JP3560762B2 - 計算機の表示占有ユーザ切換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のユーザが使用する計算機(コンピュータ)に係わり、特に、表示装置をこの計算機を現在使用しているユーザに占有させるようにした計算機の表示占有ユーザ切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数のユーザが自由に使用可能な計算機においては、図12に示すように、ユーザ1が計算機を使用する場合、キーボード等の入力装置2からログイン操作を行ってコンピュータ本体の主記憶部3内に作業領域4を確保する。そして、この作業領域4内においてユーザ1が指定した各種指示に応じて各種処理を実行する。そして、この処理の実行過程で生じる表示情報をCRT表示装置等の表示装置5に表示出力する。
【0003】
このように、作業領域4内における処理と表示装置5に表示する表示情報とは密接に対応しているので、結果的に、一人のユーザ1に対して表示装置4が割当てられて該当計算機の使用が開始される。
【0004】
前述したように、ユーザ1と表示装置5と表示情報とを切り離すことができないので、図12に示すように、表示装置5とユーザ1は入力装置2を介して1対1の関係となる。このため、表示装置5は作業領域4内の表示情報を写像しているに過ぎないにも係わらず、表示装置5は入力装置2を使用している一人のユーザ1に占有されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図12に示すように、表示装置4がこの計算機を現在使用している一人のユーザ1に占有されるシステムにおいては、まだ解消すべき次のような課題があった。
【0006】
すなわち、主記憶部3内に形成された作業領域4で作成され、この作業領域4内に一時記憶されている表示情報は現在表示装置5に表示している内容である。当然、この表示情報は表示装置5と切離すことができないため、ユーザ1が表示装置5の使用を終了したり、中断する場合には、ユーザ1は主記憶部3内に形成した作業領域4自体の使用を放棄しなければならない。
【0007】
しかし、この主記憶部3の作業領域4内には、前述した表示情報やユーザ1が使用しているウインドウシステムやアプリケーシヨン・プログラムが含まれているので、ユーザ1が表示装置5を解放するということは、計算機全体の使用を終了することを意味する。
【0008】
なお、一般に、ウインドウシステムにおいてはーつの表示画面上、に複数のユーザシエル(ユーザが入力装置から入力した各種指示を解釈して各種プログラムを実行させるためのユーザとOSとの間のソフトウェア・インタフェース)をウインドウとして同居させることができるが、これはあくまでも同一ウインドウシステム上で複数の業務(アプリケーシヨン・プログラム)が動作しているに過ぎない。
【0009】
さらに、セキュリティの面からも複数のユーザが同一ウインドウシステムを勝手に操作できることになるので問題がある。
したがって、複数のユーザがそれぞれ独立して重用な業務を実行するための計算機においては、複数のユーザが同一ウインドウシステムを共通で使用できないようにシステムが構築されているのが一般的である。
【0010】
このような計算機においては、新たなユーザがウインドウシステム上で動作するアプリケーシヨン・プログラムを使用するためには前のユーザが使用しているウインドウシステムを終了させた後に、新たに自分の例えばパスワード等を用いて、キーボード等の入力装置2からログイン操作を行ってウインドウシステムを立上げて、この新たなウインドウシステム上で自己のアプリケーシヨン・プログラムを起動させる必要がある。
【0011】
なお、一旦、自己のパスワードでウインドウシステムを立上げると、このウインドウシステムの機能を用いて複数のアプリケーシヨン・プログラムを並列的に実行させるマルチタスク機能をこの計算機に発揮させることは容易に可能である。
【0012】
このように、ユーザ1が交代する毎に、アプリケーション・プログラムのみならずウインドウシステムも終了させて、また再起動させる計算機においては、例えば、一人のユーザがこの計算機を長期間使用中に、他のユーザが少しの時間だけこの計算機を使用したいと要求された場合においては、実行中の業務を途中で強制終了させると、また最初からやり直す必要があるので、この要求には応じられない問題かある。
【0013】
