JP3551362B2 - 複数本の液圧シリンダの制御装置と、トンネル掘削機のカッタ駆動装置 - Google Patents

複数本の液圧シリンダの制御装置と、トンネル掘削機のカッタ駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の液圧シリンダを往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置と、前記制御装置によりカッタを回転させ、地山を掘削するトンネル掘削機のカッタ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数本のシリンダにより回転軸を回転させる技術としては、油圧ピストンモータを用いる技術と、方向切換弁によって液圧シリンダを押し側と引き側に切り換える技術とが知られている。
【0003】
前記油圧ピストンモータを用いる技術は、1個のケーシングの中にピストンが複数個納められており、連続的な油の流れ方向または流量によって回転運動を発生させるようにしている。
【0004】
図17は方向切換弁により液圧シリンダのピストンロッドを押しと引きに切り換える方式の従来技術を示す図である。
【0005】
この図17に示す従来技術では、回転体としての回転軸1にクランク2が連接されている。このクランク2には、連結部材である連結板3が連結ピン10を介し取り付けられている。
【0006】
前記連結板3の周りには、複数本としての4本の液圧シリンダ4a〜4dが配置されている。各液圧シリンダ4a〜4dは、シリンダ本体5と、ピストン6と、ピストンロッド7とを有している。そして、各液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5の端部は、固定部材に取り付けられたシリンダブラケット8に取り付けピン9を介して取り付けられ、ピストンロッド7の端部は前記連結板3にピン結合により取り付けられている。
【0007】
前記液圧シリンダ4aと4cは、回転軸1の中心Oを通る一直線X−X上に取り付けられ、液圧シリンダ4bと4dは、同じく回転軸1の中心Oを通る他の一直線Y−Y上に取り付けられている。
【0008】
前記液圧シリンダ4a〜4dは、液圧回路11’に接続されている。この液圧回路11’は、液圧ポンプ12と、タンク13と、二位置方向切換弁14a,14bとを備えている。
【0009】
前記液圧回路11’の一方の二位置方向切換弁14aには、前記液圧シリンダ4a,4cが接続され、他方の二位置方向切換弁14bには前記液圧シリンダ4b,4dが接続されている。
【0010】
そして、この従来技術では二位置方向切換弁14a,14bをイ位置またはロ位置に切り換え、一方の二位置方向切換弁14aにより2本の液圧シリンダ4a,4cを押し側と引き側に制御し、他方の二位置方向切換弁14bにより他の2本の液圧シリンダ4b,4dを押し側と引き側に制御するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記図17に示す従来技術では、回転体である回転軸1の中心Oを通る一直線X−X上に液圧シリンダ4aと4cを取り付け、同回転軸1の中心Oを通る他の一直線Y−Y上に液圧シリンダ4bと4dを取り付けているので、液圧シリンダ4a〜4dの複数の死点が重ならないように、液圧シリンダ4a〜4dを制御することが難しい。したがって、従来技術では4本の液圧シリンダ4a〜4dの合成トルクの変動が大きいという課題がある。
【0012】
また、前記図17に示す従来技術では、1個の二位置方向切換弁14aに2本の液圧シリンダ4a,4cを接続し、他の1個の二位置方向切換弁14bに2本の液圧シリンダ4b,4dを接続している。したがって、液圧シリンダ4a〜4dを複数の押しと複数の引きが位相をずらして重なるように制御することが困難である。このため、4本の液圧シリンダ4a〜4dの合成トルクの変動を小さく抑えることができないという課題があり、二位置方向切換弁を使用しているため、液圧シリンダが押し側から引き側へ、または引き側から押し側へ瞬時に切り換えられるので、衝撃が発生するという課題もある。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、複数本の液圧シリンダを、複数の死点が重ならないように、しかも複数の押しと複数の引きが位相をずれながら重なるように取り付けた状態で、押し側から引き側へ、または引き側から押し側へスムーズに切り換えることができ、かつその切り換え時において衝撃の発生を防止し得る複数本の液圧シリンダの制御装置を提供することにある。
【0014】
そして、本発明の他の目的は、変動の小さいトルクでカッタを回転駆動し、地山を効率よく掘削し得るトンネル掘削機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では複数本の液圧シリンダ4a,4b,…によりそれぞれのピストンロッド7を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点近傍への到達と、当該死点への到達と、当該死点を脱したことを検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを制御器25に接続するとともに、前記制御器25を、センサ23a,23bによりピストンロッド7が死点近傍まで到達したことを検出するまでは、ピストンロッド7を当該三位置方向切換弁15a,15b,…の位置を保持し、センサ23a,23bによりピストンロッド7が死点近傍に到達したことを検出したときは、当該ピストンロッド7の移動方向を中立状態に解放すべく当該三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に切り換え、ピストンロッド7が当該死点に到達した後,この死点を脱するまでは、当該三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に保持し、センサ23a,23bによりピストンロッド7が当該死点を脱したことを検出したときは、ピストンロッド7を他の方向へ移動させるべく当該三位置方向切換弁15a,15b,…を切り換え制御するように構成している。
