の段)にあたるブロックの端子Aではなく、端子Cに出力されるようになっている。
また、偶数番目の段のブロックは、端子Aを出力端子とし、当該端子Aから出力される電圧信号は、次段(奇数番目の段)のブロックの端子Aに出力されるようになる。
【0034】
ここで、このようにした場合の初段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに入力される電圧信号V0と、当該ニューロオペアンプユニット2の端子Cから次段のニューロオペアンプユニット2の端子Cに出力される電圧信号V1との関係は、従来と同様に[数2]で表されるものとなるが、V1の入力を受けたニューロオペアンプユニット2の端子Aから、さらに次段のニューロオペアンプユニット2の端子Aに出力される電圧信号V2は、V2とV1との関係が次の[数4]で表されることとなる。
【0035】
【数4】
【0036】
従って、V2とV0との関係は、[数4]に[数2]を代入して、次の[数5]に表されるものとなる。
【0037】
【数5】
【0038】
すなわち、本回路の奇数番目のブロックが出力する電圧信号は必ず[数2]のV1に等しくなり、本回路の偶数番目のブロックが出力する電圧信号は必ずV0に等しくなる。
【0039】
つまり、本回路によれば、多段に接続しても電圧増幅率の変動を抑制することができる効果があり、このように接続することによって、演算容量ユニット22のコンデンサの電極を多数に分割する必要もなくなるため、例えば、演算容量ユニット22を図6(b)に示すように2つの電極で実現でき、ニューロオペアンプ回路を小型化できる効果がある。
また、電極を分割する場合にも、分割の個数を1コンデンサにつき、2〜3個程度として、ニューロオペアンプ回路を小型化することも考えられる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、入力容量及びフィードバック容量を有する演算容量ユニットと、3段インバータとを備えるニューロオペアンプユニットを複数段に接続するニューロオペアンプ回路であって、奇数段目のニューロオペアンプユニットは、入力容量を介して前記3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータで増幅された電圧信号を前記フィードバック容量を介して3段インバータに帰還して入力し、偶数段目のニューロオペアンプユニットは、フィードバック容量を介して3段インバータに電圧信号を入力し、3段インバータで増幅された電圧信号を入力容量を介して3段インバータに帰還して入力するニューロオペアンプ回路としているので、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できる効果がある。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、演算容量ユニットの容量における電極が1つの演算容量に対して1組又は2組ある請求項1記載のニューロオペアンプ回路としているので、多段に接続しても、奇数段目で発生した増幅率の変動を偶数段目で相殺して抑制できることを利用して、電極の分割の数を少なくすることができ、従って演算容量ユニットを小型にして、ニューロオペアンプ回路を小型化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本回路を利用したサンプルホールドの概略構成ブロック図である。
【図2】従来のサンプルホールド回路の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】第1のスイッチの一例を表す構成ブロック図である。
【図4】汎用のニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【図5】ニューロオペアンプユニット2の一例を表す構成ブロック図である。
【図6】演算容量ユニット22のマスクパターンの一例を表す説明図である。
【符号の説明】
1…第1のスイッチ、 2…ニューロオペアンプユニット、 3…第2のスイッチ、 11…インバータ、12…CMOSスイッチ、 21…3段インバータ、 22…演算容量ユニット
Claims (2)
- 入力容量及びフィードバック容量を有する演算容量ユニットと、3段インバータとを備えるニューロオペアンプユニットを複数段に接続するニューロオペアンプ回路であって、
奇数段目のニューロオペアンプユニットは、前記入力容量を介して前記3段インバータに電圧信号を入力し、前記3段インバータからの電圧信号を前記フィードバック容量を介して前記3段インバータに帰還して入力し、
偶数段目のニューロオペアンプユニットは、前記フィードバック容量を介して前記3段インバータに電圧信号を入力し、前記3段インバータからの電圧信号を前記入力容量を介して前記3段インバータに帰還して入力することを特徴とするニューロオペアンプ回路。 - 演算容量ユニットの容量における電極が、1つの演算容量ユニットに対して1組又は2組あることを特徴とする請求項1記載のニューロオペアンプ回路。
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