JP3553549B2 - 鉄族系合金基材の窒化加工方法および窒化鉄族系合金基材ならびにエンジンバルブ - Google Patents

鉄族系合金基材の窒化加工方法および窒化鉄族系合金基材ならびにエンジンバルブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物を形成容易な合金元素を含む鉄族系合金基材(被加工物)をプラズマ窒化により窒化する加工方法および窒化鉄族系合金基材ならびに窒化加工されたエンジンバルブに関する。
【0002】
ここでは、ステンレス鋼、耐熱鋼(ハイニッケル・ハイクロム鋼)等のFe基の高合金鋼(合金元素を多量に含有させたもの)を主として例にとり説明するが、これらに限られるものではない。
【0003】
本明細書で、「窒化処理」とは窒化層を形成する処理(treating)のみを意味し、「窒化加工」とは、窒化処理とともに不動態膜除去等の前処理を含む一連工程の加工全体(process)を意味する。
【0004】
不動態膜とは、基材表面に存在する酸化皮膜の腐食皮膜・不動態膜などを意味する。
【0005】
また、鉄族系合金とは、鉄主体とする鋼に代表される鉄系合金、ステンレス鋼ばかりでなく、さらには、鉄以外の鉄族(旧8族第4周期)を基(base)とするNi基合金やCr基合金等の超合金(超耐熱合金:superalloy)も含む概念である。
【0006】
基材の形状は板材、棒材、パイプ材等の本来の素材ばかりでなく、製品形態であるエンジンバルブ、ステンレス製品、ボルト、ナット、切削工具、金型、その他機械部品も含む概念である。
【0007】
また、温度(雰囲気)とは、特に断らない限り、ガス温度を指す。
【0008】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ステンレス鋼等の高合金鋼表面に、主として耐摩耗性、耐疲労強度(resistance to fatigue)を向上させる手段としての、窒化加工は周知である。
【0009】
窒化加工には、鋼をアンモニアガス中で加熱するガス窒化法、シアン酸塩などによる塩浴窒化法(タフトライド法)、グロー放電を利用して窒素プラズマ中に鋼を保持するプラズマ窒化法(イオン窒化法)がよく用いられている(「岩波理化学辞典第5版」1998年岩波書店刊、p.841参照)。
【0010】
そして、窒化加工においては、被加工物である高合金鋼は、クロムなどの酸化皮膜の生成による自己不動態化をおこして不動態膜等(金属酸化皮膜・腐食皮膜を含む:以下単に「不動態膜」という。)を備えており、該不動態膜は、窒化加工を阻害するため、窒化処理に先んじて不動態膜などの除去処理を必要とする。
【0011】
その不動態膜を除去する手段として、ガス窒化法においては塩素系又はふっ素系のガスを用いる方法がとられている。しかしそれらのガスは腐食性ガスであるため、ガス窒化装置自身も腐食させ、大量の製品を安定して処理することに問題があった。またシアン酸塩などによる塩浴窒化(タフトライド法)は、地球環境の観点より、問題となっている。
【0012】
この不動態膜の除去処理と窒化処理は連続的に行なう必要がある。不動態膜除去後、窒化処理との間に時間をおくと、すなわち空気中におくと被加工物に不動態膜が再生するためである。
【0013】
ここで、プラズマ窒化で該鉄族系合金基材を窒化処理する場合、不動態膜は部分的に除去できるが、安定的に除去することは困難であった。それを改良する手段として、一般に原子量が大きい原子を用いる方が、スパッタリング効果が良好であることから、アルゴンスパッタリングが有効とされ、プラズマ窒化炉に清浄化した被加工物を投入後、アルゴンスパッタにより酸素原子をたたき出して不動態膜を除去・窒化する方法が一部で適用されてきた。
【0014】
しかしプラズマ窒化加工において、この除去方法では、十分な且つ安定した不動態膜の除去が行なえないことが分かった。不動態膜の除去が十分でないと、窒化処理により良質な窒化層が得難い。すなわち、所要の表面硬さを得難いとともに、窒化層の表面硬さにバラツキが発生し易い。
【0015】
オーステナイト系・析出硬化系のステンレス鋼やその他、Crを多量に含有する高合金鋼や超合金は、強固な不動態膜が生成し易い。このため、これらの高合金鋼に対しては、窒化処理により安定した品質の窒化層が得難いとされてきた。
