JP3552402B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置に関するものであり、特に、少なくとも一部が重複する複数の図形により構成される集合図形の処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置は、図形データを処理する処理手段を有し、例えば、CRTディスプレイ,液晶ディスプレイ等の表示装置やシリアルプリンタ,ラインプリンタ等の記録装置に設けられて、図形データを各画素にドットを形成するか否かを表すドットデータに変換したり、あるいは画像送信装置に設けられて、図形データを他の装置へ送信するための送信用画像データを作成したりするものである。
【0003】
この画像処理装置により処理される画像が、複数の図形の集合により成ることがある。これら複数の図形の集合である図形群は、他の図形と重複しない独立の図形と、複数の図形が少なくとも一部において互いに重複する集合図形との少なくとも一方を含む。
集合図形が生ずる理由は様々であるが、例えば、四角形,三角形,円等、種々の図形を組合わせて任意の形状の図形を描く場合、あるいは輪郭線が曲線により規定される図形が処理の過程で複数の多角形の集合に置き換えられる場合、あるいはスキャナやイメージセンサ等による読取りによって得られる読取図形と、四角形,三角形等の描画図形とを合わせて図形を描く場合等に生ずる。
【0004】
図形は点図形,線図形,面図形,読取図形等に分類される。点図形は1画素から成る図形であり、読取図形は点図形の集合と考えることもできる。線図形には、直線,2個の規定点をつなぐ線分、3個以上の規定点の2個ずつをつなぐ線分の集合、3個以上の規定点で規定される曲線、曲線の両端が限られた有限曲線、曲線や有限曲線の集合等がある。面図形は、閉じた線図形に囲まれた面の図形であり、閉じた線図形を面図形の輪郭線と称する。3個以上の規定点により規定される面図形の代表的なものとして、2個ずつの規定点が線分でつながれるとともに線分同士が交差しない凸多角形や凹多角形があり、これらの輪郭線素である線分を特に辺と称する。面図形にはさらに、少なくとも2辺が交差する辺交差図形や、凸多角形,凹多角形,辺交差図形等の少なくとも1辺が有限曲線で置換された図形,曲線のみに囲まれた図形等がある。
【0005】
読取図形は、例えば、画像作成領域の一部に読取図形領域を設定し、その読取図形領域に読取図形を組み込む場合のように、読取図形領域全体を1つの面図形として扱うことが可能である。読取図形領域の形状は、矩形,矩形以外の凸多角形,凹多角形,円等、種々に設定することができる。また、読取図形を構成する多数の画素の各々を1つの点図形として処理することも可能である。このように、図形は、点図形,面図形,線図形および読取図形を含むのであるが、複数の図形が集合して図形群を構成する場合、その図形群の構成単位であるという意味で各図形を単位図形と称し、図形群を単位図形群と称する。
【0006】
単位図形のうちの面図形,線図形を表す単位図形データは、一般的には、複数の規定点の座標を表す座標データと直線,曲線の別や曲線の種類を表すデータとの組合せによって構成されるが、座標データのみ、あるいは直線と曲線との少なくとも一方を表すデータのみにより構成されることもある。例えば、輪郭線素が線分に決まっている場合には規定点の座標のみで単位図形を規定することができ、複数の直線や曲線の交点を規定点とする場合には、直線や曲線の式のみによって図形を規定することができる。
読取図形を表す単位図形データは、例えば、読取図形領域を規定する規定点の座標データ,読取図形を構成する多数の画素の各々の記録,表示データにより構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、集合図形においては複数の単位図形が少なくとも一部において互いに重複しているのであるが、この集合図形のデータが重複部分のデータを含んでいることが望ましくない場合がある。例えば、すべての面図形が輪郭線の内側が一色に塗り潰された状態で出力される場合には、複数の面図形の互いに重複する部分の一方のデータは無用であるにもかかわらず、画像データが互いに重複する部分のデータを共に包含している場合にはデータ量が無用に多くなる。なお、ここにおいて出力とは、表示あるいは記録のことである。そのために画像処理装置の画像データ記憶手段の記憶容量が不足して、画像データ全部(例えば1頁分のデータ)を記憶できない事態が発生するおそれがあり、これを回避するために画像データ記憶手段の記憶容量を大きくすれば、装置コストが高くなる。また、集合図形の出力時に同じ部分についてドットデータが2回作成されることとなって無駄であり、画像データが他の装置に送信される場合の送信時間が無駄に長くなる。
【0008】
さらに、複数の面図形が輪郭線の内側が互いに異なる色に塗り潰された状態で出力される場合には、互いに重複する部分のうち下側になる部分を規定するデータを除去することが必要になる場合が多い。2色が重なって出力されれば、混色によりいずれの色とも異なった色となり、それが望まれない場合が多いからである。2色が重なって出力される場合に、下側の色が上側の色によって完全に覆われる場合には、下側の部分を規定するデータを除去することは不可欠ではないが、記憶されたり送信されたりする画像データの総量を減少させる観点から、除去されることが望ましい。
【0009】
請求項1に係る第1発明は、以上の事情を背景として、集合図形の重複部分の少なくとも一部のものを自動的に除去することができ、かつ、集合図形を含む画像のデータ量を効果的に減少させることができる画像処理装置を得ることを課題としてなされたものであり、請求項2に係る第2発明の課題は、図形データ記憶手段の記憶容量の不足時に不重複新図形を作成し、記憶容量の不足を解消することができる画像処理装置を得ることであり、請求項3に係る第3発明の課題は、他の図形との重複のない2種類の不重複新図形を選択的に作成することができる画像処理装置を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
上記課題は、第1発明においては次のようにして解決される。複数の単位図形を含み、それら複数の単位図形の少なくとも一つが3個以上の規定点により、残りが2個以上の規定点によりそれぞれ規定されるとともに、その3個以上の規定点により規定される単位図形の少なくとも一つがその2個以上の規定点により規定される単位図形の少なくとも一つと、少なくとも一部において重複する集合図形を構成する単位図形群を処理する処理手段を含む画像処理装置において、処理手段を、(a)処理前の単位図形のデータを記憶する処理前図形データ記憶手段と、(b)その処理前図形データ記憶手段に記憶された単位図形データに基づいて、前記互いに重複する単位図形に関して、互いに重複する部分の一方を省略した不重複新図形のデータを作成する不重複新図形データ作成手段と、(c)その不重複新図形データ作成手段により作成された不重複新図形データを記憶する不重複新図形データ記憶手段とを含むものとし、かつ、前記不重複新図形データ作成手段を、前記少なくとも一部において互いに重複する2個の単位図形をそれぞれ規定する規定点の数の和が、それら2個の単位図形から作成される不重複新図形を規定する規定点の数より多い場合に、それら2個の単位図形から不重複新図形を作成し、多くない場合には作成しない規定点減少時不重複新図形データ作成手段を含むものとすることによって解決されるのである。
【0011】
本発明に係る装置によれば、例えば、集合図形を構成する複数の単位図形が面図形である場合、それら単位図形の各輪郭線素のうち、同じ集合図形を構成する他の単位図形の内側に位置する部分を除いた輪郭線素の集合により新しい輪郭線が規定される合体型の不重複新図形が得られる。合体型不重複新図形は、例えば、少なくとも一部が互いに重複する複数の単位図形の各々を規定する規定点のうち、それら単位図形の輪郭線素の他の単位図形の内側に位置する部分を規定する規定点を、それら単位図形の輪郭線素同士の交点で置換した規定点群により規定することができる。合体型不重複新図形が、集合図形を構成する複数の単位図形を規定する複数の直線や曲線の一部のものによって規定できる場合もある。
【0012】
本発明に係る装置によって得られる不重複新図形の別の一例は単位図形一部変更型不重複新図形である。この不重複新図形は、複数の単位図形の互いに重複する部分の一方を除く形状に変更された単位図形の集合である。その一例は、少なくとも一部が互いに重複する複数の単位図形のうちの一つについては形状が変更されず、他の単位図形が重複部分を除く形状に変更されたものである。一つの単位図形のある単位図形と重複する部分は形状が変更されず、別の単位図形と重複する部分は形状が変更されて、単位図形一部変更型不重複新図形が構成されてもよい。形状が変更される単位図形は、例えば、その単位図形を規定する規定点のうち、その単位図形の輪郭線素の他の単位図形の内側に位置する部分を規定する規定点を、その輪郭線素と他の単位図形の輪郭線素との交点で置換した規定点群により規定することができる。
単位図形一部変更型不重複新図形は、単位図形が面図形であっても線図形であっても作られる。互いに重複する複数の単位図形の1つが線図形の場合、線図形の構成線素は厳密には輪郭線素とは称し得ないが、実質的な取扱いは同じでよく、輪郭線素に含めることとする。単位図形が線図形であっても、例えば、輪郭線素の一部が面図形と重複するのであれば、面図形の内側に位置する部分が除かれた線図形に変更され、単位図形一部変更型不重複新図形を構成する。
互いに重複する複数の単位図形の1つが読取図形の場合、単位図形一部変更型不重複新図形が作られる。読取図形は、面図形や線図形とは異なり、多数の画素の各々について作成されたデータにより規定される特殊な図形であるからである。
上記いずれの場合においても、単位図形の全部が他の単位図形に含まれれば、単純に単位図形が1つ消去されることとなる。全部が他の単位図形に含まれる面図形や線図形については、それら図形を規定する全部の規定点が除かれるとともに、交点がないからであり、また、読取図形については、読取図形を構成する全部の画素について作成されたデータが消去されるからである。点図形についても、他の単位図形に含まれれば、その点図形が消去されることになる。
【0013】
不重複新図形データ作成手段が、2個の単位図形から作成した1個の不重複新図形を、処理前図形データ記憶手段とは別の不重複新図形データ記憶手段に格納し、必要があれば、不重複新図形データ記憶手段に記憶された不重複新図形データと処理前図形データ記憶手段に記憶された単位図形データとから新たな不重複新図形データを作成するものとすることも可能である。上記処理を繰り返せば、最後には1つの集合図形を構成するすべての単位図形から作成された不重複新図形のデータが不重複新図形データ記憶手段に記憶されることとなる。また、処理前図形データ記憶手段に記憶された処理前の単位図形データが独立図形データを含む場合に、その独立図形データがそのまま不重複新図形データ記憶手段に記憶されるようにすれば、最終的に、不重複新図形データ記憶手段に画像全体を表す画像データが記憶されることとなる。
【0014】
不重複新図形データ作成手段を、2個の単位図形から1個の不重複新図形を作成した場合に、それの不重複新図形データを元の2個の単位図形の単位図形データの代わりに処理前図形データ記憶手段に格納し、必要があれば、その1個の不重複新図形データを新たな単位図形データとして他の単位図形データとの間で新たな不重複新図形データを作成するものとすることもできる。最後にはすべての集合図形から作成された不重複新図形のデータが処理前図形データ記憶手段に記憶されることとなり、この場合には、処理前図形データ記憶手段が不重複新図形データ記憶手段を兼ねることとなる。また、処理前図形データ記憶手段が集合図形データのみならず独立図形データを含む画像全体を表す画像データを記憶する処理前画像データ記憶手段である場合には、それら独立図形データはそのまま処理前図形データ記憶手段に残されることとなるため、処理前図形データ記憶手段には処理後の画像全体を表す画像データが記憶されることとなり、処理前画像データ記憶手段としての処理前図形データ記憶手段が処理後画像データ記憶手段を兼ねることとなる。
【0015】
【0016】
【0017】
合体型不重複新図形あるいは単位図形一部変更型不重複新図形を規定する規定点の数は、少なくとも一部が互いに重複する単位図形の各規定点の和より増えることもあり、その場合、画像データの量が増加する。それに対し、規定点数が減る場合には不重複新図形データ作成手段を作動させ、減らない場合には作動させなければ、不重複新図形データの作成により確実に画像データの量を減少させることができる。それによって、記憶容量の比較的小さい画像データ記憶手段を用いることが可能となって装置コストが低減し、あるいは、重複部分のない不重複新図形のデータが作成されるため、画像データの送信時間,ドットデータの作成時間等が短縮される。
単位図形が読取図形であっても、面図形として扱うことができるのであれば、規定点減少時不重複新図形データ作成手段により、不重複新図形を作成することができる。
【0018】
不重複新図形データ作成手段が作動させられないために処理されない集合図形のデータが、不重複新図形のデータと共に不重複新図形データ記憶手段に記憶されるようにすることも、処理されないまま処理前図形データ記憶手段に残されるようにすることも可能である。後者の場合、不重複新図形データが処理前図形データ記憶手段に記憶されるようにすることも可能であり、処理前図形データ記憶手段が不重複新図形データ記憶手段を兼ねることとなる。
【0019】
第2発明に係る画像処理装置は、第1発明における前記処理前図形データ記憶手段の記憶容量が不足の場合に、前記規定点減少時不重複新図形データ作成手段を作動させ、その結果作成された不重複新図形データを処理前図形データ記憶手段にその不重複新図形データに対応する単位図形データに代えて記憶させる記憶容量不足対処手段を含むものとされる。
処理前図形データ記憶手段は、必ず記憶容量が不足するとは限らず、全部の単位図形データを記憶させることができるのであれば、不重複新図形データの作成は省略される。不重複新図形データの作成が省略されれば、その分、単位図形データの処理前図形データ記憶手段への格納に要する時間が短縮される。
全部の単位図形データを記憶させることができない場合、規定点減少時不重複新図形データ作成手段が作動させられて不重複新図形データが作成され、規定点の減少によりデータ量が減少し、全部の単位図形データを処理前図形データ記憶手段に記憶させることが可能になる。
処理前図形データ記憶手段の記憶容量が不足するとき、既に処理前図形データ記憶手段に記憶されている全部の単位図形データに基づいて不重複新図形データが作成されるようにしてもよく、あるいは一部の単位図形データに基づいて不重複新図形データが作成されるようにしてもよい。後者の場合、1回の不重複新図形データ作成処理後もなお記憶容量が不足する場合、別の部分の単位図形データに基づいて不重複新図形データが作成され、それが、全部の単位図形データが記憶されるまで繰り返される。なお、記憶容量の不足分が予めわかる場合には、その記憶容量の不足分に応じて、処理されるべき単位図形データの量が設定されるようにしてもよい。
本発明に係る画像処理装置においては、処理前の単位図形データおよび不重複新図形データがいずれも処理前図形データ記憶手段に記憶され、処理前図形データ記憶手段が不重複新図形データ記憶手段を兼ねる。
【0020】
【0021】
