JP3551337B2 - 半導体力学量センサおよびその製造方法 - Google Patents

半導体力学量センサおよびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサなどの半導体力学量センサとその製造方法とに関し、半導体センサの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
半導体圧力センサの耐圧性を向上させる技術としては、特公昭60−13314号公報に開示されたものがある。これは、面方位(100)の半導体基板の表面から、周辺が八角形状の斜面によって囲まれている矩形の薄肉部(ダイヤフラム)を持つ単一の凹部が形成されている半導体圧力センサである。
【0003】
しかし、上記技術では、温度変化による非直線性のオフセット電圧が生じ、その補償が難しいという問題点が残っていた。そこで、破壊耐圧をさほど落とすことなく温度補償を容易にする目的で、特開平4−119672号公報に開示されている従来技術が開発された。
同従来技術による半導体圧力センサは、図9(a)〜(d)に示すように、面方位(110)の半導体単結晶基板の表面から、エッチングにより薄肉部(ダイヤフラム)が形成されているものである。この薄肉部は、<100>軸、<110>軸、<111>軸に直行する辺を有する八角形をしており、同薄肉部の外縁付近での熱応力の変化量(ばらつき)が極めて少ない。それゆえ、この半導体圧力センサでは、熱誤差出力がほとんど発生しないという効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術により、半導体圧力センサの破壊耐圧はかなり向上しているが、用途によってはさらに高い破壊耐圧が要求され、従来技術の破壊耐圧では不十分になる場合もある。
そこで、本発明は、よりいっそう高い破壊耐圧(または負荷)を有し許容圧力(許容負荷)が向上している半導体力学量センサと、その製造方法とを提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するための手段として、発明者らは、以下に列挙する構成の発明を行った。
〔装置発明〕
本発明の半導体力学量センサは、主面と該主面に略平行な多角形状の底面とを持つ半導体単結晶である基板を有し、該底面は複数の斜面により全周囲を囲まれていて、該底面および全該斜面により該主面に開口する凹部が形成されている半導体力学量センサにおいて、前記主面の面方位は(110)であり、前記底面は各辺の方位が<100>方位または<110>方位である矩形形状をしており、かつ、前記底面を囲む周縁部の少なくとも一対の対向する辺に、所定の幅の段差部が形成されていることを特徴とする。(図1参照)
本構成では、多角形状の底面が全周囲を斜面によって囲まれているので、底面と各斜面とが直角よりも浅い角度で接合しており、面が直角に接合する接合縁よりも底面の周縁部での応力集中が少ない。さらに、底面は少なくとも一対の対向する辺に段差部を有し、段差部は底面と斜面とが接合する部分で応力集中を緩和する作用がある。(図3参照)
一方、半導体力学量センサ(例えば圧力センサ)に過大な負荷(圧力)が掛かり、底面を形成している薄肉部の破壊が始まる際には、通常、薄肉部の(すなわち底面の)周縁部に応力が集中し、周縁部から亀裂が入りはじめる。それゆえ、底面の周縁部での応力集中の緩和が、限界負荷(破壊耐圧)を向上させる上での要諦である。
【0006】
したがって、本構成によれば、底面の全周囲を囲む斜面と底面の周縁部の段差部とが有する応力緩和作用により、基板の薄肉部の限界負荷(破壊耐圧)が向上するという効果がある。これはすなわち、半導体力学量センサの限界負荷(破壊耐圧)または許容負荷(許容圧力)の向上を意味する。
