JP3553896B2 - 間欠スロー再生回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャプスタンモータの駆動によって磁気テープを走行させつつ、回転ヘッドドラムに取り付けられた磁気ヘッドによって磁気テープから映像信号を読み取るVTR(ビデオテープレコーダ)等の磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、VTRにおいては、キャプスタンモータに起動パルスと制動パルスを交互に供給して磁気テープを間欠駆動しつつ、回転ヘッドドラムに取り付けられた磁気ヘッドによって磁気テープから映像信号を読み取ることにより、静止状態(スチル)と複数フィールド期間の標準走行を繰り返し行なって、間欠スロー再生を実現するものが知られている。
【0003】
ところが、間欠スロー再生においてスチルと標準走行で同じ速度で回転ヘッドドラムを回転させると、スチルと標準走行で、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が変化するため、画像の横振れ(ジッタ)が生じる。
【0004】
そこで、従来は図4に示す如く、キャプスタンモータの起動タイミングに合わせて、回転ヘッドドラムの速度制御目標値をテープ停止時よりも速い所定速度に変更すると共に、ドラムモータの制御電圧Vcに、一定レベルの強制加速電圧Sを加えることによって、相対速度の変化を抑え、これによって間欠スロー再生時の再生画像の横振れを抑制している(特開平9−270160号〔G11B15/467〕)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これによっても依然として、再生画像の横振れを充分に解消することが出来ない問題があった。その原因としては、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキが考えられる。即ち、従来の一定レベルの強制加速電圧によるドラム回転速度の補正では、その様なバラツキを吸収することが出来ず、ドラム回転速度の補正不足や補正過多が発生して、画像の横振れを充分に解消することが出来ないのである。
【0006】
本発明の目的は、磁気記録再生装置における間欠スロー再生時の画像の横振れを従来以上に軽減することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る磁気記録再生装置の間欠スロー再生回路は、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための制御電圧を生成するドラム制御手段を具え、該ドラム制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に生成されたドラムモータの制御電圧に、該制御電圧の大小に応じた大きさの加速補正値を加算して、加速制御電圧を生成するものである。
【0008】
具体的には、前記ドラム制御手段は、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための電圧制御信号を作成するドラムモータ制御手段と、該ドラムモータ制御手段から得られる電圧制御信号に応じたパルス幅のPWM制御信号を作成してドラムモータへ出力するドラムモータ制御PWM出力手段とを具え、前記ドラムモータ制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に作成した電圧制御信号に、該電圧制御信号の大小に応じた大きさの加速補正値を加算して、加速電圧制御信号を生成し、ドラムモータ制御PWM出力手段へ供給するものである。
【0009】
上記本発明の磁気記録再生装置においては、間欠スロー再生モードにてスチルと標準走行が繰り返され、この過程で、回転ヘッドドラムの回転速度を所定値に設定するべく、実際の回転速度と目標の回転速度の偏差が検知され、該偏差を零に近づけるための速度制御が実行される。ここで、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷にバラツキが発生して、例えばドラムモータの制御電圧Vcとして基準値Vrよりも高い電圧が生成された場合は、ドラムモータのトルクが低下し、或いはドラムモータに加わる負荷が増大したものと推定することが出来る。逆に、ドラムモータの制御電圧Vcとして基準値Vrよりも低い電圧が生成された場合は、ドラムモータのトルクが増大し、或いはドラムモータに加わる負荷が減少したものと推定することが出来る。
【0010】
そこで、テープ停止時のドラムモータの制御電圧Vcの大小に応じて、大きさの異なる加速補正値を算出し、該制御電圧Vcに加速補正値を加算することによって、加速制御電圧を生成する。従って、ドラムモータのトルクが低下し、或いはドラムモータに加わる負荷が増大したときには、より大きな加速制御電圧が生成され、ドラムモータは強く加速される。逆に、ドラムモータのトルクが増大し、或いはドラムモータに加わる負荷が減少したときには、より小さな加速制御電圧が生成され、ドラムモータは弱く加速される。
