JP3558394B2 - 防護柵の手摺用自在継手 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、防護柵の手摺用自在継手、特に、支柱の上端に手摺を取り付ける場合において、支柱に対する手摺の取付け角度を自在に変えることができ、しかも、優れた美観を有する、防護柵の手摺用自在継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、支柱の上端に横棧を取り付けるための継ぎ手構造として、図12あるいは図13に示すようなものが知られている。図12に示す継ぎ手構造は、コ字型のボルト1を支柱2の上端と手摺3とに挿通させて、支柱2の上端に手摺3を水平に固定するものである。そして、図13に示す継ぎ手構造は、コ字型ボルトの一端を外方に折り曲げたボルト4を支柱2の上端と手摺3とに挿通させて、支柱2の上端に手摺3を水平に固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した両継ぎ手構造は、手摺3を支柱2の上端に固定することはできても、支柱2に対する手摺3の取付け角度を変えることができなかった。
【0004】
従って、この発明の目的は、支柱の上端に手摺を取り付ける場合において、支柱に対する手摺の取付け角度を、水平面内においては360°、そして、垂直面内においては所定の角度範囲内において自在に変えて固定することができる防護柵の手摺用自在継手を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、防護柵用支柱の上端に固定されたキャップに、左右の手摺の端部を互いに突き合わせて角度調整自在に固定するための防護柵の手摺用自在継手において、両端に前記手摺端部の下半部を収容する、長手方向中央部に円形状バカ孔を有する半円筒形状の下部継手部材と、貫通孔を有し、前記バカ孔の内径より大きい直径を有する球状部材と、前記球状部材を前記バカ孔上に固定するための、前記貫通孔を通って前記キャップにねじ込まれる第1固定ボルトと、前記球状部材から突出する前記第1固定ボルトに嵌め込まれる、前記キャップと前記下部継手部材との間に所定の間隔をあけるための円筒状台座と、両端に前記手摺端部の上半部を収容する、長手方向中央下面に前記球状部材の上部を受け入れる半球状凹部を有する半円筒形状の上部継手部材と、前記下部継手部材と前記上部継手部材とを前記手摺の端部と共に一体的に筒状に連結するための第2固定ボルトとからなることに特徴を有するものである。
【0006】
この発明の別の特徴は、前記球状部材、前記第1固定ボルトおよび前記円筒状台座は、一体的に形成され、このように一体形成された係止部材を介して前記下部継手部材および前記上部継手部材は、前記支柱の上端に固定されることにある。
【0007】
この発明の別の特徴は、前記下部継手部材の前記バカ孔の下方部は、下方に向かって広がっていることにある。
【0008】
この発明の別の特徴は、前記球状部材、前記第1固定ボルトおよび前記円筒状台座は、一体的に形成されていることにある。
【0009】
この発明の更に別の特徴は、前記下部継手部材および前記上部継手部材は、長手中央部を境に先細りのテーパーが形成されている。
【0010】
【作用】
左右の手摺の端部を固定するための下部継手部材と上部継手部材とを球状部材を介して互いに連結すれば、水平面内における手摺の角度調整は360°自在に行え、垂直面内においても所定角度範囲内において角度調整が行える。
【0011】
【実施例】
次に、この発明の、防護柵の手摺用自在継手の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手の一実施態様を示す部分断面図、図2は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す平面図、図3は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す側面図、図4は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す正面図、図5は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における上部継手部材を示す平面図、図6は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す側面図、図7は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における上部継手部材を示す正面図、図8は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における球状部材を示す正面図、図9は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における円筒状台座を示す断面図、図10は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における係止部材を示す正面図、図11は、この発明の、防護柵の手摺用自在継手における別の係止部材を示す正面図である。
【0013】
