JP3557591B2 - ハンバーガー調理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ハンバーガー調理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、日本においてもハンバーガーを食する機会が増えてきており、このため、バーガショップではバンズにパティ及びケチャップ等を挟込んだ従来のものに加えて、日本人の好みにあわせた所謂テリヤキバーガー、ベーコンレタスバーガー、チーズバーガー、揚げ物バーガー(例えば、フイッシュバーガー、コロッケバーガー、チキンバーガー等がある)等と多種類のハンバーガーを販売するようになってきている。ここで、上記したバンズとはハンバーガーの製造に使用されているパン(業界では上側のパンをクラウンと呼び、下側のパンをヒールと呼ぶ)のことであり、また、パティとはミンチ肉を円形板状に成形したものである。
【0003】
上記利用者の増加及び種類の増加に伴って生産性をより向上させていくことが望まれているが、従来の厨房内の設備、即ち、▲1▼パティ用冷凍庫、▲2▼パティ加熱調理グリル、▲3▼バンズトースタ、▲4▼コロッケ等の揚げ物フライヤ、▲5▼ソース・コンディメント(具)・調味料をバンズ又はパティ上に載置してハンバーガーを完成させるために使用するテーブル等がそれぞれ独立して平面的に配置されている設備を利用し、全て人手により行うものでは、生産性の向上は限界に達している。・・・・・(問題点1)
上記問題を解決する一手段としてハンバーガーの自動調理装置を利用することが考えられ、例えば、特開平1−91739号公報に開示された装置を採用できる。
【0004】
しかしながら、上記公報に開示された自動調理装置は基本的には限定種類のハンバーガーしか製造できないものであるから、上記した多種類のハンバーガーの全てを製造するためには全ての食材の載置機構を組込まなければならず、装置全体が大きな専有空間を有するものとなってしまう。更には、ハンバーガー新規商品が望まれる都度、新たにそれに関係する食材の関連載置機構の追加組込みと、制御システムの変更を余儀なくされる。このようなものでは、従来の比較的小さな厨房に導入することは不可能であるし、新規商品と対応する食材の関連載置機構の追加組込や制御システムの変更は困難である。・・・・・(問題点2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、▲1▼多種類のハンバーガーを製造することができ、▲2▼従来の比較的小さな厨房に導入でき、▲3▼生産性を向上させることができるハンバーガー調理装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のハンバーガー調理装置は、一個のハンバーガーの大きさよりも少し幅広に設定されたハンバーガー製造ライン(HL)を複数列並設して構成してあり、各製造ライン(HL)には、投入されたヒール(H)を自動加熱調理する焼成装置(4)と、投入されたパティ(P)を自動加熱調理する焼成装置(2)と、投入されたクラウン(C)を自動加熱調理する焼成装置(6)と、調理済のヒール(H)の上方に調理済のクラウン(C)及びパティ(P)並びにその他のハンバーガー製造用食材を必要に応じて手動により載置するための手動セクション(TS)とを具備させてある。
【0007】
また、この発明のハンバーガー調理装置は、一個のハンバーガーの大きさよりも少し幅広に設定されたハンバーガー製造ライン(HL)を複数列並設して構成してあり、各製造ライン(HL)には、投入されたヒール(H)を自動加熱調理する焼成装置(4)と、投入されたパティ(P)を自動加熱調理する焼成装置(2)と、投入されたクラウン(C)を自動加熱調理する焼成装置(6)と、調理済のヒール(H)の上方に調理済のクラウン(C)及びパティ(P)を載せる自動載置機構と、クラウン(C)やパティ(P)以外のハンバーガー製造用食材を必要に応じて手動により載置するための手動セクション(TS)とを具備させてある。
【0008】
尚、上記ハンバーガー調理装置において、ヒールストッカ(3)から自動排出されたヒール(H)が焼成装置(4)に、パティストッカ(1)から自動排出されたパティ(P)が焼成装置(2)に、クラウンストッカ(5)から自動排出されたクラウン(C)が焼成装置(6)に、それぞれ自動投入されるようにしてあることが好ましい。
