JP3553430B2 - ウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置及びウェハ乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水中に浸漬されているウェハを純水中から取り出すとき、酸素に触れさせることなくウェハ表面を乾燥させるウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置及びウェハ乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公平6−103686号公報に開示されるような乾燥装置では、窒素ガスをキャリアとしてIPA(イソプロピルアルコール)を蒸気として、エチッング処理液で処理されたのち純水で洗浄されているウェハ処理槽内の上部空間内に供給するようにしている。そして、処理槽の純水を排水することにより、処理槽内でウェハを露出させ、処理槽の上部空間に供給されたIPA蒸気が露出したウェハの表面に付着した水滴と置換して、ウェハ表面が酸素に触れて自然酸化することなく、乾燥させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造のものでは、通常、常温であるウェハの温度と同じ温度すなわち常温のIPA蒸気を処理槽内に供給して置換させるため、常温のIPAがウェハの表面から蒸発してウェハの表面が乾燥するまでの乾燥時間が長くなり、乾燥効率が悪いといった問題があった。
【0004】
そこで、本出願人の一人は、ウェハの温度よりも高い温度でかつミスト状のIPAを乾燥室内の純水の液面上の空間内に噴射させて、乾燥室の上記純水を排出するか又は上記ウェハを上記乾燥室内で上昇させることにより、上記乾燥室内で上記純水から上記ウェハが液面より上方に露出するとき、上記ウェハの表裏両面に付着した純水が上記ミスト状の上記イソプロピルアルコールにより置換され、その後、上記ウェハの表裏両面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより乾燥されるようにしたものを既に出願している(特願平10−332545号)。
【0005】
しかしながら、上記ミスト状のIPAを噴射させるミスト噴霧装置では、窒素ガスを噴射させると同時に液相のイソプロピルアルコールを上記ウェハの温度より高い温度でかつ上記窒素ガスの噴射開口近傍で噴射させて、ミスト状のイソプロピルアルコールを形成して上記空間内に噴霧させるようにしているため、液相のイソプロピルアルコールと窒素ガスとの混合状態によってはイソプロピルアルコールが液相のまま上記空間内に落下してしまうといった問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、液相のイソプロピルアルコールが空間内に落下してしまうことがないウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置及びウェハ乾燥装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0010】
本発明の第1態様によれば、純水内にウェハを浸漬可能な乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部とを備え、
上記噴霧部は、多孔質材料から構成されかつウェハ側の噴霧面以外の部分を被覆して流体の噴出不可とする噴霧部本体を備え、
上記噴霧部本体は、上記噴霧面の近傍に配置された上記液相IPA供給通路と、上記液相IPA供給通路の上記噴霧面とは反対側に配置された上記窒素ガス供給通路とを備えて、上記窒素ガス供給通路から上記噴霧部本体内に入り込む上記窒素ガスが、上記液相IPA供給通路から上記噴霧部本体内に入り込んだ上記液相のイソプロピルアルコールと混合されて、上記ミスト状のイソプロピルアルコールを上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるとともに、
上記液相IPA供給通路は、上記噴霧部本体内に形成された供給管配置空間内に配置されたIPA供給管内に形成され、かつ、上記IPA供給管は、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールを上記噴霧部本体内に入り込ませる噴射孔を有するようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、純水内にウェハを浸漬可能な乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部とを備え、
上記噴霧部は、上記多孔質材料の大略直方体状に構成されかつウェハ側の噴霧面以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする噴霧部本体を備え、
上記噴霧部本体は、上記液相IPA供給通路を有するとともに、上記液相IPA供給通路内に、上記窒素ガス供給通路を内部に有するとともに噴射孔を有する窒素ガス供給管を配置して、上記窒素ガス供給管内の上記窒素ガス供給通路から上記窒素ガス供給管の上記噴射孔を通って上記液相IPA供給通路内に上記窒素ガスが入り込み上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールとなり、その上記ミスト状のイソプロピルアルコールが上記液相IPA供給通路から上記噴霧部本体内に入り込んで上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、純水内にウェハを浸漬可能な乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部とを備え、
上記噴霧部は、上記多孔質材料の大略直方体状に構成されかつウェハ側の噴霧面以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする噴霧部本体を備え、
上記噴霧部本体は、一端から上記窒素ガスが供給されるとともに他端から上記液相のイソプロピルアルコールが供給される1つの液相IPA兼窒素ガス用通路を有して、上記液相IPA兼窒素ガス用通路が上記液相IPA供給通路と上記窒素ガス供給通路との両方の機能を有して、上記液相IPA兼窒素ガス用通路の上記一端から上記窒素ガスが供給されるとともに上記他端から上記液相のイソプロピルアルコールが供給されることにより、上記液相IPA兼窒素ガス用通路内で上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールとなり、その上記ミスト状のイソプロピルアルコールが上記液相IPA兼窒素ガス用通路から上記噴霧部本体内に入り込んで上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、純水内にウェハを浸漬可能な乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部とを備え、
上記噴霧部は、上記窒素ガス供給通路を有しかつ噴射孔を有する窒素ガス通路用の窒素ガス供給体と、上記窒素ガス供給体の下方に配置され、上記液相IPA供給通路を有し、上記多孔質材料から直方体状に構成され、かつウェハ側の噴霧面以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする液相のIPA用通路用のIPA供給体とで構成して、上記窒素ガス供給体の上記窒素ガス供給通路から供給された窒素ガスが上記噴射孔から上記IPA供給体の両側面に沿って噴射され、上記液相IPA用通路に供給された上記液相のイソプロピルアルコールが上記IPA供給体の上記両側面から噴出することにより、上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置を提供する。
