JP3555212B2 - リターンガスブロアのサージ防止制御装置 - Google Patents

リターンガスブロアのサージ防止制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、船に搭載された液化天然ガスを地上のタンクに供給する際に、地上のタンク内に発生した天然ガスを船に送り返すリターンガスブロアのサージングを防止するサージ防止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、海外から輸入した液化天然ガスは船で輸送され、輸送された液化天然ガスはパイプを通して輸送船内から地上のタンクへ送られ、貯蔵される。この時、輸送船内に発生する天然ガスの圧力は、輸送船内から地上のタンクへ液化天然ガスを効率よく送る上で有効であるが、液化天然ガスの地上のタンクへの供給が進むにつれて液化天然ガスの液面が低下すると、これに伴って輸送船内の天然ガスの圧力も低下する。この天然ガスの圧力低下を補うために、地上のタンク内に発生した天然ガスを輸送船内に戻することにより輸送船内のガス圧を保ち、これにより液化天然ガスを効率良く地上のタンクに送っている。
【0003】
ここで、タンク内に発生した天然ガスを輸送船内に送り返す方法として、一般にブロアが使用されている。このブロアは一定の回転数で回転しており、図4に示すような特性を有している。
この図において、10はブロアのP−Q特性カーブであり、ブロアの吐出流量Qに対する吐出圧力Pを示している。また、11はサージラインであり、このラインを境界線としてサージング領域(イ)と非サージング領域(ロ)の2つの領域に分けられる。サージング領域(イ)において、P−Q特性カーブ10は、吐出流量Qが低下するとこれに対応して吐出圧力Pも降下するいわゆる負抵抗特性を呈し、これに起因してサージライン11をまたぐ吐出流量および吐出圧力のサイクル変動が発生する。この脈動をサージングといい、サイクル突入時の衝撃等によりリターンガスブロアに機械的な損傷を与える原因となる。
【0004】
上述したサージングの発生を防止するために、従来は例えば図5に示す構成の流量一定制御方式によるサージ防止制御装置が使用されていた。
この図において、20はリターンガスブロアであり、地上のタンクに発生する天然ガスを輸送船内に送り返す。21はバタフライ弁であり、地上のタンクから輸送船に送り返す天然ガスの一部を再び地上のタンクに戻すバイパス経路に設置されている。また、図5のサージ防止制御装置においては、バタフライ弁21の開度を調節して上述したバイパス経路を通過する天然ガスを増減することにより輸送船に送り返す天然ガス(以下リターンガスという)の流量を制御している。
【0005】
22は温度計であり、リターンガスブロア20が吐出するリターンガスの温度を測定し、測定した温度値を温度圧力補正回路25へ出力する。23は圧力計であり、リターンガスの圧力を測定し、測定した圧力値を温度圧力補正回路25へ出力する。24は差圧計であり、管路内に設けられた板上の絞り機構(以下、オリフィス板という)の前後でリターンガスの圧力を各々測定し、その圧力差の値を温度圧力補正回路25へ出力する。
【0006】
温度圧力補正回路25は温度計22、圧力計23および差圧計24が各々出力する温度値、圧力値および差圧値に基づいて、標準状態(0゜C、1atm)におけるリターンガスの体積流量(以下、ノルマル流量という)FN[Nm/h]を算出する。
26は減算器であり、外部から供給される設定流量値Qd1(一定値)と温度圧力補正回路25が出力するノルマル流量値FNとの差をとり、設定流量値Qd1からの偏差量を出力する。
【0007】
ここで、上述した設定流量値Qd1は、図6に示すリターンガスブロア20のP−Q特性カーブおよびサージライン30のグラフにおいて、リターンガスが最も低温となる温度(−140゜C)の時のP−Q特性カーブ32と、サージ制御ライン31との交点aにおけるノルマル流量値Qd1[Nm/h]に定められている。
【0008】
図5において、27は比例積分制御部であり、減算器26が出力する偏差量に、予め設定されている定数で乗算・積分した値に対応する制御電流信号をバタフライ弁21へ出力する。28は電流−空気変換器であり、比例積分制御部27が出力する制御電流信号に対応する空気圧をバタフライ弁21に供給し、バタフライ弁21の開度を調節する。
【0009】
上述したサージ防止制御装置において、リターンガスの流量は温度計22、圧力計23、差圧計24による各測定値に基づいて温度圧力補正回路25はノルマル流量値FNを算出し、算出されたノルマル流量値FNは、減算器26で設定流量値Qd1との差がとられ、この差を打ち消すようにバタフライ弁21の開度を調節する制御電流信号が比例積分制御部27から出力される。これにより、図5のサージ防止制御装置では、リターンガスの流量が常にQd1[Nm/ h]となるように制御され、これによりリターンガスブロア20のサージングの発生を防止することができる。
【0010】
次に従来のサージ防止制御装置の他の例について説明する。図7はサージ防止制御装置の他の構成を模式的に示すブロック図である。
