JP3558279B2 - 航空機用除氷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機用の除氷装置に関し、特に固定翼航空機の翼およびプロペラならびに回転翼航空機の回転翼の前縁部を除氷するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
飛行中の航空機への着氷は、その飛行中の重量の増加および抗力の増加を招くものであり、航空機の飛行に影響を及ぼすおそれがある。特に、翼前縁部への着氷は、翼の揚力を低下させ、航空機の飛行に極めて大きな影響を及ぼすおそれがある。このような航空機への着氷が生ずる気象条件下においても、航空機が安全に飛行できるようにするために、航空機には除氷装置が設けられている。
【0003】
この除氷装置には、発熱抵抗体を埋込んだ電熱ヒータを、翼前縁部に外側から設けて、電熱ヒータの外層の表面に付着した氷の氷着力を低下させ、翼の外表面に沿って流れる気流を利用して氷を剥落させる装置がある。また他の除氷装置としては、ゴム状の材料から成る膨張袋を、翼前縁部に外側から取付け、この膨張袋を膨らませることによって、膨張袋の表面に付着した氷を剥落させる装置がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電熱ヒータ方式の除氷装置は、発熱抵抗体からの伝熱によって氷が付着する発熱抵抗体を覆った外層を加熱しており、熱効率が悪く、除氷するための消費電力が大きくなってしまう。したがって大電力を発電可能な発電機を備える大型機には適用可能であるが、大電力を得る発電機を搭載できない小型機には適用が困難である。またこの装置は、電熱ヒータが機体(翼)の外部という環境的に厳しい部位に配置されるので劣化が著しく、寿命が短いという欠点を有している。
【0005】
また膨張袋方式の装置は、膨張袋自体については構造的に簡単であるが、袋を膨らませるための加圧流体の供給装置が必要となり、装置が大型および複雑になってしまう。またこの装置は、飛行中の翼前縁部には砂塵などが衝突しやすいので、ゴム状材料から成る膨張袋が摩耗しやすく耐久性が低いうえ、膨張袋を膨らませたときに翼形状が変化して翼の空力的な特性に影響を与えるので、適用可能な範囲を限られた領域にせざるを得ない欠点を有している。
【0006】
本発明の目的は、構造が簡単で、消費電力が小さく、耐久性に優れ、適用可能な範囲の広い除氷装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、航空機の着氷部の内側に設けられる導電性材料から成る1または複数のコイルと、着氷部に外側から設けられる導電性材料から成る発熱体とを含み、
コイルに交番電流を通電して生ずる交番磁界によって発熱体に渦電流を発生させ、この渦電流によって発熱体を発熱させて着氷した氷を除去することを特徴とする航空機用除氷装置である。
【0008】
本発明に従えば、コイルに交番電流を通ずることによって交番磁界を発生させ、この交番磁界によって発熱体に交番渦電流を発生させることができる。発熱体に交番渦電流が発生すると、この渦電流と発熱体の電気抵抗とによって、発熱体が発熱する。この発熱体は着氷部に外部に露出して設けられており、氷は発熱体の表面に付着することになるので、コイルに通電して発熱体を発熱させることによって、付着した氷を溶かし、または氷着力を低下させて剥落させ、除氷することができる。
【0009】
このような除氷装置は、氷が付着する発熱体が電磁誘導加熱によって発熱する構成であって、従来の電熱ヒータ方式の装置に比べて熱効率に優れており、除氷に必要とされる消費電力も小さくて済む。これによって電源としてのたとえば発電機は小型でよく、小型機にも容易に搭載することができる。さらに除氷装置では、電源に電気的に接続されるコイルと発熱体とを設けるだけでよく、電源は、他の機器に電力を供給するための電源を利用することが可能であり、簡単な構成によって実現することができる。しかもコイルは機体内に設ければよく、従来の電熱ヒータでは発電機に接続される発熱抵抗体を機体外部に設けなければならないのに対して、配線上の構成も簡単になり、また配線作業も容易になる。そのうえ、コイルを機体内に設けることによって、コイルの配置環境も機体外部に設ける場合に比べて極めて良好であり、高い耐久性を得ることができる。さらにまた発熱体は、従来の膨張袋方式のように変形させる必要がなく、揚力変化などを考慮する必要がないので、発熱体を、固定翼、回転翼およびプロペラなどに設けることが可能であり、このような翼などを含む広い適用範囲の着氷部に対して、好適に除氷することができる。また発熱体は、導電性を有する材料であればよく、ゴムなどに比べて砂塵などの衝突に対する摩耗の少ない部材とすることが可能であり、これによっても高い耐久性を得ることができる。
