JP3556197B2 - 大型サイロの計量用支持構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型サイロをロードセルを介して支持する大型サイロの計量用支持構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からセメントなどの粉粒体が入れられる大型サイロをロードセルを介して支持する計量用支持構造体が知られており、これは、ロードセルに大型サイロの重量が正確に伝わるように支持できる構成でなければならない。つまり、大型サイロを上下方向および水平方向に完全に拘束してしまうと大型サイロの重量がロードセルに伝わらなくなり、大型サイロが地震などによる揺れによって倒れない程度に縦方向および水平方向において大型サイロを支持しているのが現状である。
【0003】
そこで、大型サイロが地震などによる揺れによって倒れない程度に縦方向および水平方向において大型サイロを支持する構成として、具体的には大型サイロの下端に位置するロードセル配設部において大型サイロの重量がロードセルに働くように支持し、またこのロードセル配設部よりも上方において大型サイロの周囲適当間隔おきに大型サイロの外側に位置する壁面と大型サイロの外面との間に水平方向にターンバックル状の支持金具を介在させて僅かの遊びをもって水平動できるように支持するものが知られている。
【0004】
しかしながら、このような大型サイロの支持構造は大型サイロの下端では大型サイロの縦方向の支持を行なう金具が、また大型サイロの側部では大型サイロの水平方向の支持を行なう金具がそれぞれ必要となり、大型サイロの支持部の数が多くなり、大型サイロの設置時の作業性が悪く、コストアップに繋がるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するもので、大型サイロの縦方向および水平方向の支持を行なえる機能を合わせ持った大型サイロの計量用支持構造体を提供し、大型サイロの設置時の作業性の向上、延いてはコストダウンを図るようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、大型サイロを周囲等間隔おきに受けて支持する大型サイロの計量用支持構造体であって、基礎に取り付けられる下側取付板と、この下側取付板上に載せられるロードセルと、このロードセルの上端に載せられ大型サイロを受けて固定する上側取付板とを備え、上側取付板には下側取付板から立設する複数本の支持ボルトを貫通させる孔部が形成され、この各孔部にそれぞれ支持ボルトを貫通させた状態で孔部から上方に突出する支持ボルトの雄ねじ部にナットを螺合させ、ナットと上側取付板との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる浮き上がり防止機構と、前記ロードセルの配設位置を挟む位置で上側取付板の下面に設けた受け金具に先端が近接するように下側取付板の上面のブラケットのねじ孔に螺入する水平方向に向く支持ボルトを設け、支持ボルトは先端が前記受け金具の平行な2枚の受け部の外面側に向き合うようにブラケットのねじ孔に螺入され、この支持ボルトの先端と前記受け部との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる水平方向の揺れ防止機構とを設けてなることを要旨とするものである。また本発明は、大型サイロを周囲等間隔おきに受けて支持する大型サイロの計量用支持構造体であって、基礎に取り付けられる下側取付板と、この下側取付板上に載せられるロードセルと、このロードセルの上端に載せられ大型サイロを受けて固定する上側取付板とを備え、上側取付板上に取り付けられる大型サイロの支持金具には下側取付板から立設する複数本の支持ボルトを貫通させる孔部が形成され、この各孔部にそれぞれ支持ボルトを貫通させた状態で孔部から上方に突出する支持ボルトの雄ねじ部にナットを螺合させ、ナットと支持金具との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる浮き上がり防止機構と、前記ロードセルの配設位置を挟む位置で上側取付板の下面に設けた受け金具に先端が近接するように下側取付板の上面のブラケットのねじ孔に螺入する水平方向に向く支持ボルトを設け、支持ボルトは先端が前記受け金具の平行な2枚の受け部の外面側に向き合うようにブラケットのねじ孔に螺入され、この支持ボルトの先端と前記受け部との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる水平方向の揺れ防止機構とを設けてなることを要旨とするものである。