この図において、図5の各部と対応する部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示すサージ防止制御装置が図5のものと異なる点は設定値算出回路29が追加され、減算器26には設定値算出回路29の出力と圧力計23の圧力値が供給されている点である。
【0011】
設定値算出回路29は、図6のグラフに基づいて、温度圧力補正回路25が算出するノルマル流量値FNに対するサージ制御ライン31上の吐出圧力値を求め、 この圧力値を設定値として減算器26へ出力するものである。そして、この設定圧力値と圧力計23が出力する圧力値の差がとられ、この差を打ち消すようにバタフライ弁21の開度が制御される。すなわち、図7のサージ防止制御装置の場合、リターンガスブロア20の天然ガスの吐出圧力は、常にサージ制御ライン31上の値となるように制御され、これによりリターンガスブロア20のサージングの発生を防止することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5に示したサージ防止制御装置において、リターンガスブロア20の起動当初は、リターンガスブロア20本体や天然ガスが通過するパイプ等の設備の温度が天然ガスの温度に比べて高い温度となっているため、天然ガスの温度が上昇して密度が希薄となり、リターンガスの流量値(ノルマル流量値)は低い値となる。このため、減算器26が出力する偏差量は大きくなり、比例積分制御部27はこの偏差量に応じた開度でバタフライ弁21を開放するための制御電流信号を出力してリターンガスの吐出流量を増加させる。
【0013】
バタフライ弁21が開放されることによりリターンガスの吐出流量が増加すると、リターンガスの温度の影響により設備の温度が徐々に低下していき、これに伴いリターンガスの密度が濃厚となって流量値はさらに増加していく。やがてリターンガスの吐出流量が流量設定値Qd1を上回ると、比例積分制御部27は、減算器26が出力する設定流量値Qd1とノルマル流量値FNの差分に応じた開度でバタフライ弁21を絞るための制御電流信号を出力してリターンガスの流量を減少させ、ノルマル流量値FNが設定流量値Qd1となるよう制御する。
【0014】
この時、バタフライ弁21が絞られることでリターンガスの吐出圧力が上昇する。一方、リターンガスの温度は依然として低下し続け、このためリターンガスの密度が濃厚となるため吐出流量はさらに増加していき、比例積分制御部27はバタフライ弁21の開度をさらに絞るための制御電流信号を出力する。この結果、リターンガスの吐出圧力は増々上昇して図6に示すサージ制御ライン31を突破し、リターンガスブロア20はサージング領域(ハ)側で動作することになってしまう。また、最悪の場合はサージングの発生を防止するための保護機能が作動し、リターンガスブロア20が強制的に停止させられてしまう。
【0015】
また、図7のサージ制御防止装置の場合は、設定値算出回路29が出力する設定圧力値が、バタフライ弁21の制御動作による流量の変化に伴う圧力変化よりも早く変化するため、リターンガスブロア20の起動直後における設備の温度変化が著しい場合は制御が不安定となり、自動制御が困難である。
また、バタフライ弁21の制御電流信号対開度の特性はリニアリティがなく、わずかな制御信号の変化に対して開度が大きく変動してしまう場合があり、このため自動制御が困難であった。
【0016】
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、リターンガスブロアの起動時などリターンガスの温度変化が著しい状況においてもリターンガスブロアのサージングの発生を防止することができるサージ防止制御装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、輸送船から地上のタンクへ液化天然ガスを供給する際、前記地上のタンクに発生した天然ガスを前記輸送船へ送り返すリターンガスブロアのサージ防止制御装置であって、前記輸送船に送り返す天然ガスの一部を再び前記地上のタンクに戻すためのバイパス経路に設けられた調節弁の開度を調節することによってバイパス流量を制御して前記リターンガスブロアのサージングの発生を防止するリターンガスブロアのサージ防止制御装置において、前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスのノルマル流量値を測定するノルマル流量測定手段と、2つの入力端を有し、一方の入力端に供給される前記ノルマル流量値と、他方の入力端に供給される設定流量値との偏差量を出力する減算器と、前記減算器が出力する偏差量が予め設定された範囲内にある場合は該偏差量を0として出力し、前記減算器が出力する偏差量が前記予め設定された範囲外にある場合は該偏差量から前記予め設定された範囲の偏差量を差引いた偏差量を出力するギャップ制御装置と、前記ギャップ制御部から出力された偏差量に基づいて予め設定されている開度制御量を増減し、該増減した開度制御量に応じた制御信号を出力することによって前記調節弁の開度制御を行う制御手段とを具備することを特徴とするリターンガスブロアのサージ防止制御装置である。
