JP3561321B2 - 実装ラインにおけるライン監視方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、実装機等、部品実装に用いる機器を複数台並べて配置し、各機器に亘ってプリント基板を搬送しながらプリント基板への部品の装着を行うように構成された実装ラインにおけるライン監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、移動可能な部品装着用ヘッドによってIC等の部品を部品供給部から吸着してプリント基板上に移送し、プリント基板上の所定の位置に装着するようにした実装機は一般に知られている。そして、この種の実装機やディスペンサ等の部品実装に用いる機器を複数台配置して搬送ラインを構成し、これらの各機器に亘ってプリント基板を搬送させながら、多数の部品をプリント基板に実装することが行われている。
【0003】
このような実装ラインにおいては、一般に、各機器毎に、プリント基板の種類、装着する部品の種類、装着位置等の実装データが記憶されていて、実装ラインの稼働中は、各機器がそれぞれの実装データに基づいて部品の装着を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の実装ラインでは、上述のように各機器が個別のデータに基づいて運転されているため、例えば、ラインを構成するいずれかの機器に部品装着ミス等のエラーが発生すると、作業者が当該機器の制御モニターに表示される報知内容を確認してエラー解除を行う必要があった。また、各機器のデータの確認や運転状況の確認を行う場合にも、機器毎に作業者が制御モニターを見ながら入力キーを操作してデータ等の入力、あるいは読出しを行う必要があった。
【0005】
しかし、作業者がデータや機器の運転状態等の確認のためだけに機器間を歩きまわるのは極めて煩雑であり、また作業性も悪い。
【0006】
そこで、実装ラインを構成する各機器を統括的に監視する統括制御装置を設け、必要な情報をこの統括制御装置に送信して各機器の運転状態等を統括的に監視することが考えられるが、機器の稼働中に監視すべき内容、つまり収集すべき情報の数は極めて多く、各機器毎の情報を単一の統括制御装置で監視するのは、通信能力の関係上必ずしも容易ではない。また、多くの情報を監視する場合には、通信量の増大に伴い通信遅れ等が生じ、これによって機器の不要な停止を招く虞もある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、通信能力を有効に活用して実装ラインを構成する各機器を統括的に監視することができる実装ラインにおけるライン監視方法を提供するこを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る実装ラインにおけるライン監視方法は、部品実装に用いる機器を複数台並べて配置し、これらの各機器に亘ってプリント基板を搬送しながら部品実装のための処理を行うように構成された実装ラインのライン監視方法において、実装ラインの各機器を統括的に監視する統括制御装置に対して各機器の稼働状況に関する各種情報を各機器から送信するものであって、この情報を緊急性が高い情報とそれ以外の情報とに区別し、緊急性が高い情報を当該情報の発生時点で上記統括制御装置に送信する一方、それ以外の情報は当該情報を各機器に記憶して、各機器の休止時に上記統括制御装置に送信するものである。
【0009】
請求項2に係る実装ラインにおけるライン監視方法は、請求項1に係る実装ラインにおけるライン監視方法において、上記緊急性が高い情報として、基板生産状況に関する情報及び各機器の運転状態に関する情報を送信するようにしたものである。
【0010】
【作用】
上記請求項1記載の発明によれば、実装ラインを構成する各機器の稼働中に、稼働状況に関する情報のうち緊急性が高い情報が発生すると、当該情報がその発生時点でオペレータに報知される一方、これ以外の情報については各機器の休止時にオペレータに報知される。そのため、緊急性の高い情報のみを即時的に統括制御装置に送信することになり、統括制御装置に一度に送信される情報量を抑えながら各機器の全ての情報を統括的に監視することが可能となる。
【0011】
上記請求項2記載の発明によれば、緊急性が高い情報として、生産基板の種類、仕上がり基板枚数等の基板生産状況に関する情報及び機器の稼働、停止、エラー停止といった各機器の運転状態に関する情報、つまり、実装ラインでの生産性等に関して迅速なオペレータの対応等が要求される情報が送信される。
【0012】
【実施例】
