JP3559635B2 - エアロゾル分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ガス中に含まれるエアロゾルの成分を分析するために適用されるエアロゾル分析装置に係り、特に狭い空間領域におけるエアロゾル測定を容易に、かつ高精度で行えるようにしたエアロゾル分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エアロゾルとは分散媒体が気体(ガス)で、分散質が液体または固体のコロイドを示す。分散質が液体の場合には、エアロゾルは霧、もや、雲、等となり、分散質が固体の場合には、ちり、煙、煙霧、等となり、このエアロゾルの構成成分の測定は、環境状態の評価に重要な意味を持つ。
【0003】
エアロゾルに対して広範囲領域に対する測定としては、例えば大気汚染測定がある。環境汚染や近年の大気汚染の原因となる車の排気ガスや工業プラントの排煙には、硫黄化合物(SOx、HS等)、窒素化合物(NOX、NH等)、炭化水素等が含まれ、これらは化学反応または光化学反応によって硫酸塩あるいは硝酸塩となり、大気中の水蒸気を吸収して液体状のエアロゾルとなる。このような広範囲領域のエアロゾル計測は、大気汚染の状況把握およびその対策のために非常に重要な技術である。
【0004】
一方、狭い領域におけるエアロゾル成分の測定例としては、例えば工業用プラントにおける漏洩検出がある。これは、通常密閉されて検出されることのない物質の漏洩等の異常を、エアロゾル検出によって検出するもので、プラントの安全性を維持する上で非常に重要な技術である。その具体的な例として、高速増殖炉におけるナトリウムエアロゾルの検出がある。
【0005】
高速増殖炉においては、冷却材として金属ナトリウムを使用しており、ナトリウムを収納した容器、機器、配管等からナトリウムが漏洩すると、原子炉の冷却が不可能となる。また、ナトリウムは化学的に活性であり、ナトリウムの漏洩から火災に進展する可能性もある。したがって、ナトリウムは可能な限り、少量の漏洩を短時間で検出できることが望ましい。
【0006】
このエアロゾルの一般的な測定技術として、広範囲な空間領域測定を主眼においたものでは、レーザレーダによる計測がある。これは、大気中に照射したレーザ光の散乱による戻り光の強度と、その時間とを測定することにより、エアロゾル濃度の高度分布を測定するものである。ただし、この測定はエアロゾルによる戻り光強度が十分でないと測定できず、狭い領域の測定に対しては適用が難しい。したがって、狭い領域の測定には異なった原理による計測が必要である。
【0007】
この狭い空間領域に対するエアロゾル測定に関する従来技術としては、エアロゾル成分の同定をすることなくエアロゾル量を検出するものと、その成分を測定することができるものとがある。前者の技術としては半導体型、煙感知式等があり、後者の技術としてはレーザ励起型等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、狭い空間領域を対象としたエアロゾル測定器としては、半導体型や煙感知式等があるが、これらは分析対象以外のエアロゾルや埃でも反応し、分析目的に反して誤動作する可能性がある。
【0009】
また、従来では分析対象とするエアロゾル成分を選択的に測定するレーザ励起型の検出器が知られているが、これまでの技術ではエアロゾル成分を元素単位に分解するために大型の高周波プラズマ化装置が必要であり、システム全体が大掛かりになるとともに、長期間の耐用寿命が得られない等の問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特に狭い空間領域におけるエアロゾル測定を、元素単位に分割するための大掛かりな機構を必要とすることなくコンパクトな構成で、また誤動作のおそれもなく、遠隔操作等によって容易に、かつ高精度で行うことができ、しかも耐用寿命の長期化も図れるエアロゾル分析装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述したように、エアロゾルは、その構成する原子や分子が核となりミクロンサイズまで成長したものであり、その構成物質を計測するためには原子ないしは分子単位までに分解する必要がある。たとえば漏洩したナトリウムは、Na金属単体、NaO、NaOのエアロゾルとなり、このエアロゾルを原子ないしは分子単位までに分解する方法としてプラズマ化が一般的である。
【0012】
気体中でパルスレーザ光による強力な電場を集中させることにより、ブレークダウン(気中放電)を生じさせることが可能なことは周知の事実である。この場合、パルスレーザとしてはQスイッチYAGレーザが代表的なものであるが、ブレークダウン生成のためには、数100MW/cm〜数GW/cmのレーザ出力密度が達成できるものであれば、どのようなレーザでも適用可能である。
【0013】
ブレークダウンは、気体中にエアロゾルが存在すると、それによるエネルギ吸収のためにエアロゾルがプラズマ化されることにより促進される。このプラズマからは種々の光が発生するが、それはレーザ照射からの時間とともに変化する。レーザ光照射直後のナノ秒(10−9s)オーダーより短い時間帯では、プラズマからの白色光が主要な光であるが、マイクロ秒(10−6s)オーダ近くになると、プラズマ化されたイオンが電子と再結合し、エアロゾルを構成する原子の蛍光が現れ、その後、光は消滅する。
【0014】
そこで、エアロゾルを含むガスが導入されるサンプリングセルを使用し、エアロゾル成分を元素単位に分解するためにレーザ光の照射、または電気放電によってプラズマを生成させ、これによって生じる特定元素の蛍光を測定するか、あるいは特定元素の励起波長に同調させたレーザ光を照射し、これによって生じるレーザ誘起蛍光を測定することにより、エアロゾル中の特定元素の存在率を測定することが考えられる。
【0015】
本発明はこの現象を主に利用したもので、エアロゾルを原子化させるための高周波プラズマ化装置のような専用装置を設置することなく、エアロゾル構成原子の蛍光を生成させるためのレーザ光と、エアロゾルをプラズマ化させるためのレーザ光とを兼ねさせる構成とし、エアロゾルの成分元素とその量を、測定される元素特有の波長の蛍光から計測するものである。
【0016】
すなわち、請求項1の発明に係るエアロゾル分析装置は、エアロゾルを含むガスの出入口および複数の光学窓を有するとともに内部に反応領域を設定したサンプリングセルと、前記ガス中のエアロゾルをプラズマ化させるためのレーザ光を発するブレークダウン用レーザ装置と、このレーザ装置で発したレーザ光を前記サンプリングセルに前記光学窓から導入して前記反応領域に集光させるレーザ光集光手段と、前記反応領域で集光したレーザ光によるエアロゾルのブレークダウンによって発生する蛍光を他の光学窓の部位に集光させる蛍光集光手段と、集光した蛍光を前記他の光学窓から入力してその蛍光の波長分別により前記エアロゾルの構成元素の分析を行う光計測器とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
本発明において、レーザ光はナノ秒(10−9s )程度のパルス幅を有するパルスレーザ光が効果的である。この場合、レーザ出力が数100mJ/パルス程度あると、レーザ光の集光の程度によっては集光点での電界強度が数MV/cmにもなる。また、エネルギー的にも数GW/cmにもなり、レーザ光照射領域に存在するエアロゾルなどは瞬時にプラズマ化される。本発明ではエアロゾルに対してこのようなレーザ光をレーザ装置からサンプリングセルへ伝送し、サンプリングセル外部から光学窓ガラスを介してエアロゾルとの光反応領域へ導光する。サンプリングセル内に封入されたガスは、レーザ光によってプラズマ化され、その構成元素は高励起状態へ励起ないしはイオン化され、それらはその元素の基底状態へある寿命を持って遷移する。その際、元素特有の波長の蛍光を発生するため、その蛍光信号を光検出器によって計測することにより、エアロゾルを構成する元素の含有量を測定することができる。
【0018】
なお、ブレークダウン用レーザ装置としては、Nd;YAGレーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、半導体レーザ、COレーザ、Nレーザ等が好適である。
【0019】
また、この蛍光測定において、ブレークダウン用レーザ光の照射タイミングから蛍光測定時間をディレイさせ、測定対象とする元素の蛍光生成量が最も大きい時間のみに蛍光測定用ウィンドウを設けることにより、測定対象元素の検出感度を増加させることが望ましい。
【0020】
本発明によれば、エアロゾルをレーザ光により遠隔で計測することができ、かつ、複数の検出系を1系統のレーザ装置および信号処理システムで対応が可能となる。また、光による信号伝送を行うため、電磁気的な外来雑音の影響を受けることもない。
【0021】
なお、ブレークダウンによる元素の励起が十分でない場合や、ブレークダウンで生成しうる励起状態の制限により、生成される蛍光信号が十分でない場合もある。また、分析対象とする元素の蛍光波長が近接する場合には、測定精度が必ずしも十分に得られない可能性がある。このような場合においては、第1のブレークダウン用のレーザ光照射直後に、分析対象とする元素の励起量の大きな波長の第2のレーザ光を照射し、そこから生じるレーザ誘起蛍光を計測することにより、特定元素の含有量を高精度で評価することが可能となる。
【0022】
そこで、請求項2の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、エアロゾルをプラズマ化させるためのブレークダウン用レーザ装置に加え、プラズマ化されるエアロゾルの構成元素のうち分析対象とする元素に対応する特定の励起波長を有するレーザ光を発して特定元素の励起により蛍光を生じさせるレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置と、このレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置から発するレーザ誘起蛍光生成用レーザ光を光学窓を介してサンプリングセル内の反応領域に照射する照射手段とを備え、光計測器は、レーザ誘起蛍光強度を波長分別することによりエアロゾルの存在量を測定する機能を有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明において、第2のレーザ光であるレーザ誘起蛍光生成用レーザ光の照射タイミングは、第1のレーザ光であるブレークダウン用レーザ光によるブレークダウン後のプラズマが基底状態に遷移するμsオーダ後とする。このようにして、単なるブレークダウンでは生成し得ない蛍光も測定できるようになり、極微量のエアロゾルの成分検出も可能となる。
