JP3552913B2 - 半導体素子の素子分離方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、半導体素子の製造方法に係わり、特に素子の分離方法である埋め込み素子分離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子の高集積化と半導体素子表面の平坦化の要求に伴い、従来のLOCOS法に代わる新たな素子分離方法の開発が重要となっている。例えば、シリコン基板に形成した狭く深い溝の内部に絶縁膜を充填することにより素子分離を行う、埋め込み素子分離法がある。これは、従来のLOCOS法による素子分離に比べて素子分離領域の面積を小さくすることができ、半導体素子の微細化、高集積化に有利である。
【0003】
以下、従来の埋め込み素子分離法の工程について、図面(図1〜図5)を参照して説明する。
まず、図1に示したように、半導体基板、例えばシリコン基板1上にCVD法を用いてシリコン酸化膜2を形成する。次いで、CVD法を用いてシリコン酸化膜2上にシリコン窒化膜3を形成する。さらに、CVD法を用いてシリコン窒化膜3上にシリコン酸化膜4を形成する。
【0004】
次に、図2に示したように、シリコン酸化膜4の上面に所定の形状にパターニングされた図示せぬレジストをマスクとして異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン酸化膜4及びシリコン窒化膜3並びにシリコン酸化膜2をエッチングする。そして、この図示せぬレジストをアッシングにより除去する。次にシリコン酸化膜4をマスクとして異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン基板1をエッチングして溝5を形成する。この溝5が素子分離溝となる。
【0005】
次に、図3に示したように、溝5の表面を安定化するために、熱酸化法を用いてシリコン酸化膜6を厚さ20nm程度に形成する。そして、CVD法を用いて全面に絶縁膜、例えばシリコン酸化膜7を形成する。
【0006】
次に、図4に示したように、シリコン窒化膜3をストッパーとして、CMP法を用いてシリコン酸化膜7の一部を除去する。これにより、シリコン酸化膜7はシリコン窒化膜3の上面の高さまでだけが残る。
【0007】
次に、図5に示したように、燐酸系のウェットエッチング法を用いてシリコン窒化膜3を除去する。ここで、シリコン酸化膜2は素子形成領域8を保護するためのものである。
以上のようにして素子分離領域となるシリコン酸化膜7を形成し、素子分離を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、上述のようにして素子分離領域となるシリコン酸化膜7を形成していた。このシリコン酸化膜7の形状は、素子分離後の配線加工の工程に大きな影響を与える。ここで、このシリコン酸化膜7の形状は、図2に示したエッチング工程により大きく影響を受ける。この工程でエッチングされるシリコン窒化膜3の形状がシリコン酸化膜7の形状に直接反映するからである。通常は上記の通り、RIE法などの加工精度の高いドライエッチング法を用いてエッチング対象膜に対して垂直に加工する。しかし、実際にはパターンの寸法、密度、半導体基板内のチップ位置、処理する基板ごとの不均一性など、様々な要因で加工角度に揺らぎが存在する。この加工角度の揺らぎによりシリコン窒化膜3の形状に揺らぎが生じる。そして、このシリコン窒化膜3の形状がシリコン酸化膜7の形状に揺らぎを与え、ひいては配線加工の工程に影響を与えるのである。そこで、この加工角度の揺らぎによりシリコン窒化膜3の形状が順テーパー形状になった場合と逆テーパー形状になった場合とについて、それぞれの影響を説明する。ここで、順テーパー形状とは台形の形状をいい、逆テーパー形状とは台形の上下逆の形状をいう。
【0009】
まず、シリコン窒化膜3の形状が順テーパー形状である場合について説明する。図6に示したように、シリコン窒化膜3が順テーパー形状だと、CVD法等を用いて全面にシリコン酸化膜7を形成する際に(図3参照)、その形成が容易となる利点がある。しかし、これにより形成されるシリコン酸化膜7の上部の形状は逆テーパー形状となる。
【0010】
すると、図7に示したように、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線を形成するときに以下の問題が生じる。まず、素子分離後に全面に導電膜9を形成し、これをRIE法等により垂直加工することとなる。これにより、シリコン酸化膜7及び素子形成領域8を横切って導電膜9が形成される。しかし、シリコン酸化膜7が逆テーパー形状であることから、垂直方向に影となる部分ができている。この影により、導電膜9のエッチング残り10ができてしまう。このエッチング残り10により、電極や配線がショートしてしまう問題が生じるのである。
【0011】
次に、シリコン窒化膜3の形状が逆テーパー形状である場合について説明する。図8に示したように、シリコン窒化膜3が逆テーパー形状である場合、CVD法等を用いて全面にシリコン酸化膜7を形成する際に(図3参照)、「す」と呼ばれる空洞11ができてしまう。そしてこの空洞11がシリコン酸化膜7の上中央部に溝として残ってしまう。
【0012】
すると、図9に示したように、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線を形成するときに以下の問題が生じる。まず、素子分離後にCVD法を用いて全面に導電膜9を形成し、これをRIE法等により垂直加工することとなる。これにより、シリコン酸化膜7及び素子形成領域8を横切って導電膜9が形成される。しかし、全面に導電膜9を形成したときに、空洞11内にも導電膜9が形成されてしまう。このため、RIE法等により垂直加工した際に空洞11内に導電膜9のエッチング残り12ができてしまう。このエッチング残り12により、電極や配線がショートしてしまう問題が生じるのである。
【0013】