この結果、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキに拘わらず、常に、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度を一定に維持することが出来、これによって再生画像の横振れが完全に解消される。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係る磁気記録再生装置の間欠スロー再生回路によれば、再生画像の横振れを従来よりも軽減することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をVTRに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るVTRにおいては、図1に示す如く、キャプスタンモータ(2)に周波数発生器(21)が装備されると共に、ドラムモータ(3)には周波数発生器(31)とパルス発生器(32)が装備されている。又、テープ走行経路の所定位置には、コントロールヘッド(22)が配備されている。
【0013】
周波数発生器(21)、コントロールヘッド(22)、周波数発生器(31)及びパルス発生器(32)の各出力信号は、マイクロコンピュータ(1)へ入力され、これによってマイクロコンピュータ(1)から出力されるキャプスタンモータ制御PWM信号が、ローパスフィルター(4)を経て直流電圧信号に変換され、キャプスタンモータ(2)へ供給されると共に、マイクロコンピュータ(1)から出力されるドラムモータ制御PWM信号が、ローパスフィルター(5)を経て直流電圧信号に変換され、ドラムモータ(3)に供給される。
【0014】
マイクロコンピュータ(1)は、キャプスタンモータ制御手段(11)、キャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)、キャプスタンモータ間欠駆動制御手段(13)、ヘッド切換信号作成手段(14)、ドラムモータ制御手段(15)、ドラムモータ制御PWM出力手段(16)及び加速補正値算出手段(17)の各機能を有している。
【0015】
キャプスタンモータ制御手段(11)は、キャプスタンモータ(2)の回転に伴って周波数発生器(21)から得られるFG信号と、磁気テープの走行に伴ってコントロールヘッド(22)から得られるコントロール信号に応じて、速度制御演算を実行し、PWM出力信号のパルス幅を決定するものである。
【0016】
キャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)は、キャプスタンモータ制御手段(11)の出力信号に応じたパルス幅のPWM信号を作成し、ローパスフィルター(4)へ出力するものである。
ローパスフィルター(4)は、PWM信号を平滑化することによって直流電圧信号を生成し、該信号をキャプスタンモータ(2)へ供給する。
【0017】
キャプスタンモータ間欠駆動制御手段(13)は、キャプスタンモータ(2)を間欠駆動するための制御演算を行なって、これによって得られる制御信号をキャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)へ供給するものである。
【0018】
ドラムモータ制御手段(15)は、ドラムモータ(3)の回転に伴って周波数発生器(31)から得られるFG信号に応じて、速度制御演算を実行し、PWM信号のパルス幅を決定するものである。
【0019】
ドラムモータ制御PWM出力手段(16)は、ドラムモータ制御手段(15)の出力信号に応じたパルス幅のPWM信号を作成し、ローパスフィルター(5)へ出力するものである。
ローパスフィルター(5)は、PWM信号を平滑化することによって直流電圧信号を生成し、該信号をドラムモータ(3)へ供給する。
【0020】
ヘッド切換信号作成手段(14)は、ドラムモータ(3)の回転に伴って周波数発生器(31)から得られるFG信号とパルス発生器(32)から得られるPG信号に基づいて、ドラムモータ(3)に装備されている一対の磁気ヘッドA、Bを切り替えるためのタイミング信号を作成するものである。
【0021】
加速補正値算出手段(17)は、間欠スロー再生モードにおいて、テープ停止時のPWM信号のパルス幅(ドラムモータ制御電圧)に応じた大きさの加速補正値を算出するものであって、その加速補正値をドラムモータ制御手段(15)へ供給する。これに応じて、ドラムモータ制御手段(15)は、間欠スロー再生モードの起動時に、前記加速補正値によってPWM信号のパルス幅を補正し、補正されたパルス幅をドラムモータ制御PWM出力手段(16)へ供給する。
【0022】
図2は、前記マイクロコンピュータ(1)が間欠スロー再生モードにてドラムモータを間欠駆動制御するための手続きを表わしている。
先ずステップS1では、テープ走行モードの読み込みを行なって、ステップS2にて、磁気テープが停止しているテープ停止モードであるか、磁気テープが走行中であるテープ走行モードであるかを判別する。
【0023】
