JP3551639B2 - 円筒ローラの抜け止め構造及び これを用いた加熱ローラ定着装置 - Google Patents

円筒ローラの抜け止め構造及び これを用いた加熱ローラ定着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空状の円筒ローラの軸方向への移動を規制し、該円筒ローラが装置フレーム等の支持部から脱落するのを防止するための抜け止め構造に係り、更には、かかる構造を用いて加熱ローラの軸方向の移動を規制した電子写真複写機やレーザプリンタ等の加熱ローラ定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やレーザプリンタ等においては、トナー像が転写された記録シートを定着装置に挿通させ、該トナー像を記録シートに定着させる必要があるが、かかる定着装置としては実開昭61−19265号公報等に開示される所謂加熱ローラ定着装置が知られている。
【0003】
この加熱ローラ定着装置は加熱ローラに対して加圧ローラを圧接させて構成されており、上記加熱ローラ及び加圧ローラの回動に合わせて記録シートをこれらローラ間に挿通させると、記録シートに担持されていた未定着トナー像が加熱ローラから印加された熱エネルギで溶融する一方、かかる溶融トナーが加圧ローラの圧接力で押し潰されて記録シートの繊維間に浸透し、これによって記録シートに対するトナー像の定着がなされるようになっている。
【0004】
また、上記加熱ローラはその両端に開口を有する中空状に形成されると共に、その内部には加熱用のヒーターが配設されており、外径に嵌合する軸受を介して複写機の装置フレーム等に回転自在に支承されている。加えて、この加熱ローラの外径には駆動ギヤが嵌合しており、かかる駆動ギヤを介してモータからの回転動力が加熱ローラに伝達されるようになっている。
【0005】
ところで、加熱ローラに対してはその回転中に軸方向への移動力(以下、軸力という)が作用する場合もあり、この軸力によって加熱ローラが軸方向へ移動すると、その端部が装置フレームから抜け落ちてしまうことから、該加熱ローラの両端部には装置フレームからの抜け止めの処置を施す必要がある。
【0006】
このため、前述の実開昭61−19265号公報に開示される加熱ローラ定着装置では、図13に示すように、加熱ローラ100の周面にローラ軸方向の位置を揃えて二箇所の透孔101,101を開設すると共に、かかる透孔101に嵌入する突部102を備えた略C字状のスプリング部材103を加熱ローラ100の外周面に嵌着させ、このスプリング部材103を加熱ローラ100の軸方向の移動を規制する止め輪として利用している。
【0007】
また、中空軸の端部を他の構造部材に固定する一般的な手法としては、図14に示すように、中空軸104の周面の一か所に透孔105を形成すると共に、かかる透孔105に嵌入する突片106を中央に備えたE形リング107を該中空軸104の外周面に嵌着させ、このE形リング107によって中空軸104の軸方向への移動を規制するものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、略C字状のスプリング部材を用いて加熱ローラ端部の抜け止めを行う前者の従来技術にあっては、該スプリング部材に形成された突部のみが加熱ローラの透孔に引っ掛かってその軸方向の移動を規制しているので、実際に加熱ローラに対して軸力が作用すると、該軸力の反力がスプリング部材の突部から加熱ローラの透孔周辺部に対して集中的に作用し、かかる透孔の形成部位から加熱ローラが破損し易いという問題点があった。また、このような問題点はE形リングを用いて中空軸の端部を固定する後者の従来技術についても同様である。
【0009】
特に、近年の加熱ローラ定着装置においては、加熱ローラに内装されたヒータの放熱を該加熱ローラの表面に効率良く伝達する目的から、加熱ローラの著しい薄肉化が進んでおり、肉厚0.5mm程度の加熱ローラの周面の一か所に対して前述の反力が集中的に作用した場合には、該反力による加熱ローラの破損をさけることは殆ど不可能であった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、他の機械部材に支承された円筒ローラの端部に抜け止め処置を施すに当たり、該円筒ローラがこれに作用する軸力によって破損するのを防止することが可能な抜け止め構造を提供すると共に、この抜け止め構造を利用して加熱ローラ端部が装置フレームから脱落するの防止した加熱ローラ定着装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明では以下に示す二つの円筒ローラの抜け止め構造を提案するものである。