【0017】
本発明の第5態様によれば、純水内にウェハを浸漬可能な乾燥室と、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとを混合させたミスト状態のイソプロピルアルコールのIPAミストを上記ウェハの温度より高い温度で噴霧させる第1〜4のいずれかの態様に記載のミスト噴霧装置とを備えて、
上記乾燥室の上記純水を排出するか又は上記ウェハを上記乾燥室内で上昇させることにより、上記乾燥室内で上記純水から上記ウェハが液面より上方に露出するとき、上記ウェハの表裏両面に付着した純水が上記ミスト状の上記イソプロピルアルコールにより置換され、その後、上記ウェハの表裏両面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより乾燥される一方、
上記乾燥室は、上記ウェハを収容する収容部と、該収容部に供給された上記純水がオーバーフローして流れ込むオーバーフロー部とを有するとともに、
上記乾燥室を収容し、かつ、上記乾燥室の上記収容部の上方に第1閉鎖空間を形成可能とし、上記オーバーフロー部に純水が流れ込み、かつ、上記オーバーフロー部の上記純水内に入り込み上記第1閉鎖空間と隔離された第2閉鎖空間を形成する仕切り壁を有する処理室とを備えるようにしたウェハ乾燥装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態にかかるウェハ乾燥装置は、図1〜図5に示すように、公知の図示しないキャリアで支持されたウェハ2,…,2を洗浄する純水40内にウェハ2,…,2を浸漬して洗浄後に乾燥可能な乾燥室1と、上記乾燥室1内の上記純水40の液面上の第1閉鎖空間4内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコール(以下、単にIPAと記す。)とが混合されたミスト状のIPA(IPAミスト)を、上記ウェハ2の温度(例えば常温)より高い、好ましくは上記ウェハ2の温度より少なくとも5℃以上高い、より好ましくは上記ウェハ2の温度より5℃から60℃高い、温度で噴射させるミスト噴霧装置3,3とを備えて、上記乾燥室1の上記純水40を排出するか又は上記ウェハ2,…,2を上記乾燥室1内で上昇させることにより、上記乾燥室1内で上記純水40の液面から上記ウェハ2,…,2が上方に露出するとき、ミスト噴霧装置3,3から上記各ウェハ2の表裏両面にIPAをミスト状態、すなわち、窒素をキャリアとするのではなく、IPA自体が単体で窒素ガス中を浮遊している状態で噴霧させ続けて、上記各ウェハ2の表裏両面に付着した純水40が上記ミスト状の上記IPA(IPAミスト)により置換されるようにしている。通常、上記ウェハ2は常温であり、上記IPAミストは大略30℃以上である。
【0024】
上記乾燥室1は、大略矩形の箱体状のウェハ収容部1bと、該収容部1bの上端の外側の周囲に形成された矩形溝状のオーバーフロー部1aとより大略構成されている。このオーバーフロー部1aには、乾燥室1の収容部1b内からオーバーフローした純水が流入するようになっている。
【0025】
また、乾燥室1は、全体が処理室の一例としての機能する処理シンク50内に収納されるとともに、乾燥室1の上方の処理シンク50の上端開口は、外部から蓋52により密閉できるように配置されている。乾燥室1の矩形溝状のオーバーフロー部1aの中央部分には、処理シンク50の上端においてU字状に屈曲された仕切り壁51の先端が入り込み、オーバーフロー部1a内に純水があるときには、その純水内に仕切り壁51の先端が入り込んでいることにより、乾燥室1の収容部1bの上方でかつ処理シンク50の上部と蓋52とで閉塞された第1閉鎖空間4と、乾燥室1の収容部1bの外側の側方及び下方でかつ処理シンク50により閉塞された第2閉鎖空間29とが分離されるようになっている。
【0026】
なお、オーバーフロー部1a内の純水は、図3に示すように、定期的なメインテナンスなどのために、制御装置41の制御動作に基く第1エアーオペレートバルブ54の開動作により、処理シンク50内に排出可能となっている。第1エアーオペレートバルブ54は常時は閉じられている。
【0027】
また、処理シンク50の仕切り壁51には、第1閉鎖空間4と第2閉鎖空間29との圧力バランスを自動調整するための第10エアーオペレートバルブ53が設けられており、上記乾燥室1内の上記純水40の液面上の第1閉鎖空間4の圧力が第2閉鎖空間29より所定圧力を超えて高くなりすぎると、制御装置41の制御動作に基き第10エアーオペレートバルブ53が開動作されて、第1閉鎖空間4と第2閉鎖空間29との圧力バランスを自動調整するようにしている。なお、第1閉鎖空間4の圧力は、第2閉鎖空間29より陽圧、すなわち、第2閉鎖空間29より上記所定圧力だけ常時高くなるように保持されており、第2閉鎖空間29から第1閉鎖空間4側への流体の移動が生じてウェハ2,…,2が汚染されないようにしている。
【0028】
また、処理シンク50の第2閉鎖空間29内の圧力が異常に高まらないようにするため、処理シンク50に排出通路44を設けて、排出通路44に、第2閉鎖空間29内の気体の排出流量を手動で調整するための手動弁8と、制御装置41の制御に基き排出通路44での気体の排出又は停止を行う第2エアーオペレートバルブ9とを設けている。なお、第2閉鎖空間29内に圧力センサを配置して、圧力センサで検出された第2閉鎖空間29内の圧力に応じて第2エアーオペレートバルブ9を自動的に開閉することもできる。
【0029】
なお、上記第1実施形態では、第2エアーオペレートバルブ9は、制御装置41の制御により、排出通路44の開閉動作を単に行うものとして説明したが、手動弁8の機能をも取り込んで手動弁8を省略し、制御装置41の制御動作により、ミスト噴霧装置3,3から第1閉鎖空間4内に供給されるIPAミストの供給量及び後述するように乾燥室1の収容部1bから排出通路45を経て排出される純水の排出量に基き、排出通路44から排出される流体の流量を適切に自動的に調整する流量自動調整弁として機能させるようにしてもよい。
【0030】
また、図3において、乾燥室1の底部には、多数の供給孔を有する棒状の純水供給部55が配置され、純水供給部55は、第3エアーオペレートバルブ56、流量計59、手動弁60を備えた純水供給通路58と連結されて、純水供給通路58を通して処理シンク50の外部から純水を乾燥室1の収容部1b内に供給するようにしている。第3エアーオペレートバルブ56は、制御装置41の制御により、純水供給通路58の開閉動作を行うものである。手動弁60は、流量計59により検出された純水供給通路58の純水の流量に基き、所定流量が供給されるように手動で調整するバルブである。57は手動弁であり、第3エアーオペレートバルブ56により純水供給通路58が閉じられたときに純水を処理シンク50内に若干量だけ流すものである。
【0031】
なお、上記第1実施形態では、第3エアーオペレートバルブ56は、制御装置41の制御により、純水供給通路58の開閉動作を単に行うものとして説明したが、手動弁60の機能をも取り込んで手動弁60を省略し、制御装置41の制御動作により、流量計59により検出された純水供給通路58の純水の流量に基き、所定流量が供給されるように調整する流量自動調整弁として機能させるようにしてもよい。
【0032】
