JP3559145B2 - 可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法および充填構造 - Google Patents

可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法および充填構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法および充填構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平5−278554号公報に開示されているように、例えばエアバック装置用ガス発生装置においては、その高圧容器にエアバッグを膨張させるための可燃性ガス混合体が封入されている。
【0003】
ここで混合ガスは、可燃性ガスと、支燃性ガスおよび/または不活性ガスとを含む。可燃性ガスは水素が好ましいが、メタンまたは水素とメタンとの混合物であってもよい。支燃性ガスは、酸素が好ましい。不活性ガスは窒素、アルゴン、または窒素とアルゴンとの混合物が好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような可燃性ガスと支燃性ガスとにおいては、ある濃度で混合されることにより燃焼が可能となる。ここで燃焼するのに必要な可燃性ガス濃度の下限と上限をそれぞれ爆発下限界、爆発上限界といい、爆発下限界と爆発上限界との間を爆発範囲または燃焼範囲という。また、爆発範囲内における可燃性ガスと支燃性ガスの最小着火エネルギーは、例えば、可燃性ガスに水素を選び、支燃性ガスに酸素を選んだ場合、0.02mJ(ミリジュール)といわれている。
【0005】
また、ガスを高圧容器に加圧充填する際には、ガスの圧縮による発熱でガス温度が上昇する。可燃性ガスと支燃性ガスを充填する際にこの圧縮熱により、ガスの温度が自然発火温度(例えば、水素は400°C以上といわれている。)に達すると着火源がなくても燃焼を開始してしまう。
【0006】
すなわち、エアバッグ装置用ガス発生装置等においては、可燃性ガスと支燃性ガスとを高圧容器に充填し、充填口を封止する場合に、このような特性を考慮し、充分に実用的な充填技術等を確立することが望まれている。
【0007】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、可燃性ガスと支燃性ガスとを圧力容器に実用的に充填する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可燃性ガスと支燃性ガスとを充填口を通じて高圧容器内に充填する工程において、充填口近傍で混合ガスの濃度を爆発範囲外とするようにしたものである。
【0009】
本発明によれば、可燃性ガスと支燃性ガスとを容器に確実に充填し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、容器に備えた充填口を通じ、可燃性ガスと支燃性ガスとを充填する充填工程で、充填口近傍に生成された可燃性混合ガスのガス組成を爆発範囲外に規制したものであり、充填口を封止する際に火花や熱が発生しても混合ガスには何等影響を与えない。
【0011】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、請求項1の充填方法において、充填工程に、可燃性ガス、支燃性ガスおよび/または不活性ガスを充填する工程を含むものである。
【0012】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、各種ガス毎の充填工程で、各種ガスの混合ガスを爆発範囲外に規制して充填するようにしたものである。
【0013】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、少なくとも可燃性ガスを充填する工程と支燃性ガスを充填する工程との間に、充填経路を排気、および/または真空引きする工程を有するものである。
【0014】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、可燃性ガスを充填する工程と支燃性ガスを充填する工程を相前後して実行するようにしたものである。
【0015】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、不活性ガスを充填する工程を可燃性ガスを充填する工程および/または支燃性ガスを充填する工程の後に実行するようにしたものである。
【0016】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、容器を冷却する冷却工程を有するもので、充填ガスの温度を自然発火温度以下に規制するものである。