テープ走行モードであると判別されたときは、ステップS3にて磁気テープの走行状態を読み込んで、ステップS4では、キャプスタンモータが起動状態、定速走行状態、或いは制動状態の何れであるかを判別する。
起動状態であると判別されたときは、ステップS5に移行して、ドラムモータの起動制御を実行する。起動制御においては、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧に、該制御電圧の大きさに応じた加速補正値(Ka又はKb)を加算して、加速制御電圧を生成する(図3(a)(b)参照)。
【0024】
定速走行状態であると判別されたときは、ステップS6に移行して、定速走行のためのドラムモータの制御を実行する。
又、制動状態であると判別されたときは、ステップS7に移行して、ドラムモータの制動制御を実行する。
【0025】
一方、ステップS2にてテープ停止モードであると判別されたときは、ステップS8にて、そのときのドラムモータの制御電圧Vcを読み込み、ステップS9では、該制御電圧Vcと基準値Vrとを比較する。
比較の結果、Vr>Vcの場合はステップS10に移行して、前記ステップS5の加速補正値として、小さな値Kaを設定する一方、Vr≦Vcの場合はステップS11に移行して、前記ステップS5の加速補正値として、大きな値Kbを設定する。
その後、ステップS12にてテープ静止状態におけるドラムモータの制御を実行して、ステップS1に戻る。
【0026】
図3(a)(b)は、上述の制御手続きによって得られるドラムモータの制御電圧の変化を表わしている。
図3(a)の如く、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧Vcが基準値Vrよりも小さいときは、低い電圧で所定のドラム回転速度が達成されているのであるから、ドラムモータに対する負荷が小さいと推定される。従って、キャプスタンモータの起動時においては、ドラムモータ制御電圧の加速補正値として、小さな値Kaを設定する。
これによって、ドラムモータは所定の速度まで加速されることとなり、この結果、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が所定値に設定され、従来の横振れ補正過多が防止される。
【0027】
逆に、図3(b)の如く、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧Vcが基準値Vrよりも大きいときは、高い電圧で所定のドラム回転速度が達成されているのであるから、ドラムモータに対する負荷が大きいと推定される。従って、キャプスタンモータの起動時においては、ドラムモータ制御電圧の加速補正値として、大きな値Kbを設定する。
これによって、ドラムモータは所定の速度まで加速されることとなり、この結果、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が所定値に設定され、従来の横振れ補正不足が防止される。
【0028】
上述の如く、本発明に係るVTRにおいては、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキに拘わらず、常に、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度の変動を最小限に抑えることが出来、これによって再生画像の横振れが大幅に軽減される。
【0029】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、キャプスタンモータ起動時のドラムモータ制御電圧の加速補正値は、大小2種類の値(Ka/Kb)に切り替える方式に限らず、テープ静止状態におけるドラムモータ制御電圧Vcに比例した値に設定する方式を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVTRの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】ドラムモータ間欠駆動制御の手続きを表わすフローチャートである。
【図3】本発明に係るVTRにおける間欠スロー再生動作を表わすタイムチャートである。
【図4】従来のVTRにおける間欠スロー再生動作を表わすタイムチャートである。
【符号の説明】
(1) マイクロコンピュータ
(2) キャプスタンモータ
(21) 周波数発生器
(22) コントロールヘッド
(3) ドラムモータ
(31) 周波数発生器
(32) パルス発生器
(17) 加速電圧算出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャプスタンモータの駆動によって磁気テープを走行させつつ、回転ヘッドドラムに取り付けられた磁気ヘッドによって磁気テープから映像信号を読み取るVTR(ビデオテープレコーダ)等の磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、VTRにおいては、キャプスタンモータに起動パルスと制動パルスを交互に供給して磁気テープを間欠駆動しつつ、回転ヘッドドラムに取り付けられた磁気ヘッドによって磁気テープから映像信号を読み取ることにより、静止状態(スチル)と複数フィールド期間の標準走行を繰り返し行なって、間欠スロー再生を実現するものが知られている。