なお、半導体力学量センサが圧力センサである場合には、薄肉部はダイヤフラムを形成しており、加速度センサ、角速度センサまたは微小力センサ等である場合には、薄肉部はカンチレバーを形成しているのが普通である。いずれのセンサの場合にも、薄肉部(底面)の周縁部または付根部での応力緩和による限界負荷が向上するという効果が、本構成により得られる。
【0007】
また、本発明の半導体力学量センサは、底面が矩形であり、底面の各辺の方位は、<100>または<110>であるため、<100>方位の辺および<110>の辺で囲まれている矩形底面は、面方位(110)の主面に、底面と同じ辺の方位を持つウィンドウが開いているマスクを形成して異方性エッチングすることにより、容易に形成される。異方性エッチングにより、矩形底面の全周囲には、複数の斜面が自然に形成される。
【0008】
したがって、本構成によれば、製造が容易であるという効果がある。
本発明の半導体力学量センサにおいて、前記段差部は、前記<100>方位の対向する一対の辺に形成されているのが好ましい。
【0009】
本構成では、基板の製造工程においてストップ・エッチング処理を行うことにより、段差部が<100>方位の対向する二辺に自然に形成される。それゆえ、本構成によれば、段差部の形成がより容易であるという効果がある。
さらに、本構成では、矩形の底面を形成している薄肉部において、亀裂(クラック)の進行する<111>方位が、薄肉部の辺の方位(<100>および<110>)に対し斜めになっている。亀裂の進行方位<111>は、段差部が形成されている<100>方位の辺に対して約35°、段差部がない<110>方位の辺に対しては約55°の角度をもって交差している。(図4参照)
すなわち、亀裂の進行方位がより直角に近い角度(約55°)で接するのは、応力緩和作用をもつ段差部がある辺であり、段差部のある辺からは亀裂が発生しにくい。逆に、段差部のない辺には浅い角度(約35°)で亀裂の進行方位が交差しているので、亀裂の進行方向に沿う断面では底面と斜面との交角はいっそう浅く、応力集中が少ないので段差部のない辺からも亀裂は発生しにくい。それゆえ、亀裂が底面の四辺のいずれかから発生することが抑制され、薄肉部の破壊耐圧は、薄肉部そのものの破裂強度にまで向上する。
【0010】
したがって、本構成によれば、薄肉部の周縁部から亀裂が発生しにくいので、基板はよりいっそう高い破壊耐圧(または負荷)を有し、許容圧力(許容負荷)がさらに向上するという効果がある。
また、本発明の半導体力学量センサにおいて、前記底面を囲む前記斜面は、該底面の<100>方位の対向する一対の辺にそれぞれ接している面方位(100)の斜面と、該底面の<110>方位の対向する他の一対の辺にそれぞれ接している面方位(111)の斜面とであり、両該斜面は、所定の長さで互いに角度をもって接しているのが好ましい。(図2参照)
本構成では、隣り合う斜面同士が、所定の長さで互いに角度をもって接しているので、薄肉部が形成している底面の四隅に、底面に対して垂直に切り立った壁面が接することがない。それゆえ、底面の四隅部分に過度の応力集中が発生することがない。
【0011】
したがって、本構成によれば底面の四隅部分からの亀裂の発生も防止されるので、いっそう破壊耐圧(限界負荷)が向上するという効果がある。
また、本発明の半導体力学量センサにおいて、前記段差部を含む前記底面の前記周縁部において、複数の面が接する隅部は曲面から形成されているのが好ましい
【0012】
本構成では、底面と斜面との交差部分(隅部)、段差部の面と斜面との交差部分(隅部)、および段差部の斜面と底面との交差部分(隅部)に、凹面である曲面が形成されている。凹面である曲面では、明確な角度をもって複数の面が交差する隅部(凹状の辺縁)よりも、応力集中がずっと小さく、その部分から亀裂が入りにくい。
【0013】
したがって、本構成によれば、底面の周縁部で応力集中がより少なくなり亀裂が入りにくくなるので、よりいっそう破壊耐圧が向上するという効果がある
〔製法発明〕
