JP3555038B2 - 粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はピストンを前進、後退させることにより粘性流体を吸入、吐出させる、いわゆる、ピストン式粘性流体ポンプにおいて、油ポンプから吐出される圧油の吐出量を調整するための方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種粘性流体ポンプのうち、吸入吐出切換弁として揺動弁型式を採用したものを一例として示すと、図4に示す如く、タンク1に接続された可変容量油ポンプ2を、エンジン3の動力で駆動するようにし、上記油ポンプ2の吐出側及びタンク1と2本の主油圧シリンダ4,5の両ヘッド側圧力室とを結ぶ圧油給排ライン6の途中に、電磁式四方弁7を設け、且つ上記両主油圧シリンダ4と5のロッド側圧力室同士を密封回路8で結び、電磁式四方弁7の切り換えにより油ポンプ2から吐出される圧油が交互に主油圧シリンダ4又は5のヘッド側圧力室に供給されて該主油圧シリンダ4と5が交互に前進、後退させられることにより、2本の液体圧送用シリンダ(図示せず)が交互に吸入側又は吐出側に切り換えられて、ホッパ内の粘性流体を吸入して吐出させることができるようにしてある。
【0003】
又、上記主油圧シリンダ4と5が交互に前進、後退することに伴い揺動弁の切り換えを行う揺動シリンダ9と10に圧油を給排する圧油給排ライン11の途中に、電磁式四方弁12を設けて、該電磁式四方弁12を切り換えることにより揺動シリンダ9と10が交互に前進、後退させられて揺動弁が切り換えられるようにしてある。
【0004】
上記のような構成の粘性流体ポンプにおいて、ポンプ性能の最も基本となるのは、圧油の吐出量を所要の値に安定させることにある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の粘性流体ポンプでは、可変容量油ポンプ2を使用し、その吐出量をエンジン回転数と油ポンプ傾転角との二次元制御で調整するようにしているため、オペレータはそれぞれの調整レバーを操作しつつ吐出量を設定しなければならない、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、所要吐出量を予め設定しておいて、その設定値に応じてエンジン回転数、油ポンプ傾転角を適宜自動的に制御させて吐出量を調整させるようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、吐出量設定指令電圧を電圧調整器に入力し、次に、エンジン回転数優先を選んで、上記電圧調整器から回転数調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、油ポンプ傾転角を最小のままエンジン側の電磁比例アクチュエータによりエンジン回転数を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで上昇させて吐出量を調整し、最大回転数になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を回転数調整側のアンプから傾転角調整側のアンプへ伝達して付加することにより、油ポンプ側の電磁比例アクチュエータが作動し油ポンプ傾転角を増加させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整するか、又は、傾転角優先を選んで、上記電圧調整器から傾転角調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、エンジン回転数を最小にしたまま油ポンプ側の電磁比例アクチュエータにより傾転角を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで増加させて吐出量を調整し、最大傾転角になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を上記傾転角調整側のアンプから回転数調整側のアンプへ伝達して付加することにより、エンジン側の電磁比例アクチュエータが作動しエンジン回転数を上昇させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整するようにする方法とする。
【0008】
又、予め設定された回転数設定指令電圧を回転数調整側のアンプに付加してエンジン回転数を設定値に調整し、予め設定された傾転角設定指令電圧を傾転角調整側のアンプに付加して傾転角を設定値に調整して、油ポンプからの吐出量を設定値に調整する方法とする。
【0009】