ここで、上記の問題を解決するために、まずシリコン窒化膜3が順テーパー形状になるようにエッチングする、すると、シリコン酸化膜7の上部の形状は逆テーパー形状となる。そして、このシリコン酸化膜7の上部の形状を順テーパー形状に変化させることとする。そのための方法として、図10に示したように、等方性エッチング法を用いてシリコン酸化膜7をエッチングすることが考えられる。しかしこの場合、シリコン酸化膜7をエッチングすると、溝5の側面のシリコン基板1が露出してしまう。すると、図11に示したように、その後のゲート形成工程において、ゲート酸化膜13が溝5の側面に露出したシリコン基板1の表面にも形成されてしまう。これにより、図示せぬゲート電極に電圧が印加されたときに、ゲート酸化膜13の角14に電界が集中してしまい、耐圧不良を起こすという欠点が生じる。また、溝5の側面に形成されるゲート酸化膜13を制御することは困難であるため、各製品間でゲート酸化膜の均一性がとれず、信頼性を損なう欠点も生じる。
【0014】
このように、素子分離領域の加工形状は垂直が好ましく、形状が素子領域側あるいは素子分離領域側のいずれに傾いても上記のような欠点が生じる。しかし、実際の加工においては、常に安定して垂直に加工することは不可能である。そのため、従来の技術では素子分離領域として用いる絶縁膜の形成工程や配線の加工工程において非常に厳密な制御を強いられていた。
【0015】
本願発明は、上述の欠点に鑑みてなされたものであり、安定した絶縁膜の埋め込み及び配線加工を可能とした埋め込み素子分離法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、半導体基板の上面にストッパー膜を形成する工程と、前記ストッパー膜の断面形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、全面に絶縁膜を形成する工程と、前記ストッパー膜の上面より上方に形成されている前記絶縁膜を除去する工程と、前記ストッパー膜を除去する工程と、前記絶縁膜を熱処理して、前記絶縁膜の上部の形状を順テーパー状にする工程とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、本願発明は、半導体基板の上面に第一のストッパー膜を形成する工程と、前記第一のストッパー膜の上面に第二のストッパー膜を形成する工程と、前記第一のストッパー膜及び前記第二のストッパー膜の形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、全面に絶縁膜を形成する工程と、前記第二のストッパー膜の上面より上方に形成されている前記絶縁膜を除去する工程と、前記第二のストッパー膜を除去する工程と、前記絶縁膜を等方性エッチングして、前記絶縁膜の上部の形状を順テーパー状にする工程とを具備することを特徴とする。
【0018】
また、本願発明は、半導体基板の上面に第一のストッパー膜を形成する工程と、前記第一のストッパー膜の上面に第二のストッパー膜を形成する工程と、前記第一のストッパー膜及び前記第二のストッパー膜の形状が台形になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、全面に第一の絶縁膜を形成する工程と、前記第二のストッパー膜の上面より上方に形成されている前記第一の絶縁膜を除去する工程と、前記第二のストッパー膜を除去する工程と、全面に第二の絶縁膜を形成する工程と、前記第二の絶縁膜を前記第一の絶縁膜の側面にのみ残し、前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜を合わせた形状が順テーパー状になるように前記第二の絶縁膜をエッチングする工程とを具備することを特徴とする。
【0019】
さらに、本願発明は、半導体基板の上面に第一の絶縁膜を形成する工程と、前記第一の絶縁膜の上面に第一の導電膜を形成する工程と、前記第一の導電膜の上面にストッパー膜を形成する工程と、前記ストッパー膜及び前記第一の導電膜並びに前記第一の絶縁膜の形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、全面に第二の絶縁膜を形成する工程と、前記ストッパー膜の上面より上方に形成されている前記第二の絶縁膜を除去する工程と、前記ストッパー膜を除去する工程と、前記第二の絶縁膜を等方性エッチングして、前記第二の絶縁膜の形状を順テーパー状にする工程と、全面に第二の導電膜を形成する工程と、前記第二の導電膜を所定の形状にエッチングする工程とを具備することを特徴とする。
本願発明は、上記構成を採ることにより、安定した絶縁膜の埋め込み及び配線加工を可能とした埋め込み素子分離法を提供することを可能とした。
【0020】
【発明の実施の形態】
本願発明の第一の実施の形態について図面(図12〜図17)を参酌しながら説明する。
まず、図12に示したように、熱酸化法を用いて、半導体基板、例えばシリコン基板21の上面にシリコン酸化膜22を厚さ8nm程度に形成する。そして、CVD法を用いてシリコン酸化膜22の上面にシリコン窒化膜23を厚さ150nm程度に形成する。次いで、CVD法を用いてシリコン窒化膜23の上面にシリコン酸化膜24を厚さ100nm程度に形成する。
【0021】
次に、図13に示したように、シリコン酸化膜24の上面に所定の形状にパターニングされた図示せぬレジストをマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン酸化膜24及びシリコン窒化膜23並びにシリコン酸化膜22を所定の形状にエッチングする。このとき、シリコン窒化膜23が順テーパー形状になるようにする。ここで、順テーパー形状とは台形の形状をいう。これにより、シリコン基板21の上面の一部が露出される。そして、図示せぬレジストをアッシングにより除去する。次に、シリコン酸化膜24をマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン基板21に溝25を深さ400nm程度に形成する。シリコン基板21のうち、この溝25が形成されない部分が素子形成領域となる。さらに、例えばNH4F(フッ化アンモニウム)を用いたフッ酸系のウェットエッチング法によりシリコン酸化膜24を除去する。
【0022】
次に、図14に示したように、熱酸化法を用いて、溝25の表面にシリコン酸化膜26を厚さ10nm程度に形成する。これにより溝25の表面が安定化される。そして、CVD法を用いて絶縁膜、例えばシリコン酸化膜27を全面に厚さ800nm程度に形成する。このとき、シリコン窒化膜23の形状が順テーパー形状となっているため(図13参照)、シリコン酸化膜27は溝25内に安定して埋め込めることとなる。これにより、溝25内に形成されたシリコン酸化膜27の中央部に「す」といわれる空洞ができることを防止できる。ここで、シリコン酸化膜27を形成するときCVD法は、温度450℃程度で行われる。