本発明の半導体力学量センサの製造方法は、面方位が(110)である主面を持ち該主面に沿って内部に空乏層を有する半導体単結晶からなる基板の該主面に、<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形の開口部を有するマスクを形成するマスキング工程と、該基板を該空乏層との境界部まで異方性エッチングして、全周囲が斜面に囲まれており該主面と略平行であって<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形形状の底面をもつ凹部を形成する第1エッチング工程と、該基板をさらに所定時間の異方性エッチングして、該凹部の該底面を囲む辺縁部の少なくとも一対の対向する辺に、所定の幅の段差部を形成する第2エッチング工程とを有することを特徴とする。
【0014】
本構成では、半導体単結晶の基板に、第1エッチング工程で、底面の全周囲が斜面で囲まれた凹部が形成され、第2エッチング工程で、底面の縁部の少なくとも一部に段差部が形成される。斜面も段差部も、ともに底面の周縁部での応力集中を防ぐ作用がある。したがって、本構成によれば、より大きい破壊耐圧(負荷)に耐える半導体力学量センサ製造が可能になるという効果がある。
【0015】
また、本発明の半導体力学量センサの製造方法は、前記マスキング工程では、面方位が(110)である前記主面に、<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形の前記開口部を有するマスクを形成し、前記第1エッチング工程では、前記基板を異方性エッチングして、前記底面を<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形形状の底面をもつ凹部を形成する(図2参照)。
【0016】
そのため、第1エッチング工程で、基板を構成している半導体単結晶の結晶方位を利用して異方性エッチングを施すことにより、凹部の底面を矩形形状に形成し、その全周囲に斜面を形成することが容易にできる。
したがって、本構成によればより大きい破壊耐圧(負荷)に耐える半導体力学量センサ製造が、容易になるという効果がある。
【0017】
本発明の半導体力学量センサの製造方法において、前記第2エッチング工程は、前記<100>方位の対向する一対の辺に前記段差部を形成する工程であるのが望ましい(図2参照)。
本構成では、<100>方位の辺に接する斜面は、面方位が(100)であって、直交する他の辺(<110>方位)に接する斜面(面方位(111))に比べ格段に高いエッチング速度で異方性エッチングされる。それゆえ、第2エッチング工程において、ストップ・エッチングを利用することにより、容易に段差部が形成され得る(図3参照)。
【0018】
また、面方位(110)の底面に亀裂が進行する<111>方位は、段差部が形成されて応力集中が緩和されている<100>方位の辺に対して、垂直に近い角度(約55°)を成している。逆に、段差部が形成されていない<110>方位の辺に対しては、亀裂の進行方位<111>はより垂直から離れた角度(約35°)を成している(図4参照)。それゆえ、底面の四方のいずれの辺からも亀裂が入りにくいので、底面を形成している薄肉部の破壊耐圧はよりいっそう向上する。
【0019】
したがって、本構成によれば、よりいっそう大きい破壊耐圧(負荷)に耐える半導体力学量センサの製造が、さらに容易になるという効果がある。
また、本発明の半導体力学量センサの製造方法において、前記第2エッチング工程が終了した後、前記基板を等方性エッチング液に所定時間浸して、前記底面の前記辺縁部の複数の面が接する隅部を曲面で形成する第3エッチング工程を有するのが望ましい。
本構成では、底辺辺縁部で複数の面が接する隅部が、角度をもって交わる面が交差する線分として形成されず、曲面でなだらかに形成されている。通常、角張った凹部(隅部)には、応力が集中してその部分から亀裂が発生して内部に進行するが、逆に隅部が曲面で形成されていれば応力集中は極めて少なくなり、亀裂の発生および成長が防止される。