【0016】
さらに、前記目的を達成するため、本発明では複数本の液圧シリンダ4a,4b,…によりそれぞれのピストンロッド7を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点への到達を検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを制御器25に接続するとともに、前記制御器25に、個々の液圧シリンダ4a,4b,…の伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ46a,46b,…と、回転体の回転方向を指示するスイッチ47とを設け、前記センサ23a,23bにより当該液圧シリンダ4a,4b,…のピストンロッド7が押しまたは引きの死点近傍に達したことを検出したときは、そのピストンロッド7の移動方向を解放すべく三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に切り換えることを含む液圧シリンダ4a,4b,…の固有の初期設定に従って三位置方向切換弁15a,15b,…を切り換える機能を持たせている。
【0017】
そして、前記目的を達成するため、本発明ではカッタ31にカッタ回転軸を取り付け、このカッタ回転軸の少なくとも入力側端部にクランクを設け、このクランクに直接または連結部材を介して複数本の液圧シリンダ4a,4b,…を連結し、これら複数本の液圧シリンダ4a,4b,…を往復動させ、カッタ31を回転させるカッタ駆動装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点近傍への到達と、当該死点への到達を検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを、センサによりピストンロッド7が死点近傍まで到達したことを検出するまでは、ピストンロッド7を当該三位置方向切換弁の位置を保持し、センサによりピストンロッド7が死点近傍に到達したことを検出したときは、当該三位置方向切換弁を中立位置に切り換え、ピストンロッド7が当該死点に到達した後,この死点を脱するまでは、当該三位置方向切換弁を中立位置に保持し、センサによりピストンロッド7が当該死点を脱したことを検出したときは、ピストンロッド7を他の方向へ積極的に移動させるべく当該三位置方向切換弁を切り換え制御するように構成した制御器25、または個々の液圧シリンダ4a,4b,…の伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ46a,46b,…と、回転体の回転方向を指示するスイッチ47とを設け、前記センサ23a,23bからの信号により各三位置方向切換弁15a,15b,…を液圧シリンダ4a,4b,…の固有の初期設定に従って切り換える機能を持った制御器25に接続している。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1および図2は本発明制御装置の一例を示すもので、図1は液圧回路図、図2は1本の液圧シリンダとその液圧回路とピストンロッドの位置検出手段の詳細を示す図ある。そして、図3,図5,図7および図9はピストンロッドの位置検出手段の作用説明図であり、図4,図6,図8および図10は図3,図5,図7および図9に示す状態における三位置方向切換弁の位置を示す図である。
【0020】
これらの図に示す実施例では、図17に示す従来技術と同様、回転体である回転軸1にクランク2が連接されている。このクランク2には、連結部材である連結板3が取り付けられている。
【0021】
前記連結板3には、図17に示す従来技術と同様、複数本としての4本の液圧シリンダ4a〜4dが連結されている。なお、図2では1本の液圧シリンダをとりあげて符号4で示す。各液圧シリンダ4a〜4dは、シリンダ本体5と、ピストン6と、ピストンロッド7とを有している。そして、各液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5の端部は、固定側の部材に取り付けられたシリンダブラケット8に、取り付けピン9を介して取り付けられている。また、各液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7の端部は、前記連結板3に連結ピン10を介して連結されている。連結板3は連結ピン10を有し、かつ回転軸1とクランク2を介し連結されている。
【0022】
そして、各液圧シリンダ4a〜4dは回転軸1の中心Oを通る一直線上に二つの液圧シリンダの取り付け位置が重ならないように、つまり複数の死点が重ならないように、しかも複数の押しと引きが位相をずらして重なるように配置され、取り付けられている。
【0023】
前記液圧シリンダ4a〜4dは、液圧回路11に接続されている。この液圧回路11は、液圧ポンプ12と、タンク13と、各液圧シリンダ4a〜4dに1個宛設置された三位置方向切換弁15a〜15dと、アプローチ側通路16と、リターン側通路17とを有している。なお、図2では1個の三位置方向切換弁をとりあげて符号15で示す。前記アプローチ側通路16は、三位置方向切換弁15a〜15dのAポートと、当該液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5内のピストンヘッド側室とを結んでいる。前記リターン側通路17は、三位置方向切換弁15aのBポートと、当該液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5内のピストンロッド側室とを結んでいる。
【0024】