さらに、乾燥室1の底部には、純水40及び窒素ガスなどを処理シンク50内に排出するための排出通路45を設け、該排出通路45に、当該通路45を制御装置41の制御に基いて開閉動作並びに流量調整動作する第4エアーオペレートバルブ7を設けて、排出通路45の開閉及び純水及び窒素ガスなどの排出流量を調整するようにしている。
【0033】
また、処理シンク50の底部には、純水40などを常時排出可能とするため、逆流防止用トラップ61a付きの排出通路61を設けている。
【0034】
一方、上記各ミスト噴霧装置3の一例としてのミスト噴霧部301を、図4及び図5に示す。
【0035】
上記噴霧部301の多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の噴霧部本体302の上部には、長手方向沿いに延びた2本の窒素ガス用通路304,304を配置するとともに、2本の窒素ガス用通路304,304間の中間の下方の噴霧部本体302の下部に、1本のIPA用通路306を配置している。上記噴霧部301には、2本のIPA用供給管33,33と2本の窒素ガス供給管32,32とがそれぞれ連結されて、2本のIPA用供給管33,33から1本のIPA用通路306に液相のIPAが供給されるとともに、2本の窒素ガス供給管32,32それぞれから2本の窒素ガス用通路304,304にそれぞれ窒素ガスが供給されるようになっている。そして、上記直方体状の噴霧部本体302のウェハ2に対向する面すなわち下面を除く面すなわち上面と両側面とを多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体303で被覆することにより、被覆体303で被覆された面から窒素ガス及びIPAが出ないようにする。IPA用通路306は、噴霧部本体302の下部に形成された断面円形の長尺な供給管配置空間305内に配置されたIPA供給管308内に形成されている。IPA供給管308は、所定間隔毎に、言い換えれば、各ウェハ2に大略向けて、すなわち、詳細には隣接するウェハ2,2間の空間に向けて配置された多数の噴射孔307,…,307を有している。噴霧部本体302の供給管配置空間305内に液相のIPAを直接供給するのではなく、IPA供給管308を配置してその管308の小さな噴射孔307,…,307を介して供給するのは、噴射孔307,…,307から一旦噴射された液相のIPAはIPA供給管308内に戻ることができない結果、液相のIPAの逆流を防止することができ、より安定して所定量の液相のIPAを供給できるためである。
【0036】
従って、2本の窒素ガス用通路304,304に窒素ガスが供給されると同時に、1本のIPA用通路306にも液相のIPAが供給されると、2本の窒素ガス用通路304,304から供給された窒素ガスが、多孔質である直方体状の噴霧部本体302内に入り込み、上記直方体状の噴霧部本体302の上面と両側面とが多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体303で被覆されているため、被覆されていないウェハ2に対向する面すなわち下面(噴霧面302a)側に導かれ、この噴霧面302aから噴出しようとする。このとき、IPA用通路306から供給管配置空間305を介して噴霧部本体302内に入り込んだ液相のIPAも同様に噴霧面302aから噴出しようとする。この結果、窒素ガスと液相のIPAとが同時に噴出しようとして、IPAミストが噴霧面302aから噴霧させることができる。
【0037】
なお、上記第1実施形態では、左右のミスト噴霧装置3,3のミスト噴霧部301,301のそれぞれに窒素ガス及びIPA液体を供給するとき、両端部での圧力損失をできるだけ少なくするため、一方の窒素ガス用通路304では、各ミスト噴霧部301の一端側から他端閉塞部に向けて窒素ガスを供給する一方、他方の窒素ガス用通路304では、逆に、各ミスト噴霧部301の他端側から一端閉塞部に向けて窒素ガスを供給するとともに、IPA液体は各ミスト噴霧部301の一端側と他端側にの両方から中間部に向けて供給するようにして、噴霧面302aからより均一なIPAミストを噴霧させるようにしている。
【0038】
なお、IPA用供給管33のIPA用通路306から液相のIPAの供給を停止させれば、後述するように、窒素ガス供給管32の窒素ガス用通路304,304から窒素ガスのみを供給して、窒素ガスによるブロー乾燥動作などを行うこともできる。
【0039】
一方、窒素ガス供給管32の窒素ガス通路304から供給される窒素ガスは、常温より高い、好ましくは少なくとも5℃以上高い、より好ましくは5℃から60℃高い温度で供給されるものであって、図3に示されるように、圧力計77付きの減圧弁17、上記窒素ガス通路304,304への窒素ガスの供給を一度に遮断可能な手動弁18までが1つの通路であり、手動弁18以降は2つの通路に分岐されて、流量計19,19、手動弁75,76、第5,6エアーオペレートバルブ20,21、供給する窒素ガス中のゴミなどを除去するフィルタ74,74、供給する窒素ガスを所定温度まで加熱するヒータ73,73を介して、図1の左右に配置したミスト噴霧装置3,3にそれぞれ供給される。第5,6エアーオペレートバルブ20,21は、制御装置41の制御に基きそれぞれの通路の開閉動作を行うものである。手動弁75,76は、左右それぞれのミスト噴霧装置3,3用の通路に配置され、それぞれの流量計19,19で検出されたそれぞれの通路での窒素ガスの流量に基づき、窒素ガスの流量をそれぞれ手動で調整することにより、左右のミスト噴霧装置3,3から上記乾燥室1内の上記純水40の液面上の第1閉鎖空間4内にミストを噴霧するとき、左右のミスト噴霧状態のバランスを調整できるようにしている。この結果、IPAミストの温度は、常温より高い、好ましくは少なくとも5℃以上高い、より好ましくは5℃から60℃高い温度で噴霧される。
【0040】
なお、上記第1実施形態では、第5,6エアーオペレートバルブ20,21は、制御装置41の制御動作により、それぞれの通路の開閉動作を単に行うものとして説明したが、手動弁75,76の機能をも取り込んで手動弁75,76を省略し、制御装置41の制御動作により、流量計19,19により検出されたそれぞれの通路の窒素ガスの流量に基き、所定流量が供給されるようにそれぞれ調整する流量自動調整弁として機能させるようにしてもよい。
【0041】
また、IPA用供給管33のIPA用通路306から供給される液相のIPAは、以下のようにして供給される。すなわち、図3に示されるように、圧力計78付きの減圧弁10、上記IPA用通路306,306への液相のIPAの供給を生じさせる窒素ガスを一度に遮断可能な第7エアーオペレートバルブ11を介してIPA圧送タンク5内に上記とは別に窒素ガスを圧送し、窒素ガスの圧力によりIPA圧送タンク5内のIPAの液体6が、上記IPA用通路306,306への液相のIPAの供給を一度に遮断可能な手動弁13を配置した1つの通路を経て、手動弁13以降は2つの通路に分岐されて、流量計14,14、手動弁15,16、第8,9エアーオペレートバルブ71,72、供給するIPA中のゴミなどを除去するフィルタ70,70を介して、図1の左右に配置したミスト噴霧装置3,3にそれぞれ供給される。なお、12はIPA圧送タンク用リリーフ弁である。第8,9エアーオペレートバルブ71,72は、制御装置41の制御に基きそれぞれの通路の開閉動作を行うものである。手動弁15,16は、左右それぞれのミスト噴霧装置3,3用の通路に配置され、それぞれの流量計14,14で検出されたそれぞれの通路でのIPAの液体の流量に基づき、IPAの液体の流量をそれぞれ手動で調整することにより、左右のミスト噴霧装置3,3から上記乾燥室1内の上記純水40の液面上の第1閉鎖空間4内にミストを噴霧するとき、左右のミスト噴霧状態のバランスを調整できるようにしている。