したがって、本構成によれば、破壊耐圧が極めて高い(ほぼ倍増している)半導体力学量センサを製造することができるという効果がある。
また、本発明の半導体力学量センサの製造方法において、前記第1エッチング工程および前記第2エッチング工程のうちの少なくとも一方は、前記基板を異方性エッチング液に浸しエッチング処理するウェットエッチング工程であってもよい。
【0020】
異方性エッチングにウェットエッチング法を使用する、製造設備が比較的安価かつ比較的小規模であり、異方性エッチング処理に要する時間も比較的短時間で済む。したがって破壊耐圧の高い半導体力学量センサの生産が極めて安価に行えるという効果がある。
【0022】
さらに、前記ウェットエッチング工程は、前記異方性エッチング液に接触する電極を用い、該電極と前記基板との間に電圧を印加して該基板を異方性エッチング処理する工程であってもよい。
基板に電圧を印加しながら異方性エッチング処理する、空乏層の位置制御が可能になり、精密にストップ・エッチングをして底面を所定の位置(深さ)に形成することができる。したがって、極めて精密な位置精度で底面が形成され、品質がより安定した半導体力学量センサの生産が可能になり、さらに生産能率が向上するという効果がある。
【0024】
さらに、前記第1エッチング工程および前記第2エッチング工程は、前記ウェットエッチング工程であり、前記第2エッチング工程で印加される第2電圧は、前記第1エッチング工程で印加される第1電圧とは異なる電圧であって、該第2エッチング工程では、前記空乏層の前記境界部が、該第1エッチング工程での該境界部の位置から前記主面に向かって所定距離移動しており、移動している該境界部に沿って前記段差部が形成されてもよい。
第1電圧と第2電圧とが異なり電圧差がある、第2エッチング工程では、エッチング速度が極めて遅い空乏層が主面に向かって迫り出して来る。それゆえ、段差部の段差をより高く形成して耐圧性をより高めることが可能になる上に、電圧差を調整することにより、段差部の高さ(段差)を調整することができる。
【0025】
したがって、本構成によれば、さらにいっそう高い破壊耐圧を持つ半導体力学量センサを製造することができるという効果がある。
また前記第1エッチング工程および前記第2エッチング工程は連続的に処理され、該第2エッチング工程は、前記第1電圧を概略初期値として、前記第2電圧を徐々に連続的または多段階的に変化させていく工程であってもよい。
【0026】
本構成では、第1電圧から徐々に移行した第2電圧が、徐々に連続的または多段階的に変化していくので、空乏層の境界部が主面に対して近づいてくるので、段差部は連続的または多段階的に形成される。それゆえ、底面と斜面とが角度をもって接合する部分の表面は、応力集中がより少ない段々形状または曲面形状に形成される。また、第1エッチング工程から連続する第2エッチング工程では、印加電圧を変化させるだけで済み、特殊な操作を行わないので加工コストが増加することもない。
【0027】
したがって、本構成によれば、製造コストをほとんど増加させることなく、いっそう高い破壊耐圧を有する半導体力学量センサを製造することが可能になるという効果がある。
また前記第2エッチング工程が終了した後、前記基板を等方性エッチング液に所定時間浸して、前記底面の前記辺縁部の複数の面が接する隅部を曲面で形成する第3エッチング工程を有してもよい
【0028】
本構成では、底辺辺縁部で複数の面が接する隅部が、角度をもって交わる面が交差する線分として形成されず、曲面でなだらかに形成されている。通常、角張った凹部(隅部)には、応力が集中してその部分から亀裂が発生して内部に進行するが、逆に隅部が曲面で形成されていれば応力集中は極めて少なくなり、亀裂の発生および成長が防止される。
【0029】
したがって、本構成によれば、破壊耐圧が極めて高い(ほぼ倍増している)半導体力学量センサを製造することができるという効果がある
【0030】