前記液圧シリンダ4a〜4dには、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dが付設されている。なお、図2では1個の位置検出手段をとりあげて符号18で示す。各ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dは、各液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7の端部からシリンダ本体5方向に延設されたガイドブラケット19と、このガイドブラケット19に設けられたガイド20および被検出体22と、各液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5に固定されかつ前記ガイド20を係合しているセンサブラケット21と、このセンサブラケット21に所定の間隔をおいて設けられたセンサ23a,23bとを有している。前記センサ23a,23bはいわゆる磁気センサであり、磁束が発せられ、磁場が形成されている。そして、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dは、センサ23a,23bと被検出体22とによりピストンロッド7の押し側と引き側の位置の死点を検出し、その検出信号を制御器25に送り込むようになっている。
【0025】
前記ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dと、三位置方向切換弁15a〜15dとは、制御器25に共通に接続されている。この制御器25は、少なくとも次の機能を持っている。
(1)ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23aにより、当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が押し側の死点で折り返し、この死点を脱したことを検出したとき、その検出信号により当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置(中立位置)からロ位置に切り換える。
(2)ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23bにより、当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が引き側の死点近傍に到達したことを検出したとき、その検出信号により当該三位置方向切換弁15a〜15dをロ位置からハ位置に切り換える。
(3)当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が引き側の死点に到達した後、この死点で折り返し、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23bにより、当該ピストンロッド7が引き側の死点を脱したことを検出するまでは当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置に保持する。
(4)ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23bにより、ピストンロッド7が引き側の死点を脱したことを検出したとき、その検出信号により当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置からイ位置に切り換える。
(5)ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23aにより、当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が押し側の死点近傍に到達したことを検出したとき、その検出信号により当該三位置方向切換弁15a〜15dをイ位置からハ位置に切り換える。
(6)当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が押し側の死点に到達した後、この死点で折り返し、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23aにより、当該ピストンロッド7が押し側の死点を脱したことを検出するまでは当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置に保持する。
【0026】
次に、前述のごとく構成された複数本の液圧シリンダの制御装置の作用について説明する。
【0027】
まず、回転体である回転軸1を回転駆動する4本の液圧シリンダ4a〜4dは、互いに死点が重ならないように配置され、かつ当該シリンダブラケット8に取り付けられている。その理由は、液圧シリンダ4a〜4dの複数の死点が重なると、4本の液圧シリンダ4a〜4dにより発生されるトルクにおける合成トルクの変動が大きくなるからである。
【0028】
また、液圧シリンダ4a〜4dは複数の押しと引きが位相をずらして重なるように設定されている。その理由は、変動が小さく、かつ大きなトルクで回転軸1を回転させるためである。
【0029】
なお、図3,図5,図7および図9では、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dの一つをとりあげて符号18で示し、図4,図6,図8および図10では、三位置方向切換弁15a〜15dの一つをとりあげて符号15で示す。
【0030】
いま、4本の液圧シリンダ4a〜4dのうちの、ある液圧シリンダ4の三位置方向切換弁15が図4に示すように、ロ位置に切り換えられているものとすると、リターン側通路17を通じて液圧シリンダ4のシリンダ本体5内のピストンロッド側室に作動液が供給され、ピストン6を介してピストンロッド7が図3に矢印で示すように、引き側に積極的に移動操作される。
【0031】
前述のごとく、ピストンロッド7が引き側に移動するに伴い、ピストンロッドの位置検出手段18の被検出体22がピストンロッド7と一緒に引き側に移動する。そして、図5に示すように、前記被検出体22がピストンロッドの位置検出手段18のセンサ23bの磁束24で形成された磁場に入ると、このセンサ23bによりピストンロッド7が引き側の死点近傍の所定位置に到達したことを検出し、その検出信号を制御器25に送出する。
【0032】
前記制御器25がセンサ23bからピストンロッド7の検出信号を受け取ると、当該三位置方向切換弁15をロ位置から図6に示すように、ハ位置に切り換える。
【0033】