【0016】
また、上記アルゴンスパッタリングは、所定温度(通常、プラズマ窒化処理に近い温度、例えば350℃)にならないと安定して行えないため、アルゴンスパッタリングに最適な温度条件までの昇温時間を要して、全体として窒化加工が長時間化する傾向にあった(図1参照)。
【0017】
さらに、窒素ガス並びにアルゴンガス中に、通常、若干の水蒸気(HO)が含まれている。このHOは、プラズマ窒化炉(以下、単に「窒化炉」と称することがある。)中では、グロー放電により、イオン化して活性酸素が発生する。該活性酸素は、不動態膜の再生に寄与して、不動態膜の除去を阻害するおそれがある。
【0018】
本発明は上記にかんがみ、鉄族系合金基材をプラズマ窒化するに際して、十分な不動態膜の除去が可能であり、且つ、全体として窒化加工が確実に均一にでき、さらに窒化加工が短時間でできる鉄族系合金基材の窒化加工方法およびその方法による鉄族系合金基材ならびにエンジンバルブを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段およびその作用】
本発明者らは、上記にかんがみて、鋭意開発に努力をする過程で、低温域での水素スパッタリングにより不動態膜の除去が確実にでき、予想を越える高品質な、下記構成の鉄族系合金基材のプラズマ窒化処理による窒化加工する方法に想到した。
【0020】
すなわち本発明は、鉄族系合金基材(被加工物)を、不動態膜除去処理を含む前処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、不動態膜除去処理を、プラズマ窒化炉内の真空度が10〜650Pa、電流が1〜60A、電圧が100〜800Vの条件下での水素スパッタリングにより行なうことを特徴とする方法である。
【0021】
上記水素スパッタリングは、通常350℃未満の温度雰囲気で、望ましくは約150℃未満の温度雰囲気で行なうことが、不動態膜除去性の見地から望ましい。
【0022】
さらに望ましくは、水素スパッタリングを、プラズマ窒化炉の中における、被加工物の昇温過程で、150℃未満の温度雰囲気(通常常温)から同時に行なうことが、品質安定・生産性の見地から望ましい。
【0023】
また、この発明の方法では、プラズマ窒化処理による窒化層を、処理温度350〜450℃で少なくとも初期形成し、その後に温度雰囲気を上昇させて二次成形する。さらに、オーステナイト系ステンレス鋼等に適用した場合、安定した品質の窒化層が得られる。
【0024】
また、本窒化加工方法は、合金元素としてCrを3wt%以上含有した鉄族系合金基材に適用することが、本発明の効果が顕著となり望ましい。
【0025】
さらに、本発明は、上記の方法により、弁棒の少なくとも一部の表面を窒化したエンジンバルブである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の手段について、詳細に説明する。以下の説明で、組成を示す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
【0027】
鉄族系合金基材(被加工物)を、不動態膜除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法を前提的要件とする。
【0028】
ここで、鉄族系合金基材とは、前述の如く、Fe基の合金鋼、高合金鋼ばかりでなく、Cr基合金、Ni基合金等の超合金も含む。
【0029】
ここで、鉄族系合金基材を窒化物を形成して窒化層硬さの増大に寄与する合金元素を含むものが望ましい。それらにより窒化鉄(FeN等)と協働して表面硬さとともに、耐熱性の向上にも寄与して、高機能の窒化加工品が得られるためである。
【0030】
また、上記合金元素としては、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)等を挙げることができる。
【0031】
なお、ニッケル(Ni)は、窒化に対してほとんど硬化に寄与しないが、鉄系合金の性質を向上させるために、上記合金元素とともに併用することが多い。
