JP3561430B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理端末や平面型,壁掛けテレビなどの画像表示装置に用いられるプラズマディスプレイパネルに係り、特に、プラズマディスプレイパネルの動作を安定化させ、低EMI化と薄型・軽量化を同時に向上させるパネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマディスプレイパネルでは、特開平5−190099号公報に記載のように、2種類の表示電極が同一面内に配置される面放電形の3電極構造が主流であり、パネル内部にグランド(接地電極)がない、あるいはグランドを設けない構造とするのが特徴である。
【0003】
パネルの表示発光放電時などには、高電圧の発生とともに、充電電流や放電電流が流れるため、パネルから電場や磁場が発生し、これがパネル内での放電の誤動作を生じさせたり、周辺回路に不具合を発生されることもあった。このため、従来では、パネルの近傍に、特に、大型パネルでは、板厚が2mm以上ある背面基板の裏面側(パネルの裏側)にグランドプレ−ン(グランド電極)を設け、このグランドプレーンに近接して制御信号回路を含む駆動回路ブロックを配置する構造が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにグランドプレーンを設けても、電場や磁場の発生を抑圧するものではないため、パネル内での放電の誤動作の抑圧、従って、パネルの動作の安定化を達成することが困難であり、また、駆動回路ブロックをパネル側に近接して設ける必要があることから、パネルの薄型化,軽量化が制約されることになる。
【0005】
本発明の目的は、かかる問題を解消するために、これまで困難であった内部にグランドプレ−ンを配置する構造として、グランドプレ−ンの取り出し構造がプラズマディスプレイパネルの安定動作(誤動作の低減、動作マ−ジンの向上など)に影響を与えないようにし、同時に大幅な低EMI化(不要輻射の低減)、薄型軽量化を実現可能としたプラズマディスプレイパネルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、第1に、パネルの性能を確保しながらパネル内部に直接グランドプレ−ンを設ける構造とするものであって、グランドプレ−ンの機能を持つメタル隔壁のリ−ド端子を表示電極やアドレス電極と局部的に接近させない構造、あるいは均一に配置する構造とし、浮遊容量や配線ラインのインダクタンスによる近傍電界や近傍磁界の発生を大幅に抑制(低EMI化)し、浮遊容量発生などによる不安定要因をパネル全領域で取り除いて放電の安定動作を確保する。
【0007】
メタル隔壁は、表示電極やアドレス電極に対して浮遊容量がほぼ均一になるように形成した構造とする。さらに、メタル隔壁のリ−ド端子は、これら表示電極やアドレス電極と交差しない箇所から取り出した構造とし、特に、前面基板と背面基板との間の空間を封止する封止部の4隅近傍の少なくとも1つから取り出す構造とする。
【0008】
前面基板には、1つの平面状の電極あるいは複数のライン状の電極を各表示セルの共通表示電極として形成され、背面基板には、複数のライン状の表示電極と複数のライン状のアドレス電極とが互いに交差するように形成されており、メタル隔壁に設けられた貫通孔で規定される表示セル毎に、1つの表示電極と1つのアドレス電極との交差部が配置されている。
【0009】
第2に、従来、グランドプレ−ン構造とともにパネルの裏側近傍に設ける必要があった駆動回路ブロックは、パネル内部に形成される安定なグランドプレ−ンとそのリード端子の取り出し構造により、近傍電界や近傍磁界の発生が大幅に抑制(低EMI化)されるため、パネルからの駆動回路ブロックの構造上の分離を容易にし、パネル自体の大幅な薄型化,軽量化が可能になった。このとき、背面板の表示電極と該アドレス電極とを駆動する複数個のICドライバは、駆動回路ブロックから分離してグランドプレ−ン上に搭載した構造とする。特に、駆動回路ブロックのICドライバ部をパネルに搭載する場合、既にパネルに安定なグランドプレ−ンが形成されているため、配線ラインの本数を大幅に減少できるだけではなく、不要輻射のノイズ源レベルを低下させ、実装面のコンパクト化を容易にする。
【0010】