【0007】
この構成により、大型サイロの縦方向および水平方向の支持を行なえる機能を合わせ持った大型サイロの計量用支持構造体を提供し、大型サイロの設置時の作業性の向上、延いてはコストダウンを図るようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
先ず、図1〜図6に示す第1の実施の形態について説明すると、1は基礎2の水平面上に全周溶接により取り付けられる平面形状が長方形の金属製の下側取付板で、この下側取付板1の上面中央には計量用手段としてのロードセル3が載せられ、このロードセル3の上端の円錐状頭部の頂部(図示せず)は平面形状が長方形で前記下側取付板1と同じ大きさの金属製の上側取付板4の下面中央の凹部4a内に嵌入された金属円盤5の下面中央部の窪み(図示せず)に当接するようにしてセットされる。つまり、上側取付板4は中央部がロードセル3で受けられ、その長さ方向両端部において短辺に沿う2箇所で下側取付板1から立設する上下方向に向く支持ボルト6によって上下方向の支持がなされ、また前記ロードセル3の配設位置を挟む位置で上側取付板4の下面に設けた受け金具7に先端が近接するように下側取付板1の上面のブラケット8のねじ孔9に水平に螺入する水平方向に向く支持ボルト10によって水平方向の支持がなされるようになっている。さらに詳しくは、前記上側取付板4の下面の受け金具7は前記下側取付板1の長手方向に軸芯が向く前記支持ボルト10の軸芯方向に対して直角に向く互いに平行な受け部11を備え、この互いに平行な受け部11間を補強するための補強部12を受け部11間に備えている。また、前記下側取付板1のブラケット8に取り付けられる支持ボルト10は先端が平行な2枚の受け部11の外面側に向き合うようにブラケット8のねじ孔9に螺入され、この支持ボルト10の先端と前記受け部11との間に2〜3mm程度の隙間を保持するようにブラケット8のねじ孔9から突出する支持ボルト10の雄ねじ部13に弛み止め用のナット14が螺合されている。また、前記上側取付板4には下側取付板1から立設する合計4本の支持ボルト6を貫通させる孔部15が形成され、この各孔部15にそれぞれ支持ボルト6を貫通させた状態で孔部15から上方に突出する支持ボルト6の雄ねじ部16に座金17を介してナット18を螺合させ、ナット18と座金17との間、言い換えれば座金17と上側取付板4との間に2〜3mm程度の隙間を保持するようになっている。なお、孔部15の内径は支持ボルト6の外径よりも5mm程度大きくなっている。
【0009】
本実施の形態の計量用支持構造体は以上のような構成となっており、被計量構造物としての大型サイロ19を所定位置に取り付ける前に、大型サイロ19の周囲4箇所に相当する箇所においてそれぞれ計量用支持構造体の下側取付板1を基礎2上に全周溶接により取り付ける。つまり、大型サイロ19を周囲4箇所の計量用支持構造体で受けるようにする。前記下側取付板1と上側取付板4との間にロードセル3を組み込んだ状態で、大型サイロ19を4つの計量用支持構造体の上側取付板4上に載せる。詳しくは、大型サイロ19の下端における周囲4箇所に一体的に設けた支持金具20を上側取付板4上に載せ、支持金具20を上側取付板4に対し溶接により取り付ける。なお、前記大型サイロ19を受ける4つの計量用支持構造体はそれぞれを正面から見て前記各部材が同じ位置関係となるよう基礎2上に取り付けられている。
【0010】
