JP3554543B2 - 食品洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜や果実、海藻や魚貝類などの食品を洗浄する洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、野菜や果実などの食品は、篭に入れ、流水で洗い流していた。しかし、葉菜類の表面の枯れた葉は取り除けなかった。また、果実や果菜類に付着した昆虫や、根菜類に付着する泥や小石などを取り除くためには、大量の水による洗浄が必要であった。これらの食品のための洗浄装置が提案されているが、異物の分離が困難であり、特にクラゲのような平板で丸まりやすいものの洗浄は極めて困難である。
【0003】
従って、取り除けなかった異物は、作業者が目で確認しながら取り除く必要があり、効率が悪く、洗浄にかかるコストが大きいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、作業者の手間と時間をかけずに、効率が良く、低コストで食品を洗浄することができる食品洗浄装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題解決手段は、網目状の搬送面を形成し食品を搬送する搬送機構と、高圧水の噴射面が平面状になる高圧水噴射機構とから成り、高圧水の平面状の噴射面を搬送機構の搬送方向に対して斜めにして高圧水噴射機構から噴射面が平面状である高圧水を搬送面上の食品に向けて平面状を維持しながら食品に当たるように高圧水を上方又は下方から噴射して食品を洗浄することを特徴とする食品洗浄装置を提供することにある。
【0006】
本発明の第2の課題解決手段は、網目状の搬送面を形成し食品を搬送する搬送機構と、高圧水の噴射面が平面状になる複数の高圧水噴射機構とから成り、高圧水の平面状の噴射面を搬送機構の搬送方向に対して斜めにしてこれらの高圧水噴射機構から噴射面が平面状である高圧水を搬送機構の搬送面上の食品に向けて平面状を維持しながら食品に当たるように高圧水を上方及び下方から噴射して食品を洗浄することを特徴とする食品洗浄装置を提供することにある。
【0007】
また、これら第1及び第2の課題解決手段において、搬送面が無端部材で形成され、食品の搬送区間から離れたところに食品から剥がれた異物を網目状の搬送面から剥がすように高圧水を噴射する無端部材洗浄機構があるのが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の食品洗浄装置の実施の形態を図を参照して詳細に説明する。図1及び図2において、食品30の搬送方向、高圧水4の通流方向、及びネット7の移動方向を矢印で示している。
【0009】
図1及び図2の実施の形態では、食品洗浄装置は、一定の搬送区間にわたって、網目状の搬送面であるネット7を有し食品30を搬送する搬送機構と、直線状の配水管に一列に並べられた複数の扁平ノズル3(イケウチ株式会社製、型式1/8MVNP40124S303)から成り噴射面が平面状になる高圧水を噴射する高圧水噴射機構11〜19と、該高圧水噴射機構11〜19に、耐圧配水管2を通して約30kg/cm3以下の高圧水4を供給する高圧ポンプ(グルンドホスポンプ株式会社製、型式CRN30−130/12、18.5kw)1とを備えている。この装置の捕水機構5から上側全体を図示していないフードで覆うか、食品の飛び出し防止ネットを配置する。しかし、ネット7に対して食品3を押さえつけるようなネットは設けていない。
【0010】
高圧水噴射機構10〜19のうち、3つの高圧水噴射機構11、12、13が一組となって搬送面であるネット7上の共通の食品30に対して第1段の洗浄を行い、次の3つの高圧水噴射機構14、15、16が一組となって同様に共通の食品30に対して第2段の洗浄を行う。高圧水噴射機構12、15(第1機構)は、搬送面に対してほぼ垂直に高圧水4の平面状の噴射面(噴射方向に形成される面)を形成し、この平面状の噴射面は、食品に当たっても維持される(図1及び図2の符号4参照)。また、高圧水噴射機構11、14(第2機構)は、高圧水噴射機構12、15の後方にあって、搬送機構の搬送方向に対して斜めにして高圧水4の平面状の噴射面(噴射方向に形成される面)を形成し、この平面状の噴射面は、食品に当たっても維持される(図1及び図2の符号4参照)。これらの平面状の噴射面は、搬送面に対しノズル3とは反対側であるネット(搬送区間)7の下側で交差する関係にある。従って、高圧水噴射機構12の垂直な噴射面の高圧水4がネット7に衝突するところから一定の距離のところで、高圧水噴射機構11の高圧水がネット7に衝突し、その一部はネット7で跳ね返る。2段で洗浄を行う実施例を図示したが、適宜設計して構成する。図2に示すように、高圧水噴射機構10〜19から噴射される高圧水4の平面状の噴射面は、各ノズル毎に三角形の平面の形態であり、ネット7上でこれらのノズル毎の三角形の平面状の噴射面が三角形の底辺で相互に連続するように形成されている。
【0011】
例えば、キャベツのような葉菜類は、ネット7に絡みつきやすいので、ネット7から引き剥がすように、高圧水噴射機構17を逆さに走行するネット7の搬送面に沿って高圧水4を噴射する位置に配置する。これにより、ネット7に絡みついた食品がシューター41上に落下し、取り出される。また、高圧水噴射機構10、18、19は、食品30から剥がれた異物をネット7から剥がすように、ネット7の搬送裏面から高圧水4を噴射する位置に配置されて無端部材洗浄機構を構成している。
【0012】
搬送機構は、幅が600mmのネット7(ユニバーサル工業株式会社製、名称ユニコワイヤーベルト)と、このネット7を一定の搬送区間にわたって一方向に移動させる一定の無端チェーンとする駆動機構(図示せず)とを有する。このネット7は、搬送方向に対し直角の金属製棒材と、搬送方向の縦糸とから構成される。すなわち、図1に示すような無端チェーンを構成することができ、食品30の下から噴射する高圧水4の洗浄の効果を妨げないような構造である。なお、図1において符号8は、無端状のネット7のためのローラーである。
