JP3559646B2 - すくい管制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントにおいて再循環ポンプの速度制御を行うすくい管制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、原子力発電所は図9のように構成されている。図9において、原子炉出力の制御手段には、制御棒100により原子炉101内の中性子反応度を制御する方法と、原子炉101内の冷却材の再循環流量の増減によって冷却材中のボイド量の増減により中性子の反応度を制御する方法の二通りある。ボイド量は、原子炉101の外部に設置された再循環ポンプ102により冷却材を擾乱するスピードを変化することにより調節される。
【0003】
この再循環ポンプ102は、一定速度で回転する電動機103により流体継手104を介して交流発電機105を回し、その発電量に応じて再循環ポンプ用電導機106を動作させることにより再循環ポンプ102の回転数を制御している。流体継手104内には油が含まれ、この油の密度をすくい管によって調節することにより電動機103と交流発電機105との伝達係数を変化させ、発電機105の出力を制御し、再循環ポンプ102の回転数の制御を行っている。すくい管は、すくい管制御装置107からのすくい管駆動信号aに応じて、すくい管制駆動ユニット109内のすくい管駆動モータで動作し、流体継手104内の油の量の調節を行っている。
【0004】
すなわち、再循環制御装置110は交流発電機105の回転数bを電磁ピックアップ116で検出することにより、再循環ポンプ用電動機106の回転数を検出し、原子炉101の再循環流量が所定値になるように、すくい管制御装置107にすくい管位置制御信号cを出力する。すくい管制御装置107は、再循環制御装置110からのすくい管位置制御信号cに基づいて、すくい管駆動ユニット109に透く管駆動信号aを出力する。すくい管駆動ユニット109により駆動されたすくい管の駆動量はブラシレスリニアシンクロ115で検出され、すくい管制御装置107にフィードバックされている。
【0005】
図10に、すくい管制御装置107の構成図を示す。すくい管制御装置107は、三相交流電源4から電源供給を受け、すくい管制御ユニット2は、三相交流電源4からの電源を調節して、すくい管駆動ユニット109のすくい管駆動モータ1に電源を供給する。また、すくい管駆動ユニット109のブレーキ5には、電源線13を介して三相交流電源4のうちの任意の二相から電源が供給される。そして、モータ用電磁接触器30は、三相交流電源4の異常を監視し、異常の際にはモータ制御ユニット用遮断器7を遮断(開)して、すくい管駆動モータ1の制御を中断する。同様に、ブレーキ用電磁接触器31は、三相交流電源4の異常を監視し、異常の際にはブレーキ用遮断器8を遮断(開)して、すくい管駆動モータ1を制御するブレーキ5ヘの電源を遮断する。
【0006】
図10において、三相交流電源4が断すると、モータ用電磁接触器30が動作してモータ制御ユニット用遮断器7が開放され、すくい管駆動モータ1の制御が中断される。また同時に、ブレーキ用電磁接触器31も動作してブレーキ用遮断器8が開放され、ブレーキ5への電源が遮断される。ブレーキ5は電源供給で開放、電源断で制動動作する構成としているので、すくい管駆動モータ1の制御停止時はブレーキ制動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来のすくい管制御装置107では、三相交流電源4が断するとモータ用電磁接触器30及びブレーキ用電磁接触器31が動作するようになっているが、ブレーキ用電磁接触器31の単一動作の時には、すくい管駆動モータ1は回転しようとするのに対しブレーキ5がかかるので、すくい管駆動モータ1は半制動状態となる。したがって、ブレーキ5が焼損したり、あるいはブレーキ5の制動力が駆動トルクより大きいとモータ制御ユニット2に過負荷がかかる恐れがある。
【0008】
また、従来のすくい管制御装置107は一重化構成なので、モータ制御ユニット2、モータ用電磁接触器30、ブレキ用電磁接触器31等の故障、あるいは三相交流電源4の異常に対しては、故障復旧まですくい管の制御を中止しなくてはならない。このため、再循環ポンプ102の制御が一時不能となる。
【0009】
更にまた、三相交流電源4のうちの任意の二相間のみに電源監視用の電磁接触器30、31を接続しているため、電磁接触器30、31の接続されていない相の欠相によるすくい管駆動モータ1の動作不良が発生した場合、その原因を早期に検出することができない。