先ず、本発明の第一の抜け止め構造は、図1(a)に示すように、中空状の円筒ローラ1の外周に対して円環部材2を係止し、かかる円環部材2によって上記円筒ローラ1の軸方向の移動を規制する抜け止め構造であって、上記円筒ローラ1の端部をその内径側に向かって窄めて形成した屈曲部3と、上記円筒ローラ1の端部でその軸方向に沿って形成された切り欠き部4と、上記円環部材2の内径に突設されると共に、上記切り欠き部4を介して円筒ローラ1の内径から突き出た突出部5と、上記屈曲部3と突出部5との間で上記円筒ローラ1の内周面に圧接する弾性リング6とから構成されることを特徴とするものである。
【0012】
この抜け止め構造においては、最初に円環部材2を円筒ローラ1の外径に嵌合させるのであるが、この際、上記円環部材2の内径に形成された突出部5は円筒ローラ1の端部に形成された切り欠き部4と合致させておく。これにより、円環部材2を円筒ローラ1に嵌合させた後にあっては、かかる突出部5が円筒ローラ1の内径から突出することとなる。そして、最後に上記弾性リング6を円筒ローラ1の端部から該円筒ローラ1の中空部内に挿入し、円筒ローラ1の端部に形成された屈曲部3と上記円環部材2の突出部5との間で円筒ローラ1の内周面に圧接させる。
【0013】
その結果、仮に円筒ローラに対して矢線A方向の軸力(以下、軸力A)が作用したとしても、上記弾性リング6は円筒ローラ端部の屈曲部3によって係止されることから、該円筒ローラ1の端部から抜け出ることはなく、また、円環部材2はその突出部5が円筒ローラ1の内周面に圧接した弾性リング6に係止されることから、やはり該円筒ローラ1の端部から抜け出ることはない。従って、この抜け止め構造では円筒ローラの装置フレームFに対する止め輪として上記円環部材2を利用することにより、上記矢線A方向の軸力に抗して円筒ローラ1の装置フレームFに対する抜けを防止することができるものである。
【0014】
そして、以上のようにして円環部材の抜け止めがなされている第一の抜け止め構造によれば、上記円筒ローラ1はその端部に形成された屈曲部3が弾性リング6の周方向の全域と接触することから、該円筒ローラ1に対して軸力Aが作用しても、その反力は円筒ローラ1の周方向に分散して作用することとなり、該反力が円筒ローラ1の一部分にのみ集中して作用するのを防止することができる。
【0015】
次に、本発明の第二の抜け止め構造は、図1(b)に示すように、中空状の円筒ローラ1の外周に対して円環部材2を係止し、かかる円環部材2によって上記円筒ローラ1の軸方向の移動を規制する抜け止め構造であって、上記円筒ローラ1の端部をその内径側に向かって窄めて形成した屈曲部3と、上記円筒ローラ1の端部でその軸方向に沿って形成された切り欠き部4と、上記屈曲部3と円環部材2との間で上記円筒ローラ1の内周面に圧接すると共に、上記切り欠き部4を介して円筒ローラ1の外径から突き出す突出部7を有する弾性リング8とから構成されることを特徴とするものである。
【0016】
この抜け止め構造においては、最初に円環部材2を円筒ローラ1の外径に嵌合させ、次いで上記弾性リングを円筒ローラ1の端部から該円筒ローラ1の中空部内に挿入し、円筒ローラ1の端部に形成された屈曲部3と上記円環部材2との間で円筒ローラ1の内周面に圧接させる。このとき、上記弾性リング8に形成された突出部7は円筒ローラ1の端部に形成された切り欠き部4と合致させておき、弾性リング8を円筒ローラ1の中空部に挿入した後にあっては、かかる突出部7が円筒ローラ1の外径から突き出ることとなる。
【0017】
その結果、仮に円筒ローラ1に対して軸力Aが作用したとしても、上記弾性リング8は円筒ローラ端部の屈曲部3によって係止されることから、該円筒ローラ1の端部から抜け出ることはなく、また、円環部材2は円筒ローラ1の外径から突き出した弾性リング8の突出部7に係止されることから、やはり該円筒ローラ1の端部から抜け出ることはない。従って、この抜け止め構造においても円筒ローラ1の装置フレームFに対する止め輪として上記円環部材2を利用することにより、上記矢線A方向の軸力に抗して円筒ローラ1の装置フレームFに対する抜けを防止することができるものである。