第3発明においては、前記課題が、第1発明または第2発明における前記処理前図形データ記憶手段を、前記複数の単位図形のデータを、それら単位図形間の優先順位を判別可能な状態で記憶するものとし、かつ、前記不重複新図形データ作成手段を、(A)前記複数の単位図形の2個が互いに重複する際に、優先順位が上である単位図形の単位図形データは変更せず、優先順位が下である単位図形の単位図形データは優先順位が上である単位図形と重複しない部分の部分図形データに変更する優先順位対応不重複新図形データ作成手段と、(B)前記不重複新図形の輪郭線を規定する輪郭線データを作成する輪郭線データ作成手段と、(C)それら優先順位対応不重複新図形データ作成手段と輪郭線データ作成手段とを選択的に作動させる不重複新図形作成形態選択手段とを含むものとすることにより解決される。
この態様の装置において、優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させれば、単位図形一部変更型不重複新図形のデータを作成することができ、輪郭線データ作成手段を作動させれば、合体型不重複新図形のデータを作成することができる。2つのデータ作成手段の選択的な作動により、場合に応じた不重複新図形を得ることができる。
【0022】
第4発明においては、第3発明における前記不重複新図形作成形態選択手段が、前記少なくとも一部が重複する2個の単位図形の色が異なる場合には前記優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させ、色が同じである場合には前記輪郭線データ作成手段を作動させる色対応不重複新図形作成形態選択手段を含むものとされる。
「色が同じ」とは、図形がカラー図形であれば、色相および濃度が同じであることであり、白黒図形であれば濃度が同じであることである。色が同じであれば、少なくとも一部が重複する2個の単位図形を1つの図形として扱うことが可能であり、輪郭線データ作成手段を作動させ、輪郭線データを作成させて差し支えない。
色が異なり、優先順位が定められている2つの単位図形の少なくとも一部が重複する場合には、優先順位が低い方の単位図形は重複部分が隠されてしまい、重複部分のデータは不要である。しかし、優先順位が上である変更されない単位図形と優先順位が下である単位図形の部分図形とを1個の図形として扱うことはできないため、優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させるのである。
1頁,1文書等、予め定められた単位の画像を形成する図形の全部の色が同じであるとき、不重複新図形作成形態選択手段は、単位毎に不重複新図形作成形態を選択し、上記単位中の複数の図形が色相と濃度との少なくとも一方を異にする場合には、図形毎に不重複新図形作成形態を選択することとなる。
【0023】
第5発明においては、第3発明または第4発明における前記不重複新図形作成形態選択手段が、前記少なくとも一部が重複する単位図形の一方が線図形あるいは読取図形の場合には前記優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させる図形種類対応不重複新図形作成形態選択手段を含むものとされる。
読取図形は、前述のように特殊な図形であるため、優先順位対応不重複新図形データ作成手段の作動により、読取図形自身あるいは読取図形と重複する単位図形が単位図形一部変更型不重複新図形に変更される。また、線図形は、一部が面図形や読取図形と重複する場合でも合体させることが不適当ないし不可能であるため、優先順位対応不重複新図形データ作成手段が作動させられ、線図形が単位図形一部変更型不重複新図形に変更される。
【0024】
本発明は、前記請求項1ないし5に記載の態様の他に、下記の態様でも実施可能である。実施の態様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記載する。
(1)前記不重複新図形データ記憶手段に記憶された不重複新図形データに基づいて、画素毎にドットを形成するか否かにより図形を出力する出力装置に不重複新図形を出力するためのドットデータを作成するドットデータ作成手段を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
この装置においては、不重複新図形データに基づいてドットデータが作成されるのであるが、重複部の消滅あるいは減少により迅速なドットデータの作成が可能となる。
(2)前記不重複新図形データ作成手段が、前記複数の単位図形の各2個について、それら 各2個の各々に外接する外接矩形同士が少なくとも一部において重複するか否かにより、それら各2個が重複する可能性があるか否かを判定する重複可能性判定手段と、その重複可能性判定手段により重複の可能性があると判定された各2個の単位図形について、単位図形そのものの重複を検出する外接矩形重複時重複図形検出手段とを含む請求項1ないし5,実施態様項1のいずれか1つに記載の画像処理装置。
ここにおいて重複とは、一方の外接矩形の一部が他方の外接矩形に含まれる場合、全部が含まれる場合、丁度重なり合う場合を含む。
単位図形が読取図形の場合、その読取図形について矩形の読取図形領域が設定されるのであれば、その読取図形領域を外接矩形とみなして、他の単位図形の外接矩形との重複を検出することができる。
少なくとも一部が重複する単位図形の外接矩形同士は必ず少なくとも一部において重複するのに対し、互いに重複しない2個の単位図形の外接矩形同士は重複しないことが多い。そのため、まず、外接矩形同士の少なくとも一部が重複しているか否かを調べれば、外接矩形が離れていて互いに重複する可能性のない単位図形を、単位図形同士の重複判定から外すことができる。外接矩形は、単位図形を規定する座標平面上においてX軸に平行な2辺と、Y軸に平行な2辺とを有し、例えば、X座標値およびY座標値が最大である点と、最小である点とにより規定し得る特殊な四角形である。そのため、発明の実施の形態の項において説明するように、2つの外接矩形が重複するか否かの判定は、2つの単位図形が重複するか否かの判定よりはるかに容易に行うことができ、複数の単位図形のうち、重複の可能性がない単位図形を簡単に除くことができる。残りの単位図形の中には、外接矩形が重複していても交差しない単位図形があるが、僅かであり、重複を検出すべき単位図形が少なくて済み、重複する単位図形を迅速に検出することができる。
(3)前記処理手段によって一度に処理される単位図形の数が予め設定されている請求項1ないし5,実施態様項1,2のいずれか1つに記載の画像処理装置。
「処理手段によって一度に処理される単位図形の数」は、処理手段によって一度に処理されるべき単位図形の総数によって規定されても、1個の不重複新図形を構成する単位図形の数によって規定されても、互いに直接あるいは間接に連なった一連の単位図形の数によって規定されてもよい。
処理手段によって一度に処理される単位図形の数が設定されていなければ、例えば、1個の不重複新図形が多数の単位図形から構成されてそれの不重複新図形データの量が多くなり、その不重複新図形と、他の単位図形との重複の検出に要する時間が不当に長くなる等の問題が生じる恐れがあるが、一度に処理される単位図形の数が設定されていれば、1個の不重複新図形のデータ量が多くなり過ぎることはなく、処理時間が不当に長くなることが回避される。
(4)前記不重複新図形データ作成手段が、前記複数の単位図形のうち、少なくとも一部が重複する重複単位図形を検出する重複単位図形検出手段を含む請求項1ないし5,実施態様項1ないし3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
この装置においては、重複単位図形検出手段により検出された重複単位図形について不重複新図形のデータの作成処理が行われる。
(5)前記重複単位図形検出手段が、前記複数の単位図形の各2個について、一方の単位図形を規定する2個ずつの規定点により規定される有限線と、他方の単位図形を規定する2個ずつの規定点により規定される有限線との交点を検出する交点検出手段を含む実施態様項4に記載の画像処理装置。
ここにおいて「有限線」は、有限直線である線分と有限曲線とを含む。
単位図形が読取図形の場合、その読取図形について読取図形領域が設定されるのであれば、その読取図形領域を確定する輪郭線を有限線として他の単位図形との交点を検出することができる。
(6)前記不重複新図形データ作成手段が、前記不重複新図形の輪郭線を規定する輪郭線データを作成する輪郭線データ作成手段を含む請求項1ないし5,実施態様項1ないし5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
輪郭線データ作成手段は、少なくとも一部が重複する複数の単位図形の各輪郭線素から、他の単位図形の内側に位置する部分を除いた輪郭線素をつないで成る輪郭線を規定する輪郭線データを作成する。輪郭線データは、一般的には、複数の規定点の座標を表す座標データと直線,曲線の別や曲線の種類を表すデータとの組合せによって構成されるが、座標データのみ、あるいは直線と曲線との少なくとも一方を表すデータのみにより構成されることもある。
輪郭線データは規定点が減少する場合にのみ作成されるようにしてもよく、あるいは規定点が減少しない場合にも作成されるようにしてもよい。後者の場合、例えば、輪郭線データに基づいてドットデータが作成され、図形が出力装置に出力される場合、ドットデータへの変換に要する時間が短縮される。不重複新図形の輪郭線データが作成されない場合には、単位図形毎に単位図形データに基づいてドットデータが作成されることとなるが、この場合はドットデータの作成に使用される輪郭線素の数が、不重複新図形の輪郭線データが作成されたと仮定した場合に比較して多くなり、ドットデータの作成に要する時間が長くなるのに対し、規定点が減少しない場合にも不重複新図形の輪郭線データが作成されるようにすれば、ドットデータ作成に要する時間の短縮量が輪郭線データの作成に要する時間より多くなり、結果として出力が迅速に行われることとなるのである。
(7)前記処理前図形データ記憶手段が、前記複数の単位図形のデータを、それら単位図形間の優先順位を判別可能な状態で記憶するものであり、前記不重複新図形データ作成手段が、前記複数の単位図形の2個が互いに重複する際に、優先順位が上である単位図形の単位図形データは変更せず、優先順位が下である単位図形の単位図形データは優先順位が上である単位図形と重複しない部分の部分図形データに変更する優先順位対応不重複新図形データ作成手段を含む請求項1ないし5,実施態様項1ないし6のいずれか1つに記載の画像処理装置。
少なくとも一部が重複する2個の単位図形の優先順位は、例えば、単位図形データがポストスクリプト言語により作成される場合には、単位図形データの処理前図形データ記憶手段への格納順によって判定可能である。後に格納される単位図形データほど優先順位が上と判定されるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるインクジェットプリンタの画像処理装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すインクジェットプリンタ8は、箱状を成し、一部が開閉可能なカバー10を有している。カバー10内にはフレーム12が設けられており、フレーム12には、ゴム製のプラテン14,キャリッジ16,キャリッジ駆動装置18およびインク噴射装置20が設けられている。
特許庁へは全文補正明細書を提出致しますが、以下には実質的な補正個所はありませんので、お送り申し上げません。
【0026】
プラテン14の軸21は、フレーム12を構成する一対の側壁板22,24により両端部を回転可能に支持されるとともに、一方の側壁板24からの突出端部にプラテンギヤ26が取り付けられている。側壁板24には、図2に示すように、小径の第一ギヤ28および大径の第二ギヤ30を有する複合ギヤ32が回転可能に取り付けられており、第一ギヤ28はプラテンギヤ26に噛み合わされ、第二ギヤ30はフィードモータ34の出力軸に固定の駆動ギヤ36に噛み合わされている。したがって、フィードモータ34が所定方向に回転させられ、駆動ギヤ36が回転させられれば、複合ギヤ32,プラテンギヤ26が回転させられ、プラテン14が回転させられて記録媒体たる記録用紙38(図1参照)が送られる。
【0027】
前記プラテン14の前側には、図1に示すように、前記側壁板22と、前記フレーム12を構成する別の側壁板44とによって両端部を支持されたガイドロッド46がプラテン14の回転軸線と平行に配設されている。フレーム12にはまた、ガイドロッド46と平行なガイドレール48が設けられており、前記キャリッジ16はガイドロッド46に摺動可能に嵌合されるとともに、ガイドレール48により移動可能に支持されている。
【0028】
前記フレーム12のキャリッジ移動領域(側壁板22と側壁板44との間の領域)の一端には、駆動プーリ50が回転可能に取り付けられ、他端に従動プーリ52が回転可能に取り付けられるとともに、それらプーリ50,52に無端のタイミングベルト54が巻き掛けられている。タイミングベルト54はキャリッジ16の下端部に連結されており、駆動プーリ50がキャリッジ駆動モータ56によって回転駆動されることにより、キャリッジ16がガイドロッド46,ガイドレール48に案内されてプラテン14の回転軸線と平行な方向に往復移動させられる。駆動プーリ50,従動プーリ52,キャリッジ駆動モータ56等がキャリッジ駆動装置18を構成しているのである。
【0029】
インク噴射装置20を説明する。
キャリッジ16上には、上方および前方(プラテン14とは反対側の方)が開放された箱状のヘッドホルダ60が取り付けられている。このヘッドホルダ60の後部、すなわちプラテン14側の端部に設けられた立壁部62には、図2に示すように、インク噴射用の4つの記録ヘッド、すなわちC(シアン)のインクを噴射する記録ヘッド64,M(マゼンタ)のインクを噴射する記録ヘッド66,Y(イエロー)のインクを噴射する記録ヘッド68,K(ブラック)のインクを噴射する記録ヘッド70がキャリッジ16の移動方向に平行な1列に並んで設けられている。
【0030】
これら記録ヘッド64〜70にはそれぞれ、インクを噴射する複数の噴射ノズル(図示省略)、複数の噴射ノズルに対応する複数のインク供給通路(図示省略)が形成されるとともに、インク供給通路にはインク噴射のための圧電素子が設けられている。記録ヘッド64〜70にはまた、連結筒部72,74,76,78が一体的に設けられるとともに、立壁部62を貫通し、立壁部62から前方へ突出させられている。
【0031】
ヘッドホルダ60上には、C(シアン)のインクを収容したインクカートリッジ80、M(マゼンタ)のインクを収容したインクカートリッジ82、Y(イエロー)のインクを収容したインクカートリッジ84、およびK(ブラック)のインクを収容したインクカートリッジ86がそれぞれ、各インクカートリッジに収容された色のインクを噴射する記録ヘッドと対応する位置に着脱可能に取り付けられている。前記連結筒部72〜78の立壁部62からの突出端部が、インクカートリッジ80〜86に形成された図示しないインク供給口に挿通され、インクカートリッジに内装されているインク吸収体に接触させられる。それによりインクカートリッジ80〜86の各インクが連結筒部72〜78を介して記録ヘッド64〜70の複数のインク供給通路にそれぞれ供給され、圧電素子が記録ヘッド64〜70毎に駆動されることにより、記録ヘッド64〜70の噴射ノズルから4色のインクが噴射されて、記録用紙38にフルカラーで画像が記録される。
【0032】
本インクジェットプリンタ8は、図3に示す制御装置90により制御される。制御装置90は、CPU92と、プログラマブル・ペリフェラル・インタフェース(PPI)である周辺入出力インタフェース94(図にはPPI94として示されている)とを備えた1チップCPUにより構成される第一制御部96と、同様にCPU98および周辺入出力インタフェース99(図にはPPI99として示されている)を備えた1チップCPUにより構成される第二制御部101を備えている。