【0024】
レーザ光によって分解されプラズマ化されたエアロゾルの原子ないし分子の選択的な検出のためには、波長可変レーザ光を用いてその原子ないしは分子の共鳴状態の波長に同調させたレーザ光照射によるレーザ誘起蛍光計測が極めて有効である。例えばエアロゾルの主成分がナトリウムである場合には、照射するレーザ光の波長はいわゆるナトリウムのD線(589.6nmあるいは589.0nm)に同調させたレーザ光を照射することにより高感度のナトリウム検出が可能となる。その波長可変レーザ光を生成するレーザ光装置としては色素レーザ、または、非線形光学素子を用いた固体レーザ、等、波長可変レーザ、等が適用可能である。
【0025】
なお、この蛍光測定において、ブレークダウン用レーザ光の照射タイミングからレーザ誘起蛍光生成用レーザ光の照射時間をディレイさせ、測定対象とする元素の蛍光生成量が最も大きい時間にレーザ誘起蛍光測定用レーザ照射時間のウィンドウを設け、これにより測定対象元素の検出感度を増加させることが望ましい。
【0026】
次に、請求項3の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内のレーザ光照射位置にエアロゾルを捕獲するフィルタを設置し、光計測器は、前記フィルタの表面に付着するエアロゾルへのレーザ光照射によって生じるアブレーションプラズマからの蛍光を波長分別してエアロゾルを構成する元素およびその量を分析する機能を有することを特徴とする。
【0027】
本発明では、エアロゾルをガス流路に設置したフィルタにより捕獲し、この状態でレーザ光を照射し、フィルター表面でアブレーションプラズマを生成させる。この後のプロセスについては第1の発明と同様であり、フィルタに付着したエアロゾルの構成元素は高励起状態へ励起ないしイオン化され、その元素の基底状態へある寿命を持って遷移する。その際、元素特有の波長の蛍光を発生するため、その蛍光信号を光検出器によって計測することにより、エアロゾルを構成する元素の含有量を測定することができる。
【0028】
ところで、本発明では請求項2の発明と同様に、レーザ光による生成プラズマ内の元素の励起が十分でない場合や、ブレークダウンで生成しうる励起状態の制限で生成される蛍光信号が十分ではない場合、また分析対象とする元素の蛍光波長が近接する場合には測定精度に問題が生じる場合もある。このような場合においては、請求項2の発明と同様に、第1のブレークダウン用のレーザ光照射直後に、分析対象とする元素の励起量の大きな波長の第2のレーザ光を照射し、そこから生じるレーザ誘起蛍光を計測することが有効である。
【0029】
そこで、請求項4の発明は、請求項2記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内のレーザ誘起蛍光生成用レーザ光の照射位置にエアロゾルを捕獲するフィルタを設置し、光計測器は、前記フィルタの表面に付着するエアロゾルのレーザ誘起蛍光強度を波長分別することによりエアロゾルの存在量を測定する機能を有することを特徴とする。
【0030】
これにより、レーザ光による生成プラズマ内の元素の励起を高め、計測に十分な蛍光信号を得ることができ、また分析対象とする元素の蛍光波長が近接する場合でも測定精度を高めることができる。
【0035】
請求項の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置に加え、連続発振レーザ装置と、この連続発振レーザ装置から発するレーザ光を光学窓を介してサンプリングセル内の反応領域に照射する照射手段とを備え、光計測器は、前記サンプリングセル内における前記反応領域での連続発振レーザ光の散乱強度に基づいてエアロゾルの大きさと数とを測定する機能を有することを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、プラズマ発生領域にレーザ散乱計測用のレーザ光を照射することで、反応部におけるエアロゾルの成分およびその絶対量を計測することができる。すなわち、ミクロンサイズの微粒子にレーザ光を照射すると、一般に知られるレイリー散乱あるいはミー散乱によりレーザ光の散乱が生じる。これらの散乱メカニズムは、散乱要因となるエアロゾルの粒子径に依存し、また強度はエアロゾルの数密度に依存する。したがって、レーザ光の散乱強度を測定することによりエアロゾルの数を定量することができ、最近では一般的な計測技術となっている。本発明は、このレーザ散乱計測をその成分評価を結びつけたものであり、反応部におけるエアロゾルの成分の計測制度の向上が図れる。
【0037】
請求項6の発明は、請求項記載のエアロゾル分析装置であって、連続発振レーザ装置とレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置とを共に有するものにおいて、前記連続発振レーザ装置で発するレーザ光と前記レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置で発するレーザ光とをサンプリングセルへの導光経路途中で同軸合成する手段と、合成後のレーザ光を前記サンプリングセルに導光して反応領域に照射する照射手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
本発明によれば、光伝送のための光ファイバの本数の削減ができ、システムの簡素化が可能となる。すなわち、請求項の発明の場合、エアロゾル粒子数計測用のレーザ光としては連続光が好ましいが、その出力はmWオーダで十分である。したがって、サンプリングセルまでの光伝送は、レーザ誘起蛍光測定用のレーザ光と同一の光学経路で伝送が可能であり、最も容易な伝送手段は光ファイバである。そこで本発明では、それぞれのレーザ装置からのレーザ光をダイクロイックミラーやハーフミラー等の光合成用光学素子によって同軸上に空間合成し、光ファイバに入射することで、光ファイバ本数の削減等が図れ、システムの簡素化が可能となるものである。
【0039】
請求項の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、レーザ装置は1系統設置するとともに、サンプリングセルは複数設置し、前記1系統のレーザ装置から発するレーザ光を前記複数のサンプリングセルへ導光する手段として、光分配器と、この光分配器から各サンプリングセルへの光学経路を構成する複数の光ファイバまたは光ガイドパイプとを備えたことを特徴とする。
【0040】
本発明では、1系統のレーザ装置からレーザ光を複数のサンプリングセルへ導光する手段を、複数のファイバへ入射可能な光分配器、光分配器からサンプリングセルへの光学経路として光ファイバあるいは光ガイドパイプで構成する。光ガイドパイプの場合、エルボ部分にプリズムあるいはミラーが設置された中空のパイプを用いることが望ましい。
【0041】
請求項の発明は、請求項記載のエアロゾル分析装置において、光分配器は、レーザ光を所定の光ファイバまたは光ガイドパイプの方向に切換えるプリズムまたはミラーと、このプリズムまたはミラーの切換え動作を行うステップモータとを備えたことを特徴とする。
【0042】
本発明によれば、レーザ光を複数の光ファイバへ入射する光分配器として、プリズムあるいはミラーを有し、これをステップモータにより所望のファイバへ向けることにより、そのファイバへの導光を可能とするものである。なお、ステップモータの回転角度θによって導光するファイバは一義的に決まるため、この角度を計測すれば、どのサンプリングセルの計測を行っているかの確認が可能となる。
【0043】
請求項の発明は、請求項7記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセルの設置数よりも光計測器の設置数を少なくし、そのサンプリングセルから光計測器に蛍光を導く光学経路を集合させ、その集合した蛍光を前記光計測器で集中計測するようにしたことを特徴とする。
【0044】
本発明によれば、サンプリングセル数よりも少ない数の光計測装置で集中計測することで、構成の簡素化が図れるようになる。
【0045】
請求項10の発明は、請求項記載のエアロゾル分析装置において、複数のサンプリングセルからの蛍光を光計測器に導く光学経路は、複数の光ファイバと、この複数の光ファイバからの蛍光を一点に集光し得る光分配器と、集光した蛍光を導光する1系統の光ファイバまたは光ガイドパイプとを有することを特徴とする。
【0046】
サンプリングセル内でレーザ光によるブレークダウンを生じさせるためには、mJ/パルス程度の高出力レーザを伝送させる必要がある。本発明では、光ファイバないし中空の光ガイドパイプによるレーザ光の伝送を行うことで、レーザ装置から離れた場所に設置したサンプリングセルでの計測が可能となり、遠隔操作性を持たせることができる。なお、光ファイバを使用するか光ガイドパイプを使用するかについては、レーザ光の伝送効率や耐レーザ強度、あるいは使用環境条件等を考慮して選択すればよい。例えば、ブレークダウンさせるためのレーザ光強度が光ファイバの耐レーザ光強度を越えるような場合には、光ガイドパイプを用いることが望ましい。
【0047】
請求項11の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、レーザ装置からサンプリングセルまでレーザ光を導く光学経路と、前記サンプリングセルから光計測器まで蛍光を導く光学経路とを、共通な光学経路として構成し、その共通な光学経路は、レーザ光と蛍光とを分ける手段としてダイクロイックミラーを有することを特徴とする。
【0048】
本発明の前提となるレーザ光の伝送は最大の組合せで、(1)プラズマ発生のためのブレークダウン用レーザ光、(2)レーザ誘起蛍光生成用レーザ光、(3)エアロゾル数密度計測のための連続発振レーザ光の3つの組合せがある。また、蛍光伝送として、(4)エアロゾルの成分対応のレーザ誘起蛍光、(5)エアロゾルの数密度評価用の散乱光の2つがある。