本発明の基本となるパネル封着領域内にグランドプレ−ンを形成する解決手段には、発光効率や輝度を向上させるグロ−放電の発光モ−ドとして、陽光柱を用いる新しいAC形のパネル構造と駆動方法を用いている。
【0011】
動作原理は、グロ−放電の維持条件である陰極暗部の高電界領域と陽光柱の等電位領域とを同時に形成させ、かつメタル隔壁の表面誘電体層に壁電圧Vw(壁電荷Qw)を発生させることにより、プラズマを効率良く形成し、セルサイズの減少に伴う荷電粒子の隔壁拡散(エネルギ−損失)の増加を抑制させるものである。
【0012】
これにより、輝度飽和を発生しない低い電流密度でも、放電を安定に維持できるため、陰極線管並みの性能(輝度,効率)が得られる。
【0013】
この動作の中で、前面基板と背面基板とでの対向する表示電極間に表面を絶縁した高アスペクト比形状のメタル隔壁を配置し、このメタル隔壁にアノ−ド電極と等しい表示電圧(パルス電圧)を印加することにより、陽光柱の等電位領域を形成している。例えば、カソ−ド電極のみに負のパルス電圧を与え、メタル隔壁とアノ−ド電極をグランド接地とすることにより、対向する表示電極が互いにアノ−ド電極とカソ−ド電極とに入れ替わっても、メタル隔壁はアノ−ド電極、つまりグランド接地(直流バイアス電位)に維持される。これにより、パネル内部に配置したメタル隔壁は、実効的なグランドプレ−ンを形成している。
【0014】
このようにして形成されたグランドプレ−ンによると、従来のパネル外部にグランドプレ−ンを配置したことに比べ、表示電極やアドレス電極とそのICドライバとの間の背面基板の厚さ分の距離が加わらず、これらが1桁以上も近接配置されるため、放電動作がパネル周辺の浮遊容量や配線ラインのインダクタンスの影響をほとんど受けない。
【0015】
しかし、グランドプレ−ンとしてのメタル隔壁のメタルと表示電極やアドレス電極との間に形成される電極間容量は、逆にこれらが近接配置であるため、メタル隔壁のリ−ド端子の取り出し構造の配置ばらつきにより大きく影響を受ける。そこで、かかる配置構造のばらつきによる表示電極やアドレス電極の浮遊容量などのばらつきを減少させるため、このリード端子を表示電極やアドレス電極に局部的に接近しない構造、あるいは均一、または対称に配置した構造として、このリ−ド端子をパネル封着部の外側に取り出す構造とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明によるプラズマディスプレイパネルの一実施形態を示す平面図であって、1はプラズマディスプレイパネル、2は配線ケーブル、3は表示パネル、4は駆動制御装置、5はパネル基板、6は前面基板、7は背面基板、8は封着部、9はメタル隔壁、10−1〜10−4はリード端子、11は表示電極、12はアドレス電極、13は共通表示電極、14はグランド板、15−1〜15−4は折り曲げ部、16,17はグランド板14の面、18,19はモジュール部品、20はケースである。
【0017】
同図において、プラズマディスプレイパネル1は、表示パネル3と駆動制御装置4からなり、これらの間が配線ケ−ブル2を用いて接続される。表示パネル3は、パネル基板5とグランド板14とから構成されている。かかる表示パネル3は、ケース20に収納されている。
【0018】
パネル基板5は、前面基板6と背面基板7とこれら間に配置されたメタル隔壁9とから構成されており、これら3ピ−スがガラスフリット材で固着して額縁形の封着部8が形成されている。メタル隔壁9は、これら前面基板6と背面基板7との間の空間内の封着部8の内側に配置されている。
【0019】
グランド板14は、額縁状をなして封着部8の外側に配置されており、例えば、4箇所の折り曲げ部15−1〜15−4によって背面基板7に固定されている。メタル隔壁9の4隅の少なくとも1つにリード端子10(10−1,10−2,……,10−4)が設けられており、このリード端子10は封着部8の外部に取り出されてグランド板14と電気的,機械的に接続されている。
【0020】
背面基板7には、誘電体を介して複数のライン状の表示電極11とこれに交差したアドレス電極12とが形成されている。また、前面基板6には、背面基板7の複数のライン状の共通表示電極13が、各表示電極11と位置を合わせて対向するように、配置されている(ここでは、便宜的に表示電極11と共通表示電極13とをずらして図示している)。
【0021】