【0042】
なお、上記第1実施形態では、第8,9エアーオペレートバルブ71,72は、制御装置41の制御により、それぞれの通路の開閉動作を単に行うものとして説明したが、手動弁15,16の機能をも取り込んで手動弁15,16を省略し、制御装置41の制御動作により、流量計14,14により検出されたそれぞれの通路のIPAの液体の流量に基き、所定流量が供給されるようにそれぞれ調整する流量自動調整弁として機能させるようにしてもよい。
【0043】
上記第1エアーオペレートバルブ54、第2エアーオペレートバルブ9、第3エアーオペレートバルブ56、第4エアーオペレートバルブ7、第5エアーオペレートバルブ20、第6エアーオペレートバルブ21、第7エアーオペレートバルブ11、第8エアーオペレートバルブ71、第9エアーオペレートバルブ72、第10エアーオペレートバルブ53は、それぞれ、制御装置41に接続されており、制御装置41の制御により、所定のプログラムなどに基づいて、自動的に、オーバーフロー部1aからの純水の排出、第2閉鎖空間29からの気体の排出、乾燥室1の収容部1bへの純水の供給及び排出、第1閉鎖空間4への窒素ガス及びIPAの液体のそれぞれの供給、従って、IPAミストの噴霧状態、乾燥室1内の第1閉鎖空間4内からの排気量、純水40の排出量、第1閉鎖空間4と第2閉鎖空間29との圧力バランスの自動調整などを動作制御できるようにしている。
【0044】
上記構成によれば、制御装置41の制御動作に基き、以下のようにしてウェハの乾燥動作が行われる。
【0045】
図6において、まず、キャリアで支持されたウェハ2,…,2を乾燥室1の収容部1b内に配置する。このとき、乾燥室1の上方の第1閉鎖空間4には窒素ガス供給管32,32の窒素ガス用通路304,304から窒素ガスのみを上記各ミスト噴霧装置3に供給して上記各ミスト噴霧装置3から窒素ガスを噴出させて窒素ガス雰囲気に維持されているとともに、乾燥室1の収容部1b内には純水が純水供給部55から供給され続けており、収容部1b内からオーバーフローした純水はオーバーフロー部1aに流れ込み、さらに、オーバーフロー部1aからオーバーフローした純水は処理シンク50内に流れ落ちている。このようにして、収容部1b内には純水が満杯になつた状態に維持されており、このような収容部1b内に、キャリアで支持されたウェハ2,…,2を浸漬するようにする。浸漬時に収容部1b内からオーバーフローした純水はオーバーフロー部1aを経て処理シンク50内に流れ込む。上記したように、純水供給部55から純水が、ウェハ2,…,2が収容されている乾燥室1の収容部1b内に供給され続けることにより、純水40によりウェハ2,…,2が洗浄され、洗浄された純水は収容部1bからオーバーフロー部1aを介して処理シンク50内に流れ落ちる。処理シンク50内に溜まった純水は、逆流防止用トラップ61a付きの排出通路61から常時排出される。また、このとき、オーバーフロー部1a内の純水内に仕切り壁51の先端が入り込んでいることから、乾燥室1の上方でかつ処理シンク50の上部と蓋52とで閉塞された第1閉鎖空間4と、乾燥室1の側方及び下方で処理シンク50により閉塞された第2閉鎖空間29とが、オーバーフロー部1a内の純水と仕切り壁51とにより、分離独立される。なお、このとき、排気通路44は第2エアーオペレートバルブ9により閉じられている。
【0046】
次いで、純水によるウェハ2,…,2の洗浄が充分に行われたのち、図7に示すように、制御装置41の制御に基き、乾燥室1への純水の供給が停止され、ミスト噴霧装置3,3に窒素ガスと液相のIPAとが供給されてIPAミストがミスト噴霧装置3,3から上記乾燥室1内の上記純水40の液面上の第1閉鎖空間4内に噴射される。IPAミストは、例えば、1台のミスト噴霧装置3あたり約2〜3cc/minの噴射速度で上記第1閉鎖空間4内に噴霧させる。IPAミストを噴霧させる方向、すなわち、各噴霧面203aの当該面と直交する軸方向は、若干下向きとして純水40内のウェハ2に大略向かう方向(詳細には隣接するウェハ2,2間の空間でかつウェハ2の中心に相当する位置に向かう方向)として、純水40の液面上に均一にIPAミストが保持されるようにするのが好ましい。このとき、乾燥室1の第1閉鎖空間4内の圧力が第2閉鎖空間29内の圧力と比較して所定圧力以上に高くなったときには、制御装置41の制御により第10エアーオペレートバルブ53を開いて第2閉鎖空間29内にIAPミストを排出して、第1閉鎖空間4内の圧力を低下させて、上記所定圧力を維持するようにする。
【0047】
次いで、所定時間経過後、第1閉鎖空間4内にIPAミストが充満したのち、制御装置41の制御に基き、第2エアーオペレートバルブ9により排気通路44を開き、手動弁8で調整された流量の気体が第2閉鎖空間29から排出可能とし、かつ、図8に示すように、乾燥室1の収容部1bの底部から第4エアーオペレートバルブ7の開操作により排出通路45から純水が、処理シンク50内すなわち第2閉鎖空間29内に徐々に排出開始されて、乾燥室1内の上記純水40の液面が低下させる。すなわち、このように上記第1閉鎖空間4の純水40の液面付近がIPAミストで覆われた状態が保持できるようにIPAミストを噴霧し続けている状態で、制御装置41の制御により、第4エアーオペレートバルブ7を開けて、純水40を乾燥室1の収容部1b内から徐々に排出を開始する。排出速度の例としては、IPAミストを例えば、1台のミスト噴霧装置3あたり約2〜3cc/minの噴射速度で噴出させて噴霧させるとき、純水40の液面が1秒間に2mm程度低下するような速度とする。
【0048】
その結果、各ウェハ2の上部が純水40から露出することになるが、各ウェハ表面が酸素に触れて自然酸化することなく、上記純水40の液面に均一に噴霧され続けているIPAミストが各ウェハ2の表裏両面に付着した純水とすぐに置換される。また、IPAミストの温度は、各ウェハ2の温度すなわち常温よりも高い、好ましくは少なくとも5℃以上高い、より好ましくは5℃から60℃高くなっているため、迅速に乾燥する。その後、上記各ウェハ2の表裏両面から上記IPAが自然に蒸発することにより、上記各ウェハ2の表裏両面が乾燥される。
【0049】
次いで、図9に示すように、上記各ウェハ2が純水40から完全に露出して、IPAミストが各ウェハ2の表裏両面に付着した純水とすぐに置換され、上記各ウェハ2の表裏両面から上記IPAが自然に蒸発することにより、上記各ウェハ2の表裏両面が完全に乾燥される。その後、制御装置41の制御に基き、液相のIPAのミスト噴霧装置3,3への供給のみを停止し、窒素ガスのみをミスト噴霧装置3,3を供給して、ミスト噴霧装置3,3から窒素ガスを各ウェハ2の表裏両面に供給して、ブロー乾燥したのち、キャリアで支持されたウェハ2,…,2を乾燥室1の収容部1b内から取り出す。このとき、純水は、純水供給部55から少量だけ収容部1b内に供給し、収容部1b内に溜まらずにすぐに排出通路45から排出されるようにしている。このとき、窒素ガスも純水とともに排出通路45から排出されることにより、ブロー乾燥において、第1閉鎖空間4内の圧力が異常に高まるのを防止している。
【0050】
その後、ウェハ2,…,2を乾燥室1の収容部1b内から完全に取り出されたのち、次のウェハ2,…,2の乾燥に備えて、排出通路45を閉じて純水を収容部1b内に溜めて、収容部1b内から再びオーバーフロー部1aにオーバーフローさせる。
【0051】
以上の動作を繰り返すことにより、連続的にウェハ2,…,2の乾燥を行うことができる。
【0052】
