JP3551448B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はオーディオデータと、1つのオーディオデータ単位であるトラック毎に管理を行う管理情報が記録される記録媒体に記録を行う記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ユーザーが音楽データ等を記録することのできるデータ書き換え可能なディスク状記録メディアが知られており、このようなディスクメディアでは、既に楽曲等のデータが記録されているエリアや未記録エリアを管理するデータ領域(ユーザーTOC,以下U−TOCという)が設けられ、例えば記録、編集、消去等の操作に応じてこの管理データも書き換えられるようになされている。
【0003】
そして、例えば或る楽曲の録音を行なおうとする際には、録音装置はU−TOCからディスク上の未記録エリアを探し出し、ここに音声データを記録していくようになされている。また、再生装置においては再生すべき楽曲(トラック)が記録されているエリアをU−TOCから判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行なう。
【0004】
ところで、光磁気ディスク(MOディスク)等の記録可能のディスクメディアにおいては、DATやコンパクトカセットテープ等のテープ状記録媒体に比べてランダムアクセスがきわめて容易であり、従って、ディスク上の内周側から外周側に向かって第1トラックから第nトラックまで順序正しく記録して行く必要はない。つまり、各楽曲がディスク上では物理的にバラバラの位置に記録されていても、第1トラックから第nトラックまでの各楽曲の記録されているアドレスが管理されている限り、正しい曲順で再生していくことができる。
【0005】
さらに、例えば1つのトラック(楽曲)も必ずしも連続したセグメント(なお、セグメントとは物理的に連続したデータが記録されている部分のことをいうこととする)に記録する必要はなく、ディスク上において離散的に複数のセグメントに分けて記録してしまっても問題ない。
特に、光磁気ディスクから読み出されたデータを高速レートで一旦バッファRAMに蓄え、バッファRAMから低速レートで読出を行なって音声再生信号として復調処理していくシステムでは、セグメント間のアクセスにより、一時的に光磁気ディスクからのデータ読出が中断されてしまっても、再生音声がとぎれることなく出力することができる。
【0006】
従って、セグメント内の記録再生動作と高速アクセス動作(バッファRAMの書込レートと読出レートの差によって生じるデータ蓄積量による再生可能時間以内に終了するアクセス動作)とを繰り返していけば、1つの楽曲のトラックが複数のセグメントに別れて物理的に分割されていても楽曲の記録/再生に支障はないようにすることができる。
【0007】
例えば図16に示すように第1曲目がセグメントM1 、第2曲目がセグメントM2 として連続的に記録されているが、第4曲目、5曲目としてセグメントM4(1)〜M4(4)、M5(1)〜M5(2)に示すようにディスク上に分割して記録されることも可能である。(なお、図16はあくまでも模式的に示したもので、実際には1つのセグメントは数〜数100周回トラック分もしくはそれ以上にわたることが多い。)
【0008】
光磁気ディスクに対して楽曲の記録や消去が繰り返されたとき、記録する楽曲の演奏時間や消去した楽曲の演奏時間の差によりトラック上の空き領域が不規則に発生してしまうが、このように離散的な記録を実行することにより、例えば消去した楽曲よりも長い楽曲を、その消去部分を活用して記録することが可能になり、記録/消去の繰り返しにより、データ記録領域の無駄が生じることは解消される。なお、記録されるのは必ずしも『楽曲』に限らず、音声信号であれば如何なるものも含まれるが、本明細書では内容的に連続する1単位のデータ(トラック)としては楽曲が記録されると仮定して説明を行なう。
【0009】
もちろんこのようなディスクに対しては、記録時には複数の未記録領域となるセグメントをアクセスしながら録音を継続していき、また再生時には1つの楽曲が正しく連続して再生されるようにセグメントがアクセスされていかなければならない。このために必要な、1つの楽曲内のセグメント(例えばM4(1)〜M4(4))を連結するためのデータや、未記録領域を示すデータは、上記したように記録動作や消去動作毎に書き換えられるU−TOC情報として保持されており、記録/再生装置はこのU−TOC情報を読み込んでヘッドのアクセスを行なうことにより、適正に記録/再生動作をなすように制御される。
【0010】
なお、ディスク上の記録データは、図17のように4セクターの(1セクタ=2352バイト)サブデータ領域と32セクターのメインデータ領域からなるクラスタCL(=36セクタ−)単位で形成されており、1クラスタが記録時の最小単位とされる。1クラスタは2〜3周回トラック分に相当する。なお、アドレスは1セクター毎に記録される。
【0011】
4セクターのサブデータ領域はサブデータやリンキングエリアとしてなどに用いられ、TOCデータ、オーディオデータ等の記録は32セクターのメインデータ領域に行なわれる。
また、セクターはさらにサウンドグループに細分化され、2セクターが11サウンドグループに分けられている。そして、サウンドグループ内には512サンプルのデータがLチャンネルとRチャンネルに分けられて記録されることになる。1サウンドグループは11.6msecの時間に相当する音声データ量となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ユーザーがミニディスクシステムにおいて音楽、音声等の録音を行なう場合としては、マイクロフォンを接続して音声を入力する場合、他のオーディオ機器等をライン接続してアナログ音声信号を入力する場合、さらに、コンパクトディスク(CD)プレーヤやDATプレーヤ等から再生デジタル音声信号を直接入力して行なう場合等が考えられる。
【0013】
ここで、CDから直接デジタル音声信号を入力する場合を考えると、音声データの他にトラックナンバー(楽曲番号)等のデータも入力されるため、録音を行なっているミニディスク記録装置側においては、楽曲(トラック)と楽曲の切れ目を知ることができ、これに応じて自動的に録音される音声データについてトラックを分割していくことができる。例えば10曲入りのCDからのデジタルダビングを行なえば、ミニディスクにおいても録音された音声データは自動的に10曲として各曲毎に管理されるようにすることができる。
【0014】
ところが、アナログライン接続の場合は音声信号しか供給されず、ミニディスク録音装置側では楽曲と楽曲の切れ目は把握できない。従って、10曲入のCDからのアナログラインによるダビングを行なった場合は、ミニディスク上の録音データとしては、そのままでは全部の曲が1曲として管理されてしまう。
【0015】
従って、再生時には実際の2曲目以降の曲について曲頭アクセス(頭だし)を行なうことができなくなり、非常に使い勝手が悪くなる。
この場合は、ユーザーは録音後において、1つの曲(実際には10曲)を10曲に分ける編集操作(ディバイド操作)を行なってU−TOCデータを書き換え、録音されたデータが10曲として管理されるようにすればよいわけであるが、このような煩雑な編集操作を必要とすることは好ましくないという問題がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題点に鑑みて、アナログライン接続による録音の場合にも自動的にトラック分割が行なわれるようにし、使用性を向上させることを目的とする。
【0017】
このために、オーディオデータと、1つのオーディオデータ単位であるトラック毎に管理を行う管理情報が記録される記録媒体に記録を行う記録装置において、マイクロフォンにより集音されたアナログオーディオ信号が入力されるマイクロフォン入力手段と、アナログオーディオ信号が入力されるライン入力手段と、上記マイクロフォン入力手段から入力されたアナログオーディオ信号と上記ライン入力手段から入力されたアナログオーディオ信号が選択的に入力され、入力されたアナログオーディオ信号のレベルを検出するレベル検出手段と、上記マイクロフォン入力手段の接続状態及び上記ライン入力手段の接続状態を判別する入力判別手段と、上記入力判別手段にて上記ライン入力手段が接続されていると判別された場合には、上記レベル検出手段に入力されるアナログオーディオ信号が所定時間以上継続して所定値より低いレベルになり、その後上記レベル検出手段による検出レベルが上記所定値を超えたときにトラックが変化したと判別し、トラックが分割されるように上記管理情報を書換え、上記マイクロフォン入力手段が接続されていると判別された場合には、上記レベル検出手段の動作に基づくトラックの分割処理を実行しないようにする。
【0018】
また、管理情報における管理可能なトラック数が有限とされる場合で、上記記録媒体の管理情報で管理可能な有効管理トラック数を超えた場合には、上記制御手段によるトラックの分割処理が不能である旨を告知する表示手段をさらに備えるようにする。