背面基板7に設けられたこれら表示電極11やアドレス基板14を駆動するLSI(IC)やサスティンパルス発生器などからなる複数のモジュール部品18は、グランド板14の背面基板7側の面16に搭載され、また、前面基板6に設けられた共通表示電極13の同様の1つのモジュール部品19は、グランド板14の前面基板6側の面17に搭載されている。ここで、ライン状の複数の共通表示電極13は、封着部8から外部に取り出された後、1つのラインにまとめられてモジュール部品19に接続される。なお、共通表示電極13としては、全表示セルにまたがる1つの平面電極の構造としてもよい。
【0022】
夫々の表示電極11や夫々のアドレス電極12は、グランド板14の面16にFPC(フレキシブルプリント回路基板)またはテ−プキャリアを設けて、リ−ドボンディング,ワイヤ−ボンディングまたはACF(異方導電性フィルム)などにより、グランド板14の背面基板7側の面16上に搭載されるモジュール部品18の端子部と接続される。共通表示電極13も、構造上グランド板14の表面16の反対側面17に搭載されたモジュール部品19の端子部と同様の手段により接続される。
【0023】
図2にプラズマディスプレイパネル1の回路ブロックを示す構成図であって、21−1はスキャンドライバLSI列、21−2,21−3はアドレスドライバLSI列、22−1はXサステインパルス発生器、22−2はYサステインパルス発生器、23はコントロール回路、24はDC/DCコンバータ、25はホトカプラであり、図1に対応する部分には同一符号を付けている。
【0024】
同図において、この回路ブロックの基本構成は、一点鎖線で示す表示パネル3と三点鎖線で示す駆動制御装置4からなっている。
【0025】
表示パネル3は、表示電極(Y電極)11と共通表示電極(X電極)13とアドレス電極(A電極)12とメタル隔壁(M電極)9からなる駆動用の電極を有する二点鎖線で示すパネル基板5と、このパネル基板5の上記各電極に対して額縁形のグランド板14上に形成した駆動LSI(IC)21(スキャンドライバLSI列21−1及びアドレスドライバLSI列21−2,21−3),サスティンパルス発生器22(Xサステインパルス発生器22−1,Yサステインパルス発生器22−2)などからなる複数個のモジュール部品18,19により壁電荷を用いた電極間の書き込み放電と維持放電(サスティン放電)による発光表示を行なうための各種駆動電圧を印加する駆動回路とを備えている。
【0026】
駆動制御装置4は、表示デ−タを転送してかかる駆動回路を制御するコントロ−ル回路23とかかる駆動回路に必要な各種内部電圧を発生させるDC/DCコンバ−タからなる電源回路24とから構成されている。実装上、上記駆動回路は、表示パネル3に組み込まれない場合には、駆動制御装置4に組み込まれる。
【0027】
表示パネル3内の駆動回路は、Xサステインパルス発生器22−1,Yサステインパルス発生器22−2,モノリシックLSIドライバを用いたスキャンドライバLSI列21−1及びアドレスドライバLSI列21−2,21−3からなっている。コントロール回路23からスキャンドライバLSI列21−1への制御信号は、基準電圧をシフトさせるフロ−ティング方式により、コントロール回路23からYサステインパルス発生器22−2への制御信号と基準電圧をシフトさせて重ねて共通の伝送路を伝送され、スキャンドライバLSI列21−1への制御信号はホトカプラ25を通して分離され、スキャンドライバLSI列21−1へ伝送される。
【0028】
制御回路として機能するコントロ−ル回路23は、ゲ−トアレイとフレ−ムメモリとで構成される。また、DC/DCコンバ−タ24は、サスティン電圧VSを基に駆動波形に必要な各種内部電圧Vwi,Vajを発生させる。
【0029】
図1及び図2に示したように、パネル基板5内部に組み込まれたメタル隔壁9の構造、パネル基板5を囲むように配置された額縁形のグランド板14及びこのグランド板14上に搭載した駆動LSI(IC),サスティンパルス発生器などからなる複数個のモジュール部品18やモジュール部品19による表示パネル3は、インピーダンスを低減して電気的なグランドとしての機能を強化する構造や、浮遊容量や配線インダクタンスの影響を受けにくいリタ−ン電流路を形成して、立上り時間の速い高電圧パルスや大きな駆動電流を流す回路から発生する近傍電界や近傍磁界を大幅に抑制させている。このとき、同時に、メタル隔壁9とグランド板14とにより、表示パネル3の放熱効果を向上させている。