従って、多数の噴射孔を形成しているミスト噴霧装置では所定間隔毎に形成された噴射孔からしかミストを噴霧することができなかったが、上記第1実施形態によれば、ウェハ2に対向する噴霧面302aの大略全面からミストをウェハ2に向けて均一に噴霧することができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0054】
例えば、本発明の第2実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置3の第2の例としてのミスト噴霧部321を図10に示す。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、窒素ガス用通路324を1本とし、かつ、窒素ガス用通路324と1本のIPA用通路326との配置を図10において上下逆にしたことである。すなわち、上記噴霧部321の多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の噴霧部本体322の上部には長手方向沿いに延びた1本のIPA用通路326を配置するとともに、噴霧部本体322の下部にはIPA用通路326より小径でかつ長手方向沿いに延びた1本の窒素ガス用通路324を配置している。上記噴霧部321には、2本のIPA用供給管33,33と2本の窒素ガス供給管32,32とがそれぞれ連結されて、2本のIPA用供給管33,33から1本のIPA用通路326に液相のIPAが供給されるとともに、2本の窒素ガス供給管32,32から1本の窒素ガス用通路324に窒素ガスが供給されるようになっている。そして、上記直方体状の噴霧部本体322のウェハ2に対向する面すなわち下面を除く面すなわち上面と両側面とを多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体323で被覆することにより、被覆体323で被覆された面から窒素ガス及びIPAが出ないようにする。
【0055】
従って、窒素ガス用通路324に窒素ガスが供給されると同時に、IPA用通路326にも液相のIPAが供給されると、窒素ガス用通路324から窒素ガスが、多孔質である直方体状の噴霧部本体322内に入り込み、上記直方体状の噴霧部本体322の上面と両側面とが多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体323で被覆されているため、被覆されていないウェハ2に対向する面すなわち下面(噴霧面322a)側に導かれ、この噴霧面322aから噴出しようとする。このとき、IPA用通路326から噴霧部本体322内に入り込んだ液相のIPAも同様に噴霧面322aから噴出しようとする。この結果、窒素ガスと液相のIPAとが同時に噴出しようとして、IPAミストを噴霧面322aから噴霧させることができる。
【0056】
上記第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、通路の数を少なくすることができて、よりコンパクトなものとすることができる。
【0057】
また、本発明の第3実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置3の第3の例としてのミスト噴霧部311を図11及び図12に示す。第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、窒素ガス用通路314を1本とする代わりにIPA用通路316,316を2本配置し、かつ、窒素ガス用通路314と2本のIPA用通路316,316との配置を図12において上下逆にし、さらに、被覆体313の被覆位置を変更したことである。すなわち、上記噴霧部311の多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の噴霧部本体312の上部には長手方向沿いに延びた1本の窒素ガス用通路314を配置するとともに、噴霧部本体312の下部には窒素ガス用通路314より小径でかつ長手方向沿いに延びた2本のIPA用通路316,316を、窒素ガス用通路314の中心軸に対して対称に配置している。上記噴霧部311には、2本のIPA用供給管33,33と2本の窒素ガス供給管31,31とがそれぞれ連結されて、2本のIPA用供給管33,33から2本のIPA用通路316に液相のIPAがそれぞれ供給されるとともに、2本の窒素ガス供給管31,31から1本の窒素ガス用通路314に窒素ガスが供給されるようになっている。そして、上記直方体状の噴霧部本体312のウェハ2に対向する面すなわち下面のみを多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体313で被覆することにより、被覆体313で被覆された面から窒素ガス及びIPAが出ないようにする。
【0058】
従って、窒素ガス用通路314に窒素ガスが供給されると同時に、IPA用通路316,316にも液相のIPAが供給されると、窒素ガス用通路314からの供給された窒素ガスが、多孔質である直方体状の噴霧部本体312内に入り込み、上記直方体状の噴霧部本体312の下面が多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体313で被覆されているため、被覆されていない噴霧部本体312の両側面(噴霧面312a,312a)側に導かれ、この噴霧面312a,312aから噴出しようとする。このとき、IPA用通路316,316から噴霧部本体312内に入り込んだ液相のIPAも同様に噴霧面312a,312aから噴出しようとする。この結果、窒素ガスと液相のIPAとが同時に噴出しようとして、IPAミストを噴霧面312a,312aから噴霧させることができる。
【0059】
上記第3実施形態によれば、第1実施形態と比較して、噴霧部本体312の下面からのみ噴霧するのではなく、両側面である噴霧面312a,312aからIPAミストを噴霧させることができる。
【0060】
また、本発明の第4実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置3の第4の例としてのミスト噴霧部331を図13及び図14に示す。第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、液相のIPA用通路336内に窒素ガス供給管338を配置したことである。すなわち、上記噴霧部331の多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の噴霧部本体332の中央部には、長手方向沿いに延びた1本の液相のIPA用通路336を形成するとともに、該IPA用通路336の中央部に、長手方向沿いに延びた1本の窒素ガス用通路334を内部に形成する窒素ガス供給管338を配置している。上記噴霧部331には、2本のIPA用供給管33,33と2本の窒素ガス供給管32,32とがそれぞれ連結されて、2本のIPA用供給管33,33から1本のIPA用通路336に液相のIPAが供給されるとともに、2本の窒素ガス供給管32,32から1本の窒素ガス用通路334にそれぞれ窒素ガスが供給されるようになっている。そして、上記直方体状の噴霧部本体332のウェハ2に対向する面すなわち下面を除く面すなわち上面と両側面とを多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体333で被覆することにより、被覆体333で被覆された面から窒素ガス及びIPAが出ないようにする。窒素ガス供給管338は、所定間隔毎に、言い換えれば、各ウェハ2に、すなわち、詳細には隣接するウェハ2,2間の空間に対応して多数の噴射孔337,…,337を有している。
【0061】