【発明の実施の形態および実施例】
本発明の半導体力学量センサおよびその製造方法の実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以下の実施例等で明確かつ充分に説明する。
〔実施例1〕
(実施例1の半導体力学量センサの構成)
本発明の実施例1としての半導体力学量センサは、圧力センサであって、図1(a)〜(d)に示すように、半導体(シリコン)単結晶の基板を有し、該基板には、主面1の中央部に開口している凹部10が形成されている。
【0031】
凹部10は、中央の矩形の底面2と、底面2の四周に接している四面の斜面3,4と、底面2と斜面4とが交差する辺24に沿う段差部5とから形成されている。斜面3および斜面4は、四方向で互いに接して浅い交角の隅部43を形成するとともに、主面1に八角形の開口周縁11をもつて開口している。
凹部10の底面2と上記基板の裏面6との間には、薄肉部21が形成されており、圧力センサのダイヤフラムとして機能する。底面2の一対の対向する辺24には所定の幅の段差部5が形成されており、底面2は、段差部5を介して斜面4と約45°の交角で接している。
【0032】
より詳しくは、図2に示すように、主面1は面方位(110)の平面であり、凹部10を形成している各斜面は、斜面3が面方位(111)で主面に対する傾斜角約35°、斜面4が面方位(100)で傾斜角約45°の平面である。斜面3,4は、互いに浅い角度をもって放射状の隅部43で接するとともに、各々主面1に所定の長さの辺縁を形成して接している。それゆえ、垂直面41は、底面2から離れて形成されており、当該部分は上記基板中で十分な厚みを有する。凹部10の八角形の開口周縁11の図1(a)中斜めの四辺には、小さな三角形の垂直面41が各々形成されている。
【0033】
底面2の面方位は主面1と同じ(110)方位であり、底面2の形状は0.6mm角の正方形である。底面2の四辺のうち、辺23は軸方位<110>、辺24は軸方位<100>であり、辺24に接して20μm程度の幅の段差部5が形成されている。辺23では、底面2と斜面3とが接しており、隅部を形成している。一方、辺24では、底面2と段差部5の表面の一部の斜面とが接しており、段差部5は底面2と背向する側で斜面4と接している。
【0034】
各部の厚みは、図2(b)に示すように、センサ基板が300μm、薄肉部21が10〜15μm、段差部5が15〜20μmである。その他の寸法は、図2(a)および図2(b)の記載を参照されたい。
(実施例1の半導体力学量センサの作用効果)
前述の構成のセンサ基板を有する本実施例の半導体力学量センサでは、段差部5が発揮する応力集中を緩和する作用と、底面2の面方位、形状および各辺の軸方位により生じる亀裂の発生を防止する作用とがある。両作用の相乗効果により、圧力センサである本実施例の半導体力学量センサは、極めて高い破壊耐圧を有するに至っている。
【0035】
第1に、段差部5は、図3に示すように、底面2と斜面4とが接合する部分で応力集中を緩和する作用がある。
すなわち、斜面4の底面2に対する傾斜角は約45°であり、仮に、底面2と斜面4とが段差部5を介さずに(図中破線のように)接合したとすると、傾斜角が接合部(隅部)Eで急変するので大きな応力集中が生じる。それゆえ、隅部Eから亀裂Cが入って、薄肉部21の破壊強度に達しない低い圧力でも、薄肉部21は周縁部から破裂し、低い破壊耐圧しか持ち得ない。
【0036】
そこで、本実施例のように段差部5が形成されていれば、仮想的な隅部Eは段差部5の肉厚に埋没しているので、強い応力集中が発生しない。その結果、段差部5が形成されている底面2の周縁部の二辺24からの亀裂の発生は防止され、より高い圧力に耐えることができる。
第2に、段差部5が、傾斜角約35°の斜面3と接する二辺23にではなく、傾斜角45°の斜面4と接する二辺24に形成されていることも、破壊耐圧の向上に寄与している。
【0037】