更に、エンジンにより可変容量油ポンプが駆動されるよう両者を連結し、エンジン回転数の調整と油ポンプ傾転角の調整が別々の電磁比例アクチュエータにより行われるようにしてある粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整装置において、上記エンジン回転数を調整する電磁比例アクチュエータに接続したアンプと、上記傾転角を調整する電磁比例アクチュエータに接続したアンプとに、該両アンプに吐出量設定指令電圧を付加する電圧調整器が、エンジン回転数優先と傾転角優先のスイッチ切り換えにより別々に接続されるようにし、且つ上記回転数調整側のアンプに付加された吐出量設定指令電圧の余剰分が上記傾転角調整側のアンプへ伝達され、又、上記傾転角調整側のアンプに付加された吐出量設定指令電圧の余剰分が上記回転数調整側のアンプへ伝達されるように互に接続できるようにした構成とする。
【0010】
又、回転数調整側のアンプに回転数設定指令電圧を付加するように該回転数設定指令電圧が入力されている電圧調整器を、該回転数調整側のアンプに接続できるようにすると共に、傾転角調整側のアンプに傾転角設定指令電圧を付加するように該傾転角設定指令電圧が入力されている電圧調整器を、該傾転角調整側のアンプに接続できるようにしてプリセット運転ができるようにし、回転数優先、傾転角優先の優先運転とプリセット運転とをスイッチの切り換えで選択できるようにしてなる構成とする。
【0011】
【作用】
エンジン回転数優先の場合も、油ポンプ傾転角優先の場合も、予め所要吐出量を設定しておくのは吐出量設定指令電圧の付加によって行われるので、この吐出量設定指令電圧に相当するまでエンジン回転数を上昇させて行き、回転数最大にしても該吐出量設定指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰分で油ポンプの傾転角を増加させて吐出量が指定電圧に相応する値になるまで調整するので設定吐出量に調整できる。油ポンプ傾転角を優先する場合は、吐出量設定指令電圧に相当するまで傾転角を増加して吐出量を調整するが、最大傾転角でも吐出量設定指令電圧に及ばないとき、該指令電圧の余剰分でエンジン回転数を上昇させて吐出量が指令電圧に相応する値になるまで調整するため、設定吐出量に調整される。
【0012】
又、回転数設定指令電圧と傾転角設定指令電圧を各々のアンプに付加させると、設定指令電圧により回転数、傾転角が設定値に調整される。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】
図1及び図2は本発明の実施例を示すもので、図4に示したピストン式粘性流体ポンプと同様な回路構成において、可変容量油ポンプ2とエンジン3とを、図1に示す如く結合部材13を介し一体的に結合して、エンジン3からの動力により可変容量油ポンプ2が駆動されるようにし、且つ上記エンジン3には、回転数を制御するエンジン調速機14を備えると共に、該エンジン調速機14の調整レバー15を操作して回転数を最小から最大まで無段階に設定させるようにする電磁比例アクチュエータ16を備える。
【0015】
一方、可変容量油ポンプ2には、傾転角を調整するための調整レバー17を操作して傾転角を最小から最大まで調整させる電磁比例アクチュエータ18を備える。
【0016】
上記エンジン3側の電磁比例アクチュエータ16と可変容量油ポンプ2側の電磁比例アクチュエータ18には、それぞれアンプ19と20を接続し、両アンプ19と20には、所要の吐出量を予め設定しておくための吐出量設定指令電圧が電圧調整器VR1 により付加されるようにすると共に、両アンプ19,20間では、アンプ19からアンプ20へ、又、その逆に、アンプ20からアンプ19へと電圧が作用されるようにし、予め所要吐出量を設定するため吐出量設定指令電圧を電圧調整器VR1 によってアンプ19に付加したときは、電磁比例アクチュエータ16によりエンジン回転数が上記指令電圧に相応するまで上昇させられ、調整レバー15がリミットスイッチLS1 に達して回転数最大になっても上記指令電圧に及ばないときは、アンプ19からアンプ20へ余剰電圧が伝達されて電磁比例アクチュエータ18にて傾転角が増加されるようになり、又、吐出量設定指令電圧が電圧調整器VR1 によってアンプ20に付加されたときは、電磁比例アクチュエータ18により傾転角が上記指令電圧に相当するまで増加させられ、調整レバー17がリミットスイッチLS2 に達して傾転角が最大になっても上記指令電圧に及ばないときは、アンプ20からアンプ19へ余剰電圧が伝達されてエンジン回転数が上昇させられるようにする。
【0017】
又、上記アンプ19とアンプ20には、プリセット運転を可能にするために、回転数設定指令電圧と傾転角設定指令電圧が電圧調整器VR2 とVR3 によって付加されるようにしてあって、回転数と傾転角を設定値になるよう調整させるようにすることもできるようにしてある。
【0018】