当該三位置方向切換弁15がハ位置に切り換えられると、当該液圧シリンダ4のピストンロッド7が自由に移動できるように解放される。その結果、当該ピストンロッド7は他の液圧シリンダの力により引き側の死点まで移動した後、この死点で折り返し、押し側に移動する。
【0034】
当該ピストンロッド7が引き側の死点で折り返して押し側に移動し、この引き側の死点を脱したとき、つまり図9に示すように、ピストンロッドの位置検出手段18のセンサ23bの磁界を越えて被検出体22が移動したとき、センサ23bがこれを検出し、その検出信号を制御器25に送り込む。
【0035】
前記制御器25にセンサ23bから、当該ピストンロッド7が引き側の死点を脱したことの検出信号を受け取ると、当該三位置方向切換弁15をハ位置から図10に示すように、イ位置に切り換える。
【0036】
当該三位置方向切換弁15がイ位置に切り換えられると、アプローチ側通路16を通じて当該液圧シリンダ4のシリンダ本体5内のピストンロッド側室に作動液が供給され、ピストン6を介してピストンロッド7が押し側に積極的に移動操作される。
【0037】
続いてピストンロッド7が押し側に移動し、押し側の死点近傍の所定位置に到達すると、ピストンロッド7と一緒に被検出体22がセンサ23aの磁界に入り、このセンサ23aによりピストンロッド7が押し側の死点近傍に到達したことを検出し、その検出信号を制御器25に送り込む。
【0038】
前記制御器25がセンサ23aからピストンロッド7の検出信号を受け取ると、当該三位置方向切換弁15をイ位置からハ位置に切り換える。
【0039】
当該三位置方向切換弁15がハ位置に切り換えられると、当該液圧シリンダ4のピストンロッド7が自由に移動できるように解放される。その結果、当該ピストンロッド7は他の液圧シリンダの力により押し側の死点まで移動した後、この死点で折り返し、引き側に移動する。
【0040】
当該ピストンロッド7が引き側に移動し、この引き側の死点を脱したとき、つまりピストンロッドの位置検出手段18のセンサ23aの磁界を越えて被検出体22が移動したとき、センサ23aがこれを検出し、その検出信号を制御器25に送り込む。
【0041】
前記制御器25がセンサ23aからピストンロッド7が押し側の死点を脱したことの検出信号を受け取ると、当該三位置方向切換弁15をハ位置からロ位置に切り換える。
【0042】
これにより、再びリターン側通路17を通じて当該液圧シリンダ4のシリンダ本体5内のピストンヘッド側室に作動液が供給され、ピストンロッド7が引き側に積極的に移動操作される。
【0043】
以上が液圧シリンダ4の1ストロークであるが、この実施例では各液圧シリンダ4a〜4dに対応して三位置方向切換弁15a〜15dを設置し、当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7が押し側の死点近傍の所定位置または引き側の死点近傍の所定位置に到達したときに、当該三位置方向切換弁15a〜15dを中立位置であるハ位置に切り換え、ピストンロッド7が自由に移動できるように解放し、そのピストンロッド7を他の液圧シリンダの力により移動させるようにしているので、4本の液圧シリンダ4a〜4dを、複数の死点が重ならないように、かつ複数の押しと引きが位相をずらして重なるように設置しても、ピストンロッド7を押し側から引き側に、または引き側から押し側にスムーズに切り換えることができる。したがって、複数本の液圧シリンダ4a〜4dの協調により、回転体である回転軸1を、合成トルクが大きくかつ変動が小さいトルクで、スムーズに回転駆動することができる。
【0044】
また、この実施例ではピストンロッド7の押し側の死点近傍または引き側の死点近傍で三位置方向切換弁15をいったん中立位置に切り換え、ピストン6およびピストンロッド7を自由に移動可能に解放するようにしているので、押し側から引き側に、または引き側から押し側に直接切り換えることによって発生する衝撃を防止することができる。
【0045】
図11は制御器の概念図、図12は1本の液圧シリンダをとりあげて示した回転方向の指示による伸縮方向と揺動方向を判断するフローチャートである。
【0046】
この実施例における制御器25には、図11に示すように、個々の液圧シリンダ4a〜4dの伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ46a〜46dと、回転体の回転方向を指示するスイッチ47とが設けられている。そして、この制御器25はピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23a,23bからの位置検出信号により各三位置方向切換弁15a〜15dを当該液圧シリンダ4a〜4dの固有の初期設定に従って切り換える機能を持っている。
【0047】
すなわち、ピストンロッドの当該位置検出手段18a〜18dのセンサ23a,23bの磁束24により形成された磁界に被検出体22が入ったとき、または磁界から被検出体22が脱したときに発する信号は制御器25に入り、各液圧シリンダ4a〜4dは図12に示すフローチャートに従って、記憶したプログラムコントローラ46a〜46dを介し制御され、また前記センサ23a,23bからの信号により当該三位置方向切換弁15a〜15dを制御するようにしている。
【0048】
また、回転体の回転方向を指示するスイッチ47からの信号と、センサ23a,23bからの信号とにより、プログラムコントローラ46a〜46d内で、各液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7の位置を常に認識し、記憶している。
【0049】
次に、図13および図14は本発明制御装置を適用したトンネル掘削機であるシールド機のカッタ駆動装置の一実施例を示すもので、図13は縦断側面図、図14は図13の背面図である。
【0050】
これら図13,図14に示す実施例のシールド機27は、シールド筒28と、隔壁29と、フード30と、カッタ31と、第1のクランク34a〜34dと、カッタ回転軸35a〜35dと、第2のクランク37a〜37dと、4本の液圧シリンダ4a〜4dと、三位置方向切換弁15a〜15dを含む液圧回路11と、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dと、液圧回路の三位置方向切換弁の制御器(図13,図14では省略)と、掘削土砂のチャンバ39と、排土装置であるスクリューコンベア40とを装備している。これらの部材の他には、複数本のシールドジャッキと、テールシールと、添加剤注入手段と、裏込め注入手段等を備えているが、図面では省略されている。