【0032】
具体的な鉄系合金としては、ステンレス鋼(SUS)、ニッケルクロム鋼(SNC)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNMC)、アルミニウムクロムモリブデン鋼(SACM)、耐食耐熱超合金(NCF)等を挙げることができる。
【0033】
これらの内で、合金元素としてCrを3%以上含有させた鉄族系合金基材、特に、オーステナイト系・析出硬化系ステンレス鋼その他、Crを多量(15%以上)に含有する高合金鋼、超合金に本発明の窒化加工方法を適用することが効果が顕著となり好適である。これらの高合金鋼は、強固な不動態膜(酸化膜)が形成され易く、除去がアルゴンスパッタリングでは特に困難なためである。
【0034】
なお、マルテンサイト系・フェライト系ステンレス鋼でも本発明の窒化加工方法を使用すれば、従来技術を適用した場合よりも、より安定した品質の窒化層が得られることは勿論である。
【0035】
以下に、本発明の鉄族系合金基材の窒化加工方法を工程順に説明する。
【0036】
(1)清浄化処理
鉄族系合金基材(被加工物:製品を含む。)は、基本的に機械加工によって製造されるため、加工時に使用した加工油や他の汚れが金属表面に付着している。これらを除去するため、不動態膜除去処理を行なう前に脱脂処理等を施して、正常な窒化を阻害する可能性がある汚れ(夾雑物)を除去する清浄化処理を行なっておく必要がある。
【0037】
該脱脂処理法としては、いわゆる通常の脱脂法を用いることが可能である。例えば、トリクロロエチレンによる有機溶剤脱脂、エマルション脱脂、アルカリ脱脂液を用いた加熱アルカリ脱脂や電解脱脂等があり、態様においても、スプレー洗浄、浸漬、バレル洗浄等適宜必要に応じて選択することが可能である。
【0038】
(2)不動態膜除去処理
本発明では、不動態膜除去法として、水素スパッタリングを用いることを最大の特徴とする。従来はスパッタリングに水素を用いることはスパッタ効果が十分ではなく、安定性、再現性も悪いとするのが当業者の常識であった。しかし本発明者らは、水素スパッタリングを、図2に示す如く、窒化処理温度未満の低温域で又は低温域から、通常、350℃未満、望ましくは150℃未満の低温域で又は低温域から行なうことにより上記課題を解決することができることを見出して、本発明に想到した。
【0039】
具体的に説明すると、下記のような機構で不動態膜の除去が行なわれると推定される。
【0040】
真空中(減圧下)、低温域で水素のプラズマ状態を作り、該プラズマ中の水素イオン(H)を鉄族系合金基材(被加工物)表面にたたきつける。すると、水素イオンは原子状態の活性水素()となって、不動態膜(金属酸化物)を通過して基材金属層内に拡散性水素(H)として侵入する(図3▲1▼)。
【0041】
そして還元反応が可能な温度(通常、350℃以上)になると、プラズマ中の水素イオン(H)から転化した活性水素()が不動態膜(金属酸化物)を表面側から、同時に、基材金属層内の拡散性水素(H)も昇温により基材表面側へ移動して、不動態膜(金属酸化物)を内側から、それぞれ還元させて還元活性金属とする(図3▲2▼)。したがって、従来、水素スパッタリングでは困難視されていた強固な不動態膜の除去が容易となる。なお、不動態膜の水素還元により発生するHOは、系外へ排出される。
【0042】
さらに、不動態膜の除去(金属酸化物の還元)が略完了した後、窒化処理が開始されるまでは、高温域にあるため金属層内にある過剰な拡散性水素(H)は脱水素(H)されて、系外へ排出される(図3▲3▼)。したがって、金属層に水素脆性が発生するおそれもない。
【0043】
この水素スパッタリングは、従来のアルゴンスパッタリングと同様、プラズマ窒化炉にイオン化させるガス(水素)を供給しながら行なう。そして、水素ガスのグロー放電によるイオン化は、アルゴンガスの場合と異なり、低温から可能である。
【0044】
なお、水素スパッタリングを、約350〜600℃の高温ガス雰囲気域で行なうと、金属層内に侵入した活性水素()が活性水素として留まることができず、水素による還元反応が可能な温度域になったとき、不動態膜の内側からの還元に寄与できない。
【0045】
