JP3560134B2 - 薄膜半導体の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯状可撓性のフィルム基板の面上に複数の異なる性質の薄膜を積層して薄膜光電変換素子などの薄膜半導体を形成するための製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、環境保護の立場から、クリーンなエネルギーの研究開発が進められている。中でも、太陽電池はその資源(太陽光)が無限であること、無公害であることから注目を集めている。
【0003】
薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コストの安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太陽電池の主流となると考えられる。
【0004】
従来の薄膜太陽電池はガラス基板を用いていたが、軽量化、施工性、量産性においてプラスチックフィルムおよび金属フィルムを用いたフレキシブルタイプの太陽電池の研究開発がすすめられている。このフレキシブル性を生かし、ロールツーロール方式やステッピングロール方式の製造方法により大量生産が可能となった。
【0005】
両方式共に、複数のロールによる基板搬送手段を備え、前者は各成膜室内を連続的に移動する基板上に連続的に成膜する方式であり、後者は各成膜室内で同時に停止させた基板上に成膜し,成膜の終わった基板部分を次の成膜室へ送り出す方式を採用している。
【0006】
ステッピングロール方式の成膜装置は、隣接する成膜室間のガス相互拡散を防止できることから各薄膜の特性が安定して得られるなどの点で優れており、その装置の構成は、例えば、特開平6−292349号公報に記載されている。
【0007】
一方、ロールツーロール方式は、鉛直方向に段違いに設けたロール間に基板を連続的に移動させ、複数の成膜作業を連続的に行うので、量産性に優れており、その装置の構成は、例えば、特公平7−38378号公報に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のような従来の製造装置においては、下記のような問題があった。特開平6−292349号公報に記載されたようなステッピングロール方式の成膜装置においては、各成膜室内で同時に停止させた基板上に成膜する際に反応室を閉じシールすることになるが、このとき搬送用のロールで基板に作用させている張力が、反応室のシール部で基板が支持されるためにカットされ、成膜中の熱膨張により基板が伸びた場合に、所定の張力が維持できず、基板にたるみを生ずる問題があった。
【0009】
また、前記特公平7−38378号公報に記載されたようなロールツーロール方式においては、鉛直方向に段違いに設けたロール間に基板を連続的に移動させ、張力が基板に連続的に働くように構成されているので、基板がたるむ問題はないが、薄膜太陽電池のように薄くかつ帯状のフィルム基板の場合には、ロール間で基板に縦皺が形成され、品質不良が発生する問題があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本発明の課題は、フィルム基板のたるみや縦皺が発生する問題を解消し、高品質にして高効率の薄膜光電変換素子などの薄膜半導体を形成するための製造装置を提供すること、さらに、製造装置のメンテナンス性を向上することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するため、請求項1の発明は、帯状可撓性のフィルム基板の面上に複数の異なる性質の薄膜を積層して薄膜半導体を形成するための少なくとも一つの反応室と、前記反応室へ薄膜に応じた反応ガスを供給するガス供給系と、前記反応室の圧力を制御しながらガスを排気する排気系と、前記反応室内にほぼ鉛直に配置された複数の高周波印加電極と、この高周波印加電極と対向する位置に配置された複数の接地電極と、前記フィルム基板加熱用のヒータと、前記接地電極と高周波印加電極との間を前記両電極の主面と略平行にフィルム基板を進行させ,かつフィルム基板に所定の張力をかけるための搬送手段と、前記フィルム基板巻出し用アンワインダー室と、フィルム基板巻取り用ワインダー室とを備えた薄膜半導体の製造装置において、前記搬送手段は、前記フィルム基板が接地電極に隣接して進行するような位置関係を維持するものとなし、かつ前記接地電極は、前記フィルム基板をこの接地電極に面接触させるように,フィルム基板と接地電極との距離を微調整するための位置調整手段を備えたものとする。上記構成により、フィルム基板は適正な張力を受けつつも接地電極のガイド効果により、縦皺の発生が防止できる。なお、張力は、出来る限り小さい方が縦皺の発生が起きにくい。