従って、窒素ガス用通路334に窒素ガスが供給されると同時に、IPA用通路336にも液相のIPAが供給されると、窒素ガス用通路334から供給された窒素ガスがIPA用通路336内に入り込んで液相のIPAと混合されて上記IPAミストとなり、そのIPAミストが多孔質である直方体状の噴霧部本体332内に入り込み、上記直方体状の噴霧部本体332の上面と両側面とが多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体333で被覆されているため、被覆されていないウェハ2に対向する面すなわち下面(噴霧面332a)側に導かれ、この噴霧面332aから噴出して、IPAミストを噴霧面332aから噴霧させることができる。
【0062】
上記第4実施形態によれば、窒素ガス用通路334から供給された窒素ガスがIPA用通路336内に入り込んだのち多孔質である直方体状の噴霧部本体332内に入り込むため、窒素ガスと液相のIPAとが混合してIPAミストを形成しやすくなり、より均一にIPAミストを噴霧することができる。
【0063】
また、本発明の第5実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置3の第5の例としてのミスト噴霧部341を図15及び図16に示す。第5実施形態が第4実施形態と異なる点は、液相のIPA用通路と窒素ガス通路とを共通の1つの通路で構成したことである。すなわち、上記噴霧部341の多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の噴霧部本体342の中央部には、長手方向沿いに延びた1本の液相IPA兼窒素ガス用通路349を形成している。上記噴霧部341には、1本のIPA用供給管34と1本の窒素ガス供給管32とがそれぞれ連結されて、1本のIPA用供給管34により液相IPA兼窒素ガス用通路349の一端側から液相のIPAが供給されるとともに、1本の窒素ガス供給管32により液相IPA兼窒素ガス用通路349の他端側から窒素ガスが供給されるようになっている。そして、上記直方体状の噴霧部本体342のウェハ2に対向する面すなわち下面(噴霧面342a)を除く面すなわち上面と両側面とを多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体343で被覆することにより、被覆体343で被覆された面から窒素ガス及びIPAが出ないようにする。
【0064】
従って、液相IPA兼窒素ガス用通路349の一端に液相のIPAが供給されると同時に液相IPA兼窒素ガス用通路349の他端に窒素ガスが供給されると、液相IPA兼窒素ガス用通路349に供給された液相のIPAと窒素ガスとが液相IPA兼窒素ガス用通路349内で混合されてIPAミストが形成され、そのIPAミストが多孔質である直方体状の噴霧部本体342内に入り込み、上記直方体状の噴霧部本体342の上面と両側面とが多孔質ではない通常のフッ素樹脂製の被覆体343で被覆されているため、被覆されていないウェハ2に対向する面すなわち下面(噴霧面342a)側に導かれ、この噴霧面342aからIPAミストを噴霧させることができる。
【0065】
上記第5実施形態によれば、液相IPA兼窒素ガス用通路349に供給された液相IPAと窒素ガスとが液相IPA兼窒素ガス用通路349内で混合されて多孔質である直方体状の噴霧部本体342内に入り込むため、窒素ガスと液相のIPAとによりIPAミストを形成しやすくなり、より均一にIPAミストを噴霧することができる。
【0066】
また、本発明の第6実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置3の第6の例としてのミスト噴霧部351を図17及び図18に示す。第6実施形態が他の実施形態と異なる点は、上記噴霧部351を、窒素ガス通路用の窒素ガス供給体353と、窒素ガス供給体353の下方に配置した液相のIPA用通路用のIPA供給体352との2つで構成したことである。すなわち、IPA供給体352は多孔質のフッ素樹脂製の直方体状に形成され、その中央部には、長手方向沿いに延びた1本の液相IPA用通路356を形成している。IPA供給体352には1本のIPA用供給管34が連結されて、IPA用供給管34により液相IPA用通路356の一端側から他端閉塞部に向けて液相のIPAが供給される。また、窒素ガス供給体353は、多孔質ではないフッ素樹脂製の直方体状に形成され、その中央部には、窒素ガス通路354を長手方向に延在させ、窒素ガス供給体353の下面でかつIPA供給体352の両側面に対応する位置にそれぞれ多数の噴射孔354a,…,354aの列を配置し、噴射孔354a,…,354aと上記窒素ガス通路354とを連結する屈曲したL字状の屈曲通路354b,…,354bを形成している。上記窒素ガス供給体353には1本の窒素ガス供給管32が連結されて、窒素ガス供給管32により窒素ガス用通路354の他端側から一端閉塞部に向けて窒素ガスが供給されるようになっている。
【0067】
従って、窒素ガス用通路354に窒素ガスが供給されると同時に液相IPA用通路356に液相のIPAが供給されると、窒素ガス用通路354に供給された窒素ガスが、屈曲通路354b,…,354bを介して噴射孔354a,…,354aから図18において下向きに、すなわち、IPA供給体352の両側面に沿って噴射される。すると、液相IPA用通路356に供給された液相のIPAがIPA供給体352の両側面から噴出することにより、窒素ガスと液相のIPAとが混合されてIPAミストを形成して、IPAミストを噴霧させることができる。
【0068】
なお、各実施形態において、上記乾燥室1から上記純水40を排出させる代わりに、上記ウェハ2を上記乾燥室1内で上昇させて、上記乾燥室1内で上記純水40から上記ウェハ2が液面より上方に露出するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、液相のイソプロピルアルコールが多孔質材料から構成される噴霧部に入り込んだのちに窒素ガスと混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるようにしたので、液相のイソプロピルアルコールが液相のまま噴出することがなくなる。
【0070】
また、多孔質材料から構成される噴霧部から液相のイソプロピルアルコールが噴出して窒素ガスと混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールとなって噴霧されるため、噴射孔から噴射される場合と比較して、上記ミスト状のイソプロピルアルコールをより均一に噴霧させることができる。
【0071】
すなわち、上記窒素ガス供給通路から上記噴霧部本体内に入り込む上記窒素ガスが、上記液相IPA供給通路から上記噴霧部本体内に入り込んだ上記液相のイソプロピルアルコールと混合されて、上記ミスト状のイソプロピルアルコールを上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるようにしたので、多数の噴射孔を形成しているミスト噴霧装置では所定間隔毎に形成された噴射孔からしかミストを噴霧することができなかったが、ウェハに対向する噴霧面の例えば大略全面からミストをウェハに向けて均一に噴霧することができる。
【0072】
また、窒素ガス用通路から供給された窒素ガスがIPA用通路内に入り込んだのち多孔質である直方体状の噴霧部本体内に入り込むため、窒素ガスと液相のIPAとが混合してIPAミストを形成しやすくなり、より均一にIPAミストを噴霧することができる。
【0073】