【0018】
第2の発明は、前記制御手段は、前記開度制御量の変化に対して前記調節弁の開度を直線的に変化させる制御信号を生成する制御信号生成手段を具備することを特徴とする請求項1記載のリターンガスブロアのサージ防止制御装置である。
【0019】
第3の発明は、前記減算器の他方の入力端に対し、前記リターンガスブロアの起動当初においては前記ノルマル流量測定手段から出力されるノルマル流量値を供給し、起動時から所定時間経過し、かつ、前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスの温度が所定温度以下となった時に、前記設定流量値を供給する供給値切替手段を具備することを特徴とする請求項2記載のリターンガスブロアのサージ防止制御装置である。
【0020】
第4の発明は、前記供給値切替手段が、減算器の他方の入力端に前記設定流量値を供給する際、切替時点のノルマル流量値から該設定流量値まで所定時間をかけて徐々に変化させる変化率制限回路を具備することを特徴とする請求項3記載のリターンガスブロアのサージ防止制御装置である。
【0021】
【作用】
第1のサージ防止制御装置においては、リターンガスブロアの吐出流量(ノルマル流量値)と外部から供給される設定流量値との差が、予め設定された範囲内にある場合は調節弁の開度を変化させないため、天然ガスの吐出圧力の急激な上昇を避けることができる。
【0022】
また、第2のサージ防止制御装置においては、開度設定装置が出力する開度制御信号の変化に対する調節弁の開度の変化が一定となるので、調節弁の自動制御が容易となる。
【0023】
また、第3のサージ防止制御装置においては、リターンガスブロアの起動当初は調節弁が予め設定された開度となり、所定時間経過後、かつ、天然ガスの温度が所定温度以下となった時に調節弁の自動制御を行うので、リターンガスブロアの起動当初における設備の温度変化による吐出流量の急激な増加を抑えることができる。
【0024】
さらに、第4のサージ防止制御装置においては、減算器の他方の入力端に供給する流量値がノルマル流量値から設定流量値に切り替わった際、設定流量値が切り替わり時点のノルマル流量値から徐々に変化して行くので、切り替わり時点のノルマル流量値と設定流量値の差が大きい場合でも切り替わり後の調節弁の開度が急激に変動せず、天然ガスの吐出圧力の上昇を抑えることができる。
【0025】
【実施例】
以下、図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。図1はこの発明の一実施例によるリターンガスブロアのサージ防止制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。この図において、図5の各部と対応する部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。図1に示すサージ防止制御装置が図5と異なる点は以下の通りである。
【0026】
1は所定温度検出器であり、温度計22から出力される温度値が所定温度以下となった時に「1」信号を出力する。2はタイマであり、リターンガスブロア20の起動時点から計時を開始し、所定時間が経過した時点で「1」信号を出力する。3は論理積回路であり、所定温度検出回路1およびタイマ2の双方から出力される信号の論理積をとり、出力する。
【0027】
4は変化率制限回路であり、図2に示すように、論理積回路3から「1」信号が出力された時点においてはその時点のノルマル流量値FNを出力し、そのノルマル流量値を所定時間tをかけて外部から供給される流量設定値Qd1まで徐々に変化させる。5は切替スイッチであり、論理積回路3から「1」信号が出力されると図1中a側からb側に切り替わり、減算器26への出力値をノルマル流量値FNから変化率制限回路5の出力値へ切り替える。
【0028】
6はギャップ制御部であり、図3に示すように、減算器26から出力される偏差量がある所定の偏差範囲(±Δ;Δ=1500Nm/h)内にある時は、偏差量を0として出力し、上記偏差範囲外にある時は減算器26から出力される偏差量から上記所定の偏差範囲を差引いた偏差量が出力される。
7は調節弁開度設定部であり、バタフライ弁21の開度が全開の時を100%、全閉の時を0%とした場合、開度70%となるような制御電流値が予め設定されている。また、この制御電流値を比例積分制御部27から出力される制御電流信号の電流値で増減し、開度制御信号として出力する。8はリニア近似折線関数変換部であり、調節弁開度設定部7が出力する開度制御信号の電流値の変化に対して、バタフライ弁21の開度が直線的に変化するような制御電流値に変換して電気−空気変換器28へ出力する。
【0029】