【0010】
請求項2記載の本発明は、着氷部は航空機の翼であり、コイルは翼の前縁部に巻き軸線が翼の長手方向に沿うように設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、コイルは翼の前縁部に巻き軸線が翼の長手方向に沿うように設けられるので、コイルを設けるための占有領域を小さくすることができる。これによって、コイルは内部の空間が小さい翼の前縁部にも設けることが可能となり、このような内部の空間の小さい翼の前縁部における除氷を可能にすることができる。したがってたとえば回転翼航空機の回転翼および小型の固定翼機の翼の前縁部などにもコイルを設けて、このような翼の前縁部の除氷をすることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明は、発熱体は磁性材料から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、発熱体は磁性材料から成るので、コイルに通電することによって発生される磁界の磁力線は、発熱体内をより集中的に通過する。このように磁力線が発熱体内を通ることによって、発熱体内において効率よく渦電流が発生する。したがって発熱体が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。
【0013】
請求項4記載の本発明は、着氷部は回転翼航空機の回転翼であり、コイルの内側に前縁部用のバランスウエイト部材が設けられることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、回転翼の前縁部のコイルの内側に、前縁部用のバランスウエイト部材が設けられるので、コイルの芯材とバランスウエイト部材とを兼ねることができ、別途に設ける場合にくらべて、全体の重量増加を小さく押さえることができる。
【0015】
請求項5記載の本発明は、翼弦方向に複数のコイルが設けられることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、翼の翼弦方向に複数のコイルが設けられるので、翼の上面と下面とで翼弦方向の着氷範囲が異なる翼において、各コイルを着氷範囲に対応させて設け、着氷していない部位での発熱を無くし、効率よく除氷することができる。
【0017】
請求項6記載の本発明は、コイルの形状は翼の内表面に沿う形状であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、コイルの形状は翼の外表面に沿う形状であるので、翼の外部に設けられる発熱体を均一的に発熱させることができる。したがって発熱体が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の航空機用の除氷装置1を簡略化して示す斜視図であり、図2は除氷装置1の一部を簡略化して示す斜視図であり、図3は図2の切断面線III−IIIから見て示す断面図である。図4は、除氷装置1が設けられる飛行機2を示す斜視図である。図1には、図4のセクションIが示され、図2には、図1のセクションIIが示される。従来の技術に関連して述べたように、気象条件によっては、飛行中に、飛行機2の機体の一部に着氷する場合があり、除氷装置1は、このように飛行機2の着氷部である前記機体の一部に付着した氷を除去するために、飛行機2に設けられる。着氷部は、たとえば本実施の形態において、一対の主翼4の前縁部5、一対の水平尾翼6の前縁部7および垂直尾翼8の前縁部であり、図1〜図3には、主翼4の前縁部5に付着した氷を除去する除氷装置1を具体的に示す。
【0020】
主翼4は、たとえば翼外表面を形成する翼本体表皮13が、厚みがほぼ一定の中空体によって構成されている。除氷装置1は、基本的に、主翼4の前縁部(翼弦方向の前方側の端部)5の内側に設けられる導電性材料から成る1または複数(本実施の形態では複数)のコイル10と、主翼4の前縁部5に外部に臨んで設けられる導電性材料から成る発熱体としての金属板11とを含む。この除氷装置1は、各コイル10と金属板11とによって電磁ヒータを構成し、各コイル10に交番電流を通電して生ずる交番磁界によって金属板11に渦電流を発生させ、この渦電流によって金属板11を発熱させて、すなわち電磁誘導加熱によって金属板11を発熱させて、着氷した氷を除去する。
【0021】