【0049】
これらの光は、波長やパルス波形、出力など異なるが、それぞれの伝送用の光学経路はそれぞれ独立に取る必要はなく、むしろ同一経路で伝送出来るものはそうした方がよりシステムを簡素化出来る。このため本発明では、サンプリングセルで照射するレーザ光と、これによって生じる蛍光とをを導光するための光学経路を共有するものとし、その端部等において照射レーザ光と蛍光を分けるためのダイクロイックミラーを有するものとしている。ただし、これらの構成については、分析対象のエアロゾルの特性によってレーザ光の波長か測定する蛍光波長等に応じたシステムとして最適な構成があり、対象に応じて最適化させるべきものである。
【0050】
請求項12の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、光学経路を多バンドル光ファイバで構成し、その多バンドル光ファイバ部の一部をレーザ装置からサンプリングセルまでレーザ光を導く光学経路として適用し、残りの部分を前記サンプリングセルから光計測器まで蛍光を導く光学経路として適用したことを特徴とする。
【0051】
本発明においては、例えば多バンドル光ファイバの一部をレーザ光の伝送用に、また残りのファイバを蛍光伝送用とし、本体部は1本で両端をそれぞれの機能毎に分割してバンドル化する。こうすることにより、レーザ装置および光計測器側と、サンプリングセル側との間の光ファイバは一本化できる。
【0052】
請求項13の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内の反応領域で発生する蛍光を集光させる蛍光集光手段は、そのサンプリングセルの内部に設けた反射装置または外部に設けたレンズ装置であることを特徴とする。
【0053】
光反応部で生成する蛍光の計測は、高感度であればあるほどエアロゾルの組成元素の検出が高感度になる。したがって、発生する蛍光の検出によってカバーする立体角は大きいほど好ましい。本発明では、プラズマ発生点から生じる蛍光をサンプリングセル外部の蛍光伝送系への集光効率を増加させるため、サンプリングセル内部あるいは外部にエアロゾルを含むガスとレーザ光の反応点からの蛍光を集光する集光手段を設けたものである。集光手段としては、凹面ミラーあるいは凸レンズ等が好適である。これにより、蛍光検出系の有する立体角を増加させることができ、検出感度を大きく引き上げることが可能となる。
【0055】
プラズマ発生のためのレーザ光強度が強ければ、プラズマ化は容易に行われるが、その反面レーザ装置や光伝送系などへの仕様への要求が難しくなる。したがって、エアロゾル検出システムにおけるプラズマ生成用レーザはその出力が低くできれば好ましい。このため、本発明では照射したレーザ光を有効利用するために、サンプリングセルの内部で多重反射させ、複数回にわたってレーザ光の集光領域にレーザ光を集光させるものである。こうすることにより、少ないレーザ出力で効果的にブレークダウンを生じさせることができる。
【0056】
請求項14の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセルはエアロゾルを含むガスを導入するための複数のエアロゾル導入口を間隔的に有するものであり、レーザ光集光手段はレーザ光集光位置を前記の各エアロゾル導入口の位置に移動する集光位置調整機能を有することを特徴とする。
【0057】
サンプリングセルにエアロゾルを供給する複数のサンプリング配管を設ければ複数点のモニタが1つのサンプリングセルで可能となる。そこで本発明では、レーザ光の集光点を順次サンプリング配管からのエアロゾル導入口に集光照射するようにし、そこでの蛍光を計測することで、1つのサンプリングセルで複数のサンプリング配管から導入されるエアロゾルの分析が可能となる。
【0058】
請求項15の発明は、請求項14記載のエアロゾル分析装置において、集光位置調整機能を有するレーザ光集光手段は、照射するレーザ光の焦点を各サンプリング配管のエアロゾル導入口の位置に順次調節することが可能な複合レンズ装置であることを特徴とする。
【0059】
複数のサンプリング配管を設置したサンプリングセルにおいては、サンプリング配管のエアロゾル導入口の配列が例えばライン状に配置されているものであれば、複合レンズ装置によって、例えば順次焦点位置をエアロゾル導入口の位置に変化させることで対応が可能となる。このようにして、1つのサンプリングセルで複数のサンプリング配管から導入されるエアロゾルの分析を行うが可能となる。
【0060】
請求項16の発明は、請求項14記載のエアロゾル分析装置において、集光位置調整機能を有するレーザ光集光手段は、照射するレーザ光の向きを各サンプリング配管のエアロゾル導入口の位置に順次調節することが可能な回転式の反射ミラーまたはプリズムであることを特徴とする。
【0061】
複数のサンプリング配管を設置したサンプリングセルにおいては、サンプリング配管のエアロゾル導入口の配列が、例えば同心円上で径方向に向けて設置されているものであれば、レーザ光の焦点位置は変更する必要がなく、レーザ光の光路変更を反射ミラーまたはプリズムで行うことができる。このようにして1つのサンプリングセルで、複数のサンプリング配管からのエアロゾルの分析が行えるようになる。
【0062】
請求項17の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置において、蛍光発生状況をモニタする画像処理装置と、レーザ光の焦点位置、プラズマ生成状況、蛍光発生位置等の情報をモニタする手段とを備えたことを特徴とする。
【0063】
本発明において、サンプリングセル内の蛍光発生状況は、CCDカメラ等の画像処理装置にてモニタすることにより、レーザ光の焦点位置、プラズマ生成状況、蛍光発生位置等の情報が得られ、検出装置の稼働状況を常時モニタすることが可能となる。また、複数のサンプリング配管を具備するサンプリングセルにおいては蛍光の生成位置の画像データを得ることにより、どの配管からのエアロゾルを測定したかの情報も得ることが可能となる。
【0066】
請求項18の発明は、請求項1記載のエアロゾル分析装置に加え、模擬エアロゾルを発生させる模擬エアロゾル生成器と、この模擬エアロゾル生成器で発生した模擬エアロゾルをサンプリングセルまたはサンプリング用の配管に導入する導入機構とを備えたことを特徴とする。
【0067】
本発明によると、サンプリングセルの較正用の模擬エアロゾルを導入することにより、定期点検の際の較正が、サンプリングセルまたはサンプリング用の配管を設置した実際の配管等の現場で可能となるばかりでなく、サンプリングセルがエアロゾルを異常検知した際の確認を行うことも可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態で示すエアロゾル分析装置は、例えば高速増殖炉のナトリウムを内包する容器、機器、配管等からのナトリウム漏洩検出、工場排煙中の微量金属検出等に適用されるものである。
【0069】
図1は本発明の第1実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。
【0070】
本実施形態のエアロゾル分析装置は図1に示すように、ブレークダウン生成用レーザ装置1を備えており、このブレークダウン生成用レーザ装置1から発したレーザ光5が光分配器3、入力端子4a、光ファイバ4および出力端子4bを経て球状のサンプリングセル6の内部に、光学窓7aを介して入射されるようになっている。このレーザ光入射用の光学窓7aはサンプリングセル6の側面側の上部近傍位置に設けられ、レーザ光5は光学窓7からサンプリングセル6の内部に斜め下方に向かって照射されるようになっている。光学窓7の外側には、レーザ集光手段としての集光レンズ8が設けられ、この集光レンズ8によって、光ファイバ4から出射されたレーザ光5がサンプリングセル6の内部の一箇所、例えば底部近傍に集光されるようになっている。
【0071】
分析対象となるナトリウム等のエアロゾル9を含むガスは、サンプリングセル6の上部に設けたエアロゾル導入口10を介してサンプリングセル6内に下方に向って導入されるようになっている。そして、エアロゾル導入口10と対向するサンプリングセル6の底部位置にエアロゾル排出口11が設けられ、エアロゾル9を含むガスは、このエアロゾル排出口11を介して外方に流下して排出されるようになっている。前述した集光レンズ8の焦点位置は、このエアロゾル排出口11の近傍に設定されており、この焦点位置の領域が反応領域(本実施形態では光反応領域)とされている。
【0072】
そして、サンプリングセル6内でエアロゾル導入口10からエアロゾル排出口11に流れるエアロゾル9は、集光レンズ8の焦点位置で光反応し(以下、この位置を光反応点12という)、励起によるプラズマ化でブレークダウンを生じ、これにより蛍光13が発せられるようになっている。
【0073】
サンプリングセル6の内部には、蛍光集光手段としての蛍光集光ミラー14が固定配置されている。この蛍光集光ミラー14は、内面を反射面とする椀形の凹面鏡状のものであり、その底部位置に孔14aが形成されている。そして、この蛍光集光ミラー14は、その底部が光学窓7aに対向する状態で斜め下向きに配置され、その軸心がレーザ光5の導光軸心と一致するようになっている。
【0074】
これによりレーザ光5は、蛍光集光ミラー14の底部の孔14aを貫通して、サンプリングセル6内に導入され、斜め下向きとなった蛍光集光ミラー14の大径開口部側の内側下方で集光し、ここでエアロゾル9との光反応によって蛍光13が生じるようになっている。蛍光13は図1に破線矢印で示すように、蛍光集光ミラー14の内面で反射して、サンプリングセル6の斜め下方の周壁近傍で集光するようになっている。
【0075】
この蛍光13の集光位置に第2の光学窓7bが設けられ、この光学窓7bに臨んで蛍光伝送用光ファイバ15の入力端子15aが配設されている。そして、蛍光13は蛍光伝送用光ファイバ15を介して外部に伝送された後、出力端子15bから蛍光分配器16を経て、光計測器17に入射されるようになっている。
【0076】
本実施形態においては、レーザ装置1から例えば10−9sのパルス幅を有するパルスレーザ光2が出力100mJ/パルスで発せられ、このレーザ光2が光ファイバ4を介してサンプリングセル6に伝送され、集光レンズ8によってサンプリングセル6内の集光点(光反応点12)で集光される。
