JP3558183B2 - 蓄熱燃焼バーナ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄熱燃焼バーナ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図１は蓄熱ボールの一部を炉壁の中に収納する従来の蓄熱バーナ装置を示す。蓄熱ボールはＳｉＣ等からなる目皿（プレートに複数の孔が開いたもの）で押える構成である。バーナタイルは蓄熱室と一体的に構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
（１）蓄熱ボールは目皿により押さえられているため、部品点数を少なくする異が困難である。（２）目皿の部分で空気圧力損失が大きく、圧力の高いブロワが必要である。（３）目皿の耐久性が問題であり、これを解決するためには高価な材料を使う必要がある。（４）バーナの大きさ（バーナ径）は目皿の径で決まり、小さくすることが出来ない。（５）バーナタイルは空気ノズル・目皿受け部・蓄熱ボール収納部を一体成形するために構造が複雑であり、かつ温度勾配による熱応力が発生するため、破損しやすい構造である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、縦断面が円形状の外側筒状タイルの先端部に、縦断面形状が矩形状の内側タイルを設けて、その内側タイルの上流側の外側筒状タイル内を蓄熱室に構成すると共に、前記内側タイルと前記外側筒状タイルとによって形成されるスリット状間隙部を蓄熱体の径よりも小さい空気ノズルに形成し、前記内側タイルの中央に設けた燃料噴出部には燃料管を内蔵した冷却空気管を装入したことを特徴とする蓄熱燃焼バーナ装置を提供するものである。
【０００５】
前記課題を解決するために、本発明は、外側筒状タイルと、内側タイルとを一体に構成したことを特徴とする蓄熱燃焼バーナ装置を提供するものである。
【０００６】
また、前記課題を解決するために、本発明は、内側タイルにおいて、炉内側に空気ノズルを形成し、蓄熱室側は全周をスリット状空気通過部に構成したことを特徴とする蓄熱燃焼バーナ装置を提供するものである。
【０００７】
また、前記課題を解決するために、本発明は、内側タイルの先端部を外側筒状タイルよりも突出させたことを特徴とする蓄熱燃焼バーナ装置を提供するものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
符号１は外側筒状タイルであって、２はその外側筒状タイル１内の先端部に設けた内側タイルである。その内側タイル２を設けたことによって、その内側タイル２の上流側の外側筒状タイル１内に蓄熱室３を構成する。更に、前記内側タイル２の周囲に、蓄熱体４の径よりも小さい空気ノズル５を形成する。そして、前記内側タイル２の中央部に設けた燃料噴出部６には、燃料管１４を内蔵した冷却空気管７を装入する。前記外側筒状タイル１と、前記内側タイル２とは一体に構成して所定箇所に空気ノズル５を設けてもよい。
また、前記外側筒状タイル１と、前記内側タイル２とを分離して構成する場合には、前記内側タイル２の周囲に切欠部８を形成して、外側筒状タイル１の内壁とによって形成される空間部を空気ノズル５に構成してもよい。その場合、切欠部８を複数個形成し、複数個の空気ノズル５を形成してもよい。
また、前記内側タイル２の縦断面形状を矩形状に構成し、縦断面が円形状の外側筒状タイル１とによって形成されるスリット状間隙部９を空気ノズル５に構成してもよい。
また、内側タイル２において、炉内１３側に空気ノズル５を形成し、蓄熱室３側は、その全周をスリット状通過部１０に構成する。
また、スリット状空気通過部１０は蓄熱体４の径よりも小さく構成する。
また、内側タイル２の先端部を外側筒状タイル１よりも突出させて構成してもよい。１５は必要に応じて燃焼させる保炎部である。
【０００９】
蓄熱燃焼バーナ装置は、炉体１１に対で設置し、交互に燃焼させるものであるが、便宜上、図では、一ツの蓄熱燃焼バーナ装置を示した。
いま、図に於いて、空気導入部１２から導入された空気は蓄熱体４によって予熱されてスリット状空気通過部１０を経て空気ノズル５から炉内１３に噴出する。この時、同時に、燃料管１４から燃料が炉内１３に噴出する。燃料と空気は炉内１３で混合し燃焼する。燃焼ガスは、対で設置した同様の蓄熱燃焼バーナ装置の空気ノズル５から入ってスリット状空気通過部１０を経て蓄熱体４を加熱して空気導入部１２から排気ガスとして排出される。