各コイル10は、一例として挙げると銅もしくは銅合金またはアルミニウム合金などの電気抵抗の小さい材料から成るコイル線12を巻回して構成される。飛行機2などの航空機では、軽量化が重要な設計点であるので、アルミニウム合金のような軽量でかつ電気抵抗の低い材料から成るコイル線12を用いることが好ましい。各コイル10は、巻き軸線L1が主翼4の翼弦方向A(図2の左右方向)にほぼ沿うように配置される。具体的には、コイル線12は、翼本体表皮13の上面側部分14に沿って翼長手方向B(図2の紙面に垂直な方向)一方に延びる部分16と、翼本体表皮13の下面側部分15に沿って翼長手方向B他方に延びる部分17とが、所定の位置で翼本体表皮13に沿って折り返されてつながるように、巻回されている。このような各コイル10が、主翼4の翼長手方向Bに隣接して並べらて、主翼4の翼長手方向Bのほぼ全領域にわたってコイル10が設けられる。図解を容易にするために、図1では、コイル線12は、厚みを省略して示す。
【0022】
金属板11は、長手状であってその長手方向に垂直な断面の形状が大略的にU字状であり、内表面形状が、翼本体表皮13の前縁部5の外表面形状と一致、またはほぼ一致する形状に形成される。この金属板11は、主翼4の前縁部5に翼本体表皮13を外側から覆うようにして主翼4の翼長手方向Bに沿って配置され、たとえば接着されて翼本体表皮13に固定され、このように着氷部に外部に露出して設けられる。本実施の形態では、1つの金属板11が、主翼4の翼長手方向Bのほぼ全領域にわたって設けられる。またこの金属板11は、たとえば磁性材料、特に鉄または鋼などの強磁性材料から成ってもよい。図2には、金属板11の断面が現れているが、図解を容易にするために、ハッチングを省略して示す。
【0023】
除氷装置1では、たとえば発電機によって実現される電源から交番電流(交流)を、各コイル10に選択的に通電することができる。各コイル10に交番電流が通電されると、コイル内を通過して一端部で外側に折返し、コイル外部を反対向きに通って他端部で内側に折返し、再びコイル内を通過するような、具体的には図2に仮想線で一例を示す磁力線18を含む磁界およびこの磁界とは逆向きの磁界とが、交番電流の周期に対応した周期で交互に発生する。このように各コイル10に交番電流が通電されて交番磁界が発生すると、金属板11がこの交番磁界中に晒されることになり、金属板11の磁界に晒される部分で局部的に、交番磁界の周期と対応する周期の交番渦電流であって、金属板11内を通過する磁力線の周りを、まわるような渦電流、具体的には、図2に矢符19で示すような渦電流およびこれと逆向きの渦電流が、交互に発生する。
【0024】
このように各コイル10に交番電流を通ずることによって金属板11に交番渦電流が発生すると、この渦電流と発熱体の電気抵抗とによって、したがって渦電流損およびヒステリシス損によって、金属板11が発熱する。この金属板11は着氷部に外部に露出して設けられており、氷は金属板11の外表面20に付着することになるので、各コイル10に通電して金属板11を発熱させることによって、付着した氷を溶かし、または氷着力を低下させて剥落させ、除氷することができる。
【0025】
図4は、本実施の形態の除氷装置1と従来の装置との氷の付着する表面の温度の差異を示すグラフである。横軸は、通電開始からの時間(秒)を示し、縦軸は、氷の付着する表面の温度(℃)を示す。また実線22は、本実施の形態の除氷装置1の電磁ヒータの表面(金属板11の外表面)の温度を示し、一点鎖線23は、従来の電熱ヒータの表面の温度を示す。除氷装置1は、氷が付着する金属板11が電磁誘導加熱によって発熱する構成であって、このようなコイル10および金属板11を含む電磁ヒータは、エネルギー効率が90%を越える極めて優れたヒータであって、従来の電熱ヒータ方式の装置に比べて熱効率に優れており、除氷に必要とされる消費電力も小さい。図4のグラフからも明らかなように、同一出力3.33W/cm2(=20W/inch2)で比較した場合、本実施の形態の装置11は、従来の技術の装置に比べて約2倍の温度(℃)にすることができる。このように除氷装置1は、極めて高いエネルギ効率を有している。
【0026】
これによって電源である発電機は小型でよく、除氷装置1は、小型機にも容易に搭載することができる。さらに除氷装置1では、発電機に電気的に接続した各コイル10と金属板11とを設けるだけでよく、発電機は、他の機器に電力を供給するための発電機を利用することが可能であり、簡単な構成によって実現することができる。しかも各コイルは機体内(翼本体表皮13内)に設ければよく、翼本体表皮13を内外に挿通するような配線は不要であり、配線上の構成も簡単になり、また配線作業も容易になる。
【0027】