【0012】
請求項2の発明では、同様の問題を別の方式で解決するもので、搬送手段は、フィルム基板が接地電極に隣接して進行するような位置関係を維持するものとなし、かつ前記接地電極は、前記フィルム基板との隣接面からフィルム基板に対して反応ガスないしは反応ガスの一部のガスを供給し、接地電極とフィルム基板との間にフィルム基板平坦度保持用のガス膜を形成するためのガス膜形成手段を備えたものとする。この場合には、フィルム基板は適正な張力を受けつつも、縦皺の発生をガス圧力により防止することができる。ガスは、フィルム基板が若干湾曲するように供給する方が、縦皺発生防止上は望ましい。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1と2を組み合わせた発明に相当し、前記接地電極は、ガス膜形成手段に加え、さらに、フィルム基板と接地電極との距離を微調整するための位置調整手段を備えるものとする。また、請求項4の発明では、前記接地電極とフィルム基板とが接触した際には,水平方向に微小たわみをもち曲率半径長大の湾曲面をフィルム基板が形成可能なように、接地電極のフィルム基板対向面は、湾曲面とする、または湾曲面形成手段を備えるものとする。この構成により、縦皺発生防止効果はさらに向上する。
【0014】
さらに、請求項5の発明は、反応室が単室の場合の成膜の品質向上を図るもので、請求項1ないし4のいずれかに記載のものにおいて、前記反応室は単室であり、この反応室とフィルム基板巻出し用アンワインダー室およびフィルム基板巻取り用ワインダー室とをそれぞれ接続してフィルム基板を送通するための連通口を有し、前記少なくともいずれかの室内の前記連通口の近傍には、フィルム基板巻取り位置調整用のエッジポジションコントローラを備えるものとする。
【0015】
請求項6の発明は、同様に成膜の品質向上を図るもので、請求項1ないし5のいずれかに記載のものにおいて、前記反応室内のフィルム基板出入口近傍には、フィルム基板の張力保持用のダンサーロールを備えるものとする。
【0016】
さらに、請求項7または8の発明は、製造装置のメンテナンス性の向上を図るもので、前記高周波印加電極を、反応室下部に設けた昇降手段に固定されたものとし(請求項7)、また、反応室内壁へのプラズマによる粉末付着防止用のサブヒータを高周波印加電極の側面と反応室との間の空間に配設するものとする(請求項8)。
【0017】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施の形態について以下に述べる。
【0018】
図1は、本発明の薄膜半導体の製造装置の実施例であって、反応室が単室の場合の概略構成図である。図2は、図1におけるA−A矢視一部詳細断面図である。また、図3および図4は、フィルム基板のたるみや縦皺が発生する問題を解消するための手段に関連した接地電極まわりの部分拡大図である。
【0019】
まず、図1について述べる。図1に示す製造装置は、真空に保持可能な反応室1と、前記反応室へ薄膜に応じた反応ガスを供給するガス供給系2と、前記反応室の圧力を制御しながらガスを排気する排気系3と、ほぼ鉛直に配置された複数の高周波印加電極(以下、RF電極ともいう)4と、この高周波印加電極4と対向する位置に配置され、フィルム基板加熱用のヒータを組み込んだ複数の接地電極5と、前記接地電極5と高周波印加電極4との間を前記両電極の主面と略平行にフィルム基板を進行させ,かつフィルム基板に所定の張力をかけるための後述する各種ロールからなる搬送手段と、フィルム基板巻出し用アンワインダー室14と、フィルム基板巻取り用ワインダー室17とから成る。反応室1とアンワインダー室14および反応室1とワインダー室17とをそれぞれ接続してフィルム基板を送通するために連通口11が設けられる。
【0020】
前記搬送手段は、上部搬送ロール6とその保護手段7,下部搬送ロール8とその保護手段9,水平に配置した巻だしロール12,巻だし用駆動ロール13,巻取りロール15,同駆動ロール16などを含む。
