JP3553874B2 - 脱臭処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,生ごみ処理装置などで発生する臭気や有害成分を効率よく脱臭分解できるようにした簡易な脱臭処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,悪臭防止や大気汚染防止を目的として臭気性のガスを浄化・分解する技術が種々開発されており,被処理ガスの種類や発生量,発生環境などに応じて適切と考えられるものが採用されている。例えば,畜舎等の低濃度臭気箇所では,酸性ガス,アルカリ性ガス用の活性炭吸着法により処理しており,堆肥化棟等の臭気強度の強い施設では,水洗塔での水洗や酸・アルカリ薬液による化学反応処理した後,微生物を利用した生物脱臭処理している。また製薬会社のような化学工場では製品工場建家別に酸・アルカリ薬液による化学反応処理と酸化剤による酸化反応処理した後,活性炭吸着処理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に,悪臭防止・大気汚染防止を図るための脱臭処理装置を設置するには,その建設費,運転管理費,維持管理費が多大となり,維持管理面でも複雑なものになっている。また,それらの施設が生産性施設ではなく,非生産性施設であることから,それらの設置者にとっては大きな負担となっている。したがって,簡易で且つ効率のよい脱臭処理方法の出現が強く望まれている。
【0004】
一方,近年のごみ処理対策の一環として生ごみ処理装置が注目され,種々のものが普及し始めているが,この処理に伴う共通する問題として,臭気の発生と大気汚染がある。この問題は,燃焼装置や高温酸化触媒方式など高額な投資と運転費用を要する設備を設置すればそれなりに解決できるが,その経済的負担が大きいことが普及の障害となっている。
【0005】
とくに,生ごみの場合には湿分を多く含むガスを処理しなければならないという特有の問題がある。このため,簡易なドライ型の活性炭吸着方式ではすぐに飽和吸着量に達し,活性炭の交換および使用済み活性炭の再生に多くの費用を必要とする。この負荷を軽減するために,酸,アルカリ,次亜塩素酸塩等の薬液による前処理も考えられるが,この前処理のために複雑な運転管理と維持管理費並びに広大な敷地等が必要となり,このようなことも,生ごみ処理装置から出る悪臭に対しての処理を遅らせる原因となっている。
【0006】
したがって,本発明はこのような問題の解決を図ることを目的とし,湿分が多いガスでも単純で且つ効率よく脱臭・浄化できる装置の開発を課題としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,前記課題の解決を図った脱臭装置として,下部にガス取入口を,上部にガス出口をもつ密閉容器内に,黒曜石パーライト層の上に人工培養土層を積層してなる微生物処理層を該ガス取入口よりも上方位置となるように配置し,この微生物処理層の上方位置であって該ガス出口より下方位置の該容器内に,粒状活性炭に酸化チタンを固定化してなる吸着酸化剤の層を配置し,該微生物処理層に給水する手段と,該吸着酸化剤の層に紫外線を照射する手段を設け,さらに該微生物処理層に光をあてるように光源を配置してなる脱臭処理装置を提供する。ここで,微生物処理層は,厚さ1〜5cmの黒曜石パーライト層の上に10〜50メッシュの人工培養土を厚さ5〜100cmに敷設して構成することが好ましくは,吸着酸化剤の層は,粒状活性炭に光触媒を固定してなる吸着酸化剤の層であるのがよい。
【0008】
また,人工培養土には,被処理ガスが酸性ガス主体の場合にはアルカリ性土壌資材として炭材5〜10容積%および熔成リン肥5〜10g/リットルをさらに配合し,被処理ガスがアルカリ性ガス主体の場合には酸性土壌資材としてケイ酸白土2〜10容積%およびpH未調整ピートモス10〜50容積%をさらに配合するのがよい。吸着酸化剤の層については,間隔を開けて多段に設置し,各層ごとに紫外線ランプから紫外線が照射し,さらに微生物処理層と吸着酸化剤層との間に光源として蛍光灯を配置し,該微生物処理層に光をあてるようにするのがよい。