上記のように基礎2上に4つの計量用支持構造体を介して大型サイロ19を支持した状態において、地震などにより水平方向に不測の揺れが生じたときは前記下側取付板1上の左右の支持ボルト10の少なくとも一方の先端が前記受け部11の外面に当接することにより大型サイロ19の大きな揺れが防止され、また地震などにより縦方向に不測の揺れが生じたときは前記下側取付板1から立設する支持ボルト6の上端に螺合するナット18により上側取付板4上に載る大型サイロ19の浮き上がりが防止され、大型サイロ19が倒れるのを防止することができる。なお、水平方向の揺れを止める支持ボルト10の先端と前記受け部11の外面との間に2〜3mm程度の隙間が保持されるとともに孔部15の内面と支持ボルト6の外面との間に同等の隙間が保持され、縦方向の揺れを止める座金17と上側取付板4との間に2〜3mm程度の隙間が保持されているのは、これらの隙間を無くした状態で大型サイロ19を設置して揺れによる大型サイロ19の倒れ防止を行なうことも考えられるが、上記隙間を無くして大型サイロ19を拘束してしまうと大型サイロ19からの荷重がロードセル3に掛からなくなり、計量用支持構造体としての機能が発揮できなくなるからである。
【0011】
次に、図7〜図9に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では大型サイロ19の支持金具20を上側取付板4に対し溶接により取り付け、上側取付板4を下側取付板1から立設する支持ボルト6と嵌合させて支持ボルト6の上端に螺合するナット18により浮き上がり防止を行なうように構成されているが、第2の実施の形態では上側取付板4を下側取付板1から立設する支持ボルト6に嵌合させず、上側取付板4上に載る大型サイロ19の支持金具20を下側取付板1から立設する支持ボルト6と嵌合させて支持ボルト6の上端に螺合するナット18により浮き上がり防止を行なうように構成している。なお、大型サイロ19の支持金具20は上側取付板4上に載った状態でボルト21およびナット22により上側取付板4に締結される。他の構成は前記第1の実施の形態と同様である。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、大型サイロの縦方向および水平方向の支持を行なえる機能を合わせ持った大型サイロの計量用支持構造体を提供し、大型サイロの設置時の作業性の向上、延いてはコストダウンを図るようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における計量用支持構造体の斜視図である。
【図2】同計量用支持構造体の正面図である。
【図3】同計量用支持構造体の側面図である。
【図4】同計量用支持構造体の断面図である。
【図5】同計量用支持構造体で大型サイロを受けた状態を示す斜視図である。
【図6】同計量用支持構造体で大型サイロを受けた状態を示す正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における計量用支持構造体の斜視図である。
【図8】同計量用支持構造体の正面図である。
【図9】同計量用支持構造体の側面図である。
【符号の説明】
1 下側取付板
2 基礎
3 ロードセル
4 上側取付板
6 支持ボルト
7 受け金具
8 ブラケット
9 ねじ孔
10 支持ボルト
11 受け部
13 雄ねじ部
14 弛み止め用のナット
15 孔部
16 雄ねじ部
17 座金
18 ナット
19 大型サイロ
20 支持金具
21 ボルト
22 ナット
Claims (1)
- 大型サイロを周囲等間隔おきに受けて支持する大型サイロの計量用支持構造体であって、基礎に取り付けられる下側取付板と、この下側取付板上に載せられるロードセルと、このロードセルの上端に載せられ大型サイロを受けて固定する上側取付板とを備え、
上側取付板上に取り付けられる大型サイロの支持金具には下側取付板から立設する複数本の支持ボルトを貫通させる孔部が形成され、この各孔部にそれぞれ支持ボルトを貫通させた状態で孔部から上方に突出する支持ボルトの雄ねじ部にナットを螺合させ、ナットと支持金具との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる浮き上がり防止機構と、
前記ロードセルの配設位置を挟む位置で上側取付板の下面に設けた受け金具に先端が近接するように下側取付板の上面のブラケットのねじ孔に螺入する水平方向に向く支持ボルトを設け、支持ボルトは先端が前記受け金具の平行な2枚の受け部の外面側に向き合うようにブラケットのねじ孔に螺入され、この支持ボルトの先端と前記受け部との間に僅かな隙間を保持するように構成してなる水平方向の揺れ防止機構とを設けてなることを特徴とする大型サイロの計量用支持構造体。
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