JP3559384B2 - 多重袋用巻回フィルム - Google Patents
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【発明が属する技術分野】
本発明は、業務用に使用される液状物、粉状物或いは半流動体等を自動的に製袋充填包装するために使用され、得られた包装袋が耐ピンホール性、耐落下衝撃性等の機械特性に優れ、且つ自動製袋充填機における作業性が格段に優れた2枚以上の相互にラミネートされていない自由に横すべりすることができるフィルムからなる多重袋用巻回フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、業務用に使用される液体、半流動体、粉体などの物質は金属製の容器に充填して輸送、保管、販売等の流通に供されていた。しかしながら、金属製の容器は使用後の容器が嵩張ること、内容物を取出し難いこと、使用後の容器処理の困難性などの欠点があった。
近時、これら内容物をプラスチック製の袋に充填した状態で段ボール製の箱に収納して流通させる、いわゆるバッグインボックスと呼ばれる包装方法が広く実用化されつつある。
【0003】
バッグインボックス用包装袋においては、内容物充填包装の効率を考慮すると、自動製袋充填機により充填することが好ましい。一方、包装袋は内容物の重量が大きく大型であることより高度の機械的強度が要求される。また内容物が微小な破れなどから漏出し易く、漏出するとその処置に窮する流体、半流動体或いは粉体などであることが多く、耐落下衝撃性、耐ピンホール性、耐寒性等の機械的強度が要求されている。
【0004】
包装袋の強度を増加するためには、ナイロン、ポリエステル等の高強度フィルムを用い、熱融着性層を積層する方法等は周知である。更に強度を高めるべく他の種々のフィルム素材を積層したり、高強度層の厚みを増加することは可能であるが、フィルムの厚みの極度の増加はフィルムを硬くし、フィルムに加わる曲げ応力が増大し、屈曲疲労性、耐ピンホール性、耐落下衝撃性が劣化し、充填の作業性が低下し、フィルムの厚みの増加のみでは解決し得ない現状である。
【0005】
そこで、袋を形成するフィルムがラミネートされず、相互に移動可能な状態にある多重袋が提案された。この多重袋は1枚のフィルムにピンホールが生じても他の1枚は無傷であり、また屈曲応力に対しても、個々の独立したフィルム1枚がその応力を受け、他の1枚は滑って逃げることができるため極度の屈曲応力が加わるおそれもなく、優れた機械的強度を有し、バッグインボックス用の袋として優れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単にフィルム同士を重ねただけの多重フィルムは巻回が困難で、自動製袋充填機で充填できず、現実に使用されている多重袋は製袋と充填が別々に行われる方式、即ち、予め製袋した多重袋に内容物を充填する方法が採用されている。この方法は作業効率が悪い上、密封袋内に空気の残留を免れず、残留した空気は内容物の変質を早めるおそれがある。
自動製袋充填機を使用するために、異種のフィルムを単に重ね合わせて巻回してもフィルムが位置ずれして巻き崩れ到底実用に供することができなかった。
【0007】
一方、異種フィルム同士の側縁部を前もって連続的に熱融着して自動製袋充填機に供給する方法も提案されているが、この方法にあっても、下に巻かれるフィルムと上に巻かれるフィルムとはその径が微妙に異なり、これが厚く巻回されるとこのわずかな相違がフィルムのシワやタルミとして表れ、巻取ったフィルムが乱れるため小巻きフィルムしか提供することができず、頻繁なロール交換のために全体としては作業性向上につながらない現状である。
更に、この方法にはフィルム両側縁部の融着という工程が加わり、この工程は一定の加熱時間を必要とし全体として加工に長時間を要し、実用的な方法ではない。
そこで、自動製袋充填機を用いて容易に多重袋を製造することができるフィルムが求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決することを目的とし、その構成は、2層以上の相互に自由移動できるフィルムの熱融着性層同士を重ね合わせて巻回された多重フィルムであって、該多重フィルムは両側縁部において、2層以上のフィルムを一体に結合するスポット融着部が散在しているは共に、該スポット融着部の表面に凹凸が生じていることを特徴ととし、更に上記スポット融着部の両側縁部において、一方のフィルムが他方のフィルム内に嵌入している点状の傷痕が設けられていることを特徴とする。