【0009】
さらに本発明によれば,一方の側面にガス取入口を,他方の側面にガス出口をもつ横型の密閉容器内において,黒曜石パーライト層と人工培養土層とを積層してなる微生物処理層と,粒状活性炭に酸化チタンを固定化してなる吸着酸化剤の層とを,前者の微生物処理層を被処理ガスが通過してから後者の吸着酸化剤の層を通過するように,配置し,該微生物処理層に給水する手段と,該吸着酸化剤の層に紫外線を照射する手段を設け,さらに該微生物処理層に光をあてるように光源を配置してなる脱臭処理装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
生ごみ処理装置から出る排ガス(以下,「生ごみ排ガス」と呼ぶ)は,水分が高く且つ悪臭を伴うが,その温度は一般には20〜80℃の範囲,通常は25〜40℃付近である場合が多い。このような中温高湿のガスからの脱臭を図る場合,閉空間内での微生物による一次処理と,吸着剤と光触媒を一体化した吸着酸化剤による二次処理との組合せ方式が効率的にも操作的にも非常に好ましいことがわかった。
【0011】
生物脱臭方式は,土壌微生物の生育し易い環境が維持できれば,脱臭性能を確保できる。しかし,生ごみ排ガスを対象とした場合には,雨や冬季を伴う開放条件下では定常状態が維持できずに性能が低下することが分かった。だが,生ごみ排ガスは温度が比較的低く湿分も周年を通じてそれほど変化しないという特徴があり,このことを利用すると,閉空間内での微生物による一次処理を行うことによって周年を通じて平均した臭気除去ができることが判明した。そして,この微生物の閉空間一次処理を行ったあとに,吸着酸化剤による二次処理を行うと両者の利点が十分に発揮されること,また,この一次処理と二次処理は一つの閉鎖容器内で多段に組み合わせることができることから,簡易でありながら除去効率のよい脱臭装置が構成できることがわかった。二次処理では,とくに活性炭吸着と光触媒による酸化分解とを組み合わせた処理を採用するのがよく,これによりコンパクトで効率のよい脱臭処理装置を構成できる。
【0012】
本発明者らはかねてより光触媒作用によって悪臭成分を分解し無臭化する研究を行ってきたが,多孔質で表面積がマクロ,ミクロにわたって大きい粒状活性炭を坦体として,これに微粉状の酸化チタン(二酸化チタン)を固定化してなる酸化チタン含有活性炭は,酸化チタン微粒子の光触媒作用としての特性と,活性炭本来の吸着特性の両方を保持することを見い出した。そして,これを吸着酸化処理材とした各種試験を試みた結果,その処理性能は生ごみ排ガスに適用した場合に,いろいろな点で優位性を有することを見出した。
【0013】
吸着酸化剤を用いる吸着酸化処理においては,好ましくは直径が 0.3〜 2.0mm程度の粒状活性炭に,微粉状の酸化チタン(二酸化チタン)を担持させてなる粒状の酸化チタン含有活性炭を使用し,これを通気性不織布で包むかまたはメッシュ床のカセットに装填して厚みが5〜50mm程度の層状体に構成し,この吸着酸化剤の層中をその厚み方向に被処理ガスが一様に通過するような装置構成とする。このように構成した吸着酸化剤の層は圧力損失が殆んどなく,この層を数段にして,好ましくは互いに間隔を開けて多段配置で使用しても通気が良好に行われ得る。そして各吸着酸化剤の層に紫外線を照射するための紫外線ランプを取付けることによって光触作用が顕著に発揮される。すなわち活性炭に臭気成分が吸着するばかりでなく,その吸着効果を低下させることなく酸化チタンの光触媒作用によって臭気成分の酸化分解が起きる。
【0014】