また、ユーザが必要とする処理業務のなかには、データを印字出力するのみやデータを送信するのみ等の表示装置5を必要としないものがある。しかし、このような表示を必要としない業務であっても、必ず表示装置5が該当ユーザの占有下に制御される。そのために、この表示装置5を使用していない期間においても、他のユーザはこの計算機を使用できない問題がある。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、表示装置を占有するユーザを任意に変更可能とすることによって、ユーザ相互間のセキュリティを確保した状態で、複数のユーザが自己の実行途中の業務を強制終了させることなく、必要な時に他のユーザに表示装置の占有権を与え、該当ユーザの業務終了によって元のユーザの業務に簡単に復帰することができ、計算機の操作性を向上できると共に、計算機を効率的に使用できる計算機の表示占有ユーザ切換装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力装置を介して入力されたユーザを指定した各種指示に応じて各種処理を実行し、表示装置を指定されたユーザの占有状態に制御すると共に、その処理に関する表示情報を占有状態の表示装置に表示出力する計算機における表示装置を占有するユーザを切換える計算機の表示占有ユーザ切換装置に適用される。
【0016】
そして、上記課題を解消するために、本発明においては、計算機の主記憶部に形成され、各ユーザに対して割当てられた複数の作業領域と、ユーザを指定した各種指示が入力されると、この各種指示に応じた各種処理を実行するための作業領域を該当ユーザに割当てられた作業領域に指定する領域指定手段と、入力装置を介してユーザを指定した占有ユーザの切換指令が入力されると、表示装置の占有先を指定されたユーザに割当てられた作業領域に切換える占有ユーザ切換手段とを備えている。
さらに、計算機に接続された補助記憶装置内に形成された退避領域と、入力装置を介してユーザを指定した占有ユーザの切換指令が入力されると、表示装置を占有中の作業領域の処理情報を退避領域へ退避させ、この退避領域に退避している該当ユーザの処理情報を該当ユーザの作業領域へ復帰させる退避/復帰手段とを備えている。
【0017】
このように構成された計算機の表示占有ユーザ切換装置においては、計算機の主記憶部には各ユーザ毎に作業領域が形成されている。したがって、ユーザを指定した各種指示が入力されると該当ユーザに割付けられた作業領域で処理が実行される。また、ユーザは表示装置をどの作業領域へ切換するかを任意に設定できる。
【0018】
この場合、表示装置が他の作業領域に切換えられた元の作業領域で実行されている業務は強制終了させる必要がないので、処理動作を一時中断させておけばよい。そして、他のユーザが表示装置を用いた処理が終了すると、表示装置の占有先を自己の作業領域に戻して、中断した表示動作を含む処理動作を継続できる。
【0019】
また、表示動作を伴わない処理動作の場合は、たとえ表示装置の占有先が他の作業領域に移行したとしても、該当処理動作をバックタスクとしてそのまま継続できる。
【0021】
さらに、表示装置の占有ユーザの切換指令が入力されると作業領域の処理情報が外部の補助記憶装置の退避領域へ退避され、この退避領域に退避されていた指定ユーザの処理情報が主記憶部の該当ユーザの作業領域へ復帰する。
【0022】
したがって、表示装置が他の作業領域に切換えられた元の作業領域で実行されている業務は例えば外部のHDD等の補助記憶装置上の退避領域へ退避されるので、バックタスクは実行できないが、主記憶部の退避された後の作業領域を他の業務に使用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機を示す模式図である。
【0026】
1番からn番までのユーザ指定番号が付されたn人の各ユーザ11は、それぞれキーボード等の入力装置2からログイン操作を行ってコンピュータ本体の主記憶部13をアクセス可能である、コンピュータ本体の主記憶部13内には、OS(オペレーティング・システム)からなり、入出力管理、ファイル管理、プロセス管理等の通常のOS業務を実行するコアシステム14、ユーザ11の管理や表示装置の占有管理等を実行するOSからなるユーザ管理プロセス15が組込まれている。
【0027】
さらに、コンピュータ本体の主記憶部13内には、前述した1番からn番までの各ユーザ11に対応する1番からn番まてのn個の作業領域16が形成されている。そして、このコンピュータ本体に対して、例えばCRT表示装置等の表示装置17が接続されている。
【0028】
前記主記憶部13内に形成された各作業領域16内には、図2に示すように、ユーザ11が入力装置12を介して入力した各種指令(指示)を解釈して該当プログラムを実行させるためのユーザシェル18が設定される。また、この作業領域16内にはユーザシェル18にて実行されるウインドウシステム19と、このウインドウシステム19上で実行される複数種類のアプリケーション・プログラム20が格納される。さらに、この作業領域16内には前記各アプリケーション・プログラム20の実行過程で必要に応じて作成される表示情報21が記憶される。
【0029】
なお、主記憶部13内に形成された各作業領域16のユーザシエル18及び各アプリケーション・プログラム20、ウインドウシステム19は各ユーザ11の指示に従ってこの作業領域16内に取込まれ、表示情報21は各プログラム20の処理の過程に従って、表示装置17に表示されると共に、順次更新されていく。