【0051】
前記カッタ31は、カッタフレーム32と、これの前面に設けられた多数のカッタビット33とを有して構成されている。
【0052】
前記第1のクランク34a〜34dは、互いに平行に配置され、カッタフレーム32の背面に固定されている。
【0053】
前記カッタ回転軸35a〜35dは、互いに平行に配置され、かつ当該第1のクランク34a〜34dのクランクアームに連結されている。そして、各カッタ回転軸35a〜35dは、隔壁29に設けられた軸受36に回転自在に支持されている。
【0054】
前記第2のクランク37a〜37dは、互いに平行に配置され、かつ当該カッタ回転軸35a〜35dの入力側端部に連接されている。
【0055】
前記液圧シリンダ4a〜4dは、前述の図1,図2等に示したものと同様、それぞれシリンダ本体5と、ピストン6と、ピストンロッド7とを有している。前記各液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5の端部は、シールド筒28の内周に取り付けられたシリンダブラケット8に取り付けピン9を介して取り付けられており、ピストンロッド7の端部は第2のクランク37a〜37dの当該クランク軸38に枢支されている。
【0056】
この実施例では、4本の液圧シリンダ4a〜4dにより回転駆動すべき回転体はカッタ31である。そして、カッタ駆動装置は前記第1のクランク34a〜34dと、カッタ回転軸35a〜35dと、第2のクランク37a〜37dと、複数本としての4本の液圧シリンダ4a〜4dとを有して構成されている。
【0057】
前記液圧シリンダ制御用の液圧回路11は、前述の図1,図2等に示したものと同様、液圧ポンプ12と、タンク13と、各液圧シリンダ4a〜4dに1個宛設置された三位置方向切換弁15a〜15dと、三位置方向切換弁と当該液圧シリンダのシリンダ本体5のピストンヘッド側室とを結ぶアプローチ側通路16と、三位置方向切換弁と当該液圧シリンダのシリンダ本体5のピストンロッド側室とを結ぶリターン側通路17とを有している。
【0058】
前記ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dも、前述の図1,図2等に示したものと同様、当該液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7の端部からシリンダ本体5方向に延設されたガイドブラケット19と、これに設けられたガイド20と、被検出体22と、当該液圧シリンダ4a〜4dのシリンダ本体5に固定されかつガイド20に係合されたセンサブラケット21と、このセンサブラケット21に所定の間隔をおいて設けられたセンサ23a,23bとを有している。そして、各位置検出手段18a〜18dのセンサ23aは被検出体22を検出することにより、ピストンロッド7が押し側の死点近傍の所定位置に到達したことを検出したとき、およびピストンロッド7が押し側の死点から脱したことを検出したとき、その検出信号を制御器に送り込む。また、センサ23bは同じく被検出体22を検出することにより、ピストンロッド7が引き側の死点近傍の所定位置に到達したことを検出したとき、およびピストンロッド7が引き側の死点から脱したことを検出したとき、その検出信号を制御器に送り込む
【0059】
前記制御器は、ピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23aから、ピストンロッド7が押し側の死点近傍の所定位置に到達したことを検出した信号を受け取ったとき、当該三位置方向切換弁15a〜15dをイ位置からハ位置に切り換え、ピストンロッド7が押し側の死点を脱したことを検出した信号を受け取ったとき、当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置からロ位置に切り換える。また、制御器はピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23bから、ピストンロッド7が引き側の死点近傍の所定位置に到達したことを検出した信号を受け取ったとき、当該三位置方向切換弁15a〜15dをロ位置からハ位置に切り換え、ピストンロッド7が引き側の死点を脱したことを検出した信号を受け取ったとき、当該三位置方向切換弁15a〜15dをハ位置からイ位置に切り換えるようになっている。
【0060】
そして、いま図14に示す状態では、三位置方向切換弁15aはハ位置に切り換えられていて、液圧シリンダ4aのピストンロッド7は自由に移動可能に放されており、三位置方向切換弁15bはロ位置に切り換えられていて、液圧シリンダ4bは押し側に移動し、三位置方向切換弁15cはロ位置に切り換えられていて、液圧シリンダ4cのピストンロッド7は押し側に移動し、三位置方向切換弁15dはロ位置に切り換えられていて、液圧シリンダ4dのピストンロッド7は引き側に移動しているものとする。
【0061】
この状態から、制御器はピストンロッドの位置検出手段18a〜18dのセンサ23a,23bから送り込まれる検出信号に基づいて、三位置方向切換弁15a〜15dを次のように切り換え、液圧シリンダ4a〜4dを次のように作動させる。
(1) 三位置方向切換弁15aを図14に示すハ位置→ロ位置→ハ位置→イ位置→再びハ位置の順に切り換える。
これにより、液圧シリンダ4aのピストンロッド7は自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により押し側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→引き側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により引き側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→押し側への積極的な移動→再び自由に移動可能に解放される。