【0023】
次に、図15に示したように、平坦化プロセス、例えばCMP法を用いてシリコン窒化膜23の上面までシリコン酸化膜27を除去する。このとき、シリコン窒化膜23はストッパー膜として用いられる。
【0024】
次に、図16に示したように、燐酸系のウェットエッチング法を用いて、シリコン窒化膜23を除去する。このとき、燐酸系のウェットエッチング法でなくても、ドライエッチングやダウンフローエッチング法を用いても構わない。これにより、シリコン酸化膜27の上部が逆テーパー形状としてシリコン酸化膜22の上方に現れる。このシリコン酸化膜27が素子分離領域となる。ここで、逆テーパー形状とは、台形の上下逆の形状をいう。
【0025】
次に、図17に示したように、熱処理をする。この熱処理の条件としては、例えば、窒素雰囲気中で温度を1050℃程度として30分間とする。このとき、窒素雰囲気中でなくても、非酸化系の雰囲気中であれば構わない。ここで、シリコン酸化膜27は、CVD法を用いて比較的低温の450℃程度で形成されたものである(図14参照)。このため、成膜したままの状態ではシリコン原子と酸素原子との結合が不完全である。また、材料ガス中から混入するC(炭素)やCO(一酸化炭素)、H(水素)、OH、CHxなどの不純物を結合中に含んでいる。そこで、この高熱での熱処理により、結合中に含む不純物を放出し、結合の組み替えを行いながら、シリコン原子や酸素原子が流動する。これにより、シリコン酸化膜27の上部の角が丸くなり、シリコン酸化膜27の上部は順テーパー形状となる。以上のようにして、素子分離領域となる順テーパー形状のシリコン酸化膜27を形成することにより、素子分離を行う。
【0026】
ここで、従来の技術によると、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線がショートするといった問題が生じていた(図7参照)。これは、シリコン酸化膜7の上部が逆テーパー形状であることから生じていたものである。しかし、上述の通り、本願発明の第一の実施の形態によれば、素子分離領域となるシリコン酸化膜27は順テーパー形状である。このため、後の工程で形成される電極や配線がショートするといった従来の技術における問題は生じない。また、シリコン酸化膜7の上部を順テーパー形状にすべく、シリコン窒化膜3を逆テーパー形状にすると、シリコン酸化膜7を形成する際に、その中央上部に「す」といわれる空洞11が生じるといった問題が生じていた(図9参照)。しかし、本願発明の第一の実施の形態によれば、シリコン酸化膜27を形成する工程においては(図14参照)、シリコン窒化膜23が順テーパー形状であるため、シリコン酸化膜27の中央上部に「す」といわれる空洞が生じるといった問題もない。
【0027】
さらに、シリコン酸化膜24及びシリコン窒化膜23並びにシリコン酸化膜22をエッチングする工程(図13参照)においても、シリコン窒化膜23を垂直にエッチングする難しい制御は必要なく、順テーパー形状になるようすればよい。このため、加工角度の揺らぎが少しあっても、全体として順テーパー形状となっていればよく、加工角度の揺らぎの許容範囲を大きくとれる利点がある。
【0028】
次に、本願発明の第二の実施の形態について、図面(図18〜図24)を参酌して説明する。
まず、図18に示したように、熱酸化法を用いて、半導体基板、例えばシリコン基板41の上面にシリコン酸化膜42を厚さ10nm程度に形成する。そして、CVD法を用いて、シリコン酸化膜42の上面にシリコン窒化膜43を厚さ40nm程度に形成する。次いで、CVD法を用いて、シリコン窒化膜43の上面にシリコン酸化膜44を厚さ10nm程度に形成する。さらに、CVD法を用いて、シリコン酸化膜44の上面にシリコン窒化膜45を厚さ150nm程度に形成する。ここで、シリコン酸化膜42は、シリコン基板41の表面を保護したり、シリコン窒化膜43がシリコン基板41から剥がれないように間に入って接着力を強化する役割を果たす。
【0029】
次に、図19に示したように、シリコン窒化膜45の上面に所定の形状にパターニングされた図示せぬレジストをマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン窒化膜45、シリコン酸化膜44、シリコン窒化膜43、シリコン酸化膜42をそれぞれ所定の形状にエッチングする。このとき、シリコン窒化膜45及びシリコン窒化膜43が順テーパー形状になるようにする。ここで、順テーパー形状とは台形の形状をいう。これにより、シリコン基板41の上面の一部が露出される。そして、図示せぬレジストをアッシングにより除去する。次に、シリコン窒化膜45をマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン基板41に溝46を深さ400nm程度に形成する。シリコン基板41のうち、この溝46が形成されない部分が素子形成領域となる。
【0030】
次に、図20に示したように、CVD法を用いて絶縁膜、例えばシリコン酸化膜47を全面に厚さ800nm程度に形成する。このとき、シリコン窒化膜45及びシリコン窒化膜43の形状が順テーパー形状となっているため(図19参照)、シリコン酸化膜47は溝46内に安定して埋め込めることとなる。これにより、溝46内に形成されたシリコン酸化膜47の中央部に「す」といわれる空洞ができることを防止できる。
【0031】
次に、図21に示したように、平坦化プロセス、例えばCMP法を用いてシリコン窒化膜45の上面までシリコン酸化膜47を除去する。このとき、シリコン窒化膜45はストッパー膜として用いられる。
【0032】
次に、図22に示したように、燐酸系のウェットエッチング法を用いて、シリコン窒化膜45を除去する。このとき、燐酸系のウェットエッチング法でなくても、ドライエッチングやダウンフローエッチング法を用いても構わない。ここで、シリコン酸化膜44は、シリコン窒化膜43が除去されるのを防止するためのものである。これにより、シリコン酸化膜47の上部が逆テーパー形状としてシリコン酸化膜44の上方に現れる。このシリコン酸化膜47が素子分離領域となる。ここで、逆テーパー形状とは、台形の上下逆の形状をいう。
【0033】