【0009】
また、上記ハンバーガー調理装置において、ハンバーガー製造ライン(HL)が直線状のものであることが好ましい。
【0010】
【作用】
この発明は次のように作用する。
(A)多種類のハンバーガーを製造し得ることについて
この装置ではハンバーガーの必須の食材であるクラウンC、ヒールH及び、必須の食材に近いパティPは各焼成装置で加熱調理される。したがって、オペレータOPは手動セクションTSにおいて、調理済のヒールHの上方に、クラウンC、パティP及びその他のハンバーガー製造用食材である液状・練状調味料(ソース、バーガーソース、マヨネーズ、テリヤキソース、タルタルソース、ケチャップ)、野菜(オニオン、レタス)、ピクルス、チーズ、揚げ物(コロッケ等)を所定の順序で載置していけば、テリヤキバーガー、揚げ物バーガー、基本的なハンバーガー、チーズバーガー等の多くの種類のハンバーガーを製造することができる。尚、クラウンC及びパティPは載置機構によりヒールH上に載置させることもできる。
(B)従来の比較的小さな厨房に導入し得ることについて
一個のハンバーガーの大きさは約直径100mm程度であることから、ハンバーガー製造ラインHLの幅は150mm程度となる。したがって、ハンバーガー製造ラインHLが複数列あったとしても装置の幅は大きなものとならず、また、上記(A)に記載したように、一つの装置で多種類のハンバーガを製造することができるので装置自体がコンパクトなものとなり、その結果、従来の比較的小さな厨房に導入できる。
(C)生産性を向上させ得ることについて
この装置では比較的面倒であったクラウンC、ヒールH、パティPの加熱調理は各ハンバーガー製造ラインHLの各焼成装置でそれぞれ自動で行われているから、装置全体におけるクラウンC、ヒールH、パティPの加熱調理能力は大きいものとなる。したがって、オペレータがクラウンC、ヒールH、パティPの調理を待つというような事態は発生しなくなり、その結果、生産性は向上することになる。
【0011】
【実施例】
以下、この発明の構成を実施例として示した図面に従って説明する。
(実施例1)
この実施例のハンバーガー調理装置は、図1に示すように、直線的な四本のハンバーガー製造ラインHLを有するものであり、各ハンバーガー製造ラインHLは基本的には、同図に示したポジションP1からポジションP11に向かって流れるするようにしてある。尚、以下に示す説明では、ハンバーガー中間体(ハンバーガーの完成していない途中のものをいう)の流れ方向の始端側を「後」といい、流れ方向の終端側を「前」という。
【0012】
上記した各ハンバーガー製造ラインHLにはそれぞれ、図1や図2に示すように、ヒール関連自動セクションHSと、搬送皿供給セクションUSと、パティ関連自動セクションPSと、手動セクションTSと、クラウン関連自動セクションCSと、ラッピングセクションLSとが後から前に向かって順番に配置してあり、前記搬送皿供給セクションUSからラッピングセクションLSに至るベルトコンベア8を設けてある。以下に、各センクション等について詳述する。
〔ヒール関連自動セクションHSの構成について〕
ヒール関連自動セクションHSは、図1や図2に示す如く、ヒールストッカ3から一個づつヒールHを排出し、この排出したヒールHを順次焼成装置4により加熱調理するセクションである。
【0013】
ヒールストッカ3は、図3に示すように、基本的には直方体形状の箱体30内にカートリッジ31を収容させて構成してあり、前記箱体30の縦スリット30aからこれの内部に侵入させたレバー32を昇降手段33で上昇させることにより前記カートリッジ31をストッカの上面孔30bから突出させる構成としてある。
【0014】
カートリッジ31は、図4に示すように、一対の縦板31a相互間に一定間隔で複数の横板31bを架設するようにして構成してあり、前記横板31b,31b相互間に形成される前後に開放した孔31cをヒールHの収容部としている。そして、孔31cからのヒールHの取り出しは、図3に示すように、シリンダを駆動部とするプッシャー34の動作により順次取り出せるようにしてある。
【0015】