【００１０】
以上の燃焼に際して、内側タイル２を外側筒状タイル１よりも突出した構成であるので、予熱空気が燃料を混合して燃焼する前に、炉内ガスを伴流し、再循環効果が効果的に実行され、ＮＯｘの一層の低下が達成できる。
【００１１】
前記燃焼に際して、前記空気ノズル５を複数個形成することによって空気を分割的に噴出することができ、炉内ガスとの接触面積を大きくすることができる。
【００１２】
外側筒状タイル１と内側タイル２は、分離した構成でなく、一体に構成してもよい。その場合、空気ノズル５の形状は、円形状、半円形状、又はスリット形状でもよく、形成の仕方も自由である。
【００１３】
内側タイル２の周囲に切欠部８を設けることによって空気ノズル５を形成し、外側筒状タイル１に装入すればよく、空気ノズル５の形成が容易である。空気ノズル５の数も、単数でも複数でもよい。
【００１４】
内側タイル２の縦断面形状を矩形状とし、外側筒状タイル１の円形状と組み合わせることによってスリット状の空気ノズル５の形成が容易である。
【００１５】
空気ノズル５とスリット状空気通過部１０は蓄熱体４の径よりも小さくしてあるので、蓄熱体４の流出を防ぐことができると同時に、スリット状空気通過部１０は全周がスリット状であるので、圧力損失が少ない。
【００１６】
外側筒状タイル１は、耐熱金属、セラミック、キャスター、ファイバー等で構成される。
【００１７】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるので、次の諸効果がある。
（１）従来は蓄熱ボールをＳｉＣ等で押さえていたが、本発明により目皿が不要となり大幅に簡略化・低コストが図られる。（２）目皿での空気圧力損失がなくなり、圧力の低い空気で燃焼が可能である。（３）蓄熱ボール径を変えることにより、大容量から小容量までのバーナ設計が可能である。（４）目皿を必要としないため、バーナの強度が大幅に向上する。（５）空気ノズル数は任意に選択することが出来る。
（６）バーナタイルは外側と内側とを分割することが出来、熱応力は大幅に緩和され破壊し難い。（７）ガスと混合するまでの間に、空気の排ガス再循環効果が増し、更に低ＮＯｘができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は従来バーナ装置の断面的説明図である。
【図２】図２は本発明バーナ装置の断面的説明図である。
【図３】図３は本発明バーナ装置の断面的説明図である。
【図４】図４は空気のノズルの実施例である。
【図５】図５は空気のノズルの実施例である。
【図６】内側タイルの一例を示す正面説明図である。
【図７】内側タイルの側面的説明図である。
【図８】Ａ−Ａ線の説明的断面図である。
【符号の説明】
１ 外側筒状タイル
２ 内側タイル
３ 蓄熱室
４ 蓄熱体
５ 空気ノズル
６ 燃料噴出部
７ 冷却空気管
８ 切欠部
９ スリット状間隙部
１０ スリット状空気通過部
１１ 炉体
１２ 空気導入部
１３ 炉内
１４ 燃料管
１５ 保炎部

Claims (4)

1. 縦断面が円形状の外側筒状タイルの先端部に、縦断面形状が矩形状の内側タイルを設けて、その内側タイルの上流側の外側筒状タイル内を蓄熱室に構成すると共に、前記内側タイルと前記外側筒状タイルとによって形成されるスリット状間隙部を蓄熱体の径よりも小さい空気ノズルに形成し、前記内側タイルの中央に設けた燃料噴出部には燃料管を内蔵した冷却空気管を装入したことを特徴とする蓄熱燃焼バーナ装置。
2. 外側筒状タイルと、内側タイルとを一体に構成したことを特徴とする請求項１記載の蓄熱燃焼バーナ装置。
3. 内側タイルにおいて、炉内側に空気ノズルを形成し、蓄熱室側は全周をスリット状空気通過部に構成したことを特徴とする請求項１又は２記載の蓄熱燃焼バーナ装置。
4. 内側タイルの先端部を外側筒状タイルよりも突出させたことを特徴とする請求項１、２又は３記載の蓄熱燃焼バーナ装置。

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