【0003】
ところが、間欠スロー再生においてスチルと標準走行で同じ速度で回転ヘッドドラムを回転させると、スチルと標準走行で、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が変化するため、画像の横振れ(ジッタ)が生じる。
【0004】
そこで、従来は図4に示す如く、キャプスタンモータの起動タイミングに合わせて、回転ヘッドドラムの速度制御目標値をテープ停止時よりも速い所定速度に変更すると共に、ドラムモータの制御電圧Vcに、一定レベルの強制加速電圧Sを加えることによって、相対速度の変化を抑え、これによって間欠スロー再生時の再生画像の横振れを抑制している(特開平9−270160号〔G11B15/467〕)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これによっても依然として、再生画像の横振れを充分に解消することが出来ない問題があった。その原因としては、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキが考えられる。即ち、従来の一定レベルの強制加速電圧によるドラム回転速度の補正では、その様なバラツキを吸収することが出来ず、ドラム回転速度の補正不足や補正過多が発生して、画像の横振れを充分に解消することが出来ないのである。
【0006】
本発明の目的は、磁気記録再生装置における間欠スロー再生時の画像の横振れを従来以上に軽減することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る磁気記録再生装置の間欠スロー再生回路は、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための制御電圧を生成するドラム制御手段を具え、該ドラム制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に生成されたドラムモータの制御電圧に、該制御電圧の大小に応じた大きさの加速補正値を加算して、加速制御電圧を生成するものである。
【0008】
具体的には、前記ドラム制御手段は、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための電圧制御信号を作成するドラムモータ制御手段と、該ドラムモータ制御手段から得られる電圧制御信号に応じたパルス幅のPWM制御信号を作成してドラムモータへ出力するドラムモータ制御PWM出力手段とを具え、前記ドラムモータ制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に作成した電圧制御信号に、該電圧制御信号の大小に応じた大きさの加速補正値を加算して、加速電圧制御信号を生成し、ドラムモータ制御PWM出力手段へ供給するものである。
【0009】
上記本発明の磁気記録再生装置においては、間欠スロー再生モードにてスチルと標準走行が繰り返され、この過程で、回転ヘッドドラムの回転速度を所定値に設定するべく、実際の回転速度と目標の回転速度の偏差が検知され、該偏差を零に近づけるための速度制御が実行される。ここで、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷にバラツキが発生して、例えばドラムモータの制御電圧Vcとして基準値Vrよりも高い電圧が生成された場合は、ドラムモータのトルクが低下し、或いはドラムモータに加わる負荷が増大したものと推定することが出来る。逆に、ドラムモータの制御電圧Vcとして基準値Vrよりも低い電圧が生成された場合は、ドラムモータのトルクが増大し、或いはドラムモータに加わる負荷が減少したものと推定することが出来る。
【0010】
そこで、テープ停止時のドラムモータの制御電圧Vcの大小に応じて、大きさの異なる加速補正値を算出し、該制御電圧Vcに加速補正値を加算することによって、加速制御電圧を生成する。従って、ドラムモータのトルクが低下し、或いはドラムモータに加わる負荷が増大したときには、より大きな加速制御電圧が生成され、ドラムモータは強く加速される。逆に、ドラムモータのトルクが増大し、或いはドラムモータに加わる負荷が減少したときには、より小さな加速制御電圧が生成され、ドラムモータは弱く加速される。
この結果、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキに拘わらず、常に、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度を一定に維持することが出来、これによって再生画像の横振れが完全に解消される。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係る磁気記録再生装置の間欠スロー再生回路によれば、再生画像の横振れを従来よりも軽減することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をVTRに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るVTRにおいては、図1に示す如く、キャプスタンモータ(2)に周波数発生器(21)が装備されると共に、ドラムモータ(3)には周波数発生器(31)とパルス発生器(32)が装備されている。又、テープ走行経路の所定位置には、コントロールヘッド(22)が配備されている。