酸化チタン含有活性炭からなる吸着酸化剤には,被処理ガス中に含まれる成分によっては,さらに酸化亜鉛,酸化ビスマス等の光触媒を適量含有させることもできる。生ごみ排ガスの場合,酸化チタンに加えて酸化亜鉛を含有させるのがよい場合がある。いずれにしても,被処理ガスが酸性,アルカリ性または中性のいずれであるかを把握すると共にガス中成分の種類と濃度を把握していれば,それに応じた吸着酸化剤を準備することができ,また臭気成分の吸着速度および吸着量に見合う紫外線量を照射すれば吸着平衡状態以下で脱臭処理ができる。また,紫外線照射に代えて,或いは併用してオゾンランプを使用することもできる。
【0015】
しかし,この吸着酸化剤の層と紫外線(またはオゾン)照射による吸着酸化処理だけで,生ごみ排ガスの脱臭処理の全負荷を処理すると,吸着機能の劣化速度が速まるので好ましいことではない。本発明においては,被処理ガスが吸着酸化剤の層を通過する前の段階で,実際には,被処理ガスが密閉容器の流入側において,黒曜石パーライト層の上に土壌層を積層してなる微生物処理層を設け,この微生物処理層によって,ほぼ60〜80%の脱臭処理,すなわち全除去率のうち60〜80%をこの微生物処理層で行うようにする。
【0016】
この微生物処理層は,メッシュ床に黒曜石パーライトを1〜5cm厚さに敷き,その上に10〜50メッシュの人工培養土を5〜100cm厚さになるように積層するのがよい。また.人工培養土には,厚みに応じて黒曜石パーライトを適量混ぜることもでき,これによって圧力損失を低減することができる。この微生物処理層には微生物を生息させるが,自然土壌に生息しているものをそのまま含有させればよい。また,処理を続けるとガス成分の分解能を有する微生物を増殖させることができる。
【0017】
人工培養土層は,10〜50メッシュの真珠岩パーライト50〜90容積%と植物有機質10〜50容積%とで構成することができ,被処理ガスが酸性ガス主体の場合にはアルカリ性土壌資材として炭材5〜10容積%および熔成リン肥5〜10g/リットルをさらに配合し,被処理ガスがアルカリ性ガス主体の場合には酸性土壌資材としてケイ酸白土2〜10容積%およびpH未調整ピートモス10〜50容積%をさらに配合するのが好ましい。
【0018】
また,この微生物処理層に対して適度に水と光を供給する構成とし,水の供給はスプレー手段により,また光は蛍光灯によって行うようにする。一般に,生ごみ処理装置は回分式発酵槽形式が大半であり,このために発生する生ごみ排ガスは経時的に湿度が30〜95%の範囲で大きく変化する。このため,このガスを通気させると土壌中の水分も変化することになるが,前述のように水を供給することにより土壌中の水分量と温度をほぼ一定に調整することができ,目詰り防止を図りながら且つ好気性菌を良好に増殖させながら長期にわたって安定した脱臭機能を付与することができる。さらに,光の照射により土壌中に生息する光合成能を有する微生物の繁殖を増進させることができる。また,人工培養土は,前記のように,酸性ガス用,アルカリ性ガス用または中性ガス用のものを準備し,それぞれ被処理ガス成分に適正なものを配置すれば良好に悪臭成分を吸着分解できる。そして土壌層の厚みを吸着量に見合う厚さにすれば平衛状態以下で脱臭処理ができるようになる。
【0019】
以上のように,本発明の原理は,被処理ガスをまず微生物処理層に導き,ここで悪臭成分の大半を吸着分解させてから,吸着酸化剤層で残余の悪臭成分を吸着分解させたのら系外に排出するものであり,そのさい,微生物処理層には水の供給と光の照射を行うこと,吸着酸化剤層では紫外線照射(またはオゾン供給)を行うことに特徴を有する一連の脱臭処理システムであると言うことができる。
【0020】
以下に,図面を参照しながら本発明の実施の態様をさらに説明する。図1に示す脱臭処理装置は,下部にガス取入口1を,上部にガス出口2をもつ竪型の密閉容器3内に,黒曜石パーライト層4の上に土壌層(人工培養土)5を積層してなる微生物処理層6を該ガス取入口1よりも上方位置となるように水平方向に配置し,この微生物処理層6の上方位置であって該ガス出口2より下方位置の該容器3内に,吸着剤に酸化剤を固定化してなる吸着酸化剤の層7を水平方向に配置し,該微生物処理層6に対して給水する手段(水スプレー装置)8 と,該吸着酸化剤の層7に対して紫外線を照射する手段(紫外線ランプ)9 を取付けたものである。水スプレー装置8は微生物処理層6の上方空間11に設置され,この空間11には,さらに微生物処理層6に光があたるように蛍光灯12が設置してある。