そのうえ、機能部分である各コイル10を機体内に設けることによって、従来のように風雨などの過酷な自然環境にさらされることがなく、各コイル10の配置環境も機体外部に設ける場合に比べて極めて良好であり、高い耐久性を得ることができる。さらにまた金属板11は、従来の膨張袋方式のように変形させる必要がなく、揚力変化などを考慮する必要がないので、金属板11を、固定翼である主翼4に設けることが可能であり、このような翼において、好適に除氷することができる。また金属板11は、ゴムなどに比べて砂塵などの衝突に対する摩耗の少ない部材であり、これによっても高い耐久性を得ることができる。
【0028】
また金属板11を、磁性材料により製作することによって、各コイル10に通電することによって発生される磁界の磁力線は、金属板11内をより集中的に通過する。このように磁力線が金属板11内を集中的に通ることによって、金属板11内において効率よく渦電流が発生する。したがって金属板11が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。特に金属板11が鉄または鋼のような強磁性材料であれば、金属板11をさらにより多くの磁力線が集中して通過するので、金属板11における渦電流の発生効率がさらに向上される。
【0029】
また飛行機2などの航空機では、その構造部材である翼本体表皮13に、重量的な観点からアルミニウム合金または複合材が利用される場合がある。このように翼本体表皮13が非磁性材料である場合には、上記発生した磁界の磁力線がより金属板11内を通過するようにでき、渦電流の発生効率がさらに向上される。またアルミニウム合金または複合材から成る翼本体表皮13に対して鉄または鋼(ステンレス鋼など)から成る金属板11を設けるなどして、金属板11を翼本体表皮13とは異なる材料によって形成する場合、各コイル10に通電する交番電流の変動周期を適宜選択することによって、構造部材である翼本体表皮13を発熱させることなく、金属板11だけを発熱させることが可能であり、これによって金属板11を効率良く発熱させることができる。また金属板11だけを発熱させる構造とすることによって、たとえば強度低下などの翼本体表皮13が発熱することによる不具合の発生を防ぐこともできる。もちろん温度上昇による強度低下が許容範囲内であれば、翼の構造部材である翼本体表皮13を直接発熱体として用いることができることは言うまでもない。
【0030】
また複数のコイル10を並べて設け、選択的に通電することできるようにしているので、主翼4全体を一時に除氷するのではなく、主翼4を翼長手方向Bの複数領域に分割して、時間差を設けて除氷するようにしてもよい。つまり除氷は、氷が付着することを防ぐのではなく、氷が付着してしまった場合に、その氷を除去するので、各コイル10に常時通電しておく必要はなく、間欠的に各コイル10に通電すればよく、上述のように各コイル10で時間差を設けて除氷することによって、一時に大きな電力を必要としてしまうことが防がれる。したがって飛行機2が大型固定翼機である場合のように、除氷すべき主翼4の前縁部の翼長手方向B長さが数十mに達する場合でも、一時の消費電力をできるだけ小さくして、電源への負荷を小さくして、広い範囲を好適に除氷することができる。
【0031】
また各コイル10の形状は主翼4の翼本体表皮13の外表面に沿う形状である。これによって翼本体表皮13の外部に設けられる金属板11を均一的に発熱させることができる。したがって金属板11が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。これによって消費電力を小さくすることができる。
【0032】
図1および図2には、主翼4の前縁部5を除氷するための除氷装置1を示したが、各尾翼6,8の前縁部7,9を除氷するための除氷装置も同様に構成され、同様の効果が達成される。またこのように飛行機2に複数の着氷部が存在する場合に、各着氷部毎に設けられる各除氷装置を、時間的にずらして可動させることによって、一時の消費電力を小さくすることができる。
【0033】
図5は、本発明の実施の他の形態の除氷装置30の一部を示す斜視図であり、図6は、除氷装置30が設けられる回転翼航空機であるヘリコプタ31を示す斜視図である。本実施の形態の除氷装置30は、図1〜図4に示す上述の除氷装置1と類似している。除氷装置30は、ヘリコプタ31の着氷部である機体の一部に付着した氷を除去するために、ヘリコプタ31に設けられる。このヘリコプタ31における着氷部は、たとえば本実施の形態において、回転翼であるメインロータ32の各羽根33の前縁部34およびテールロータ35の各羽根36の前縁部37であり、図5には、メインロータ32の羽根33の前縁部34に付着した氷を除去する除氷装置30を具体的に示す。ここで各羽根33,36の前縁部34,37は、各羽根の回転方向C,Dに関して前方側の縁部であり、回転方向下流側の縁部である。
【0034】