【0033】
第一制御部96には、ROM100,RAM102および第二制御部101と共用の中間データバッファ106がバス104によって接続されている。RAM102には、図4(a)に示すように、データ処理用の処理バッファ108,画像データメモリ110,ドットデータを記憶するドットデータメモリ112等、記録に必要な種々のメモリやバッファが設けられている。処理バッファ108には、図4(b)に示すように、未処理領域140,処理済領域142,不重複新図形データ格納領域144,不重複部分図形データ格納領域146,交差フラグ148,線・面フラグ150,カウンタ152等が設けられている。また、ROM100には、図9にフローチャートで示す図形処理ルーチン,図10にフローチャートで示すデータ量減少処理ルーチン,図11にフローチャートで示す単位図形交差判定ルーチンを始めとし、画像の記録に必要な種々のプログラムが格納されている。
【0034】
バス104にはまた、印字制御回路116が接続されている。印字制御回路116はハードロジック回路により構成されており、記録ヘッド64〜70の各々に設けられた複数の圧電素子を駆動するためのヘッド駆動回路118に噴射駆動信号を出力する。なお、ヘッド駆動回路118は、図3には1つのみ示されているが、実際には記録ヘッド64〜70の各々について設けられている。
【0035】
周辺入出力インタフェース94には、キャリッジ駆動モータ56を駆動するためのキャリッジ駆動回路120と、フィードモータ34を駆動するための駆動回路122と、電源スイッチや各種のスイッチおよび表示ランプ等が設けられた操作パネル124等がそれぞれ接続されている。
【0036】
第二制御部101のCPU98には、図3に示すように、バス130によって前記中間データバッファ106が接続されるとともに、ROM132,RAM134が接続されている。RAM134には受信バッファ136が設けられており、PPI99には、ホストコンピュータなどの外部電子機器126から送信される画像データを受信可能な通信用インタフェース128が接続されている。
【0037】
外部電子機器126から送信される画像データがカラー画像データの場合、4つの記録ヘッド64〜70によりインクが噴射され、シアン,マゼンタ,イエローおよびブラックが混色されてカラー画像が記録される。カラー画像の記録にあたっては、アンダカラーリムーバル(UCR)処理が行われる。シアン,マゼンタ,イエローには、所謂アクロマチック(無彩色)成分が共通して含まれており、その共通部分についてはブラックに置き換えることが可能である。そのため、画像データに含まれる画素毎のシアン,マゼンタおよびイエローの3色の各濃度のデータに基づいて、シアン,マゼンタおよびイエローの3色中の最低濃度について、予め設定された黒濃度パターンに従ってブラックの濃度が設定され、3色の各濃度からそのブラックの濃度が減算され、シアン,マゼンタおよびイエローの最終的な濃度が求められる。このアンダカラーリムーバル処理により、記録画像のコントラストが向上し、特にシャドー部の濃度を十分に表現することができるとともに、シアン,マゼンタおよびイエローのインクを節約し、かつべた付きを防止することができる。
【0038】
ホストコンピュータ等の外部電子機器126から供給された画像データは、受信バッファ136に格納される。画像データは、本実施形態においてはポストスクリプト言語を用いて作成されており、面図形,線図形および読取図形をそれぞれ表す3種類の図形データが供給される。
面図形は、凹多角形,凸多角形,辺が互いに交差する辺交差多角形,輪郭線がベジエ曲線により規定される図形,円等、種々の形状を有し、面積を有するとともに、輪郭線により規定される閉空間全体が一色で塗り潰される図形である。面図形の場合、図形データは、各面図形の輪郭線を規定するデータ(例えば、多角形であれば複数の規定点の各座標データ、円であれば半径および中心位置のデータ)、色データ(シアン,マゼンタ,イエロー,黒の各濃度データ)等を含む。
線図形は、本実施形態では、有限直線,有限曲線あるいは有限直線および有限曲線が組み合わされて成り、図形データは、各線を規定するデータ(例えば、直線あるいは曲線を規定する複数の規定点の座標データ,あるいは直線あるいは曲線を規定する式等)、色データ等を含む。線図形は、面図形の輪郭線ではない開いた線図形であるとする。
読取図形は、スキャナやイメージセンサを用いた原画の読取りにより得られ、画像作成領域内に設定された読取図形領域に組み込まれる。そのため、読取図形の場合、読取図形領域を規定するデータ,読取図形領域内の多数の画素毎に設定された色データを含む。本実施形態では、読取図形領域は、X軸に平行な2辺およびY軸に平行な2辺を有する矩形であり、読取図形領域を規定するデータは、2個の矩形規定点、すなわちX座標値,Y座標値が最大である点と、X座標値,Y座標値が最小である点の各座標データを含む。
なお、図形が面図形,線図形および読取図形のいずれであるかは、図形データの送信時に送られる面図形であることを指示するコマンド,線図形であることを指示するコマンド,読取図形であることを指示するコマンドからわかる。
【0039】
また、ポストスクリプト言語を用いて図形データが作成される場合、多数の図形データのうち、後に作成された図形データにより表される図形が優先して記録される。複数の図形が少なくとも一部において重複するとき、後で作られた図形データにより表される図形が先に作られた図形データにより表される図形の上に記録され、先に作られた図形データにより表される図形のうち、後で作られた図形データにより表される図形と重複する部分は記録されないのである。
【0040】
なお、文字を表す図形データは、文字を規定する規定点の座標データの集合により構成され、凹多角形,凸多角形と同様に処理され、凹多角形の場合は凸多角形に分割されて処理される。
【0041】
画像データの受信後、凹多角形は複数の凸多角形に分割され、円は凸多角形に変換され、ベジエ曲線により規定される図形は複数の凸多角形から成る図形に置き換えられ、曲線は直線に変換される。これらの変換処理は、第二制御部101においてROM132に格納された変換処理プログラムに従って行われるが、この変換処理は既に知られた処理であり、凹多角形の凸多角形への変換および辺交差多角形の凸多角形への変換を簡単に説明する。
【0042】
例えば、図5(a)に示す凹多角形158は、図5(b)に示すように複数の凸多角形160に分割される。分割は、凹多角形158の規定点を一定の方向、すなわち規定点の座標が格納されている順にたどり、Y座標値が増大から減少に転ずる極大点、減少から増大に転ずる極小点を検出する。そして、これら極大点,極小点において交差する2辺が成す内角が180度より大きければ、その点を通り、X軸に平行な分割線で凹多角形158を分割する。このような点がなければ、凹多角形158の規定点を一定の方向にたどり、X座標値について極大点、極小点を検出し、内角が180度より大きい点を通り、Y軸に平行な分割線で分割する。この分割は、凹多角形がなくなるまで繰り返し実行される。
同様にして、図6(a)に示す凹多角形162は図6(b)に示す凸多角形164に分割される。
また、図7(a)に示す辺交差多角形166については、辺の交点が求められ、その交点を通り、辺交差多角形166を構成するいずれの辺とも交差しない分割線において分割され、図7(b)に示す凸多角形168が得られる。
【0043】
画像データの受信後、第二制御部101においてROM132に格納された中間データ作成プログラムに従って中間データが作成され、中間データバッファ106に格納される。凹多角形,辺交差多角形,曲線等、凸多角形や直線への変換処理が必要な図形については、それらの変換処理により得られた凸多角形や直線について中間データが作成される。
【0044】
中間データは、図8(a)に示す五角形172を例に取れば、図8(b)に示すように、図形が面図形であることを表すフラグ,五角形172を規定する規定点数,五角形172に外接し、X軸に平行な2辺とY軸に平行な2辺とを有する外接矩形174を規定する2点、すなわちX座標値およびY座標値がいずれも最大である点およびいずれも最小である点の座標データ,五角形172を規定する規定点の座標データおよび色データを含む。五角形172を規定する規定点の座標データは、図形の輪郭線を一方向(本実施形態においては時計方向)にたどる順に格納される。
線図形についても同様に、線図形であることを表すフラグ,線図形を規定する規定点数,線図形に外接する外接矩形を規定する2点の座標データ,線図形を規定する規定点の座標データおよび色データを含む。図30(a)に示す線図形260を例に取れば、図30(b)に示すように中間データが作成される。なお、線図形が複数の有限線の集合により構成される場合でも、1色で描かれるものとする。262は、線図形260について設定された外接矩形である。
読取図形について設定される中間データは、読取図形であることを表すフラグ,矩形の読取図形領域を規定する2点の座標データ,読取図形領域内の多数の画素毎に設定された色データを含む。
【0045】
次に、図9に示す図形処理ルーチンに基づいて中間データバッファ106に格納された中間データの処理を説明する。なお、本実施形態においては、読取図形が面図形,線図形および別の読取図形と重複することはないものとする。
図形処理ルーチンのステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において中間データバッファ106に中間データが格納されているか否かが判定される。中間データが格納されていればS1の判定結果がYESになってS2が実行され、中間データが読取図形を表すデータであるか否かが判定される。この判定は、中間データの作成時にセットされたフラグが面図形,線図形,読取図形のいずれを表すフラグであるかに基づいて行われ、読取図形でなければS2の判定結果がNOになり、S3が実行されて線・面フラグ150がセットされる。格納された中間データが面図形あるいは線図形について作成されたデータであることが記憶されるのである。
【0046】
次いでS4が実行され、中間データが1つ、中間データバッファ106から取り出されて処理バッファ108の未処理領域140に格納される。次いでS5が実行され、カウンタ152のカウント値nが1増加させられた後、S6において未処理領域140に中間データがN個格納されたか否かが判定される。この判定結果は当初はNOであり、ルーチンの実行はS1に戻る。
【0047】
処理バッファ108の未処理領域140に中間データがN個格納されればS6の判定はYESになり、S7においてカウント値nが0にセットされた後、S8が実行され、図10に示すデータ量減少処理ルーチンに従ってデータ量の減少処理が行われる。ここでは、処理バッファ108に8個の中間データが格納されたときにデータ減少処理が行われるとし、図12に示す8個の単位図形U1 〜U8 により構成される単位図形群176を例に取り、データ量の減少処理を説明する。なお、「単位図形」は複数の図形の集合を構成する一つの図形の呼称であり、面図形,線図形および読取図形が含まれる。
【0048】
データ量減少処理ルーチンにおいては、まず、S101が実行され、処理バッファ108の未処理領域140に格納された中間データのうち、先頭の2つの中間データによりそれぞれ表される単位図形(ここではU1 およびU2 )について設定された外接矩形が離れているか否かが判定される。
【0049】
外接矩形はX軸に平行な2辺とY軸に平行な2辺とを有する矩形であり、2つの外接矩形が少なくとも一部において重なっていれば、一方の外接矩形のX座標値の最大値および最小値の少なくとも一方が、他方の外接矩形のX座標値の最小値と最大値との間にあり、あるいは値が2個共に一致し、かつ、一方の外接矩形のY座標値の最大値および最小値の少なくとも一方が、他方の外接矩形のY座標値の最小値と最大値との間にあり、あるいは値が2個共に一致することとなる。
【0050】
例えば、図13に示すように、2つの外接矩形180,182が一部において重なっていれば、一方の外接矩形180を規定するX座標値x2 が、他方の外接矩形182を規定する2つのX座標値x3 ,x4 の間にあり、Y座標値y2 が2つのY座標値y3 ,y4 の間にあるのである。したがって、2つの外接矩形のうちの一方(ここでは、2つの中間データのうち、先に格納された中間データにより規定される外接矩形)を規定する2個の規定点の各X座標値,Y座標値のそれぞれについて、X座標値が他方の外接矩形(2つの中間データのうち、後に格納された中間データにより規定される外接矩形)を規定する2個の規定点の各X座標値の間の値であるかを調べ、Y座標値が他方の外接矩形を規定する2個の規定点の各Y座標値の間の値であるかを調べることにより、2つの外接矩形が交差しているか否か、すなわち離間しているか否かがわかる。
【0051】
なお、4つの辺のうちの1つを共有した状態で2つの外接矩形が隣接している場合等、一方の外接矩形を規定する規定点のX座標値が他方の外接矩形を規定する2つのX座標値の一方と一致する場合がある。このような場合、例えば、X座標値の並び順を調べ、一方の外接矩形の2つのX座標値のうち、他方の外接矩形のX座標値と一致しない方のX座標値と、他方の外接矩形の2つのX座標値のうち、一方の外接矩形のX座標値と一致しない方のX座標値とが、一致するX座標値を挟んで大きい側と小さい側とに位置する場合は、2つの外接矩形が重複しておらず、離れていると判定することができる。Y座標値が一致する場合も同じである。また、2つの外接矩形の大きさが同じであり、同じ位置にあって、完全に重複している場合、2個の規定点の座標値が一致することから外接矩形の一致がわかる。さらに、2つの外接矩形のうち、一方が他方に含まれている場合もあり、これは、内包される外接矩形の2つずつのX座標値,Y座標値が、外側の外接矩形の2つずつのX座標値,Y座標値の間に位置することからわかる。これも重複の一種である。
【0052】
2つの外接矩形が離れていればS101の判定結果はYESになってS116が実行され、未処理領域140に格納された先頭の中間データが処理済領域142に移される。
【0053】
図14に示すように、単位図形U1 ,U2 の各外接矩形184,186は交差しているため、S101の判定結果はNOになってS102が実行され、単位図形U1 ,U2 が交差しているか否かの判定が行われる。この判定は、図11に示す単位図形交差判定ルーチンに従って行われる。まず、S201において、2つの単位図形のうち、1番目の単位図形、すなわち未処理領域140に先に格納された中間データにより規定される単位図形(ここでは単位図形U1 )の辺を指定する辺指定値iが1にセットされるとともに、交差フラグ148がリセットされる。
【0054】
次いで、S202において2番目の単位図形、すなわち未処理領域140に後に格納された中間データにより規定される単位図形(ここでは単位図形U2 )の辺を指定する辺指定値jが1にセットされる。辺とは、面図形については2個の規定点により規定される輪郭線素である。線図形の場合、辺ではなく、線分であるが、単位図形交差判定ルーチンでは、説明の都合上、辺と呼び、辺の指定とは線分の指定を意味する。辺指定値は、辺を規定する2個の規定点のうち、座標データが先に格納された規定点を指定し、それにより、辺指定値により指定された規定点と、次に格納された規定点とにより規定される辺を指定する値である。
【0055】
次いでS203が実行され、辺指定値iにより指定される辺と辺指定値jにより指定される辺とが交差しているか否かが判定される。なお、ここにおいて交差とは、2つの辺の少なくとも一部が重複している場合を含む。