上記所要吐出量を予め設定しておくための回転数優先、傾転角優先の運転、プリセット運転の切り換えは、図2に示す電気回路図による。図2(イ)の如く、電磁比例アクチュエータ16を作動させて調整レバー15を操作し回転数を制御させるアンプ19と、電磁比例アクチュエータ18を作動させて調整レバー17を操作し傾転角を制御させるアンプ20はa接点X1 閉にて電源DCに接続されると共に、吐出量設定指令電圧を付加する電圧調整器VR1 がa接点X3 閉でアンプ19に、又、a接点X4 閉でアンプ20にそれぞれ接続され、アンプ19と20とは、a接点X5 又はa接点X6 の閉時に接続されるようにしてある。又、プリセット運転時は、a接点X2 閉でアンプ19と20が電源DCに接続されると共に、回転数設定指令電圧を付加する電圧調整器VR2 がアンプ19に、又、傾転角設定指令電圧を付加する電圧調整器VR3 がアンプ20にそれぞれ接続されるようにする。
【0019】
図2(イ)の各接点の開閉は、図2(ロ)のスイッチ操作で行う。
【0020】
なお、エンジン3により駆動される可変容量油ポンプ2の吐出量制御において、吐出圧力Pと吐出量Qの関係は、図3の如き等馬力線で表わされる。図3において、エンジン回転数Nと油ポンプ傾転角qは、次のような関係にあるが、Nは最大から最小まで無段階に設定可能である。
▲1▼ACDBは、N最大、q最大である。
▲2▼AFGEは、N最小、q最大である。
▲3▼ACHは、N最大、q最小である。
▲4▼AFIは、N最小、q最小である。
【0021】
今、予め所要吐出量を設定しておき、負荷に応じて油ポンプ2を運転させるようにする場合において、エンジン回転数を優先させた制御を行わせるときは、先ず、電圧調整器VR1 に吐出量設定指令電圧を入力すると共に、図2(ロ)におけるスイッチSW1 を入れた後、優先運転側のリレーX1 を励磁させるためスイッチSW2 をリレーX2 側へ入れ、次いで、スイッチSW3 を回転数優先となるリレーX3 側へ入れる。これによりリレーX1 が励磁してa接点X1 が閉じ、スイッチSW3 のONでリレーX3 が励磁し、図2(イ)のa接点X3 が閉じるので、電圧調整器VR1 によって吐出量設定指令電圧がアンプ19に付加され、電磁比例アクチュエータ16が作動して調整レバー15を操作し、エンジン回転数を上記アンプ19に付加された吐出量設定指令電圧に相応するまで上昇させる。このとき、油ポンプ2の傾転角は最小のままである。調整レバー15がリミットスイッチLS1 に達してエンジン回転数が最大になると、リミットスイッチLS1 の作動により図2(ロ)においてa接点X5 が閉じ、アンプ19とアンプ20が接続された状態になる。
【0022】
このとき、上記電圧調整器VR1 によって付加される吐出量設定指令電圧が、最大回転数に達するに必要な電圧と等しいか小さいときは、エンジン3が最大回転数か又はその手前のときの吐出量が設定吐出量となるが、上記吐出量設定指令電圧が、最大回転数に達するに必要な電圧よりも大きいときは、エンジン回転数最大でも吐出量設定指令電圧に及ばないことになるので、アンプ19からアンプ20へ余剰電圧が伝達されて付加されることにより、自動的に電磁比例アクチュエータ18が作動して調整レバー17にて傾転角を増加させられ、吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで傾転角が自動制御される。
【0023】
一方、予め所要吐出量を設定しておく場合に、油ポンプ傾転角を優先させた制御を行わせるときは、図2(ロ)におけるスイッチSW1、SW2は前記のように入れた状態でスイッチSW3をリレーX4側に入れて傾転角優先のリレーX4を励磁させる。これにより図2(イ)におけるa接点X4が閉じて電圧調整器VR1によって吐出量設定指令電圧がアンプ20に付加され、電磁比例アクチュエータ18が作動して調整レバー17にて油ポンプ2の傾転角を吐出量設定指令電圧に相当するまで増加させる。このとき、エンジン回転数は最小のままである。調整レバー17がリミットスイッチLS2に達して傾転角が最大になると、リミットスイッチLS2の作動によって図2(イ)においてa接点X6が閉じ、アンプ20と19が接続された状態になる。このとき、電圧調整器VR1によって付加される吐出量設定指令電圧が、最大傾転角に達するまでに必要な電圧と等しいか又は小さいときは、傾転角が最大となるか又はその手前の傾転角のときの吐出量が設定吐出量となるが、上記吐出量設定指令電圧が、最大傾転角に達するまでに必要とされる電圧よりも大きいときは、傾転角最大でも吐出量設定指令電圧に及ばないことになるので、アンプ20からアンプ19へa接点X6を通り余剰電圧が伝達されて付加されることにより自動的に電磁比例アクチュエータ16が作動して調整レバー15にてエンジン回転数を上昇させ、吐出量設定指令電圧に相当する吐出量となるようエンジン回転数が制御される。
【0024】
上記のように回転数優先又は傾転角優先で吐出量設定指令電圧によって所要吐出量を設定しておくと、負荷に対してエンジン回転数、油ポンプ傾転角を適宜自動制御することにより、負荷に応じてポンプとして最も効率のよい条件にて運転が可能となる。
【0025】