各羽根33は、たとえば翼外表面を形成する翼本体表皮38が、厚みがほぼ一定の中空体によって構成され、したがって翼本体表皮38は、上下に間隔をあけた上面側部分39と下面側部分40とが前方側の部分で折り返されるようにして連なっている。この翼本体表皮38は、上述の翼本体表皮13と同様の材料から成る。翼本体表皮38の内側には、たとえば複合材料から成る内側構造部材60が設けられる。除氷装置30は、基本的に、羽根33の前縁部34の内側で、内側構造部材60に埋込まれて設けられる1または複数(本実施の形態では複数)のコイル41と、羽根33の前縁部34に外部に臨んで設けられる金属板42とを含む。この除氷装置30もまた、上述の除氷装置1と同様に、各コイル41と金属板42とによって電磁ヒータを構成し、各コイル41に交番電流を通電して生ずる交番磁界によって金属板42に渦電流を発生させ、この渦電流によって金属板42を発熱させて、すなわち電磁誘導加熱によって金属板42を発熱させて、着氷した氷を除去する。
【0035】
各コイル41は、たとえば上述の実施の形態と同様の材料から成るコイル線を円筒状に巻回して構成される。このコイル41においても、アルミニウム合金または銅合金のような電気抵抗の低い材料から成るコイル線を用いることが好ましい。各コイル41は、巻き軸線L2が羽根33の翼長手方向Cに沿うように配置される。具体的には、コイル線は、羽根33の前縁部(翼弦方向Dの前方側の端部)34において、翼長手方向Cと平行な軸線L2を中心として、螺旋状に巻回される。このような各コイル41が、羽根33の翼長手方向Cに隣接して並べられて、翼長手方向Cのほぼ全領域にわたってコイル41が設けられる。図解を容易にするために、図5では、コイル線は、厚みを省略して示す。
【0036】
金属板42は、長手状であってその長手方向に垂直な断面の形状が大略的にU字状であり、内表面形状が、翼本体表皮38の前縁部34の外表面形状と一致、またはほぼ一致する形状に形成される。この金属板42は、羽根33の前縁部34に翼本体表皮38を外側から覆うようにして羽根33の翼長手方向Cに沿って配置され、たとえば接着されて翼本体表皮38に固定され、このように着氷部に外部に露出して設けられる。本実施の形態では、1つの金属板42が、羽根33の翼長手方向Cのほぼ全領域にわたって設けられる。またこの金属板41は、たとえば上述の実施の形態の金属板11と同様の材料から成る。
【0037】
除氷装置30では、たとえば発電機によって実現される電源から交番電流を、各コイル41に選択的に通電することができる。具体的には、非回転部分から回転部分に電力供給をするためのスリップリング45、および各羽根に電力を分配するための分配器46を介して、各羽根33の各コイル41に電力を供給することができ、これによって各コイル41に通電することができる。各コイル41に交番電流が通電されると、コイル41内を通過して一端部で外側に折返し、コイル41外部を反対向きに通って他端部で内側に折返し、再びコイル41内を通過するような、交互に向きが変わる交番磁界が、交番電流の周期に対応した周期で発生する。このように交番磁界が発生すると、金属板42がこの交番磁界中に晒されることになり、金属板42の磁界に晒される部分で局部的に、交番磁界の周期と対応する周期の交番渦電流であって、金属板42内を通過する磁力線の周りをまわるような、交互に向きの変わる渦電流が発生する。
【0038】
このように各コイル41に交番電流を通ずることによって、上述の実施の形態と同様に、金属板42が発熱する。この金属板42もまた、上述の実施の形態と同様に、着氷部に外部に露出して設けられており、氷は金属板42の外表面45に付着することになるので、各コイル41に通電して金属板42を発熱させることによって、付着した氷を溶かし、または氷着力を低下させて剥落させ、除氷することができる。このような本実施の形態の除氷装置30は、着氷部が異なり、したがって各コイル41および金属板42の設置位置は、異なるけれども、各コイル41および各金属板42が同様に作用し、コイルの形状が翼の内表面形状に沿う形状であることによる効果を除いて、除氷装置1と同様の効果を達成することができる。
【0039】