次に、図23に示したように、等方性エッチング法、例えばNH4Fを用いたフッ酸系のウェットエッチング法により、シリコン窒化膜43に対して選択的にシリコン酸化膜47をエッチングする。この際、シリコン酸化膜44はエッチング除去される。このとき、シリコン窒化膜43はシリコン酸化膜42がエッチングされ、シリコン基板41が露出するのを防止するためのストッパー膜として使用される。すなわち、シリコン窒化膜43の存在により、シリコン酸化膜47の上部を順テーパー形状になるまでエッチングしても、シリコン基板41が露出することを防止できる。これにより、シリコン酸化膜47の上部の角が丸くなり、シリコン酸化膜47の上部は順テーパー形状となる。ここで、シリコン酸化膜47をエッチングする方法としては、ダウンフローエッチング法など、等方性エッチング法であれば構わない。
【0034】
次に、図24に示したように、燐酸系のウェットエッチング法を用いてシリコン窒化膜43を除去する。以上のようにして、素子分離領域となる順テーパー形状のシリコン酸化膜47を形成することにより、素子分離を行う。
【0035】
ここで、図10及び図11に示したような従来の技術によると、シリコン酸化膜7をエッチングすると、溝5の側面のシリコン基板1が露出してしまう。すると、図11に示したように、その後のゲート形成工程において、ゲート酸化膜13が溝5の側面に露出したシリコン基板1の表面にも形成されてしまう。これにより、前述したように様々な問題が生じる。これに対し、本願発明によると、ストッパー膜としてシリコン窒化膜43が存在することから、シリコン基板41が露出しない。これにより、従来の技術において生じていた問題点が解消されることとなる。
【0036】
また、従来の技術によると、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線がショートするといった問題が生じていた(図7参照)。これは、シリコン酸化膜7の上部が逆テーパー形状であることから生じていたものである。しかし、上述の通り、本願発明の第二の実施の形態によれば、素子分離領域となるシリコン酸化膜47は順テーパー形状である。このため、後の工程で形成される電極や配線がショートするといった従来の技術における問題は生じない。また、シリコン酸化膜7の上部を順テーパー形状にすべく、シリコン窒化膜3を逆テーパー形状にすると、シリコン酸化膜7を形成する際に、その中央上部に「す」といわれる空洞11が生じるといった問題が生じていた(図9参照)。しかし、本願発明の第二の実施の形態によれば、シリコン酸化膜47を形成する工程においては(図20参照)、シリコン窒化膜45及びシリコン窒化膜43が順テーパー形状であるため、シリコン酸化膜47の中央上部に「す」といわれる空洞が生じるといった問題もない。
【0037】
さらに、シリコン窒化膜45、シリコン酸化膜44及びシリコン窒化膜43並びにシリコン酸化膜42をエッチングする工程(図19参照)においても、シリコン窒化膜45及びシリコン窒化膜43を垂直にエッチングする難しい制御をする必要はなく、順テーパー形状になるようすればよい。このため、加工角度の揺らぎが少しあっても、全体として順テーパー形状となっていればよく、加工角度の揺らぎの許容範囲を大きくとれる利点がある。
【0038】
次に、本願発明の第三の実施の形態について、図面(図25〜図30)を参酌して説明する。
まず、図25に示したように、CVD法を用いて半導体基板、例えばシリコン基板61上にシリコン窒化膜62を厚さ10nm程度に形成する。次に、CVD法を用いて、シリコン窒化膜62の上面にポリシリコン膜63を厚さ150nm程度に形成する。さらに、CVD法を用いて、ポリシリコン膜63の上面にシリコン酸化膜64を厚さ150nm程度に形成する。ここで、熱酸化法を用いて、シリコン基板61とシリコン窒化膜62の間に厚さ10nm程度の図示せぬシリコン酸化膜を形成してもよい。このシリコン酸化膜は、シリコン窒化膜62がシリコン基板61から剥がれないように、間に入って接着力を強化する役割を果たすこととなる。ただし、この実施の形態のように、シリコン窒化膜62が薄い場合には、シリコン酸化膜がシリコン基板との間に入っていなくても、シリコン窒化膜62が剥がれるという問題は生じない。
【0039】
次に、図26に示したように、シリコン酸化膜64の上面に所定の形状にパターニングして形成された図示せぬレジストをマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン酸化膜64及びポリシリコン膜63並びにシリコン窒化膜62を所定の形状にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜63が順テーパー形状になるようにする。ここで、順テーパー形状とは台形の形状をいう。これにより、シリコン基板61の上面の一部が露出される。ここで、図示せぬレジストをアッシングにより除去する。次いで、シリコン酸化膜64をマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン基板61をエッチングする。これにより、深さ400nm程度の溝65を形成する。シリコン基板61のうち、この溝65が形成されない部分が素子形成領域となる。そして、例えばNH4F(フッ化アンモニウム)を用いたフッ酸系のウェットエッチング法により、シリコン酸化膜64を除去する。
【0040】
次に、図27に示したように、熱酸化法を用いて、溝65の表面にシリコン酸化膜66を厚さ10nm程度に形成する。これにより溝65の表面が安定化される。そして、CVD法を用いて絶縁膜、例えばシリコン酸化膜67を全面に厚さ800nm程度に形成する。このとき、ポリシリコン膜63の形状が順テーパー形状となっているため(図13参照)、シリコン酸化膜67は溝65内に安定して埋め込めることとなる。これにより、溝65内に形成されたシリコン酸化膜67の中央部に「す」といわれる空洞ができることを防止できる。
【0041】
次に、図28に示したように、平坦化プロセス、例えばCMP法を用いてポリシリコン膜63の上面までシリコン酸化膜67を除去する。このとき、ポリシリコン膜63はストッパー膜として用いられる。ここで、ポリシリコン膜63の代わりに、タングステン膜、チタン膜、窒化チタン膜等のシリコン酸化膜よりもエッチング速度の遅いメタル膜やシリコン金属化合物膜でも同様の効果を得ることができる。
【0042】