すなわち、温度雰囲気が高くなるに伴い水素が系外へ逃げ易くなり(分子量がアルゴンの約1/20)、却って水素スパッタリングの効率が低下する傾向にある。
【0046】
また、温度雰囲気が高くなると、合金表面が酸化されて不動態膜が厚く、強固なものへと変化し、不動態膜の除去が困難となる。通常、プラズマ窒化処理の真空度は130〜1300Paと真空度が高くなく、窒化炉中に不動態膜形成に寄与する量の酸素(0含量:0.26〜2.6%)が含まれるためである。
【0047】
上記水素スパッタリングの条件は、例えば、
電流:1〜60A、望ましくは30〜50A
電圧:100〜800V、望ましくは200〜300V
真空度(炉内圧):10〜650Pa望ましくは、10〜130Pa
ガス流量 0.15〜3.0L/min、望ましくは0.8〜1.5L/min
被加工物昇温速度:1〜20℃/min、望ましくは3〜5℃/min
スパッタリング時間:0.5〜3h、望ましくは1〜2h
(ただし、窒化処理関始までの時間:プラズマ窒化処理時も、水素は後述の如く同時に流入させるため水素スパッタリングは継続する。)
とする。
【0048】
上記条件外で除去処理を行うと、不動態膜の除去ムラが発生し良好な窒化層が形成されなくなるおそれがある。
【0049】
なお、電流は直流式(DC)、高周波式(RF)のいずれでもよく、どちらかを適宜利用することができる。
【0050】
(3)プラズマ窒化処理
上記不動態膜除去処理に連続して、プラズマ窒化処理を行なう。
この窒化処理の関始は、通常、図2に示す如く、昇温途中、すなわち、被加工物温度が350〜450℃になった時点で行なう。余り低い温度で開始すると、水素による不動態膜の除去(金属酸化物の還元による。)が十分行なわれない内に、窒化層の一次(初期)形成が行なわれ安定した品質の窒化層を得難い。逆に、高すぎると不動態膜と窒化層との形成速度が競合して安定して窒化層を一次形成(初期形成)し難くなる。
【0051】
続いて、窒化が速やかにできる温度:通常、450〜590℃まで連続的に昇温させて、当該温度に維持して、所定深さになるまで窒化処理を行なう。鉄族系合金基材の種類及び要求される窒化層の深さによっては、上記温度に達した時点で窒化処理を終了することもある。
【0052】
なお、鉄族系合金基材の種類によっては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼の場合、400℃前後で所定時間保持して、窒化層を一次(初期)形成した後、窒化層形成が速やかに行なえる被加工物温度で窒化層を深くする二次形成することが、品質の良好な安定した窒化層が形成できることを本発明者らは確認している。また、窒化層の二次形成温度の上限は、通常、590℃とする。590℃を越えると、鉄族系合金基材が変態して、歪みが発生するおそれがあるためである。
【0053】
該プラズマ窒化処理の条件は、まとめると、要求される表面硬さ及び窒化層深さにより異なるが、例えば、
電流:40〜100A、望ましくは、30〜50A
電流密度:0.2〜0.7mA/cm、望ましくは、0.3〜0.6mA/cm
電圧:250〜450V、望ましくは、200〜300V
電力密度:500〜4000W/m、望ましくは100〜3000W/m
真空度(炉内圧):40〜2000Pa、望ましくは100〜130Pa
温度:一次形成(350〜450℃、望ましくは、380〜420℃)
二次形成(450〜590℃、望ましくは、480〜560℃)
ガス流量:0.5〜1.0L/min、望ましくは0.6〜0.8L/min
ガス流量 1.0〜2.0L/min、望ましくは1.2〜1.8L/min
ガス比N/H:1/5〜5/1、望ましくは1.5/1〜2.5/1
処理時間:10min〜100h、望ましくは30min 〜10h、さらに望ましくは、45min 〜2hとする。
【0054】
本発明の金属製品の表面硬化処理方法は、鉄族系合金基材(被加工物)を、不動態膜除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、不動態膜除去処理を、減圧下、すなわち、積極的に窒素を含ませない雰囲気で水素スパッタリングにより行なう構成により、下記のような作用・効果を奏するものである。