昇降手段33は、図3に示すように、ボールネジ機構から成る昇降部33aに上記レバー32を取付け、ギヤー33dを介して前記ボールネジ機構の雄ネジ部33bをモータ33cにより回転せしめる構成としてある。
【0016】
尚、カートリッジ31は、横板31bの上面とヒールストッカ3の上面とが面一となるところで順次停止するようにしてあり、これを実現させるために前記横板31bの位置を検出する光センサーを具備させている。そして、上記した如く横板31bの上面がヒールストッカ3の上面とが面一となるところまでカートリッジ31が上昇したときに、図2や図3に示すように孔31c内に位置するヒールHが上記プッシャー34によりポジションP1から焼成装置4の適正位置であるポジションP2まで移動せしめられるようにしてある。
【0017】
焼成装置4は、図5に示すように、シリンダ42を使用して上下の焼成板40,41により挟圧加熱する形式のもので、各焼成板40,41を上下の鋼板でヒータ43を挟み込む構成とすると共にこれの挟圧面を共に平面としている。
【0018】
上記焼成板41の挟圧面には、図5に示すように、遠赤外線放射物質(例えば、アルミナAl2 3 等が使用できる)の表面処理が施してあり、焼成板40の挟圧面には特に、同図に示すように、遠赤外線放射物質とシリコン又はテフロン等の表面活性効果を有する物質の組み合わせで表面処理が施してある。ここで、焼成板40の挟圧面の表面処理方法について詳述すると、例えば、遠赤外線放射物質を溶射し、その上からシリコン被膜をコート(厚み:50μm〜100μm)し、更に、テフロン被膜をコート(厚み:数μm)する方法があり、その他には、粉状の遠赤外線放射物質を混入したシリコン又はテフロン等の表面活性効果を有する物質をコートする方法がある。
【0019】
したがって、この焼成装置4は、▲1▼遠赤外線効果が最大限に期待でき、▲3▼熱効率が高く、▲3▼ヒールHの切り口面からの剥離性が優れたものとなる。
【0020】
尚、この焼成装置4により焼成調理されたヒールHは、図1や図2に示すように、シリンダーの出力軸にトルクアクチュエータを具備させたものを駆動部としたプッシャー44によりポジションP2からポジションP3まで移送されるようにしてある。
〔搬送皿供給セクションUSの構成について〕
搬送皿供給セクションUSは、図2に示すように、直方体状の空間に搬送皿供給装置7を配置させて構成してあり、当該装置7によりヒール投入口h(ポジションP3)の下方まで搬送皿Uを順次供給するセクションである。
【0021】
搬送皿供給装置7は、基本的には図6〜図8に示すように、モータMやギヤーG等により同期回転せしめられる一対のループ状走行体70と、前記ループ状走行体70にそれぞれ一定間隔で取付けられた断面L字状の皿受け材71とから成り、前記ループ状走行体70,70の対向する面に取付けられている両方の皿受け材71により搬送皿Uを水平姿勢で上方に移動せしめ、搬送皿Uを上記ヒール投入口hの下方まで導くものである。この搬送皿供給装置7の下部分側方には図6に示すように、当該装置7近傍の所定位置GPに導かれてきた搬送皿Uを順次搬送皿移送域内に移動せしめるプッシャー72を具備させてあり、また、図2に示すように上記ヒール投入口hの下方まで移動せしめられてきた搬送皿Uを前側に位置するベルトコンベア8へと移動せしめるプッシャー73とを具備させてある(図7、図8参照)。
【0022】
尚、上記プッシャー73は、焼成調理されたヒールHがヒール投入口hの下方に位置する搬送皿Uに落下載置したときに押込み駆動状態となるようにしてあり、この動作は前記搬送皿U上のヒールHを光センサー等により検知することにより成し得るようにしてある。ここで、このプッシャー73の動作によりヒールHを載せた搬送皿Uは図2に示すシュート74やベルトコンベア8によりポジションP5まで移動せしめられ、後述するストッパS1によりこのポジションで停止状態となる。
〔ベルトコンベア8の構成について〕
ベルトコンベア8は、図2に示すように、基本的には一対のローラ80,80相互間にループ状のベルト81を張設して成るもので、装置使用中は間欠駆動ではなく連続駆動するものとしてある。したがって、このベルトコンベア8では、ハンバーガー中間体が載せられた搬送皿Uを一時的に停止(ポジションP5,P7,P10での停止)させるためにストッパ(ポジションP5のものをストッパS1,ポジションP7のものをストッパS2,ポジションP10のものをストッパS3とする)を具備させてあり、このストッパの存在により前記搬送皿Uがベルト81と摺動する態様で停止するようにしてある。