【0013】
食品30に噴射した水4は、その下方に配置された捕水機構5によって第一の水槽9bに集められ、泥や小石などの異物は第一の水槽9bの底に沈められる。第一の水槽9bの水4を第二の水槽9aに移送する移送ポンプ20の前に、細かいゴミなどの浮遊する異物を漉し採るフィルター(図示せず)などを内蔵させておく。
【0014】
搬送機構に送る食品30の量を制限するために、図示したような量制限板43を配置するとよい。また、落下受け板42は、搬送面の下方で捕水機構5の上方に、その片側が下がるように傾けて配置されており、従って剥がれ落ちる異物は、容易に収集することができる。落下受け板42は、下側の高圧水噴射機構13、16より下側に配置される。
【0015】
本発明の一実施例によれば、食品30をネット7の上に載せて搬送すると、搬送速度で移動する食品30の直上から、高圧水噴射機構12により、高圧水4(第1のカーテン)が噴射され、同時に、搬送方向に向いて後方の斜め上方と下方から、高圧水噴射機構11、13により、高圧水4(第2のカーテン)が噴射されるので、食品30が直上からの噴射面をくぐって通過する直前に、ネット7で跳ねた噴射水あるいは食品30に衝突して跳ねた噴射水によって、食品30が跳ね上がったり、まくれたり、また回転して、表面全体が洗浄される。このようにして、噴射面の間で一定時間洗浄される間にも、食品30は搬送面の移動により連続して搬送されて高圧水噴射機構12から出て、次に、同様の高圧水噴射機構14、15、16によりさらに洗浄される。それぞれの噴射角度や噴射する高圧水の量と速度は、食品30の種類や大きさにより調整するとよい。また、斜め上方からの噴射は、食品30を揉む働きを有するが、斜め下方からの噴射は、重量の大きい食品30がネット7に押しつけられて回転できなくなるのを防ぐように食品30を持ち上げる働きを有する。
【0016】
食品30は、食品30同士で、また噴射面が平面状である高圧水4により、連続的に揉まれた状態となり、ほとんど全ての異物の除去が可能であった。また、葉菜類の表面の葉が枯れていた場合、枯れていた葉は高圧水4の噴射により容易に剥がされて、本発明の食品洗浄装置により除去できた。
【0017】
洗浄および異物除去後の水4は、捕水機構5により第1の水槽9bに集められ、泥や小石などの異物を沈降させる。さらに、移送ポンプ20で第一の水槽9bから第二の水槽9aに移送する間に、水4は、移送ポンプ20に設けたフィルターにより漉す。この構成により、水4を循環させながら食品30の洗浄を行っても、耐圧配水管2および扁平ノズル3が閉塞することはない。
【0018】
本発明では、図3に示すように、ワイヤー7aを網状に編み上げたネット7も、洗浄のためには好適に使用することができる。しかし、例えば、実施例に示されたネット7のワイヤー7aの間隔が3〜8mmであり、高圧水により例えば葉菜類のような食品の一部がワイヤー7aの隙間に挟まって、取れなくなる。そこで、図1に示したように、ネット7が逆向きに走行する区間に、高圧水噴射機構17を設け、搬送面に沿って高圧水4を噴射することにより、食品30をシュータ41の上に落下させる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、噴射面が平面状である高圧水又はカーテン状の噴射水によって食品を効率良く洗浄することができる低コストの食品洗浄装置を提供することができる。
【0020】
また、本発明は、平面状の噴射面を有する高圧水によって揉み洗いされながら食品を洗浄することができる。
【0021】
更に、無端部材の搬送面が食品の搬送区間から離れたところで食品から剥がれた異物を網目状の搬送面から剥がすように高圧水を噴射すると、この網目状の搬送面である無端部材を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品洗浄装置の一つの実施の形態の側面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】本発明に用いることができるネットの平面図である。
【符号の説明】
1 高圧ポンプ
2 耐圧配水管
3 扁平ノズル
4 高圧水
5 捕水機構
7 ネット
8 ローラー
9a、9b 水槽
10〜19 高圧水噴射機構
20 移送ポンプ
30 食品
41 シュータ
42 落下受け板
43 量制限板
Claims (3)
- 網目状の搬送面を形成し食品を搬送する搬送機構と、高圧水の噴射面が平面状になる高圧水噴射機構とから成り、前記高圧水の平面状の噴射面を前記搬送機構の搬送方向に対して斜めにして前記高圧水噴射機構から噴射面が平面状である高圧水を前記搬送面上の前記食品に向けて前記平面状を維持しながら前記食品に当たるように前記高圧水を上方又は下方から噴射して食品を洗浄することを特徴とする食品洗浄装置。
- 網目状の搬送面を形成し食品を搬送する搬送機構と、高圧水の噴射面が平面状になる複数の高圧水噴射機構とから成り、前記高圧水の平面状の噴射面を前記搬送機構の搬送方向に対して斜めにして前記複数の高圧水噴射機構から噴射面が平面状である高圧水を前記搬送機構の搬送面上の前記食品に向けて前記平面状を維持しながら前記食品に当たるように前記高圧水を上方及び下方から噴射して食品を洗浄することを特徴とする食品洗浄装置。
- 請求項1又は2に記載の食品洗浄装置であって、前記搬送面が無端部材で形成され、前記搬送区間から離れたところに前記食品から剥がれた異物を前記搬送面から剥がすように高圧水を噴射する無端部材洗浄機構を更に備えていることを特徴とする食品洗浄装置。
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- 2001-03-30 JP JP2001099351A patent/JP3554543B2/ja not_active Expired - Lifetime
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