【0021】
図示の例では,吸着酸化剤の層7については,互いに所定の間隔を開けて4段に構成してあり,いずれの層にも紫外線が照射されるように複数個の紫外線ランプ9が設置してある。また,吸着酸化剤の層7は,底にメッシュ床13をもつ方形の枠体14の中に粒状の吸着酸化剤を装填することによってカートリッジとして構成され,このカートリッジを,容器内壁に取り付けた横桟15に取外し可能に載置するようにしてある。同様に微生物処理層6も底部にメッシュ床16をもつ方形の枠体17内に黒曜石パーライト層4と土壌層5を装填することによりカートリッジ式に構成され,必要に応して取替えができるようにしてある。
【0022】
被処理ガスは,容器下部のガス取入口1から微生物処理層6の下方空間10に取入れられたあと,微生物処理層6を一様に通過し,ついで吸着酸化剤の層7を通過し,容器上郡のガス出口2から排出される。また水スプレー装置8から微生物処理層6に向けて噴霧された水は該層6を通過したあと容器底部のドレンパン18に受けられ,容器外に排出される。この水の噴霧は常時行うことは必要ではなく,土壌層5の通気性が悪くなったときや,洗浄することが好ましい時に行えばよい。またこの水に微生物を含有させることにより,その噴霧時に微生物を処理層6に接種することもできる。
【0023】
このようにして,微生物処理層6を前処理とし,活性炭・光触媒・紫外線を用いた吸着酸化剤の層7を後処理とした二段階式の脱臭装置を一つの閉空間容器内で実現した点に特徴があり,これによって,各々の処理を単独に行う場合の短所を除き且つ長所を十分に発現できる脱臭装置を得たものである。
【0024】
すなわち,活性炭・光触媒・紫外線を用いた吸着酸化処理システム単独では,乾式で水や薬品を必要としない:臭気成分は全て酸化分解される:装置がコンパクトとなる:脱臭の他に殺菌もできる:圧力損失が小さい:反応速度が速いと言った長所を有する反面,高負荷に不適である:結露に弱い:60℃以上の高温に弱い:吸着剤には最終酸化物が蓄積する:装置形状がランプ長に制約される:負荷変動に弱いといった短所を有する。他方,土壌を用いた生物脱臭システム単独では, 負荷変動に強い:比較的結露に強い:運転が単純である:運転費は送風機のみであるといった長所を有する反面,敷地を広大に必要とする:カビ臭等の二次臭気を発生する:低濃度まで脱臭できない:寒冷地や雨等天候に左右される:ゴミ等の閉塞が苦手である:都市部では建設費が高いといった短所を有しているところ,前者を後段,後者を前段として閉容器内で一体化した本発明装置によると,両者のいずれの短所も解消または低減して,負荷変動に強く,比較的結露にも強く,運転が単純で,運転機は送風機のみとなる非常に簡易で効率のよい脱臭処理が実現できる。しかも,蛍光灯によって光を装置内で照射することにより,照明による調質ができるようになり,その結果,光合成微生物による硝酸塩類もしくは窒素化合物の除去ができるという優れた機能も有するようになることがわかった。
【0025】
より具体的には,微生物処理層6で除去率を70〜80%とすると共に,この微生物処理層6を前処理に位置させることによって負荷変動に強くなり,しかも装置全体を非常にコンパクトにできるので,電力費用が低減でき,また結露に弱い吸着酸化剤が水分に左右されずに採用できると共に,密閉系装置にすることで気象条件に左右されなくなり,周年を通じて同じ効率で利用できる。
【0026】
図2は,被処理ガスの流れを横方向にした本発明に従う横型の脱臭処理装置の例を示したものである。すなわち,一方の側方にガス取入口1を,他方の側方にガス出口2をもつ横型の密閉容器3’内に,土壌層(人工培養土)5からなる微生物処理層6を垂直方向に配置し,この微生物処理層6の下流側域の該容器3’内に,吸着剤に酸化剤を固定化してなる吸着酸化剤の層7を垂直方向に配置し,該微生物処理層6に対して給水する手段(水スプレー装置)8 と,該吸着酸化剤の層7に対して紫外線を照射する手段(紫外線ランプ)9 を取付けたものである。