【0017】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法は、上記充填方法において、容器のアースをとる工程を有するものである。
【0018】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、容器に備えた充填口を通じ、可燃性ガスと支燃性ガスとを容器に充填した後、充填口を封止部材で封止するまでの所定の時間、少なくとも充填口近傍で可燃性ガスと支燃性ガスとを実質的に分離する分離手段を備えたものであり、充填口を封止する際に火花や熱が発生しても混合ガスに影響しない。
【0019】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段が、容器内を、充填口を包囲する小室とその周囲の大室とに画成し、小室と大室とを連通する微細孔を有する仕切り部材からなるものである。
【0020】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段が、容器内で充填口に螺旋状に連続する空間を画成する螺旋状の管状部材からなるものである。
【0021】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段が、容器内で充填口に筒状に連続する空間を画成する筒状部材からなるものである。
【0022】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段が、容器内において充填口に対向的に配設され、ガス流路を偏向する偏向板からなるものである。
【0023】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、偏向板にガスの流れをさらに回転方向に案内する仕切り板を備えたものである。
【0024】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段の少なくとも一部にガスの流れを絞る手段を含むものである。
【0025】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段の少なくとも一部にガスの逆行を防止する逆止弁を含むものである。
【0026】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、充填口の封止部材が、ピン若しくはねじ若しくはキャップ若しくは溶接板のいずれかから選ばれるものである。
【0027】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、封止部材に容器よりも柔軟な部分を有するものである。
【0028】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、分離手段のガス噴出口にガス拡散手段を備えたものである。
【0029】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造は、上記充填構造において、容器が2つ以上の領域に区画されており、分離手段が各領域にほぼ均等にガスを充填することを特徴とする充填構造である。
【0030】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填物は、可燃性ガスと支燃性ガスを上記充填方法により充填したものである。
【0031】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填物は、可燃性ガスと支燃性ガスを上記充填構造により充填したものである。
【0032】
本発明の可燃性ガスと支燃性ガスの充填物は、エアバッグ装置用ガス発生装置に用いるものである。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
(実施の形態)
図1に本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法に使用する装置の全体構成を示している。図1において、1は高圧容器、11はその充填口である。12は充填口11を封止する封止部材である。2は充填治具であり、高圧容器1にねじ込み手段または加圧手段により装着する。3は封止部材動作機構であり、ピストン方式または回転ねじ込み方式により封止部材(封止ピン)12を充填口11に締め込む。4は可燃性ガス源または可燃性ガスと不活性ガスの混合ガス源である。5は支燃性ガス源または支燃性ガスと不活性ガスの混合ガス源である。6は真空ポンプである。7は各ガス源4、5および真空ポンプ6と、充填治具2を通じ高圧容器1とを連結する充填経路である。充填経路7に開閉弁81、82、83、84と、圧力計91、92、93を備えることにより、高圧容器1にガスを充填する際の充填速度を制御する。
【0034】