【0030】
また、前記ユーザ管理プロセス15は、図3に示す流れ図に従って、入力処理及び表示装置17に対する占有ユーザの切換処理を実行する。
S(ステップ)1にて、入力装置12を介して任意のユーザ11からユーザを指定した各種情報が入力されると、その入力情報の種類を調べる(S2)。ユーザを指定した表示装置17の占有ユーザの切換指令の場合、S3へ進み、該当ユーザは今回新規に入力情報を入力したか否かを調べる。今回新規に入力情報を入力した場合は、このユーザ11に対して予め割当てられている主記憶部13の作業領域16に対して、前述したウイントウシステム19や指定業務の各アプリケーション・プログラム20を含むユーザシェル18を設定する(S4)。
【0031】
また、S3にて、既に作業領域16に該当ユーザ11の指定業務のユーザシェル18が設定済みの場合は、S5にて、切換先のユーザ11の作業領域16のユーザシェル18にプログラム制御を移す。
【0032】
次に、表示装置17の占有先(接続先)を前のユーザ11の作業領域16から今回の占有切換先のユーザ11の作業領域16へ変更する(S6,S7)。そして、表示装置17の表示内容を一旦クリア(リフレッシュ)して(S8)、S1へ戻り、変更後のユーザ11による次の指示入力を待つ。
【0033】
また、入力装置12を介してユーザ11から入力された入力指示が占有ユーザの切換指示ではなくて、通常の業務実行に関する指示や情報であれば、S9にて該当指示や情報を該当ユーザ11に割当てらた作業領域16のユーザシェル18へ渡す。
【0034】
このように構成された計算機の表示占有ユーザ切換装置の具体的動作を図4、図5、図6を用いて説明する。
図4においては、現在時点で、1番のユーザ11が主記憶部13の1番の作業領域16のユーザシェル18を用いて該当ユーザが指定する処理を実行中であり、この処理過程で生じる表示情報を、この1番の作業領域16に接続された(占有中の)表示装置17に表示している。したがって、この状態においては、2番と3番の各作業領域16の各ユーザシェル18は待機中である。
【0035】
そして、1番のユーザ11が2番のユーザ11を切換先に指定した表示装置17の占有ユーザの切換指示を入力装置12を介してコンピュータ本体へ入力すると、ユーザ管理プロセス15が起動して、これ以降、入力装置12を介して入力される各種指示や情報の受渡し先の作業領域16を1番の作業領域16から2番の作業領域16へ切換える。
【0036】
このとき、2番のユーザ11がログインしていなければ、2番の作業領域16内に2番のユーザ11のための新たなユーザシェル18を作成する。その結果、この状態においては、2番の作業領域16が稼働状態となり、1番と3番の各作業領域16の各ユーザシェル18は待機中となる。この場合、1番の作業領域16のユーザシェル18の処理は強制終了させる必要はなく、処理の実行途中状態で中断したままであってもよい。
【0037】
同時に、表示装置17に表示している1番のユーザ17の表示情報21を2番のユーザ11の表示情報21、すなわち、2番の作業領域16で作成された表示情報21に切換える。したがって、結果的に、ユーザ11側から見て、表示装置17を占有するユーザ11が1番のユーザ11からの2番のユーザ11に切換わることになる。
【0038】
図5は、表示装置17を占有するユーザ11が1番のユーザ11からの2番のユーザ11に切換った図4の状態から、2番のユーザ11の業務が終了して、表示装置17を占有するユーザ11を2番のユーザ11から1番のユーザ11に戻す場合の手順を示す。
【0039】
この場合、2番のユーザ11から1番のユーザ11を切換先に指定した表示装置17の占有ユーザの切換指示を入力装置12を介してコンピュータ本体へ入力すると、ユーザ管理プロセス15が起動して、これ以降、入力装置12を介して入力される各種指示や情報の受渡し先の作業領域16を2番の作業領域16から1番の作業領域16へ切換える。また、表示装置17に表示している2番のユーザ11の表示情報21を1番のユーザ11の表示情報21に切換える。
【0040】
1番の作業領域16には、前回の処理途中の中断状態が記憶されているので、中断状態を解除して前回の処理の続きを継続する。
このように、他のユーザ11に切換えられた元のユーザ11の作業領域16は中断状態のままで、主記憶部13内にそのまま待機状態で残留しているので、他のユーザ11の業務が終了した時点で、直ちに元の業務にて復帰できる。
【0041】
図6は、複数のユーザ11が一つの計算機を時分割で使用する場合の表示装置17の占有ユーザ11の切換指令の操作順序を示す図である。
(1) 1番のユーザ11から2番のユーザ11への切換
(2) 2番のユーザ11からn番のユーザ11への切換
(3) n番のユーザ11から1番のユーザ11への切換
(4) 1番のユーザ11から2番のユーザ11への切換