また、液相IPA兼窒素ガス用通路に供給された液相IPAと窒素ガスとが液相IPA兼窒素ガス用通路内で混合されて多孔質である直方体状の噴霧部本体内に入り込むため、窒素ガスと液相のIPAとによりIPAミストを形成しやすくなり、より均一にIPAミストを噴霧することができる。
【0074】
また、ウェハが浸漬された純水の液面上にIPAのミスト、すなわち、窒素をキャリアとするのではなく、IPA自体が単体で窒素ガス中を浮遊している状態が常時保持されるようにしているので、ウェハの上部が純水から露出することになるが、ウェハ表面が酸素に触れて自然酸化することなく、上記純水の液面に均一に供給されているIPAのミストがウェハの表裏両面に付着した純水とすぐに置換される。また、IPAのミストの温度は、ウェハの温度すなわち常温よりも高い、好ましくは少なくとも5℃以上高い、より好ましくは5℃から60℃高くなっているため、IPAがウェハの表裏両面に凝着しやすくなり、ウェハの表裏両面に付着した純水とすぐに置換されやすくなる上に、ウェハの表裏両面が迅速に乾燥する。
【0075】
よって、常温のウェハの表面の純水と常温のIPAとを置換させたのち、常温のIPAを乾燥させる従来の場合よりも乾燥時間が早くなり、乾燥効率を高めることができる。また、ミスト状態で純水の液面に噴霧させるため、IPAを蒸気で供給する従来の場合と比較して、IPAの消費量を大幅に減少させることができる。また、IPAを蒸気で供給する場合には蒸気状態を保持するため配管の外側を断熱材で覆うなどする必要があるが、本発明の上記ウェハ乾燥装置によれば、単に例えば常温の液相のIPAをミスト噴霧装置にそれぞれに供給すればよいので、配管を断熱材で覆う必要はなく、装置が簡単なものとなる。また、IPAを蒸気化するときには加熱するためのエネルギーが必要であるが、本発明では、窒素ガスとIPAとを噴射させるだけのエネルギーがあれば十分であり、安価でかつ簡単な装置構成でもってIPAのミストを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるウェハ乾燥装置の一部断面の概略平明図である。
【図2】図1のウェハ乾燥装置の一部断面の概略側面図である。
【図3】図1のウェハ乾燥装置において各流体の供給方法を含めたウェハ乾燥装置の概略図である。
【図4】上記ウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の平面図である。
【図5】図4の上記ミスト噴霧装置の断面正面図である。
【図6】図1のウェハ乾燥装置のオーバーフローリンス状態での概略図である。
【図7】図1のウェハ乾燥装置のIPA及び窒素ガス供給状態での概略図である。
【図8】図1のウェハ乾燥装置の排水及び窒素ガスブロー状態での概略図である。
【図9】図1のウェハ乾燥装置の蓋開及びウェハ取り出し状態での概略図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の断面正面図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の平面図である。
【図12】図11の上記ミスト噴霧装置の断面正面図である。
【図13】本発明の第4実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の平面図である。
【図14】図13の上記ミスト噴霧装置の断面正面図である。
【図15】本発明の第5実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の平面図である。
【図16】図15の上記ミスト噴霧装置の断面正面図である。
【図17】本発明の第6実施形態にかかるウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置の底面図である。
【図18】図17の上記ミスト噴霧装置の断面正面図である。
【符号の説明】
1…乾燥室、1a…オーバーフロー部、2…ウェハ、3…ミスト噴霧装置、4…第1閉鎖空間、5…IPA圧送タンク、6…液体、7…第4エアーオペレートバルブ、8…手動弁、9…第2エアーオペレートバルブ、10…減圧弁、11…第7エアーオペレートバルブ、12…IPA圧送タンク用リリーフ弁、13…手動弁、14…流量計、15,16…手動弁、17…減圧弁、18…手動弁、19…流量計、20,21…第5,6エアーオペレートバルブ、23…ミスト噴霧装置、23a…窒素ガス用通路、23c…IPA用通路、23e…噴出面、24…多孔質のフッ素樹脂製の直方体状の本体、29…第2閉鎖空間、32…窒素ガス供給管、33…IPA用供給管、40…純水、41…制御装置、44…排出通路、45…排出通路、50…処理シンク、51…仕切り壁、52…蓋、53…第10エアーオペレートバルブ、54…第1エアーオペレートバルブ、55…純水供給部、56…第3エアーオペレートバルブ、57…手動弁、58…純水供給通路、59…流量計、60…手動弁、61…排出通路、61a…トラップ、70…フィルタ、71…第8エアーオペレートバルブ、72…第9エアーオペレートバルブ、73…ヒータ、74…フィルタ、75,76…手動弁、77,78…圧力計、93c…IPA用供給通路、93d…噴射孔、103…第2のIPAミスト噴霧部、103c…窒素ガス兼IPA用通路、103g…貫通孔、131…第1のIPA噴霧部、135…供給管配置部、136…IPAミスト供給管、140…噴霧本体、236…窒素ガス兼IPA用供給管、301,311,321,331,341,351…ミスト噴霧部、302,312,322,332,342…噴霧部本体、302a,312a,322a,332a,342a…噴霧面、303.313,323,333,343…被覆体、304,314,324,334,354…窒素ガス用通路、305…供給管配置空間、306,316,326,336,356…IPA用通路、307,337…噴射孔、308…IPA供給管、338…窒素ガス供給管、349…液相IPA兼窒素ガス用通路、352…IPA供給体、353…窒素ガス供給体。
Claims (5)
- 純水(40)内にウェハ(2)を浸漬可能な乾燥室(1)内の上記純水の液面上の空間(4)内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置(3)であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路(304,314,324,334,354)と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路(306,316,326,336,356)と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部(301,311,321,331,341,351)とを備え、
上記噴霧部(301)は、多孔質材料から構成されかつウェハ側の噴霧面(302a)以外の部分を被覆して流体の噴出不可とする噴霧部本体(302)を備え、
上記噴霧部本体は、上記噴霧面の近傍に配置された上記液相IPA供給通路(306)と、上記液相IPA供給通路の上記噴霧面とは反対側に配置された上記窒素ガス供給通路(304)とを備えて、上記窒素ガス供給通路から上記噴霧部本体内に入り込む上記窒素ガスが、上記液相IPA供給通路から上記噴霧部本体内に入り込んだ上記液相のイソプロピルアルコールと混合されて、上記ミスト状のイソプロピルアルコールを上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるとともに、