【0019】
また、上記記録媒体の管理情報は各トラックの開始アドレスと終了アドレスであり、上記制御手段は、上記終了アドレスについて、上記レベル検出手段に入力されるアナログオーディオ信号が所定時間以上継続して所定値より低いレベルになり、その後上記レベル検出手段による検出レベルが上記所定値を超えた時点に相当するアドレスより手前のアドレスが設定されるように、上記管理情報を書換えるようにする。上記手前のアドレスとは、或る特定の時間分だけ前の時点に相当するアドレスであり、或る特定の時間分とは、検出レベルが所定値より低いレベルとなる検出動作における『所定時間』よりも短い時間とする。
【0020】
【作用】
レベル検出手段による検出レベルが所定時間以上継続して所定値より低いレベルとなるということは、無音状態が所定時間継続することであり、つまり、無音検出により楽曲などの音声信号の切れ目を検出するものである。そして、このような無音状態の後に、検出レベルが所定値を超えた時点とは、入力される音声データとして例えば次の楽曲が開始された時点に相当する。つまり、このときに、無音状態であった部分が曲の切れ目であったと判別できる。従って、これをトラック変化として把握し、管理情報の書換制御が可能となる。(無音状態が続いたまま検出レベルが所定値を超えることがないのは、入力音声が終了した場合であり、この場合は無音部分は曲と曲の切れ目ではない)
【0021】
また、このような無音部分を曲の切れ目とする判別はアナログライン入力の場合のみ実行することで適正なトラック分割が実行できる。つまりマイクロフォンにより会話等を録音する場合は、無音部分が多くなり、無音検出に基づいてトラック分割を行なうと不要な箇所でむやみにトラック分割が行なわれてしまうため適当でないためである。
【0022】
また、ミニディスクシステム等の場合では管理可能なトラック数が有限であるため、この事情によりトラック分割不能となった際には、表示によりユーザーに提示することで、ユーザーの混乱を回避できる。
【0023】
さらに、レベル検出手段による検出レベルが所定時間以上継続して所定値より低いレベルとなり、その後に検出レベルが所定値を超えることによってトラックが変化したと判別した際に、検出レベルが所定値を超えた時点に相当する記録位置のアドレスをトラック分割地点とすると、再生時に曲頭アクセスした際に先頭の音声を再生できない(所謂頭切れ)ことがある。そこでトラック分割地点を所定時間だけ前の時点に相当する位置とすることで頭切れを回避できる。
【0024】
【実施例】
以下、図1〜図15を用いて本発明の記録装置の実施例として、光磁気ディスクを記録媒体として用いた記録再生装置をあげ、次の順序で説明する。
1.記録再生装置の構成
2.P−TOCセクター
3.U−TOCセクター
4.ディスクのエリア構造
5.ディバイド及びコンバイン編集処理
6.ライン入力録音時の自動トラックマーク処理
【0025】
<1.記録再生装置の構成>
図1(a)〜(d)は記録再生装置の外観を示す平面図、正面図、右側面図、及び左側面図である。
30は記録再生装置本体、31は例えば液晶ディスプレイによる表示部であり、トラックナンバ、再生時間、記録/再生進行時間、タイトル文字、動作モード、記録/再生レベルなどの表示がなされる。
32はディスク挿入部であり、カートリッジに収納された光磁気ディスクが挿入され、内部の記録/再生光学ドライブ系にローディングされる。
【0026】
記録再生装置本体30には操作入力部として各種の操作手段が設けられている。例えば本体前面側には録音スイッチ33、イジェクトキー34、編集スイッチ35が設けられる。
本体上面には、再生キー36、一時停止(ポーズ)キー37、停止キー38、AMSキー39、サーチキー40、曲名入力モードキー41、ディスク名入力モードキー42、日付入力モードキー43、テンキー44、エンターキー45が設けられ、さらに、トラックマークキーとしてマークオンキー46,マークオフキー47が設けられている。
テンキー44の各数字キーにはそれぞれ3個又は2個アルファベット、或はスペースが対応され、文字入力の際に用いられる。
【0027】
本体右側面にはホールドスイッチ48、リピート/シャッフル/プログラム再生などを選択するプレイモードキー49、バスブーストスイッチ50、リジュームスイッチ51が設けられ、また本体左側面には、AGCスイッチ52,マイクアッテネータスイッチ53が設けれる。
さらに、54はボリュームつまみ、55は録音レベル調整つまみである。
【0028】
また、本体側面には各種入出力端子が設けられる。
56はマイク入力端子、57はヘッドホン出力端子である。また、58は入力端子であり、光ケーブルによるデジタル音声信号の入力端子及びアナログ音声信号のライン入力端子として兼用されている。兼用のための端子機構の説明は省略する。また、59は出力端子であり、光ケーブルによるデジタル音声信号の出力端子及びアナログ音声信号のライン出力端子として兼用されている。
【0029】
図1の記録再生装置の内部の要部のブロック図を図2に示す。
図2において、1は例えば音声データが記録されている光磁気ディスクを示し、ディスク挿入部32からローディングされた状態を模式的に示している。
この光磁気ディスク1はスピンドルモータ2により回転駆動される。3は光磁気ディスク1に対して記録/再生時にレーザ光を照射する光学ヘッドであり、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力をなし、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力をなす。
【0030】
このため、光学ヘッド3はレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。対物レンズ3aは2軸機構4によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0031】
また、6aは供給されたデータによって変調された磁界を光磁気ディスクに印加する磁気ヘッドを示し、光磁気ディスク1を挟んで光学ヘッド3と対向する位置に配置されている。光学ヘッド3全体及び磁気ヘッド6aは、スレッド機構5によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0032】
再生動作によって、光学ヘッド3により光磁気ディスク1から検出された情報はRFアンプ7に供給される。RFアンプ7は供給された情報の演算処理により、再生RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、絶対位置情報(光磁気ディスク1にプリグルーブ(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位置情報)、アドレス情報、フォーカスモニタ信号等を抽出する。そして、抽出された再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部8に供給される。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路9に供給され、アドレス情報はアドレスデコーダ10に供給される。さらに絶対位置情報、フォーカスモニタ信号は例えばマイクロコンピュータによって構成されるシステムコントローラ11に供給される。
【0033】
サーボ回路9は供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号や、システムコントローラ11からのトラックジャンプ指令、シーク指令、スピンドルモータ2の回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を発生させ、2軸機構4及びスレッド機構5を制御してフォーカス及びトラッキング制御をなし、またスピンドルモータ2を一定角速度(CAV)又は一定線速度(CLV)に制御する。
【0034】
再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部8でEFM復調、CIRC等のデコード処理された後、メモリコントローラ12によって一旦バッファRAM13に書き込まれる。なお、光学ヘッド3による光磁気ディスク1からのデータの読み取り及び光学ヘッド3からバッファRAM13までの系における再生データの転送は1.41Mbit/secで、しかも間欠的に行なわれる。
【0035】
バッファRAM13に書き込まれたデータは、再生データの転送が0.3Mbit/sec となるタイミングで読み出され、エンコーダ/デコーダ部14に供給される。そして、音声圧縮処理に対するデコード処理等の再生信号処理を施されて出力デジタル信号とされる。
【0036】
出力デジタル信号は、D/A変換器15によってアナログ信号とされ、スイッチ16を介して出力端子59又はヘッドホン出力端子57に供給される。またはアナログ化されずに直接出力端子59に供給される。