このように、表示装置17を使用するのは、一人のユーザ11のみであるが、表示を割当られていないユーザシェル18を記憶した作業領域16も主記憶部13上に残留しているので、切換前の状態で直ちに処理を再開できる。
【0042】
また、各ユーザ11のユーザシェル18においては、他のユーザ11に表示装置17の占有権が移動したとしても、表示装置17を使用しない業務をそのままバックタスクとして継続して実行できる。
【0043】
なお、入力装置12上における表示装置17の占有ユーザの切換指示の具体的入力操作としては、
(1) 特定のホットキー操作による切換
(2) コマンド(命令)入力による切換
(3) ウインドウシステムのメューからの選択
(4) 画面内のガイダンスエリアからの選択
等がある。
【0044】
また、占有ユーザの切換指示の際、復帰するユーザ11に対してはパスワードを入力することにより、切換に伴うセキュリティ低下を未然に防止できる。
このように、本発明の第1実施形態の計算機の表示占有ユーザ切換装置においては、記憶装置17の占有ユーザの切換を行った後もユーザ11のユーザシエル18は主記憶部13上に残るため、再切換によりユーザ11は切換前の状態から作業を再開することができる。
【0045】
また、待機中のユーザ11のユーザシエル18も主記憶部13上に残っているため、表示装置17に依存しない処理はバックタスクとして処理を継続できる。
さらに各ユーザ11の作業領域16は主記憶部13上においてユーザ毎に固有に確保されるので、異なる環境、例えば異なるウインドウシステムで実行する事が可能である。
【0046】
具体的な例として、ウインドウシステム上でワープロソフトを使用して文章を作成している場合、一般的な計算機では、他のユーザ11がこの計算機を使用する時は、ワープロソフトで作成中の文書をHDD等の補助記憶装置に保存してこのワープロソフトを終了し、かつウインドウシステムを終了してから他のユーザ11にこの計算機を明け渡す。
【0047】
そして、元のユーザ11が文書の作成を再開するためには、他のユーザ11がウインドウシステムを終了した後にウインドウシステムを立ち上げて、ワープロソフトを実行し、作成中の文書を補助記憶装置から主記憶部上に復元する必要がある。
【0048】
しかし、第1実施形態装置においては、他のユーザ11が表示装置17を使用する場合、ユーザ11の切換操作だけで他のユーザ11はこの計算機を使用することができる。元のユーザ11が文書作成を再開する場合もユーザ11を切換えるだけで、前の状態から文書作成を再開できる。また、他のユーザ11に切換られた期間中に表示装置17を使用しない印刷等を実行することもできる。
【0049】
また、一つの計算機において、この計算機に常駐する複数の業務が稼働している場合、操作する端末は業務の数だけ必要になるが、入力処理を平行に行う必要がなければ、本実施形態装置を使用することで、1台の端末で済むことになる。
【0050】
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機の概略構成図である。図1に示す第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0051】
この第2実施形態の表示占有ユーザ切換装置においては、表示装置17が他のユーザ11に切換えられたユーザ11の作業領域16のユーザシェル18及びこの時点で作成されている表示情報21を退避するための退避領域23が形成されたHDD等の補助記憶装置22が設けられている。
【0052】
このような構成の表示占有ユーザ切換装置において、例えば、前述した図4の場合と同様に、1番のユーザ11が表示装置17を占有している状態において、1番のユーザ11が2番のユーザ11を切換先に指定した表示装置17の占有ユーザの切換指示を入力装置12を介してコンピュータ本体へ入力すると、ユーザ管理プロセス15が起動して、図8(a)に示すように、これ以降、入力装置12を介して入力される各種指示や情報の受渡し先の作業領域16を1番の作業領域16から2番の作業領域16へ切換える。
【0053】
そして、この第2実施形態装置においては、表示装置17に対する占有状態から解除されて、待機状態に移行した1番目の作業領域16のユーザシェル18は、補助記憶装置22の退避領域23へ退避される。
【0054】
これにより、主記憶部13の1番の作業領域16にはなにも記憶されていないので、この1番の作業領域16を他の用途。例えば現在実行中の2番の作業領域16のユーザシェル18の各業務処理のワーク領域として使用することができる。現在、ユーザシェル18が実行中でない3番の作業領域16のユーザシェル18も同様に、補助記憶装置22の退避領域23へ退避されている。
【0055】
したがって、現在、表示装置17を占有中のユーザ11の作業領域16のユーザシェル18は、他のユーザ11の作業領域16もワーク領域として使用でき、主記憶部13の使用効率を大幅に向上できる。
【0056】
但し、補助記憶装置22の退避領域23に退避中のユーザシェル18を動作させることはできないので、バックタスク処理は実施不可能である。