【0055】
十分な不動態膜の除去が可能であり、後述の実施例で示す如く、高品質の窒化層が安定して形成可能となり、同時に、硬度の高い窒化層を得易くなる。
【0056】
また、従来のアルゴンスパッタリングによる不動態膜除去処理の如く、不動態膜除去が不安定となる一因もなくなり(窒化層形成を阻害する因子が、▲1▼窒化処理炉の真空圧及び▲2▼スパッタ処理前の脱脂状態、の二つと少なくなる。)、上記高品質の窒化層が安定して形成可能となる効果に寄与する。
【0057】
さらに、水素スパッタリングによる不動態膜除去を、被加工物の昇温過程で同時に行なうときは、全体として、加工時間の短縮化が可能となる。
【0058】
また、不動態膜除去としてのスパッタリングに使用するガスが水素であり、不動態膜除去処理及びプラズマ窒化処理に使用するガスを併用でき、アルゴンガス供給手段が不要となり、設備的にも有利となる。
【0059】
なお、本明細書では、減圧した窒化性雰囲気又は軟窒化性雰囲気の中で陰極とした被加工物と陽極との間に生ずるグロー放電によるプラズマを用いて窒化・軟窒化をするいわゆる、通常のプラズマ窒化(イオン窒化)について説明したが、本発明は、酸窒化性雰囲気で行なうプラズマ酸窒化処理にも適用可能である(JIS B 6915参照)。プラズマ酸窒化処理においても、窒化のための昇温時間に不動態膜除去処理が同時にできるため、少なくとも、窒化加工の全体時間の短縮化が可能である。
【0060】
ここで、「軟窒化」とは、低炭素鋼を、炭素化合物(ブタン等)及び窒素の存在下で行なう窒化処理をいう。
【0061】
また、本発明の発明性に影響を与えないが、本発明の関連先行技術として、特公平2ー2945号公報がある。
【0062】
該公報に記載の技術は、水素ガスとともに窒素を積極的に含有させた状態で窒化処理を行なうものであり、本発明の水素スパッタリングによる不動態膜処理を開示するものではない。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行なった実施例について比較例とともに説明する。
【0064】
(1)実施例(供試体)の調製:
図4に示すような、弁頭14、弁棒16と弁端18とからなるエンジンバルブ(被加工物)12に窒化処理を行なった。
該エンジンハルブは、下記材料仕様のものを使用した。
弁頭14:黒皮(鉄系合金:主要成分Cr、Ni)、
弁棒16の弁頭14側から中間部:耐食耐熱超合金(NCF600)(主要組成:Ni70%、Cr18%、Fe主要残)、
弁棒16の中間部から弁端18まで:耐熱鋼(SUH11M)(主要組成:Cr7.5%、Si2%、Fe残)。
【0065】
図5(a)・(b)に示すように、上記仕様の被加工物(供試体:エンジンバルブ)12を、供試体セット台20に222本づつセットする。その後、セット台20を図5(c)で示す如く、3段6列に連結台車24に積み上げて一組(合計:3996本)とした。各組毎に、脱脂処理後(トリクロロエチレン蒸気洗浄)、プラズマ窒化炉内26に装入した。
【0066】
水素スパッタリングにより不動態膜除去後、プラズマ窒化を行なった(図2参照)。その中から、JIS B 6901(炉内温度分布測定法)における測定位置に対応する位置から、9本を抜き取って供試体とした。
【0067】
なお、不動態膜処理及び窒化処理は、横形プラズマ窒化炉((株)セム製造・販売)を使用し下記の条件により行なった。
【0068】
<不動態膜除去処理条件>
昇温速度 3±1℃/min
水素スパッタリン時間 2.5h
電流 40±10A
電圧 250±50V
真空度(炉内圧) 120±13Pa
水素ガス流量 1.5L/min
【0069】
<プラズマ窒化処理条件>
処理温度(一次形成) 400℃
(二次形成) 550℃
処理時間 1.0h
電流 40±10A
電圧 250±50V
真空度(炉内圧) 120±13Pa
水素ガス流量 0.7L/min
窒素ガス流量 1.5L/min
【0070】
(2)比較例(供試体)の調製:
当該比較例は、実施例と同じ被加工物(エンジンバルブ)について、図1に示す如く、アルゴンスパッタリングによる不動態膜除去を行なった後、プラズマ窒化処理を行なって供試体を調製した。