〔パティ関連自動セクションPSの構成について〕
パティ関連自動セクションPSは、図1や図2に示すように、パティストッカ1から一個づつパティPを排出し、この排出したパティPを順次焼成装置2により加熱調理するセクションである。
【0023】
パティストッカ1は、図1や図2に示すように、四列のハンバーガー製造ラインHLを跨ぐような直方体状に形成されていると共にこの内部の各列と対応する部分にそれぞれ円筒状の冷凍室11を有するものとしてあり、パティPは冷凍室11中において、昇降ユニット12に支えられるようにして複数個段積みされた状態で保管される構成としてある。
【0024】
昇降ユニット12は、図2に示すように、シリンダー12aとこれの出力軸端に設けられた栓体12bにより構成されており、冷凍室11内に段積みされている最下段のパティPのみがパティストッカ1の下面から出る位置まで栓体12bが降下するようにしてある。尚、この昇降ユニット12の栓体12bはパティPの排出時以外は冷凍室11を被蓋すべく上昇位置に復帰するようにしてあり、これにより冷凍室11内の温度管理が比較的簡単なものとなるようにしている。
【0025】
また、このパティストッカ1には、図1や図2に示すように、これの下部から出た最下段のパティPを切り出すレバー13(シリンダーにより駆動)を具備させてあり、前記レバー13により切り出されたパティPはローラコンベア14よってポジションP4からポジションP6にあるパティP用の焼成装置2まで円滑に移動せしめられるようにしてある。
【0026】
さらに、このパティストッカ1には、手動セクションTSで作業しているオペレータOPが視認できる位置に図9に示すような注文表示盤OBが設置されていると共に前記オペレータOPの手がとどく範囲にインターフェースボードNBが設置されている。尚、この注文表示盤OB及びインターフェースボードNBの働きについては後述する。
【0027】
焼成装置2は、図1、図2や図11に示すように、上記した四個の冷凍室11と対応するライン上にそれぞれ設けられており、シリンダ22を使用して上下の焼成板20,21によりパティPを挟圧加熱する形式のものとしてある。前記焼成板20,21は図11に示すように、それぞれ上下の鋼板にヒータ23を挟み込んで構成してあり、その挟圧面には、上記した焼成板40と同様に、遠赤外線放射物質並びにシリコン被膜又はテフロン被膜を施してある。
【0028】
尚、この焼成装置2により焼成調理されたパティPは必要に応じて、図1や図2に示すように、シリンダ24の出力端に取付けられたレバー25によりポジションP6からポジションP5にある載置台26に移動せしめられるようになっている。
【0029】
前記載置台26は、図12に示すように、落下用孔27aを有する板材27と、前記落下用孔27aの下部にはこれを塞ぐ揺動板28と、前記揺動板28を落下用孔27aから外れた位置に揺動させるアクチュエータ29とから構成されており、同図に示す如く揺動板28を揺動により、図2に示す如くポジションP5で停止状態にあるヒールH(搬送皿U上にある)の上にパティPが落下するようにしてある。ここで、前記ヒールH上にパティーPが載置状態となると、この状態を図示しない検知手段が検知してストッパS1が解除された状態となり、ハンバーガー中間体が検知手段の検知可能範囲を通過した後ストッパS1が復帰状態となる。
〔手動セクションTSの構成について〕
手動セクションTSは、パティ関連自動セクションPSとクラウン関連自動セクションCSとの間に形成されており、調理済のヒールHの上方にクラウンC、パティP、その他のハンバーガー製造用食材を必要に応じてオペレータOPが載置するためのセクションである。ここでは、上記ベルトコンベア8により移送せしめられてきた、ヒールH上にパティPが載置された状態のもの又はヒールHには何も載置されていない状態のものが、ポジションP7でストッパS2により停止せしめられる。オペレータOPはこのポジションP7で停止状態にあるハンバーガー中間体に液状・練状調味料(ソース、バーガーソース、マヨネーズ、テリヤキソース、タルタルソース、ケチャップ)、野菜(オニオン、レタス)、ピクルス、チーズ、揚げ物(コロッケ等)等を載置する。したがって、この装置を使用した場合、テリヤキバーガー、揚げ物バーガ、基本的なハンバーガー、チーズバーガー等の多くの種類のハンバーガーを製造することが可能である。