次に、図29に示したように、ドライエッチング法、例えばダウンフローエッチング法を用いて、ポリシリコン膜63を除去する。これにより、シリコン酸化膜67の上部が逆テーパー形状としてシリコン窒化膜62の上方に現れる。このシリコン酸化膜67が素子分離領域となる。ここで、逆テーパー形状とは、台形の上下逆の形状をいう。
【0043】
次に、図30に示したように、等方性エッチング法、例えばNH4Fを用いたフッ酸系のウェットエッチング法により、シリコン窒化膜62に対して選択的にシリコン酸化膜67をエッチングする。このとき、シリコン窒化膜62はシリコン酸化膜66がエッチングされ、シリコン基板61が露出するのを防止するためのストッパー膜として使用される。すなわち、シリコン窒化膜62の存在により、シリコン酸化膜67の上部を順テーパー形状になるまでエッチングしても、シリコン酸化膜66がエッチングされず、シリコン基板61が露出することを防止できる。これにより、シリコン酸化膜67の上部の角が丸くなり、シリコン酸化膜67の上部は順テーパー形状とすることが可能となる。ここで、シリコン酸化膜67をエッチングする方法としては、ダウンフローエッチング法など、等方性エッチング法であれば構わない。
【0044】
以上のようにして、素子分離領域となる順テーパー形状のシリコン酸化膜67を形成することにより、素子分離を行う。
ここで、図10及び図11に示したような従来の技術によると、シリコン酸化膜7をエッチングすると、溝5の側面のシリコン基板1が露出してしまう。すると、図11に示したように、その後のゲート形成工程において、ゲート酸化膜13が溝5の側面に露出したシリコン基板1の表面にも形成されてしまう。これにより、前述したように様々な欠点が生じる。これに対し、本願発明の第三の実施の形態によると、ストッパー膜としてシリコン窒化膜62が存在することから、シリコン基板61が露出しない。そのため、従来の技術における欠点を解消することができる。
【0045】
また、従来の技術によると、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線がショートするといった問題が生じていた(図7参照)。これは、シリコン酸化膜7の上部が逆テーパー形状であることから生じていたものである。しかし、上述の通り、本願発明の第三の実施の形態によれば、素子分離領域となるシリコン酸化膜67は順テーパー形状である。このため、後の工程で形成される電極や配線がショートするといった従来の技術における問題は生じない。また、シリコン酸化膜7の上部を順テーパー形状にすべく、シリコン窒化膜3を逆テーパー形状にすると、シリコン酸化膜7を形成する際に、その中央上部に「す」といわれる空洞11が生じるといった問題が生じていた(図9参照)。しかし、上述の通り、本願発明の第三の実施の形態によれば、シリコン酸化膜67を形成する工程においては(図27参照)、ポリシリコン膜63が順テーパー形状であるため、シリコン酸化膜67の中央上部に「す」といわれる空洞が生じるといった問題もない。
【0046】
さらに、ポリシリコン膜63、シリコン窒化膜62をエッチングする工程(図26参照)においても、ポリシリコン膜63及びシリコン窒化膜62を垂直にエッチングする難しい制御をする必要はなく、順テーパー形状になるようすればよい。このため、加工角度の揺らぎが少しあっても、全体として順テーパー形状となっていればよく、加工角度の揺らぎの許容範囲を大きくとれる利点がある。
【0047】
次に、本願発明の第四の実施の形態について、図面(図31〜図33)を参酌して説明する。
まず、図25から図29に示したような本願発明の第二の実施の形態と同様の工程を行う。これにより、図31に示したように、シリコン酸化膜67の上部が逆テーパー形状としてシリコン窒化膜62の上方に現れる。このシリコン酸化膜67が素子分離領域となる。ここで、逆テーパー形状とは、台形の上下逆の形状をいう。
【0048】
次に、図32に示したように、CVD法を用いて絶縁膜、例えばシリコン酸化膜71を全面に厚さ10nm程度に形成する。このとき、シリコン酸化膜67は逆テーパー形状であり、垂直方向に影となる部分ができている。しかし、シリコン酸化膜71の形成にCVD法を用いるため、材料ガスが回り込み、シリコン酸化膜67の側面の垂直方向に影となる部分にもシリコン酸化膜71は形成される。
【0049】
次に、図33に示したように、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いて、シリコン酸化膜71をエッチングする。このとき、垂直方向のエッチング速度が大きい異方性の強いRIE法を用いることにより、シリコン酸化膜67の側面にのみシリコン酸化膜71を残すことができる。これにより、シリコン酸化膜67の側面の垂直方向に影となる部分を埋めて、この影を解消することが可能となる。ここで、シリコン窒化膜62はエッチングに対するストッパー膜として利用され、シリコン基板61がエッチングされるのを防ぐ役割を果たす。
【0050】
以上のようにして、シリコン酸化膜67及びシリコン酸化膜71からなる素子分離領域を形成することにより、素子分離を行う。
ここで、従来の技術によると、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線がショートするといった問題が生じていた(図7参照)。これは、シリコン酸化膜7の上部が逆テーパー形状であることから生じていたものである。しかし、上述の通り、本願発明の第四の実施の形態によれば、シリコン酸化膜67及びシリコン酸化膜71からなる素子分離領域はほぼ垂直なものである。このため、後の工程で形成される電極や配線がショートするといった従来の技術における問題は生じない。また、シリコン酸化膜7の上部を順テーパー形状にすべく、シリコン窒化膜3を逆テーパー形状にすると、シリコン酸化膜7を形成する際に、その中央上部に「す」といわれる空洞11が生じるといった問題が生じていた(図9参照)。しかし、上述の通り、本願発明の第四の実施の形態によれば、シリコン酸化膜67を形成する工程においては(図27参照)、ポリシリコン膜63が順テーパー形状であるため、シリコン酸化膜67の中央上部に「す」といわれる空洞が生じるといった問題もない。
【0051】
さらに、ポリシリコン膜63、シリコン窒化膜62をエッチングする工程(図26参照)においても、ポリシリコン膜63及びシリコン窒化膜62を垂直にエッチングする難しい制御をする必要はなく、順テーパー形状になるようすればよい。このため、加工角度の揺らぎが少しあっても、全体として順テーパー形状となっていればよく、加工角度の揺らぎの許容範囲を大きくとれる利点がある。