図1から図9において、5は、防護柵用支柱、6は、支柱5の上端に固定された、中央部に後述する第1固定ボルト11がねじ込まれる雌ネジ6Aが形成されたキャップ、7は、後述する第1固定ボルトおよび上部継手部材の雌ネジ用の孔7Aが形成された手摺、8は、左右の手摺7の端部を互いに突き合わせて角度調整自在にキャップ6に固定するための、この発明の手摺用自在継手である。
【0014】
この発明の手摺用自在継手8は、図2から図4に示されるように、左右の手摺7端部の下半部を収容する、長手方向中央部に円形状バカ孔9Aを有する半円筒形状の下部継手部材9と、図8に示されるように、貫通孔10Aを有し、バカ孔9Aの内径より大きい直径を有する球状部材10と、球状部材10をバカ孔9A上に固定するための、貫通孔10Aを通ってキャップ6にねじ込まれる第1固定ボルト11と、図9に示されるように、球状部材10から突出する第1固定ボルト11に嵌め込まれる、キャップ6と下部継手部材9との間に所定の間隔をあけるための円筒状台座12と、図5から図7に示されるように、左右の手摺7端部の上半部を収容する、長手方向中央下面に球状部材10の上部を受け入れる半球状凹部13Aを有する半円筒形状の上部継手部材13と、下部継手部材9と上部継手部材13とを手摺7の端部と共に一体的に筒状に連結するための第2固定ボルト14とから構成されている。
【0015】
下部継手部材9のバカ孔9Aの下方部を、この実施例のように広げることによって、継手8の垂直面内における傾斜角度をより大きく取ることができる。下部継手部材9のバカ孔9Aの両側には、第2固定ボルト14用の孔9Bが形成されている。また、長手方向の両側縁部中央部には、上部継手部材13の後述する溝内に嵌まり込む突条9Cが形成されている。上部継手部材13の凹部13Aの両側には、第2固定ボルト14用の雌ネジ13Bが突設され、長手方向の両側縁部中央部には、下部継手部材9の突条9Cが嵌まり込む溝13Cが形成されている。下部継手部材9および上部継手部材13の外面には、その中央部を境に先細りのテーパーが形成されており、手摺との一体感を出している。
【0016】
このように構成されている、この発明の、防護柵の手摺用自在継手によれば、以下のようにして、支柱5の上端に左右の手摺が固定される。即ち、先ず、球状部材10および台座12内に通した第1固定ボルト11を台座12と共に下部継手部材9のバカ孔9Aに通して、第1固定ボルト11をキャップ6の雌ネジ6Aにねじ込む。このようにして、下部継手部材9をキャップ6に仮止めする。第1固定ボルト11を強固に締めても、台座12の長さは、下部継手部材9のバカ孔9Aの長さより長く、且つ、台座12の外径は、バカ孔9Aの径より小さいことから下部継手部材9は、水平面内においては360°、垂直面内においては所定角度範囲内において自在に傾斜させることができる。
【0017】
次に、手摺7の端部を下部継手部材9上に乗せ、上部継手部材13の雌ネジ13Bを手摺7の孔7A内に入れ、第2固定ボルト14を下部継手部材9および手摺7の孔9B、7Aを通して、上部継手部材13の雌ネジ13Bにねじ込んで、球状部材10に下部継手部材9および上部継手部材13を仮止めする。この際、球状部材10の一部は、上部継手部材13の凹部13A内に嵌まり込む。次に、下部継手部材9および上部継手部材13の水平面内および垂直面内における傾斜角度を決め、そして、第2固定ボルト14を本締めする。第2固定ボルト14の本締め前に行う下部継手部材9および上部継手部材13の傾斜角度の位置決めは、下部継手部材9と上部継手部材13との間に球状部材10が介在されているので容易に行える。第2固定ボルト14を本締めすることによって、下部継手部材9および上部継手部材13は、球状部材10を介して支柱5のキャップ6に強固に固定される。
【0018】
第2固定ボルト14は、下部継手部材9側から挿入する以外に、上部継手部材13側から挿入しても良い。また、球状部材10、第1固定ボルト11および円筒状台座12を図10に示すように一体的に形成し、このように一体形成された、頭部が球面状に形成された係止部材15を介して下部継手部材9および上部継手部材13を支柱5の上端に固定しても良い。この場合、第1固定ボルト11をレンチによって回転させることができるように、球状部15Aに多角状凹陥部15Bを形成する。球状部15Aに多角状凹陥部15Bを形成する以外に、図11に示すように、球状部15Aを多角形状に形成して、スパナによって第1固定ボルト11を回転させるようにしても良い。更に、別の態様として、円筒状台座12を支柱5のキャップ6に一体的に形成する等しても良い。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、以下のような有用な効果がもたらされる。
▲1▼ 下部継手部材9と上部継手部材13とは球状部材10を介して筒状に連結されているので、継手は水平面内においては360°、そして、垂直面内においては、所定の角度範囲内において自在に傾斜させることができる。
▲2▼ 継手部分において外面に突出する部材は、2本の第2固定ボルト14の頭部のみであるので、優れた美観を得ることができる。第2固定ボルト14を下部継手部材9側から挿入すれば、第2固定ボルト14の頭部が外部から見えにくくなるので、更に、優れた美観を得ることができる。
▲3▼ 下部継手部材9および上部継手部材13に、長手方向中央部を境として先細りのテーパーを形成することによって、継手の径が手摺に近づくので手摺との一体感を出すことができる。