本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明のライン監視方法が適用される実装ラインを示している。同図に示すように、この実装ライン1には、複数の実装機、図示の例では3台の実装機2〜4が直列に配置されている。各実装機2〜4にはそれぞれプリント基板搬送用のコンベアが設けられており、これらの各コンベアに沿ってプリント基板が搬送されながらプリント基板に対して部品の装着が行われるようになっている。
【0014】
各実装機2〜4の具体的な構造については図示していないが、各実装機2〜4には、それぞれ、コンベアの両側に配される部品供給部と、移動機構(例えばX−Y移動機構)に連結される部品装着用ヘッドが装備されており、このヘッドが、部品供給部とコンベア上の所定の作業位置に位置決めされたプリント基板とにわたって移動しながら、部品供給部から供給される部品をプリント基板の所定の装着位置に装着するように構成されている。
【0015】
上記各実装機2〜4には、それぞれ制御装置2a〜4aが搭載されており、実装ライン稼働中の各実装機2〜4の実装動作はこれらの制御装置2a〜4aによって別々に制御されるようになっている。すなわち、各制御装置2a〜4aには、実装データ、すなわち実装する部品の種類や装着位置等に関するデータが記憶されており、各実装機2〜4がそれぞれ記憶された実装データに基づいて部品の装着を行うようになっている。
【0016】
また、実装ライン1に対し、図1に示すように実装ライン1を構成する各実装機2〜4を統括的に制御する統括制御装置10が設けられている。この統括制御装置10は、主に各実装機2〜4の運転状態等の監視と、上記各実装機2〜4の各実装データの変更等の処理を統括的に行う目的で設けられていて、所定の通信手段(例えば、RS232C等)により各実装機2〜4に接続されている。
【0017】
上記統括制御装置10には、各種情報を処理するための主演算手段12が設けられており、上記各実装機2〜4が入出力手段11を介してこの主演算手段12に接続されている。また、主演算手段12には、ディスプレイ13及びキーボード14が接続されており、各実装機2〜4から送信される情報の表示、実装データの作成、変更、あるいは各実装機2〜4に対する指令情報の入力等がこれらのディスプレイ13及びキーボード14によって行われるようになっている。
【0018】
ところで、この実装ライン1においては、各実装機2〜4から統括制御装置10へ送信される情報が、その種類に応じて異なったタイミングで送信されるようになっている。つまり、上記実装ライン1では、上記各実装機2〜4で発生する情報が、緊急性の高い情報、換言すれば、実装ラインでの生産性に関して迅速なオペレータの対応等が要求される情報と、それ以外の情報とに予め区別されており、緊急性の高い情報がその情報の発生時点で各実装機2〜4から統括制御装置10に送信される一方で、これ以外の情報については、各実装機2〜4の休止中、あるいは読出し指令に応じて統括制御装置10に送信されるようになっている。
【0019】
具体的に説明すると、本実施例においては、生産基板の種類や仕上がり基板枚数等の基板生産状況に関する情報及び実装機の稼働、停止、エラー停止といった各実装機の運転状態に関する情報が緊急性の高い情報として各実装機2〜4から統括制御装置10に送信されるようになっている。
【0020】
これらの情報は、図2に示すように各実装機2〜4の稼働と停止の切り替わり時点(t1〜t7時点)で送信されるようになっており、例えば、実装機2であれば、停止状態から稼働状態に切り替わるt1時点で稼働開始を示す情報が送信され、また、稼働状態から停止状態に切り替わるt5時点で稼動停止を示す情報が送信される。これによって、t1〜t5時点の間は実装機2が稼働中である旨の報知が統括制御装置10において行われ得ることになり、t5時点以降は実装機2が停止中である旨の報知が行われ得ることになる。この際、実装機の停止が、部品装着ミス等のエラーによる場合(図2に示す実装機4のt4時点)には、エラーを示す情報が送信され、これにより再度稼働開始を示す情報が実装機4から送信されるまで(t6時点)、当該実装機4がエラー停止中である旨の報知が統括制御装置10において行われ得るようになっている。
【0021】
一方、これ以外の情報としては、生産履歴、例えば、エラーの発生件数及び過去に発生したエラーの内容といったエラー履歴等の情報が統括制御装置10に送信されるようになっている。これらの情報は、実装ライン1の稼働中は、各実装機2〜4の各制御装置2a〜4a内に設けられた図外の記憶部に記憶されており、図3に示すように各実装機2〜4の停止中(休止中)の所定のタイミング(T1〜T6時点)で、あるいはオペレータのキーボード操作による読出し指令に応じて統括制御装置10に送信されるようになっている。なお、例えば、オペレータによる読出し指令によるこれらの情報の送信と、上述のように緊急性の高い情報の送信とが重なるような場合には、緊急性の高い情報が優先して送信されるようになっている。