【0030】
この低ノイズ化や電位変動の抑制によってパネルの駆動時の安定動作(動作マ−ジンの向上,誤動作の低減)が確保できるため、一点鎖線で示す表示パネル3と三点鎖線で示す駆動制御装置4とを構造上容易に分離させている。この結果、表示パネル3と駆動制御装置4との間の接続配線は制御信号ラインと各種電源及びグランドのみとなり、配線ケ−ブル2の配線本数を減少できるとともに、ケ−ブル構造を簡易化している。
【0031】
図3は図1に示す表示パネル3の分断線A−A’に沿う断面図であって、9−1,9−2,9−3はメタルシート、26は表示セル(貫通孔部)、27は誘電体層、28は蛍光体、29はメタル板、29−1,29−2,30−1,30−2は透孔、31は外周部、32はねじ、33−1,33−2は凸部、34はFPC(フレキシブルプリント配線基板)であり、図1に対応する部分には同一符号を付けている。
【0032】
同図において、表示パネル3は、図1及び図2に示した駆動制御装置4を含まないため、基本的には、前面基板6,背面基板7及びメタル隔壁9から構成されており、厚さdを約20mm以下に薄型化されている。
【0033】
メタル隔壁9は、複数(ここでは、3枚)のメタルシート9−1,9−2,9−3が積層されてなる。夫々のメタルシート9−1,9−2,9−3は、複数の貫通孔部26が加工配列されて格子状をなす格子部とこの格子部の周りを囲む外周部31からなる薄板状のメタル板29の表面全体を誘電体層27で被覆したものである。これらメタルシート9−1,9−2,9−3は、それらの貫通孔部26が高精度に一致するように積層され、この積層された貫通孔部26は表示セルの周面を規定することになる(以下、この貫通孔部26で規定される表示セルも符号26で表わすことにする)。そして、かかるメタル隔壁9の貫通孔部26間は、隣接する表示セル26を隔てる隔壁を構成する。但し、この隔壁は、内部がメタル板29であって、その表面が誘電体層27で被覆されたものであり、さらにまた、この隔壁の誘電体層27の上に螢光体層28が形成されている。
【0034】
ここで、積層されたメタルシート9−1,9−2,9−3のうち、中央部のメタルシート9−2の外周部31にリード端子10−3が設けられ、封着部8の外側に引き出されて、FPC34とともに、グランド板14にねじ32で固定されている。リード端子10−3が中央部のメタルシート9−2の外周部31から取り出されるのは、電極構造の対称性や封着部8との接続歪緩和を図るためである。この場合、リ−ド端子を取り出さない他のメタルシート9−1,9−3は、通常、浮遊電極層とする。但し、駆動条件に対して安定動作を確保するため、リ−ド端子を取り出さないメタルシート9−1,9−3も、それらの外周部31でリード端子10−3と導通させるようにしてもよい。
【0035】
メタル隔壁9は、前面基板6と背面基板7との間に夫々ギャップg1,g2を形成し、ガラスフリット材の封着部8でリード端子10−3を介して固着される。このとき、リード端子10−3の封着部8内で透孔29−1,29−2を設け、封着時にこれら透孔29−1,29−2にもガラスフリット材が進入するようにして、リード端子10−3とガラスフリット材との密着性を向上させ、かつ応力歪が緩和されるようにしている。また、リード端子10−3には、封着部8の内側,外側近傍にも透孔30−1,30−2が設けられ、このリード端子10−3をねじ32でもってグランド板14に固定してリード端子10−3とグランド板14とを電気的に接続したとき、リード端子10−3に生ずる応力歪を緩和するようにしている。当然ながら、リード端子10−3のグランド板14との接続部には、グランド板14との電気的導通を良好にするために、誘電体層27が被覆されていない。これは、他のリード端子10−1,10−2,10−4(図1)についても同様である。
【0036】
グランド板14は、図1で説明したように、角部以外の辺で、折り曲げ部15−1〜15−4により、背面基板7を構造的に挟み込むようにして背面基板7に固定,支持され、表示パネル3を一体化する構造を形成している。グランド板14の材料としては、アルミ板などを用いているが、熱膨張率による構造歪を緩和するため、メタル隔壁9のメタル板29と同一材料で形成しする場合もある。また、メタル隔壁9は、前面基板6または背面基板7と熱膨張係数がほぼ等しい材料とすることにより、表示パネル3全体の構造歪も低減させる。構造的には、グランド板14をメタル隔壁9と、リード端子10−3も含めて、一体に形成する場合もある。