【0077】
ここで電界強度は数MV/cmとなり、レーザ光照射領域に存在するエアロゾル9は瞬時にプラズマ化され、エアロゾル9の構成元素は高励起状態で励起ないしイオン化されて基底状態へ遷移し、その際に元素特有の光反応点12で蛍光13が発せられる。
【0078】
光反応点12で発した蛍光13は、蛍光集光ミラー14の内面で反射して一点に集光され、第2の光学窓7bから蛍光伝送用光ファイバ15を介して光計測器17に入力されて計測が行われ、エアロゾル9を構成する元素の含有量が測定される。本実施形態においては、光計測器17が例えばバンドパスフィルタを設置した光電子増倍管、または分光器が適用されている。前者のバンドパスフィルタにおいては、単一の元素の測定のみ可能である。また、後者の光電子増倍管の場合には、蛍光波長を分光することにより同時にエアロゾルを構成する元素を分析することが可能である。この光計測においては、測定の時間タイミングでゲート設定器によりゲート処理が行われ、測定対象とする元素に対して最も感度の高い時間設定をすることにより、S/N比を改善することが可能となっている。
【0079】
なお、レーザ光5によるプラズマ生成のポイントは、パルスあたりのエネルギおよびパルス時間で定まる。本実施形態ではプラズマ生成用レーザ光のパルスエネルギが最高で数100mJ程度である。パルス幅はナノ秒(10−9s)オーダ、あるいはそれ以下である。また、ブレークダウン用レーザ装置1は、Nd;YAGレーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、半導体レーザ、COレーザ、Nレーザ等が適用されている。
【0080】
以上の第1実施形態によれば、エアロゾル9をレーザ光5により遠隔で計測することができ、かつ、複数の検出系を1系統のレーザ装置1および信号処理システムで対応が可能となる。また、光による信号伝送を行うため、電磁気的な外来雑音の影響を受けることもない。
【0081】
図2は本発明の第2実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。
【0082】
本実施形態のエアロゾル分析装置は基本的に前記の第1実施形態と同様であるが、これにレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18を付加したものである。即ち、サンプリングセル6には、その内部の光反応点12を通る直線上の位置に第3の光学窓7cおよび第4の光学窓7dが設けられている。そして、レーザ誘起蛍光生成用のレーザ装置18から発したレーザ光19が光分配器20、入力端子21a、光ファイバ21および出力端子21bを介し、第3の光学窓7cからサンプリングセル6内に入射されるようになっている。なお、本実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成部分には、図2の対応部分に図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態においては、レーザ光19を測定対象とする元素の検出感度が最も高い波長に同調させる。例えば、エアロゾルの成分がナトリウムである場合には、D線として有名な589.5nmあるいは589.0nmの波長に同調させる。このレーザ光19は、光分配器20および光ファイバ21を経て、光反応部12へ照射される。ここで生成されるレーザ誘起蛍光は集光ミラー14で集光され、光計測器17で検出される。レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18として波長可変レーザ光を生成するレーザ光装置には、色素レーザ、非線形光学素子を用いた固体レーザ等が好適である。
【0084】
また、レーザ光19によって生成したプラズマからの蛍光ないし生成直後の波長可変レーザ光の照射によって生じるレーザ誘起蛍光を計測する前記の光計測器17には、バンドパスフィルタを設置した光電子増倍管、光電子増倍管やCCD検出器を設置した分光器等が適用される。これらの装置により元素特有の波長を分別して計測することが可能で、エアロゾルを構成する元素およびその量を選択的に分析することができる。
【0085】
この第2実施形態によれば、ブレークダウン用の第1のレーザ光の照射直後に、分析対象とする元素の励起量の大きな波長の第2のレーザ光を照射し、そこから生じるレーザ誘起蛍光を計測することにより、特定元素の含有量を高精度で評価することが可能となる。この場合の第2のレーザ光の照射タイミングは第1のレーザ光によるブレークダウン後のプラズマが基底状態に遷移するμsオーダ後とする。このようにして、単なるブレークダウンでは生成し得ない蛍光も測定できるため、極微量のエアロゾルの成分検出も可能となる。
【0086】
したがって、本実施形態ではブレークダウンによる元素の励起が十分でない場合やブレークダウンで生成しうる励起状態の制限で生成される蛍光信号が十分でない場合、また分析対象とする元素の蛍光波長が近接して測定精度に問題が生じるような場合に特に有効である。
【0087】
図3は本発明の第3実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。なお、この図3にはサンプリングセル6の構成を拡大して示している。その他の構成は図1に示した第1実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0088】
本実施形態では、サンプリングセル6内にエアロゾルを捕獲するフィルタ22が、エアロゾル9の流路とプラズマを生成用のレーザ光5の光路との交差点、すなわち光反応点12を含む位置に設置されている。この光反応点12で生成される蛍光13は、集光ミラー14により蛍光計測用光ファイバ15に導光され、前記各実施形態と同様に分光されるようになっている。
【0089】
エアロゾル捕獲用のフィルタ22としては、一般のHEPAフィルタでも可能であるが、微細金属粉末を焼結した多孔質金属(例えば多孔質タングステン)が長期間のレーザ照射に好適である。
【0090】
本実施形態によると、エアロゾル9を含むガスを単に気中放電させる前記第1実施形態と異なり、エアロゾル9をガス流路に設置したフィルタ22により捕獲し、この状態でレーザ光5を照射し、フィルタ22の表面でプラズマを生成させるので、光反応がより効率的に行われる。
【0091】
この後のプロセスについては第1実施形態と同様であり、フィルタ22に付着した元素はプラズマ化され、その構成元素は高励起状態へ励起ないしはイオン化され、それらはその元素の基底状態へある寿命を持って遷移する。その際、元素特有の波長の蛍光を発生するため、その蛍光信号を光計測器17によって計測することによりエアロゾルを構成する元素の含有量を測定することができる。
【0092】
図4は本発明の第4実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。なお、この図4にはサンプリングセル6の構成を拡大して示している。その他の構成は図2に示した第2実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0093】
本実施形態のエアロゾル分析装置は、第2実施形態の構成に加え、サンプリングセル6内のレーザ誘起蛍光生成用レーザ光19の照射位置に、エアロゾル9を捕獲するフィルタ22が設置されている。そして光計測器17は、フィルタ22の表面に付着するエアロゾル9のレーザ誘起蛍光強度を波長分別することによりエアロゾル9の存在量を測定する機能を有する構成とされている。
【0094】
このような第4実施形態の構成によれば、第3実施形態の装置でレーザ光による生成プラズマ内の元素の励起が十分でない場合や、ブレークダウンで生成しうる励起状態の制限で生成される蛍光信号が十分ではない場合、また分析対象とする元素の蛍光波長が近接して測定精度に問題が生じる場合等において、第1のブレークダウン用のレーザ光5の照射直後に、分析対象とする元素の励起量の大きな波長の第2のレーザ光19を照射し、そこから生じるレーザ誘起蛍光13を計測することで、レーザ光による生成プラズマ内の元素の励起を高め、計測に十分な蛍光信号を得ることができ、また分析対象とする元素の蛍光波長が近接する場合でも測定精度を高めることができる。
【0095】
図5は本発明の第5実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。なお、この図5でもサンプリングセル6の構成を拡大して示している。
【0096】
本実施形態のエアロゾル分析装置では、前記各実施形態のものと異なり、プラズマ生成用レーザ光照射に代えて、放電電極により電極間に導入したエアロゾルを含むガス中で電気放電を発生させるようになっている。
【0097】
すなわち、図5に示すように、サンプリングセル6にエアロゾル9を含むガスの出入口10,11と、蛍光を取出すための一つの光学窓7bとが設けられている。サンプリングセル6の内部に反応領域が設定されるとともに、前記各実施形態と同様の蛍光集光手段としての蛍光集光ミラー14が設置されている。
【0098】
そして、サンプリングセル6内の反応領域に、電圧印加によってガス中のエアロゾル9をプラズマ化させる1対の放電電極23が設けられている。この放電電極には、図示しない外部電源から高圧電流が供給され、例えばパルス的な電気放電が行われる。この放電電極23によるエアロゾル9のプラズマ化によって発生する蛍光13が、前記の蛍光集光ミラー14によって光学窓7bの部位に集光されるようになっている。集光された蛍光は、光学窓7bから蛍光伝送用光ファイバ15を介して図示しない光計測器に入力されて計測され、エアロゾル9を構成する元素の含有量が測定される。
【0099】
このような構成の本実施形態によれば、プラズマ生成用レーザ光照射の代わりに、放電電極23によるパルス的な放電によって、サンプリングセル6内に導入したエアロゾル9を含むガス中で電気放電を発生させ、ここで発生する蛍光を波長分別可能な光計測器により、エアロゾルを構成する元素およびその量を計測することができる。本実施形態では、放電用の電源が必要となるが、ブレークダウン用レーザとその伝送用の光学経路は不要となる。
【0100】