【0022】
このようにして各実装機2〜4から統括制御装置10に送信される各種情報は、統括制御装置10に接続されたディスプレイ13に表示されることによりオペレータに報知されるようになっており、本実施例では、各種情報を図4乃至図6に示すようにしてディスプレイ13に表示するようになっている。
【0023】
すなわち、キーボード14を用いたオペレータによるプログラム編集操作が行われていない統括制御装置10の通常のモニター状態では、上述の緊急性の高い情報がディスプレイ13に表示されている。例えば、図4に示すように、各実装機2〜4に対応する情報画面15〜17が積層表示されるとともに、これらの各情報画面15〜17にそれぞれ対応する実装機2〜4を示す対象機表示18〜20が表示されており、対象機表示18〜20をキーボード14によって選択的に指示することによって、当該対象機表示18〜20により表示される実装機2〜4の情報画面15〜17が繰り上がってディスプレイ13に表示されるようになっている。
【0024】
但し、いずれかの実装機2〜4にエラーが発生し、これによって実装機2〜4が停止した場合には、当該エラーに係る実装機2〜4に対応する情報画面15〜17が優先的に繰り上がってディスプレイ13に表示され、例えば、警告音を伴うことによってオペレータにエラーの発生が報知されるようになっている。この場合、オペレータのキーボード14の操作に応じて、当該実装機2〜4のエラー解除、つまり警告音の停止等を行うことができるようになっている。
【0025】
一方、キーボード14を用いてオペレータによるプログラム編集操作が行われている場合、すなわち、いずれかの実装機2〜4の実装データを修正等しているような場合や、新たな実装データを作成しているような場合には、図5に示すように、実装データの作成画面がディスプレイ13に表示されている。この場合、上述の緊急性の高い情報はディスプレイ13に表示されないが、オペレータのキーボード14の操作によって容易にディスプレイ13上に表示させることができるようになっている。
【0026】
但し、このように実装データを作成等している最中であっても、いずれかの実装機2〜4にエラーが発生した場合には、例えば、図6に示すように、実装データの作成画面に当該エラーに係る実装機2〜4に対応する情報が優先的に表示され、これによってオペレータにエラーの発生が報知されるようになっている。この場合にも、オペレータのキーボード14の操作に応じて、当該実装機2〜4のエラー解除、つまりエラー表示画面を画面上から消去して実装データの作成画面に復帰することができるようになっている。
【0027】
以上説明したように、上記実装ライン1によれば、各実装機2〜4で発生する情報であって監視することが要求さる情報を、緊急性の高い情報と、それ以外の情報とに予め区別し、緊急性の高い情報をその発生時点で統括制御装置10に送信する一方で、これ以外の情報については、各実装機2〜4の制御装置2a〜4aに一但記憶して実装機2〜4の休止中又は読出し指令に基づいて統括制御装置10に送信するようにしているので、統括制御装置10に一度に送信する情報量を抑えながら全ての実装機2〜4の情報を統括して監視することができる。
【0028】
従って、より数多くの実装機を並べて実装ラインを構成する結果、統括制御装置に収集して監視すべき情報量が極めて多くなるような場合であっても、通信能力を有効に活用して各実装機を統括的に監視するこができ、これによって通信量の増大に伴う通信遅れに起因した機械の不要な停止等を防止して各実装機の監視等を行うことができる。
【0029】
なお、上記実施例の実装ラインは、本発明に係るライン監視方法が適用される実装ラインの一実施例であって、具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、各実装機2〜4に対応する情報画面15〜17を積層表示することによって、緊急性の高い情報をディスプレイ13に表示するようにしているが、何等操作することなく全ての情報画面15〜17を確認できるように、各情報画面15〜17を並べてディスプレイ13に表示するようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施例では、実装データの作成中は、ディスプレイ13に情報画面15〜17が表示されないようになっているが、例えば、画面の隅部にこれらの情報画面を並べて縮小表示するようにし、これによって実装データの作成中であっても各実装機2〜5の運転状態等を確認できるようにしても構わない。
【0031】