つまり、ヘッドホン出力端子57にヘッドホンが接続されているときは、アナログ化された音声信号がヘッドホンに供給され、また出力端子59にオーディオコード(例えばピンプラグコード)が接続されている時は、アナログ化された音声信号がそのオーディオコードにより他の機器に供給される。
また、出力端子59にオーディオ用光ケーブルが接続されている時は、デジタルデータとして他の機器に音声信号が供給されることになる。
【0037】
ここで、バッファRAM13へのデータの書込/読出は、メモリコントローラ12によって書込ポインタと読出ポインタの制御によりアドレス指定されて行なわれるが、書込ポインタ(書込アドレス)は上記したように1.41Mbit/secのタイミングでインクリメントされ、一方、読出ポインタ(読出アドレス)は0.3Mbit/sec のタイミングでインクリメントされていくため、この書込と読出のビットレートの差異により、バッファRAM13内には或る程度データが蓄積された状態となる。バッファRAM13内にフル容量のデータが蓄積された時点で書込ポインタのインクリメントは停止され、光学ヘッド3による光磁気ディスク1からのデータ読出動作も停止される。ただし読出ポインタRのインクリメントは継続して実行されているため、再生音声出力はとぎれないことになる。
【0038】
その後、バッファRAM13から読出動作のみが継続されていき、或る時点でバッファRAM13内のデータ蓄積量が所定量以下となったとすると、再び光学ヘッド3によるデータ読出動作及び書込ポインタのインクリメントが再開され、再びバッファRAM13のデータ蓄積がなされていく。
【0039】
このようにバッファRAM13を介して再生音響信号を出力することにより、例えば外乱等でトラッキングが外れた場合などでも、再生音声出力が中断してしまうことはなく、データ蓄積が残っているうちに例えば正しいトラッキング位置までにアクセスしてデータ読出を再開することで、再生出力に影響を与えずに動作を続行できる。即ち、耐振機能を著しく向上させることができる。
【0040】
図2において、アドレスデコーダ10から出力されるアドレス情報や制御動作に供されるサブコードデータはエンコーダ/デコーダ部8を介してシステムコントローラ11に供給され、各種の制御動作に用いられる。
さらに、記録/再生動作のビットクロックを発生させるPLL回路のロック検出信号、及び再生データ(L,Rチャンネル)のフレーム同期信号の欠落状態のモニタ信号もシステムコントローラ11に供給される。
【0041】
また、システムコントローラ11は光学ヘッド3におけるレーザダイオードの動作を制御するレーザ制御信号SLPを出力しており、レーザダイオードの出力をオン/オフ制御するとともに、オン制御時としては、レーザパワーが比較的低レベルである再生時の出力と、比較的高レベルである記録時の出力とを切り換えることができるようになされている。
【0042】
光磁気ディスク1に対して記録動作が実行される際には、入力端子58に接続されたオーディオコード又はオーディオ用光ケーブルにより、他の機器からアナログ又はデジタル音声信号が供給される。又はマイク入力端子56にマイクロフォンが接続されて音声信号が供給される。
【0043】
オーディオ用光ケーブルによりデジタルデータで入力端子58に送られてきた音声信号は直接エンコーダ/デコーダ部14に供給される。また、オーディオコード又はマイクロフォンにより入力されたアナログ音声信号はスイッチ17を介してA/D変換器18に供給され、デジタルデータとされた後、エンコーダ/デコーダ部14に供給される。
エンコーダ/デコーダ部14では入力されたデジタル音声信号に対して、音声圧縮エンコード処理を施す。エンコーダ/デコーダ部14によって圧縮された記録データはメモリコントローラ12によって一旦バッファRAM13に書き込まれ、また所定タイミングで読み出されてエンコーダ/デコーダ部8に送られる。そしてエンコーダ/デコーダ部8でCIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後、磁気ヘッド駆動回路6に供給される。
【0044】
磁気ヘッド駆動回路6はエンコード処理された記録データに応じて、磁気ヘッド6aに磁気ヘッド駆動信号を供給する。つまり、光磁気ディスク1に対して磁気ヘッド6aによるN又はSの磁界印加を実行させる。また、このときシステムコントローラ11は光学ヘッドに対して、記録レベルのレーザ光を出力するように制御信号を供給する。
【0045】
19はユーザー操作に供されるキーが設けられた操作入力部であり、上述した33〜53のスイッチ又はキーがこれに相当する。
また、上記したようにマイクロホンが接続されるマイク入力端子56には接続検出機構及び回路が設けられており、システムコントローラ11はその接続の有無を検出信号DJMにより検知することができるようになされている。
また、入力端子58にも接続検出機構及び回路が設けられており、検出信号DJLによりシステムコントローラ11は、無接続、光ケーブル接続、オーディオコード接続の3つの状態を判別できるようになされている。
これらの検出手段の構成の詳細については説明を省略するが、例えば本出願人が先に提案した技術(特願平4−266511)を採用することにより実現できる。
【0046】
また、エンコーダ/デコーダ部8にはレベルメータ手段8aが設けられており、録音時に供給される音声データについて、そのレベルを検出し、システムコントローラ11にレベル情報を供給できるようになされている。
【0047】
ところで、ディスク1に対して記録/再生動作を行なう際には、ディスク1に記録されている管理情報、即ちP−TOC(プリマスタードTOC)、U−TOC(ユーザーTOC)を読み出して、システムコントローラ11はこれらの管理情報に応じてディスク1上の記録すべきセグメントのアドレスや、再生すべきセグメントのアドレスを判別することとなるが、この管理情報はバッファRAM13に保持される。このためバッファRAM13は、上記した記録データ/再生データのバッファエリアと、これら管理情報を保持するエリアが分割設定されている。
【0048】
そして、システムコントローラ11はこれらの管理情報を、ディスク1が装填された際に管理情報の記録されたディスクの最内周側の再生動作を実行させることによって読み出し、バッファRAM13に記憶しておき、以後そのディスク1に対する記録/再生動作の際に参照できるようにしている。
【0049】
また、U−TOCはデータの記録や消去に応じて編集されて書き換えられるものであるが、システムコントローラ11は記録/消去動作のたびにこの編集処理をバッファRAM13に記憶されたU−TOC情報に対して行ない、その書換動作に応じて所定のタイミングでディスク1のU−TOCエリアについても書き換えるようにしている。
【0050】
<2.P−TOCセクター>
ここで、ディスク1においてセクターデータ形態で記録される音声データセクター、及び音声データの記録/再生動作の管理を行なう管理情報として、まずP−TOCセクターについて説明する。
P−TOC情報としては、ディスクの記録可能エリア(レコーダブルユーザーエリア)などのエリア指定やU−TOCエリアの管理等が行なわれる。なお、ディスク1が再生専用の光ディスクであるプリマスタードディスクの場合は、P−TOCによってROM化されて記録されている楽曲の管理も行なうことができるようになされている。
【0051】
P−TOCのフォーマットを図3に示す。
図3はP−TOC用とされる領域(例えばディスク最内周側のROMエリア)において繰り返し記録されるP−TOC情報の1つのセクター(セクター0)を示している。なお、P−TOCフォーマットはセクター1以降はオプションとされている。
【0052】
P−TOCのセクターのデータ領域(4バイト×588 の2352バイト)は、先頭位置にオール0又はオール1の1バイトデータによって成る12バイトの同期パターンと、クラスタアドレス及びセクターアドレスを示すアドレス等の4バイトが付加され、以上でヘッダとされてP−TOCの領域であることが示される。
【0053】
また、ヘッダに続いて所定アドレス位置に『MINI』という文字に対応したアスキーコードによる識別IDが付加されている。
さらに、続いてディスクタイプや録音レベル、記録されている最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO) 、リードアウトスタートアドレスROA 、パワーキャルエリアスタートアドレスPCA 、U−TOC(後述する図8のU−TOCセクター0のデータ領域)のスタートアドレスUSTA 、録音可能なエリア(レコーダブルユーザーエリア)のスタートアドレスRSTA 等が記録される。
【0054】
続いて、記録されている各楽曲等を後述する管理テーブル部におけるパーツテーブルに対応させるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) を有する対応テーブル指示データ部が用意されている。
【0055】