(2) 三位置方向切換弁15bを図14に示すロ位置→ハ位置→イ位置→ハ位置→再びロ位置の順に切り換える。
これにより、液圧シリンダ4bのピストンロッド7は押し側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により押し側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→引き側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により引き側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→再び押し側への積極的な移動に制御される。
(3) 三位置方向切換弁15cを図14に示すロ位置→ハ位置→イ位置→ハ位置→再びロ位置の順に切り換える。
これにより、液圧シリンダ4cのピストンロッド7は押し側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により押し側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→引き側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により引き側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→再び押し側への積極的な移動に制御される。
(4) 三位置方向切換弁15dを図14に示すロ位置→ハ位置→イ位置→ハ位置→再びロ位置の順に切り換える。
これにより、液シリンダ4dのピストンロッド7は引き側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダの力により引き側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→押し側への積極的な移動→自由に移動可能に解放されて他の液圧シリンダ力により押し側の死点への移動からこの死点を脱するまでの移動→再び引き側への積極的な移動に制御される。
【0062】
液圧シリンダ4a〜4dに前述の(1)〜(4)の作動を繰り返し行わせることにより、第2のクランク37a〜37d→カッタ回転軸35a〜35d→第1のクランク34a〜34d→カッタ31にトルクを伝達し、カッタ31を図14に矢印で示す時計方向に、平行リンク的に回転させる。
【0063】
そして、複数本のシールドジャッキ(図示せず)によりカッタ31に推力を与え、カッタフレーム32の前面に設けられた多数のカッタビット33により地山を掘削する。ついで、その掘削土砂をチャンバ39に取り込み、チャンバ39内を所定の圧力に保持しつつスクリューコンベア40により掘削土砂をシールド機27の後方へ搬出する。
【0064】
以上の作業を繰り返し行い、トンネルを掘進して行く。
【0065】
この図13および図14に示すシールド機27においても、前述のごとく、複数本としての4本の液圧シリンダ4a〜4dを、ピストンロッド7が死点近傍の所定位置に到達したとき、自由に移動可能に解放し、他の液圧シリンダの力により押し側の死点への到達を経てこの死点を脱するまで、または引き側の死点への到達を経てこの死点を脱するまで、移動させるようにしている。
【0066】
その結果、液圧シリンダ4a〜4dを、複数の死点が重ならないように、しかも複数の押しと引きが位相をずらして重なるように設定しても、各液圧シリンダ4a〜4dを押し側から引き側に、または引き側から押し側にそれぞれスムーズに切り換えることができる。
【0067】
したがって、この実施例によれば、カッタ31を液圧シリンダ4a〜4dにより発生される大きな合成トルクで、しかも変動の小さいトルクで回転駆動することができるので、回転体であるカッタ31を大きなトルクでスムーズに回転させ、地山を効率よく掘削することができる。
【0068】
ついで、図15および図16はトンネル掘削機であるシールド機の他の実施例を示すもので、図15は縦断側面図、図16は図15の背面図である。
【0069】
これら図15,図16に示す実施例では、第2のクランク37a〜37dのクランク軸38に共通に、連結部材である連結板41が取り付けられている。
【0070】
そして、前記連結板41に連結ピン42を介して、液圧シリンダ4a〜4dのピストンロッド7の端部が連結されている。
【0071】
したがって、この図15,図16に示す実施例では、液圧シリンダ4a〜4dによって発生したトルクが連結板41→第2のクランク37a〜37d→カッタ回転軸35a〜35d→第1のクランク34a〜34d→カッタ31に伝達され、カッタ31が平行リンク的に回転される。
【0072】
これら図15,図16に示す実施例の他の構成,作用については、前記図13,図14に示す実施例と同様である。
【0073】
なお、本発明カッタ駆動装置は図面に示す多軸型のものに限らず、単軸型のものにも適用することができる。
【0074】
そして、本発明では各実施例とも、液圧シリンダは4本に限らないこと勿論である。
【0075】
また、ピストンロッドの位置検出手段は磁気を利用したものに限らず、光センサまたはリミットスイッチ等を用いてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明制御装置では複数本の液圧シリンダ4a,4b,…によりそれぞれのピストンロッド7を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点近傍への到達と、当該死点への到達と、当該死点を脱したことを検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを制御器25に接続するとともに、前記制御器25を、センサ23a,23bによりピストンロッド7が死点近傍まで到達したことを検出するまでは、ピストンロッド7を当該三位置方向切換弁15a,15b,…の位置を保持し、センサ23a,23bによりピストンロッド7が死点近傍に到達したことを検出したときは、当該ピストンロッド7の移動方向を中立状態に解放すべく当該三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に切り換え、ピストンロッド7が当該死点に到達した後,この死点を脱するまでは、当該三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に保持し、センサ23a,23bによりピストンロッド7が当該死点を脱したことを検出したときは、ピストンロッド7を他の方向へ移動させるべく当該三位置方向切換弁15a,15b,…を切り換え制御するように構成しており、ピストンロッド7が死点近傍に到達したとき、自由に移動可能に解放し、当該死点に到達した後、この死点を脱するまで当該ピストンロッド7を他の液圧シリンダの力により移動させるようにしているので、複数本の液圧シリンダ4a,4b,…を、複数の死点が重ならないように、かつ複数の押しと引きが位相をずらして重なるように設置し、ピストンロッド7を押し側から引き側に、または引き側から押し側にスムーズに切り換えることができ、したがって複数の液圧シリンダ4a,4b,…の協調により、回転体を合成トルクが大きくかつ変動が小さいトルクで、スムーズに回転駆動し得る効果がある。
【0077】
また、本発明制御装置ではピストンロッド7の押し側の死点近傍または引き側の死点近傍で各三位置方向切換弁15a,15b,…をいったん中立位置に切り換え、ピストン6およびピストンロッド7を自由に移動可能に解放するようにしているので、押し側から引き側に、または引き側から押し側に直接切り換えることによって発生する衝撃を防止することができるという効果ある。
【0078】
さらに、本発明制御装置では複数本の液圧シリンダ4a,4b,…によりそれぞれのピストンロッド7を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点への到達を検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを制御器25に接続するとともに、前記制御器25に、個々の液圧シリンダ4a,4b,…の伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ46a,46b,…と、回転体の回転方向を指示するスイッチ47とを設け、前記センサ23a,23bにより当該液圧シリンダ4a,4b,…のピストンロッド7が押しまたは引きの死点近傍に達したことを検出したときは、そのピストンロッド7の移動方向を解放すべく三位置方向切換弁15a,15b,…を中立位置に切り換えることを含む液圧シリンダ4a,4b,…の固有の初期設定に従って三位置方向切換弁15a,15b,…を切り換える機能を持たせており、回転体がどの位置で停止しても、制御器25内のプログラムコントローラ46a,46b,…に当該液圧シリンダに固有の制御シーケンスでピストンロッド7の位置を記憶しているので、各液圧シリンダ4a,4b,…のピストンロッド7を停止した位置からスタートさせ、回転体をスムーズに回転駆動させ得る効果がある。
【0079】
そして、本発明カッタ駆動装置では、カッタ31にカッタ回転軸を取り付け、このカッタ回転軸の少なくとも入力側端部にクランクを設け、このクランクに直接または連結部材を介して複数本の液圧シリンダ4a,4b,…を連結し、これら複数本の液圧シリンダ4a,4b,…を往復動させ、カッタ31を回転させるカッタ駆動装置において、各液圧シリンダ4a,4b,…のシリンダ本体5とピストンロッド7の一方の部材に、ピストンロッド7の死点近傍への到達と、当該死点への到達を検出するセンサ23a,23bを設け、他方の部材には被検出体22を設け、液圧シリンダ4a,4b,…の液圧回路11に、三位置方向切換弁15a,15b,…を設置し、前記センサ23a,23bと、三位置方向切換弁15a,15b,…とを、センサによりピストンロッド7が死点近傍まで到達したことを検出するまでは、ピストンロッド7を当該三位置方向切換弁の位置を保持し、センサによりピストンロッド7が死点近傍に到達したことを検出したときは、当該三位置方向切換弁を中立位置に切り換え、ピストンロッド7が当該死点に到達した後,この死点を脱するまでは、当該三位置方向切換弁を中立位置に保持し、センサによりピストンロッド7が当該死点を脱したことを検出したときは、ピストンロッド7を他の方向へ積極的に移動させるべく当該三位置方向切換弁を切り換え制御するように構成した制御器25、または個々の液圧シリンダ4a,4b,…の伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ46a,46b,…と、回転体の回転方向を指示するスイッチ47とを設け、前記センサ23a,23bからの信号により各三位置方向切換弁15a,15b,…を液圧シリンダ4a,4b,…の固有の初期設定に従って切り換える機能を持った制御器25に接続しているので、複数本の液圧シリンダ4a,4b,…の死点が重ならないように、かつ複数の押しと引きが位相をずらして重なるように設置しても、各液圧シリンダ4a,4b,…を押し側から引き側に、または引き側から押し側にそれぞれスムーズに切り換えることができるため、カッタ31を合成トルクが大きく、かつ変動の小さいトルクでスムーズに回転駆動することができ、したがって地山を効率よく掘削し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明制御装置の一例を示す図である。
【図2】図1に示す実施例における液圧シリンダとその液圧回路とピストンロッドの位置検出手段の詳細を示す図である。
【図3】ピストンロッドが引き側へ移動中の位置検出手段の作用説明図である。
【図4】図3に示す状態における三位置方向切換弁の位置を示す図である。
【図5】ピストンロッドが引き側の死点近傍に移動したときの位置検出手段の作用説明図である。
【図6】図5に示す状態における三位置方向切換弁の位置を示す図である。
【図7】ピストンロッドが引き側の死点に到達したときの位置検出手段の作用説明図である。
【図8】図7に示す状態における三位置方向切換弁の位置を示す図である。