2つの辺が交差しているか否かは、種々の手法によって判定することができる。例えば、杉原厚吉著「計算幾何工学」(培風館発行)に記載されているように、一方の辺を規定する2個の規定点を通る無端の直線に対して他方の辺を規定する2個の規定点が互いに反対側に位置し、かつ、他方の辺を規定する2個の規定点を通る無端の直線に対して一方の辺を規定する2個の規定点が互いに反対側に位置する場合に交差すると判定することができる。また、4つの規定点の一直線上での並び順を調べることにより、重複の有無がわかる。
走査線を使用し、2つの辺が位置する平面を走査する平面走査法によっても交差の有無を判定することもできる。
【0056】
2つの辺が交差していなければS204の判定結果はNOになってS205が実行され、2番目の単位図形が線であるか否かが判定される。単位図形U2 は線ではないためS205の判定結果はNOになってS206が実行され、辺指定値jが2番目の単位図形の全部の辺の数(規定点の数に等しい)Bnに等しいか否かが判定される。1番目の単位図形のi番目の辺と、2番目の単位図形の全部の辺との間で交差の有無が判定されたか否かが判定されるのである。この判定結果は当初はNOであり、S207において辺指定値jが1増加させられた後、ルーチンの実行はS203に戻り、次にi番目の辺と(j+1)番目の辺との間で交差の有無が判定される。単位図形U1 のi番目の辺と単位図形U2 の全部の辺とがいずれも交差していなければ、S204の判定結果がYESになることなくS206の判定結果がYESになる。
【0057】
次いでS208において先に格納された中間データにより規定される単位図形が線であるか否かが判定される。単位図形U1 は線ではないため、S208の判定結果はNOになり、S209において辺指定値iがAn以上であるか否か、すなわち2つの単位図形の全部の辺同士で交差の有無の判定が行われたか否かが判定される。この判定結果は当初はNOであり、S210において辺指定値iが1増加させられ、次に(i+1)番目の辺と他方の単位図形の辺との間で交差の有無が判定される。
【0058】
単位図形U1 とU2 とは交差しているため、交差している辺についてS204が実行されるとき、その判定結果がYESになってS211が実行され、交差フラグ148がセットされ、次にデータ量減少処理ルーチンのS103が実行される。
なお、1番目の単位図形が線図形であれば、辺は1つしかないため、S202〜S208が実行され、辺の交差があればS211が実行される。また、2番目の単位図形が線図形である場合、S202〜S205,S208〜S210が実行されるとともに、辺の交差があればS211が実行される。両方の単位図形が線図形である場合、S202〜S205,S208が実行され、辺の交差があればS211が実行される。
【0059】
データ量減少処理ルーチンのS103においては、交差フラグ148がセットされているか否かによって2つの単位図形が交差しているか否かが判定される。単位図形U1 と単位図形U2 とは交差しているため、S103の判定結果はYESになってS104が実行され、1番目の単位図形が線図形であるか否かが判定される。単位図形U1 は線図形ではないため、S104の判定結果はNOになり、S105において2番目の単位図形が線図形であるか否かが判定されるが、単位図形U2 は線図形ではないため、この判定結果もNOになってS106が実行され、単位図形U1 とU2 とが同じ色で記録されるか否かが判定される。単位図形U1 ,U2 の記録時の色が同じであるとすればS106の判定結果はYESになり、S107において単位図形U1 ,U2 を合わせるとともに、重複部を除いた不重複新図形を規定する規定点が求められる。
【0060】
不重複新図形の規定点は、Weiler-Atherton クリッピング法を変形して設定された規則に従って取得される。Weiler-Atherton クリッピング法は、J.D.FOLEY/A.VANDAM著「コンピュータ・グラフィックス」(日本コンピュータ協会発行)に記載されているように、クリップ多角形を対象多角形と交差する位置に設定し、対象多角形のうち、クリップ多角形に含まれる部分を取り出す手法である。
【0061】
2つの単位図形を合わせた不重複新図形の規定点を取得するためには、一方の単位図形をクリップ多角形,他方の単位図形を対象多角形とし、対象多角形とクリップ多角形とを合わせた多角形から、対象多角形のクリップ多角形に含まれる部分を除くことが必要であり、対象多角形のクリップ多角形に含まれる部分を取り出す上記Weiler-Atherton クリッピング法の規則とは逆の規則が設定されている。規則は下記の通りである。なお、この規則は、対象多角形,クリップ多角形をそれぞれ規定する規定点が、各多角形の輪郭線を時計方向にたどる順に格納されている場合の規則である。
(1) 対象多角形を規定する規定点の一つから出発し、対象多角形の輪郭線を一方向に、すなわち規定点が格納された順にたどる。この出発規定点はクリップ多角形内に位置する点でも外に位置する点でもいずれでもよいが、予め内の点か外の点かを調べておく。内の点であるか外の点であるかは、後述するように、出発規定点がクリップ多角形を構成する全部の辺に対して内外いずれの側にあるかを調べることによってわかる。また、出発規定点のX座標値あるいはY座標値が、クリップ多角形を規定する全部の規定点のX座標値あるいはY座標値の最大のものより大きいか、最小のものより小さい場合には、その出発規定点は必ずクリップ多角形の外に位置することを利用して調べてもよい。
(2) 対象多角形の輪郭線のうちクリップ多角形の外側に位置する部分をたどっているときに、輪郭線がクリップ多角形の輪郭線と交差する場合、クリップ多角形の内側に入らず、クリップ多角形の輪郭線を左に、すなわちクリップ多角形の規定点が格納された順序に従う方向である時計方向まわりにたどる。
(3) クリップ多角形の輪郭線をたどっているときに対象多角形の輪郭線と交差する場合、クリップ多角形から対象多角形に移り、対象多角形の輪郭線を左に、すなわち対象多角形の規定点が格納された順序に従う方向である時計方向まわりにたどる。
(4) 対象多角形の全部の規定点を必ず一度通り、出発規定点に戻って終了することが条件であり、そのため、対象多角形については輪郭線の同じ個所を複数回通ることができる。
(5) それにより対象多角形の輪郭線のうち、クリップ多角形の外に位置する部分をたどるとき、対象多角形の輪郭線を構成する一つの辺が、クリップ多角形の輪郭線を構成する一つの辺と2度目に交差するときにはクリップ多角形はないものと見なし、対象多角形の輪郭線のクリップ多角形の内側の部分をたどることができる。
(6) 対象多角形の輪郭線のクリップ多角形の内側の部分をたどるときにクリップ多角形と交差する場合、そのままクリップ多角形の外へ出ることができる。
【0062】
上記規則によれば2つの単位図形を合わせた不重複新図形の輪郭線を規定する規定点を一方向に並ぶ順に取得できることを図15に示す2つの単位図形188,190を例に取って説明する。
単位図形188が中間データが先に格納された1番目の単位図形であるため、これを対象多角形とし(以下、対象多角形188と称する)、2番目の単位図形190をクリップ多角形とする(以下、クリップ多角形190と称する)。そして、対象多角形188を規定する10個の規定点V1 〜V10のうち、クリップ多角形190の外に位置する規定点V1 が出発規定点とされたものとする。
【0063】
規定点V1 〜V10は、対象多角形188を時計方向まわりにたどる順に格納されており、対象多角形188の輪郭線を規定点V1 ,V2 ,V3 ,V4 の順にたどる。このとき、相前後する2つの規定点により両端を規定される辺がクリップ多角形190と交差するか否かを調べながらたどる。出発規定点V1 はクリップ多角形190の外にある点であり、出発規定点V1 以降の規定点により規定される辺がクリップ多角形190と交差しなければ、それら規定点はクリップ多角形190の外にあることがわかり、これら規定点の座標データを、図16に示すようにたどった順に処理バッファ108の不重複新図形データ格納領域144に格納する。なお、図16には格納される規定点の本実施形態における説明上の呼称が示されているが、実際には座標データが格納される。図18,図21,図23においても同じである。また、ここにおいて「格納」とは、未処理領域140に格納されている規定点の座標データを複写することであり、中間データを構成する規定点の座標データはそのまま未処理領域140に残すが、一度たどった規定点については、たどったことを表すデータを付ける。また、対象多角形188,クリップ多角形190の各辺について括弧付き数字を付して、たどられる順序を示す。
【0064】
規定点V4 ,V5 により規定される辺(以下、辺V4 V5 と称する。他の辺についても同じ。)はクリップ多角形190の辺V14V11と交差するため、交点C1 を求めるとともに処理バッファ108の不重複新図形データ格納領域144に格納する。辺V4 V5 が辺V14V11と交差するのは初めてであるため、次にクリップ多角形190上をたどる。辺V4 V5 と交差するのはクリップ多角形190の辺V14V11であり、クリップ多角形190の輪郭線をたどるべき方向、すなわち規定点V11側へたどる。クリップ多角形190の輪郭線をたどるときも、2つの規定点により規定される辺が対象多角形188の辺と交差するか否かを調べながらたどる。辺V11V12は対象多角形188の辺と交差しないため、規定点V12を処理バッファ108の不重複新図形データ格納領域144に格納する。辺V12V13は対象多角形188の辺V10V1 と交差するため、交点C2 を求めて座標データが不重複新図形データ格納領域144に格納した後、対象多角形188の輪郭線上を規定点が格納された方向、すなわち規定点V1 側へたどる。規定点V1 は出発点であり、一度たどった点であるが、対象多角形188には、まだたどっていない規定点があるため、再度規定点V2 〜V4 をたどる。このとき、既にたどった規定点V1 〜V4 の座標データは処理バッファ108に格納しない。
【0065】
辺V4 V5 はクリップ多角形190と交差するが、これは2回目であるため、クリップ多角形190はないものとして辺V14V11を超えて規定点V5 に進む。2回目の交差であるか否かは、規定点V4 に一度たどったことを表すデータが付されていることからわかる。規定点V4 がクリップ多角形190の外の点であることはわかっており、また、クリップ多角形190の辺V14V11と交差することから、規定点V5 がクリップ多角形190の内側の点であることがわかる。この内側の規定点の座標データは不重複新図形データ格納領域144には格納しない。
【0066】
次いで、規定点V6 へ進むが、辺V5 V6 は辺V14V11と交差するため、交点C3 を求め、座標データを不重複新図形データ格納領域144に格納する。交点C3 は、クリップ多角形190の内側に位置する規定点V5 と、外側に位置する規定点V6 とを両端とする辺とクリップ多角形190との交点であり、規定点V1 から出発した輪郭線は、内側の規定点V5 の直前の交点C1 において一旦切れ、交点C3 は別の輪郭線の出発規定点であることとなり、交点C3 の座標データは出発規定点であることを示すデータを付けて不重複新図形データ格納領域144に格納する。
【0067】
対象多角形188の輪郭線をたどるとき、クリップ多角形190の内から外へは出ることができるため、交点C3 の次に規定点V6 に進む。ここで辺V5 V6 が辺V14V11と交差し、規定点V5 がクリップ多角形190の内の点であることから、規定点V6 がクリップ多角形190の外の点であることがわかるため、規定点V6 の座標データを不重複新図形データ格納領域144に格納する。
【0068】
辺V6 V7 はクリップ多角形190の辺V14V11と交差するため、交点C4 を求めて座標データを不重複新図形データ格納領域144に格納する。辺V6 V7 と辺V14V11との交差は1回目であるため、次にクリップ多角形190の輪郭線を規定点が格納された方向へ進む。辺V14V11は辺V5 V6 と交差するため、対象多角形188をたどることとなる。ここで交点C3 は既に求められていて不重複新図形データ格納領域144に格納されているため、再度は処理バッファ108に格納せず、たどるのみである。規定点V6 についても同じである。
【0069】
辺V6 V7 が再び辺V14V11と交差するとき、規定点V7 へ進むが、規定点V7 はクリップ多角形190の内側の点であるため、規定点V7 の座標データは不重複新図形データ格納領域144に格納しない。次に、規定点V8 へ進むが、このとき交点C5 を求め、交点C5 の座標データを新たな輪郭線の出発規定点であることを示すデータと共に不重複新図形データ格納領域144に格納する。また、規定点V8 はクリップ多角形190の外であるため、座標データを不重複新図形データ格納領域144にに格納する。次いで、規定点V9 の座標データを不重複新図形データ格納領域144に格納した後、交点C6 を得、その座標データを格納する。ここで、クリップ多角形190をたどり、再度交点C5 ,規定点V8 ,V9 ,C6 をたどって規定点V10へ進む。規定点V10はクリップ多角形190の内側の点であり、座標データは不重複新図形データ格納領域144に格納しない。そして、規定点V10から規定点V1 へ進み、出発規定点に戻ったときには対象多角形188の全部の規定点をたどったため、不重複新図形を規定する規定点の取得を終了する。
【0070】
このように対象多角形188,クリップ多角形190の輪郭線をたどれば、図15(b)に示すように、対象多角形188とクリップ多角形190とを合わせた不重複新図形192の輪郭線を規定する規定点が輪郭線を一方向にたどる順に得られる。この不重複新図形192は、内部に二つの空間を含むが、これら空間を規定する複数の規定点のうち、先頭の規定点の座標データには出発規定点であることを表すデータが付されている。したがって、出発規定点データが付された座標データから、次に出発規定点データが付された座標データの直前の座標データまでが、連続する輪郭線を規定する規定点の座標データであることがわかる。
【0071】
なお、これら内部空間を規定する規定点は、不重複新図形192の外側の輪郭線を規定する規定点とは逆に、反時計方向まわりに格納されている。このような不重複新図形192を対象多角形とし、不重複新図形192と少なくとも一部が重複する多角形をクリップ多角形として、新たな不重複新図形を規定する規定点を取得する場合、クリップ多角形の輪郭線をたどるとき、対象多角形の内に進入することはないため、内部空間を規定する輪郭線がたどられることはない。したがって、対象多角形を規定する規定点のうち、たどられない規定点が残っていても、それら規定点が輪郭線を反時計方向まわりに格納されているのであれば、不重複新図形を規定する規定点が既に得られたのであるから、取得を終了する。
【0072】
以上の規則に従って単位図形U1 ,U2 について、それらの重複部分を除いた不重複新図形の輪郭線を規定する規定点を取得する場合には、図17(a)に示すように、中間データが先に格納された対象多角形たる単位図形U1 ,中間データが後に格納されたクリップ多角形たる単位図形U2 がたどられ、図18に示す順序で不重複新図形U1 U2 (図17(b)参照)の輪郭線を規定する規定点が得られる。この規定点の取得は、規定点V1 を出発点として開始されるが、規定点V1 はクリップ多角形の内側の点であるため、不重複新図形を規定する点として採用されない。
【0073】