なお、可燃性ガスとしては、種々の可燃性ガスが用いられ得るが、例えば水素、炭化水素類、アルコール類から選ばれる少なくとも一種類のガスが用いられる。支燃性ガスとしては、種々の支燃性ガスが用いられ得るが、例えば酸素、ハロゲン類から選ばれる少なくとも一種類のガスが用いられる。不活性ガスとしては、種々の不活性ガスが用いられ得るが、例えばヘリウム、窒素、アルゴンから選ばれる少なくとも一種類のガスが用いられる。支燃性ガスと不活性ガスの混合ガスとして空気を用いることもできる。
【0035】
図1中、高圧容器1に本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造を備えている。15は充填口11を包囲する小室13とその周囲の大室14とに画成する有底円筒状の仕切り部材15である。この仕切り部材15の周面の一部に小室13と大室14とを連通する微細孔として噴出口16が少なくとも1つ形成されている。
【0036】
次に上記装置構成を用いて高圧容器1に可燃性ガスと支燃性ガスとを充填する方法について図1を用いて説明する。なお、ここでは可燃性ガスに水素を用い、支燃性ガスに酸素を用いるものとする。図1において、まず、充填治具2に高圧容器1をねじ込みあるいは加圧など公知の装着方法により装着する。高圧容器1と充填治具2とを連通した状態で、開閉弁82、83は閉じる。次に開閉弁81、84を開く。真空ポンプ6により、充填経路7、充填治具2、高圧容器1をそれぞれ真空引きする。真空度は圧力計93によりモニターする。真空引きした後、開閉弁84を閉じ、開閉弁83を開いて、可燃性ガス源4から水素を高圧容器1に充填口11を通じて充填する。ここで、水素は充填口11から小室13に入り、噴出口16から高圧容器1の大室14に充填される。圧力計93のモニターにより所定の圧力に到達したら、開閉弁81、83を閉じる。このようにして高圧容器1内に、まず水素を爆発範囲外で充填する。なお、ここでは封止部材動作機構3を作動させていないので、充填口11は封止部材12により封止されていない。
【0037】
次いで、図示しない排気ラインから充填経路7のうち弁81、82、83で規定される領域の水素ガスを排気した後、開閉弁84を開いて真空ポンプ6により充填経路7のうち弁81、82、83で規定される領域のみを真空引きする。ここで、可燃性ガスを排気する際は、排気ラインから放出される可燃性ガスに着火しない様、図示しない排気ライン中でN等の不活性ガスで希釈しながら排気することが望ましい。
【0038】
真空引きした後、開閉弁84を閉じ、今度は開閉弁81、82を開けて支燃性ガス源5から酸素を高圧容器1に充填する。酸素は充填口11から小室13に入り、小室13内の水素を噴出口16から高圧容器1内の大室14に押し出しながら充填される。このとき噴出口16は十分に小さいため、水素の逆流はほとんど起こらない。小室13内は水素が酸素で置換されたことになるので、酸素を爆発範囲外で充填できたことになる。高圧容器1内の圧力が所定の圧力に達したら封止部材動作機構3を作動させ、封止部材12により高圧容器1の充填口11を封止する。なお、この後、充填治具2および充填経路7内の酸素を図示されない大気開放弁から開放してから、充填治具2を取り外す。
【0039】
上記可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法および高圧容器1の構造の安全確認のため、水素に代えて不活性ガスのヘリウムを用い、同じ充填方法による充填実験を行い、高圧容器1の充填口11近傍のガス濃度を測定した。充填直後に高圧容器1の小室13のガスを抜き出し、四重極質量分析機によりヘリウム濃度を調べたところ、1%以下であった。すなわち、ヘリウムを水素に置き換えて考えると、充填口11近傍のガス濃度は水素の爆発下限界以下であることがわかる。
【0040】
したがってこの可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法によれば、可燃性ガスと支燃性ガスとを充填する充填工程で、充填口11近傍の混合ガス濃度を爆発範囲外に規制しているので、充填口11を封止する際に火花や熱が発生しても混合ガスに影響することがなく、実用性を確保することができる。
【0041】
また、この圧力容器1に施された可燃性ガスと支燃性ガスとの充填構造によれば、その充填口11近傍において、小室13により可燃性ガスと支燃性ガスとを分離して、爆発範囲外に規制しているので、充填口11の封止に際し火花や熱が発生しても混合ガスに影響することがなく、実用性を確保することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態においては、各種ガスの充填を圧力制御により行っているが、重量制御、あるいは流量制御に代えることができる。
【0043】