〔クラウン関連自動セクションCSの構成について〕
クラウン関連自動セクションCSは、図1や図2に示すように、クラウンストッカ5からクラウンCを一個づつ排出し、この排出したクラウンCを順次焼成装置6により加熱調理するセクションである。
【0030】
クラウンストッカ5は、図1や図2に示すように、直方体状に形成されており、これに一対の上ストッパ50及び下ストッパ51を設けると共に当該ストッカ5の底部に落下したクラウンCをポジションP8からポジションP9にあるクラウン焼成装置6まで移動せしめる押込み装置53を設けてある。
【0031】
上記上ストッパ50はシリンダー50aの出力軸に受け部材50bを取付けて、下ストッパ51はシリンダー51aの出力軸に受け部材51bを取付けて、更に、押込み装置52はシリンダー52aの出力軸に押込み部材52bを取付けて、それぞれ構成してあり、各シリンダーの出力軸の伸長・縮短のタイミングは以下に示す▲1▼〜▲5▼のように設定してある。
▲1▼.先ず、図13の状態から上ストッパ50,50を構成するシリンダー50aの出力軸が縮短状態となる。すると、段積み状態にある最下段のクラウンCは下ストッパ51,51の受け部材51bにより受け止められた状態となる。
▲2▼.次に、上ストッパ50,50を構成するシリンダー50aの出力軸が伸長状態となる。この状態では、受け部材50bにより下から二段目のクラウンCは落下阻止状態に受け止められ、最下段のクラウンCは受け部材50bと受け部材51bとの間に位置することになる。
▲3▼.続いて、下ストッパ51,51を構成するシリンダー51aの出力軸が縮短状態となる。すると、最下段のクラウンCは図13に示す一点鎖線に示す如くクラウンストッカ5の底板上に落下する。前記の如くクラウンCが落下すると、下ストッパ51,51を構成するシリンダー51aの出力軸が伸長状態に復帰する。
▲4▼.そして、押込み装置52を構成するシリンダー52aの出力軸が伸長状態となり、クラウンストッカ5の底板上に落下したクラウンCは押込み部材52bによりポジションP8からポジションP9に押し出されることになる。
▲5▼.上記▲1▼〜▲4▼が繰り返され段積み状態にあるクラウンCは順次クラウン焼成装置6に移動せしめられる。
【0032】
焼成装置6は、図1、図2や図14に示すように、シリンダー62を使用して上下の焼成板60,61により挟圧加熱する形式のもので、上側の焼成板60の下面はクラウンCの略球状部分と一致する凹み部60aを形成してあり、下側の焼成板61の上面は平面61aを形成してある。ここで、焼成板60,61は、同図ない示すように下の鋼板にヒータ63を挟み込む構成としてあり、また、この焼成装置6についても上記焼成装置4と同様の効果を期待して、凹み部60aには上記焼成板41の挟圧面と同様の表面処理を、平面61aには上記焼成板40の挟圧面と同様の表面処理を、それぞれ施してある。
【0033】
なお、この焼成装置6で焼成調理されたクラウンCは、図1や図2に示すようにプッシャー64(シリンダの出力軸にトルクアクチュエータを取り付け、前記トルクアクチュエータの出力軸にレバーを取り付けて成る)によりポジションP9からクラウン落下口h’が位置するポジションP10に移動せしめられ、ベルトコンベア8によりクラウン落下口h’の下方まで移動せしめられて停止状態にあるドレスの載置作業が終了したハンバーガー中間体上に落下することになる。即ち、注文を受けたハンバーガーが完成することになる。ここで、最上位のクラウンCの存在を図示しない検知手段が検知してストッパS3が解除された状態となり、完成したハンバーガーがラッピングセクションLSに到ったのを確認するとストッパS3は元の状態に復帰する。
〔ラッピングセクションLSについて〕
ラッピングセクションLSは、図1や図2に示すように、上記のようにして完成したハンバーガーを包装するところであり、ベルトコンベア8の終端部の前側に位置(ポジションP11)している。
【0034】