【0018】
そして、以上のようにして円環部材2の抜け止めがなされている第二の抜け止め構造によっても、上記円筒ローラ1はその端部に形成された屈曲部3が弾性リング8の周方向の全域と接触することから、該円筒ローラ1に対して作用する軸力Aの反力を円筒ローラ1の周方向に分散させることができ、やはり一部分にのみ集中して反力が作用するのを防止できる。
【0019】
このような技術的手段において、円筒ローラ1の装置フレームFに対する抜けを確実に防止するには、円筒ローラ1に少なくとも2つの切り欠き部4を適宜角度間隔(通常は等角度間隔)で設け、夫々の切り欠き部4に円環部材2に形成された突出部5若しくは弾性リング8に形成された突出部7を係合させ、作用する軸力Aに対して弾性リング6,8の倒れを回避するようにすればよい。
このとき、本発明の第一の抜け止め構造のみを用いれば、円筒ローラ1の複数の切り欠り部4に円環部材2に形成された複数の突出部5を係合させる構成が採用され、また、本発明の第二の抜け止め構造のみを用いれば、円筒ローラ1の複数の切り欠り部4に弾性リング8に形成された複数の突出部7を係合させる構成が採用され、更に、本発明の第一及び第二の抜け止め構造を組み合わせて用いられば、円筒ローラ1の複数の切り欠り部4に円環部材2の突出部5と弾性リング8(6)の突出部7とを夫々係合させる構成が採用される。
【0020】
また、これら本発明の円筒ローラの抜け止め構造によれば、軸力Aの反力が円筒ローラの周方向に分散して作用することから、円筒ローラの肉厚が極端に薄い場合であっても該円筒ローラの破損を生じる懸念が少なく、かかる意味において本発明の円筒ローラの抜け止め構造は薄肉化が進んでいる加熱ローラ定着装置の加熱ローラの抜け止め構造として最適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の円筒ローラの抜け止め構造を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明の抜け止め構造を加熱ローラの両端部に適用した加熱ローラ定着装置の実施の形態1を示すものである。同図において、符号10はヒータ11を内装した加熱ローラ、符号12は上記加熱ローラ10に圧接する加圧ローラ、符号13は未定着トナー像を担持した状態で上記加熱ローラ10及び加圧ローラ12の間に挿通される記録シートである。
【0022】
上記加熱ローラ10は、例えばステンレス等の鉄系金属あるいはアルミニウム等の軽金属からなる外径20mmのシームレス円筒体であり、上記ヒータ11によって発生した熱エネルギが素早く該加熱ローラ10の表面に伝導するよう、肉厚0.5mm程度の薄肉に形成されている。また、図3に示すように、加熱ローラ10の両端にはその内径側に向かって窄まった屈曲部14が形成されると共に、周面上の相対向する二箇所の位置(紙面手前側と奥側)には軸方向に沿った切り欠き部15が形成されている。
【0023】
一方、この加熱ローラ10の軸方向の両端は一対の軸受16を介して上記装置フレーム17に回転自在に支承されており、上記ヒータ11の熱エネルギが上記軸受16及び装置フレーム17に流入するのを防止するため、各軸受16は断熱性スリーブ18を介して加熱ローラ10に装着されている。これら断熱性スリーブ18には上記軸受16の軸方向への移動を係止するための鍔部18aが夫々形成されており、かかる鍔部18aが上記装置フレーム17に対して外側となるように一対の断熱性スリーブ18,18を加熱ローラ10に嵌合させ且つその抜け止めをすると、装置フレーム17に対する加熱ローラ10の軸方向の移動が防止されるようになっている。
【0024】
更に、上記加熱ローラ10の一方の端部には上記断熱性スリーブ18に隣接して駆動ギヤ19が嵌合しており、図示外のモータの回転動力が上記駆動ギヤ19を介して加熱ローラ10に伝達され、該加熱ローラ10が回転するように構成されている。図4に示すように、この駆動ギヤ19の内径には加熱ローラ10の切り欠き部15に没入するキー20が形成されており、かかるキー20の高さは上記加熱ローラ10の肉厚よりも大きく設定されている。従って、図5に示すように駆動ギヤ19を加熱ローラ10に嵌合させた状態では、上記キー20が加熱ローラ10の周面に形成された一対の切り欠き部15のうちの一つに嵌まり込み、加熱ローラ10の内周面から僅かに突出するようになっている。
【0025】