次に上述したサージ防止制御装置の作動について説明する。まず、リターンガスブロア20を起動すると、天然ガスの吐出が開始されると共に、切替スイッチ5はa側になっているため減算器26の双方の入力端には共にノルマル流量値FNが供給される。このため減算器26の出力値は0となり、比例積分制御部27が出力する制御電流信号の電流値は0となる。このため調節弁設定部7は、規定開度(開度70%)となる電流値の開度制御信号を出力し、これによりバタフライ弁21の開度は70%となる。
【0030】
リターンガスの吐出に伴ってリターンガスブロア20本体やパイプ等の温度が低下して、これにより吐出流量も増加するが、バタフライ弁21の開度は70%のまま固定される。やがて所定時間が経過し、かつ、温度計22が出力する温度値が所定温度以下となると、所定温度検出回路1およびタイマ2からそれぞれ「1」信号が出力される。これにより、論理積回路3から「1」信号が出力され、設定値切替スイッチ5がa側からb側に切り替わり、減算器26の一方の入力端には変化率制限回路5の出力値が供給され、減算器26は他方の入力端に供給されるノルマル流量値FNとの偏差を出力する。
また、変化率制限回路5の出力値は、図3に示すように切り替わり時点のノルマル流量値FNから設定流量値Qd1まで、所定時間tをかけて変化して行くため、減算器26が出力する偏差はt秒間に0からQd1−FN[Nm/h]まで変化していく。
【0031】
その間、ギャップ制御部6は減算器26から出力される偏差量が±1500[Nm/h]の範囲内にある時は偏差量を0として出力するため、比例積分制御部27から出力される制御電流信号の電流値は0となる。これにより、調節弁開度設定部7からは、バタフライ弁21の開度が規定開度(開度70%)となる開度制御信号が出力される。そして、減算器26が出力する偏差が±1500[Nm/h]の範囲外になるまで、規定開度を維持する。
【0032】
やがて、ノルマル流量値FNが流量設定値Qd1+1500[Nm/h]よりも大きくなると、減算器26からFN−Qd1−1500 [Nm/h]の偏差量が出力され、比例積分制御部27はリターンガスの吐出流量をFN−Qd1−1500[Nm/h]分低下させるため、負の電流値の制御電流信号を出力する。そして調節弁開度設定部7はバタフライ弁21の開度が規定開度となる電流値から、比例積分制御部27が出力する電流値を減算した電流値の開度制御信号を出力する。また、リニア近似折線関数変換部8は上記開度制御信号の電流値をリニア近似折線関数に基づいて変換し、バタフライ弁21の開度が上記開度制御信号の電流値に比例した開度となるような電流値を出力する。その結果、バタフライ弁21の開度は70%から上記開度制御信号により指示される開度となるまで絞られる。
【0033】
バタフライ弁21の開度の減少により、ノルマル流量値FNがQd1+1500[Nm/h]よりも小さくなると、ギャップ制御部6が出力する偏差量は0となり、バタフライ弁21の開度は直前の開度を維持するように制御される。そして、この規定開度はノルマル流量値FNがQd1−1500[Nm/h]よりも下回るか、ノルマル流量値FNが再度Qd1+1500[Nm/h]よりも上回るまで維持される。
【0034】
このように、本実施例によるサージ防止制御装置においては、リターンガスブロアの起動から所定時間経過、かつ、設備が所定温度以下となるまで規定開度を維持し、自動制御に切り替わった後は、ギャップ制御部6により減算器26が出力する偏差量が所定の偏差量範囲内である場合、出力偏差量を0としてバタフライ弁21の開度を現状維持することにより、リターンガスの吐出圧力の上昇を極力抑えることができ、リターンガスブロアの起動時における温度変化の過渡状態にあってもリターンガスブロアのサージ防止制御を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように第1の発明によれば、前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスのノルマル流量値を測定するノルマル流量測定手段と、2つの入力端を有し、一方の入力端に供給される前記ノルマル流量値と、他方の入力端に供給される設定流量値との偏差量を出力する減算器と、前記減算器が出力する偏差量が予め設定された範囲内にある場合は該偏差量を0として出力し、前記減算器が出力する偏差量が前記予め設定された範囲外にある場合は該偏差量から前記予め設定された範囲の偏差量を差引いた偏差量を出力するギャップ制御装置と、前記ギャップ制御部から出力された偏差量に基づいて予め設定されている開度制御量を増減し、該増減した開度制御量に応じた制御信号を出力することによって前記調節弁の開度制御を行う制御手段とを具備したので、リターンガスブロアの吐出流量と外部から供給される設定流量値との差が、予め設定された範囲内にある場合は調節弁の開度が変化せず、天然ガスの吐出圧力の急激な上昇を避けることができる。
【0036】
また、第2の発明によれば、前記制御手段は、前記開度制御量の変化に対して前記調節弁の開度を直線的に変化させる制御信号を生成する制御信号生成手段を具備したので、開度制御信号の電流値変化に対するバタフライ弁の開度変化が一定となり、サージ防止制御の自動制御が容易となる。
【0037】
