JP3552889B2 - 回転型可変抵抗器およびこの回転型可変抵抗器の取付構造 - Google Patents

回転型可変抵抗器およびこの回転型可変抵抗器の取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転型可変抵抗器およびこの取付構造に係わり、特に操作者に帯電している静電気を確実に逃がすことができる回転型可変抵抗器およびこの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
来の回転型可変抵抗器は、図5に示すように下方部に金属製の取付板1が配設されている。この取付板1は図6に示すように、略中央部に絞り加工等によって支軸1aが突出形成され、該支軸1aの図示左側には一対の取付脚1b、1bが下方側に折り曲げ形成されている。また、図6に示す中心線Aと交わる取付板1の図示左側の端面の一部には、上方に折り曲げられた折り曲げ部1cが形成されている。
また、図5に示すように取付板1の上面には絶縁基板2が載置され、この絶縁基板2の表面には印刷等により略馬蹄形状の抵抗体パターン(図示せず)が形成されている。この抵抗体パターンの端部には、該抵抗体パターンに接続する複数の端子2bが、絶縁基板2の図示右側端面から下方に折り曲げ形成されている。
【0003】
また、絶縁基板2の上方には絶縁性の摺動子受け(図示せず)が配置され、該絶縁体には絶縁基板2の抵抗体パターンが対向する位置に、金属等から成る複数の摺動子片(図示せず)が取り付けられている。
この摺動子片の先端の接点部が前記抵抗体パターンに弾接して、前記摺動子片が抵抗体パターン上を摺動すると、抵抗値が変化するようになっている。
また、前記摺動子受けは回転体4に形成された凹部(図示せず)に、回り止めされて一体に取り付けられている。前記回転体4は外形が略円盤状に形成され、合成樹脂等から成り、その外周部4aにはローレット状の複数の凹凸が形成されている。
そして、図5に示すように、操作者が指等で回転体4を回転させようとしたときの滑り止めになるようになっている。
前記回転体4は、回転中心の貫通孔(図示せず)に取付板1の支軸1aを挿通し、この支軸1aの先端をカシメて、取付板1に対して回転可能に取り付けられている。
【0004】
このような構成の可変抵抗器を、オーディオ機器等の装置に取り付けるには、図5に示すように装置側のプリント基板5に可変抵抗器を取り付け、回転体4の外周部4aの一部を、キャビネット6の開口6aから外側に突出させて取り付けている。
このとき取付板1の取付脚1b、1bはプリント基板5のアース回路に(図示せず)に半田付けされて接地されている。
また、前記開口6aから突出している回転体4の外周部4aを、操作者の指等で回転させて、例えばオーディオ機器等の音量等を調整することができるようになっている。
【0005】
このような従来の可変抵抗器は小型化の要求が強く、絶縁基板2を小さくし、この小さな絶縁基板2上に、できるだけ大きな半径の抵抗体パターンを形成していた。
そのために、静電気が帯電している操作者の指を回転体4に近づけると、静電気がキャビネット6の開口6aから、前記抵抗体パターンに飛び込み易くなり、オーディオ機器等の装置側のICの静電破壊につながる危険性があった。
この対策として、従来の電気部品では前記装置側のキャビネット6に近い側の取付板1の端面の一部に形成した前記折り曲げ部1cにより、絶縁基板2の側面の一部を覆うようにしている。
そのためにキャビネット6の開口6aから飛び込んだ静電気は、折り曲げ部1cを通してプリント基板5のアースパターンに流れるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電気部品は、取付板1の材料歩留まり向上のために、折り曲げ部1cの幅を狭くしていた。そのためにキャビネット6の開口6aから飛び込む静電気を、折り曲げ部1cで確実にキャッチすることができないことがあり、静電気が絶縁基板2の抵抗体パターンに飛び込んで、オーディオ機器等の装置側のICが静電破壊する危険性があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明の回転型可変抵抗器は、導電性の基体と、該基体に載置され、上側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とを備え、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板面側にアースパターンを形成すると共に、前記信号線のパターンと前記アースパターンとのそれぞれに、前記絶縁基板に取り付けた端子を導通させた構成とした
【0008】
また、前記課題を解決するための第2の手段として本発明の回転型可変抵抗器の取付構造は、導電性の基体と、該基体に載置され、上面側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板の上面側に形成したアースパターンと、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とから成る回転型可変抵抗器と、前記回転体の一部を外部に突出する開口を有するキャビネットとを備え、前記アースパターンを前記キャビネットの開口近傍に近接させて配設した構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転型可変抵抗器を図1〜4を基にして説明する。