【0009】
すなわち、互いに融着も接着もされず相互に自由移動できる2層以上のフィルムの両側縁部に点状のスポット融着部を設けることにより、2層以上のフィルムが一体に融着され、融着されていない部分は2層以上のフィルムが相互に自由移動できる状態にした。
その結果、相互に自由移動できる2層以上のフィルムを一体として巻取り、巻出しすることができ、スポット融着により生じた凹凸が相互に絡まり巻崩れを防止して確実に巻回することができる。
【0010】
このスポット融着部は多少肉厚になって側縁部にのみ存在するため、巻回した場合に、側縁部が肉厚になって図1に示すように盛り上がって巻回される。相互に自由移動できるフィルムの最内層のフィルムと最外層のフィルムとではその巻径がわずかに相違しているが、そのまま大量に巻回するとこの微妙な巻径の差が巻シワとなり、一定張力で巻回できない結果となるが、本発明においては両側縁部が肉厚でしっかりと同一張力で巻回されているため、中央部はフィルムがたるんだ状態で巻回され、2層以上のフィルムの巻径の差に由来するシワやタルミが生じない。
【0011】
更に、スポット融着は2層以上のフィルムの一体化であるが、スポット融着部とスポット融着部が離れているため両側縁部のスポット融着されていない部位はスポット融着間隙となり、この間隙において相互に自由移動できる2層以上のフィルムのズレを吸収することができる。
したがって、交互に異種フィルムが巻かれていてもシワやタルミが生じることなく、フィルム同士がブロッキングすることもなく円滑に一体化した多重フィルムが巻出され、あたかも積層された1層のフィルムのように自動製袋充填することができる。
スポット融着された部位は製袋時には袋の融着部或いは融着部の外側となるため袋本体の気密性及び強度に何ら影響しない。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における多重フィルムとは2層以上のフィルムが側縁部以外の部位において、相互に自由に移動できる状態にあり、密着されていないことである。すなわち、融着も接着もされていない非ラミネート状態にあることである。また、多重フィルムを形成する各フィルムは単層フィルムであることを要件とせず、2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、2軸延伸ポリプロピレン等の強靱な基材フィルムと、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の熱融着性フィルムとの積層品が広く使用される。
更に、内容物によっては、ポリ塩化ビニリデン系フィルム層、エチレン−ビニルアルコール系樹脂フィルム層、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着層等のガスバリア性層を積層することができる。
【0013】
多重フィルムを構成する相互に自由移動できる各フィルムの外層は、両面が熱融着性層であることが好ましい。ただし、製袋した場合に最外層となる面は熱融着性層でなくとも差支えない。
本発明の多重フィルムとは2層、3層或いはそれ以上の独立した互いに積層されていない複数層のフィルムをまとめて1層とみなした称呼である。多重袋は多重フィルムからなる袋であり、実質的にフィルムを多層に重ね合わせ、四方融着袋、三方融着袋、ピロー型袋、ガセット袋等、必要な端部を融着して内容物を充填し、密封した袋である。
多重袋用フィルムは多重袋の原料として使用されるフィルムであり、必然的に多重フィルムである。スポット融着が施される部位は側縁部の袋の融着部或いは融着部の外側である。
【0014】
本発明における相互に自由移動とは、2層以上のフィルムが接着剤や熱融着や共押出し等の方法によって一体化していない状態の複数のフィルムである。したがって、各フィルムは独立しているため、相互に滑って相対的位置を変動することができる状態にある。
【0015】