またヘリコプタ31の回転翼であるロータ32では、翼前縁部の内部の空間が小さく、上述の除氷装置1のコイル10のような配置をすることができない場合がある。これに対して除氷装置30では、コイル42は翼の前縁部である羽根33の前縁部34に巻き軸線L2が翼長手方向Cに沿うように設けられるので、コイル自体を小型にすることができ、コイル42を設けるための占有領域を小さくすることができ、羽根33の前縁部34という限られた領域にも、コイル42を好適に配置することができる。したがってこのような内部の空間の小さい翼の前縁部における除氷を可能にすることができる。この実施の形態では、回転翼の羽根に設ける例について説明しているけれども、このような翼長手方向に巻き軸線が沿うコイルとすることによって、他の小型飛行機などにおいて、設置領域が限られる場合にも、好適に実施できることは言うまでもない。さらに回転翼であるロータ32では、各羽根33の翼長手方向に関して着氷の仕方が異なり、氷の付着量が異なることが知られている。このような羽根33において、複数のコイル42を設けて選択的に通電できるようにすることによって、金属板42において部分的に発熱量を変えて、除氷に必要十分な発熱をさせ、消費電力を小さくすることができる。このとき、氷の付着量に対応して、各コイル42に通電される時間間隔、電流値などが適宜選択されることは、言うまでもない。
【0040】
また除氷装置30では、コイル41の内側に前縁部用のバランスウエイト部材47が設けられる。ヘリコプタ31のメインロータ32では、このメインロータ32の重量バランスをとるために、前縁部にバランスウエイト部材(重錘)47を設けることが一般的である。このようなウエイト部材47を設けるとき、コイル41の内部に配置することが好ましい。このようにコイル41の内側に、バランスウエイト部材47が設けることによって、コイル41の芯材とバランスウエイト部材47とを兼ねることができ、別途に設ける場合にくらべて、全体の重量増加を小さく押さえることができ、かつ、製造が容易となる。
【0041】
またメインロータ32などの回転翼は、厳しい繰返し荷重を受けるので、このような繰返し荷重に対する疲労強度に関して十分な耐久性が得られるように設計を考慮しなければ成らないが、強度的に脆弱なコイル41を、本発明のように羽根の外周部に比べて発生応力の小さい羽根内部に設けることによって、応力レベルの高い、すなわち発生応力の大きな羽根外周部に設けざるを得ない従来の電熱ヒータを用いた装置に比べて、耐久性および信頼性を向上することができる。またコイル42を、巻き軸線L2が翼長手方向に沿うように配置することによって、羽根33が回転することによる遠心力は、コイル42軸線方向に延びるように作用する。このような配置にすることによって、前記遠心力に対するコイル42の強度的な負荷を軽減することができる。
【0042】
図7は、本発明の実施のさらに他の形態の除氷装置30Aの一部を示す断面図である。この除氷装置30Aは、図5および図6に示す上述の実施の形態の除氷装置30と類似しており、同様の構成を有する部分は、同一の符号を付して説明を省略し、対応する部分には、同一数字に「A」を添えた符号を付す。除氷装置30Aでは、翼弦方向Dに複数のコイル41A,41Bが設けられる。ブレード33の翼本体38Aは、たとえば複合材料によって形成され、前縁部34において肉厚に形成され、各コイル41A,41Bは、この翼本体38Aに埋没されて設けられる。
【0043】
コイル42Aは、巻き軸線L2Aが翼長手方向(図7の紙面に垂直な方向)Cに沿うようにして、前縁部34の回転方向の最も前方(下流:図8において右方)寄りの端部に設けられている。このコイル41Aの巻き軸線L2Aに垂直な断面の形状は、回転方向の前方側の部分が、翼本体表皮38の外周面形状に沿う形状に形成される。コイル41Bは、巻き軸線L2Bが翼長手方向Cに沿うようにして、ブレード33の下面側において、コイル41Aよりも回転方向の後方側(上流側:図8において左方側)に設けられている。このコイル41Bの巻き軸線L2Bに垂直な断面の形状は、下面側の部分が、翼本体表皮38の外周面に沿う形状に形成される。これらの各コイル41A,41B内には、各コイル41A,41Bに対応した形状のバランスウエイト部材47A,47Bが設けられる。また翼本体38Aの金属板42が設けられる部分は、残余の部分よりも段差を有して凹んでおり、金属板42は、この凹所に嵌まり込んで設けられ、金属板42の外周面と翼本体38Aの外周面とを面一とし、優れた空力特性を達成することができる。その他の構成は、除氷装置30と同様に構成される。図解を容易にするために、図7では、各コイル42A,42Bのコイル線の厚みを省略して示す。
【0044】
この除氷装置30Aは、翼本体38Aが異なることによって、後述の効果の違いを除いて、除氷装置30と同様の効果を達成することができる。つまり翼本体38Aが複合材料などの非導電性材料から成る場合には、金属板42として、磁性材料を用いなくても、金属板42内だけで渦電流が発生して、金属板42だけが発熱するようにできるので、金属板42の材料は、翼本体表皮38の材料を考慮して選択する必要がなく、たとえば重量および他の環境などを考慮して選択することが可能であり、選択範囲が広くなる。もちろん磁性材料から成る金属板42を用いるようにしてもよく、この場合磁力線が集中的に通ることによる効率向上の効果が達成されることは言うまでもない。翼本体が導電性材料から成る場合に、上述したような交番電流の周期の選択によって金属板だけが発熱するようにするための工夫が不要になる。