図6は本発明の第6実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。なお、この図6でもサンプリングセル6の構成を拡大して示している。
【0101】
本実施形態のエアロゾル分析装置は、第5実施形態の構成に加え、サンプリングセル6内の放電電極23の放電位置に、図2に示したものと同様のレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置(図示省略)からレーザ光19が照射されるようになっている。その他の構成は、図5に示した第5実施形態と略同様である。なお、図示しない光計測器は、エアロゾル9のレーザ誘起蛍光強度を波長分別することにより、エアロゾル9の存在量を測定する機能を有する構成とされている。
【0102】
このような第6実施形態の構成によれば、第5実施形態の装置で生成プラズマ内の元素の励起が十分でない場合等において、放電直後に分析対象とする元素の励起量の大きな波長の第2のレーザ光19を照射し、そこから生じるレーザ誘起蛍光13を計測することで、生成プラズマ内の元素の励起を高め、計測に十分な蛍光信号を得ることができ、測定精度を高めることができる。
【0103】
なお、本実施形態において、電気放電によって生成したプラズマからの蛍光ないしはその生成直後の波長可変レーザ光の照射によって生じるレーザ誘起蛍光の計測を行うための光計測器には、バンドパスフィルタを設置した光電子増倍管、光電子増倍管、あるいはCCD検出器を設置した分光器等が適用できる。
【0104】
図7は本発明の第7実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。本実施形態は、図2に示した第2実施形態の装置に、レーザ散乱強度測定用の連続発振レーザ装置を付加し、光反応点にレーザ散乱強度測定用のレーザ光を照射するようにしたものである。
【0105】
即ち、本実施形態では図7に示したように、サンプリングセル6に、その内部の光反応点12を通る直線上の位置に第5の光学窓7eおよび第5の光学窓7fが設けられている。そして、レーザ散乱強度測定用の連続発振レーザ装置24から発したレーザ光25が入力端子27a、光ファイバ27および出力端子27bを介し、第5の光学窓7eからサンプリングセル6内に入射されるようになっている。そして、光計測器は、サンプリングセル6内における光反応点12での連続発振レーザ光25の散乱強度に基づいて、エアロゾル9の大きさと数とを測定する機能を有する構成とされている。なお、他の構成については、前記第2実施形態と略同様であるから、図7の対応部分に図2と同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
本実施形態によれば、プラズマ発生領域にレーザ散乱計測用のレーザ光25を照射することで、光反応部12におけるエアロゾル9の成分およびその絶対量を計測することができる。すなわち、ミクロンサイズの微粒子にレーザ光25を照射することで、レイリー散乱あるいはミー散乱によりレーザ光25の散乱が生じ、その散乱メカニズムは散乱要因となるエアロゾルの粒子径に依存し、また強度はエアロゾル9の数密度に依存するので、レーザ光25の散乱強度を測定することにより、エアロゾル9の数を定量することができる。したがって、本実施形態によれば、レーザ散乱計測をその成分評価を結びつけることにより、光反応部12におけるエアロゾル9の成分の計測制度の向上が図れるものである。
【0107】
図8は本発明の第8実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。
【0108】
本実施形態は、図7に示した第7実施形態の装置と同様に、連続発振レーザ装置24とレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18とを共に有するものであるが、連続発振レーザ装置24で発するレーザ光25とレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18で発するレーザ光19とをサンプリングセル6への導光経路途中で同軸合成する手段として、ダイクロイックミラー26(またはハーフミラー)が設けられている。また、合成後のレーザ光19,25をサンプリングセル6に導光して光反応点12に照射する照射手段として、入力端子28a、光ファイバ28および出力端子28bが設けられている。他の構成については、第7実施形態と略同様であるから、図8の対応部分に図7と同一の符号を付して説明を省略する。
【0109】
本実施形態によれば、レーザ散乱強度測定用のレーザ光25とレーザ誘起蛍光計測用のレーザ光19とがダイクロイックミラー26で合成され、光ファイバ28を経て光反応部12へ照射される。そして、散乱光は集光ミラー14で集光されて光ファイバ15を介して光計測装置17に導かれ、ここで照射したレーザ波長における散乱強度が計測される。したがって、光伝送のための光ファイバの本数の削減ができ、システムの簡素化が可能となる。
【0110】
図9(a),(b),(c)は、以上の各実施形態におけるレーザ光の照射タイミングの概念図を示したものである。図9(a)はプラズマ生成用レーザ光
(ブレークダウン用レーザ光)5の照射タイミングaを示し、同図(b)はレーザ誘起蛍光計測用のレーザ光19の照射タイミングbを示し、同図(c)はエアロゾル量の計測用のレーザ光(レーザ散乱計測用の連続発振レーザ光)25の照射タイミングcを示している。
【0111】
これらの図中において、Δt1はプラズマ生成用レーザ光25の時間間隔を示したもので、たとえば10Hzの繰り返しでエアロゾル計測をする場合には0.1秒となる。また、Δt2はレーザ誘起蛍光計測用のレーザ光19のプラズマ生成用レーザ光5の照射タイミングからの遅れであり、これは生成されるプラズマの状況に応じてナノ秒からマイクロ秒のオーダまで様々である。この決定はサンプリングするエアロゾルを構成する原子がプラズマ化されてから原子状態に至る時間とプラズマからの白色光(バックグラウンド光)の減衰時間によって行われる。
【0112】
図10は本発明の第9実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特に光学経路の構成を示す図であり、図11は図10のA矢視図である。
【0113】
本実施形態は、図示しないが前記実施形態によるレーザ装置1,18,24を基本的に1系統設置するとともに、サンプリングセル6を複数設置する場合において、その光学経路の構成についてのものである。即ち、本実施形態では1系統のレーザ装置から発するレーザ光5(19,25)を複数のサンプリングセルへ導光する手段として、光分配器29と、この光分配器29から各サンプリングセルへの光学経路を構成する複数の光ファイバ4(21,27)とを備えたものである。
【0114】
そして本実施形態では、光分配器29が、レーザ光5(19,25)を集光するコリメータレンズ30と、このコリメータレンズ30によって集光したレーザ光5(19,25)を所定の光ファイバ4(21,27)の方向に切換えるプリズムまたはミラー32と、このプリズムまたはミラー32の切換え動作を行うステップモータ31とを備えた構成とされている。
【0115】
このような構成によると、レーザ光5(19,25)をコリメータレンズ30によって集光した後、光分配器29としてのプリズムまたはミラー32を介して、複数の光ファイバ4(21,27)へ選択的に入射することができ、光学経路の構成ひいてはシステム構成の簡素化が図れるようになる。しかも、ミラー32をステップモータ31により所望の光ファイバ4(21,27)へ任意に向けるようにしたので、光ファイバ4(21,27)への導光の切換えが容易かつ確実に行える。なお、ステップモータ31の回転角度θによって導光する光ファイバ4(21,27)が一義的に定まるため、この回転角度θを計測すれば、どのサンプリングセルの計測を行っているかの確認が可能となる。
【0116】
図12は本発明の第10実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特に光学経路の構成を示す図であり、図13は図12のB矢視図である。
【0117】
本実施形態では、図10および図11に示した第9実施形態の光ファイバ4(21,27)に代えて、光学経路を光ガイドパイプ33としたものである。この光ガイドパイプ33は、パイプ内面にアルミニウム等の光学メッキを施し、経路局部となるエルボ部分には、反射プリズム34または反射ミラー35等の光学反射体を設置した構成とされている。他の構成については、前記第9実施形態と略同様であるから、図12および図13の対応部分に図10および図11と同一の符号を付して説明を省略する。
【0118】
このような構成の第10実施形態によっても、前記第9実施形態と同様に、光学経路の切換えの容易化およびシステム構成の簡素化等の作用効果が奏される。図14は本発明の第11実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特に蛍光伝送用の光学経路の構成を示す図である。
【0119】
本実施形態では図14に示すように、蛍光伝送用光学経路が、図示しない複数のサンプリングセル6から蛍光13を一点に向かって導く複数の光ファイバ15と、この各光ファイバ15の出力端子15bの向く位置に配置された光分配器36とを備えている。光分配器36は、前記のレーザ光を導光するための光学経路と同様に、各光ファイバ15の向きに対して回動可能なプリズムまたはミラー37と、このプリズムまたはミラー37の切換え動作を行うステップモータ38とを有している。プリズムまたはミラー37から出射される蛍光13は、コリメータレンズ39で集光された後、一本の光ファイバ15の入力端子15aに入射され、図示しない光検出器17に導かれるようになっている。
【0120】
このような構成によると、蛍光13の伝送のための光学経路についても、複数のサンプリングセル6に対して少数の光計測器17が適用でき、光計測系統における機器の効率化が図れるとともに、その光学経路の切換え動作も容易かつ確実に行える等の作用効果が奏される。
【0121】
なお、本実施形態の光学経路についても、光ファイバ15に代えて光ガイドパイプを適用することができるのは勿論である。
【0122】