この相互に自由移動できるフィルムの接触面には粗面加工をすることが好ましい。粗面加工とはフィルム面に微細な凹凸を設ける加工であり、一般に梨地加工とも呼ばれている。例えば、フィルム製膜時に冷却ロールに微細な凹凸を有するマットロールを使用する方法、サンドブラスト、硬い凹凸面を有する加工具でフィルムを押圧する等の方法で加工することができる。粗面加工されたフィルム面は、凹凸が存在するため接触部が凸部のみとなり、実質的に接触面積が減少して一層滑り易くなり、結果的に多重フィルムの性能を増大する。粗面加工は相互に自由移動できる2層のフィルム面の接触面の両方に施すことが好ましいが、一方であっても本発明の効果が得られる。
【0016】
図1は本発明の多重袋用巻回フィルムの斜視図であり、図2〜図4はスポット融着部の拡大模式図である。
1は第1のフィルム、2は第2のフィルムであり、仮想線で示した3は第3のフィルムを用いた場合における第3のフィルムである。4はスポット融着部であり、スポット融着部4とスポット融着部4との間に存在する融着されていない部位がスポット融着間隙5であり、多重フィルムを巻回した場合に生じるシワやタルミがスポット融着間隙5により吸収され、均一な張力により硬く巻回された多重フィルムが得られる。6は巻回するための紙管であり、7は巻回された多重フィルムである。
【0017】
本発明のスポット融着とは多重フィルムを構成する全部のフィルムが局部的に一体に融着されている状態である。場合によっては接着剤による接着であっても多重フィルムの全てのフィルムが局所的に一体化されていれば本発明の効果を有する。
更に、本発明の融着とは、図2に示すように単にフィルム同士が融着固定された状態のもの、図3に示すように融着された結果中央部に穿孔8が生じこの穿孔8の周囲に融着された肉厚部9が形成されているもの、図4に示すように融着部位の中央部が多少肉薄になり、その周囲が肉厚になり凹凸10が生じたもの等各種の状態を包含する。
スポット融着部は上記の融着部が点状であり、この点状の融着部位がスポット融着間隙を介して互いに離れて存在することを意味する。
【0018】
スポット融着部は先端の尖った加熱された工具を押圧することにより容易に得られる。先端の面積が小さい場合や圧力が大きい場合には図3に示すような穿孔8を生じるが、その周囲にフィルムが相互に融着した肉厚部が生じるため本発明の効果を有する。
また、先端の面積が大きい場合や圧力が小さい場合には穿孔は生じないがこの場合も図4に示すように融着部の中央部が肉薄になり、その周囲に肉厚部が生じて凹凸が生じ本発明の効果を発揮する。
スポット融着部の凹凸は巻回した場合に隣接する多重フィルム同士を絡み合わせる効果があり、図1に示すように巻回した場合に両端が肉厚になり、中央部の多重フィルム自体は緩く巻回される結果となり、相互にブロッキングすることもなくシワやタルミも発生せず以後の自動製袋充填工程が円滑に行われる。
【0019】
スポットの形状は特に限定されるものではなく、例えば、円形、長円形、角型などが用いられる。
スポットの大きさは融着熱が相互に自由移動できるフィルムの厚みの全体に伝播する必要があるため、例えば円形の場合では直径1〜10mm、好ましくは2〜5mmである。しかしながらこの大きさはフィルムの厚みや素材構成により変動し、一般に薄いフィルムや溶融し易いフィルムの場合には小径のスポットで充分である。
【0020】
スポット融着間隙の広さはフィルムの滑り易さ、重ねるフィルムの枚数、融着強度、他の加工を併用するか否かによって異なり、一般には1〜30cm、好ましくは5〜20cmである。要するに相互に自由移動できる多重フィルムの各フィルムが移動し、その相対的位置を変動してもその際のズレを吸収できる広さがスポット融着間隙に確保されていればよい。この要件が充足されているならば巻回されたフィルムの両側縁部以外の部位にシワやタルミが生じない。
【0021】
更に、両側縁部にスポット融着部を設ける他に微細な傷痕群を密集して設けると本発明の効果は一層増大される。傷痕とは多重フィルムの一方の側から先端のやや尖った突起が密集している工具で押圧することにより得られた傷であり、この傷は多重フィルムの他方の面でフィルムが突出する程度の傷が好ましい。