上記所要吐出量を予め設定しておくときに、エンジン回転数優先とするか、油ポンプ傾転角優先とするかは、取り扱う粘性流体の性状により決めるようにする。たとえば、圧送負荷の大きい低スランプコンクリートの如き粘性の低い流体を圧送する場合は、安定的な圧送を実現するために、負荷馬力の増減が図れるエンジン回転数調整を一次動作として吐出圧力の増大に対応すると共に、最大回転数に達した後は、二次動作として傾転角を調整するようにする。一方、建築コンクリートの如く負荷の比較的小さい粘性流体の場合は、一次動作を傾転角調整として、低騒音、高効率運転を実現するようにすると共に、最大傾転角に達した以降は二次動作としてエンジン回転数を調整するようにする。これによりエンジン回転数優先で圧油吐出量を調整すれば、低スランプコンクリートの如き粘性の低い流体に適用し易くなり、又、傾転角優先で圧油吐出量を調整すれば、建築コンクリートの如き粘性の高い流体の大量圧送が可能となる。
【0026】
次に、図2(ロ)におけるスイッチSW2 をリレーX2 側へ入れると、優先運転からプリセット運転へと切り換えられ、リレーX2 が励磁して図2(イ)におけるa接点X2 が閉じられる。電圧調整器VR2 に回転数設定指令電圧を入力すると共に、電圧調整器VR3 に傾転角設定指令電圧を入力すると、アンプ19には電圧調整器VR2 によって回転数設定指令電圧が付加されて、電磁比例アクチュエータ16が作動して調整レバー15にてエンジン回転数が調整され、上記回転数設定指令電圧による設定値となるよう回転数が自動調整され、一方、アンプ20には電圧調整器VR3 によって傾転角設定指令電圧が付加されることにより電磁比例アクチュエータ18が作動して傾転角が設定値となるよう調整される。これにより上記電圧調整器VR2 の調整位置を、燃料消費量の最も少ない低燃費となる回転数として設定し、又、電圧調整器VR3 の調整位置を、ポンプ効率の最も高いところとなる傾転角として設定しておくことにより、エネルギーロスを最小にする経済的な運転が可能となる。
【0027】
なお、粘性流体ポンプの吸入吐出弁を揺動弁型式のものとして示したが、すべり弁型式のものでもよいことは勿論であり、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整方法及び装置によれば、吐出量設定指令電圧を電圧調整器に入力し、次に、エンジン回転数優先を選んで、上記電圧調整器から回転数調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、油ポンプ傾転角を最小のままエンジン側の電磁比例アクチュエータによりエンジン回転数を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで上昇させて吐出量を調整し、最大回転数になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を回転数調整側のアンプから傾転角調整側のアンプへ伝達して付加することにより、油ポンプ側の電磁比例アクチュエータが作動し油ポンプ傾転角を増加させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整するようにし、又、傾転角優先を選んで、上記電圧調整器から傾転角調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、エンジン回転数を最小にしたまま油ポンプ側の電磁比例アクチュエータにより傾転角を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで増加させて吐出量を調整し、最大傾転角になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を上記傾転角調整側のアンプから回転数調整側のアンプへ伝達して付加することにより、エンジン側の電磁比例アクチュエータが作動しエンジン回転数を上昇させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整するようにして、回転数優先と傾転角優先を選択できるようにし、又、プリセット運転も選択できるようにして、エンジン回転数、油ポンプ傾転角を設定しておき、回転数設定指令電圧、傾転角設定指令電圧の付加により回転数、傾転角を設定値に調整するようにもできるので、次の如き優れた効果を奏し得る。
(i)回転数優先で吐出量を調整することにより、低スランプコンクリートの如き圧送負荷の大きい流体を安定よく圧送させることができて、かかる圧送負荷の大きい流体に適用し易くなる。
(ii)傾転角優先で吐出量を調整することにより、建築コンクリートの如き圧送負荷の比較的小さい流体の場合に大量圧送ができ、低騒音、高効率運転が実現できる。
(iii)プリセット運転により予め回転数を低燃費となる回転数に設定し、予め傾転角を高効率となる位置に設定できて、エネルギーロスを最小にする経済的運転が可能となる。