表示装置17の占有ユーザ11を元に戻す場合は、1番のユーザ11を指定した切換指示を入力装置12を介してコンピュータ本体へ入力すると、ユーザ管理プロセス15が起動して、図8(b)に示すように、補助記憶装置22の退避領域23に退避状態の1番のユーザシェル18を主記憶部13の1番の作業領域16へ復帰させる。そして、これ以降、入力装置12を介して入力される各種指示や情報の受渡し先の作業領域16を2番の作業領域16から1番の作業領域16へ切換える。
【0057】
そして、今度は、待機状態に移行した2番目の作業領域16のユーザシェル18は、補助記憶装置22の退避領域23へ退避される。
(第3実施形態)
図9は本発明の第3実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機の概略構成図である。図7に示す第2実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0058】
この第3実施形態の表示占有ユーザ切換装置においては、主記憶部13に1つの作業領域16が形成されているのみである。そして、表示装置17は、この1つの作業領域16のみに占有(接続)されている。そして、この作業領域16は1番からn番までの全部のユーザ11が共通して使用する。
【0059】
このような構成の表示占有ユーザ切換装置において、入力装置12を介して1番のユーザ11から2番のユーザ11へ表示装置17の占有ユーザを切換える占有ユーザの切換指令が入力されると、現在の作業領域16の1番のユーザ11のユーザシェル18を補助記憶装置22の退避領域23へ退避させ、この退避領域23に退避している2番のユーザ11のユーザシェル18を主記憶部13の作業領域16へ復帰させる。よって、これ以降、2番目のユーザ11に対する処理業務が作業領域16で実行され、処理過程の表示情報21が表示装置17に表示出力する。
【0060】
このように構成された第3実施形態装置においても、先の第2実施形態装置とほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、この第3実施形態装置においては、表示装置17は、一つの作業領域16のみに接続されていればよく、接続先の作業領域16を変更する必要がない。
【0061】
(他のシステムへの発展)
図10は、本発明の計算機の表示占有ユーザ切換装置の機能をクライアント・サーバシステムに発展させた例を示す図である。また、図11はこのクライアント・サーバシステムにおいて、業務実行クライアントの切換動作を示す模式図である。
【0062】
このクライアント・サーバシステムにおいて待機中のユーザを他の表示装置 (クライアント)で使用する方法が考えられる。すなわち、1番のクライアント30を使用して所定の業務を実行していたユーザがn番のクライアント30の設置位置へ移動して、このn番のクライアント30で先に実行していた業務を継続して実施する。
【0063】
1番のクライアント30で作業を行っていたユーザの作業領域は、該当ユーザからクローズ指示によりクローズされる。このクローズされた1番のクライアント30のユーザの作業領域はサーバ31に転送され、このサーバ31によって管理される。
【0064】
次にn番のクライアント30から1番のクライアント30で使用していたユーザの作業領域16のオープン指示を行うことで、サーバ31からn番のクライアント30に対して、サーバ31から該当ユーザに対応する作業領域16が転送されてこのn番のクライアント30でオープンされる。
【0065】
これにより、1番のクライアント30で行っていた作業を該当クライアント30で終了することなく、n番のクライアント31でその続きを実行することができる。
【0066】
このようなクライアント・サーバシステムにおいて、作業中のファイル等の資源をサーバ31に置くことで資源間の排他を確保できる。また、サーバ31を使用しない場合、フアイルごと他のクライアント30へ転送してしまう方法もある。さらに、ファイル転送前後のクライアント30の環境が異なる場合は、動作しない業務(アプリケーシヨン)は表示画面上においてアイコン化してしまう方法がある。
【0067】
また、場所を移動しながらクライアント30を使用する場合に有効である。例えば、ユーザが自席のクライアント30を作業しながら、図書室に資料を調べに行く場合、現状では図書室から資料を持ってきて自席で作業を行うか、自席のクライアント30を終了して作業中のフアイルを全てサーバ31に送り、図書室のクライアント30にサーバ31のフアイルを取り込んで作業を再開するなどの作業を実施する必要がある。
【0068】