図1は本発明の回転型可変抵抗器の分解斜視図、図2は本発明の回転型可変抵抗器をオーディオ機器等の装置側に取り付けた状態の要部断面図。図3は本発明の回転型可変抵抗器に用いる絶縁基板の平面図と側面図、図4は本発明の回転型可変抵抗器の参考例としてのその他の形態に用いる絶縁基板の平面図と側面図である。
【0013】
まず、本発明の回転型可変抵抗器は、図1、図2に示すように、下方部にプレス加工等で形成された金属製の基体11が配置されている。この基体11の略中央部には、支軸11aが絞り加工等により上方側に突出形成されている。
基体11の一部には、取付脚11b、11bが切り起こし加工等により下方側に折り曲げ形成されている。また、基体11の端部にはストッパ部11cが上方側に折り曲げられて形成されている。
【0014】
基体11の上面にはエポキシ樹脂材料等から成る絶縁基板12が載置されている。図3に示すように絶縁基板12は、一方側が略半円形状に形成された外周端面12aと、他方側が直線状に形成されたパターン引き出し部12bとを有して、外形が略D状に形成されている。
また、絶縁基板12の略中央部には基体11の支軸11aが挿通される、貫通孔12cが形成されている。前記外周端面12aには凹部12dが形成され、該凹部12dに基体11のストッパ部11cが挿入されて、絶縁基板12の位置決めと回り止めがされるようになっている。
また、絶縁基板12の上方側の表面には、略馬蹄形状の抵抗体パターンと集電体パターンとから成る複数の信号線のパターン12eが印刷等により形成されている。
【0015】
また、信号線のパターン12eの外周側と絶縁基板12の外周端との間の絶縁基板12上に、略馬蹄型状のアースパターン12fが形成されている。
また、絶縁基板12のパターン引き出し部12b側には、前記信号線のパターン12e、及びアースパターン12fの端部が形成され、該それぞれの端部に導通して、ハトメ部を有する複数の端子12gがカシメ等により取り付けられている。
また、図1に示すように絶縁基板12の上方には樹脂材料等から成り、外周部に直線状の回り止め部13aを有する絶縁体13が配置されている。この絶縁体13の中心部には所定の孔径の貫通孔13bが形成されている。また、絶縁体13の下方側の面には、前記信号線のパターン上を摺動する、接点部を有する複数の摺動子片14が取り付けられている。
【0016】
このような絶縁体13は、絶縁基板12の上方側に配置される回転体15に取り付けられるようになっている。
この回転体15は前記絶縁体13と同種の材料から成り、回転中心には貫通孔15aが形成され、この貫通孔15aに前記基体11の支軸11aが挿通されるようになっている。
また、回転体15は図2に示すように下面側の回転中心近傍に、絶縁基板12の貫通孔12c周辺に当接する、略円形の当接部15bが下方側に突出形成されている。
回転体15の下面側には、所定の深さの凹部15cが形成され、該凹部15cに前記絶縁体13が嵌入されて、絶縁体13が回り止めされて取り付けられている。
【0017】
回転体15の下面側の外周寄りには、前記貫通孔15aを中心とする略円弧状のストッパ溝15dが所定の回転角度の範囲に形成されている。このストッパ溝15dに前記基体11のストッパ部11cが位置して、回転体15の回転角度を規制することができるようになっている。
回転体15の外周部15eにはローレット状の凹凸が形成されて、操作者の指等で回転体を操作するときの滑りどめになっている。
【0018】
前述のような本発明の回転型可変抵抗器の組立は、基体11の支軸11aに貫通孔12cを挿通し、ストッパ部11cに凹部12dを位置させて絶縁基板12を基体11に載置する。
次に、基体11のストッパ部11cに、摺動子片14を有する絶縁体13を取り付けた回転体15のストッパ溝15dを位置合わせし、前記支軸11aに貫通孔15aを挿通して、絶縁基板12上に回転体15を載置する。
そして、回転体15の貫通孔15aから上方に突出した支軸の先端を、図示しないカシメ治具でカシメると、本発明の回転型可変抵抗器が完成する。
【0019】
前述のように組立てられた本発明の回転型可変抵抗器を、例えばオーディオ機器等の装置に取り付ける取付構造は、図2に示すように、本発明の回転型可変抵抗器をリフロー半田付け等によりプリント基板16に取り付ける。すると、アースパターン12fは、端部にカシメられた端子12gにより、プリント基板16のアース回路(図示せず)に接地される。
次に、回転体15の外周部15eの一部を、装置側のキャビネット6の開口6aから外部に若干突出させ、前記アースパターン12fを前記キャビネット6の開口6a近傍に近接させて、本発明の回転型可変抵抗器を取り付けたプリント基板16をオーディオ機器等の装置側に取り付ける。
そして、操作者の指等で回転体15の外周部15eを回転操作して、例えばオーディオ機器等の音量等を調整することができる。
【0020】
