JP3560415B2 - 表面実装型電磁発音体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やポケットベル等の移動通信機器に組み込まれて、受信の際に着信音等を発生する表面実装型電磁発音体であって、特に移動通信機器内のプリント基板等に表面実装される薄型の表面実装型電磁発音体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表面実装型電磁発音体1としては、例えば図6に示したように、直方体の樹脂製ケーシング2内に振動発音部(図示せず)を内蔵した薄型タイプのものが知られている。この表面実装型電磁発音体1は、図7に示したように、プリント基板4の上に表面実装された状態で携帯電話等のボディケース3内に組み込まれている。ケーシング2の一側面には放音孔5が開設されており、プリント基板4上に表面実装される際には、前記放音孔5とボディケース3に設けられた開孔6とが向かい合うようにして配設される。また、携帯電話等の組立時には、表面実装型電磁発音体1の放音孔5から出た着信音がボディケース3内にこもってしまうのを防止するために、放音孔5と前記ボディケース3の開孔6との隙間に音漏れ防止用のパッキン7が配設される。このパッキン7には、図示したように、表面実装型電磁発音体1のケーシング2全体が嵌まる凹所7aと、放音孔5と開孔6とを連通する貫通孔7bとが形成されており、表面実装型電磁発音体1をプリント基板4上に実装したのちにケーシング2の上から被せられる。なお、ボディケース3の開孔6の内側にはボディケース3内にゴミやチリ、水滴や湿気などが侵入するのを防止するための防塵布8が貼付され、この防塵布8に前記パッキン7の前面が圧接した状態となっている。
【0003】
また、図8及び図9は、パッキン9の他の従来例を示したものである。このパッキン9には、ケーシング2の前側半分をカバーする凹所9aと、放音孔5と開孔6とを連通する貫通孔9bとが形成されている他、貫通孔9bの凹所9a側の周囲には両面テープ10が配置されている。そして、携帯電話等の組立時には、前記両面テープ10の台紙を剥がして放音孔5の周囲に貼付することで、ケーシング2にパッキン9を固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の表面実装型電磁発音体1にあっては、第1及び第2の従来例とも、表面実装型電磁発音体1とパッキン7又は9とが別体で供給されるために、携帯電話等の組立時に、プリント基板4に実装した表面実装型電磁発音体1のケーシング2に別工程でパッキン7又は9を取り付けなければならない。また、パッキン7,9がケーシング2の全体又は前側半分を覆うカバーとして構成されているために、その分プリント基板4上に占める表面実装型電磁発音体1の専有体積が大きくなり、他の部品を搭載する際に制約が出てきてしまう等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、携帯電話等の組立工程での工数を減らすと共に、プリント基板上に占める表面実装型電磁発音体の専有体積を出来るだけ小さくすることが課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、発音部を内蔵する薄型の樹脂製ケーシングの一部に放音孔が開設され、この放音孔の周囲に音漏れ防止部材が取り付けられてなる表面実装型電磁発音体において、前記ケーシングが上側ケーシングと下側ケーシングとで構成され、この上側ケーシングと下側ケーシングとの間に前記音漏れ防止部材を挟み込むことによって、前記音漏れ防止部材が放音孔の周囲に固定されることを特徴とする
【0007】
また、請求項2に係る本発明は、発音部を内蔵する薄型の樹脂製ケーシングの一部に放音孔が開設され、この放音孔の周囲に音漏れ防止部材が取り付けられてなる表面実装型電磁発音体において、前記音漏れ防止部材に係止爪を形成し、この係止爪を放音孔の内周縁に係合することによって、前記音漏れ防止部材が放音孔の周囲に固定されることを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に係る本発明は、前記音漏れ防止部材の外表面に防塵部材が取り付けられることを特徴とする。
【0009】
更にまた、請求項4に係る本発明は、上記音漏れ防止部材がシリコーンゴム又はその他の耐熱性ゴムによって形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る表面実装型電磁発音体の実施例を詳細に説明する。図1乃至図4に示した第1の実施例において、表面実装型電磁発音体11のケーシング12は上側ケーシング12aと下側ケーシング12bとで構成され、その内部空間に振動発音部(図示せず)が収納されている。また、ケーシング12の一側面には放音孔15が開設されており、振動発音部での着信音が放音孔15を通じて外部に出ていく。この実施例において、放音孔15にはシリコーンゴム又はそれ以外の耐熱性ゴムによって形成された音漏れ防止用のパッキン17が装着されている。
【0011】
このパッキン17は、図2に示したように、ブロック状の本体部19と、この本体部19の後面側に形成された一対の脚部20a,20bとで構成される。本体部19の中心には前記放音孔15と略同じ形状の貫通孔21が前後方向に形成され、また脚部20a,20bの各先端には前記放音孔15の内周縁と係合する係止爪22a,22bが突出形成されている。パッキン17は、図2乃至図4に示したように、表面実装型電磁発音体11を組み立てる際に、脚部20a,20bをケーシング12の上側ケーシング12aと下側ケーシング12bとの間に挟み込み、各ケーシング12a,12bの合せ面24a,24bを超音波溶着することで放音孔15の周囲にしっかりと固定される。なお、下側ケーシング12bの四隅には電極端子23が設けられている。
【0012】
上記構成からなる表面実装型電磁発音体11は、図4に示すように、プリント基板14上に表面実装されるが、リフローを通してプリント基板14上のパターン電極(図示せず)に上記電極端子23が半田接続される。この時、パッキン17も一緒にリフローを通るが、耐熱性のシリコーンゴム等で形成されているために高熱による劣化は生じない。そして、図4のように、携帯電話等のボディケース13内に配設される。