【0045】
さらに除氷装置30Aでは、上述の除氷装置30の効果にさらに加えて、翼弦方向Dに複数のコイル42A,42Bが設けられるので、羽根33の上面と下面とで翼弦方向Dの着氷範囲が異なる翼において、効率よく除氷することができる。具体的には、羽根33の上面は、下面にたいして、前縁端49からの着氷範囲が小さく、たとえば羽根33の上面には、前縁端49から翼弦長(翼弦方向Dの長さ)の10%程度の寸法の領域で着氷し、羽根33の下面には、前縁端49から翼弦長の20%程度の寸法の領域で着氷することが知られている。このような羽根33に対して、各コイル42A,42Bを着氷範囲に対応させて、具体的には、最も着氷しやすい前縁端付近で金属板42を発熱させるための主コイル42Aと、前縁端付近の領域に後縁側に連なる領域で金属板42を発熱させる副コイル42Bとを設けている。これによって着氷範囲に対応して金属板42を発熱させ、着氷していない部位での発熱を無くし、効率よく除氷することができる。もちろんこのとき、氷の付着量に対応して、各コイル42A,42Bに通電される時間間隔、電流値などが適宜選択されることは、言うまでもない。
【0046】
またヘリコプタ31に適用した場合にも、各コイル42A,42Bの形状を、翼の外表面に沿う形状にすることによって、金属板42を均一的に発熱させることができる。したがって金属板42が効率よく発熱し、効率よく除氷することができ、消費電力を小さくすることができる。
【0047】
上述の実施の各形態は、本発明の例に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば図1の除氷装置1および図5の除氷装置30を、翼本体表皮13,38が複合材料などの非導電性材料から成る飛行機2およびヘリコプタ31にそれぞれ設けるようにしてもよい。このような場合には、図7の除氷装置30Aと同様に、金属板11,42として、磁性材料を用いなくても、金属板11,42内だけで渦電流が発生して、金属板11,42だけが発熱するように確実にできるので、金属板42の材料は、翼本体表皮38の材料を考慮して選択する必要がなく、たとえば重量および他の環境などを考慮して選択することが可能であり、選択範囲が広くなる。もちろん磁性材料から成る金属板11,42を用いるようにしてもよい。
【0048】
また本実施のさらに他の形態として、翼長手方向に複数のコイルを設ける構成に代えて、翼長手方向全領域に延びる1つのコイルを用いるようにしてもよい。この場合には、複数のコイルを用いることによる効果を除いて、上述と同様の効果を達成することができる。また1つの金属板を設ける構成に代えて、複数の金属板、すなわち翼長手方向および翼弦方向に分割された金属板を用いてもよく、このような分割は、各コイルに対応した分割であってもよいし、また各コイルとは対応していなくてもよい。このように分割された金属板を用いても、一体の金属板を用いる場合と同様の効果を達成することができる。また上述の各形態では、翼本体表皮13,38,38Aとは別途に発熱体としての金属板11,42,42Aを設けているが、翼本体が導電性材料である場合に、翼本体表皮13,38,38Aに発熱に伴う強度低下の防止対策など加熱対策を施して、この翼本体表皮13,38,38Aを発熱体とするようにしてもよい。この場合には、上述ような効果に加えて、重量増加をさらに小さくすることができるうえ、発熱体を別途に設ける場合に比べて、空力特性に優れた翼形状の設計が容易であるという効果も達成することができる。
【0049】
またさらに各除氷装置1,30においても、各金属板11,42を、翼本体表皮13,38と面一になるように設けて、空力特性を向上するようにしてもよい。またその他、飛行機2において、各除氷装置30,30Aの各コイル42,42A,42Bのような構成のコイルを用いるようにしてもよい。また除氷装置は、大型の飛行機2の各翼4,6,8およびテールロータ式のヘリコプタ31のロータ32,35の羽根33,36の他、小型の飛行機の主翼および尾翼、滑空機の主翼および尾翼、テールロータ式以外の他の方式のヘリコプタのロータの羽根、ならびに飛行機の推力を得るためのプロペラなどの除氷をするために設けてもよい。また除氷装置は、胴体などの翼およびプロペラ以外の機体における除氷をするために設けてもよい。