【0021】
フィルム基板10はアンワインダー室14からワインダー室17へと搬送され、その間に反応室1の内部で薄膜半導体を形成する。一旦巻き取り、一層の製膜を終了した後、次工程で別の原料ガスを供給し、逆搬送して、異なった半導体膜をフィルム上に形成することが可能である。この実施例では、電極数が多くなる場合や、フィルム基板が長い場合に、搬送送りを両方向に繰返し行うことになるため、フィルム基板の巻取り位置が重要となる。そこで、そのような場合には、図中の19、20に示すEPC(エッジポジションコントローラ)により、フィルム基板の位置補正を行う。また、図中の21、22は、クリーニングロール機構であり、薄膜半導体を形成する面と逆のフィルム面をクリーニングする機能を有する。この機能により、複数回装置で搬送を行っても、接地電極との摩擦によって発生したダストがロールへ巻き込まれることが無く、薄膜半導体形成面への影響が無く、欠陥発生が少ない。さらにこの実施例においては、フィルム基板に所定の張力を与えるために、ダンサーロール61を反応室の入口付近に設ける。
【0022】
この実施例では、反応室が単室であってガスの混入が無いため、連続的にロールツロール成膜を行うことも、ステップ的にステッピングロール成膜を行うことも可能である。また、この実施例では複数のRF電極に異なる原料ガスを供給することにより、ロールツロールでも、成膜組成を任意に変動させることが可能である。
【0023】
図2は、前述の実施例の反応室をフィルム基板の搬送方向に見た一部詳細断面図(図1におけるA−A矢視断面図)を示す。この実施例では、RF電極4は、RF導入手段21、RF電極保持手段22を介して反応室下部昇降手段23に固定されている。このため、反応室下部昇降手段23を上下させることにより、RF電極の出し入れが可能となり、メンテナンスが容易となる。また、接地電極且つヒータ5は反応室上部の保持手段25に固定されている。さらにこの実施例では、RF電極の両側面と反応室との間にサブヒータ24を設けてあり、反応室内壁へのプラズマによるパウダー付着を防止している。
【0024】
図3は、請求項1に関わる接地電極まわりのフィルム基板搬送構造の一例の部分拡大概略図を示し、図3(a)は、全体図、図3(b)は、位置調整手段に関する図3(a)のP部拡大図、図3(c)は、湾曲した接地電極およびフィルム基板の部分拡大図である。
【0025】
図3の実施例においては、接地電極33と例えばアルミニウム製のヒータ31とを別の部品として構成し、図3(b)に示すように、例えば段付きネジ35とナット36とからなる位置調整手段32により、接地電極33はヒータ31に相互距離が調整可能に取り付けられている。図3(a)の上部搬送ロール6と下部搬送ロール8の位置関係を、フィルム基板10が接地電極33に隣接するようにまずセッティングした上で、上記位置調整手段32によりフィルム基板10と接地電極33との距離を微調整し、請求項1に記載のように、フィルム基板10を接地電極33に面接触させるようにする。
【0026】
フィルム基板10としては1m幅のポリイミドフィルムを用い、その両面に金属電極を形成した。上下の搬送ロールの間隔は約1mとして、フィルムの保持能力を高めた。搬送時には、約2〜20Kg/幅の張力を与えてフィルムを保持した。縦皺は、この張力が小さいほど少なくなる傾向を示す。張力が2〜5Kg/幅の範囲では、ほぼ縦皺が無くなることが確認されている。
【0027】
ところで上記の場合、接地電極33は、この場合フィルム基板10と面接触して、フィルム基板に縦皺ができるのを防止するように作用するフィルム基板の受け面(サセプター)として機能する。この機能をより確実なものとするためには、サセプターの面は湾曲している方が望ましい。図3(c)に示すように面全体を湾曲させてもよいが、面自体を湾曲させることは、製造コストが大となるので、接地電極であるサセプターとフィルム基板とが接触した際に、図3(c)に示すように水平方向に微小たわみδをもち、曲率半径長大の湾曲面をフィルム基板が形成可能なように、接地電極のフィルム基板対向面に湾曲面形成手段、例えば、接地電極の鉛直方向の随所に埋め込んだ高さの異なるセグメントにより、フィルム基板が湾曲面を形成するようになし、フィルム基板の縦皺発生の防止の向上を図ることができる。
【0028】
図4は、請求項3に関わる接地電極まわりのフィルム基板搬送構造の一例の部分拡大概略図を示し、図4(a)は、全体図、図4(b)は、ガス膜形成手段に関する図4(a)のB−B矢視拡大図である。
【0029】
図4の実施例においても、上部搬送ロール6と下部搬送ロール8の位置関係を、フィルム基板10が接地電極43に隣接するようにセッティングした上で、上記位置調整手段32によりフィルム基板と接地電極との距離を微調整し、フィルム基板10を接地電極43に、面接触できるように構成する点では、前記図3の実施例と共通している。図4の実施例においては、さらに、図4(b)に示すように、接地電極43が、図示しないガス流入口からガスを導入し、フィルム基板10との隣接面に複数個設けたガス供給口42からフィルム基板に対して反応ガスないしは反応ガスの一部のガスを供給し、接地電極とフィルム基板との間にフィルム基板平坦度保持用のガス膜を形成するためのガス膜形成手段を備える。
【0030】
このガス膜形成手段があれば、前記の位置調整手段32を省略してもよいが、その場合には、上部搬送ロール6と下部搬送ロール8の位置関係の精度を高める必要がある。上記構成により、縦皺の発生をガス圧力により防止することができる。ガスは、フィルム基板が若干湾曲するように中央のガス圧が高くなるように供給することが望ましい。
【0031】
図5は、複数の反応室を備えたこの発明の異なる実施例を示す。図1の実施例との相違点は、三つの反応室51、52、53を備え、これらの反応室の前後にシール機構54、55、56、57を有する点である。このシール機構を採用することにより、ステップロールでフィルム基板を1コマ送った後に停止し、反応室間のガスの混入を防ぎ、固定位置で成膜を行い、成膜終了後に、再びシール機構を開放して1コマ搬送を行うことができる。反応室間のシールは非常に短い間隔で行うことが可能である。この実施例によれば、n、i、p型の半導体を各室で独立して成膜可能である。
【0032】
なお、以上の実施例においては、RF電極が下部の昇降機構に固定された例を示したが、RF電極が反応室の扉に固定され、扉が手前に引き出されるレールを備えた構成とすることもできる。
【0033】
【発明の効果】
前述のように、この発明によれば、フィルム基板の搬送手段を、前記フィルム基板が接地電極に隣接して進行するような位置関係を維持するものとなし、かつ接地電極は、前記フィルム基板をこの接地電極に面接触させるように,フィルム基板と接地電極との距離を微調整するための位置調整手段を備えたものとしたこと(請求項1)または、前記接地電極は、前記フィルム基板との隣接面からフィルム基板に対して反応ガスないしは反応ガスの一部のガスを供給し、接地電極とフィルム基板との間にフィルム基板平坦度保持用のガス膜を形成するためのガス膜形成手段を備えたものとしたこと(請求項2)ないし前記請求項1と2の組み合わせ(請求項3)により、フィルム基板は適正な張力を受けつつも接地電極のガイド効果またはガス膜圧により、縦皺の発生が防止できる。また、接地電極のフィルム基板対向面は、湾曲面とする、または湾曲面形成手段を備えるものとしたこと(請求項4)により、縦皺発生防止効果はさらに向上する。さらに、エッジポジションコントローラやダンサーロールを備えること(請求項5ないし6)により、成膜の品質向上を図ることができる。さらにまた、高周波印加電極を、反応室下部に設けた昇降手段に固定されたものとし(請求項7)、反応室内壁へのプラズマによる粉末付着防止用のサブヒータを高周波印加電極の側面と反応室との間の空間に配設する(請求項8)により、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜半導体の製造装置の実施例の概略構成図である。
【図2】図1におけるA−A矢視一部詳細断面図である。
【図3】請求項1に関わる接地電極まわりのフィルム基板搬送構造の一例の部分拡大図である。
【図4】請求項3に関わる接地電極まわりのフィルム基板搬送構造の一例の部分拡大図である。
【図5】複数の反応室を備えたこの発明の異なる実施例を示す図である。
【符号の説明】
1,51,52,53:反応室、2:ガス供給系、3:排気系、4:高周波印加電極、5,33,43:接地電極、6:上部搬送ロール、8:下部搬送ロール、10:フィルム基板、11:連通口、14:ワインダー室、17:アンワインダー室、19,20:エッジポジションコントローラ、23:昇降手段、24:サブヒータ、31:ヒータ、32:位置調整手段、42:ガス供給口、61:ダンサーロール。