そして対応テーブル指示データ部に続く領域には、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) に対応して、(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられた管理テーブル部が用意される(なお本明細書において『h』を付した数値はいわゆる16進表記のものである)。それぞれのパーツテーブルには、或るセグメントについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、及びそのセグメント(トラック)のモード情報(トラックモード)が記録できるようになされている。
【0056】
各パーツテーブルにおけるトラックのモード情報とは、そのセグメントが例えばオーバーライト禁止やデータ複写禁止に設定されているか否かの情報や、オーディオ情報か否か、モノラル/ステレオの種別などが記録されている。
【0057】
管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ (P-TNO1〜P-TNO255) によって、そのセグメントの内容が示される。つまり、第1曲目の楽曲についてはテーブルポインタP-TNO1として或るパーツテーブル(例えば(01h) 。ただし実際にはテーブルポインタには所定の演算処理によりP−TOCセクター0内のバイトポジションで或るパーツテーブルを示すことができる数値が記されている)が記録されており、この場合パーツテーブル(01h) のスタートアドレスは第1曲目の楽曲の記録位置のスタートアドレスとなり、同様にエンドアドレスは第1曲目の楽曲が記録された位置のエンドアドレスとなる。さらに、トラックモード情報はその第1曲目についての情報となる。
【0058】
同様に第2曲目についてはテーブルポインタP-TNO2に示されるパーツテーブル(例えば(02h) )に、その第2曲目の記録位置のスタートアドレス、エンドアドレス、及びトラックモード情報が記録されている。
【0059】
以下同様にテーブルポインタはP-TNO255まで用意されているため、P−TOC上では第255曲目まで管理可能とされている。
そして、このようにP−TOCセクター0が形成されることにより、例えば再生時において、所定の楽曲をアクセスして再生させることができる。
【0060】
なお、記録/再生可能な光磁気ディスクの場合いわゆるプリマスタードの楽曲エリアが存在しないため、上記した対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部は用いられず(これらは続いて説明するU−TOCで管理される)、従って各バイトは全て『00h』とされている。
ただし、全ての楽曲がROM形態(ピット形態)で記録されているプリマスタードタイプのディスク、及び楽曲等が記録されるエリアとしてROMエリアと光磁気エリアの両方を備えたハイブリッドタイプのディスクについては、そのROMエリア内の楽曲の管理に上記対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部が用いられる。
【0061】
<3.U−TOCセクター>
続いてU−TOCの説明を行なう。
図4はU−TOCの1セクター(セクター0)のフォーマットを示しており、主にユーザーが録音を行なった楽曲や新たに楽曲が録音可能な未記録エリア(フリーエリア)についての管理情報が記録されているデータ領域とされる。なお、U−TOCもセクター1以降はオプションとされる。
例えばディスク1に或る楽曲の録音を行なおうとする際には、システムコントローラ11は、U−TOCからディスク上のフリーエリアを探し出し、ここに音声データを記録していくことができるようになされている。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをU−TOCから判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行なう。
【0062】
図4に示すU−TOCのセクター(セクター0)には、P−TOCと同様にまずヘッダが設けられ、続いて所定アドレス位置に、メーカーコード、モデルコード、最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO)、セクター使用状況、ディスクシリアルナンバ、ディスクID等のデータが記録され、さらに、ユーザーが録音を行なって記録されている楽曲の領域や未記録領域等を後述する管理テーブル部に対応させることによって識別するため、対応テーブル指示データ部として各種のテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) が記録される領域が用意されている。
【0063】
そして対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ(P-DFA〜P-TNO255) に対応させることになる管理テーブル部として(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、上記図3のP−TOCセクター0と同様に或るセグメントについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのセグメントのモード情報(トラックモード)が記録されており、さらにこのU−TOCセクター0の場合、各パーツテーブルで示されるセグメントが他のセグメントへ続いて連結される場合があるため、その連結されるセグメントのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようになされている。
【0064】
この種の記録再生装置では、上述したように1つの楽曲のデータが物理的に不連続に、即ち複数のセグメントにわたって記録されていてもセグメント間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数セグメントにわけて記録する場合もある。そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(FFh) (実際には所定の演算処理によりU−TOCセクター0内のバイトポジションとされる数値で示される)によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようになされている。(なお、あらかじめピット形態で記録される楽曲等については通常セグメント分割されることがないため、前記図3のようにP−TOCセクター0においてリンク情報はすべて『(00h) 』とされている。)
【0065】
つまりU−TOCセクター0における管理テーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのセグメントを表現しており、例えば3つのセグメントが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのセグメント位置の管理はなされる。
【0066】
U−TOCセクター0の管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) によって、以下のようにそのセグメントの内容が示される。
【0067】
テーブルポインタP-DFA は光磁気ディスク1上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=セグメント)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥セグメントが存在する場合はテーブルポインタP-DFA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥セグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥セグメントが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥セグメントが示されている。そして、さらに他の欠陥セグメントがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
【0068】
テーブルポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(FFh) のうちのいづれかが記録される。未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
【0069】
テーブルポインタP-FRA は光磁気ディスク1上のデータの書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)について示しており、フリーエリアとなるトラック部分(=セグメント)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、フリーエリアが存在する場合はテーブルポインタP-FRA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、フリーエリアであるセグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなセグメントが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