【0071】
条件は窒化時間を2時間とした以外は、実施例と同様であるが、アルゴンスパッタリングは常温からではグロー放電条件を満たさずアルゴンスパッタができないため、加熱ヒーターで550℃まで炉内を昇温後、アルゴンスパッタリングを開始した。アルゴンスパッタリングの時間は0.5hとした。
【0072】
(3)評価試験:
こうして調製した実施例及び比較例の各供試体(エンジンバルブ)について、下記各項目の評価試験を行なった(結果は9個の平均値とした。)。
【0073】
▲1▼表面硬さ
ビッカース硬さ(HV)をJIS G 0563に基づいて測定した。なお、押し付け荷重Fは、耐熱鋼(SUH11M;以下同じ)においては50g、耐食耐熱超合金(NCF600;以下同じ)においては200gとし、測定位置は図4における矢印A・Bでそれぞれ示す部位とした。
【0074】
▲2▼窒化層深さ
JIS G 0562に基づいて、金属顕微鏡を用いて金属組織を測定倍率1000倍で写真を撮って、求めた。
【0075】
▲3▼窒化層深さと硬さの関係
JIS G 0562に基づいて、マイクロビッカースを用いて、表面から0.02mmの位置を、表面から芯部まで0.05mmづつ測定を行なった。
【0076】
窒化層深さと硬さの関係について、実施例は図6に、比較例は図7にそれぞれ示す。
【0077】
これらの結果から、不動態膜除去前処理として水素スパッタリングを用いた実施例は、アルゴンスパッタリングを用いた比較例に比して、表面硬さが格段に硬くなっていることがわかる。また、実施例の窒化層深さは、耐熱鋼が約7μm、耐食耐熱超合金が約12μm、鉄系合金Cが約60μmであり、十分なものであった。
【0078】
なお、金属組織写真も、本実施例の場合、いずれも、均一な窒化層が形成されていた。
【0079】
(4) 水素含量の確認試験
鉄系材料水素定量方法(JIS Z 2614)に基づいて、上記実施例とタフトライド法による比較例について、金属層の水素含量を測定した。それらの結果を示す図8から、実施例は比較例に比して、耐熱鋼及び耐食耐熱超合金のいずれも、水素含量が低いことが分かる。
【0080】
(5) 水素脆性の確認試験(引張試験)
JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に基づいて、上記実施例とタフトライド法による比較例について、引張試験を行なった。そして、それぞれの破断伸び(λ)及び絞り(φ)を求めた。それらの結果を示す図9・10から、実施例は耐熱鋼及び耐食耐熱超合金のいずれも、比較例と同等の伸び(λ)及び絞り(φ)を示し水素脆性の影響をほとんど受けていないことが分かるとともに、品質ばらつきも同等か小さいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラズマ窒化加工の態様を示すモデルダイアグラムである。
【図2】本発明のプラズマ窒化加工の態様を示すモデルダイアグラムである。
【図3】水素スパッタリングによる不動態膜除去処理の作用モデル図である。
【図4】実施例に使用した被加工物であるエンジンバルブの側面図である。
【図5】実施例におけるエンジンバルブのセット状態図である。
【図6】実施例における窒化層深さと硬さの関係を示すグラフ図である。
【図7】比較例における窒化層深さと硬さの関係を示すグラフ図である。
【図8】実施例と比較例における金属層の水素含量分析の結果を示すヒストグラム図である。
【図9】実施例と比較例における引張試験の破断伸び(%)のばらつきを示す図である。
【図10】同じく絞り(%)のばらつきを示す図である。
【符号の説明】
12…エンジンバルブ、 16…弁棒。

Claims (9)

  1. 鉄族系合金基材である被加工物をプラズマ窒化炉内に配置しておこなう昇温過程で、前記被加工物の不動態膜を還元作用により除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、