【0037】
図4は図1における表示パネル3の分断線A−A’の近傍を拡大して示す平面図であって、35は格子部、36は隔壁、37は隔壁36の交差部、38は隔壁36と電極との重なり部、39は切断部、40−1,40−2は配線パターン、41−1,41−2は接続部,42は外周重なり部であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0038】
同図において、封着部8よりも内側に配置されたメタル隔壁9は、複数の表示セル26が配列形成されて格子状をなす格子部35とその周りを囲む外周部31とから形成されているが、この外周部31の幅Wは格子部35における隣接表示セル26を隔てる隔壁36の幅wよりも1桁大きく、メタル隔壁9の組立て時の機械的強度を確保している。
【0039】
このように格子部35と外周部31とからなるメタル隔壁9は、表示セル26の内部で1つの表示電極11と1つのアドレス電極12とが互いに交差するように、さらに、共通表示電極13がライン状の電極である場合、この共通表示電極13が表示電極11と対向するように(共通表示電極13は、表示電極11と平面上で重なるため、図示せず)、前面基板6と背面基板7とメタル隔壁9との配置関係が設定されているが、各表示電極11からみて、また、各アドレス電極12からみて、さらには、各共通表示電極13からみて、隔壁36の位置や構造,形状が等しく、これら電極と隔壁36との重なり部38や表示セル26の4隅部の隔壁の交差部37が対称あるいは均一になるようにすることにより、電極間の浮遊容量が各表示セル26で、即ち、各表示セル26での表示電極11,アドレス電極12間の浮遊容量が、また、各表示セル26での表示電極11,共通表示電極13間の浮遊容量が、さらに、各表示セル26でのアドレス電極12,共通表示電極13間の浮遊容量が夫々配線レベルで均一化するようにしている。このことは、共通表示電極13を1つの平面状電極とする場合も同様である。
【0040】
さらに、駆動回路の負荷容量になる表示電極11とこれに対向する位置に設けられた共通表示電極13との間の静電容量を低減するために、前面基板6と背面基板7の表面での、メタル隔壁9の隔壁36に対向し、かつ表示電極11やアドレス電極12,共通表示電極13に対向しない位置(例えば、隔壁36の交差点37に対向する位置など)に、図3に示すように、誘電体からなる凸部33−1,33−2を設け、かかる凸部33−1,33−2により、メタル隔壁9と前面基板6との間のギャップg1,メタル隔壁9と背面基板7との間のギャップg2を夫々20〜40μm程度に形成することができる。かかる凸部33−1,33−2の形状としては、形成する時の厚膜材料,プロセス条件や形成後の位置合せ精度を考慮してクロスライン(十字形状)とするが、点状あるいはライン状としてもよい。また、かかる凸部33−1,33−2は、組立性や加工性を考慮して、メタル隔壁9の隔壁36(例えば、隔壁36の交差部37)の前面基板6や背面基板7に対向した面に設けるようにしてもよい。
【0041】
メタル隔壁9は、基本的には、同一形状のメタルシート9−1〜9−3を重ねあわせ、中央部のメタルシート9−2のみにリード端子10−3が設けられるものであるが、その一製造方法として、まず、メタルシート9−1,9−2,9−3をリード端子10−3も有する同一形状で加工処理し、しかる後、中央部に重ねるメタルシート9−2以外のメタルシート9−1,9−3の付け根に当たる切断部39からリード端子を切断して除去し、リード端子10−3を残したメタルシート9−2にその両側からリード端子を切断したメタルシート9−1,9−3を重ね合わせて位置合せした後、この切断部39の近傍でガラスフリット材によりこれらメタルシート9−1,9−2,9−3を固着する。この切断部39では、リード端子を切断したことにより、誘電体層27(図3)が破壊されているが、これは、この固着時にガラスフリット材で修復することができる。また、これらメタルシート9−1,9−2,9−3を位置合せするためには、夫々の外周部31に位置合せ用の孔やマ−ク(図示せず)を設け、これを用いればよい。