【0070】
図5にパーツテーブルにより、フリーエリアとなるセグメントの管理状態を模式的に示す。これはセグメント(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) がフリーエリアとされている時に、この状態が対応テーブル指示データP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお、上記した欠陥領域や、未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
【0071】
ところで、全く楽曲等の音声データの記録がなされておらず欠陥もない光磁気ディスクであれば、テーブルポインタP-FRA によってパーツテーブル(01h) が指定され、これによってディスクのレコーダブルユーザーエリアの全体が未記録領域(フリーエリア)であることが示される。そして、この場合残る(02h) 〜(FFh) のパーツテーブルは使用されていないことになるため、上記したテーブルポインタP-EMPTY によってパーツテーブル(02h) が指定され、また、パーツテーブル(02h) のリンク情報としてパーツテーブル(03h) が指定され、パーツテーブル(03h) のリンク情報としてパーツテーブル(04h) が指定され、というようにパーツテーブル(FFh) まで連結される。この場合パーツテーブル(FFh) のリンク情報は以降連結なしを示す『(00h) 』とされる。
なお、このときパーツテーブル(01h) については、スタートアドレスとしてはレコーダブルユーザーエリアのスタートアドレスが記録され、またエンドアドレスとしてはリードアウトスタートアドレスの直前のアドレスが記録されることになる。
【0072】
テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO255は、光磁気ディスク1にユーザーが記録を行なった楽曲について示しており、例えばテーブルポインタP-TNO1では1曲目のデータが記録された1又は複数のセグメントのうちの時間的に先頭となるセグメントが示されたパーツテーブルを指定している。
【0073】
例えば1曲目とされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに(つまり1つのセグメントで)記録されている場合は、その1曲目の記録領域はテーブルポインタP-TNO1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
【0074】
また、例えば2曲目とされた楽曲がディスク上で複数のセグメントに離散的に記録されている場合は、その楽曲の記録位置を示すため各セグメントが時間的な順序に従って指定される。つまり、テーブルポインタP-TNO2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(上記、図5と同様の形態)。このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全セグメントが順次指定されて記録されていることにより、このU−TOCセクター0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域へのオーバライトを行なう際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6aをアクセスさせ離散的なセグメントから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
【0075】
以上のようにディスク上のエリア管理はP−TOCによってなされ、またレコーダブルユーザーエリアにおいて記録された楽曲やフリーエリア等はU−TOCにより行なわれる。
これらのTOC情報はバッファRAM13に読み込まれてシステムコントローラ11がこれを参照できるようになされる
なお、上記U−TOCのフォーマットから理解できるように録音(分割)できるトラック数(楽曲数)は、テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO255に依存して最大255となり、また、1つのテーブルポインタP-TNO*から2つ以上のパーツテーブルがリンクされて管理されるトラックが存在する場合は、パーツテーブルの数が255であるため、管理可能な限度のトラック数は255より少なくなる。
【0076】
<4.ディスクのエリア構造>
ここで、ディスクのエリア構造を説明する。図6(a)はディスクのエリア構造をその半径方向に模式的に示したものである。
光磁気ディスクの場合、大きくわけて図6(a)にピットエリアとして示すようにエンボスピットによりデータが記録されているエリア(プリマスタードエリア)と、いわゆる光磁気エリアとされてグルーブが設けられているグルーブエリアに分けられる。
【0077】
ここでピットエリアとしては上記したP−TOCが繰り返し記録されており、上述したようにこのP−TOCにおいて、U−TOCの位置がU−TOCスタートアドレスUSTA として示され、また、リードアウトスタートアドレスROA 、レコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA 、パワーキャルエリアスタートアドレスPCA 等、図6(a)に示す各アドレス位置が示されている。
【0078】
このディスクの最内周側のピットエリアに続いてグルーブエリアが形成されるが、このグルーブエリア内のうちP−TOC内のリードアウトスタートアドレスROA として示されるアドレスまでのエリアが、記録可能なレコーダブルエリアとされ、以降はリードアウトエリアとされている。
【0079】
さらにこのレコーダブルエリアのうち、実際にデータが記録されるレコーダブルユーザーエリアは、レコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA から、リードアウトスタートアドレスROA 直前の位置までとなる。
【0080】
そして、グルーブエリア内においてレコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA より前となるエリアは、記録再生動作のための管理エリアとされ、上記したU−TOC等が記録され、またパワーキャルエリアスタートアドレスPCA として示される位置から1クラスタ分がレーザーパワーのキャリブレーションエリアとして設けられる。
【0081】
U−TOCはこの記録再生動作のための管理エリア内においてU−TOCスタートアドレスUSTA に示される位置から3クラスタ(1クラスタ=36セクター)連続して記録される。
【0082】
そして、実際の音声データは例えば図6(a)のように、レコーダブルユーザーエリアに記録される。例えばこの場合、4曲の楽曲M1 〜M4 について、アドレスA20〜A21のセグメントに第1曲目の楽曲M1 が記録され、また第2曲目の楽曲M2 はアドレスA22〜A23のセグメントに記録された部分M2(1)とアドレスA26〜A27のセグメントに記録された部分M2(2)にわかれて記録されている。また、第3曲目の楽曲M3 はアドレスA24〜A25のセグメントに記録され、第4曲目の楽曲M4 はアドレスA28〜A29のセグメントに記録されている。この状態で、まだ楽曲の記録されていないフリーエリアはアドレスA30〜A31のセグメントとなる。
例えばこのような記録状態はU−TOC内において上述したように、テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO4、P-FRA 、及びこれに連結されるパーツテーブルによって管理される。
この場合の管理状態を図7に示す。なお、図6(a)におけるレコーダブルユーザーエリアに欠陥は無いものとすると、テーブルポインタP-DFA は『00h』とされる。
【0083】
テーブルポインタP-FRA は未記録領域(フリーエリア)を管理するため、例えばこの場合、テーブルポインタP-FRA に(06h)というパーツテーブルが示されているとすると、これに対応してパーツテーブル(06h)には、図6(a)のフリーエリアとなるセグメントについての情報が示されている。つまりアドレスA30がスタートアドレス、アドレスA31がエンドアドレスとして示される。なお、この場合他のセグメントとしてのフリーエリアは存在しないため、パーツテーブル(06h)のリンク情報は『00h』とされる。
【0084】
また第1曲目M1 についてはテーブルポインタP-TNO1に示される(01h)のパーツテーブルにおいてそのスタートアドレスA20及びエンドアドレスA21が示される。楽曲M1 は1つのセグメントに記録されているため、パーツテーブル(01h)のリンク情報は『00h』とされている。
【0085】