すなわち、底面2と斜面3とが接合している辺23では、傾斜角は急激に変化しているものの、その絶対値は35°程度であり、45°には及ばない。わずか10°程度の違いではあるが、応力集中の程度に与える影響は少なくないので、傾斜角の高い斜面4との接合部分に段差部5が形成されて、応力集中を緩和している効果は、顕著に破壊耐圧の向上に反映される。
【0038】
このことは、逆に傾斜角約35°の斜面3との隅部の辺23にだけ段差部5が形成されていた場合を仮想すると、理解が容易である。この場合には、段差部5がない場合と変わりなく、傾斜角が45°と深い斜面4と接合する辺24で先に亀裂が入るから、破壊耐圧の向上には寄与しない。
第3に、図4に示すように、底面2の面方位(110)および四辺23,24の軸方位<110>,<100>も、破壊耐圧の向上に寄与している。
【0039】
すなわち、底面2に生じる亀裂が走り易い方位は、軸方位<111>であり、亀裂の入る線を仮想的に底面2上に描くと、亀裂線(仮称)B1,B2の二通りの場合がある。
亀裂線B1のように、亀裂線の両端が辺24で段差部5に接している場合には、亀裂線の両端部が段差部の応力集中緩和作用で亀裂が入りにくくなっているので、容易に亀裂が発生することがない。それゆえ、薄肉部2の破壊耐圧は向上する。
【0040】
また、亀裂線B2のように、亀裂線の一端は辺24で段差部5に接しており、他端は辺23に接している場合もある。この場合にも、上記一端では段差部5の応力集中緩和作用で亀裂が入りにくい。一方、上記他端では、斜面3に接する辺23に段差部は形成されていないが、辺23に対する亀裂線B2の入射角が約35°と浅い。それゆえ、亀裂線B2に沿う斜面3の傾斜角は、35.3°×sin(35.3°)=20.4°と、約20°にしかならないので、亀裂線B2に沿う辺23付近での応力集中による亀裂の発生は、抑制されている。
【0041】
したがって、本実施例の半導体圧力センサでは、センサ基板の底面2の周辺からの亀裂が発生しにくいので、薄肉部21の破壊耐圧が向上するという効果がある。
(実施例1の半導体力学量センサの製造方法)
前述の本実施例の半導体力学量センサに使用するセンサ基板は、以下のマスキング工程、第1エッチング工程および第2エッチング工程を順に実施する製造方法により、製造することができる。
【0042】
(マスキング工程)
上記基板の出発材料は、シリコン半導体の単結晶からなる厚さ300μmのウエハであり、該ウエハの主面1および裏面6は、面方位(110)の平面である。
該ウエハは、図5に示すように、主面1側のP型半導体層Pと裏面側のN型半導体層Nとから構成されている。N型半導体層Nは厚さ10μm程度のエピタキシャル層であり、PN接合面PNを挟んで空乏層Dが主面1に沿って該ウエハ内部に形成されている。
【0043】
マスキング工程では、窒化シリコン膜(SiN)からなるマスクを主面1上に形成する。該マスクは、縦(<100>方位)1.42mm×横(<110>方位)0.74mmの矩形の開口部を複数個有する。該開口部は縦横に配列されており、一つのウエハから開口部の数だけ凹部10が形成されるようになっている。
【0044】
なお、該ウエハの裏面6には金属膜(図示せず)が形成されており、裏面6に均一に電圧を印加できるようになっている。
(第1エッチング工程)
第1エッチング工程では、前述のようにマスクが主面1に形成された基板を、エッチング容器(図示せず)に満たした異方性エッチング液(図示せず)に浸して異方性ウェット・エッチング処理を行い、前述のマスク開口部から凹部を形成する
上記容器は、上記エッチング液、純水および窒素ガスを注入・排出できるようになっており、精密なエッチング液の温度管理と攪拌を行うことができる。上記エッチング液としては、アルカリ異方性エッチング液であるKOH水溶液(33wt%)を使用し、本工程中、液温は110°Cに保たれる。
【0045】