【0027】
図2の例では,微生物処理層6は,被処理ガス入側に垂直方向のメッシュ開口20と該ガス出側に垂直方向のメッシュ開口21をもつ板状容器22内に上部空間23を開けて装填されており,その上部空間23内に水スプレー装置8が取付けられている。また,メッシュ開口20および21から土壌層5が外部に流出するのを防止するために,黒曜石パーライト4を各メッシュ開口20と21の内側に装填した上で,両者の間に土壌層5を位置させてある。また,微生物処理層6に光があたるように蛍光灯12が容器3’内に設置してある。なお,蛍光灯12は上部空間23内の水スプレー装置8より上となる位置に設置してもよい。水スプレー装置8から土壌層5に向けて散水されるが,過剰水はメッシュ開口20と21からオーバーフローし下部のドレンパン18を経て系外に排出される。
【0028】
このようにして被処理ガスを微生物処理層6内を横方向に流れ,次いで吸着酸化剤の層7内も横方向に被処理ガスが流れるように,各吸着酸化剤層7も左右の開口面を垂直方向にして容器3’内に間隔を開けて配置され,各吸着酸化剤層7の間に紫外線ランプ9 が取付けられている。この吸着酸化剤層7は,図1で説明したのと同様のカートリッジを使用することができる。
【0029】
図3は,微生物処理層6の設置の仕方を代えた以外は図2と同様の横型の本発明に従う脱臭処理装置を示したものである。すなわち図3の例では,微生物処理層6を形成するのに,被処理ガス入側上部に垂直方向の開口24を,そして被処理ガスの出側下部に垂直方向のメッシュ開口25を有した板状容器26を使用しており,この板状容器26内に土壌層5を装填したものである。図例では被処理ガス入側上部の開口24から土壌層5がはみ出さないように,それより下方位置に土壌層6を装填し,また出側のメッシュ開口25から土壌層5が流出しないように黒曜石パーライト4を介して土壌層5を装填してある。そして,微生物処理層6に光が当たる位置に蛍光灯12を設置し,また土壌層5に給水できる位置に水スプレー装置8を設置してある。
【0030】
図3の構造でも被処理ガスが横型の容器3’内を横方向に流れ,微生物処理層6と吸着酸化剤層7を横切る点では図2のものと同様であるが,微生物処理層6を通過するさいには,上部の開口24から下部の開口25に向けて流れることになるので,微生物処理層6では上から下に向かう流れが形成されることになる。また散水された過剰水は下部の開口25からだけドレンパン18に流出することになる。
【0031】
いずれにしても,図2と図3のものは,一方の側面にガス取入口1を,他方の側面にガス出口2をもつ横型の密閉容器3’内において,微生物処理層6と,吸着剤に酸化剤を固定化してなる吸着酸化剤7の層とを,前者の層6を被処理ガスが通過してから後者の層7を通過するように配置し,該微生物処理層6に給水する手段8と,該吸着酸化剤の層7に紫外線を照射する手段9を設けたものであるが,この場合にも,図1で説明した場合と同様の作用によって,効果的に被処理ガスを脱臭処理することができる。この横型装置では,臭気発生源の現場の位置関係等から,竪型の容器を設置するよりも横型に設置する方が施工上有利である場合等に適用できる。
【0032】
以下に,図1と同様の装置による試験例を挙げて,その効果をさらに明らかにする。
【0033】
下郡にガス取入口1を,上部にガス出口2をもつ内容積が0.46mの竪型密閉容器3の下部空間に,粒径が5〜20mm(平均粒径が10mm)の黒曜石パーライトを用いて面積0.35m×厚み3cmとした黒曜石パーライト層4を水平方向に配置すると共に,この黒曜石パーライト層4の上に,粒径1〜10mm(平均粒径3mm)の人工培養土を,面積0.35m×厚み15cmで配置して微生物処理層6を形成した。