【0010】
本発明の目的は、再循環ポンプの速度制御を司るモータ制御ユニット、およびブレーキ電源装置への電源供給の信頼性を向上させ、再循環ポンプの速度制御を円滑に行うことができるすくい管制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、油量を調節するためのすくい管駆動モータを制御するモータ制御ユニットと、モータ制御ユニットの一次側に設けられモータ制御ユニットへの三相交流電源の投入や遮断を行うための主回路入力側遮断器と、すくい管駆動モータを制動するブレーキに電源を供給するためのブレーキ電源装置に対し主回路入力側遮断器の二次側より分岐して三相交流電源を供給する電源線とを備えている。
【0012】
請求項1の発明では、モータ制御ユニットへは主回路入力側遮断器を介して三相交流電源を供給し、ブレーキ電源装置へは主回路入力側遮断器の二次側より分岐した電源線にて電源供給する。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、モータ制御ユニットと主回路側遮断器とを多系列設置し、各系列のモータユニットからのすくい管駆動モータへの駆動指令信号を切り換えるためのモータ制御ユニット用遮断器と、すくい管駆動モータへ駆動指令信号を出力している系列のモータ駆動制御ユニットの三相交流電源からブレーキ電源装置に電源を供給するように電源線を切り換えるためのブレーキ用遮断器とを備えている。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の作用に加え、多系列の各モータ制御ユニットの出力をモータ制御ユニット用遮断器で切り替えてすくい管駆動モータを制御し、ブレーキ電源装置へは、多系列の各主回路入力側遮断器の二次側からブレーキ用遮断器を介し、かつ各系列からの電源を切り替えてブレーキ電源装置への電源を供給する。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、主回路入力側遮断器の一次側に設けられ三相交流電源の各相の不足電圧を検出するための三相電源監視回路と、三相電源監視回路が三相交流電源の各相の不足電圧を検出したときは主回路入力側遮断器を遮断するための監視リレーとを備えている。
【0016】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、三相電源監視回路が三相交流電源の各相の電圧不足を検出したときは、監視リレーはその電圧不足となった三相交流電源に接続された主回路入力側遮断器を開放すると共に、多系統構成の場合は、モータ制御ユニットの出力側のモータ制御ユニット用遮断器及びブレーキ用遮断器を切り替える。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、モータ制御ユニット内に容量性負荷が接続されている場合、その容量性負荷と共振し電圧上昇を抑えるための誘導性回路を三相電源監視回路内に設けたものである。
【0018】
請求項4の発明では、請求項3の発明の作用に加え、三相電源監視回路内の電流と電圧の位相のズレによる電圧上昇を抑制する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成図である。この第1の実施の形態は、主回路入力側遮断器3を設け、モータ制御ユニット2へは主回路入力側遮断器3を介して三相交流電源を供給し、ブレーキ電源装置6へは 主回路入力側遮断器3の二次側より分岐して電源供給するようにしたものである。
【0020】
すなわち、図10に示した従来例に対し、モータ制御ユニット2の出力段のモータ制御ユニット用遮断器7に代えて、主回路入力側遮断器3をモータ制御ユニット2の入力側に設置し、すくい管駆動モータの運転/停止をモータ制御ユニット2への電源供給ラインを入/切することで行い、またブレーキ電源装置6への電源供給をモータ制御ユニット2の入力側に設置された主回路入力側遮断器3の二次側より分岐した電源線13にて供給するようにしたものである。なお、入力側遮断器3に開閉指令を出す開閉指令手段は、図1では図示を省略しているが、再循環制御装置110からの指令や異常検出装置からの指令により主回路入力側遮断器3は開閉制御される。
【0021】