また、上記加熱ローラ10の両端部の内周面には夫々第1弾性リング21及び第2弾性リング31が圧接しており、これによって本実施の形態では加熱ローラ10に対する上記断熱性スリーブ18及び駆動ギヤ19の抜け止めがなされている。ここで、前者の第1弾性リング21は駆動ギヤ19と屈曲部14との間に、後者の第2弾性リング31は断熱性スリーブ18と屈曲部14との間に位置している。
【0026】
図6に示すように、上記第1弾性リング21は開放端を有する略C形状に形成されており、その外径は加熱ローラ10の内径よりも若干大きく形成されている。このため、半径方向へ軽く押し潰すように変形させた状態で屈曲部を潜らせ、加熱ローラ10の内部で拡開させると、かかる第1弾性リング21は加熱ローラ10の内周面に圧接する。また、上記第1弾性リング21の開放端には外径に向かって突き出した一対の突出部22が形成されており、該第1弾性リング21を加熱ローラ10内に圧接させると、上記突出部22が加熱ローラ10切り欠き部15を介して加熱ローラ10の外径に突出するようになっている。
【0027】
図7は上記第1弾性リング21と駆動ギヤ19との関係を示す断面図であり、加熱ローラ10を図2に示すVII−VII線で切断した様子を示すものである。この図に示されるように、第1弾性リング21の突出部22は上記切り欠き部15を介して加熱ローラ10の内径から外径へ突き出し、突き出た突出部22が加熱ローラ10の外径において駆動ギヤ19と重なっている。また、上記突出部22と相対向するには位置では、駆動ギヤ19のキー20がやはり切り欠き部15を介して加熱ローラ10の内径に突き出しており、上記キー20が加熱ローラ10の内径において上記弾性リング21と重なっている。
【0028】
このため、上記加熱ローラ10が図2中の矢線B方向へ移動しようとすると、加熱ローラ10の端部に形成された屈曲部14が上記第1弾性リング21を軸方向へ押圧することとなるが、図7に示すように、かかる第1弾性リング21はその突出部22が駆動ギヤ19によって係止されると共に、駆動ギヤ19のキー20によっても係止されているので、駆動ギヤ19及びこれに隣接する断熱性スリーブ18は加熱ローラ10の外周面上の所定の位置に係止され、加熱ローラ10の端部から抜け落ちることがない。
【0029】
一方、図8に示すように、上記第2弾性リング31も開放端を有する略C形状に形成されており、第1弾性リング21と同様にして加熱ローラ10の内部に挿入され、その弾性力で該加熱ローラ10の内周面に圧接する。この第2弾性リング31の開放端には外径に向かって突き出した一対の突出部32が形成されると共に、かかる突出部32と180°反対側の位置にも突出部33が形成され、第2弾性リング31を加熱ローラ10内に圧接させると、上記突出部32,33が切り欠き部15を介して加熱ローラ10の外径に夫々突出するようになっている。
【0030】
図9は上記第2弾性リング31と断熱性スリーブ18との関係を示す断面図であり、加熱ローラ10を図2に示すIX−IX線で切断した様子を示すものである。この図に示されるように、第2弾性リング31の突出部32,33は上記切り欠き部15を介して加熱ローラ10の内径から外径へ夫々突き出し、突き出た突出部32,33が加熱ローラ10の外径において断熱性スリーブ18と重なっている。
【0031】
このため、上記加熱ローラ10が図2中の矢線C方向へ移動しようとすると、加熱ローラ10の端部に形成された屈曲部14が上記第2弾性リング31を軸方向へ押圧することとなるが、図9に示すように、かかる第2弾性リング31はその突出部32,33が共に断熱性スリーブ18によって係止されているので、断熱性スリーブ18は加熱ローラ10の外周面上の所定の位置に係止され、加熱ローラ10の端部から抜け落ちることがない。
【0032】
そして、このように構成された本実施の形態の加熱ローラ定着装置では、ヒータ11で加熱ローラ10を所定の表面温度にまで加熱すると共に図示外のモータで上記加熱ローラ10を回転させ、この状態でトナー像の担持された記録シート13を加熱ローラ10及び加圧ローラ12の間に挿通させると、該トナー像が加熱ローラ10に接触して溶融すると共に、かかる溶融トナーが加熱ローラ10と加圧ローラ12との間に生じる加圧力によって記録シート13の繊維間に浸透し、トナー像の記録シート13に対する定着がなされる。
【0033】