しかし、図11のクライアント・サーバシステムにおいては、ユーザは、自席のクライアント30をクローズしてから図書室に行き、図書室のクライアント30で自己の作業内容の業務をオープンすることで、中断せずに資料を参照しながら作業を行うことができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の計算機の表示占有ユーザ切換装置においては、表示装置を占有するユーザを任意に変更可能としている。したがって、ユーザ相互間のセキュリティを確保した状態で、複数のユーザが自己の実行途中の業務を強制終了させることなく、必要な時に他のユーザに表示装置の占有権を渡すことができ、かつ、他のユーザの使用が終了した時点で、中断中の業務を再開することができ、計算機の操作性を向上できると共に、計算機を効率的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機の概略構成を示す図
【図2】同第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置の要部構成を示すブロック図
【図3】同第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置におけるユーザ管理プロセスの動作を示す流れ図
【図4】同第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置のユーザ切換動作を説明するための図
【図5】同じく同第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置のユーザ切換動作を説明するための図
【図6】同じく同第1実施形態の表示占有ユーザ切換装置のユーザ切換動作を説明するための図
【図7】本発明の第2実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機の概略構成を示す図
【図8】同第2実施形態の表示占有ユーザ切換装置のユーザ切換動作を説明するための図
【図9】本発明の第3実施形態の表示占有ユーザ切換装置が組込まれた計算機の概略構成を示す図
【図10】本発明の表示占有ユーザ切換装置を発展させたクライアント・サーバシステムを示す構成図
【図11】同クライアント・サーバシステムにおけるクライアント相互間の業務移転を説明するための図
【図12】一般的な計算機を示す模式図
【符号の説明】
11…ユーザ
12…入力装置
13…主記憶部
14…コアシステム
15…ユーザ管理プロセス
16…作業領域
17…表示装置
18…ユーザシェル
19…ウインドウシステム
20…アプリケーション・プログラム
21…表示情報
22…補助記憶装置
23…退避領域
30…クライアント
31…サーバ
Claims (1)
- 入力装置を介して入力されたユーザを指定した各種指示に応じて各種処理を実行し、表示装置を前記指定されたユーザの占有状態に制御すると共に、その処理に関する表示情報を前記占有状態の表示装置に表示出力する計算機における前記表示装置を占有するユーザを切換える計算機の表示占有ユーザ切換装置において、
前記計算機の主記憶部に形成され、前記各ユーザに対して割当てられた複数の作業領域と、
前記ユーザを指定した各種指示が入力されると、この各種指示に応じた各種処理を実行するための作業領域を該当ユーザに割当てられた作業領域に指定する領域指定手段と、
前記入力装置を介してユーザを指定した占有ユーザの切換指令が入力されると、前記表示装置の占有先を前記指定されたユーザに割当てられた作業領域に切換える占有ユーザ切換手段と、
前記計算機に接続された補助記憶装置内に形成された退避領域と、
前記入力装置を介してユーザを指定した占有ユーザの切換指令が入力されると、前記表示装置を占有中の作業領域の処理情報を前記退避領域へ退避させ、この退避領域に退避している該当ユーザの処理情報を該当ユーザの作業領域へ復帰させる退避/復帰手段と
を備えた計算機の表示占有ユーザ切換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08523997A JP3560762B2 (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 計算機の表示占有ユーザ切換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08523997A JP3560762B2 (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 計算機の表示占有ユーザ切換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10283323A JPH10283323A (ja) | 1998-10-23 |
JP3560762B2 true JP3560762B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=13853019
Family Applications (1)
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