    前記プラズマ窒化炉内に水素ガスを導入しかつ350℃未満の温度雰囲気から水素スパッタリングをおこなって前記不動態膜の除去処理を行い、かつ350℃以上の温度雰囲気で前記プラズマ窒化炉内に窒素ガスを導入して350〜450℃の温度雰囲気でプラズマ窒化による窒化層の初期形成を行い、その後に温度雰囲気を高くして窒化層を二次形成することを特徴とする鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  2. 鉄族系合金基材である被加工物をプラズマ窒化炉内に配置しておこなう昇温過程で、前記被加工物の不動態膜を還元作用により除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、
    前記プラズマ窒化炉内に水素ガスを導入しかつ150℃未満の温度雰囲気から水素スパッタリングをおこなって前記不動態膜の除去処理を行い、かつ350℃以上の温度雰囲気で前記プラズマ窒化炉内に窒素ガスを導入して350〜450℃の温度雰囲気でプラズマ窒化による窒化層の初期形成を行い、その後に温度雰囲気を高くして窒化層を二次形成することを特徴とする鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  3. 前記鉄族系合金基材がオーステナイト系ステンレス鋼であり、前記プラズマ窒化処理による窒化層の初期形成を、前記プラズマ窒化炉内の温度雰囲気を400℃に所定時間保持して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  4. 鉄族系合金基材である被加工物をプラズマ窒化炉内に配置しておこなう昇温過程で、前記被加工物の不動態膜を還元作用により除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、
    前記プラズマ窒化炉内に水素ガスを導入しかつ350℃未満の温度雰囲気から水素スパッタリングを、前記プラズマ窒化炉内の真空度が10〜650Pa、電流が1〜60A、電圧が100〜800Vの条件で行って前記不動態膜の除去処理を行い、かつ350℃以上の温度雰囲気で前記プラズマ窒化炉内に窒素ガスを導入して前記被加工物のプラズマ窒化を行うことを特徴とする鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  5. 鉄族系合金基材である被加工物をプラズマ窒化炉内に配置しておこなう昇温過程で、前記被加工物の不動態膜を還元作用により除去処理後、プラズマ窒化処理により窒化する加工方法において、
    前記プラズマ窒化炉内に水素ガスを導入しかつ150℃未満の温度雰囲気から水素スパッタリングを、前記プラズマ窒化炉内の真空度が10〜650Pa、電流が1〜60A、電圧が100〜800Vの条件で行って前記不動態膜の除去処理を行い、かつ350℃以上の温度雰囲気で前記プラズマ窒化炉内に窒素ガスを導入して前記被加工物のプラズマ窒化を行うことを特徴とする鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  6. 前記プラズマ窒化処理による窒化層を、350〜450℃の温度雰囲気で初期形成し、その後に温度雰囲気を高くして窒化層を二次形成することを特徴とする請求項4または5に記載の鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  7. 前記鉄族系合金基材がオーステナイト系ステンレス鋼であり、前記プラズマ窒化処理による窒化層の初期形成を、前記プラズマ窒化炉内の温度雰囲気を400℃に所定時間保持して行うことを特徴とする請求項6記載の鉄族系合金基材の窒化加工方法。
  8. 請求項1または2の窒化加工方法で窒化層が形成され、かつその窒化層が、5μm以上の深さを有し、且つ、ビッカース硬さ( HV )( JIS G 0563 )800以上を示すことを特徴とする窒化鉄族系合金基材。
  9. 弁棒の少なくとも一部が、合金元素としてCrを含む鉄族系合金によって形成され、かつその弁棒の少なくとも一部の表面が窒化されたエンジンバルブであって、前記弁棒の少なくとも一部を請求項1または2の窒化加工方法によってプラズマ窒化 した窒化層を備えていることを特徴とするエンジンバルブ。
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