図1において、すくい管制御装置107のモータ制御ユニット2は、三相交流電源4からの電源を変換して、すくい管を駆動するすくい管駆動モータ1に対し出力する。このモータ制御ユニット2は、主回路入力側遮断器3を介して三相交流電源4から電源の供給を受けている。また、すくい管駆動モータ1を制動するブレーキ5は、ブレーキ電源装置6により電源供給を受け、このブレーキ電源装置6は主回路入力側遮断器3の二次側より分岐した電源線13より電源供給を受ける。
【0022】
いま、主回路入力側遮断器3が開となると、モータ制御ユニット2への電源が供給されなくなり、すくい管駆動モータ1は、すくい管制御装置107の制御を離れる。これと同時にブレーキ電源装置6への電源も供給されなくなるので、ブレーキ5が動作し、すくい管駆動モータ1を確実に制動する。また、図1では、単相入力のブレーキ電源装置6を用いて三相交流電源4のR−S相より分岐して電源供給を受ける例を示しているが、S−T相、およびR−T相から分岐しても同様であることは言うまでもない。更にまた、三相入力のブレーキ電源装置6を用いても同様である。
【0023】
この第1の実施の形態によれば、ブレーキ電源装置6への電源供給を主回路入力側遮断器3の二次側より分岐して供給しているので、主回路入力側遮断器3が閉の時にはブレーキ電源装置6に電源が供給される。一方、主回路入力側遮断器6が開となると、モータ制御ユニット2とブレーキ電源装置6への電源が同時に遮断される。したがって、確実にすくい管駆動モータ1にブレーキを掛けることができる。
【0024】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2に示す。この第2の実施の形態は、図1に示したモータ制御ユニット2を多重化し、多系列としたものである。多系列の各々のモータ制御ユニット2a、2bの出力は、モータ駆動ユニット用遮断器7で切り替えてすくい管駆動モータ1に出力され、ブレーキ電源装置6へは、多系列の各主回路入力側遮断器3の二次側からブレーキ用遮断器8を介し、かつ各系列からの電源を切り替えてブレーキ電源装置6への電源が供給される。
【0025】
すなわち、この第2の実施の形態は、モータ制御ユニット2a、2bを多重化して、それぞれの主回路入力側遮断器3a、3bの二次側から分岐した電源を、運転中の系列と対応させて切り替えるようブレーキ電源装置6へ電源を供給し、すくい管駆動モータ1の駆動電源とブレーキ電源装置6との入/切を同じタイミングで行うようにしたものである。
【0026】
図2において、すくい管制御装置107のモータ制御ユニット2a、2bを多重化し、ブレーキ電源装置6への電源を各三相交流電源4a、4bに対応した主回路入力側遮断器3a、3bの二次側から、ブレーキ用遮断器8を介して切り替えた後に供給するように構成されている。このブレーキ用遮断器8の切替タイミングは、モータ制御ユニット用遮断器7の切替タイミングと同時に動作するよう構成する。したがって、ブレーキ電源装置6への電源は常に運転されているモータ制御ユニット(運転系)より供給される。主回路入力側遮断器3a、3bは、運転中は常に閉である。
【0027】
いま、運転系のモータ制御ユニット2はモータ制御ユニット2bであるとする。この状態では、モータ制御ユニット遮断器7及びブレーキ用遮断器8は共に運転系であるモータ制御ユニット2bの三相交流電源4bから電源供給を受けるように切り換えられている。この状態で、主回路入力側遮断器3bが開となると、図1に示した第1の実施の形態と同様に、モータ制御ユニット2bへの電源が供給されなくなる。この場合、運転系の主回路入力側遮断器3bが開となり、モータ制御ユニット2bへの電源を遮断すると同時に、ブレーキ電源装置6への電源供給も遮断されるので、ブレーキ5が動作してすくい管駆動モータ1を確実に制動する。
【0028】
この第2の実施の形態によれば、すくい管駆動モータ1のモータ制御ユニット2が多重化構成となっても、各主回路入力側遮断器3a、3bの二次側から運転中の系列と対応させてブレーキ電源装置6へ電源を供給する構成となっているので、運転系の主回路入力側遮断器3が閉のときにはブレーキ電源装置6に電源が供給され、運転系の主回路入力側遮断器3が開となること、ブレーキ電源装置6への電源も同時に遮断され、確実にすくい管駆動モータ1にブレーキをかけることができる。
【0029】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3は本発明の第3の実施の形態を示すブロック構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、主回路入力側遮断器3の一次側に適切なインピーダンス比で構成された三相トランス11を内蔵する三相電源監視回路10を接続し、三相電源監視回路10の三相トランス11の二次側に各相の不足電圧検出を行う監視リレー12を設けたものである。