【0052】
次に、本願発明の第五の実施の形態について、図面(図34〜図40)を参酌して説明する。第一の実施の形態から第四の実施の形態まででは、素子形成領域の上方に平坦化プロセスに対するストッパー膜を形成し(図15、図21、図28参照)、まずは素子分離領域のみを先に形成する場合を説明した(図16、図22、図29、図31参照)。これらの実施の形態では、素子分離領域を形成した後、改めて素子形成領域上にゲート絶縁膜やゲート電極などの素子形成を行うこととなる。しかし、例えばフラッシュ・メモリーのように、半導体素子の構造や回路構成によっては、素子形成領域上にあらかじめゲート絶縁膜やゲート電極を形成してから素子分離領域を形成する場合や、予めゲート電極層の不純物注入を行ってから素子分離領域を形成する場合がある。この場合にも、異なる種類の積層膜を垂直に加工することが必要となる。これは一般的に困難であり、積層膜の種類によって順テーパー形状、逆テーパー形状になるため、所望の素子分離領域を安定して形成することは不可能であった。そこで、本願発明の第五の実施の形態においては、ゲート電極を先に形成し、積層膜の加工を行い素子分離領域を形成する場合を説明する。
【0053】
まず、図34に示したように、熱酸化法を用いて、半導体基板、例えばシリコン基板81の上面に絶縁膜であるシリコン酸化膜82を厚さ8nm程度に形成する。このシリコン酸化膜82はゲート酸化膜となる。そして、CVD法を用いて、シリコン酸化膜82の上面に不純物、例えばP(リン)を含んだドープト多結晶シリコン膜83を厚さ60nm程度に形成する。このドープト多結晶シリコン膜83はゲート電極の一部となる。次いで、CVD法を用いて、ドープト多結晶シリコン膜83の上面にシリコン窒化膜84を厚さ150nm程度に形成する。さらに、CVD法を用いて、シリコン窒化膜84の上面にシリコン酸化膜85を厚さ150nm程度に形成する。
【0054】
次に、図35に示したように、シリコン酸化膜85の上面に所定の形状にパターニングして形成された図示せぬレジストをマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン酸化膜85、シリコン窒化膜84及びドープト多結晶シリコン膜83並びにシリコン酸化膜82を所定の形状にエッチングする。このとき、シリコン酸化膜85及びドープト多結晶シリコン膜83並びにシリコン酸化膜82はほぼ垂直になるようにエッチングし、シリコン窒化膜84は順テーパー形状になるようにする。ここで、順テーパー形状とは台形の形状をいう。これにより、シリコン基板81の上面の一部が露出される。ここで、図示せぬレジストをアッシングにより除去する。次いで、シリコン酸化膜85をマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いてシリコン基板81をエッチングする。これにより、深さ400nm程度の溝86を形成する。シリコン基板81のうち、この溝86が形成されない部分が素子形成領域となる。そして、例えばNH4F(フッ化アンモニウム)を用いたフッ酸系のウェットエッチング法により、シリコン酸化膜85を除去する。
【0055】
次に、図36に示したように、CVD法を用いて絶縁膜、例えばシリコン酸化膜87を全面に厚さ800nm程度に形成する。このとき、シリコン窒化膜84が順テーパー形状となっているため(図35参照)、シリコン酸化膜87は溝86内に安定して埋め込めることとなる。これにより、溝86内に形成されたシリコン酸化膜87の中央部に「す」といわれる空洞ができることを防止できる。さらに、平坦化プロセス、例えばCMP法を用いてシリコン窒化膜84の上面までシリコン酸化膜87を除去する。このとき、シリコン窒化膜84はストッパー膜として用いられる。
【0056】
次に、図37に示したように、燐酸系のウェットエッチング法を用いて、シリコン窒化膜84を除去する。このとき、燐酸系のウェットエッチング法でなくても、ドライエッチングやダウンフローエッチング法を用いても構わない。これにより、シリコン酸化膜87の上部が逆テーパー形状としてドープト多結晶シリコン膜83の上方に現れる。このシリコン酸化膜87が素子分離領域となる。ここで、逆テーパー形状とは、台形の上下逆の形状をいう。
【0057】
次に、図38に示したように、等方性エッチング法、例えばNH4Fを用いたフッ酸系のウェットエッチング法により、ドープト多結晶シリコン膜83に対して選択的にシリコン酸化膜87をエッチングする。このとき、ドープト多結晶シリコン膜83はシリコン基板81が露出するのを防止するためのストッパー膜となる。すなわち、ドープト多結晶シリコン膜83の存在により、シリコン酸化膜87の上部を順テーパー形状になるまでエッチングしても、シリコン基板81が露出することを防止できる。これにより、シリコン酸化膜87の上部の角が丸くなり、シリコン酸化膜87の上部は順テーパー形状となる。ここで、シリコン酸化膜87をエッチングする方法としては、ダウンフローエッチング法など、等方性エッチング法であれば構わない。また、図17に示したのと同様に、等方性エッチング法を用いる代わりに、熱処理することによりシリコン酸化膜87の上部を順テーパー形状にしても構わない。
【0058】
次に、図39に示したように、CVD法を用いて、全面に多結晶シリコン膜88を厚さ数百nm程度に形成する。この多結晶シリコン膜88は、不純物をドープすることにより、ドープト多結晶シリコン膜83とともに、ゲート電極の一部として用いられることとなる。ただし、この工程で不純物をドープしながら多結晶シリコン膜を形成することにより、ドープト多結晶シリコン膜を形成してしまえば、後に不純物をドープする必要はなくなる。
【0059】
次に、図40に示したように、多結晶シリコン膜88の上面に所定の形状にパターニングして形成された図示せぬレジストをマスクとして、異方性エッチング法、例えばRIE法を用いて多結晶シリコン膜88を所定の形状にエッチングする。その後、多結晶シリコン膜88に不純物をドープすることにより、ドープト多結晶シリコン膜83とともに、ゲート電極が形成されることとなる。
【0060】
以上のようにして、シリコン酸化膜87からなる素子分離領域を形成することにより、素子分離を行う。