第2曲目M2 については、テーブルポインタP-TNO2に示される(02h)のパーツテーブルにおいてそのスタートアドレスA22及びエンドアドレスA23が示されている。ただし楽曲M2 は2つのセグメント(M2(1)とM2(2))に別れて記録されており、アドレスA22及びアドレスA23は楽曲M2 の前半部分(M2(1))のセグメントを示すのみである。そこでパーツテーブル(02h)のリンク情報として例えばパーツテーブル(03h)が示され、パーツテーブル(03h)には後半部分(M2(2))のセグメントを示すべく、スタートアドレスA26及びエンドアドレスA27が記録されている。以降リンクは不要であるためパーツテーブル(03h)のリンク情報は『00h』とされている。
【0086】
第3曲目M3 ,第4曲目M4 についてもそれぞれテーブルポインタP-TNO3,P-TNO4を起点として得られるパーツテーブルによってそのセグメント位置が管理されている。なお、4曲しか録音されていないため、テーブルポインタP-TNO5〜P-TNO255までは使用されておらず『00h』とされている。
また、使用していないパーツテーブルを示すテーブルポインタP-EMPTY は、この場合パーツテーブル(07h)を示しており、パーツテーブル(07h)からパーツテーブル(FFh)までの全ての未使用のパーツテーブルがリンク情報によってリンクされている。
【0087】
<5.ディバイド及びコンバイン編集処理>
このようにU−TOCで各楽曲(トラック)が管理され、これに基づいて記録/再生動作が行なわれることにより、U−TOCを書き換えるのみで楽曲の分割(ディバイド)、楽曲の連結(コンバイン)等の編集が可能となる。ここで、これらの処理について説明する。
【0088】
上記したように記録再生装置本体30にはトラックマークキーとしてマークオンキー46,マークオフキー47が設けられており、これらの操作キーによる操作情報は上述したようにシステムコントローラ11に供給されるが、システムコントローラ11は、その操作入力に応じて、図10の処理を行なってディバイド処理を行なうことになる。
【0089】
図10においてステップF100は、システムコントローラ11が再生モードにおいて再生動作を制御している場合、再生ポーズ動作を制御している場合、もしくは録音モードにおいて録音動作を制御している場合を示している。
なお、録音モード中において録音ポーズ操作がなされた場合は、自動的にその地点でトラックナンバがインクリメントされる(つまりディバイド処理がされる)ものとし、この場合、もしユーザーがディバイド操作を行なっても、それは不要であるためシステムコントローラ11はその操作情報を無視するようにしている。
【0090】
システムコントローラ11が再生、再生ポーズ、もしくは録音処理を行なって記録再生装置が再生動作、再生ポーズ動作もしくは録音動作を行なっている際に、ユーザーがマークオンキー46の操作を行なったとすると、処理はステップF101からF103に進む。そして、その時の再生又は録音進行地点のアドレスもしくは再生ポーズを実行している地点のアドレスが曲の切れ目であるか、つまり既にディバイド地点とされているか否かを判別する。この判別はそのときのアドレスが各楽曲のスタートアドレス又はエンドアドレスと一致又はきわめて近いアドレスであるか否かで判別できる。
【0091】
そして、ステップF103で否定結果が得られたら、即ち或る楽曲の途中の位置であるため、ディバイド処理に入る(F104)。なお、録音中の場合は、通常、ディバイド操作の際の位置が既にディバイドされていたトラック変更地点になるということはないため、特にステップF103の処理は必要ない。
【0092】
ステップF104のディバイド処理では、バッファRAM13に読み込まれているU−TOCデータを書き換える処理、及びディバイド動作の表示を行なう。この際の表示としては、ディバイド実行を示すメッセージの表示や、表示されているトラックナンバの変更、楽曲進行時間の表示のゼロリセットなどが行なわれる。
【0093】
実際のディバイド処理、つまりU−TOCの書き換えは次のように行なわれる。今、例えば再生動作により、図6(a)においてTMONとして示す楽曲M3 の途中部分の再生がなされている時点で、ユーザーがマークオンキー46を押したとする。すると、ステップF104のディバイド処理によって、楽曲M3 は図6(b)に示すように、そのアドレス地点を境界として楽曲M3 と楽曲M4 に分割されることになる。このとき、もともと4曲目として記録されていた図6(a)における楽曲M4 は図6(b)のように第5曲目の楽曲M5 とされることになる。
【0094】
この場合、U−TOCは図7の状態から図8のように書き換えられる(書き換えられる部分を斜線で示す)。
つまりテーブルポインタP-TNO3が示していたパーツテーブル(04h)は、スタートアドレスとしてA24、エンドアドレスとしてA25が記録されていたが、ディバイド操作時のアドレスがA32であったとすると、これが新たな楽曲M3 についてのエンドアドレスとなるため、パーツテーブル(04h)のエンドアドレスがA25からA32に書き換えられる。
また、もともと第4曲目であった楽曲M4 はディバイド処理によりトラックナンバが繰り上り第5曲目となるため、それまでテーブルポインタP-TNO4にかかれていた数値が、テーブルポインタP-TNO5に書き込まれ、テーブルポインタP-TNO5にはパーツテーブル(05h)が示される。つまり、パーツテーブル(05h)にスタートアドレス及びエンドアドレスとして示されていたA28〜A29のセグメントは新たに第5曲目M5 として管理される。
【0095】
そして、ディバイド処理により発生する新たな第4曲目については、それまで使用していなかったパーツテーブル(07h)により表現される。つまり、パーツテーブル(07h)に、スタートアドレスとしてディバイド地点のアドレスA32の次のアドレスであるA33が書き込まれ、エンドアドレスとしてはもともと第3曲目のエンドアドレストしてパーツテーブル(04h)にかかれていたA25が書き込まれる。そして、テーブルポインタP-TNO4はパーツテーブル(07h)を指定するように書き換えられる。
【0096】
なお、新たな第4曲目の管理にパーツテーブル(07h)が使用されるため、このパーツテーブル(07h)はテーブルポインタP-EMPTY のリンク構造から外され、テーブルポインタP-EMPTY はパーツテーブル(08h)を示すように書き換えられる。またパーツテーブル(07h)のリンク情報は『00h』に書き換えられる。
【0097】
以上の書き換えにより、ディバイドが完了し、その後楽曲M3 はA24〜A32、楽曲M4 はA33〜A25、楽曲M5 はA28〜A29として管理されることになる。
つまり本実施例では、再生中、再生ポーズ中、録音中においてユーザーは所要のタイミングでマークオンキー46を押すことでディバイド編集を行なうことができる。
その後、停止操作がなされたら再生、再生ポーズ又は録音動作は終了されるが(ステップF102→YES )、その際に、その時点でバッファRAM13に保持されているU−TOCを実際にディスク1のU−TOCエリアに書き込み(F105)、動作を停止させる(F106)。
【0098】
マークオフキー47の操作入力がなされた場合のシステムコントローラ11の処理としては図11のようにコンバイン処理が行なわれることになる。
図11においてステップF200は、システムコントローラ11が再生モードにおいて再生動作を制御している場合、又は再生ポーズ動作を制御している場合を示している。
なお、録音モード中においてはコンバイン動作がなされることはないため、録音モード中はマークオフキー47の操作入力は無視される。
【0099】
システムコントローラ11が再生、又は再生ポーズ処理を行なって記録再生装置が再生動作又は再生ポーズ動作を行なっている際に、ユーザーがマークオフキー47の操作を行なったとすると、処理はステップF201からF203に進む。そして、この場合もその時の再生進行地点のアドレスもしくは再生ポーズを実行している地点のアドレスが曲の切れ目であるか、つまり既にディバイド地点とされているか否かを判別する。
【0100】
そして、ステップF203で肯定結果が得られたら、即ち或る楽曲(トラック)の切れ目のディバイド位置であるため、このディバイド状態を解除して楽曲を連結するコンバイン処理に入る(F204)。
【0101】
ステップF204のコンバイン処理では、バッファRAM13に読み込まれているU−TOCデータを書き換える処理、及びコンバイン動作の表示を行なう。この際の表示としては、コンバイン実行を示すメッセージの表示や、その後続いて表示されているトラックナンバの変更、曲が連結されたことによる楽曲進行時間の繰り上げなどが行なわれる。
【0102】
実際のコンバイン処理、つまりU−TOCの書き換えは次のように行なわれる。例えば上記したようにディバイド処理がなされた図6(b)の状態において、再生動作により、TMOFF として示す楽曲M2 の終了部分(セグメントM2(2)のエンドアドレス近辺)の再生がなされている時点で、ユーザーがマークオフキー47を押したとする。すると、ステップF204のコンバイン処理によって、楽曲M2 と楽曲M3 が図6(c)に示すように連結されることになる。このとき、コンバイン動作前に4曲目、5曲目とされていた図6(b)における楽曲M4 ,M5 は、第3曲目が第2曲目に連結されて組み込まれることに伴って、図6(c)のように新たに第3曲目、第4曲目の楽曲M3 ,M4 とされることになる。