また、先に可燃性ガスを充填し、後に支燃性ガスを充填しているが、これらの充填順序はどちらが先でどちらが後でもよい。またこれに、不活性ガス源を加えてもよく、この場合の充填順序もまた任意である。また、可燃性ガスに不活性ガスを混合したガス源を用いてもよく、支燃性ガスに不活性ガスを混合したガス源を用いてもよい。この場合も、さらに不活性ガス源を加えてもよい。なお、各充填工程の後には、充填ラインの少なくとも一部を排気、真空引きする。充填ライン内のガス圧力が低い場合、真空引きだけでもよい。充填ガスの組成の精度が問題とならない場合は排気のみでもよい。好ましくは排気後、真空引きを行うべきである。
【0044】
さらに、前記各充填工程において、高圧容器1および/または充填治具2を冷却しながら充填を行うことも可能である。これは各充填工程の際に発生する圧縮熱を除去する効果があるので、混合ガスの温度を自然発火温度以下に規制することができる。
【0045】
また、充填口11の封止部材12による封止を最後に行っているが、各種ガスの充填工程毎に行ってもよい。各工程毎に行う場合は、その都度充填口11を封止部材12で塞ぐことにより、充填経路7のみでなく、充填治具2まで真空引きすることができる。
【0046】
また、充填口11の封止方法は、封止部材12に封止ピンを用いた場合はその嵌合により、ねじを用いた場合はそのねじ込みにより、キャップを用いた場合はそのかしめにより、溶接板を用いた場合はその溶接により行われる。なお、ピン、ねじ、キャップにあっては高圧容器1に対して柔軟な部分を持っていることが好ましい。
【0047】
封止部材12で充填口11を封止する際に、高圧容器1および/または封止部材動作機構3をアース(図示せず)しておけば一層の作業の確実性が確保される。また、高圧容器1を冷却しておけば、一層の作業の確実性が確保される。
【0048】
また、上記実施の形態において、可燃性ガスと支燃性ガスとの各充填工程において充填口11近傍で各種ガスを実質的に分離する手段として仕切り部材15を説明しているが、その形状に任意の形状をとることが可能である。小室13の形状が立方体、長方体でもよいし、球面により構成されていてもよい。しかし、好ましくは角を有さない構造である。これは、角を有するとそこにガス溜りができる可能性があるからである。ここで、噴出口16の数、口軸の向きは任意に選択することが可能である。さらに、分離手段として、次のような各分離手段を用いることも可能である。
【0049】
図2(A)、(B)に分離手段の第1の変更例を示している。この分離手段は、一端を高圧容器1内部の充填口11に装着したスパイラル状のチューブ151である。このスパイラル状のチューブ151はガスの逆流を防ぐのに十分な流路を構成している。後から充填したガスが先に充填したガスを、チューブ151から大室14へ押し出す。よって、このスパイラル状のチューブ151により、充填口11近傍のガス濃度を爆発範囲外に規制することができる。
【0050】
さらにこの分離手段では、スパイラル状のチューブ151を用いているため、噴出口16から噴出するガスは、図中矢印に示すように、渦流を形成し、高圧容器1内のガスの混合を促進する。
【0051】
図3に分離手段の第2の変更例を示している。この分離手段は、一端を高圧容器1内部の充填口11に装着した円筒状のチューブ152である。後から充填したガスが先に充填したガスをチューブ152から大室14へ押し出す。これにより充填口11近傍のガス濃度を爆発範囲外に規制することができる。ここでは、ストレート状のチューブとしているが、少なくとも一箇所に曲げ加工を施してもよい。
【0052】
図4は分離手段の第3の変更例を示している。この分離手段は、一端を高圧容器1内部の充填口11に装着した円筒状のチューブであり、このチューブ152の先端部には通気性部材21が設けられている。この通気性部材21には焼結金属や、細い金属繊維を積層したマット状金属等の多孔質物質が用いられている。このようにして、第2の変更例と同様に、後から充填したガスが先に充填したガスをチューブ152から大室14へ押し出し、充填口11近傍のガス濃度を爆発範囲外に規制することができ、さらにチューブ152先端の通気性部材21によりチューブ152から大室14へガスを効率良く拡散することができる。
【0053】
図5(A)、(B)に分離手段の第4の変更例を示している。この分離手段は、高圧容器1の充填口11の周囲にその外周方向に向けて連続する第1の円形板153Aと、この第1の円形板153Aとの間に微細な隙間を画成して配設された第2の円形板153Bとを備える偏向板153を用い、圧力容器1内において充填口11から流入するガスの流れを外周方向(図4中、矢印方向)に偏向する流路を構成している。なお、第2の円形板153Bは曲面形状にしてもよい。このようにしても圧力容器1の充填口11近傍において、偏向板153のガス流路を通じ、後に充填したガスが先に充填したガスを押し出す結果、ガスを実質的に分離するので、充填口11近傍のガス濃度を爆発範囲外に規制することができる。