上記液相IPA供給通路は、上記噴霧部本体内に形成された供給管配置空間(305)内に配置されたIPA供給管(308)内に形成され、かつ、上記IPA供給管は、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールを上記噴霧部本体内に入り込ませる噴射孔(307)を有するようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置。 - 純水(40)内にウェハ(2)を浸漬可能な乾燥室(1)内の上記純水の液面上の空間(4)内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置(3)であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路(304,314,324,334,354)と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路(306,316,326,336,356)と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部(301,311,321,331,341,351)とを備え、
上記噴霧部(331)は、上記多孔質材料の大略直方体状に構成されかつウェハ側の噴霧面(332a)以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする噴霧部本体(332)を備え、
上記噴霧部本体は、上記液相IPA供給通路(336)を有するとともに、上記液相IPA供給通路内に、上記窒素ガス供給通路(334)を内部に有するとともに噴射孔(337)を有する窒素ガス供給管(338)を配置して、上記窒素ガス供給管内の上記窒素ガス供給通路から上記窒素ガス供給管の上記噴射孔を通って上記液相IPA供給通路内に上記窒素ガスが入り込み上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールとなり、その上記ミスト状のイソプロピルアルコールが上記液相IPA供給通路から上記噴霧部本体内に入り込んで上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置。 - 純水(40)内にウェハ(2)を浸漬可能な乾燥室(1)内の上記純水の液面上の空間(4)内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置(3)であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路(304,314,324,334,354)と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路(306,316,326,336,356)と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部(301,311,321,331,341,351)とを備え、
上記噴霧部(341)は、上記多孔質材料の大略直方体状に構成されかつウェハ側の噴霧面(342a)以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする噴霧部本体(342)を備え、
上記噴霧部本体は、一端から上記窒素ガスが供給されるとともに他端から上記液相のイソプロピルアルコールが供給される1つの液相IPA兼窒素ガス用通路(349)を有して、上記液相IPA兼窒素ガス用通路が上記液相IPA供給通路と上記窒素ガス供給通路との両方の機能を有して、上記液相IPA兼窒素ガス用通路の上記一端から上記窒素ガスが供給されるとともに上記他端から上記液相のイソプロピルアルコールが供給されることにより、上記液相IPA兼窒素ガス用通路内で上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールとなり、その上記ミスト状のイソプロピルアルコールが上記液相IPA兼窒素ガス用通路から上記噴霧部本体内に入り込んで上記噴霧面から上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置。 - 純水(40)内にウェハ(2)を浸漬可能な乾燥室(1)内の上記純水の液面上の空間(4)内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとが混合されて形成されかつ上記ウェハの温度より高い温度のミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させるミスト噴霧装置(3)であって、
上記窒素ガスが供給される窒素ガス供給通路(304,314,324,334,354)と、
上記液相のイソプロピルアルコールが供給される液相IPA供給通路(306,316,326,336,356)と、
上記窒素ガス供給通路と上記液相IPA供給通路とが形成され、かつ、上記液相IPA供給通路から上記液相のイソプロピルアルコールが入り込んだのち上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを噴霧させる多孔質材料から構成される噴霧部(301,311,321,331,341,351)とを備え、
上記噴霧部(351)は、上記窒素ガス供給通路(354)を有しかつ噴射孔(354a)を有する窒素ガス通路用の窒素ガス供給体(353)と、上記窒素ガス供給体の下方に配置され、上記液相IPA供給通路(356)を有し、上記多孔質材料から直方体状に構成され、かつウェハ側の噴霧面(352a)以外の部分を被覆して流体の噴射不可とする液相のIPA用通路用のIPA供給体(352)とで構成して、上記窒素ガス供給体の上記窒素ガス供給通路から供給された窒素ガスが上記噴射孔から上記IPA供給体の両側面に沿って噴射され、上記液相IPA用通路に供給された上記液相のイソプロピルアルコールが上記IPA供給体の上記両側面から噴出することにより、上記窒素ガスと上記液相のイソプロピルアルコールとが混合されて上記ミスト状のイソプロピルアルコールを上記空間内に噴霧させるようにしたウェハ乾燥装置用ミスト噴霧装置。 - 純水(40)内にウェハ(2)を浸漬可能な乾燥室(1)と、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間(4)内に、窒素ガスと液相のイソプロピルアルコールとを混合させたミスト状態のイソプロピルアルコールのIPAミストを上記ウェハの温度より高い温度で噴霧させる請求項1〜4のいずれかに記載のミスト噴霧装置(3)とを備えて、
上記乾燥室の上記純水を排出するか又は上記ウェハを上記乾燥室内で上昇させることにより、上記乾燥室内で上記純水から上記ウェハが液面より上方に露出するとき、上記ウェハの表裏両面に付着した純水が上記ミスト状の上記イソプロピルアルコールにより置換され、その後、上記ウェハの表裏両面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより乾燥される一方、
上記乾燥室は、上記ウェハを収容する収容部(1b)と、該収容部に供給された上記純水がオーバーフローして流れ込むオーバーフロー部(1a)とを有するとともに、
上記乾燥室を収容し、かつ、上記乾燥室の上記収容部の上方に第1閉鎖空間(4)を形成可能とし、上記オーバーフロー部に純水が流れ込み、かつ、上記オーバーフロー部の上記純水内に入り込み上記第1閉鎖空間と隔離された第2閉鎖空間(29)を形成する仕切り壁(51)を有する処理室(50)とを備えるようにしたウェハ乾燥装置。
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