ここで、図10及び図11に示したような従来の技術によると、シリコン酸化膜7をエッチングすると、溝5の側面のシリコン基板1が露出してしまう。すると、図11に示したように、その後のゲート形成工程において、ゲート酸化膜13が溝5の側面に露出したシリコン基板1の表面にも形成されてしまう。これにより、前述したように様々な欠点が生じる。これに対し、本願発明によると、ストッパー膜としてドープト多結晶シリコン膜83が存在することから、シリコン基板81が露出しない。このため、従来の技術において生じていた欠点を解消することが可能となる。
【0061】
また、従来の技術によると、素子分離領域となるシリコン酸化膜7の形成後に、ゲート電極等の電極や配線がショートするといった問題が生じていた(図7参照)。これは、シリコン酸化膜7の上部が逆テーパー形状であることから生じていたものである。しかし、上述の通り、本願発明の第五の実施の形態によれば、素子分離領域となるシリコン酸化膜87は順テーパー形状である。このため、後の工程で形成される電極や配線がショートするといった従来の技術における問題は生じない。また、シリコン酸化膜7の上部を順テーパー形状にすべく、シリコン窒化膜3を逆テーパー形状にすると、シリコン酸化膜7を形成する際に、その中央上部に「す」といわれる空洞11が生じるといった問題が生じていた(図9参照)。しかし、上述の通り、本願発明の第五の実施の形態によれば、シリコン酸化膜87を形成する工程においては(図36参照)、シリコン窒化膜84が順テーパー形状であるため、シリコン酸化膜87の中央上部に「す」といわれる空洞が生じるといった問題もない。
【0062】
さらに、シリコン酸化膜85、シリコン窒化膜84及びドープト多結晶シリコン膜83並びにシリコン酸化膜82をエッチングする工程(図35参照)においても、上記すべての膜を垂直にエッチングするという難しい制御をする必要はない。シリコン酸化膜85及びドープト多結晶シリコン膜83並びにシリコン酸化膜82をほぼ垂直にしておけば、シリコン窒化膜84は順テーパー形状で十分であり、これは比較的容易な加工であるという利点がある。このため、シリコン窒化膜84に関しては、加工角度の揺らぎの許容範囲を大きくとれる利点がある。
【0063】
【発明の効果】
本願発明は、安定した絶縁膜の埋め込み及び配線加工を可能とした埋め込み素子分離法を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図2】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図3】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図4】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図5】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図6】従来の埋め込み素子分離法による素子分離における欠点を示した斜視図。
【図7】従来の埋め込み素子分離法による素子分離における欠点を示した斜視図。
【図8】従来の埋め込み素子分離法による素子分離における欠点を示した斜視図。
【図9】従来の埋め込み素子分離法による素子分離における欠点を示した斜視図。
【図10】従来の埋め込み素子分離法による素子分離の工程断面図。
【図11】従来の埋め込み素子分離法による素子分離における欠点を示した工程断面図。
【図12】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図13】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図14】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図15】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図16】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図17】本願発明の第一の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図18】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図19】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図20】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図21】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図22】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図23】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図24】本願発明の第二の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図25】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図26】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図27】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図28】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図29】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図30】本願発明の第三の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図31】本願発明の第四の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図32】本願発明の第四の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図33】本願発明の第四の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図34】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図35】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図36】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図37】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図38】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図39】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【図40】本願発明の第五の実施の形態にかかる素子分離法の工程断面図。