【0030】
すなわち、主回路入力側遮断器3の一次側に適切なインピーダンス比で構成された三相トランス11を内蔵する三相電源監視回路10を接続し、三相電源監視回路10の三相トランス11の二次側に各相の不足電圧検出を行う監視リレー12を接続している。これにより、三相交流電源4の各相の不足電圧(欠相)を検出し、三相交流電源4のいずれかの相に不足電圧(欠相)が発生した場合には監視リレー12により、主回路入力側遮断器3を開する。
【0031】
三相交流電源4の各相の欠相時における三相電源監視回路10内の等価回路を図4に示す。図4(A)はR相断の場合の等価回路を示し、図4(B)はS相断の場合の等価回路を示し、図4(C)はT相断の場合の等価回路を示している。ここで、モータ制御ユニット2の入力インピーダンスは、すくい管駆動モータ1を駆動していない定常時には入力電流が流れないため、入力インピーダンスは無限大とみなすことが可能である。したがって、以下の説明ではモータ制御ユニット2の入力インピーダンスを無限大として説明する。
【0032】
図4において、一相欠相時、図3の三相電源監視回路10の三相トランス11の二次側に接続される監視リレー12の最小復帰電圧(監視リレー12が100%無励磁となる電圧)αよりも、図3の三相電源監視回路10内の三相トランス11の各相の何れか一つのトランス11a、11b、11cの二次側電圧が小さくなるように、三相電源監視回路10内の三相トランス11のインピーダンスの比を以下の式(1)〜(3)を満たすように決定する。
【0033】
ここで、図3に示すように三相電源監視回路10内の三相トランス11の各相のトランス11a、11b、11cのインピーダンスをそれぞれZ1、Z2、Z3、ブレーキ電源装置6のインピーダンスをZBとする。またβは、監視リレー12の励磁電圧に応じて変圧された三相電源監視回路10内のトランス11の一次側と二次側の巻線比(一次巻線:二次巻線=β:1)である。以下の式中のZB//Z1は、ZBとZ1が並列接続の場合の合成インピーダンスを表す。
【0034】
{(ZB//Z1)/(ZB//Z1+Z3)}・(V/β)<α …(1)
{(ZB//Z1)/(ZB//Z1+Z2)}・(V/β)<α …(2)
Z2/(Z2+Z3)・(V/β)<α …(3)
ここで、監視リレー12の最小復帰電圧αをその励磁電圧V/βの約1/3であるとすると、V/3β≒αの関係から(1)〜(3)式はそれぞれ次式のように表せる。
【0035】
{(ZB//Z1)/(ZB//Z1+Z3)}<1/3 …(4)
{(ZB//Z1)/(ZB//Z1+Z2)}<1/3 …(5)
Z2/(Z2+Z3)<1/3 …(6)
ここで、上記の(4)〜(5)式を満足するインピーダンス比として、Z3:Z2:Z1の比を、例えば以下のように設定する。
【0036】
Z3:Z2:Z1=9:3:1 …(7)
(7)式を用いると、(4)〜(6)式の左辺はそれぞれ1/10、1/4、および1/4となり、いずれ各不等式の条件を満足する。ここで、(4)〜(6)式のZBを省略したが、ZBはいずれもZ1と並列に接続されているためZBとZ1の合成インピーダンスは、たとえばZB≒Z1としても以下の(8)式に示すように、Z1よりも必ず小さくなるため、(7)式のようにZ1が最小となるようなインピーダンス比とすることでZBのインピーダンスは無視することができる。
【0037】
(ZB・Z1)/(ZB+Z1)≒(Z1・Z1)/(Z1+Z1)=Z1/2…(8)
上記のように(4)〜(6)式を満たすようなインピーダンス比で構成される。三相トランス11を用いて三相電源監視回路10を構成することにりより、三相交流電源4の欠相時には、何れかひとつのトランス11a、11b、11cの二次側電圧が監視リレー12の最小復帰電圧よりも小さくなり、監視リレー12が動作することによって確実に電源の欠相を検出することができる。
【0038】
異常のようにこの第3の実施の形態によれば、三相交流電源4が欠相した場合、主回路側入力遮断器3の一次側に接続された三相電源監視回路10内の三相トランスのうちのどれか一つのトランスの両端電圧が低下し、このトランスの二次側に接続された監視リレー12が動作するので、三相交流電源10の一相欠相を検出することが可能である。