【0054】
図6は分離手段の第5の変更例を示している。この分離手段は、第5の変更例と同様に、第1、第2の円形板153A、153Bを備える偏向板153を用い、さらに、これらの円形板153A、153B間に、高圧容器1の中心軸に対して放射状に、かつその一つ一つが湾曲状の複数(ここでは4枚)の仕切り板154が設けられている。このようにして、充填口11から流入され、外周方向に偏向されたガスの流れをさらに高圧容器1内周面の円周方向に案内し、回転させながら流していく。したがって、第4の変更例と同様に、充填口11において偏向板153のガス流路により、後から充填したガスが先に充填したガスを押し出して充填口11近傍のガス濃度を爆発範囲外に規制することができ、さらに複数の仕切り板154により容器1内部のガスを回転させて早く拡散することができる。
【0055】
なお、高圧容器1の各分離手段において、それぞれガスが通過する流路に実質的にその流路を狭める手段やガスの逆行を防止する逆止弁を設けてもよい。この場合、逆流防止をさらに向上させて、ガスの分離効果をさらに高めることができる。また、第1、第3、第5の変更例に示すスパイラル状のチューブや、通気性部材、さらに仕切り板などがガスの混合を促進する補助手段として有効であり、各実施の形態の間で利用すると効果的である。
【0056】
次に充填された各種ガスの高圧容器1内での混合を考える。高圧容器1が複数の領域に区画され、かつどの領域においてもガス組成を均一にしたいとする。図7に2つの領域に区画された高圧容器31を例示している。なお、ここで図1と同じ構成要素には同一の符号を付してある。高圧容器31は第1の領域32と第2の領域33に区画され、両者が通気開口34により連通されている。分離手段は本発明の実施の形態で示した任意のものを用いることができ、ここでは、図1に例示した仕切り部材15を用いた例を示している。先に充填するガスとして水素、後に充填するガスとして酸素を例にとると、酸素は水素を押すように充填されるから、充填直後の第1の領域32は水素濃度が高く、第2の領域33では、酸素濃度が高くなっている。しかし、両領域は通気開口34により連通されているので、所定時間経過すれば、両領域のガス組成は等しくなる。
【0057】
このように、本発明の実施の形態によれば、複数の領域に区画された高圧容器への充填も可能である。
【0058】
但しこの場合、単一構造の高圧容器に比べて、高圧容器31内のガス組成が均一になるまでにかかる時間が長くなり、この時間を減少するために、図8に示すような構造が有効である。図8において、41はチューブであり、その一方の開口端42が充填口11に装着されている。その他方の開口端43は第1の領域32に臨まれるとともに、その開口端43の近傍に別に吹き出し口44が設けられて、この吹き出し口44を通じて第2の領域33に連通されている。このようにすると、開口端43、吹き出し口44を通じて、第1の領域32と第2の領域33にガスを同時に充填できるとともに、開口端43、吹き出し口44を通じて第1、第2の領域32、33を通気することができ、したがって、両領域のガス組成をほぼ同一に充填することができる。また、充填口11の近傍においては、後から充填したガスが先に充填されたガスを押し出すので、ガス組成を爆発範囲外とすることができる。なお、チューブ41の開口端43、吹き出し口44の口径、設置位置、口軸の向きはそれぞれ任意である。
【0059】
なお、上記各実施の形態において、充填口は圧力容器の中心軸上に設けられているが、中心軸からオフセットした位置でもよく、長軸と交差する軸上でもよい。また、分離手段の噴出口の数、口軸の向きも任意の形態を選択することができる。
【0060】
上記各充填方法および各充填構造並びにその充填物は、従来例で触れたエアバッグ装置用ガス発生装置に備える高圧容器に適用することができ、同様な作用効果を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、可燃性ガスと支燃性ガスとを充填する充填工程で、その充填口近傍において可燃性ガスと支燃性ガスとを分離して、爆発範囲外に規制しているので、充填口を封止する際に火花や熱が発生しても混合ガスに何等影響することがなく、可燃性ガスと支燃性ガスとを容器に実用的に充填することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法に使用する装置構成並びに本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造を備える高圧容器の図
【図2】(A)高圧容器に備える分離手段の第1の変更例を示す一部省略断面図
(B)同分離手段の正面図
【図3】高圧容器に備える分離手段の第2の変更例を示す一部省略断面図
【図4】高圧容器に備える分離手段の第3の変更例を示す一部省略断面図