図15は本発明の第12実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示すシステム構成図である。本実施形態では、3系統のサンプリングセル6a,6b,6cと、各1系統のブレークダウン用レーザ装置1、光計測器17、レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18および連続発振レーザ装置24とが、光ファイバ4b,15b,28bで接続されている。
【0123】
このシステム構成に、上述した図10〜図14に示す実施形態の光学経路構成が適用されている。即ち、各サンプリングセル6a,6b,6cから導かれる各3本の光ファイバ4,15,28がそれぞれまとめられ、これらに光分配器29,36が適用されて光学経路が構成されている。なお、レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置18と連続発振レーザ装置24とはダイクロイックミラー26によって同軸上で合成され、図7に示した前記の第7実施形態の構成が採用されている。
【0124】
このような構成の第12実施形態によると、サンプリングセル6の設置数よりも各レーザ装置1,18,24および光計測器17の設置数が少なく、システム全体としての構成が簡素化できる。なお、サンプリングセル6の設置数および各レーザ装置1,18,24および光計測器17の設置数は図15に示したもの以外に各種選定できることは勿論である。
【0125】
図16は本発明の第13実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示すシステム構成図である。
【0126】
本実施形態のエアロゾル分析装置は、一つのサンプリングセル6に対し、高出力レーザ装置40および低出力レーザ装置41からレーザ光が供給される2系統レーザ光供給タイプのものである。これら各レーザ装置40,41から発振するレーザ光は、ダイクロイックミラー42および1本の光ファイバ43を経てサンプリングセル6側に導光されるようになっている。そして、光ファイバ43の先端側では、別のダイクロイックミラー44によって光出力端子45および低出力端子46に導かれ、サンプリングセル6に対して2系統で入射されるようになっている。
【0127】
また、一つの光計測器17および蛍光入力用端子47が設けられ、サンプリングセル6側から蛍光入力用端子47を介して入力される蛍光も、ダイクロイックミラー44、同一の光ファイバ43およびダイクロイックミラー42を経て光計測器17側に導光されるようになっている。なお、レーザ誘起蛍光計測用レーザ光の波長と蛍光計測波長が同一である場合には、ダイクロイックミラーを部分反射ミラーに置換することで対応できる。
【0128】
このような構成によれば、簡素化されたシステム構成で、高低2系統のレーザ出力および蛍光受信が効率よく行える。
【0129】
図17は本発明の第14実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示すシステム構成図である。
【0130】
本実施形態でも前記の第13実施形態と同様に高低出力レーザ装置40,41を有する2系統タイプとされているが、前記のものと異なり、高出力レーザ装置40から発振されるレーザ光のみが、光ガイドパイプ48を介してサンプリングセル6側に導光されるようになっている。その他の構成は第13実施形態と略同様であるから、図17に図16と同一符号を付して説明を省略する。
【0131】
このような構成によっても、第13実施形態と略同様の効果が奏されるが、高出力レーザ装置40から発振されるレーザ光を光ガイドパイプ48を介して伝送するようにしたことにより、より高出力のレーザ光の伝送が確実に行える。なお、光ファイバを使用するか光ガイドパイプを使用するかについては、レーザ光の伝送効率や耐レーザ強度、あるいは使用環境条件で選択すればよい。例えば、ブレークダウンのためのレーザ光強度が光ファイバの耐レーザ光強度を越えるような場合には、光ガイドパイプを用いることが望ましい。
【0132】
図18は本発明の第15実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特に光ファイバの構成を示す図である。
【0133】
本実施形態では、光学経路を構成する光ファイバが、複数の独立したファイバ要素を束ねた多バンドル光ファイバ49とされている。この多バンドル光ファイバ49の各ファイバ要素は、例えば太径単一光ファイバ50、細径単一光ファイバ51および細径多芯光ファイバ52からなり、それらの両端はホルダによって個別に被覆されて独立状態となっているが、途中の部分は1本のバンドルにまとめられている。そして、これらの各光ファイバ50,51,52によって、それぞれレーザ光および蛍光の伝送を行うようになっている。即ち、太径単一光ファイバ50によってブレークダウン用レーザ光の伝送を行い、また細径単一光ファイバ51によってレーザ誘起蛍光生成用およびエアロゾル量計測用の連続発振レーザの伝送を行い、さらに細径多芯光ファイバ52によって蛍光伝送を行うようになっている。
【0134】
このような本実施形態の多バンドル光ファイバ49を使用することにより、レーザ装置および光計測器側と、サンプリングセル側との間の光学経路を構成する光ファイバを1本化することができ、構成の簡素化が図れる。
【0135】
図19は本発明の第16実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの構成を示す図である。
【0136】
本実施形態では、エアロゾル9を含むガスとレーザ光5との反応領域である光反応点12で発生する蛍光13を集光させる蛍光集光手段を、サンプリングセル6の内部に設けた蛍光集光ミラー14としたものである。この蛍光集光ミラー14は凹面鏡状のもので、サンプリングセル6の内面に沿う半径を有し、光反応点12の上側に位置してサンプリングセル6の内部空間の略半分程度を覆う構成とされている。この蛍光集光ミラー14の形状は、図1に示した第1実施形態の説明で詳述したものと略同様であり、斜め上向きの底部の孔14aからレーザ光5およびエアロゾル9が下向きに通過し得るとともに、光反応点12で発生した蛍光13の反射による焦点が蛍光計測用光ファイバ15の入力端子15a位置となるように設定されている。
【0137】
このような構成により、蛍光検出系の有する立体角を増加させることができ、検出感度を増加させることが可能となる。
【0138】
図20は本発明の第17実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの構成を示す図である。
【0139】
本実施形態では、光反応点12で発生する蛍光13を集光させる蛍光集光手段を、サンプリングセル6の外部に設けた集光レンズ45としたものである。この場合、集光レンズ45に蛍光13を十分集光させるために、サンプリングセル6の光学窓は広い面積を有する構成とすることが望ましい。そして、集光レンズ45の外側の焦点位置に蛍光計測用光ファイバ15の入力端子15aが配置されて、その光ファイバ15内で蛍光が導光されるようになっている。
【0140】
このような構成によっても、蛍光検出系の有する立体角を増加させることができ、検出感度を増加させることが可能となる。本実施形態の場合は、蛍光集光手がサンプリングセル6の外部に配置されるので、構成が簡素化できる利点がある。
【0141】
図21は本発明の第18実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの構成を示す図である。
【0142】
本実施形態では、サンプリングセル6が箱形とされ、その上下壁部にエアロゾル9を含むガスの出入口10,11が設けられるとともに、上壁部および周壁部に複数の光学窓7a,7b,7c,7dが設けられている。また、内部空間にはエアロゾルの流動方向と交差するように、例えば水平にフィルタ22が設けられている。このように、本発明では前記の各実施形態の如くサンプリングセル6が球形のものに限らず、種々の形状で実施することができる。
【0143】
なお、箱形のサンプリングセル6の材質については、全体をレーザ光およびレーザ誘起蛍光の透過率が高い材質で構成し、また光を通す場所のみに光学ガラス窓を設置し、さらに光学ガラスで全体構成する等、種々の組み合わせが可能である。
【0144】
図22は本発明の第19実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの構成を示す図である。
【0145】
本実施形態では、サンプリングセル6が球形で上下に2分割可能な構成とされ、中間部のフランジ54,55がボルト56によって着脱自在に締結されている。
【0146】
このような構成によれば、サンプリングセル6の保守のための内部クリーニング、部品交換等が容易に行える。
【0147】
図23は本発明の第20実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの構成を示す図である。
【0148】
本実施形態では、箱形のサンプリングセル6の内部に、焦点をサンプリングセル6の中央部に設定したレーザ光集光用レンズ57と、それにより形成される光反応点12の側方に位置するレーザ誘起蛍光集光用レンズ58とが設置されている。また、レーザ光集光用レンズ57と対向する部位には、プラズマ生成用レーザ光5を反射する凹面鏡等からなる多重反射ミラー59が設置されている。
【0149】
このような構成によると、レーザ光5はレーザ光集光用レンズ57による集光照射と、多重反射ミラー59による反射とによって、2回にわたり集光領域に集光されることになる。したがって、少ないレーザ出力でも効果的にプラズマ発生を行うことができる。なお、反射ミラーを種々組合せることによって、いわゆる積分球の構造とすれば、さらに多くの反射回数を行うことが可能となり、一層効果的にプラズマ発生を行うことができる。
【0150】
図24は本発明の第21実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの応用例を示す図である。
【0151】
本実施形態では、サンプリングセル6が筒状に構成されており、このサンプリングセル6の周壁部に軸方向に沿って間隔的に複数のエアロゾル導入口10が開口している。そして、サンプリングセル6の軸方向一端側にレーザ光5照射用の光学窓7aが設けられ、この光学窓7aの外側に設けたレーザ光集光手段としての複合レンズ60によって、レーザ光5の集光用の焦点が調節可能とされ、焦点位置61を各エアロゾル導入口10の位置に移動できるようになっている。なお、エアロゾル出口11および排気系62は、エアロゾル導入口10と対向する側壁側に設けられている。