【0034】
また,該容器3の上部空間において,平均粒径3mmの粒状活性炭に二酸化チタンを約10重量%被着させてなる粒状の吸着酸化剤を多孔質不織布内に装填して面積0.35m×厚み2.5cm板状カートリッジに形成してなる吸着酸化剤の層7を互いに間隔をあけて4 段に設置した。そして,各吸着酸化剤の層7に対して紫外線が照射されるように,岩崎電気株式会社製の商品名 QGL65P1の紫外線ランプ(65W)を8本設置した。さらに最下段の吸着酸化剤の層7の下方で土壌層5の上部の空間11に20Wの蛍光灯12を1本取付け,同じく空間11に水スプレー装置8を取付けた。
【0035】
〔試験1〕
このように構成した脱臭処理装置を使用し,蛍光灯12を消灯したままで,生ごみ処理装置から発生する温度が27℃で相対湿度が約70%の排ガスを,ガス取入口1からほぼ2m/分の流量で取入れ,容器内での空間処理時間14秒でガス出口2から排出させた。
【0036】
この処理を毎週土日を除き1ヵ月続け,その間,土壌層5の湿り具合を覗き穴から観察して土壌の湿り具合が湿分60%近くになるようにスプレー装置8から適宜水をスプレーした。また,いずれの紫外線ランプも処理の間点灯した。1ヵ月処理を続けた後での装置出側ガスのサンプルを分析し,原排ガス(装置入側ガス)のそれと対比して表1に示した。
【0037】
〔比較A〕
試験1を実施する前において,装置内に吸着酸化剤の層7と紫外線ランプ9だけを設置した状態(微生物処理層6は未設置)で,試験1と同じ原排ガスを使用して脱臭処理を2週間続けた。処理の間,いずれの紫外線ランプも点灯しておいた。この2週間処理後の装置出側ガス(「吸着酸化剤層だけによる処理」)のサンプルを分析した結果を,表1に併記した。
【0038】
〔比較B〕
比較Aの試験のあと微生物処理層6を装置内に設置して試験1の実験を始めたが,この試験1の実験を始めてから2週間後に,微生物処理層6を通過したけれども,吸着酸化剤の層7を通過する前のガス(土壌層5と最下段の吸着酸化剤層7の間の空間11から採集したガス)を分析し,これを「微生物処理層6だけによる処理」結果とした。その結果を表1に併記した。この処理の間,蛍光灯は消灯状態とし,試験1と同様に水を適宜スプレーした。
【0039】
〔試験2〕
試験1のあとで,蛍光灯12を点灯した以外は試験1と同様にして,さらに毎週土日を除く毎日運転を4ヵ月間実施した時点での装置出側ガスのサンプルを分析した。その結果も,表1に併記した。
【0040】
【表1】
Figure 0003553874
【0041】
表1の結果から,比較Bの微生物脱臭だけでは,塩基性および酸性のいずれのガス成分も除去が十分でなく,また比較Aの吸着酸化剤と紫外線照射だけの処理では,比較Bよりも処理されてはいるが,やはり塩基性および酸性のいずれのガス成分も除去が十分ではない。これに対して,試験1と試験2ではいずれの臭気成分に対しても高い処理効果が得られている。
【0042】
とくに試験2のように蛍光灯照射ではさらにその効果が高まっていることがわかる。これは,試験2の植物育成用蛍光ランプで照射した土壌には禄色の藻類等が繁殖していたのに対し,消灯の試験1では見られなかったことからも支持される。すなわち,本発明装置は密閉系でありながら蛍光灯照射によって光合成能を有する微生物も繁殖するようになり,土壌中では菌類,微生物及び藻類等が満遍なく棲息するようになる。このため,硝酸塩類が脱窒作用等により蓄積が排除されたことによって処理性能に差が発生したものと考えられる。
【0043】
〔比較C〕
試験2のあと,別の生ごみ処理装置から発生する生ゴミ排ガス(その成分の分析値を表2の原排ガスの欄に示す)を,蛍光灯を消灯し,しかも紫外線ランプも消灯した以外は試験1と同様の条件で土日を除いて100日間処理した。100日処理後の装置出側ガスのサンプルを分析した結果を表2に示した。
【0044】
〔試験3〕