尚、このセクションにおける完成したハンバーガーの包装作業は自動に行われるものとしても、オペレータOPが手動で行うものとしてもよい。
〔注文表示盤OB、インターフェースボードNB、各自動セクションの駆動の関係について〕
この装置では、オペレータOP又は接客用従業員のコンピュータへの入力操作により、注文を受けた種類のハンバーガーと対応する注文表示盤OBのLED99が点灯表示されるようになっており、同時に、注文されたものがパティPを必須食材とするハンバーガーの場合にはヒール関連自動セクションHS及びパティ関連自動セクションPSが駆動状態となり、パティPを必須食材としないハンバーガーの場合にはヒール関連自動セクションHSが駆動状態となるようにしてある。
【0035】
また、この装置に具備させてあるインターフェ−スボードNBは、図10に示すように全ての商品アイテムに対応したスイッチSWが設けられており、オペレータOPが野菜や揚げ物等の載置作業を済ませた商品に対応する前記スイッチSWを押すことで、上記した手動セクションTSのストッパS2が解除されてハンバーガー中間体はクラウン関連自動セクションCSへと流れていくと共に、注文表示盤OBのLED99が消灯し、更に、クラウン関連自動セクションCSが駆動状態となるようにしてある。
【0036】
この実施例のハンバーガー調理装置は上記のような構成であるから、多種類のハンバーガーを製造でき、また、装置自体の幅が600mm程度と非常に小さくできることから従来の比較的小さな厨房に導入でき、更に、四列のハンバーガー製造ラインHLを有していることから四個のハンバーガーがほぼ同時に次々とできることとなる。
【0037】
尚、上記実施例の装置は、一人のオペレータOPによりハンバーガーを調理するものとしてあるから、四列のハンバーガー製造ラインHL(幅が600mmであり四列の製造ラインに手が届く最大幅となっている)としてあるが、二人のオペレータOPを対向させるようにすれば八列のハンバーガー製造ラインHLを有する装置とすることもできる。要するに、各製造ラインHLに手が届くようであれば、ハンバーガー製造ラインHLは何列であってもよいのである。
【0038】
また、上記実施例の装置におけるクラウン関連自動セクションCSを、図15の二点鎖線の枠内に示すように前後方向を逆に設置すると、ヒールH、パティP及びクラウンCの全てを手動セクションTSに集合させる形式の装置にかえることができる。このためには、各自動セクションをユニットにしておけばよい。
(実施例2)
この実施例は上記した実施例1の装置を簡素化したものであり、具体的には図16や図17に示すように、パティストッカ1、ヒールストッカ3、クラウンストッカ5にかえて、人手(オペレータOP)により一枚のパティP、ヒールH、クラウンCが載置されるパティ載置部1’、ヒール載置部3’、クラウン載置部5’を設けてある。上記構成の相違に伴ってフローシステムも実施例1よりも簡素化でき、オペレータOPによる入力操作も図18に示すような選択スイッチCSWとライン起動スイッチLSWを押すのみとなる。尚、上記選択スイッチCSWは製造されるハンバーガが、揚げ物が挟み込まれたバーガ(以下、ポーション系バーガという)であるか、又はパティが挟み込まれたバーガ(以下、パティ系バーガという)であるかを選択するものであり、前者を選択する場合は図18ではポーション系と表示されたスイッチを押し、後者を選択する場合は図18ではパティ系と表示されたスイッチを押すことにより装置は所定に駆動せしめられる。
【0039】
ここで、この実施例の装置によって如何にして各種ハンバーガが製造されるかを説明するが、各ラインは同一操作をすれば同一動作が行われるものであるから1ラインについて説明する。
〔(パティ系)→(ポーション系)→(パティ系)の順序で製造する場合〕
▲1▼.製造されるハンバーガの種類の順序、即ち、(パティ系)→(ポーション系)→(パティ系)の順序で選択スイッチCSWを押し、コンピュータに製造順序を記憶させる。
▲2▼.オペレータOPが、パティPをパティ載置部1’(ポジションP4’)に、ヒールHをヒール載置部3’(ポジションP1’)に、クラウンCをクラウン載置部5’(ポジションP8’)に、それぞれ載置する。