さらに除氷装置は、誘導加熱に代えて、発熱体に誘電体を用いて高周波電界をかけて発熱させる誘電加熱を利用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、氷が付着する発熱体が電磁誘導加熱によって発熱し、効率よく除氷することができ、除氷に必要とされる消費電力を小さくすることができる。したがってたとえば発電機で実現される電源は小型でよく、小型機にも容易に搭載することができる。さらに除氷装置は、簡単な構成によって実現することができるうえ、コイルは機体内に設ければよく、配線上の構成も簡単になり、また配線作業も容易になる。またコイルの配置環境も機体外部に設ける場合に比べて極めて良好であり、高い耐久性を得ることができ、かつ発熱体を砂塵などによる摩耗の少ない部材とすることが可能であり、これによって高い耐久性が得られる。さらにまた発熱体は、たとえば固定翼、回転翼およびプロペラなどに設けることが可能であり、除氷装置を広い範囲に適用することができる。
【0051】
請求項2記載の本発明によれば、コイルを設けるための占有領域を小さくすることができ、たとえば回転翼航空機の回転翼および小型の固定翼機の翼の前縁部などの内部の空間の小さい着氷部あっても、除氷をすることができる。
【0052】
請求項3記載の本発明によれば、発生磁界の磁力線が発熱体内を通ることによって、発熱体内において効率よく渦電流が発生し、発熱体が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。したがって発熱体における必要な発熱量を得るためにコイルに通電すべき電流値をさらに小さくすることができ、消費電力をさらに小さくすることができる。
【0053】
請求項4記載の本発明によれば、コイルの芯材とバランスウエイト部材とを兼ねることができ、別途に設ける場合にくらべて、全体の重量増加を小さく押さえることができる。したがって航空機の飛行性能を向上することができる。
【0054】
請求項5記載の本発明によれば、翼の上面と下面とで翼弦方向の着氷範囲が異なる翼において、各コイルを着氷範囲に対応させて設け、着氷していない部位での発熱を無くし、効率よく除氷することができる。このように着氷範囲に応じた発熱が可能であり、消費電力をさらに小さくすることができる。
【0055】
請求項6記載の本発明によれば、翼の外部に設けられる発熱体を均一的に発熱させることができ、発熱体が効率よく発熱し、効率よく除氷することができる。したがってコイルに通電すべき電流値を可及的に小さくすることができ、消費電力を可及的に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の除氷装置1を示す斜視図である。
【図2】除氷装置1の一部を示す斜視図である。
【図3】図2の切断面線III−IIIから見た断面図である。
【図4】飛行機2を示す斜視図である。
【図5】除氷装置1の電磁ヒータと従来の電熱ヒータとの表面温度を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の他の形態の除氷装置30の一部を示す断面図である。
【図7】ヘリコプタ31を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態の除氷装置30Aの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1,30,30A 除氷装置
2 飛行機
4,6,8 翼
5,7,9 翼の前縁部
10,41,41A,41B コイル
11,42 金属板
12 コイル線
13,38 翼本体
31 ヘリコプタ
32,35 ロータ(回転翼)
33,36 羽根
34,37 羽根の前縁部
38A 翼本体
Claims (6)
- 航空機の着氷部の内側に設けられる導電性材料から成る1または複数のコイルと、着氷部に外部に露出して設けられる導電性材料から成る発熱体とを含み、
コイルに交番電流を通電して生ずる交番磁界によって発熱体に渦電流を発生させ、この渦電流によって発熱体を発熱させて着氷した氷を除去することを特徴とする航空機用除氷装置。 - 着氷部は航空機の翼であり、コイルは翼の前縁部に巻き軸線が翼の長手方向に沿うように設けられることを特徴とする請求項1記載の航空機用除氷装置。
- 発熱体は磁性材料から成ることを特徴とする請求項1記載の航空機用除氷装置。
- 着氷部は回転翼航空機の回転翼であり、コイルの内側に前縁部用のバランスウエイト部材が設けられることを特徴とする請求項2記載の航空機用除氷装置。
- 翼弦方向に複数のコイルが設けられることを特徴とする請求項2記載の航空機用除氷装置。
- コイルの形状は翼の外表面に沿う形状であることを特徴とする請求項2記載の航空機用除氷装置。
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