このように不重複新図形の輪郭線を規定する規定点が求められたならば、データ量減少処理ルーチンのS108が実行され、不重複新図形の作成により規定点の数が減ったか否かが判定される。不重複新図形U1 U2 を規定する規定点の数が単位図形U1 ,U2 の各規定点の数の和より少ないか否かが判定されるのである。単位図形U1 ,U2 の場合、規定点数が8個から7個に減るため、S108の判定結果がYESになってS109が実行され、不重複新図形U1 U2 について中間データが作成される。そして、図19(a)に示すように、未処理領域140に格納された単位図形U1 ,U2 の中間データが、図19(b)に示すように不重複新図形U1 U2 の中間データに置き換えられる。不重複新図形を規定する規定点の座標データは、不重複新図形の輪郭線を一方向にたどる順に得られており、これら座標データがそのまま中間データを構成し、さらに、面図形であることを表すフラグがセットされ、規定点数が格納されるとともに、外接矩形が設定される。また、色データも備えている。なお、中間データが作成され、未処理領域140に格納されれば、不重複新図形データ格納領域144に格納されたデータは消される。
【0074】
次にS110が実行され、未処理領域140に格納されている中間データが残り1つであるか否かが判定される。この判定結果はNOであり、ルーチンの実行はS101に戻り、次に、未処理領域140に格納されている先頭の2つの中間データにより規定される単位図形、すなわち不重複新図形である単位図形U1 U2 と単位図形U3 とについてS101以下のステップが実行される。
【0075】
単位図形U1 U2 と単位図形U3 とは一部が重複しており、また、線図形でもなく、色も同じであるため、S101の判定結果がNO、S103の判定結果がYES、S104,S105の判定結果がNO、S106の判定結果がYESになる。そして、S107において単位図形U1 U2 と単位図形U3 との集合であって重複部分のない不重複新図形U1 U2 U3 の輪郭線を規定する規定点が取得されるが、この場合は規定点の数が減らないため、S108の判定結果はNOになってS113が実行され、未処理領域140に格納された先頭の中間データ、すなわち単位図形U1 U2 について作成された中間データが図19(c)に示すように処理済領域142に移される。なお、この場合、不重複新図形U1 U2 U3 を取得する際に単位図形U1 U2 を規定する規定点の座標データに付された、一度たどったことを表すデータは消される。
【0076】
次に単位図形U3 とU4 とについて、S101以下のステップが実行される。単位図形U3 とU4 とは交差しており、不重複新図形U3 U4 の輪郭線を規定する規定点が取得されるが、規定点の数が減らないため、単位図形U3 を規定する中間データが処理済領域142に移される。
【0077】
次に、単位図形U4 とU5 とについて、S101以下のステップが実行される。これら単位図形U4 ,U5 の各外接矩形は離れているため、S101の判定結果がYESになってS113が実行され、先頭の中間データ、すなわち単位図形U4 について作成された中間データが処理済領域142に格納される。
【0078】
未処理領域140に残っている中間データが1つになればS110の判定結果がYESになってS111が実行され、残っている中間データが処理済領域142に格納された後、S112が実行され、処理済領域142に格納されている全部の中間データが画像データメモリ112に格納される。
【0079】
以上、2つの単位図形の色が同じである場合を説明したが、単位図形の色が異なる場合を説明する。
単位図形U1 ,U2 が異なる色で記録されるとする。この場合、S106の判定結果がNOになってS114が実行され、未処理領域140に格納された先頭の2つの単位図形の1番目の単位図形(中間データが先に格納された単位図形)のうち、2番目の単位図形(中間データが後に格納された単位図形)と重複しない部分である不重複部分図形を規定する規定点が取得される。
【0080】
この取得は、S107において行われた不重複新図形の規定点の取得規則とほぼ同じ規則に従って行われるが、対象多角形の辺がクリップ多角形の辺と初めて交差するとき、クリップ多角形の辺を左側へたどらず、右側、すなわちここでは規定点が格納された方向である時計方向とは逆の反時計方向まわりにたどる点が異なっている。対象多角形の辺がクリップ多角形の辺と2回目に交差するときには、クリップ多角形の辺はないものとし、また、対象多角形を規定する点のうち、クリップ多角形の内側にある規定点は、不重複部分図形を規定する点として採用しないことは同じである。そして、対象多角形については、クリップ多角形の外に位置する規定点およびクリップ多角形との交点を不重複部分図形を規定する規定点として処理バッファ108の不重複部分図形データ格納領域146に取得順に格納する。対象多角形の全部の規定点をたどり、出発規定点に戻ったならば規定点の取得を終了する。
先に図15(a)に示した対象多角形188およびクリップ多角形190について、対象多角形188のクリップ多角形190に対する不重複部分図形を取得する場合に規定点をたどる順序を図20(a)に示し、図20(b)に得られた不重複部分図形196を示し、図21に不重複部分図形データ格納領域146に格納された座標データを示す。
【0081】
不重複部分図形の規定点の取得は、2つの単位図形のうち、1番目の単位図形を対象多角形とし、2番目の単位図形をクリップ多角形として行われる。上記規則に従って単位図形U1 の不重複部を規定する規定点を取得する際にたどる辺の順序を図22(a)に示し、得られた不重複部分図形U1 ´を図22(b)に示し、図23に不重複部分図形データ格納領域146に格納された不重複部分図形U1 ´を規定する座標データを示す。
【0082】
不重複部分図形を規定する規定点の取得後、S115において規定点が減少したか否かが判定される。色が異なる場合は、不重複部分図形U1 ´を規定する規定点の数が元の単位図形U1 を規定する規定点の数より少ないか否かにより行われる。ここでは、不重複部分図形U1 ´を規定する規定点の数は3個であり、規定点数が減っているため、S115の判定結果はYESになり、S116において不重複部分図形U1 ´について中間データが設定された後、S117が実行され、不重複部分図形U1 ´の中間データが処理済領域142に格納される。なお、未処理領域140に格納された単位図形U1 の中間データは消去され、不重複部分図形データ格納領域146に格納されたデータも消去される。
【0083】
ポストスクリプト言語によって画像データが作成され、少なくとも一部が重複する2つの単位図形が異なる色で記録される場合、図24に斜線の向きを変えて示すように、下側に記録される単位図形、すなわち中間データが先に格納された単位図形については、重複部は記録されない。重複部分を規定する規定点のデータは不要なのであり、不重複部が元の単位図形を規定する規定点より少ない数の規定点により規定されるのであれば、不重複部のみを規定するデータを作成し、元の単位図形データと置き換えた方がデータ量を減らすことができて得なのである。
規定点の数が減っていなければS115の判定結果がNOになってS113が実行され、単位図形U1 の中間データが処理済領域142に格納される。
【0084】
次に、外接矩形は離れていないが、2つの単位図形が交差しない場合を説明する。このような事態は、図25に示すように、単位図形200が単位図形202を含んでいて、外接矩形204,206が離れていない場合、および図26に示すように、単位図形208は単位図形210の外に位置するが、外接矩形212,214が離れていない場合に生ずる。この場合にはS101,S103の各判定結果がNOになってS118が実行され、2つの単位図形のうち、1番目の単位図形が2番目の単位図形に内包されるか否かが判定される。この判定は、1番目の単位図形を規定する複数の規定点のうちの一つが、2番目の単位図形を構成する全部の辺の内外いずれの側にあるかによって行われる。
【0085】
図27に示すように、点P1 を始点とし、点P2 を終点とするベクトルに対して、点P3 が内側にあるか外側にあるかは、点P1 から点P2 へ向かうベクトルと、点P1 から点P3 へ向かうベクトルとの外積が正であれば、点P3 は点P1 から点P2 へ向かうベクトルの左側、すなわち外側にあり、外積が負であれば、点P3 は点P1 から点P2 へ向かうベクトルの右側、すなわち内側にある。したがって、図28に示すように、1番目の単位図形を規定する規定点のうちの一つV1 を選択し、2番目の単位図形を規定する規定点V2 〜V5 から得られる全部のベクトル(ベクトルの向かう方向は規定点が格納された方向である)に対して内側にあるか外側にあるかが判定される。これら内包の有無が調べられる2つの単位図形は、交差していないことは既にわかっており、1番目の単位図形を規定する複数の規定点の全部が2番目の単位図形の内側にあるか外側にあるかのいずれかであり、1つの規定点について内側か外側かを調べればよいのである。したがって、図28に示すように、規定点V1 が4つのベクトルのいずれに対しても内側に位置すれば、1番目の単位図形が2番目の単位図形の内にあることがわかる。また、図29に示すように、規定点V1 が、点V3 から点V4 に向かうベクトルに対しては外側にあるが、他の3つのベクトルに対しては内側にあれば、規定点V1 は2番目の単位図形の内側にはなく、1番目の単位図形が2番目の単位図形の内にはないことがわかる。
【0086】
1番目の単位図形が2番目の単位図形に含まれていれば、S118の判定結果がYESになってS119が実行され、1番目の単位図形について設定された中間データが消去される。1番目の単位図形の上に2番目の単位図形が記録され、1番目の単位図形は記録されず、中間データが不要であるからである。また、1番目の単位図形が2番目の単位図形に含まれていなければ、S118の判定結果がNOになってS113が実行され、1番目の単位図形について設定された中間データが処理済領域142に格納される。
1番目の単位図形が2番目の単位図形に内包されていないと判定されても、2つの単位図形が離れているとは限らず、2番目の単位図形が1番目の単位図形に含まれることがある。しかし、2番目の単位図形は1番目の単位図形の上に記録されるため、その中間データは必要であって残され、1番目の単位図形の中間データを処理済領域142に格納すればよく、S113が実行されるのである。
【0087】
次に、単位図形が線図形である場合を図31に基づいて説明する。図31に示すように、線図形260が面図形264と交差するとき、外接矩形262と266とが交差しており、S101,S103の判定結果がYESになる。また、線図形260が1番目の単位図形であれば、S104の判定結果がYESになってS120が実行され、2番目の単位図形が面図形であるか否かが判定される。この判定結果はYESであり、S114が実行され、線図形260について不重複部分図形の規定点が取得される。線図形260を規定する複数の規定点について、規定点の格納順に、相前後する2個の規定点により規定される線分が面図形264を構成する全部の辺のいずれかと交差するか否かが判定される。
【0088】
線図形260を最初に規定する規定点については、面図形264の内側にあるか外側にあるかが判定され、外側にあれば、不重複部分図形を規定する規定点として座標データが不重複部分図形データ格納領域146に格納され、内側にあれば格納されない。線図形260を構成する線分が面図形264を構成するいずれかの辺と交差すれば、その交点が算出され、不重複部分図形を規定する規定点とされる。また、線図形260を構成する線分が面図形264の辺と交差しない場合、その線分が面図形264の外にあれば、その線分を規定する規定点の座標データが不重複部分図形データ格納領域146に格納され、内側にあれば格納されない。
【0089】
このようにして不重複部分図形を規定する規定点が取得されたならば、その数が線図形260を規定する規定点の数より少ないか否かが判定される。線図形260は規定点が6個から4個に減るため、面図形264の外側に位置する規定点および面図形264の辺との交点により規定される不重複部分図形について中間データが作成され、処理済領域142に格納される。
【0090】
1番目,2番目の単位図形がいずれも線図形であれば、S104の判定結果がYES,S120の判定結果がNOになり、S113が実行されて1番目の線図形の中間データが処理済領域142に格納される。線図形同士が交差していても、それにより規定点数が減少することはないからである。
【0091】
1番目の単位図形が面図形、2番目の単位図形が線図形であれば、S104の判定結果がNO、S105の判定結果がYESになってS113が実行され、面図形の中間データが処理済領域142に格納される。面図形の上に線図形が重なっても、面図形の規定点が減少することはないからである。
【0092】
未処理領域140に格納された全部の中間データが処理済領域142に格納され、処理済領域142に格納された中間データが画像データメモリ112に格納されたならば、次に図9に示す図形処理ルーチンのS1が実行される。そして、中間データバッファ106に中間データがあればS1の判定結果がYESになり、未処理領域140にN個の中間データがたまったならば、データ量減少処理が行われる。
【0093】
そして、中間データバッファ106に中間データがなくなればS1の判定結果がNOになってS9が実行され、処理バッファ108の未処理領域140に中間データがあるか否かが判定される。中間データバッファ106に中間データがなくなったが、未処理領域140にN個より少ない中間データが格納されていることがあり、そのような場合にS9の判定結果がYESになってS10が実行され、データ量減少処理がS8におけると同様に実行される。そして、中間データが画像データメモリ110に格納されれば、S16の実行により線・面フラグ150がリセットされてルーチンの実行が終了する。
また、処理バッファ108の未処理領域140にちょうどN個の中間データが格納された時点で中間データバッファ106にデータがなくなれば、S1,S9の判定結果がNOになり、S16の実行後、ルーチンの実行が終了する。
【0094】
上記のようにして単位図形群176についてデータ量減少処理が行われれば、図12(b)に示すように、単位図形群176は不重複新図形を2つ含む単位図形群176とされる。なお、図12(b)に示す単位図形群は、単位図形U1 とU2 ,単位図形U7 とU8 の色がそれぞれ同じであって、合体型の不重複新図形を形成する場合の単位図形群である。
【0095】
中間データが読取図形について作成されたデータの場合、S2の判定結果がYESになってS11が実行される。画像作成領域全部が読取図形により構成され、読取図形のデータのみが供給される場合と、画像作成領域内に読取図形,線図形および面図形が混在し、3種類のデータが供給される場合とがある。
前者の場合、図形処理ルーチンが実行されるとき、S1,S2の判定結果がYES,S11の判定結果がNOになってS15が実行され、読取図形について作成された中間データが画像データメモリ110に格納される。
後者の場合、先に読取図形の中間データが供給されれば、S1,S2,S11,S15が実行される。また、線図形および面図形の中間データの後に読取図形の中間データが供給されれば、線・面フラグ150がセットされているため、S1,S2,S11の判定結果がYESになってS12が実行され、処理バッファ108の未処理領域140に中間データが格納されているか否かが判定される。格納されていれば、この中間データは線図形あるいは面図形の中間データであり、S12の判定結果がYESになってS13が実行され、データ量減少処理が行われ、S14において線・面フラグ150がリセットされる。そして、次にS11の判定が行われるとき、その判定結果はNOになってS15が実行され、読取図形について作成された中間データが画像データメモリ110に格納される。