【0013】
なお、上記表面実装型電磁発音体11は、ケーシング12の放音孔15が携帯電話等のボディケース13に設けられた開孔16と向かい合うように配置されており、ボディケース13の開孔16の内側面に貼付された防塵布18に圧接した状態で配設されている。
【0014】
従って、この実施例では、表面実装型電磁発音体11のケーシング12に予め音漏れ防止用のパッキン17が取り付けられた状態で供給されるので、携帯電話等に表面実装型電磁発音体11を組み込む際には、プリント基板14上に表面実装型電磁発音体11を載置してリフローを通すだけで、パッキン17が装着された表面実装型電磁発音体11が表面実装されることになり、従来のように表面実装型電磁発音体11を表面実装した後に、パッキンを装着するための工程が省略されることになる。また、パッキン17の脚部20a,20bを放音孔15の周囲に係合させてしっかりと固定しているので、放音孔15の周囲から脱落することなく音漏れを確実に防止するのに加えて、従来のようにケーシング自体を覆ってはいないので、プリント基板14上に占める表面実装型電磁発音体1の専有体積も小さくて済む。
【0015】
図5は、本発明の第2実施例を示したものである。ブロック状のパッキン27の裏面側に両面テープ28を貼付しておき、これをケーシング12の放音孔15の外面周囲に接着することで、上記実施例と同様の音漏れ防止効果を得ることができる。この実施例でもプリント基板14上に表面実装する前に予めケーシング12に装着しておき、この状態でリフローに通すことができる。また、パッキン27の前面に防塵布18を貼付しておくこともできる。
【0016】
なお、上記実施例ではパッキン17,27をシリコーンゴムによって形成した場合について説明したが、この発明ではシリコーンゴム以外にもフッ素ゴムやアクリルゴム等の耐熱性に優れたゴム材料が利用できる。また、上記実施例ではパッキン17,27をケーシング12とは別体で構成した場合について説明したが、本発明ではケーシング12と一体に形成することも可能である。この場合、ケーシング12とパッキン17,27とを同じ材料で形成することも可能であり、また二色成形などによって異なる材料で形成することも可能である。更に、本発明における防塵布18の種類は特に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る表面実装型電磁発音体によれば、上記放音孔の周囲に音漏れ防止部が予め設けてあるので、従来は携帯電話等の組立時に行っていた音漏れ防止部材の装着工程が必要なくなり、その分組立工数を減らすことができた。また、本発明ではケーシング自体をパッキンで覆うことなく、ケーシングの放音孔の周囲だけに音漏れ防止部を設けたので、プリント基板上に占める表面実装型電磁発音体の専有体積が小さくて済み、その分プリント基板上に他の部品を搭載する際の制約が少なくなるといった効果がある。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、表面実装型電磁発音体のケーシングとは別体の音漏れ防止部材を設け、これを放音孔の周囲にしっかりと固定させているので、放音孔の周囲から脱落することなく音漏れを確実に防止できるといった効果がある。
【0019】
更に、請求項3の発明によれば、上記音漏れ防止部材と一緒に防塵部材も予め装着したので、従来では必要であった防塵部材の貼付工程を削減できるといった効果がある。
【0020】
更にまた、請求項4の発明によれば、上記音漏れ防止部材をシリコーンゴム又はその他の耐熱性ゴムによって形成したので、これをリフローに通して高温にさらしても音漏れ防止部材が劣化するといったことがなく、音漏れ防止効果を長期に亘って保持できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面実装型電磁発音体の一実施例を示す斜視図である。
【図2】上記表面実装型電磁発音体の分解斜視図である。
【図3】上記表面実装型電磁発音体の一部を切り欠いた水平断面図である。
【図4】上記表面実装型電磁発音体を携帯電話等に組み込んだ状態を示す断面図である。
【図5】上記表面実装型電磁発音体の他の実施例を示す一部切欠き断面図である。
【図6】表面実装型電磁発音体の表面に被せる従来のパッキンの一例を示す斜視図である。
【図7】上記従来のパッキンを被せた表面実装型電磁発音体を携帯電話等に組み込んだ状態を示す断面図である。
【図8】表面実装型電磁発音体の表面に被せる従来のパッキンの他の例を示す斜視図である。
【図9】図8における表面実装型電磁発音体を携帯電話等に組み込んだ状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11 表面実装型電磁発音体
12 ケーシング
15 放音孔
17 パッキン(音漏れ防止部材)
18 防塵布(防塵部材)

Claims (4)

  1. 発音部を内蔵する薄型の樹脂製ケーシングの一部に放音孔が開設され、この放音孔の周囲に音漏れ防止部材が取り付けられてなる表面実装型電磁発音体において、
    前記ケーシングが上側ケーシングと下側ケーシングとで構成され、この上側ケーシングと下側ケーシングとの間に前記音漏れ防止部材を挟み込むことによって、前記音漏れ防止部材が放音孔の周囲に固定されることを特徴とする表面実装型電磁発音体。
  2. 発音部を内蔵する薄型の樹脂製ケーシングの一部に放音孔が開設され、この放音孔の周囲に音漏れ防止部材が取り付けられてなる表面実装型電磁発音体において、
    前記音漏れ防止部材に係止爪を形成し、この係止爪を放音孔の内周縁に係合することによって、前記音漏れ防止部材が放音孔の周囲に固定されることを特徴とする表面実装型電磁発音体。
  3. 前記音漏れ防止部材の外表面に防塵部材が取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の表面実装型電磁発音体。
  4. 上記音漏れ防止部材は、シリコーンゴム又はその他の耐熱性ゴムによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の表面実装型電磁発音体。
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