【0042】
封着部8の外側では、モジュール部品18(18−1,18−2,……)が、配線パタ−ン40(40−1,40−2,……)が形成されたFPC34を用いて、表示電極11やアドレス電極14と接続部41(41−1,41−2,……)でACF(異方導電性フィルム)により電気的に接続されている。
【0043】
この場合、表示電極11やアドレス電極12のメタル隔壁9と重なる外周重なり部42−1,42−2で全ての表示電極11やアドレス電極12が同じ間隔で互いに平行となり、また、封着部8でも同様に通過するようにし、これら表示電極11の静電容量がメタル隔壁9の外周部31や封止部8によって異なる影響を受けないようにするし、アドレス電極12も、その静電容量がメタル隔壁9の外周部31や封止部8によって異なる影響を受けないようにする。共通表示電極13の場合も同様に接続され、回路的にはFPC34を介して全体が接続され、図1に示した配線ケ−ブル2で駆動制御装置4に接続される。
【0044】
また、FPC34に形成されているグランドパタ−ン(図示せず)は、グランド板14のコーナ部で、グランド板14にメタル隔壁9のリード端子10−3とともにネジ31により電気的,機械的に接続されている。なお、FPC34のグランドパタ−ンは、グランド板14のコーナ部以外でも、モジュール部品18(18−1、18−2,……)の近傍で接続され、電気的なグランドの機能を強化する構造とすることもできる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、パネル内部にメタル隔壁をグランドプレ−ンとして配置した構造において、グランドプレ−ン及びその取り出し構造を表示電極やアドレス電極,共通表示電極と局部的に接近させない構造、均一あるいは対称に配置する構造とし、浮遊容量や配線ラインのインダクタンスによる近傍電界や近傍磁界の発生を大幅に抑制する構造としているので、パネル全領域での放電の安定動作(動作マ−ジンの向上、誤動作の低減など)を確実に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマディスプレイパネルの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示した実施形態の回路ブロックを示す構成図である。
【図3】図1に示す実施形態の分断線A−A’に沿う断面図である。
【図4】図1における分断線A−A’の近傍を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル
2 配線ケ−ブル
3 表示パネル
4 駆動制御装置
5 パネル基板
6 前面基板
7 背面基板
9 メタル隔壁
8 封着部
10−1〜10−4 リ−ド端子
11 表示電極(Y電極)
12 アドレス電極(A電極)
13 共通表示電極
14 グランド板
15−1〜15−4 折り曲げ部
18,19 モジュ−ル部品
26 表示セル
27 誘電体層
28 蛍光体
29−1,29−2,30−1,30−2 透孔
31 外周部
32 ねじ
33−1,33−2 凸部
34 FPC(フレキシブルプリント回路基板)
35 格子部
36 隔壁
37 隔壁36の交差部
38 隔壁36と電極との重なり部
39 切断部
40−1,40−2 配線パターン
41−1,41−2 接続部
42−1,42−2 外周重なり部
Claims (1)
- 前面基板や背面基板に回路ブロックによって駆動される表示電極やアドレス電極が設けられて、該前面基板と該背面基板との間にメタル隔壁が配置されており、該メタル隔壁に設けられた複数の貫通孔部が夫々該前面基板の表面と前記背面基板の表面とで表示セルを形成するAC形のプラズマディスプレイパネルにおいて、
該メタル隔壁は誘電体層で覆われた複数のメタル板が積層されて形成されており、
該複数のメタル板のうちの少なくとも1つのメタル板からリ−ド端子を取り出す構造をなしており、
該複数のメタル板のうちの該リ−ド端子が取り出されるメタル板以外のメタル板を浮遊電極層とすることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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