Claims (8)

  1. 帯状可撓性のフィルム基板の面上に複数の異なる性質の薄膜を積層して薄膜半導体を形成するための少なくとも一つの反応室と、前記反応室へ薄膜に応じた反応ガスを供給するガス供給系と、前記反応室の圧力を制御しながらガスを排気する排気系と、前記反応室内にほぼ鉛直に配置された複数の高周波印加電極と、この高周波印加電極と対向する位置に配置された複数の接地電極と、前記フィルム基板加熱用のヒータと、前記接地電極と高周波印加電極との間を前記両電極の主面と略平行にフィルム基板を進行させ,かつフィルム基板に所定の張力をかけるための搬送手段と、前記フィルム基板巻出し用アンワインダー室と、フィルム基板巻取り用ワインダー室とを備えた薄膜半導体の製造装置において、前記搬送手段は、前記フィルム基板が接地電極に隣接して進行するような位置関係を維持するものとなし、かつ前記接地電極は、前記フィルム基板をこの接地電極に面接触させるように,フィルム基板と接地電極との距離を微調整するための位置調整手段を備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  2. 帯状可撓性のフィルム基板の面上に複数の異なる性質の薄膜を積層して薄膜半導体を形成するための少なくとも一つの反応室と、前記反応室へ薄膜に応じた反応ガスを供給するガス供給系と、前記反応室の圧力を制御しながらガスを排気する排気系と、前記反応室内にほぼ鉛直に配置された複数の高周波印加電極と、この高周波印加電極と対向する位置に配置された複数の接地電極と、前記フィルム基板加熱用のヒータと、前記接地電極と高周波印加電極との間を前記両電極の主面と略平行にフィルム基板を進行させ,かつフィルム基板に所定の張力をかけるための搬送手段と、前記フィルム基板巻出し用アンワインダー室と、フィルム基板巻取り用ワインダー室とを備えた薄膜半導体の製造装置において、前記搬送手段は、前記フィルム基板が接地電極に隣接して進行するような位置関係を維持するものとなし、かつ前記接地電極は、前記フィルム基板との隣接面からフィルム基板に対して反応ガスないしは反応ガスの一部のガスを供給し、接地電極とフィルム基板との間にフィルム基板平坦度保持用のガス膜を形成するためのガス膜形成手段を備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、前記接地電極は、ガス膜形成手段に加え、さらに、フィルム基板と接地電極との距離を微調整するための位置調整手段を備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のものにおいて、前記接地電極とフィルム基板とが接触した際には,水平方向に微小たわみをもち曲率半径長大の湾曲面をフィルム基板が形成可能なように、接地電極のフィルム基板対向面は、湾曲面とする、または湾曲面形成手段を備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のものにおいて、前記反応室は単室であり、この反応室とフィルム基板巻出し用アンワインダー室および反応室とフィルム基板巻取り用ワインダー室とをそれぞれ接続してフィルム基板を送通するための連通口を有し、前記少なくともいずれかの室内の前記連通口の近傍には、フィルム基板巻取り位置調整用のエッジポジションコントローラを備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のものにおいて、前記反応室内のフィルム基板出入口近傍には、フィルム基板の張力保持用のダンサーロールを備えたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のものにおいて、前記高周波印加電極は、反応室下部に設けた昇降手段に固定されたことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のものにおいて、反応室内壁へのプラズマによる粉末付着防止用のサブヒータを高周波印加電極の側面と反応室との間の空間に配設したことを特徴とする薄膜半導体の製造装置。
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