【0096】
記録時には、画像データメモリ110に格納された中間データに基づいて記録用ドットデータが作成され、ドットデータメモリ112に格納される。本実施形態において画像はカラーで記録されるため、カラー記録用のドットデータが作成されるが、線図形および面図形については、他の線図形および面図形との重複の有無が調べられ、重複している図形については、それら図形の記録時の優先順位、すなわち中間データの格納順序に基づいて、優先順位の下の図形については、重複部分について作成された記録用ドットデータが消され、混色が生じないようにされる。しかし、先にデータ量減少処理によって不重複新図形が作成されていることにより、重複が検出される図形の数は減っており、その分、迅速に記録用ドットデータを作成することができる。
【0097】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、処理バッファ108の未処理領域140が処理前図形データ記憶手段を構成し、処理済領域142が不重複新図形データ記憶手段を構成している。データ量減少処理が行われる前の中間データが記憶される記憶手段が処理前図形データ記憶手段、データ量減少処理後の中間データが記憶される記憶手段が不重複新図形データ記憶手段なのであり、その意味では、受信バッファ136,中間データバッファ106も処理前図形データ記憶手段であり、画像データメモリ110も不重複新図形データ記憶手段であるということができる。また、第一制御部96,ROM100,RAM102の図形処理ルーチンを実行して不重複新図形,不重複部分図形の各データを作成する部分が、不重複新図形データ作成手段の一種である規定点減少時不重複新図形データ作成手段を構成するとともに、重複可能性判定手段,外接矩形重複時重複図形検出手段,優先順位対応不重複新図形データ作成手段,輪郭線データ作成手段,不重複新図形作成形態選択手段を構成している。第一制御部96の画像データメモリ110に格納された中間データに基づいてドットデータを作成する部分がドットデータ作成手段を構成している。
【0098】
上記実施形態は、画像がカラーで記録される場合のものであるが、画像が白黒で(濃度は全部の画像について同じであるとする)記録される場合には、例えば、図34ないし図36に示すデータ量減少処理ルーチン,不重複新図形データ作成ルーチンに従う処理が行われるようにすればよい。なお、ここにおいて「白黒の記録」とは、白い記録用紙に黒いインクで画像を記録することである。そのため、中間データは、図形の種類を表すフラグ,外接矩形を規定する2点の座標データ,図形を規定する規定点の数,図形を規定する点の座標データの他、色データとして黒の濃度データを含む。
【0099】
本実施形態は、データ量減少処理を除いて前記実施形態と同じであり、図32に示す単位図形群230を例に取ってデータ量減少処理のみを説明する。この単位図形群230は、9個の単位図形U1 〜U9 を含む。また、図33に示すように、処理バッファ232には、未処理領域234,処理済領域236,外接矩形交差データ格納領域238,主図形情報格納領域240,従図形情報格納領域242,中間データカウンタ244,主図形カウンタ246,従図形カウンタ248の他、図示は省略するが、不重複新図形データ格納領域,不重複部分図形データ格納領域等、処理に必要な領域,フラグ等が設けられている。
【0100】
本実施形態におけるデータ量減少処理の概略を説明する。
単位図形群を構成する全部の単位図形の各外接矩形について、中間データの格納順に、中間データが自身より後に格納された単位図形の外接矩形との交差(一致,内包を含む)の有無を調べる。中間データの格納順に、単位図形を順次主図形とし、主図形の外接矩形と外接矩形が交差している少なくとも一つの単位図形を従図形とし、主図形と従図形とについて規定点の数が減少する不重複新図形を構成するか否かを調べる。次に従図形を主図形とし、その主図形について従図形と共に規定点の減少する不重複新図形を構成するか否かを調べる。従図形が複数あれば、次の主図形が複数あることとなり、中間データバッファにおける格納順で主図形について処理が行われる。このとき、従図形が、その従図形を主図形としたときに従図形を有する場合でも、従図形をたどってしりとり的に処理が行われるのではなく、まず、複数の主図形の各々について、それぞれが有する従図形について処理が行われるのである。従図形を有さない主図形が出てくるまで、主図形との不重複新図形の形成判定が行われた従図形を、次に主図形とし、その主図形について得られている従図形との間で不重複新図形の形成判定を繰り返す。それにより外接矩形が直接あるいは間接に交差しており、直接あるいは間接につながっている可能性のある全部の単位図形についてまとめて処理を行うことができる。
【0101】
図34に示すデータ量減少処理ルーチンのS301においてはまず、処理バッファ232の未処理領域234に格納されたN個(ここでは9個)の中間データに基づいて、中間データの格納順に、CC 番目の外接矩形と、その外接矩形を有する単位図形より後に中間データが格納された全部の単位図形の各外接矩形との間で離間しているか否か、換言すれば、外接矩形が交差しているか否かが調べられ、図37に示すように外接矩形交差データ格納領域238に格納される。なお、ここにおいて「交差」とは、二つの外接矩形の一方が他方に内包され、あるいは二つの外接矩形が一致する場合も含む。外接矩形交差データにおいて外接矩形は、外接矩形データを含む中間データの未処理領域234への格納順序で表される。図37に示す数値は、中間データの未領域領域234における格納の順番なのである。
【0102】
次にS302が実行され、中間データの数をカウントし、未処理領域234に格納された順序で中間データ(単位図形)を指定する中間データカウンタ244のカウント値CC が1増加させられる。このカウント値CC は外接矩形交差データを格納順に指定する値でもある。カウント値CC は図示しない初期設定においてリセットされており、S302が1回目に実行されるとき、カウント値CC は1にされる。次いでS303が実行され、CC 番目の中間データについて処理が済んだか否かの判定が行われる。この判定は、未処理領域234に格納されたCC 番目の中間データに処理済データが付されているか否かにより行われる。1番目の中間データは、まだ処理されていないため、S303の判定結果はNOになってS304が実行され、CC 番目、すなわち1番目の中間データにより規定される外接矩形と交差する外接矩形があるか否かの判定が外接矩形交差データに基づいて行われる。1番目の中間データにより規定される外接矩形は、図37に示すように、未処理領域234に2番目に格納された中間データにより規定される外接矩形と交差しているため、S304の判定結果はYESになってS305が実行され、不重複新図形のデータが作成される。
【0103】
この作成は、図35および図36に示す不重複新図形データ作成ルーチンに従って行われる。
まず、S351において、主図形情報格納領域240に、主図形情報が格納される。主図形情報は、主図形の数NM と、主図形を指定するデータ、すなわち主図形について作成された中間データの未処理領域234における格納順を表すデータとを含む。外接矩形交差データも中間データの未処理領域234における格納順に格納されているため、主図形を指定するデータにより、指定された主図形がわかるとともに、主図形に対する従図形がいずれであるかが、外接矩形交差データからわかる。1番目の単位図形U1 については、主図形の数は1個,格納順は1番である。また、主図形カウンタ246のカウント値CM が1にセットされる。カウント値CM は、処理される主図形の数をカウントするとともに、主図形情報格納領域240に指定データが格納された主図形を、格納順に指定する値でもある。
【0104】
次いでS352が実行され、従図形情報格納領域242に、主図形情報格納領域240に格納された全部の主図形の各々に対する従図形の数の和NS ,それら従図形をそれぞれ指定する指定データ、すなわち従図形について作成された中間データの未処理領域234における格納順序のデータが小さい順に格納される。ここでは主図形情報格納領域240に格納された主図形は単位図形U1 、1つであり、主図形である1番目の単位図形U1 について従図形は単位図形U2 、1つである。
【0105】
次いでS353が実行され、従図形カウンタ248のカウント値CS が1増加させられる。従図形カウンタ248は初期設定においてリセットされており、カウント値CS は1になる。続いてS354が実行され、主図形と、CS 番目、すなわち1番目の従図形とが既に不重複新図形を形成しているか否かが判定される。これは、処理済領域236に主図形および従図形を構成単位図形とする不重複新図形のデータが格納されているか否かによりわかる。単位図形U1 とU2 とはまだ不重複新図形を形成していないため、S354の判定結果はNOになってS355が実行され、主図形と従図形とが交差するか否かが判定される。この判定は、前記実施形態のS103と同様に行われる。単位図形U1 とU2 とは交差しているためS355の判定結果はYESになってS356が実行される。単位図形U1 ,U2 はいずれも線図形ではないため、S356,357の判定結果はNOになる。
【0106】
次いでS358が実行され、不重複新図形U1 U2 の規定点が取得される。この規定点の取得は、前記実施形態のS107と同様に実行される。主図形については、処理済領域236に主図形について作成された中間データあるいは主図形が構成する不重複新図形を規定するデータが格納されていれば、そのデータに基づいて不重複新図形が作られ、格納されていなければ、未処理領域234に格納された主図形について作成された中間データに基づいて不重複新図形が作られる。
【0107】
続いてS359において規定点が減少したか否かが判定される。不重複新図形U1 U2 は規定点が減少しているため、S359の判定結果はYESになってS360が実行され、図38(a)に示すように、処理済領域236に不重複新図形U1 U2 の座標データおよび不重複新図形U1 U2 が単位図形U1 ,U2 によって構成されることを表すデータ、すなわち単位図形U1 ,U2 の中間データの未処理領域234における格納順を表すデータが格納される。なお、未処理領域234には、9個の単位図形U1 〜U9 についてそれぞれ作成された中間データが残される。
【0108】
次いでS361が実行され、全部の従図形に対して主図形との交差判定,不重複新図形の規定点の取得が行われたか否かが判定される。単位図形U1 と外接矩形が交差しているのは単位図形U2 のみであってNS は1であり、S361の判定結果はYESになって図36に示すS368が実行され、カウント値CM により指定される主図形の未処理領域234に格納された中間データ、すなわち単位図形U1 について作成された中間データに処理済データが付される。
【0109】
続いてS369において主図形情報格納領域240に格納された全部の主図形について従図形との重複判定が行われたか否かの判定が行われる。主図形は単位図形U1 、1つのみであるため、S369の判定結果はYESになり、S370において従図形情報格納領域242にデータがあるか否かが判定される。主図形たる単位図形U1 に対する従図形は単位図形U2 であり、従図形情報格納領域242に単位図形U2 を指定するデータおよび従図形が1個であることを表すデータが格納されているため、S370の判定結果がYESになり、S371において従図形情報格納領域242に格納されたデータが主図形情報格納領域240に移される。先に主図形情報格納領域240に格納されていたデータが消されるとともに、主図形の数NM が1にセットされ、単位図形U2 を指定するデータが格納されるのである。また、主図形カウンタ246のカウント値CM が1にセットされ、従図形カウンタ248のカウント値CS が0にセットされる。
【0110】
次にS372が実行され、主図形に対して従図形があるか否かが判定される。S371の実行により、今回、主図形であるのは単位図形U2 であり、外接矩形交差データから、単位図形U2 については従図形が2つ、すなわち単位図形U3 ,U8 があることがわかり、S372の判定結果はYESになって図35に示すS352が実行される。S352では、主図形たる単位図形U2 に対する従図形の数NS が2にセットされるとともに、単位図形U3 ,U8 を指定するデータが中間データの格納順に格納される。
【0111】
そして、S353〜S361が実行され、まず、単位図形U2 と単位図形U3 とによって不重複新図形U2 U3 が作られる。主図形たる単位図形U2 が既に不重複新図形U1 U2 を構成していることは、処理済領域236に格納されたデータからわかり、不重複新図形U1 U2 と従図形たる単位図形U3 とによって不重複新図形が作られる。不重複新図形U1 U2 U3 は規定点が減少しているため、図38(b)に示すように、処理済領域236に不重複新図形U1 U2 のデータに代えて、不重複新図形U1 U2 U3 の座標データおよび単位図形U1 ,U2 ,U3 が不重複新図形U1 U2 U3 を構成する単位図形であることを表すデータが格納される。
【0112】
単位図形U2 については従図形が2個あるため、S361の判定結果はNOになり、S353において従図形カウンタ248のカウント値CS が1増加させられ、従図形情報格納領域242に2番目に格納された従図形たる単位図形U8 と主図形たる単位図形U2 とにより不重複新図形が作られる。このとき、単位図形U2 は不重複新図形U1 U2 U3 を形成しており、不重複新図形U1 U2 U3 と単位図形U8 とによって不重複新図形U1 U2 U3 U8 が作られる。不重複新図形U1 U2 U3 U8 も規定点が減少しており、図38(c)に示すようにデータが処理済領域236に格納される。
【0113】
2個の従図形U3 ,U8 について処理が行われればS361の判定結果がYESになり、単位図形U2 について処理済データが付される(S368)。また、主図形は1個であるため、S369の判定結果もYESになり、従図形情報格納領域242にデータがあるため、S370の判定結果がYESになり、S371の実行後、次に単位図形U3 ,U8 を主図形として不重複新図形が作られる。単位図形U3 には従図形が2個(単位図形U4 ,U5 )あり、単位図形U8 には従図形が1個(単位図形U9 )あるため、まず、単位図形U3 を主図形とし、単位図形U4 ,U5 との間で不重複新図形が作られる。単位図形U3 は、不重複新図形U1 U2 U3 U8 を構成しているため、不重複新図形U1 U2 U3 U8 と単位図形U4 との間で不重複新図形が作られるが、規定点が減少しないため、この不重複新図形は採用されず、S362が実行され、主図形の中間データおよび主図形を構成する単位図形の指定データ(主図形の未処理領域234における中間データの格納順を表すデータ)が処理済領域236に格納される。ただし、この主図形のデータが既に格納されていれば、格納されない。単位図形U3 は既に不重複新図形を構成し、そのデータが処理済領域236に格納されているため、S362ではデータは格納されない。単位図形U3 とU5 とについて、不重複新図形の規定点を取得する場合も同じである。
【0114】