【0103】
この場合、U−TOCは図8の状態から図9のように書き換えられる(書き換えられる部分を斜線で示す)。
つまりテーブルポインタP-TNO3が示していたパーツテーブル(04h)は、第3曲目M3 のスタートアドレスとしてA24、エンドアドレスとしてA25が記録されていたが、この第3曲目のセグメントは第2曲目に組み込まれるため、パーツテーブル(04h)はテーブルポインタP-TNO2を起点とするリンクに組み込まれる。つまり楽曲M2 のセグメントM2(2)を表現していたパーツテーブル(03h)のリンク情報が『04h』とされ、従ってテーブルポインタP-TNO2からパーツテーブル(02h)→(03h)→(04h)というリンク構造が形成される。これにより、第2曲目と第3曲目は連結されて新たな1つの楽曲M2 として管理される。
【0104】
また、図6(b)で第4曲目であった楽曲M4 はコンバイン処理によりトラックナンバが繰り下がり第3曲目となるため、それまでテーブルポインタP-TNO4にかかれていた数値が、テーブルポインタP-TNO3に書き込まれ、テーブルポインタP-TNO3にはパーツテーブル(07h)が示される。つまり、パーツテーブル(07h)にスタートアドレス及びエンドアドレスとして示されていたA33〜A25のセグメントは新たに第3曲目M3 として管理される。
【0105】
同様に、図6(b)で第5曲目であった楽曲M5 はコンバイン処理によりトラックナンバが繰り下がり第4曲目となるため、それまでテーブルポインタP-TNO5にかかれていた数値が、テーブルポインタP-TNO4に書き込まれ、テーブルポインタP-TNO4にはパーツテーブル(05h)が示される。つまり、パーツテーブル(05h)にスタートアドレス及びエンドアドレスとして示されていたA28〜A29のセグメントは新たに第4曲目M4 として管理される。
そして、第5曲目は無くなることになるため、テーブルポインタP-TNO5は『00h』とされる。
【0106】
以上の書き換えにより、コンバインが完了し、その後楽曲M2 はA22〜A23とA26〜A27とA24〜A32の3つのセグメント(M2(1),M2(2),M2(3))により記録されているとして管理され、また、楽曲M3 はA33〜A25、楽曲M4 はA28〜A29として管理されることになる。
【0107】
つまり本実施例では、再生中、再生ポーズ中においてユーザーは所要のタイミングでマークオフキー47を押すことでコンバイン編集を行なうことができる。
その後、停止操作がなされたら再生又は再生ポーズ動作は終了されるが(ステップF202→YES )、その際に、その時点でバッファRAM13に保持されているU−TOCを実際にディスク1のU−TOCエリアに書き込み(F205)、動作を停止させる(F206)。
【0108】
<6.ライン入力録音時の自動トラックマーク処理>
ところで上述したように、本実施例において録音の際の入力としては、入力端子58に光ケーブルが接続されてデジタル音声データが供給される場合と、入力端子58にオーディオコードが接続されてアナログ音声信号が供給される場合と、マイク入力端子56からマイクロフォン入力音声が供給される場合がある。
【0109】
そして、デジタル入力録音の場合は同時に供給される制御データにより録音している音声データのトラック分割部分(曲と曲の切れ目)を判別し、自動的にトラックナンバをインクリメントして録音していくことができるが、従来の録音装置ではこのような処理はアナログライン入力録音の場合には実行できない。例えば4曲入りのCDをアナログダビングした場合、ディスク1上ではそのU−TOCにおいて4曲全部が1曲として図6(e)のように管理されてしまう。
ところが、本実施例の場合は、アナログライン入力録音の場合であっても、自動的にトラックナンバをインクリメントしていき、録音終了時点で図6(d)のように正しくM1 〜M4 の4曲として管理されていることになる。この処理について以下説明していく。
【0110】
この自動トラックマーク処理のためにシステムコントローラ11は、図12に示す処理が例えば4msec周期で割り込みで実行される処理ルーチンとして行なわれており、アナログライン入力録音中には無音検出に基づいてトラック変更箇所を検出し、トラック分割を行なうことになる。
【0111】
まず録音時以外にこの処理ルーチンに入るとステップF301から直にリターンとなる。録音時にこの処理ルーチンに入るとステップF302に進み、この録音がアナログライン入力によりなされているか、つまり、入力端子58にオーディオコードが接続されて音声信号が供給されているか否かを判別する。
【0112】
光ファイバによりデジタル音声が供給されて録音されている際は、上記のように制御データによりトラック変更箇所を把握できるので以下の処理は不要であり、リターンとなる。また、マイクロフォン入力の場合は、無音検出によりトラックナンバをインクリメントすると、むやみにトラック分割がなされることが多く適当でないため以下の処理は実行せず、リターンとなる。なお、マイクロフォン入力の場合はこの自動トラックマーク処理は行なわれないため、上述のように録音時又は再生時においてユーザーが任意のタイミングでトラックマークキー46を押して手動でトラック分割を行なうことになる。
【0113】
アナログライン入力で録音を行なっている場合はこの割込処理は、ステップF303に進むこととなり、ここで、レベルメータ手段8aによって検出されるLチャンネル及びRチャンネルのレベルを取り込む。そして、そのうちの大きい方を変数LMAX として保持する(F304)。
【0114】
ここで変数LMAX の値が−55dBより大きいか小さいかを判別する(F305)。
なお、この場合−55dBとは入力レベルとしてのフルスケールにおける値であり、本実施例では変数LMAX が−55dBより小さい場合とはそのときの入力音声が無音状態であると判別するものである。
【0115】
無音でない場合はステップF306において無音フラグFNSを確認し、無音フラグFNS=1でなければリターンとなる。つまり、入力音声が楽曲の途中などの場合は図12の処理はステップF305→F306→リターンとなる処理が4msec毎に行なわれていることになる。
【0116】
楽曲が終了し、無音となった時点では処理はステップF305からF307に進む。ここで無音状態(つまりステップF307に進む状態)が 1.6秒以上継続されたかを判断する。つまり、無音状態となって最初にステップF307に進む時点でタイマがリセット/カウントされ、無音継続時間がカウントされている。
【0117】
無音状態が 1.6秒経過するまでは、この4msec毎の処理はステップF307からF309に進むことになり、このとき無音フラグFNS=0とされリターンとなる。
もし無音状態が 1.6秒より短い期間で終了したら、次のこの割込処理からはステップF305→F306→リターンとなり、つまり、曲と曲の切れ目ではないと判別されることにになる。
【0118】
無音状態が 1.6秒経過した後は、処理はステップF307からF308に進み、無音フラグFNS=1とセットされリターンる。
その後も無音状態が継続されていれば、4msec毎の処理としてステップF307→F308→リターンは繰り返されることになる。このまま無音状態が継続されて録音が終了された場合は、その無音状態は曲と曲の間の無音部分ではなく、録音した内の最後の曲が終了した後の無音部分であるため、トラック分割処理は行なわない。
【0119】
ところが、ステップF307→F308→リターンの処理の次の割込処理において変数LMAX >−55dBとなって無音状態が終了した場合は、入力音声として次の楽曲にうつった場合と判別できる。この場合トラック分割処理が実行されることになる。つまり無音フラグFNS=1であるため処理はステップF310に進み、無音フラグFNS=0にリセットする。そして、トラック分割を行なう地点(ディバイド地点)アドレスを算出する(F311)。
【0120】
このディバイド地点は、このステップF311の処理タイミングにおける録音アドレスよりも例えば300msec 前に相当するアドレスを算出するものである。
今、図14のようにT1 時点から1.6msec 以上無音が続き、T2 時点から再び音声入力が開始されたとする。するとステップF311の処理タイミングにおける録音アドレスは、ディスク上において音声再開部分のデータが記録されるアドレスAD1となる。このアドレスAD1をディバイド地点としてそれまでのトラックnが終了され、次のトラックn+1が開始される(つまりトラックn+1のスタートアドレスとする)としてしまうと、録音後にトラックn+1を頭だしアクセスして再生する場合などにその先頭部分の音声が再生されず、頭切れを生じてしまうことがある。これを避けるために、本実施例ではアドレスAD1より例えば300msec 前に相当するアドレスAD2をディバイド地点とするものである。