このとき、本実施の形態の定着装置では前述した構造により加熱ローラ10の装置フレームに対する抜け止めがなされていることから、回転する加熱ローラ10に対して軸方向の移動力(軸力)が作用した場合であっても、第1弾性リング21あるいは第2弾性リング31が加熱ローラ10の軸方向への移動を係止し、該加熱ローラ10が装置フレーム17から脱落することがない。
【0034】
しかも、加熱ローラ10はその端部に形成された屈曲部14が第1弾性リング21又は第2弾性リング31の周方向の略全域と接触することから、これら弾性リング21,31が加熱ローラ10の屈曲部14に及ぼす上記軸力の反力は加熱ローラ10の周方向に分散して作用する。
【0035】
従って、かかる反力が加熱ローラ10の一部分にのみ集中して作用するのを防止することができ、極めて薄肉に形成された加熱ローラ10が上記反力によって損傷するのを効果的に防止することができるものである。
【0036】
◎実施の形態2
図10は上記加熱ローラ10の端部の抜け止め構造の実施の形態2を示すものである。
前述の実施の形態1では第1弾性リング21又は第2弾性リング31に形成した突出部22,32,33を加熱ローラ10の外周面から突出させ、これによって駆動ギヤ19又は断熱性スリーブ18を加熱ローラ10の外周面上に係止していたが、本実施の形態ではこれとは逆に断熱性スリーブ18の内周面に突出部34を形成し、かかる突出部34を加熱ローラ10の内周面から突出させるようにした。
【0037】
図11は断熱性スリーブ18と加熱ローラ10の関係を示す断面図であり、加熱ローラ10を図10に示すXI−XI線で切断した様子を示すものである。この図に示されるように、断熱性スリーブ18の内周面の相対向する二箇所には突出部34が形成され、かかる突出部34が加熱ローラ10に形成された二箇所の切り欠き部15を介して該加熱ローラ10の内周面に突出するように構成されている。
【0038】
また、加熱ローラ10の端部の内周面には上記断熱性スリーブ18と加熱ローラ10の屈曲部14との間で弾性リング41が圧接しており、これによって本実施の形態では加熱ローラ10に対する上記断熱性スリーブ18の抜け止めがなされている。この弾性リング41も開放端を有する略C形状に形成されており、上記第1弾性リング21等と同じくその弾性によって加熱ローラ10の内周面に圧接する。但し、この弾性リング41の外径には何ら突出部が形成されていない。
【0039】
尚、その他の構成は前述の実施の形態1と同じなので、図10中に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0040】
かかる構造では加熱ローラ10が図10中の矢線D方向へ移動しようとすると、加熱ローラ10の端部に形成された屈曲部14が上記弾性リング41を軸方向へ押圧することとなるが、本実施の形態では加熱ローラ10の内径に断熱性スリーブ18の突出部34が突き出していることから、かかる突出部によって弾性リング41の軸方向への移動が係止される。
【0041】
このため、前述の実施の形態1と同様、断熱性スリーブ18は加熱ローラ10の外周面上の所定の位置に係止されることから、加熱ローラ10の端部が装置フレーム17から抜け落ちるのを防止することができるものである。
【0042】
そして、この実施の形態においても上記弾性リング41はその周方向の全域で加熱ローラ10の屈曲部14と接触することから、加熱ローラ10に対して大きな軸力が作用した場合であっても、弾性リング41が加熱ローラ10の屈曲部14に及ぼす上記軸力の反力は加熱ローラ10の周方向に分散して作用する結果となり、かかる反力によって加熱ローラ10が破損するのを効果的に防止することができるものである。
【0043】
一方、この実施の形態2では断熱性スリーブ18に対して突出部34を形成することによって加熱ローラ10の抜け止めを行ったが、断熱性スリーブ18に隣接して駆動ギヤ19を設ける場合には、該駆動ギヤ19の内径に突出部を形成するようにしても良い。
【0044】
また、前述の実施の形態1及び実施の形態2では弾性リングの断面形状を円形としていたが、かかる弾性リングと加熱ローラ10の屈曲部14との接触面積を増加させるという観点からすれば、図12に示すように、弾性リング51の断面形状は加熱ローラ10の屈曲部14の内周面に倣った形状であることが好ましい。このように弾性リング51の断面形状を決定すれば、該弾性リング51が加熱ローラ10に対して及ぼす力が屈曲部14の内周面により広く分散することとなるので、その分だけ加熱ローラ10の破損の危険性を減じることができる。