次に、単位図形U8 を主図形とし、従図形たる単位図形U9 との間で不重複新図形が作られる。単位図形U8 は不重複新図形U1 U2 U3 U8 を構成しているため、この不重複新図形U1 U2 U3 U8 と単位図形U9 との間で不重複新図形が作られるが、規定点が減少しないため、S362が実行される。単位図形U8 は既に不重複新図形を構成しているため、ここではデータが処理済領域に格納されることはない。
【0115】
次に、先に従図形であった単位図形U4 ,U5 ,U9 を主図形として処理が行われるが、図36に示す外接矩形交差データから明らかなように、これらはいずれも従図形を有さないため、S372の判定結果がNO,S373の判定結果がNOになってS374が実行され、単位図形U4 ,U5 ,U9 についての中間データが処理済領域236に格納される。S374が実行されれば、次にS368が実行され、未処理領域234に格納された中間データに処理済データが付される。単位図形U4 ,U5 ,U9 の全部についてS374が行われれば、次にS369の判定が行われるとき、その判定結果がYESになるが、従図形情報格納領域242にデータがないため、S370の判定結果がNOになり、S376において主図形カウンタ246,従図形カウンタ248がリセットされるとともに、主図形情報格納領域240,従図形情報格納領域242がクリアされて、ルーチンの実行はデータ量減少処理ルーチンのS307に戻る。
【0116】
S307では、全部の単位図形について処理が行われたか否かが判定されるが、この判定結果はNOであり、ルーチンの実行はS302に戻る。そして、次に単位図形U2 についてS303が実行されるが、単位図形U2 は既に処理されていて、未処理領域234に格納された単位図形U2 の中間データには処理済データが付されているため、S303の判定結果はYESになる。単位図形U3 ないしU5 についても処理が済んでいるため、S303の判定結果はYESになる。単位図形U6 は、まだ処理が済んでおらず、外接矩形が単位図形U7 の外接矩形と交差しているため、S303の判定結果がNO,S304の判定結果がYESになってS305が実行され、不重複新図形U6 U7 のデータが作成される。
【0117】
不重複新図形U6 U7 は規定点数が減少するため、S359の判定結果がYESになり、不重複新図形U6 U7 を規定する規定点の座標データ等が処理済領域236に格納される。そして、S361,S369,S370の判定結果がいずれもYESになってS371が実行され、次に単位図形U7 が主図形とされるが、単位図形U7 は、それより後に中間データが格納された単位図形であって、外接矩形が交差する単位図形を有さず、従図形を有さないため、S372の判定結果がNOになる。また、単位図形U7 についてのデータは、不重複新図形U6 U7 のデータの格納により処理済領域236に格納されており、S373の判定結果がYESになる。
【0118】
単位図形群230を構成する全部の単位図形について処理が行われれば、カウント値CC がNになってS307の判定結果がYESになり、S308においてカウント値CC がリセットされる。続いてS309において処理済領域236に格納されたデータにより規定される図形のうち、座標データのみが格納されている図形については、中間データが作成された後、全部の中間データが画像データメモリに格納される。これら中間データは、図形の種類を表すフラグ,外接矩形を規定する2点の座標データ,図形の規定点数のデータ,図形の規定点の座標データおよび濃度データを含む。
【0119】
単位図形群230の場合、該当する単位図形はないが、主図形と従図形とが交差の判定前に既に不重複新図形を形成している場合には、S354の判定結果がYESになり、S361が実行される。例えば、図39に示すように、単位図形U1 が単位図形U2 ,U3 と交差し、規定点の減る不重複新図形U1 U2 U3 を形成するとともに、単位図形U2 ,U3 が交差するとき、単位図形U2 を主図形とし、単位図形U3 を従図形として処理を行うとき、これら単位図形U2 ,U3 は既に不重複新図形U1 U2 U3 を形成しており、S355〜S360を実行する必要がないため、S354の判定を行い、S355〜S360をスキップさせるのである。
【0120】
また、従図形が主図形を内包する場合、S355の判定結果がNO,S363の判定結果がYESになってS364が実行され、従図形の座標データが処理済領域236に格納されるとともに、その座標データにより規定される図形が主図形および従図形に基づいて得られたことを表すデータが格納される。従図形のデータのみが格納され、そのデータが主図形および従図形に基づいて得られたことを表すデータが付されることにより、主図形の中間データが消去されたことになる。主図形が従図形を内包する場合はS363の判定結果がNO,S365の判定結果がYESになってS366が実行され、主図形の座標データが処理済領域236に格納されるとともに、その座標データにより規定される図形が主図形および従図形に基づいて得られたことを表すデータが格納される。従図形のデータが消去されるのである。主図形と従図形とが離れていればS363,S365の判定結果がいずれもNOになってS367が実行され、主図形の座標データおよび主図形指定データが処理済領域236に格納される。
【0121】
さらに、主図形が線図形であり、従図形が面図形の場合は、S356,S377の判定結果がYESになってS378が実行され、線図形について不重複部分図形の規定点が取得される。そして、規定点が減少していればS379の判定結果がYESになってS380が実行され、不重複部分図形の規定点の座標データおよび不重複部分図形を構成する単位図形を指定するデータが処理済領域236に格納される。規定点が減少していなければ、S362が実行され、線図形の中間データ等が処理済領域に格納される。また、主図形,従図形がいずれも線図形であれば、S356の判定結果がYES,S377の判定結果がNOになってS362が実行される。
【0122】
このように本実施形態においては、単位図形群230のうち、直接あるいは間接につながった単位図形についてまとめて処理が行われるのであり、中間データの格納順が離れている単位図形についても、規定点数が減少するのであれば不重複新図形のデータを作成して画像データメモリに格納し、データ量を減少させることができる。
【0123】
上記実施形態は、読取図形が面図形および線図形と重複することがない場合のものであるが、読取図形が面図形と重複する場合には、例えば、図40および図41に示す図形処理ルーチンおよびデータ量減少処理ルーチンに従う処理が行われるようにすればよい。なお、ここでは、読取図形同士が重複することはなく、図形は面図形のみであり、画像は黒1色で記録されるものとする。
【0124】
図40に示す図形処理ルーチンにおいては、図9に示す図形処理ルーチンにおけると同様に、中間データバッファに中間データがN個格納されたならば(S401〜S404)、S406のデータ量減少処理が図41に示すデータ量減少処理ルーチンに従って行われる。
データ量減少処理ルーチンのS501においては、中間データバッファの未処理領域に格納された中間データのうち、先頭の2つの中間データによりそれぞれ規定される単位図形の外接矩形が離れているか否かの判定が行われる。読取図形の場合、外接矩形とは、画像作成領域のうち読取図形が組み込まれる矩形の読取図形領域であり、この読取図形領域を規定するデータは中間データに含まれている。
【0125】
この判定は、図10に示すデータ量減少処理ルーチンのS101と同様に行われ、外接矩形が離れていればS518が実行され、未処理領域に格納された先頭の中間データが処理済領域に移される。
外接矩形が交差していれば、S501の判定結果がNOになってS502が実行され、先頭の2つの中間データによりそれぞれ規定される単位図形が交差するか否かが判定される。この判定は、図10に示すデータ量減少処理ルーチンのS102と同様に行われる。2つの単位図形の一方が読取図形の場合、読取図形は読取図形領域である矩形とみなされ、面図形との交差の有無が判定される。
【0126】
2つの単位図形が交差していれば、S503の判定結果はYESになる。そして、2つの単位図形のうち、中間データが先に格納された1番目の単位図形が面図形であり、中間データが後に格納された2番目の単位図形が読取図形であればS506が実行され、不重複部分図形の規定点の取得が前記S114におけると同様に行われる。この場合も読取図形は矩形とみなされる。そして、面図形の一部である不重複部分図形の規定点の数が面図形の規定点の数より少なくなっていれば、S507の判定結果がYESになってS508が実行され、不重複部分図形について中間データが設定されるとともに、処理済領域に格納される。また、規定点数が減っていなければS518が実行され、面図形について作成された中間データがそのまま処理済領域に格納される。
【0127】
2つの単位図形のうち、1番目の単位図形が読取図形であればS504の判定結果がYESになってS512が実行される。本実施形態では、読取図形は、別の読取図形と交差することはないため、交差する2つの単位図形の1番目の単位図形が読取図形であれば、2番目の単位図形は面図形であり、S512では、面図形の下に記録される読取図形について不重複部分図形のデータが作成される。読取図形領域内の複数の画素の各々について、各画素の中心点が面図形の輪郭線の内側に位置するか否かが調べられる。これは、前記実施形態のS118における1番目の単位図形が2番目の単位図形に内包されるか否かの判定と同様に行うことができる。中心点が面図形の輪郭線の内側に位置する画素は、その上に記録される面図形により覆われて見えな状態とされるべきであるため、データが消去され、その分データ量が減少する。
【0128】
ただし、上記データの消去によって、常に読取図形データ全体の量が減少するとは限らない。読取図形の各色データを読取図形領域内の各画素に対応付けるためのデータ(対応付けデータと称する)の量が増大するからである。読取図形領域は、通常、比較的単純な形状とされることが多く、対応付けデータの量が少なくて済むのであるが、読取図形領域の上に面図形が重ねられ、その面図形と重複する部分が読取図形領域から除去された部分読取図形領域は形状が複雑になることが多いため、対応付けデータの量が多くなるのが普通なのである。したがって、色データの消去によるデータ減少量と対応付けデータの増加量とが比較され、総合的にデータ量が減少するのであれば、不重複部分図形のデータが処理済領域236に格納され、減少しないのであれば、中間データがそのまま処理済領域236に格納される。
【0129】
2つの単位図形が交差していなければ、S513が実行され、2番目の単位図形が1番目の単位図形を内包していれば、S514が実行され、1番目の単位図形の中間データが消去される。1番目の単位図形が読取図形であっても面図形であっても、2番目の単位図形に内包されれば、中間データが消去されるのである。
【0130】
また、1番目の単位図形が2番目の単位図形を内包していれば、S513の判定結果がNO,S519の判定結果がYESになり、S520において1番目の単位図形が読取図形であるか否かが判定され、読取図形であればS512が実行されて読取図形が変更される。読取図形領域内の画素のうち、2番目の単位図形と重複する部分の画素について設定された色データが消去されるのである。ただし、この場合でも、総合的にデータ量が減少しないのであれば、中間データがそのまま処理済領域236に格納される。
1番目の単位図形が2番目の単位図形に内包されていなければ、2つの単位図形は離れており、S518が実行されて1番目の単位図形について設定された中間データが処理済領域236に格納される。また、1番目の単位図形が2番目の単位図形を内包していても、1番目の単位図形が読取図形でない場合には、S520がNOになってS518が実行され、1番目の単位図形について設定された中間データが処理済領域236に格納される。
【0131】
2つの単位図形がいずれも面図形であれば、S504,S505の判定結果がNOになり、S515において不重複新図形の規定点の取得が行われる。図形は黒1色で記録されるため、交差する2つの単位図形がいずれも面図形であれば、それら面図形の重複部を除いた合体型の不重複新図形の輪郭線を規定する規定点が取得され、規定点数が減少するのであれば、不重複新図形について中間データが作成され、2つの単位図形についてそれぞれ作成されて未処理領域234に格納されている中間データと置換される(S516,S517)。
【0132】
以上の処理は、中間データバッファの未処理領域に格納された中間データが1個になるまで繰り返し行われ、中間データが残り1個になればS509の判定結果がYESになってS510が実行され、最後の中間データが処理済領域236に格納された後、S511が実行され、処理済領域236に格納された中間データが画像データメモリに格納される。
【0133】
上記実施形態においては、中間データを画像データメモリ110に格納する際に全部の中間データについてデータ量減少処理を行うようにされており、画像データメモリ110に格納する中間データの量を減らし、画像データメモリ110を記憶容量の小さいものとすることに有効であるが、中間データをデータ量減少処理を行うことなく、そのまま画像データメモリ110に格納し、画像データメモリ110が一杯になって更に中間データを格納することができなくなったときにデータ量減少処理を行うようにしてもよい。
【0134】
画像データメモリ110が一杯になったときに行うデータ量減少処理を図42に基づいて概略的に説明する。
この場合、外部電子機器から供給された画像データに基づいて作成された中間データは、中間データバッファに格納されるが、処理バッファに格納されることなく、画像データメモリ110に格納される。そして、図42(a)に斜線を施して示すように、画像データメモリ110のデータ格納許容領域の全部に中間データが格納されれば、中間データバッファからの中間データの取込みが中断されるとともに、データ量減少処理が開始される。この際、データ量減少処理される全部のデータDA の量は図42(b)に示すように予め定められており、そのうちの一部(これを処理データDB と称する)が処理バッファに移されて処理される。この処理は、画像がカラーで記録されるのであれば、図1〜図31に示す実施形態におけると同様に行われ、白黒で記録されるのであれば、図32〜図39に示す実施形態におけると同様に行われる。
【0135】
最初に処理される処理データDB1は、データ量減少処理後、画像データメモリ110の元の格納位置に戻される。処理済データDB1´の量は図42(c)に斜線を施して示すように減っており、点を付して示すように画像データメモリ110に空領域ができる。次に、処理データDB1の次に格納されている処理データであって、処理データDB1と同じ量のデータDB2が処理バッファ108に移されてデータ量減少処理される。処理済データDB2´は、図42(d)に示すように、上記空領域分、詰めて画像データメモリ110に格納される。処理データDB2の処理によっても空領域が生じ、図42(d)に点を付して示すように空領域が増える。
【0136】
量DA のデータについて処理が行われれば、図42(e)に点を付して示すように空領域が得られる。処理終了後、空いた領域に新たに中間データが格納されるが、画像データメモリ110が一旦、一杯になってデータ量減少処理が行われた後は、中間データを予めデータ量減少処理して画像データメモリ110に格納する。前記実施形態におけると同様に、中間データバッファから処理バッファへ中間データが移され、処理バッファの未処理領域にN個の中間データが移される毎にデータ量減少処理が行われるのである。
【0137】