【0013】
周波数発生器(21)、コントロールヘッド(22)、周波数発生器(31)及びパルス発生器(32)の各出力信号は、マイクロコンピュータ(1)へ入力され、これによってマイクロコンピュータ(1)から出力されるキャプスタンモータ制御PWM信号が、ローパスフィルター(4)を経て直流電圧信号に変換され、キャプスタンモータ(2)へ供給されると共に、マイクロコンピュータ(1)から出力されるドラムモータ制御PWM信号が、ローパスフィルター(5)を経て直流電圧信号に変換され、ドラムモータ(3)に供給される。
【0014】
マイクロコンピュータ(1)は、キャプスタンモータ制御手段(11)、キャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)、キャプスタンモータ間欠駆動制御手段(13)、ヘッド切換信号作成手段(14)、ドラムモータ制御手段(15)、ドラムモータ制御PWM出力手段(16)及び加速補正値算出手段(17)の各機能を有している。
【0015】
キャプスタンモータ制御手段(11)は、キャプスタンモータ(2)の回転に伴って周波数発生器(21)から得られるFG信号と、磁気テープの走行に伴ってコントロールヘッド(22)から得られるコントロール信号に応じて、速度制御演算を実行し、PWM出力信号のパルス幅を決定するものである。
【0016】
キャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)は、キャプスタンモータ制御手段(11)の出力信号に応じたパルス幅のPWM信号を作成し、ローパスフィルター(4)へ出力するものである。
ローパスフィルター(4)は、PWM信号を平滑化することによって直流電圧信号を生成し、該信号をキャプスタンモータ(2)へ供給する。
【0017】
キャプスタンモータ間欠駆動制御手段(13)は、キャプスタンモータ(2)を間欠駆動するための制御演算を行なって、これによって得られる制御信号をキャプスタンモータ制御PWM出力手段(12)へ供給するものである。
【0018】
ドラムモータ制御手段(15)は、ドラムモータ(3)の回転に伴って周波数発生器(31)から得られるFG信号に応じて、速度制御演算を実行し、PWM信号のパルス幅を決定するものである。
【0019】
ドラムモータ制御PWM出力手段(16)は、ドラムモータ制御手段(15)の出力信号に応じたパルス幅のPWM信号を作成し、ローパスフィルター(5)へ出力するものである。
ローパスフィルター(5)は、PWM信号を平滑化することによって直流電圧信号を生成し、該信号をドラムモータ(3)へ供給する。
【0020】
ヘッド切換信号作成手段(14)は、ドラムモータ(3)の回転に伴って周波数発生器(31)から得られるFG信号とパルス発生器(32)から得られるPG信号に基づいて、ドラムモータ(3)に装備されている一対の磁気ヘッドA、Bを切り替えるためのタイミング信号を作成するものである。
【0021】
加速補正値算出手段(17)は、間欠スロー再生モードにおいて、テープ停止時のPWM信号のパルス幅(ドラムモータ制御電圧)に応じた大きさの加速補正値を算出するものであって、その加速補正値をドラムモータ制御手段(15)へ供給する。これに応じて、ドラムモータ制御手段(15)は、間欠スロー再生モードの起動時に、前記加速補正値によってPWM信号のパルス幅を補正し、補正されたパルス幅をドラムモータ制御PWM出力手段(16)へ供給する。
【0022】
図2は、前記マイクロコンピュータ(1)が間欠スロー再生モードにてドラムモータを間欠駆動制御するための手続きを表わしている。
先ずステップS1では、テープ走行モードの読み込みを行なって、ステップS2にて、磁気テープが停止しているテープ停止モードであるか、磁気テープが走行中であるテープ走行モードであるかを判別する。
【0023】
テープ走行モードであると判別されたときは、ステップS3にて磁気テープの走行状態を読み込んで、ステップS4では、キャプスタンモータが起動状態、定速走行状態、或いは制動状態の何れであるかを判別する。
起動状態であると判別されたときは、ステップS5に移行して、ドラムモータの起動制御を実行する。起動制御においては、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧に、該制御電圧の大きさに応じた加速補正値(Ka又はKb)を加算して、加速制御電圧を生成する(図3(a)(b)参照)。
【0024】
定速走行状態であると判別されたときは、ステップS6に移行して、定速走行のためのドラムモータの制御を実行する。