【0152】
このような本実施形態の構成によれば、ライン状に配列されたエアロゾル導入口10に対し、複合レンズ60の調節によりレーザ光5の焦点位置61を順次に変化させることで、1つのサンプリングセル6を使用して複数のサンプリング配管を介しての複数のエアロゾル分析が行えるようになる。
【0153】
図25は本発明の第22実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルの応用例を示す横断面図であり、図26は同縦断面図である。
【0154】
本実施形態では、サンプリングセル6が大径筒状とされており、エアロゾル導入口10はサンプリングセル6の周壁部に周方向に沿って間隔的に複数、径方向に向って開口している。プラズマ生成用のレーザ光5は、サンプリングセル6の中心部下方から光ファイバ4の出力端子4bを介して照射されるようになっている。そして、サンプリングセル6内の中心位置に、レーザ光5の光路変更用の反射ミラーまたはプリズム63が設けられ、図示しないステップモータで間欠回転動作するようになっている。そして、サンプリングセル6内に照射されたレーザ光5は、反射ミラーまたはプリズム63によって、各エアロゾル導入口10に向う中間点に設定された光反応点12で集光されるようになっている。また、サンプリングセル6の下方には、光反応点12で発生する蛍光13を集光するための集光レンズ64および計測用の光ファイバ15の入力端子15aが配置している。
【0155】
このような構成によると、レーザ光5の焦点位置を変更する必要なく、レーザ光5の光路変更を反射ミラーまたはプリズム63で行うことができる。そして、1つのサンプリングセル6で複数のサンプリング導入口10からのエアロゾルの分析が可能となる。また、サンプリングセル6内の蛍光発生状況をCCDカメラ等の画像処理装置にてモニターすれば、レーザ光5の焦点位置、プラズマ生成状況、蛍光発生位置等の情報が得られ、検出装置の稼働状況を常時モニタすることが可能となるばかりでなく、複数のサンプリング配管を具備するサンプリングセルにおいて蛍光の生成位置の画像データを得ることにより、どのサンプリング配管からのエアロゾルを測定したかの情報も容易に得ることができる。
【0156】
図27は本発明の第23実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルを使用しない例を示す縦断面図であり、図26は同横断面図である。
【0157】
本実施形態では、エアロゾル9を含むガスが流動するサンプリング用の配管65と、この配管65に挿入され、その挿入端に集光レンズ66を有するレーザ光5照射用の光ファイバ67と、この光ファイバ67を介してレーザ光5を配管65内に照射する図示しないレーザ装置と、レーザ光5の照射によって配管65内のエアロゾル9から生成される蛍光13を受光する光ファイバ68と、この光ファイバ68を介して蛍光信号を入力し、エアロゾル9の構成元素およびその量を分析する図示しない光計測器とを備えた構成とされている。
【0158】
なお、本実施形態では、レーザ照射用の光ファイバ67と蛍光受光用の光ファイバ68とが、同一の光ファイバで構成されている。また、光ファイバ67(68)は、配管65に対し、例えばスウェジロックのようなコネクタ69により、集光レンズ66と一体構造で挿入され、気密シールされている。
【0159】
このような構成によれば、レーザ光5の集光レンズ66を先端に具備した光ファイバ67を配管65に挿入し、その配管65内の焦点位置70で生成したエアロゾル9からの蛍光13を同一光ファイバ67(68)で伝送して、エアロゾル9を構成する元素およびその量を分析することができる。この場合、サンプリングセルおよびサンプリング配管等を設ける必要なく、流路(配管65)に直接レーザ光5を入射させて蛍光検出が行える。
【0160】
なお、配管65に光ファイバ67と集光レンズ66を一体構造にして挿入し、気密シールした構成によると、位置精度を高めることが可能で、メンテナンスも容易となる。また、本実施形態では光学窓等を設ける必要がない。
【0161】
図29は本発明の第24実施形態によるエアロゾル分析装置の構成、特にサンプリングセルを使用しない例を示す縦断面図であり、図30は同横断面図である。
【0162】
本実施形態は、図27および図28に示した前記第23実施形態と略同一構成であるが、レーザ照射用の光ファイバ67と蛍光受光用の光ファイバ68とが、異なる光ファイバで構成されている。即ち、蛍光受光用の光ファイバ68は、配管65の中心線回りで略90°異なる位置で、レーザ照射用の光ファイバ67の場合と同様に、スウェジロックのようなコネクタ71により、集光レンズ72と一体構造で挿入され、気密シールされている。他の構成は図27および図28に示した第23実施形態のものと変らないから、図29および図30に、図27および図28と同一の符号を付して説明を省略する。
【0163】
このような本実施形態においても、前記第23実施形態と同様に、レーザ光5の集光レンズ66を先端に具備した光ファイバ67を配管65に挿入し、その配管65内の焦点位置70で生成したエアロゾル9からの蛍光13を光ファイバ68で伝送して、エアロゾル9を構成する元素およびその量を分析することができる等の効果が奏される。
【0164】
図31は本発明の第25実施形態によるエアロゾル分析装置の構成を示す図である。
【0165】
本実施形態は、前記の各実施形態で示したエアロゾル分析装置に加え、模擬エアロゾルを発生させる模擬エアロゾル生成器73と、この模擬エアロゾル生成器73で発生した模擬エアロゾル74をサンプリングセル6(またはサンプリング用の配管)に導入する導入機構75およびサンプリング配管76とを備えた構成とされている。
【0166】
即ち、本実施形態では図31に示すように、所定のエアゾル計測雰囲気77からエアゾル9をサンプリング配管76を介して導入する複数、例えば1対のサンプリングセル6が設けられている。これらのサンプリングセル6に対して、模擬エアロゾル生成器73がサンプリング配管76を介して模擬エアロゾル74を導入することができるようになっている。この模擬エアロゾル74の導入操作をサンプリング配管76近傍の導入機構75によって行うようになっている。
【0167】
このような構成の本実施形態によると、サンプリングセル6の較正用の模擬エアロゾル74を必要に応じて導入することにより、例えば定期点検の際の較正が、サンプリングセル6(またはサンプリング用の配管)を設置した実際の配管等の現場で可能となるばかりでなく、サンプリングセル6がエアロゾル9を異常検知した際の確認を行うことも可能となる。
【0168】
なお、以上の実施形態において、サンプリングセル6の数が多くなると、分散化されたサンプリングセル6のどれからの蛍光信号であるかを認識する必要がある。いま、レーザ装置1とサンプリングセル6との間の距離をL1(m)、サンプリングセル6と光計測器17との距離をL2(m)とすると、レーザ光がサンプリングセルに伝送され、さらに蛍光が光計測系に検出されるまでの時間Tは、
【数1】
T=(L1+L2)/c ;cは光速
となる。
【0169】
したがって、予めレーザ装置1とサンプリングセル6との光路長を評価しておけば、レーザ照射から蛍光測定までに要した時間から、光の伝搬距離を評価し、光路長との対応でどのサンプリングセルからの信号であるかを間違いなく評価することが可能となる。
【0170】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、特に狭い空間領域におけるエアロゾル測定を、元素単位に分割するための大掛かりな機構を必要とすることなくコンパクトな構成で、また誤動作のおそれもなく、遠隔操作等によって容易に、かつ高精度で行うことができ、しかも耐用寿命の長期化も図れる等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図。
【図2】本発明の第2実施形態を示す構成図。
【図3】本発明の第3実施形態を示す構成図。
【図4】本発明の第4実施形態を示す構成図。
【図5】本発明の第5実施形態を示す構成図。
【図6】本発明の第6実施形態を示す構成図。
【図7】本発明の第7実施形態を示す構成図。
【図8】本発明の第8実施形態を示す構成図。
【図9】(a),(b),(c)は前記各実施形態におけるレーザ光の照射タイミングを示すグラフ。
【図10】本発明の第9実施形態を示す構成図。
【図11】図10のA矢視図。
【図12】本発明の第10実施形態を示す構成図。
【図13】図12のB矢視図。
【図14】本発明の第11実施形態を示す構成図。
【図15】本発明の第12実施形態を示す構成図。
【図16】本発明の第13実施形態を示す構成図。
【図17】本発明の第14実施形態を示す構成図。
【図18】本発明の第15実施形態を示す構成図。
【図19】本発明の第16実施形態を示す構成図。
【図20】本発明の第17実施形態を示す構成図。
【図21】本発明の第18実施形態を示す構成図。
【図22】本発明の第19実施形態を示す構成図。
【図23】本発明の第20施形態を示す構成図。
【図24】本発明の第21実施形態を示す構成図。
【図25】本発明の第22実施形態を示す横断面図。
【図26】本発明の第22実施形態を示す縦断面図。
【図27】本発明の第23実施形態を示す縦断面図。
【図28】本発明の第23実施形態を示す横断面図。
【図29】本発明の第24実施形態を示す縦断面図。
【図30】本発明の第24実施形態を示す横断面図。
【図31】本発明の第25実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
1 ブレークダウン生成用レーザ装置
3 光分配器
4 光ファイバ
4a 入力端子
4b 出力端子
5 レーザ光
6,6a,6b,6c サンプリングセル
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f 光学窓
8 集光レンズ
9 エアロゾル
10 エアロゾル導入口
11 エアロゾル排出口
12 光反応点
13 蛍光