【0039】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図5は本発明の第4の実施の形態のブロック構成図である。この第4の実施の形態は図3に示した第3の実施の形態に対し、モータ制御ユニット2内に三相電源監視回路10内の三相トランス11の電圧上昇を引き起こす容量性負荷X1が接続されている場合に、その容量性負荷X1と共振し電圧上昇を抑える誘導性回路X2を三相電源監視回路10内に設けたものである。
【0040】
モータ制御ユニット2内に容量性負荷X1が接続されている場合には、三相電源監視回路10内の電流と電圧との位相のズレを引き起し、三相トランス11の電圧上昇を引き起こすことがある。そこで、その容量性負荷X1と共振し電圧上昇を抑える誘導性回路X2を三相電源監視回路10内に接続する。
【0041】
図5において、モータ制御ユニット2内の容量性負荷X1は、電源投入時にモータ制御ユニット2内の主制御部20内へ直接に過電流(電源投入時に流れる定格電流よりもかなり大きい電流)が流れるのを防ぐために、電源投入有無を検出し電源投入時には設定時間後に電流を流すためのタイマリレーであり、コンデンサCで構成されている。三相電源監視回路10内には、そのコンデンサCよりなる容量性負荷X1と共振し電流の位相進みを補償するための誘導性回路X2が設けられている。この場合、誘導性回路X2としてインダクタンスLを接続することにより、容量性負荷X1による三相電源監視回路10内の電流と電圧の位相のズレによる三相トランス11の電圧上昇を制御することが可能である。
【0042】
ここで、図6に示すように、容量性負荷X1であるコンデンサCの回路上の抵抗をRとすると、抵抗R、コンデンサC、および誘導性回路X2であるインダクタンスLによる合成インピーダンスZは、電源の角周波数をωとすると(9)式のように表すことができる。
【0043】
【数1】
【0044】
そして、合成インピーダンスZが純抵抗となるように、(9)式の分子と分母の位相角を等しくすると(10)式となり、この(10)式より、インダクタンスLの値は(11)式のようになる。
【0045】
【数2】
【0046】
このとき、図6の端子ab間のインピーダンスZ’は、(12)式に示されるようになり、電源電圧Vの実効電圧をVeとするとインダクタンスLを入れない場合の実効電流Ie’が(13)式で示されるのに対して、インダクタンスLを入れた場合Ieは(14)式で示されるように小さくなる。
【0047】
【数3】
【0048】
この様子を、図7に示したアドミタンス平面でのベクトル図を用いて説明する。コンデンサCによる進み位相φ分の力率の低下によって、(13)式で表される電流で図5でのR−S相間に流れ、三相電源監視回路10内のR−S相間のトランス11aの一次側電圧の上昇として現れる。この位相進みを補償するインダクタンスL(誘導性回路X2)を三相電源監視回路10内のR−S相間に接続することで、見かけ上、位相差のない回路となり、(14)式で表されるようにIeはIe’よりも小さくすることができる。その結果、R−S相間のトランス11aの一次側の電圧上昇は抑えられ監視リレー12の不動作を防止することが可能である。
【0049】
この第4の実施の形態によれば、モータ制御ユニット2内に容量性負荷X1が接続されている場合、三相電源監視回路10内にその容量性負荷X1と共振する誘導性回路X2を接続することで、三相電源監視回路10内の電圧と電流の位相のズレによる三相トランス11の電圧上昇を制御し、三相交流電源4が欠相した場合には、三相交流電源4の一相欠相を検出することが可能である。
【0050】
図8に本発明の第5の実施の形態を示す。この第5の実施の形態は、モータ制御ユニット2を多重化し多系列としたものに、三相電源監視回路10a、10bを適用したものである。
【0051】
すなわち、各系列の主回路入力側遮断器3a、3bの一次側に、第3の実施の形態又は第4の実施の形態で示した三相電源監視回路10a、10bを設置し、各三相電源監視の結果により、モータ制御ユニット2a、2bの出力側のモータ制御ユニット用遮断器7を切り替える。これにより、モータ制御ユニット2が多重化された場合にも三相電源監視回路10により三相電源の異常を監視し、異常の際はその異常系を除外して正常なモータ制御ユニット2側で制御を継続する。
【0052】