このようにしてもなお、画像データメモリ110が一杯になったときには、処理バッファに格納された中間データの処理が終了し、画像データメモリ110に格納された後、中間データバッファからの新たな中間データの処理バッファへの取込みが中断され、画像データメモリ110に既に格納されている中間データが処理バッファに移されてデータ量減少処理が行われる。この場合には、図42(f)に示すように、1回目にデータ量減少処理を行った中間データDA1より先に格納された中間データDA2についてデータ量減少処理が行われる。まだ、データ量減少処理が行われていない中間データについて処理が行われるのであり、それにより生ずる空領域に新たな中間データであって、データ量減少処理済みの中間データが格納される。
【0138】
本実施形態によれば、減少させ得るデータ量は少ないが、中間データを画像データメモリ110に格納するのに要する時間が短くて済み、ひいては画像データの受信から記録までの時間を短くすることが可能である。
【0139】
なお、上記各実施形態において制御装置90はCPUを2個有するものとされていたが、1個のCPUにより制御を行うものとしてもよい。例えば、時分割により、中間データ作成処理とデータ量減少処理とを並列に行うのである。
【0140】
また、図40および図41に示す実施形態においては、読取図形と面図形とが重複する場合を説明したが、読取図形が線図形と重複する場合にも同様に、不重複部分図形のデータを作成してもよい。線図形を読取図形の下に記録される部分を除いた図形に変更し、あるいは読取図形を、読取図形領域内の画素のうち、線図形を表す画素を除いた図形に変更するのである。
さらに、画像がカラーで記録される場合にも同様に、読取図形が面図形や線図形と重複するのであれば、面図形や線図形を変更し、あるいは読取図形を変更してもよい。
【0141】
また、画像がカラーで記録される場合にも、図32〜図39に示す実施形態におけると同様に、単位図形群を構成する全部の単位図形の各外接矩形について交差関係を調べ、直接あるいは間接につながる単位図形についてまとめて処理を行うようにしてもよい。
【0142】
さらに、上記実施形態においては、2つの単位図形のうち、1番目の単位図形が面図形,2番目の単位図形が線図形であって、両者が同じ色で記録される場合、1番目の面図形について作成された中間データがそのまま処理済領域に格納され、線図形の中間データはそのまま未処理領域に残されるようにされていたが、これは不可欠ではなく、例えば、1番目の面図形の中間データは処理済領域に格納し、2番目の線図形について不重複部分図形の規定点を取得するようにしてもよい。同じ色で記録されるのであれば、線図形が面図形の上に記録されるのであっても、面図形との重複部分は面図形の一部として処理して支障はないからである。この場合、不重複部分図形の規定点が元の線図形の規定点数より少なければ、不重複部分図形について中間データを作成し、未処理領域に格納されている元の線図形の中間データと置換し、規定点が減少しなければ、線図形の中間データはそのままにしておけばよい。
なお、線図形が複数の線分の集合であり、各線分の色が互いに異なることがあれば、例えば、1つでも面図形と色が異なる線分があるとき、その線図形の色は面図形とは異なるものとすればよい。
【0143】
また、上記実施形態において、2つの単位図形の各外接矩形が離れておらず、かつ、2つの単位図形が交差しないとき、1番目の単位図形を構成する複数の規定点のうちの1つが1番目の単位図形の内側にあるか、外側にあるかを調べることにより、2つの単位図形の一方が他方に内包されるか、あるいは一方が他方の内側にないことが判定されるようになっていたが、2つの単位図形の各外接矩形の大きさに基づいて判定するようにしてもよい。例えば、一方の外接矩形のX軸に平行な辺およびY軸に平行な辺がいずれも、他方の外接矩形のX軸に平行な辺およびY軸に平行な辺より短ければ、交差しない2つの単位図形は、外接矩形が小さい方の単位図形が大きい方の単位図形に内包されるか、あるいは外に位置するかのいずれかであり、1番目の単位図形が外接矩形が大きい方の図形であれば、この単位図形が2番目の単位図形に内包されて記録されないことがなく、その中間データをそのまま処理済領域に格納すればよい。また、一方の外接矩形のX軸に平行な辺が他方の外接矩形のX軸に平行な辺より長く、一方の外接矩形のY軸に平行な辺が他方の外接矩形のY軸に平行な辺より短ければ、交差しない2つの単位図形は、一方の外接矩形を有する単位図形が他方の外接矩形を有する単位図形の外にあるのが普通であり、1番目の単位図形の中間データをそのまま処理済領域に格納すればよい。一方の外接矩形のY軸に平行な辺が他方の外接矩形のY軸に平行な辺より長く、一方の外接矩形のX軸に平行な辺が他方の外接矩形のX軸に平行な辺より短い場合も同じである。
【0144】
さらに、上記実施形態において線図形は開いた線図形とされていたが、面図形の輪郭線である閉じた線図形についても同様に、不重複部分図形を作成してもよい。
【0145】
また、線図形は有限線に限らず、無限の直線,曲線あるいはそれらの組合わせでもよく、有限線と無限線との組合わせでもよい。
【0146】
さらに、読取図形領域が矩形の場合、その矩形を規定する2点は、X座標値が最小,Y座標値が最大である点、およびX座標値が最大,Y座標値が最小である点でもよい。
【0147】
また、図32〜図39の実施形態におけるように、直接あるいは間接につながった単位図形についてまとめて処理を行うとき、不重複新図形を規定する座標データや主図形の中間データは、主図形について、その主図形と直接あるいは間接に重複する従図形との間で交差,内包,不重複新図形を構成するか否か等の判定が全部終了するまで未処理領域に格納しておき、終了後に処理済領域に格納してもよい。
【0148】
さらに、単位図形群を構成する全部の単位図形について不重複新図形の規定点の取得等が終了した後、データを画像データメモリに格納するとき、以後の処理において図形を規定する座標データおよび色データがあればよいのであれば、それらデータのみを画像データメモリに格納してもよい。
【0149】
また、ポストスクリプト言語以外の記述様式で作成された画像データも本発明の画像処理装置によって処理することができる。重複する2個の単位図形同士で優先順位が必要な場合、優先順位を指示するデータが付されていればよいのである。
【0150】
さらにまた、本発明は、上記各実施形態の構成要素の組合わせを変えた態様で実施することができる。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像処理装置を備えたインクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】上記インクジェットプリンタのプラテンの駆動機構およびインク噴射装置を示す平面図である。
【図3】上記インクジェットプリンタを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を取り出して示すブロック図である。
【図4】上記制御装置を構成する第一制御部に接続されたRAMのうち、本発明に関連の深い部分を取り出して概念的に示すブロック図である。
【図5】上記画像処理装置において行われる凹多角形の分割の一例を示す図である。
【図6】上記画像処理装置において行われる凹多角形の分割の別の例を示す図である。
【図7】上記画像処理装置において行われる辺交差多角形の分割の一例を示す図である。
【図8】上記画像処理装置において処理される単位図形の一例である面図形およびその面図形について作成される中間データを示す図である。
【図9】上記制御装置を構成する第一制御部に接続されたROMに格納された図形処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】上記図形処理ルーチンを構成するデータ量減少処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】上記データ量減少処理ルーチンを構成する単位図形交差判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】上記画像処理装置によりデータ量減少処理される単位図形群を示す図である。
【図13】上記データ量減少処理ルーチンにおいて行われる外接矩形の交差の判定を説明する図である。
【図14】図12に示す単位図形のうち、先頭の2つの単位図形の外接矩形が交差する状態を示す図である。
【図15】上記図形処理ルーチンにおいて行われる不重複新図形の規定点の取得を説明する図である。
【図16】上記不重複新図形の規定点の取得により得られた規定点が処理バッファの不重複新図形データ格納領域に格納された状態を示す図である。
【図17】図12に示す単位図形のうち、先頭の2つの単位図形により構成される不重複新図形の規定点の取得を説明する図である。
【図18】図17に示す不重複新図形を規定する規定点が不重複新図形データ格納領域に格納された状態を示す図である。
【図19】上記RAMの処理バッファに設けられた未処理領域140および処理済領域142のデータ量減少処理に伴うデータ格納内容の変化を示す図である。
【図20】上記図形処理ルーチンにおいて行われる不重複部分図形の規定点の取得を説明する図である。
【図21】図20に示す不重複部分図形を規定する規定点が不重複部分図形データ格納領域に格納された状態を示す図である。
【図22】図12に示す単位図形のうち、先頭の2つの単位図形の一方により構成される不重複部分図形の輪郭線規定点の取得を説明する図である。
【図23】図22に示す不重複部分図形を規定する規定点が不重複部分図形データ格納領域に格納された状態を示す図である。
【図24】2つの単位図形が異なる色で記録される場合を説明する図である。
【図25】2つの単位図形のうちの一方が他方に含まれる例を示す図である。
【図26】2つの単位図形のうち、一方の単位図形の外接矩形が他方の単位図形の外接矩形に含まれるが、単位図形同士は離れている例を示す図である。
【図27】点の面図形に対する内包関係の判定を説明する図である。
【図28】点が面図形に内包される場合の判定を説明する図である。
【図29】点が面図形の外に位置する場合の判定を説明する図である。
【図30】上記画像処理装置において処理される単位図形の一例である線図形およびその線図形について作成される中間データを示す図である。
【図31】線図形と面図形とが交差する場合の処理を説明する図である。
【図32】本発明の別の実施形態である画像処理装置により処理される単位図形群を示す図である。
【図33】図32に示す単位図形群を処理する画像処理装置を構成するRAMの処理バッファの構成を示す図である。
【図34】図32に示す単位図形群を処理する画像処理装置を構成するROMに格納されたデータ量減少処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図35】上記データ量減少処理ルーチンを構成する不重複新図形データ作成ルーチンを示すフローチャートである。
【図36】上記不重複新図形データ作成ルーチンの残りを示すフローチャートである。
【図37】上記処理バッファに設けられた外接矩形交差データ格納領域にデータが格納された状態を示す図である。
【図38】上記処理バッファに設けられた外接矩形交差データ格納領域にデータが格納された状態を示す図である。
【図39】上記不重複新図形データ作成ルーチンを実行するにあたり、主図形と従図形とが交差の判定前に不重複新図形を形成する例を示す図である。
【図40】本発明のさらに別の実施形態である画像処理装置を備えたインクジェットプリンタの制御装置を構成する第一制御部に接続されたROMに格納された図形処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図41】上記ROMに格納されたデータ量減少処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図42】本発明の実施形態である画像処理装置におけるデータ量の減少処理を概略的に説明する図である。
【符号の説明】
8 インクジェットプリンタ 90 制御装置
106 中間データバッファ
108 処理バッファ 110 画像データメモリ
140 未処理領域 142 処理済領域
176 単位図形群 192 不重複新図形
196 不重複部分図形 230 単位図形群
Claims (5)
- 複数の単位図形を含み、それら複数の単位図形の少なくとも一つが3個以上の規定点により、残りが2個以上の規定点によりそれぞれ規定されるとともに、その3個以上の規定点により規定される単位図形の少なくとも一つがその2個以上の規定点により規定される単位図形の少なくとも一つと、少なくとも一部において重複する集合図形を構成する単位図形群を処理する処理手段を含む画像処理装置であって、
前記処理手段が、
前記処理前の単位図形のデータを記憶する処理前図形データ記憶手段と、
その処理前図形データ記憶手段に記憶された単位図形データに基づいて、前記互いに重複する単位図形に関して、互いに重複する部分の一方を省略した不重複新図形のデータを作成する不重複新図形データ作成手段と、
その不重複新図形データ作成手段により作成された不重複新図形データを記憶する不重複新図形データ記憶手段と
を含み、かつ、前記不重複新図形データ作成手段が、前記少なくとも一部において互いに重複する2個の単位図形をそれぞれ規定する規定点の数の和が、それら2個の単位図形から作成される不重複新図形を規定する規定点の数より多い場合に、それら2個の単位図形から不重複新図形を作成し、多くない場合には作成しない規定点減少時不重複新図形データ作成手段を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 前記処理前図形データ記憶手段の記憶容量が不足の場合に、前記規定点減少時不重複新図形データ作成手段を作動させ、その結果作成された不重複新図形データを処理前図形データ記憶手段にその不重複新図形データに対応する単位図形データに代えて記憶させる記憶容量不足対処手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記処理前図形データ記憶手段が、前記複数の単位図形のデータを、それら単位図形間の優先順位を判別可能な状態で記憶するものであり、かつ、前記不重複新図形データ作成手段が、
前記複数の単位図形の2個が互いに重複する際に、優先順位が上である単位図形の単位図形データは変更せず、優先順位が下である単位図形の単位図形データは優先順位が上である単位図形と重複しない部分の部分図形データに変更する優先順位対応不重複新図形データ作成手段と、
前記不重複新図形の輪郭線を規定する輪郭線データを作成する輪郭線データ作成手段と、
それら優先順位対応不重複新図形データ作成手段と輪郭線データ作成手段とを選択的に作動させる不重複新図形作成形態選択手段と
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記不重複新図形作成形態選択手段が、前記少なくとも一部が重複する2個の単位図形の色が異なる場合には前記優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させ、色が同じである場合には前記輪郭線データ作成手段を作動させる色対応不重複新図形作成形態選択手段を含む請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記不重複新図形作成形態選択手段が、前記少なくとも一部が重複する2個の単位図形の一方が線図形あるいは読取図形の場合には前記優先順位対応不重複新図形データ作成手段を作動させる図形種類対応不重複新図形作成形態選択手段を含む請求項3または4に記載の画像処理装置。
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