14 蛍光集光ミラー
15 蛍光伝送用光ファイバ
15a 入力端子
15b 出力端子
16 蛍光分配器
17 光計測器
18 レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置
19 レーザ光
20 光分配器
21 光ファイバ
21a 入力端子
21b 出力端子
22 フィルタ
23 放電電極
24 連続発振レーザ装置
25 レーザ光
26 ダイクロイックミラー(ハーフミラー)
27 光ファイバ
27a 入力端子
27b 出力端子
28 光ファイバ
28a 入力端子
28b 出力端子
29 光分配器
30 コリメータレンズ
31 ステップモータ
32 ミラー
33 光ガイドパイプ
34 反射プリズム
35 反射ミラー
36 光分配器
37 ミラー
39 コリメータレンズ
40 高出力レーザ装置
41 低出力レーザ装置
42 ダイクロイックミラー
43 光ファイバ
44 ダイクロイックミラー
45 光出力端子
46 低出力端子
47 蛍光入力用端子
48 光ガイドパイプ
49 多バンドル光ファイバ
50 太径単一光ファイバ
51 細径単一光ファイバ
52 細径多芯光ファイバ
54,55 フランジ
56 ボルト56
57 レーザ光集光用レンズ
58 レーザ誘起蛍光集光用レンズ
59 多重反射ミラー
60 複合レンズ
61 焦点位置
62 排気系
63 プリズム
64 集光レンズ
65 配管
66 集光レンズ
67 光ファイバ
68 ファイバ
69 コネクタ
70 焦点位置
73 模擬エアロゾル生成器
74 模擬エアロゾル
75 導入機構
76 サンプリング配管
77 エアゾル計測雰囲気

Claims (18)

  1. エアロゾルを含むガスの出入口および複数の光学窓を有するとともに内部に反応領域を設定したサンプリングセルと、前記ガス中のエアロゾルをプラズマ化させるためのレーザ光を発するブレークダウン用レーザ装置と、このレーザ装置で発したレーザ光を前記サンプリングセルに前記光学窓から導入して前記反応領域に集光させるレーザ光集光手段と、前記反応領域で集光したレーザ光によるエアロゾルのブレークダウンによって発生する蛍光を他の光学窓の部位に集光させる蛍光集光手段と、集光した蛍光を前記他の光学窓から入力してその蛍光の波長分別により前記エアロゾルの構成元素の分析を行う光計測器とを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  2. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、エアロゾルをプラズマ化させるためのブレークダウン用レーザ装置に加え、プラズマ化されるエアロゾルの構成元素のうち分析対象とする元素に対応する特定の励起波長を有するレーザ光を発して特定元素の励起により蛍光を生じさせるレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置と、このレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置から発するレーザ誘起蛍光生成用レーザ光を光学窓を介してサンプリングセル内の反応領域に照射する照射手段とを備え、光計測器は、レーザ誘起蛍光強度を波長分別することによりエアロゾルの存在量を測定する機能を有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  3. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内のレーザ光照射位置にエアロゾルを捕獲するフィルタを設置し、光計測器は、前記フィルタの表面に付着するエアロゾルへのレーザ光照射によって生じるアブレーションプラズマからの蛍光を波長分別してエアロゾルを構成する元素およびその量を分析する機能を有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  4. 請求項2記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内のレーザ誘起蛍光生成用レーザ光の照射位置にエアロゾルを捕獲するフィルタを設置し、光計測器は、前記フィルタの表面に付着するエアロゾルのレーザ誘起蛍光強度を波長分別することによりエアロゾルの存在量を測定する機能を有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  5. 請求項1記載のエアロゾル分析装置に加え、連続発振レーザ装置と、この連続発振レーザ装置から発するレーザ光を光学窓を介してサンプリングセル内の反応領域に照射する照射手段とを備え、光計測器は、前記サンプリングセル内における前記反応領域での連続発振レーザ光の散乱強度に基づいてエアロゾルの大きさと数とを測定する機能を有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  6. 請求項5記載のエアロゾル分析装置であって、連続発振レーザ装置とレーザ誘起蛍光生成用レーザ装置とを共に有するものにおいて、前記連続発振レーザ装置で発するレーザ光と前記レーザ誘起蛍光生成用レーザ装置で発するレーザ光とをサンプリングセルへの導光経路途中で同軸合成する手段と、合成後のレーザ光を前記サンプリングセルに導光して反応領域に照射する照射手段とを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  7. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、レーザ装置は1系統設置するとともに、サンプリングセルは複数設置し、前記1系統のレーザ装置から発するレーザ光を前記複数のサンプリングセルへ導光する手段として、光分配器と、この光分配器から各サンプリングセルへの光学経路を構成する複数の光ファイバまたは光ガイドパイプとを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  8. 請求項7記載のエアロゾル分析装置において、光分配器は、レーザ光を所定の光ファイバまたは光ガイドパイプの方向に切換えるプリズムまたはミラーと、このプリズムまたはミラーの切換え動作を行うステップモータとを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  9. 請求項7記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセルの設置数よりも光計測器の設置数を少なくし、そのサンプリングセルから光計測器に蛍光を導く光学経路を集合させ、その集合した蛍光を前記光計測器で集中計測するようにしたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  10. 請求項9記載のエアロゾル分析装置において、複数のサンプリングセルからの蛍光を光計測器に導く光学経路は、複数の光ファイバと、この複数の光ファイバからの蛍光を一点に集光し得る光分配器と、集光した蛍光を導光する1系統の光ファイバまたは光ガイドパイプとを有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  11. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、レーザ装置からサンプリングセルまでレーザ光を導く光学経路と、前記サンプリングセルから光計測器まで蛍光を導く光学経路とを、共通な光学経路として構成し、その共通な光学経路は、レーザ光と蛍光とを分ける手段としてダイクロイックミラーを有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  12. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、光学経路を多バンドル光ファイバで構成し、その多バンドル光ファイバ一部の一部をレーザ装置からサンプリングセルまでレーザ光を導く光学経路として適用し、残りの部分を前記サンプリングセルから光計測器まで蛍光を導く光学経路として適用したことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  13. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセル内の反応領域で発生する蛍光を集光させる蛍光集光手段は、そのサンプリングセルの内部に設けた反射装置または外部に設けたレンズ装置であることを特徴とするエアロゾル分析装置。
  14. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、サンプリングセルはエアロゾルを含むガスを導入するための複数のエアロゾル導入口を間隔をあけて有するものであり、レーザ光集光手段はレーザ光集光位置を前記の各エアロゾル導入口の位置に移動する集光位置調整機能を有することを特徴とするエアロゾル分析装置。
  15. 請求項14記載のエアロゾル分析装置において、集光位置調整機能を有するレーザ光集光手段は、照射するレーザ光の焦点を各サンプリング配管のエアロゾル導入口の位置に順次調節することが可能な複合レンズ装置であることを特徴とするエアロゾル分析装置。
  16. 請求項14記載のエアロゾル分析装置において、集光位置調整機能を有するレーザ光集光手段は、照射するレーザ光の向きを各サンプリング配管のエアロゾル導入口の位置に順次調節することが可能な回転式の反射ミラーまたはプリズムであることを特徴とするエアロゾル分析装置。
  17. 請求項1記載のエアロゾル分析装置において、蛍光発生状況をモニタする画像処理装置と、レーザ光の焦点位置、プラズマ生成状況、蛍光発生位置の情報をモニタする手段とを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
  18. 請求項1記載のエアロゾル分析装置に加え、模擬エアロゾルを発生させる模擬エアロゾル生成器と、この模擬エアロゾル生成器で発生した模擬エアロゾルをサンプリングセルまたはサンプリング用の配管に導入する導入機構とを備えたことを特徴とするエアロゾル分析装置。
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