例えば2層からなる多重フィルムを例にとれば、第1のフィルムと第2のフィルムは単に重ね合わせたのみで何ら結合しておらず、傷痕以外の部位は相互に自由移動できる状態にある。第1のフィルム1から第2のフィルム2に向かって加工具で押圧することにより凹部が形成され、第1のフィルム1が第2のフィルム2に嵌入してこの部位で両フィルムは結合する。更に間接的に押圧された第2のフィルム2は反対側の表面に押し出されて突出部を形成する。突出部は相互に自由移動できる2以上のフィルムを、必要な期間連結しておくクサビの作用を有する。
【0022】
本発明においては傷痕は必ずしも穿孔を有する必要はなく、第1のフィルムが第2のフィルム内に嵌入していればよい。第2のフィルム2の外面が突出していても、突出していなくとも両フィルムが確実に仮結合されていれば本発明の目的は達成される。
また、フィルムが3層以上であっても同様であり、傷痕群を設ける幅は3〜15mm幅が好ましい。
【0023】
スポット融着部のみを設けた場合も、スポット融着部と傷痕群を併用した場合も多重フィルムが巻出されてから自動製袋充填機で製袋、充填、密封されるまでの間、多重フィルムを一体化させる機能を有するものであればよい。
傷痕群を設けるにあたっては特に限定はないが、回転する円盤を用いて多重フィルムの側縁部を押圧することが好ましい。この円盤は円周に多数の突起を有し、この突起が多重フィルムの側縁部を押圧する。突起は断面三角錐の形状である。傷痕を形成する錐状に尖った点状の突起を散在させるか、千鳥状に配列することが好ましい。また、細長い尾根状の突起を配列して用いることもできる。この場合も突起の横断面が三角錐形状であることが好ましい。
【0024】
突起の長さ及び押圧力は加工する多重フィルムの種類によって異なり、多重フィルムの一方の面から押圧して他方の面に突起が現れる程度である。
或いは、他方の面に突起が現れなくとも、多重フィルムの各層が絡まり合い、スポット融着部との相乗効果により、自動製袋充填機において巻出されてから、製袋、充填、密封されるまでの間に多重フィルムの各層が離れない程度に仮に結合していればい。
スポット融着部は傷痕群と重ねて設けても、別の位置に設けてもよい。
【0025】
また、両面に熱融着性層を有する第1のフィルムを用い、第2のフィルム或いは第3のフィルムとして相互にブロッキング状態になっている2層のフィルムを用いることもできる。
ブロッキング状態とは、接触している熱融着性フィルム同士が接着剤や熱融着により完全に一体化して硬くなった状態ではなく、接触しているフィルム同士が相互の粘着性、例えば自己粘着性、可塑剤による仮の粘着性等により弱く結合した状態であり、軽い力により容易に剥離するものである。一言で言えば、フィルム同士が幾分ベトベトした状態である。
【0026】
【実施例】
実施例1
KON#15 の両側にPE及びLLを押出しコーティング法により積層し、
LL15/PE15/KON#15 /PE20/LL30からなる積層フィルムである幅1mの第1のフィルムを製造した。なお、この時両端のLLは押出し時に冷却ロール面を梨地面とすることにより粗面加工した。
ここで、LLは線状低密度ポリエチレンの略称であり、PEは低密度ポリエチレンの、KONはポリ塩化ビニリデンをコートした2軸延伸ナイロンの、それぞれ略称であり、これらの略称の後に付した縮小数字はμ単位の厚さを示す。縮小数字の前に付した「#」の印はフィルムであることを意味する。
【0027】
第1のフィルムのLL30の面と、幅約1mのLL#75 の第2のフィルムを重ね合わせながら、両側縁部に直径3mmの円形の点状のスポット融着部4をスポット融着間隙として10cmを保って1列に配列し、これを第2のフィルム、LL#75 側を袋の内側になるようにして紙管に巻回した。図1に示すような、両端がやや膨れた巻崩れのない安定した巻回多重フィルムが得られた。
スポット加工は直径3mmの円形の突起を円周面に有する直径10cmの円盤を270℃に加熱し、この加熱円盤とシリコーンゴムをライニングした受けロールの間に重ね合わせた第1のフィルムと第2のフィルムを通すことによって行った。
【0028】
縦型ピロー式自動製袋充填機を用いて、この巻回多重フィルムを第2のフィルム、LL#75 側を袋の内側になるようにしてピロー型袋に製袋しながら水10kgを充填した。第1のフィルムと第2のフィルムは剥離せず、ずれることもなく円滑に連続運転することができた。