【図5】(A)高圧容器に備える分離手段の第4の変更例を示す一部省略断面図
(B)同分離手段の正面図
【図6】高圧容器に備える分離手段の第5の変更例を示す正面断面図
【図7】複数の領域に区画された高圧容器において、本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造を示す断面図
【図8】複数の領域に区画された高圧容器において、本発明の実施の形態における可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造を示す断面図
【符号の説明】
1 高圧容器
11 充填口
12 封止部材
13 小室
14 大室
15 仕切り部材(分離手段)
16 噴出口
2 充填治具
3 封止部材動作機構
4 可燃性ガス源または可燃性ガスと不活性ガスの混合ガス源
5 支燃性ガス源または支燃性ガスと不活性ガスの混合ガス源
6 真空ポンプ
7 充填経路
81、82、83、84 開閉弁
91、92、93 圧力計
151 スパイラル状のチューブ(分離手段)
152 円筒状のチューブ(分離手段)
21 通気性部材
153 偏向板(分離手段)
153A 第1の円形板
153B 第2の円形板
154 仕切り板
32 第1の領域
33 第2の領域
41 チューブ
42 開口端
43 開口端
44 吹き出し口

Claims (13)

  1. 容器に備えた充填口を通じ、可燃性ガスと支燃性ガスとを前記容器に充填した後、前記充填口を封止部材で封止するまでの所定の時間、少なくとも前記充填口近傍で可燃性ガスと支燃性ガスとを実質的に分離する分離手段を備えた可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  2. 分離手段は、容器内を充填口を包囲する小室とその周囲の大室とに画成し、前記小室と大室とを連通する微細孔を有する仕切り部材からなる請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  3. 分離手段は、容器内で充填口に螺旋状に連続する空間を画成する螺旋状の管状部材からなる請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  4. 分離手段は、容器内で充填口に筒状に連続する空間を画成する筒状部材からなる請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  5. 分離手段は、容器内において充填口に対向的に配設され、ガス流路を偏向する偏向板からなる請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  6. 偏向板がガスの流れをさらに回転方向に案内する仕切り板を備えている請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  7. 分離手段の少なくとも一部にガスの流れを絞る手段を含む請求項からのいずれかに記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  8. 分離手段の少なくとも一部にガスの逆行を防止する逆止弁を含む請求項からのいずれかに記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  9. 充填口の封止部材が、ピン若しくはねじ若しくはキャップ若しくは溶接板のいずれかから選ばれる請求項からのいずれかに記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  10. 封止部材に容器よりも柔軟な部分を有する請求項記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  11. 分離手段のガス噴出口にガス拡散手段を備えている請求項から10のいずれかに記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  12. 前記容器が2つ以上の領域に区画されており、前記分離手段が各領域にほぼ均等にガスを充填することを特徴とする請求項から11のいずれかに記載の可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造。
  13. 容器に備えた充填口を通じ、可燃性ガスと支燃性ガスとを前記容器に充填した後、前記充填口を封止部材で封止するまでの所定の時間、少なくとも前記充填口近傍で可燃性ガスと支燃性ガスとを実質的に分離する分離手段を備えた可燃性ガスと支燃性ガスの充填構造を有し、不活性ガスを充填する工程を、可燃性ガスを充填する工程及び/または支燃性ガスを充填する工程の後に実行する可燃性ガスと支燃性ガスの充填方法。
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