【図9】ピストンロッドが引き側の死点で折り返し、この死点を脱したときの位置検出手段の作用説明図である。
【図10】図9に示す状態における三位置方向切換弁の位置を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を示すもので、制御器の概念図である。
【図12】図11に示す制御器を用いた場合の液圧シリンダの伸縮方向と揺動方向を制御するフローチャートである。
【図13】本発明制御装置を取り入れたトンネル掘削機であるシールド機のカッタ駆動装置の一実施例を示す縦断側面図である。
【図14】図9の背面図である。
【図15】本発明にかかるシールド機の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図16】図15の側面図である。
【図17】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 回転体である回転軸
2 クランク
3 連結部材である連結板
4,4a〜4d 液圧シリンダ
5 シリンダ本体
6 ピストン
7 ピストンロッド
11 本発明における液圧シリンダ用の液圧回路
15,15a〜15d 三位置方向切換弁
16 アプローチ側通路
17 リターン側通路
18,18a〜18d ピストンロッドの位置検出手段
22 被検出体
23a,23b センサ
25 制御器
27 トンネル掘削機であるシールド機
28 シールド筒
29 隔壁
30 フード
31 カッタ
34a〜34d 第1のクランク
35a〜35d カッタ回転軸
37a〜37d 第2のクランク
41 連結部材である連結板
46a〜46d 液圧シリンダの初期設定を記憶するプログラムコントローラ
47 回転体の回転方向を指示するスイッチ

Claims (3)

  1. 複数本の液圧シリンダ(4a),(4b),…によりそれぞれのピストンロッド(7)を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、
    各液圧シリンダ(4a),(4b),…のシリンダ本体(5)とピストンロッド(7)の一方の部材に、ピストンロッド(7)の死点近傍への到達と、当該死点への到達と、当該死点を脱したことを検出するセンサ(23a),(23b)を設け、他方の部材には被検出体(22)を設け、
    液圧シリンダ(4a),(4b),…の液圧回路(11)に、三位置方向切換弁(15a),(15b),…を設置し、
    前記センサ(23a),(23b)と、三位置方向切換弁(15a),(15b),…とを制御器(25)に接続するとともに、
    前記制御器(25)を、センサ(23a),(23b)によりピストンロッド(7)が死点近傍まで到達したことを検出するまでは、ピストンロッド(7)を当該三位置方向切換弁(15a),(15b),…の位置を保持し、センサ(23a),(23b)によりピストンロッド(7)が死点近傍に到達したことを検出したときは、当該ピストンロッド(7)の移動方向を中立状態に解放すべく当該三位置方向切換弁(15a),(15b),…を中立位置に切り換え、ピストンロッド(7)が当該死点に到達した後,この死点を脱するまでは、当該三位置方向切換弁(15a),(15b),…を中立位置に保持し、センサ(23a),(23b)によりピストンロッド(7)が当該死点を脱したことを検出したときは、ピストンロッド(7)を他の方向へ移動させるべく当該三位置方向切換弁(15a),(15b),…を切り換え制御するように構成した、
    ことを特徴とする複数本の液圧シリンダの制御装置。
  2. 複数本の液圧シリンダ(4a),(4b),…によりそれぞれのピストンロッド(7)を往復動させ、回転体を回転駆動する装置における液圧シリンダの制御装置において、
    各液圧シリンダ(4a),(4b),…のシリンダ本体(5)とピストンロッド(7)の一方の部材に、ピストンロッド(7)の死点への到達を検出するセンサ(23a),(23b)を設け、他方の部材には被検出体(22)を設け、
    液圧シリンダ(4a),(4b),…の液圧回路(11)に、三位置方向切換弁(15a),(15b),…を設置し、
    前記センサ(23a),(23b)と、三位置方向切換弁(15a),(15b),…とを制御器(25)に接続するとともに、
    前記制御器(25)に、個々の液圧シリンダ(4a),(4b),…の伸縮方向と揺動方向の初期設定を記憶するプログラムコントローラ(46a),(46b),…と、回転体の回転方向を指示するスイッチ(47)とを設け、前記センサ(23a),(23b)により当該液圧シリンダ(4a),(4b),…のピストンロッド(7)が押しまたは引きの死点近傍に達したことを検出したときは、そのピストンロッド(7)の移動方向を解放すべく三位置方向切換弁(15a),(15b),…を中立位置に切り換えることを含む液圧シリンダ(4a),(4b),…の固有の初期設定に従って三位置方向切換弁(15a),(15b),…を切り換える機能を持たせた、
    ことを特徴とする複数本の液圧シリンダの制御装置。
  3. カッタ(31)にカッタ回転軸を取り付け、このカッタ回転軸の少なくとも入力側端部にクランクを設け、このクランクに直接または連結部材を介して複数本の液圧シリンダ(4a),(4b),…を連結し、これら複数本の液圧シリンダ(4a),(4b),…を往復動させ、カッタ(31)を回転させるカッタ駆動装置において、
    各液圧シリンダ(4a),(4b),…のシリンダ本体(5)とピストンロッド(7)の一方の部材に、ピストンロッド(7)の死点近傍への到達と、当該死点への到達を検出するセンサ(23a),(23b)を設け、他方の部材には被検出体(22)を設け、
    液圧シリンダ(4a),(4b),…の液圧回路(11)に、三位置方向切換弁(15a),(15b),…を設置し、
    前記センサ(23a),(23b)と、三位置方向切換弁(15a),(15b),…とを請求項1に記載の制御器(25)または請求項2に記載の制御器(25)に接続した、
    ことを特徴とするトンネル掘削機のカッタ駆動装置。
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