また、第3の発明によれば、前記減算器の他方の入力端に対し、前記リターンガスブロアの起動当初においては前記ノルマル流量測定手段から出力されるノルマル流量値を供給し、起動時から所定時間経過し、かつ、前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスの温度が所定温度以下となった時に、前記設定流量値を供給する供給値切替手段を具備したので、リターンガスブロアの起動当初はバタフライ弁が予め設定された開度となり、所定時間が経過し、かつ、リターンガスブロアが吐出する天然ガスの温度が所定温度以下となった時にバタフライ弁の自動制御を行うため、リターンガスブロアの起動当初における設備の温度変化による吐出流量の急激な増加を抑えることができる。
【0038】
また、第4の発明によれば、前記供給値切替手段が、減算器の他方の入力端に前記設定流量値を供給する際、切替時点のノルマル流量値から該設定流量値まで所定時間をかけて徐々に変化させる変化率制限回路を具備したので、減算器の他方の入力端に供給する流量値がノルマル流量値から設定流量値に切り替わった際、設定流量値が切り替わり時点のノルマル流量値から徐々に変化して行き、切り替わり時点のノルマル流量値と設定流量値の差が大きい場合でも切り替わり後の調節弁の開度が急激に変動せず、天然ガスの吐出圧力の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるサージ防止制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】同サージ防止制御装置における変化率制限回路の時間経過に伴う出力値の変化を示すグラフである。
【図3】同サージ防止制御装置におけるギャップ制御部の入力偏差量に対する出力偏差量の特性を示すグラフである。
【図4】一般的なブロアのP−Q特性カーブおよびサージラインを表したグラフである。
【図5】従来のサージ防止制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】横軸をノルマル流量、縦軸を吐出圧力とした時のP−Q特性カーブおよびサージラインを表したグラフである。
【図7】従来のサージ防止制御装置の他の構成を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1……所定温度検出器、2……タイマ、3……論理積回路、4……変化率制限回路、5……切替スイッチ、6……ギャップ制御部、7……調節弁開度設定部、8……リニア近似折線関数変換部、26……減算器、27……比例積分制御部

Claims (3)

  1. 輸送船から地上のタンクへ液化天然ガスを供給する際、前記地上のタンクに発生した天然ガスを前記輸送船へ送り返すリターンガスブロアのサージ防止制御装置であって、前記輸送船に送り返す天然ガスの一部を再び前記地上のタンクに戻すためのバイパス経路に設けられた調節弁の開度を調節することによってバイパス流量を制御して前記リターンガスブロアのサージングの発生を防止するリターンガスブロアのサージ防止制御装置において、
    前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスのノルマル流量値を測定するノルマル流量測定手段と、
    2つの入力端を有し、一方の入力端に供給される前記ノルマル流量値と、他方の入力端に供給される設定流量値との偏差量を出力する減算器と、
    前記減算器が出力する偏差量が予め設定された範囲内にある場合は該偏差量を0として出力し、前記減算器が出力する偏差量が前記予め設定された範囲外にある場合は該偏差量から前記予め設定された範囲の偏差量を差引いた偏差量を出力するギャップ制御装置と、
    前記ギャップ制御部から出力された偏差量に基づいて予め設定されている開度制御量を増減し、該増減した開度制御量に応じた制御信号を出力することによって前記調節弁の開度制御を行う制御手段と
    前記減算器の他方の入力端に対し、前記リターンガスブロアの起動当初においては前記ノルマル流量測定手段から出力されるノルマル流量値を供給し、起動時から所定時間経過し、かつ、前記リターンガスブロアが吐出する天然ガスの温度が所定温度以下となった時に、前記設定流量値を供給する供給値切替手段と
    を具備することを特徴とするリターンガスブロアのサージ防止制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記開度制御量の変化に対して前記調節弁の開度を直線的に変化させる制御信号を生成する制御信号生成手段を具備することを特徴とする請求項1記載のリターンガスブロアのサージ防止制御装置。
  3. 前記供給値切替手段が、減算器の他方の入力端に前記設定流量値を供給する際、切替時点のノルマル流量値から該設定流量値まで所定時間をかけて徐々に変化させる変化率制限回路を具備することを特徴とする請求項1記載のリターンガスブロアのサージ防止制御装置。
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