▲3▼.ライン起動スイッチLSW(エントリイと表示されたもの)を押す。すると、図17に示す、プッシャー19が駆動状態となりパティ載置部1’に載置されたパティPが焼成装置2に自動投入され、また、プッシャー34が自動駆動状態となりヒール載置部3’に載置されたヒールHが焼成装置4に自動投入され、更に、プッシャー52が駆動状態となりクラウン載置部5’に載置されたクラウンCが焼成装置6に自動投入される。各食材が各焼成装置2,4,6の所定の位置に投入されると、パティセンサPS,ヒールセンサHS,クラウンセンサCSはこれら投入を検知し、各焼成装置2,4,6の上側の焼成板が降下して各食材への挟圧加熱が開始される。一定時間経過後、上側の焼成板が上昇して前記挟圧加熱状態は解除せしめられ、各食材の焼成調理は完了する。
【0040】
尚、オペレータOPは各食材が焼成装置に投入された時点で各載置部1’,3’,5’に食材を補充する。
▲4▼.その後、以下のように装置は動作しパティ系バーガが製造されていく。
【0041】
(ア) 焼成済ヒールHがポジションP3で搬送皿U上に落下載置
(イ) 搬送皿U上のヒールHがストッパS1によりポジションP5で停止
(ウ) 焼成済パティPがポジションP5でヒールH上に落下載置
(エ) ストッパS1が開放状態となりバーガ中間体がポジションP7まで移動し、バーガ中間体がストッパS2により停止
(オ) ポジションP7でオペレータOPによるドレス作業
(カ) ストッパS2が開放状態となりバーガ中間体がポジションP10まで移動し、前記バーガ中間体がストッパS3により停止
(キ) クラウンCがポジションP10でバーガ中間体に落下載置してパティ系ハンバーガが完成
(ク) ストッパS3が開放状態となり完成したパティ系ハンバーガがポジションP11でラッピング
▲5▼.上記製造段階においてストッパS1が開放状態になったときにヒール載置部3’に載置された二番目のヒールHが焼成装置4に自動投入され、また、ストッパS3が開放状態になったときにクラウン載置部5’に載置された二番目のクラウンCが焼成装置6に自動投入される。ここで、二つ目に製造されるハンバーガがパティ系である場合には、ストッパS1が開放状態になったとき、即ち、バーガ中間体がポジションP5を通過したときにパティ載置部1’に載置された二番目のパティPが焼成装置2に自動投入されるが、二つ目に製造されるハンバーガはポーション系であることから前記パティPの焼成装置2への投入は行われない。
【0042】
そして、一定時間経過後、ヒールH及びクラウンCの焼成調理が完了する。
尚、オペレータOPはヒールH及びクラウンCが焼成装置4,6に投入された時点で各載置部3’,5’に三番目のヒールH及びクラウンCを補充する。
▲6▼.その後、以下のように装置は動作しポーション系バーガが製造されていく。
【0043】
(ア) 焼成済ヒールHがポジションP3で搬送皿U上に落下載置
(イ) ストッパS1は開放状態となっており、搬送皿U上のヒールHはポジションP5を通過しストッパS2によりポジションP7で停止
(ウ) ▲4▼の(オ) 〜(キ) がなされ、ポーション系バーガが完成する。
▲7▼.ポーション系バーガの上記製造段階において、バーガ中間体がポジションP5を通過したときにヒール載置部3’に載置された三番目のヒールHが焼成装置4に自動投入されると共に、パティ載置部1’に載置された三番目のパティPが焼成装置2に自動投入される、また、ストッパS3が開放状態になったときにクラウン載置部5’に載置された三番目のクラウンCが焼成装置6に自動投入される。
▲8▼.▲7▼に記載した三番目のヒールH及びクラウンCと2番目のパティPにより、三つ目のハンバーガー、即ちパティ系バーガが上記と同様の順序で完成していく。
【0044】
尚、実施例2の装置におけるクラウン関連自動セクションCSを、前後方向を逆に設置すると、ヒールH、パティP及びクラウンCの全てを手動セクションTSに集合させる形式の装置にかえることができる。このためには、各自動セクションをユニットにしておけばよい。
【0045】
また、実施例2ではヒールH、パティP及びクラウンCを載置する載置部1’,3’,5’等を設けるようにしたが、これらを設けることなく直接人手によりヒールH、パティP及びクラウンCを焼成装置2,4,6に投入するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