図8において、図3に示したモータ制御ユニット2及び三相電源監視回路10を多重化したものに、モータ制御ユニット用遮断器7とブレーキ用遮断器8とを接続し、三相電源監視回路10の監視結果により、異常系の主回路入力側遮断器3を切とする。すくい管駆動モータ1は、モータ駆動用遮断器7の切換え動作により、どれか一つのモータ制御ユニット2から駆動されることによって制御される。主回路入力側遮断器3はいずれも閉としてモータ制御ユニットの出力段にてすくい管駆動モータ1への駆動指令信号を切り替えるようにしている。
【0053】
いま、三相電源監視回路10によって三相交流電源4の異常が検出されたとすると、三相電源監視回路10の三相トランス11の二次側に接続された監視リレー12が動作し、主回路入力側遮断器2が開となる。この場合、電源異常の系が運転系である場合、モータ制御ユニット用遮断器7によってすくい管駆動モータ1の駆動部であるモータ制御ユニット2を正常系に切り替える。これにより、モータ制御ユニット2や主回路入力側遮断器3の故障、あるいは三相交流電源4の異常に対してもモータ駆動部であるモータ制御ユニット2を正常系に切り替えることにより安定してすくい管の制御を行うことが可能である。
【0054】
この第5の実施の形態によれば、すくい管駆動モータ1のモータ制御ユニット2と、そのモータ制御ユニット2の三相電源監視回路10との多重化を行っている。これにより電源異常の際には、三相電源監視回路10の監視リレー12が動作し、すくい管駆動モータ1のモータ制御ユニット2を正常系へ切り替えることにより、電源の異常時にもすくい管の制御を継続することか可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、原子力発電所における再循環ポンプの回転数を制御するためのすくい管制御装置への電源供給方法の改善と電源監視を強化したことにより、すくい管制御装置の信頼性を向上できる。
【0056】
すなわち、請求項1の発明によれば、ブレーキ電源装置がモータ制御ユニットの電源である三相交流電源と同一系統であり、かつ主回路入力側遮断器の二次側に接続されているので、主回路入力側遮断器が開となると確実にすくい管駆動モータにブレーキをかけることができる。
【0057】
請求項2の発明によれば、ブレーキの電源系統が多重化されているので、電源異常の際も正常系に切り換えることで安定してブレーキをかけることができる。
【0058】
請求項3の発明によれば、欠相検出を行う適切なインピーダンス比で構成されたトランスを内蔵する三相電源監視回路を主回路入力側遮断器の一次側に接続することで、三相交流電源の欠相を三相電源監視回路内の三相トランスの二次側に接続される監視リレーにより検出することができる。また、すくい管駆動モータの駆動機構であるモータ制御ユニットを多重化した場合には、電源異常やモータ制御ユニットの故障の際も正常系に切り換えることにより安定してすくい管の制御を行うことができる。
【0059】
請求項4の発明によれば、モータ制御ユニット内に接続される容量性負荷と共振する誘導性回路を三相電源監視回路内に接続することで、電圧と電流の位相のズレによる三相電源監視回路内の三相トランス電圧の異常を抑制し、モータ制御ユニット内の容量性負荷に影響されることなく三相交流電源の欠相検出を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すブロック構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態における三相交流電源の各相断時の三相電源監視回路内の等価回路の構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示すブロック構成図。
【図6】本発明の第4の実施の形態における容量性負荷による電流と電圧の位相のズレを補償するために誘導性回路を並列に接続した回路の構成図。
【図7】図6に示した電流と電圧の位相改善を説明したアドミタンス図。
【図8】本発明の第5の実施の形態を示したブロック構成図。
【図9】原子力発電所の概略構成図。
【図10】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
1 すくい管駆動モータ
2 モータ制御ユニット
3 主回路入力側遮断器
4 三相交流電源
5 ブレーキ
6 ブレーキ電源装置
7 モータ制御ユニット用遮断器
8 ブレーキ用遮断器
10 三相電源監視回路
11 三相トランス
12 監視リレー
13 電源線
20 主制御部
30 モータ用電磁接触器
31 ブレーキ用電磁接触器
X1 容量性負荷
X2 誘導性回路
100 制御棒
101 原子炉
102 再循環ポンプ
103 電動機
104 流体継手