充填袋を段ボール箱に入れ、この段ボール箱50個を振動試験機で振動幅50mm、振動数168回/分の振動条件で水平方向に30分間振動させて耐ピンホール性を試験した。30分間振動後に破袋して水が漏洩したピロー袋は1袋もなかった。
【0029】
比較のため、LL15/PE15/KON#15 /PE20/LL30とLL#75 のフィルムを重ね合わせて側縁部にスポット融着部4を設けることなくそのまま紙管に巻回した。
縁が揃わず、途中ですべって巻崩れ、一定の張力で巻回すること自体が不可能であった。
【0030】
比較例1
比較のために、実施例1の第1のフィルムにLL#75 の第2のフィルムをドライラミネート法により積層して、LL15/PE15/KON#15 /PE20/LL30//LL#75 のフィルムを製造した。
実施例1と同様の試験を行ったところ、50個中9個が破袋した。
【0031】
実施例2
実施例1で得られたLL15/PE15/KON#15 /PE20/LL30からなる第1のフィルム1のLL30の面とLL#50 −LL#50 の第2のフィルム2の2枚のフィルムを実施例1の方法で重ね合わせた。更に、本実施例においては、スポット融着部の外面に点状の傷痕群を3.5mm幅に7列千鳥状に配列した。加工にあたっては幅3.5mmの回転円盤の円周面に三角形の突起を7列千鳥状に配列した加工具を、多重フィルムの側縁部のスポット融着部の更に外側に押圧した。
【0032】
LL#50 −LL#50 は50μ厚の線状低密度ポリエチレンをインフレーション成形法により厚みが50μ、周囲約2mのフィルムを成形し、引取り用ニップロールでフィルムを引取ると同時にチューブ状のフィルムを折りたたんで加圧後、フィルム両端の折曲げ部分をスリッターで切り離すことにより得られた内面が相互にプロッキングした、すなわち、べとついた合計厚み100μの線状低密度ポリエチレンフィルムである。
【0033】
この重ね合わせたフィルムを呼び径3インチ、紙厚12mmの紙管に巻回したところ、長さ500m巻回して巻きジワが全くない直径360mmの巻回フィルムが得られた。
多重フィルムの側縁部にスポット融着と微小な傷痕群を密集して設けた場合には、紙管に巻回した場合には巻き崩れないばかりでなく、巻きジワの発生を阻止し自動製袋充填機に使用する場合により円滑に巻出せる効果が認められた。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、多重フィルムを一定張力で巻回することができ、安心して自動製袋充填機により効率的に製袋充填密封を行うことができる。得られた充填袋は耐ピンホール性、耐落下衝撃性及び耐寒性等の機械的特性に優れ、バッグインボックス用の内容袋として好ましい密封袋が得られる。
更に、自動製袋充填機による液体や半流動体の充填包装が可能になったため、密封袋内に空気を残留させない包装ができ、内容物の変質を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施例の多重袋用巻回フィルムの斜視図である。
【図2】図2は本発明のスポット融着部の1例の拡大説明図である。
【図3】図3は本発明のスポット融着部の1例の拡大説明図である。
【図4】図4は本発明のスポット融着部の1例の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 第1のフィルム
2 第2のフィルム
3 第3のフィルム
4 スポット融着部
5 スポット融着間隙
6 紙管
7 巻回された多重フィルム
8 穿孔
9 肉厚部
10 凹凸
Claims (3)
- 2層以上の相互に自由移動できるフィルムの熱融着性層同士を重ね合わせて巻回された多重フィルムであって、該多重フィルムは両側縁部において、2層以上のフィルムを一体に結合するスポット融着部が散在していることを特徴とする多重袋用巻回フィルム。
- 多重フィルムのスポット融着部の表面に凹凸が生じていることを特徴とする請求項1記載の多重袋用巻回フィルム。
- 多重フィルムの両側縁部において、一方のフィルムが他方のフィルム内に嵌入している点状の傷痕が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の多重袋用巻回フィルム。
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