【0121】
ここで、録音データとして1サウンドグループ(1セクター=11サウンドグループ)の演奏時間は、
512 / (44.1×1000)
であり、約11msecとなる。従って300msec は約27サウンドグループに相当し、つまり、アドレスAD2はアドレスAD1より約2.5 セクター分だけ前の位置のアドレスとなる。
なお、ディバイド地点の設定は300msec 前に限られるものではないが、無音検出の時間を 1.6秒としているため、1.6 秒より短い時間でなければならない。つまり、図14におけるT1 時点より前に相当するアドレスとしてはならない。
【0122】
ステップF311でディバイド地点(アドレスAD2)が算出されたら、そこでトラック分割を行なうことが可能であるか否かを判別する(F312)。上記図4のようのU−TOCのフォーマットではトラックは最大255トラックまでしか管理できず、また、254トラック以下であっても、パーツテーブル(01h) 〜(FFh) が全て使用済みであればそれ以上のトラックの管理はできない。
【0123】
この事情によりトラック分割ができない場合はステップF314に進み、例えば表示部31において図13のように『TRK FULL』など、分割不能を提示する表示を行ない、無音検出に基づくトラック分割が実行されないことをユーザーに提示する。
【0124】
トラック分割可能であれば、ステップF313に進み、ディバイド地点でトラックが分割(トラックナンバがインクリメント)されるようにバッファRAM13におけるU−TOCデータを書き換える。このステップF313の処理により、入力音声信号における無音部分の検出に基づいた自動トラックマーク処理が実行されたことになる。
なお、このように録音中に無音部分が検出されるたびにトラック分割がなされるようにバッファRAM13におけるU−TOCデータが書き換えられていき、例えば録音終了時点でその際のバッファRAM13におけるU−TOCデータがディスク1に書き込まれることになる。
【0125】
例えば4曲の楽曲を続けてアナログライン入力で録音した場合、この図12の処理により録音終了時点でU−TOCは一例として図15のようになる。
つまり、1曲目のスタート及びエンドアドレスがA20,A41、2曲目のスタート及びエンドアドレスがA42,A43、3曲目のスタート及びエンドアドレスがA44,A45、4曲目のスタート及びエンドアドレスがA46,A47、フリーエリアのスタート及びエンドがA48,A31として、図6(d)に示した状態が管理されることになる。
【0126】
以上のように本実施例ではアナログライン入力で録音を行なう際に、無音検出に基づいてトラックが自動的に分割管理されるようになるため、録音後において直に(わざわざ編集せずに)各曲の頭だし再生が可能となり、使用性は著しく向上される。
【0127】
なお、実施例では記録再生装置を例にあげたが、本発明は記録専用装置でも実現できる。また、いわゆるミニディスクシステムとしての記録装置に限らず、他の種のディスク又はテープを記録媒体とする記録装置でも実現できる。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の記録装置では、アナログライン入力録音の際に、無音部分を検出して例えば曲と曲の切れ目を判別し、自動的にトラックが分割されて管理されるようにしたため、録音時に手動でトラックマーク操作を行なうことを不要とし、また録音後において特にディバイド編集を行なわなくとも各トラックのアクセスができ、操作性は著しく向上するという効果がある。また、無音検出後に所定レベル以上のデータ入力があった時点でトラックとトラックの切れ目と判断しているため、例えば最後のトラックの終了後の無音部分をトラックとトラックの切れ目と誤判断することなく、正確なトラックマーキングがなされるという効果もある。
【0129】
また、マイクロフォン入力の場合はこのような自動トラック分割を行なわないことで、不適切なトラック分割を実行させないものとなる。
【0130】
また、管理可能なトラック数が有限であるシステムの場合において、トラック分割が不能となった場合には、それをユーザーに提示することでトラック分割が実行されないことに対するユーザーの混乱や疑問を解消できる。
【0131】
さらに、自動トラック分割の際に、分割地点を、無音部分のあとの所定レベル以上の音声データ検出時点に相当する位置から所定時間分だけ前方の地点に移動させて設定することにより、再生時に頭切れのない適切な位置でトラック分割を行なうことができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の記録再生装置の平面図、正面図、右側面図、及び左側面図である。
【図2】実施例の記録再生装置の要部のブロック図である。
【図3】ディスクにおけるP−TOCセクターの説明図である。
【図4】ディスクにおけるU−TOCセクターの説明図である。
【図5】ディスクにおけるU−TOCセクターのリンク構造の説明図である。
【図6】ディスクのエリア構造及びディバイド/コンバイン編集及び自動トラックマーク処理の説明図である。
【図7】U−TOCによる管理状態の説明図である。
【図8】ディバイド編集によるU−TOC書換動作の説明図である。
【図9】コンバイン編集によるU−TOC書換動作の説明図である。
【図10】実施例のディバイド処理のフローチャートである。
【図11】実施例のコンバイン処理のフローチャートである。
【図12】実施例の自動トラックマーク処理のフローチャートである。
【図13】実施例の自動トラックマーク処理の際の表示動作の説明図である。
【図14】実施例の自動トラックマーク処理の際のトラック分割地点設定処理の説明図である。
【図15】実施例の自動トラックマーク処理によるU−TOC状態の説明図である。
【図16】ディスクの記録形態の説明図である。
【図17】ディスクのセクター構造の説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク
3 光学ヘッド
8 エンコーダ/デコーダ部
8a レベルメータ手段
11 システムコントローラ
12 メモリコントローラ
13 バッファRAM
14 エンコーダ/デコーダ部
15 D/A変換器
18 A/D変換器
19 キー入力部
30 記録再生装置本体
31 表示部
46 マークオンキー
47 マークオフキー
56 マイク入力端子
57 ヘッドホン出力端子
58 入力端子
59 出力端子
Claims (3)
- オーディオデータと、1つのオーディオデータ単位であるトラック毎に管理を行う管理情報が記録される記録媒体に記録を行う記録装置において、
マイクロフォンにより集音されたアナログオーディオ信号が入力されるマイクロフォン入力手段と、
アナログオーディオ信号が入力されるライン入力手段と、
上記マイクロフォン入力手段から入力されたアナログオーディオ信号と上記ライン入力手段から入力されたアナログオーディオ信号が選択的に入力され、入力されたアナログオーディオ信号のレベルを検出するレベル検出手段と、
上記マイクロフォン入力手段の接続状態及び上記ライン入力手段の接続状態を判別する入力判別手段と、
上記入力判別手段にて上記ライン入力手段が接続されていると判別された場合には、上記レベル検出手段に入力されるアナログオーディオ信号が所定時間以上継続して所定値より低いレベルになり、その後上記レベル検出手段による検出レベルが上記所定値を超えたときにトラックが変化したと判別し、トラックが分割されるように上記管理情報を書換え、上記マイクロフォン入力手段が接続されていると判別された場合には、上記レベル検出手段の動作に基づくトラックの分割処理を実行しないようにする制御手段と、
を備えてなることを特徴とする記録装置。 - 上記記録媒体の管理情報で管理可能な有効管理トラック数を超えた場合には、上記制御手段によるトラックの分割処理が不能である旨を告知する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 上記記録媒体の管理情報は各トラックの開始アドレスと終了アドレスであり、
上記制御手段は、上記終了アドレスについて、上記レベル検出手段に入力されるアナログオーディオ信号が所定時間以上継続して所定値より低いレベルになり、その後上記レベル検出手段による検出レベルが上記所定値を超えた時点に相当するアドレスより手前のアドレスが設定されるように、上記管理情報を書換えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
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JP25091593A JP3551448B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 記録装置 |
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