▲4▼ 一体的に形成した係止部材15の場合、そのねじ部の締め具合によって手摺7の高さの微調整が現場で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の、防護柵の手摺用自在継手の一実施態様を示す部分断面図である。
【図2】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す平面図である。
【図3】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す側面図である。
【図4】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す正面図である。
【図5】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における上部継手部材を示す平面図である。
【図6】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における下部継手部材を示す側面図である。
【図7】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における上部継手部材を示す正面図である。
【図8】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における球状部材を示す正面図である。
【図9】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における円筒状台座を示す断面図である。
【図10】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における係止部材を示す正面図である。
【図11】この発明の、防護柵の手摺用自在継手における別の係止部材を示す正面図である。
【図12】従来継手構造を示す部分断面図である。
【図13】別の従来継手構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1:ボルト、
2:支柱、
3:手摺、
4:ボルト、
5:支柱、
6:キャップ、
6A:雌ネジ、
7:手摺、
7A:孔、
8:この発明の継手、
9:下部継手部材、
9A:バカ孔、
9B:孔、
9C:突条、
10:球状部材、
10A:貫通孔、
11:第1固定ボルト、
12:台座、
13:上部継手部材、
13A:凹部、
13B:雌ネジ、
13C:溝、
14:第2固定ボルト、
15:係止部材、
15A:球状部、
15B:凹陥部。
Claims (4)
- 防護柵用支柱の上端に固定されたキャップに、左右の手摺の端部を互いに突き合わせて角度調整自在に固定するための防護柵の手摺用自在継手において、
両端に前記手摺端部の下半部を収容する、長手方向中央部に円形状バカ孔を有する半円筒形状の下部継手部材と、貫通孔を有し、前記バカ孔の内径より大きい直径を有する球状部材と、前記球状部材を前記バカ孔上に固定するための、前記貫通孔を通って前記キャップにねじ込まれる第1固定ボルトと、前記球状部材から突出する前記第1固定ボルトに嵌め込まれる、前記キャップと前記下部継手部材との間に所定の間隔をあけるための円筒状台座と、両端に前記手摺端部の上半部を収容する、長手方向中央下面に前記球状部材の上部を受け入れる半球状凹部を有する半円筒形状の上部継手部材と、前記下部継手部材と前記上部継手部材とを前記手摺の端部と共に一体的に筒状に連結するための第2固定ボルトとからなることを特徴とする、防護柵の手摺用自在継手。 - 前記球状部材、前記第1固定ボルトおよび前記円筒状台座は、一体的に形成され、このように一体形成された係止部材を介して前記下部継手部材および前記上部継手部材は、前記支柱の前記キャップに固定されることを特徴とする、請求項1記載の手摺用自在継手。
- 前記下部継手部材の前記バカ孔の下方部は、下方に向かって広がっていることを特徴とする、請求項1または2記載の手摺用自在継手。
- 前記下部継手部材および前記上部継手部材は、長手中央部を境に先細りのテーパーが形成されていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに記載された手摺用自在継手。
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JP33021994A JP3558394B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 防護柵の手摺用自在継手 |
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JPH08158333A JPH08158333A (ja) | 1996-06-18 |
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1994
- 1994-12-06 JP JP33021994A patent/JP3558394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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