(iv)上記(i)〜(iii)の調整がスイッチの操作で選択されるので、吐出量調整操作が容易になり、オペレータの負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すエンジン回転数調整と油ポンプ傾転角調整の概要図である。
【図2】本発明を実施する電気回路を示すもので、(イ)は図1の電気的接続状態を示す回路図、(ロ)はシーケンスダイアグラムである。
【図3】油ポンプの制御状態を示す吐出圧力と吐出量の関係図である。
【図4】ピストン式の粘性流体ポンプの一例を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
2 可変容量油ポンプ
3 エンジン
14 エンジン調速機
15 調整レバー
16 電磁比例アクチュエータ
17 調整レバー
18 電磁比例アクチュエータ
19 アンプ(回転数調整側のアンプ)
20 アンプ(傾転角調整側のアンプ)
VR1,VR2,VR3 電圧調整器
LS1,LS2 リミットスイッチ
Claims (5)
- 吐出量設定指令電圧を電圧調整器に入力し、次に、エンジン回転数優先を選んで、上記電圧調整器から回転数調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、油ポンプ傾転角を最小のままエンジン側の電磁比例アクチュエータによりエンジン回転数を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで上昇させて吐出量を調整し、最大回転数になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を回転数調整側のアンプから傾転角調整側のアンプへ伝達して付加することにより、油ポンプ側の電磁比例アクチュエータが作動し油ポンプ傾転角を増加させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整することを特徴とする粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整方法。
- 吐出量設定指令電圧を電圧調整器に入力し、次に、傾転角優先を選んで、上記電圧調整器から傾転角調整側のアンプに上記吐出量設定指令電圧を付加し、エンジン回転数を最小にしたまま油ポンプ側の電磁比例アクチュエータにより傾転角を上記吐出量設定指令電圧に相応するまで増加させて吐出量を調整し、最大傾転角になっても該指令電圧に及ばないとき該指令電圧の余剰電圧を上記傾転角調整側のアンプから回転数調整側のアンプへ伝達して付加することにより、エンジン側の電磁比例アクチュエータが作動しエンジン回転数を上昇させて吐出量が吐出量設定指令電圧に相応する吐出量となるまで調整することを特徴とする粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整方法。
- 予め設定された回転数設定指令電圧を回転数調整側のアンプに付加してエンジン回転数を設定値に調整し、予め設定された傾転角設定指令電圧を傾転角調整側のアンプに付加して傾転角を設定値に調整して、油ポンプからの吐出量を設定値に調整することを特徴とする粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整方法。
- エンジンにより可変容量油ポンプが駆動されるよう両者を連結し、エンジン回転数の調整と油ポンプ傾転角の調整が別々の電磁比例アクチュエータにより行われるようにしてある粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整装置において、上記エンジン回転数を調整する電磁比例アクチュエータに接続したアンプと、上記傾転角を調整する電磁比例アクチュエータに接続したアンプとに、該両アンプに吐出量設定指令電圧を付加する電圧調整器が、エンジン回転数優先と傾転角優先のスイッチ切り換えにより別々に接続されるようにし、且つ上記回転数調整側のアンプに付加された吐出量設定指令電圧の余剰分が上記傾転角調整側のアンプへ伝達され、又、上記傾転角調整側のアンプに付加された吐出量設定指令電圧の余剰分が上記回転数調整側のアンプへ伝達されるように互に接続できるようにしたことを特徴とする粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整装置。
- 回転数調整側のアンプに回転数設定指令電圧を付加するように該回転数設定指令電圧が入力されている電圧調整器を、該回転数調整側のアンプに接続できるようにすると共に、傾転角調整側のアンプに傾転角設定指令電圧を付加するように該傾転角設定指令電圧が入力されている電圧調整器を、該傾転角調整側のアンプに接続できるようにしてプリセット運転ができるようにし、回転数優先、傾転角優先の優先運転とプリセット運転とをスイッチの切り換えで選択できるようにしてなる請求項4記載の粘性流体ポンプにおける圧油吐出量調整装置。
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