【符号の説明】
1・・・・シリコン基板
2・・・・シリコン酸化膜
3・・・・シリコン窒化膜
4・・・・シリコン酸化膜
5・・・・溝
6・・・・シリコン酸化膜
7・・・・シリコン酸化膜
8・・・・素子形成領域
9・・・・導電膜
10・・・・エッチング残り
11・・・・空洞
12・・・・エッチング残り
13・・・・ゲート酸化膜
14・・・・ゲート酸化膜13の角
21・・・・シリコン基板
22・・・・シリコン酸化膜
23・・・・シリコン窒化膜
24・・・・シリコン酸化膜
25・・・・溝
26・・・・シリコン酸化膜
27・・・・シリコン酸化膜
41・・・・シリコン基板
42・・・・シリコン酸化膜
43・・・・シリコン窒化膜
44・・・・シリコン酸化膜
45・・・・シリコン窒化膜
46・・・・溝
47・・・・シリコン酸化膜
61・・・・シリコン基板
62・・・・シリコン窒化膜
63・・・・ポリシリコン膜
64・・・・シリコン酸化膜
65・・・・溝
66・・・・シリコン酸化膜
67・・・・シリコン酸化膜
71・・・・シリコン酸化膜
81・・・・シリコン基板
82・・・・シリコン酸化膜
83・・・・ドープト多結晶シリコン膜
84・・・・シリコン窒化膜
85・・・・シリコン酸化膜
86・・・・溝
87・・・・シリコン酸化膜
88・・・・多結晶シリコン膜

Claims (5)

  1. 半導体基板の上面にストッパー膜を形成する工程と、
    前記ストッパー膜の断面形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、
    前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、
    全面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記ストッパー膜の上面より上方に形成されている前記絶縁膜を除去する工程と、
    前記ストッパー膜を除去する工程と、
    前記絶縁膜を熱処理して、前記絶縁膜の上部の形状を順テーパー状にする工程とを具備することを特徴とする素子分離方法。
  2. 半導体基板の上面に第一のストッパー膜を形成する工程と、
    前記第一のストッパー膜の上面に第二のストッパー膜を形成する工程と、
    前記第一のストッパー膜及び前記第二のストッパー膜の形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、
    前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、
    全面に絶縁膜を形成する工程と、
    前記第二のストッパー膜の上面より上方に形成されている前記絶縁膜を除去する工程と、
    前記第二のストッパー膜を除去する工程と、
    前記絶縁膜を等方性エッチングして、前記絶縁膜の上部の形状を順テーパー状にする工程とを具備することを特徴とする素子分離方法。
  3. 前記第一のストッパー膜がシリコン窒化膜であり、前記第二のストッパー膜がポリシリコン膜であることを特徴とする請求項2記載の素子分離方法。
  4. 半導体基板の上面に第一のストッパー膜を形成する工程と、
    前記第一のストッパー膜の上面に第二のストッパー膜を形成する工程と、
    前記第一のストッパー膜及び前記第二のストッパー膜の形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、
    前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、
    全面に第一の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第二のストッパー膜の上面より上方に形成されている前記第一の絶縁膜を除去する工程と、
    前記第二のストッパー膜を除去する工程と、
    全面に第二の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第二の絶縁膜を前記第一の絶縁膜の側面にのみ残し、前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜を合わせた形状が順テーパー状になるように前記第二の絶縁膜をエッチングする工程とを具備することを特徴とする素子分離方法。
  5. 半導体基板の上面に第一の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第一の絶縁膜の上面に第一の導電膜を形成する工程と、
    前記第一の導電膜の上面にストッパー膜を形成する工程と、
    前記ストッパー膜及び前記第一の導電膜並びに前記第一の絶縁膜の形状が順テーパー状になるようにエッチングして前記半導体基板の一部を露出させる工程と、
    前記半導体基板の露出した部分に溝を形成する工程と、
    全面に第二の絶縁膜を形成する工程と、
    前記ストッパー膜の上面より上方に形成されている前記第二の絶縁膜を除去する工程と、
    前記ストッパー膜を除去する工程と、
    前記第二の絶縁膜を等方性エッチングして、前記第二の絶縁膜の形状を順テーパー状にする工程と、
    全面に第二の導電膜を形成する工程と、
    前記第二の導電膜を所定の形状にエッチングする工程とを具備することを特徴とする素子分離方法。
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