さらに、上記実施例では、緊急性の高い情報として、生産基板の種類や仕上がり基板枚数等の基板生産状況に関する情報及び実装機の稼働、停止、エラー停止といった各実装機の運転状態に関する情報を送信し、これ以外の情報として、エラーの発生件数及び過去に発生したエラーの内容といった生産履歴に関する情報を送信するようになっているが、情報の内容や、これの情報の緊急性に関する区別等は、実装ラインの構成や監視すべき情報の重要度に応じて適宜選定するようにすればよく、上記実施例に限られるものではない。
【0032】
なお、上記実施例では、複数の実装機2〜4を統括制御装置10により統括制御するようになっているが、実装機だけではなく、ディスペンサ等を含めた実装システム構成用の複数の機器を統括制御装置10により統括制御するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の実装ラインにおけるライン監視方法によれば、各機器の稼働状況に関する情報のうち緊急性の高い情報が発生すると、その発生時点で当該情報が統括制御装置に送信される一方、これ以外の情報については各機器の休止時に統括制御装置に送信されるので、緊急性の高い情報のみが即時的に統括制御装置に送信されることになり、統括制御装置に一度に送信される情報量を抑えながら各機器の全ての情報を統括的に監視することができる。その結果、実装ラインの通信能力を有効に活用して各機器を統括的に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るライン監視方法が適用される実装ラインを示す概略図である。
【図2】緊急性の高い情報の各実装機における送信タイミングを説明するタイミングチャートである。
【図3】緊急性の高い情報以外の情報の各実装機における送信タイミングを説明するタイミングチャートである。
【図4】緊急性の高い情報のディスプレイ上の表示例を示す概略図である。
【図5】ディスプレイ上での実装データの作成画面を示す概略図である。
【図6】図5に、エラーが表示された状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 実装ライン
2〜4 実装機
2a〜4a 制御装置
10 統括制御装置
11 入出力手段
12 主演算手段
13 ディスプレイ
14 キーボード
15〜17 情報画面
18〜20 対象機表示
Claims (2)
- 部品実装に用いる機器を複数台並べて配置し、これらの各機器に亘ってプリント基板を搬送しながら部品実装のための処理を行うように構成された実装ラインのライン監視方法において、実装ラインの各機器を統括的に監視する統括制御装置に対して各機器の稼働状況に関する各種情報を各機器から送信するものであって、この情報を緊急性が高い情報とそれ以外の情報とに区別し、緊急性が高い情報を当該情報の発生時点で上記統括制御装置に送信する一方、それ以外の情報は当該情報を各機器に記憶して、各機器の休止時に上記統括制御装置に送信することを特徴とする実装ラインにおけるライン監視方法。
- 上記緊急性が高い情報として、基板生産状況に関する情報及び各機器の運転状態に関する情報を送信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の実装ラインにおけるライン監視方法。
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JP04585295A JP3561321B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 実装ラインにおけるライン監視方法 |
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JPH08242092A JPH08242092A (ja) | 1996-09-17 |
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JP04585295A Expired - Lifetime JP3561321B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 実装ラインにおけるライン監視方法 |
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-
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- 1995-03-06 JP JP04585295A patent/JP3561321B2/ja not_active Expired - Lifetime
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