105 交流発電機
106 再循環ポンプ用電動機
107 すくい管制御装置
109 すくい管駆動ユニット
110 再循環制御装置
115 ブラシレスリニアシンクロ
116 電磁ピックアップ歯車
Claims (4)
- 原子炉の再循環ポンプの回転数制御を流体継手の油量を調節することにより行うすくい管制御装置において、前記油量を調節するためのすくい管駆動モータを制御するモータ制御ユニットと、前記モータ制御ユニットの一次側に設けられ前記モータ制御ユニットへの三相交流電源の投入や遮断を行うための主回路入力側遮断器と、前記すくい管駆動モータを制動するブレーキに電源を供給するためのブレーキ電源装置に対し前記主回路入力側遮断器の二次側より分岐して前記三相交流電源を供給する電源線とを備えたことを特徴とするすくい管制御装置。
- 前記モータ制御ユニットと前記主回路側遮断器とを多系列設置し、各系列の前記モータユニットからの前記すくい管駆動モータへの駆動指令信号を切り換えるためのモータ制御ユニット用遮断器と、前記すくい管駆動モータへ駆動指令信号を出力している系列の前記モータ駆動制御ユニットの前記三相交流電源から前記ブレーキ電源装置に電源を供給するように前記電源線を切り換えるためのブレーキ用遮断器とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のすくい管制御装置。
- 前記主回路入力側遮断器の一次側に設けられ前記三相交流電源の各相の不足電圧を検出するための三相電源監視回路と、前記三相電源監視回路が前記三相交流電源の各相の不足電圧を検出したときは前記主回路入力側遮断器を遮断するための監視リレーとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のすくい管制御装置。
- 前記モータ制御ユニット内に容量性負荷が接続されている場合、その容量性負荷と共振し電圧上昇を抑えるための誘導性回路を前記三相電源監視回路内に設けたことを特徴とする請求項3に記載のすくい管制御装置。
Priority Applications (1)
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JP09169396A JP3559646B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | すくい管制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09169396A JP3559646B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | すくい管制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09203787A JPH09203787A (ja) | 1997-08-05 |
JP3559646B2 true JP3559646B2 (ja) | 2004-09-02 |
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ID=14033601
Family Applications (1)
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JP09169396A Expired - Lifetime JP3559646B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | すくい管制御装置 |
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JP (1) | JP3559646B2 (ja) |
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JP5013785B2 (ja) * | 2006-09-06 | 2012-08-29 | 文化シヤッター株式会社 | 開閉装置の開閉体制御装置 |
-
1996
- 1996-01-26 JP JP09169396A patent/JP3559646B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09203787A (ja) | 1997-08-05 |
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