比較Cのあと,蛍光灯を点灯し且つ全ての紫外線ランプを点灯した以外は比較Cと同じように100日間処理し,100日処理後の装置出側ガスのサンプルを分析した結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
Figure 0003553874
【0046】
表2の結果から,紫外線の点灯による効果が明らかである。これは紫外線による光触媒効果に加えて紫外線ランプの発生熱によって吸着酸化剤に結露するのが防止されたことも寄与しているものと考えられる。また,土壌層のpHを見ると試験3の方が中性を維持しており,良好な土壌環境が維持されている。
【0047】
前記の試験例では,生ごみ処理装置で発生する排ガスを対象して脱臭処理した例を挙げたが,本発明の装置は生ごみ排ガスに限られることなく,悪臭を有する各種のガスを対象として脱臭処理できることは勿論である。例えば畜産関係の畜舎や堆肥化棟,下水処理場前処理設備,屎尿処理場前処理設備,農村集落排水設備などの臭気発生箇所のガス処理設備に有効に機能できる。特に,多種類の臭気成分を有し,且つ高濃度の臭気を伴うところでは,連続して長期間の処理を必要とする場合が多いが,本発明の脱臭処理装置は吸着酸化剤の交換や人工培養土の再生が殆んど必要ないので,処理効率が上がるばかりでなく 大幅な運転経費の削減になる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,微生物処理層を有するにも拘わらず装置自体がコンパクトになり,高い効率で悪臭成分を吸着分解できる簡易な脱臭装置が得られる。したがって,生ごみ処理装置の排ガスなどを対象として安価で取扱い易い脱臭処理が行えるようになり,悪臭発生の防止や大気汚染防止に大きな貢献ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う脱臭処理装置の例を示す略断面図である。
【図2】本発明に従う脱臭処理装置の他の例を示す略断面図である。
【図3】本発明に従う脱臭処理装置の他の例を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 ガス取入口
2 ガス出口
3 竪型密閉容器
3’横型密閉容器
4 黒曜石パーライト層
5 土壌層
6 微生物処理層
7 吸着酸化剤の層
8 水スプレー装置
9 紫外線ランプ
12 蛍光灯

Claims (5)

  1. 下部にガス取入口を,上部にガス出口をもつ密閉容器内に,黒曜石パーライト層の上に人工培養土層を積層してなる微生物処理層を該ガス取入口よりも上方位置となるように配置し,この微生物処理層の上方位置であって該ガス出口より下方位置の該容器内に,粒状活性炭に酸化チタンを固定化してなる吸着酸化剤の層を配置し,該微生物処理層に給水する手段と,該吸着酸化剤の層に紫外線を照射する手段を設け,さらに該微生物処理層に光をあてるように光源を配置してなる脱臭処理装置。
  2. 一方の側面にガス取入口を,他方の側面にガス出口をもつ横型の密閉容器内において,黒曜石パーライト層と人工培養土層とを積層してなる微生物処理層と,粒状活性炭に酸化チタンを固定化してなる吸着酸化剤の層とを,前者の微生物処理層を被処理ガスが通過してから後者の吸着剤酸化剤の層を通過するように,配置し,該微生物処理層に給水する手段と,該吸着酸化剤の層に紫外線を照射する手段を設け,さらに該微生物処理層に光をあてるように光源を配置してなる脱臭処理装置。
  3. 人工培養土層は,真珠岩パーライト層と植物有機質とからなる請求項1または2に記載の脱臭処理装置。
  4. 人工培養土には,被処理ガスが酸性ガス主体の場合にはアルカリ性土壌資材がさらに配合され,被処理ガスがアルカリ性ガス主体の場合には酸性土壌資材がさらに配合される請求項3に記載の脱臭処理装置。
  5. 吸着酸化剤の層が間隔を開けて多段に設置され,各層ごとに紫外線を照射する手段を設けた請求項1ないし4のいずれかに記載の脱臭処理装置。
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