この発明は上記のような構成であるから、次の効果を有する。
【0047】
作用の欄に記載した内容から、▲1▼多種類のハンバーガを製造することができ、▲2▼従来の比較的小さな厨房に導入でき、▲3▼生産性を向上させることができるハンバーガー調理装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1のハンバーガー調理装置の平面図。
【図2】前記ハンバーガー調理装置の正面図。
【図3】前記ハンバーガー調理装置のヒールストッカの断面図。
【図4】前記ヒールストッカに収容されているカートリッジの斜視図。
【図5】前記ハンバーガー調理装置のヒール用の焼成装置の部分断面図。
【図6】前記ハンバーガー調理装置の搬送皿供給装置の下部断面図。
【図7】前記ハンバーガー調理装置の搬送皿供給装置の側部断面図。
【図8】前記ハンバーガー調理装置の搬送皿供給装置の斜視図。
【図9】前記ハンバーガー調理装置の注文表示盤の斜視図。
【図10】前記ハンバーガー調理装置のインターフェースボードの斜視図。
【図11】前記ハンバーガー調理装置のパティ用の焼成装置の部分断面図。
【図12】前記ハンバーガー調理装置のパティ用の載置台の斜視図。
【図13】前記ハンバーガー調理装置のクラウンストッカの断面図。
【図14】前記ハンバーガー調理装置のクラウン用の焼成装置の部分断面図。
【図15】クラウン関連自動セクションの前後方向をかえた状態のハンバーガ調理装置の正面図。
【図16】この発明の実施例2のハンバーガー調理装置の平面図。
【図17】この発明の実施例2のハンバーガー調理装置の正面図。
【図18】この発明の実施例2のハンバーガー調理装置に使用される操作盤の正面図。
【符号の説明】
OP オペレータ
C クラウン
H ヒール
P パティ
CS クラウン関連自動セクション
HS ヒール関連自動セクション
PS パティ関連自動セクション
TS 手動セクション
OB 注文表示盤
NB インターフェースボード
HL ハンバーガー製造ライン
1 パティストッカ
2 焼成装置
3 ヒールストッカ
4 焼成装置
5 クラウンストッカ
6 焼成装置

Claims (4)

  1. 一個のハンバーガーの大きさよりも少し幅広に設定されたハンバーガー製造ライン(HL)を複数列並設して構成してあり、各製造ライン(HL)には、投入されたヒール(H)を自動加熱調理する焼成装置(4)と、投入されたパティ(P)を自動加熱調理する焼成装置(2)と、投入されたクラウン(C)を自動加熱調理する焼成装置(6)と、調理済のヒール(H)の上方に調理済のクラウン(C)及びパティ(P)並びにその他のハンバーガー製造用食材を必要に応じて手動により載置するための手動セクション(TS)とを具備させてあることを特徴とするハンバーガー調理装置。
  2. 一個のハンバーガーの大きさよりも少し幅広に設定されたハンバーガー製造ライン(HL)を複数列並設して構成してあり、各製造ライン(HL)には、投入されたヒール(H)を自動加熱調理する焼成装置(4)と、投入されたパティ(P)を自動加熱調理する焼成装置(2)と、投入されたクラウン(C)を自動加熱調理する焼成装置(6)と、調理済のヒール(H)の上方に調理済のクラウン(C)及びパティ(P)を載せる自動載置機構と、クラウン(C)やパティ(P)以外のハンバーガー製造用食材を必要に応じて手動により載置するための手動セクション(TS)とを具備させてあることを特徴とするハンバーガー調理装置。
  3. ヒールストッカ(3)から自動排出されたヒール(H)が焼成装置(4)に、パティストッカ(1)から自動排出されたパティ(P)が焼成装置(2)に、クラウンストッカ(5)から自動排出されたクラウン(C)が焼成装置(6)に、それぞれ自動投入されるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載のハンバーガー調理装置。
  4. ハンバーガー製造ライン(HL)が直線状のものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハンバーガー調理装置。
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