又、制動状態であると判別されたときは、ステップS7に移行して、ドラムモータの制動制御を実行する。
【0025】
一方、ステップS2にてテープ停止モードであると判別されたときは、ステップS8にて、そのときのドラムモータの制御電圧Vcを読み込み、ステップS9では、該制御電圧Vcと基準値Vrとを比較する。
比較の結果、Vr>Vcの場合はステップS10に移行して、前記ステップS5の加速補正値として、小さな値Kaを設定する一方、Vr≦Vcの場合はステップS11に移行して、前記ステップS5の加速補正値として、大きな値Kbを設定する。
その後、ステップS12にてテープ静止状態におけるドラムモータの制御を実行して、ステップS1に戻る。
【0026】
図3(a)(b)は、上述の制御手続きによって得られるドラムモータの制御電圧の変化を表わしている。
図3(a)の如く、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧Vcが基準値Vrよりも小さいときは、低い電圧で所定のドラム回転速度が達成されているのであるから、ドラムモータに対する負荷が小さいと推定される。従って、キャプスタンモータの起動時においては、ドラムモータ制御電圧の加速補正値として、小さな値Kaを設定する。
これによって、ドラムモータは所定の速度まで加速されることとなり、この結果、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が所定値に設定され、従来の横振れ補正過多が防止される。
【0027】
逆に、図3(b)の如く、テープ静止状態でのドラムモータ制御電圧Vcが基準値Vrよりも大きいときは、高い電圧で所定のドラム回転速度が達成されているのであるから、ドラムモータに対する負荷が大きいと推定される。従って、キャプスタンモータの起動時においては、ドラムモータ制御電圧の加速補正値として、大きな値Kbを設定する。
これによって、ドラムモータは所定の速度まで加速されることとなり、この結果、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度が所定値に設定され、従来の横振れ補正不足が防止される。
【0028】
上述の如く、本発明に係るVTRにおいては、ドラムモータのトルク特性やドラムモータに加わる負荷のバラツキに拘わらず、常に、磁気ヘッドと磁気テープの間の相対速度の変動を最小限に抑えることが出来、これによって再生画像の横振れが大幅に軽減される。
【0029】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、キャプスタンモータ起動時のドラムモータ制御電圧の加速補正値は、大小2種類の値(Ka/Kb)に切り替える方式に限らず、テープ静止状態におけるドラムモータ制御電圧Vcに比例した値に設定する方式を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVTRの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】ドラムモータ間欠駆動制御の手続きを表わすフローチャートである。
【図3】本発明に係るVTRにおける間欠スロー再生動作を表わすタイムチャートである。
【図4】従来のVTRにおける間欠スロー再生動作を表わすタイムチャートである。
【符号の説明】
(1) マイクロコンピュータ
(2) キャプスタンモータ
(21) 周波数発生器
(22) コントロールヘッド
(3) ドラムモータ
(31) 周波数発生器
(32) パルス発生器
(17) 加速電圧算出手段
Claims (2)
- キャプスタンモータに起動パルスと制動パルスを交互に供給して磁気テープを間欠駆動しつつ、回転ヘッドドラムに取り付けられた磁気ヘッドによって磁気テープから映像信号を読み取る磁気記録再生装置の間欠スロー再生回路において、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための制御電圧を生成するドラム制御手段を具え、該ドラム制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に生成されたドラムモータの制御電圧に、該制御電圧の大小に応じた大きさの加速補正値を加算して、加速制御電圧を生成することを特徴とする間欠スロー再生回路。
- 前記ドラム制御手段は、所定の回転速度で回転ヘッドドラムを駆動するための電圧制御信号を作成するドラムモータ制御手段と、該ドラムモータ制御手段から得られる電圧制御信号に応じたパルス幅のPWM制御信号を作成してドラムモータへ出力するドラムモータ制御PWM出力手段とを具え、前記ドラムモータ制御手段は、キャプスタンモータの起動時には、磁気テープの停止期間に作成したドラムモータの電圧制御信号に、該電圧制御信号の大きさに応じた加速補正値を加算して、加速電圧制御信号を生成し、ドラムモータ制御PWM出力手段へ供給する請求項1に記載の間欠スロー再生回路。
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