本発明の回転型可変抵抗器の実施の形態の説明では、アースパターン12fの端部にハトメ状の端子12gをカシメて、この端子12gをプリント基板16のアース回路に接地したもので説明したが、その他の実施の形態の参考例として、絶縁基板12に、該絶縁基板12の上方側から下方側の裏面12hまで延びるスルーホール(図示せず)を形成し、該スルーホールを前記アースパターンに接続し、前記絶縁基板12の裏面12hまで延びた前記スルホールを金属製の基体11に当接して、アースパターン12fを基体11に接地したものでもよい。
【0021】
また、前記本発明のその他の実施の形態の変形例として、図4に示すように絶縁基板12の側面である外周端面12aに、金属メッキあるいは導電性インク等から成るアースパターン12jを形成し、該アースパターン12jを基体11の表面に当接して接地したものでもよい。このアースパターン12jは図4(b)に示すように、絶縁基板12の裏面12h側にも若干延ばして形成すれば、アースパターン12jを、より確実に基体11に接地することができる。
また、この変形例だと、絶縁基板12の凹部12dにもアースパターン12jが形成されるので、凹部12dに挿通される基体11のストッパ部11cからも接地することができ、更に確実で安定した接地が可能になる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の回転型可変抵抗器は、導電性の基体と、該基体に載置され、上側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とを備え、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板面側にアースパターンを形成すると共に、前記信号線のパターンと前記アースパターンとのそれぞれに、前記絶縁基板に取り付けた端子を導通させたので、オーディオ機器等の装置に取付けられた本発明の回転型可変抵抗器を操作する操作者の指に静電気が帯電していて、この静電気がキャビネットの開口から飛び込んだとしても、この静電気をアースパターンに確実に落として、プリント基板側のアース回路に逃がすことができる。
そのために、オーディオ機器等の装置側のICの静電破壊を未然に防止することができる、静電気対策が完全な電気部品を提供することができる。
また、前記アースパターンで静電気を逃がすことができ、従来の技術で説明したような基体の折り曲げ部が不要になるので、基体の材料歩留まりがよくなり、基体のコスト低減が可能になる。
【0023】
また、本発明の回転型可変抵抗器の取付構造は、導電性の基体と、該基体に載置され、上面側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板の上面側に形成したアースパターンと、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とから成る回転型可変抵抗器と、前記回転体の一部を外部に突出する開口を有するキャビネットとを備え、前記アースパターンを前記キャビネットの開口近傍に近接させて配設したので、キャビネットの開口から飛び込む静電気を、前記絶縁基板上のアースパターンに確実に落として、プリント基板のアース回路に逃がすことができる、静電気対策が完全な回転型可変抵抗器の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転型可変抵抗器の分解斜視図である。
【図2】本発明の回転型可変抵抗器を装置側に取り付けた要部断面図である。
【図3】本発明の回転型可変抵抗器に用いる絶縁基板の平面図と側面図である。
【図4】本発明の回転型可変抵抗器の参考例としてのその他の形態に用いる絶縁基板の平面図と側面図である。
【図5】従来の電気部品を装置側に取り付けた概略図である。
【図6】従来の電気部品に用いる取付板の斜視図である。

Claims (2)

  1. 導電性の基体と、該基体に載置され、上側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とを備え、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板面側にアースパターンを形成すると共に、前記信号線のパターンと前記アースパターンとのそれぞれに、前記絶縁基板に取り付けた端子を導通させたことを特徴とする回転型可変抵抗器
  2. 導電性の基体と、該基体に載置され、上面側に抵抗体パターンと集電体パターンとからなる印刷形成された信号線のパターンを有する絶縁基板と、前記信号線のパターン上を摺動する摺動子片と、前記信号線のパターンの外周側と前記絶縁基板の外周端との間の前記絶縁基板の上面側に形成したアースパターンと、前記基体に回転可能に軸支された回転操作される回転体とから成る回転型可変抵抗器と、前記回転体の一部を外部に突出する開口を有するキャビネットとを備え、前記アースパターンを前記キャビネットの開口近傍に近接させて配設したことを特徴とする回転型可変抵抗器の取付構造
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