【0045】
更に、実施の形態1及び実施の形態2では加熱ローラ10の周面上における切り欠き部15の形成箇所を二箇所としたが、三箇所以上の複数箇所に切り欠き部15を形成し、これに対応して弾性リングに形成する突出部、あるいは断熱性スリーブ、駆動ギヤに形成する突出部の数を増加させても差し支えない。但し、弾性リングをその周方向に関して均等に係止するという観点からすれば、かかる切り欠き部は加熱ローラ10の周方向に関して均等に配置されていることが好ましい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の円筒ローラの抜け止め構造によれば、弾性リングを円筒ローラの内周面に圧接させて該円筒ローラの抜け止めを行うにあたり、弾性リングが円筒ローラの軸方向の移動を係止しようとする力は該円筒ローラの周方向に分散して作用するので、かかる力が円筒ローラの一部分にのみ集中するのを防止することができ、これによって該円筒ローラが破損するのを効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明の円筒ローラの抜け止め構造を説明する構成図である。
【図2】本発明の円筒ローラの抜け止め構造を適用した加熱ローラ定着装置の実施の形態1を示す概略図である。
【図3】実施の形態1に係る加熱ローラの端部を示す拡大図である。
【図4】実施の形態1に係る駆動ギヤを示す図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】実施の形態1に係る第1弾性リングを示す図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【図8】実施の形態1に係る第2弾性リングを示す図である。
【図9】図2のIX−IX線断面図である。
【図10】本発明の円筒ローラの抜け止め構造を適用した加熱ローラ定着装置の実施の形態2を示す概略図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】弾性リングの断面形状を変更した他の例を示す概略図である。
【図13】従来の加熱ローラの抜け止め構造を示す斜視図である。
【図14】従来の中空軸の抜け止め構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…円筒ローラ,2…円環部材,3…屈曲部,4…切り欠き部,5,7…突出部,6,8…弾性リング,F…装置フレーム

Claims (3)

  1. 中空状の円筒ローラ(1)の外周に対して円環部材(2)を係止し、かかる円環部材(2)によって上記円筒ローラ(1)の軸方向の移動を規制する抜け止め構造であって、
    上記円筒ローラ(1)の端部をその内径側に向かって窄めて形成した屈曲部(3)と、上記円筒ローラ(1)の端部でその軸方向に沿って形成された切り欠き部(4)と、上記円環部材(2)の内径に突設されると共に、上記切り欠き部(4)を介して円筒ローラ(1)の内径から突き出た突出部(5)と、上記屈曲部(3)と突出部(5)との間で上記円筒ローラ(1)の内周面に圧接する弾性リング(6)とから構成されることを特徴とする円筒ローラの抜け止め構造。
  2. 中空状の円筒ローラ(1)の外周に対して円環部材(2)を係止し、かかる円環部材(2)によって上記円筒ローラ(1)の軸方向の移動を規制する抜け止め構造であって、
    上記円筒ローラ(1)の端部をその内径側に向かって窄めて形成した屈曲部(3)と、上記円筒ローラ(1)の端部でその軸方向に沿って形成された切り欠き部(4)と、上記屈曲部(3)と円環部材(2)との間で上記円筒ローラ(1)の内周面に圧接すると共に、上記切り欠き部(4)を介して円筒ローラ(1)の外径から突き出す突出部(7)を有する弾性リング(8)とから構成されることを特徴とする円筒ローラの抜け止め構造。
  3. ヒータが内装された中空状の加熱ローラを有すると共に、この加熱ローラを記録シートに接触かつ回転させながら、該記録シートに転写されたトナー像の定着を行う加熱ローラ定着装置において、
    上記加熱ローラの両端部には請求項1又は請求項2記載の抜け止め構造を適用して円環部材(2)を係止し、これによって該加熱ローラの軸方向の移動を規制したことを特徴とする加熱ローラ定着装置。
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