本工程では、図5に示すように、直流電源9により所定電圧(10V)を印加しながら、異方性エッチング処理が行われる。上記電圧は、エッチング液中に浸した白金電極8とウエハ裏面6の上記金属膜(図示せず)との間に、印加される。
印加電圧の向きは、N型半導体層N側に正、P型半導体層P側に負であって、PN接合面PNには逆バイアス電界がかかっている。その結果、空乏層Dは厚みを増し、空乏層Dの境界部(境界面)Fは、電圧無印加時よりも主面1側へ迫り出してきている。
【0046】
したがって、本工程では、該ウエハを空乏層Dとの境界部Fまで異方性エッチングして、全周囲が斜面に囲まれており主面1および裏面6と平行な底面2’をもつ凹部を形成する。境界部Fまで異方性エッチングが進むと、底面に平行なエッチング面2’はエッチング速度が極端に落ち、ストップ・エッチング状態になる。この状態に至るまで(すなわち第1エッチング工程)の処理時間は、35分間程度である。
【0047】
この段階で、底面2に平行なエッチング面2’と斜面4に平行なエッチング面4’とが形成されており、エッチング面2’の四方の辺には、周囲の斜面(4’等)が接合する隅部Eが形成されている。なお、この段階での凹部の底面にあたるエッチング面2’は、上記マスク開口部の四辺に平行に、略<100>方位および略<110>方位の四辺で囲まれた矩形形状に形成されている。
【0048】
(第2エッチング工程)
第2エッチング工程では、前述の第1エッチング工程に連続して、同じ条件でエッチング処理が続けられる。
すなわち、本工程では、上記ウエハをさらに所定時間(3分間程度)、異方性エッチングする。すると、図5に示すように、面方位(110)の底面2に向かうエッチング速度S2は極めて遅く、エッチング面はあまり進まずに底面2が形成される。
【0049】
一方、面方位(100)の斜面4に向かうエッチング速度S4はあまり低下しないので、エッチング面は比較的深くまで進行して斜面4が形成される。ただし、エッチング面が空乏層Dにかかると途端にエッチング速度が低下するので、凹部10の空間に対してゆるやかな凸の曲面を表面51に有する段差部5が、底面2と斜面4との接合部に形成される。こうして、凹部10の底面2を囲む辺縁部の一対の対向する辺24(軸方位<100>)に隣接して、所定の幅(20μm程度)の段差部5が形成される。
【0050】
なお、面方位(111)の斜面3に向かうエッチング速度は、面方位(110)の底面2に向かうエッチング速度S2と同様に極めて遅い。それゆえ、底面2と斜面3との間には段差部はほとんど形成されず、底面2と斜面3とは辺23で直接接合する(図1参照)。
(その後の工程)
以上の処理を経て所定形状の凹部10が形成されたウエハは、純水で洗浄されたのち、マスクの除去処理、台座との接合、およびダイシングなどが施される。これらの公知の工程を経て、前述の半導体力学量センサ(圧力センサ)が完成する。
【0051】
(実施例1の製造方法の作用効果)
以上詳述したように、本実施例の半導体力学量センサの製造方法によれば、ストップ・エッチングを利用した異方性エッチングを施すことにより、破壊耐圧が飛躍的に向上している半導体圧力センサを容易に製造することが可能になる。
また、本実施例の製造方法の応用で、加速度センサや角速度センサ等の(ダイヤフラムの代わりに)カンチレバー状の薄肉部を有する半導体力学量センサを製造することができる。その際、段差部は、上記カンチレバーの根元部分に形成されていることが望ましい。
【0052】
(実施例1の製造方法の変形態様1)
変形態様1の製造方法においては、第1エッチング工程までは、前述の実施例1と同様であり、図6に示すように、エッチング面2’,4’が形成される。この際の印加電圧(第1電圧)V1も、実施例1の第1エッチング工程での印加電圧と同じである。
【0053】
第2エッチング工程で印加される第2電圧は、同工程の始めのうちは第1電圧と同じであり、空乏層Dの境界面Fの位置でのストップ・エッチングにより、エッチング面21,41’が形成される。この時点で第2電圧はより高い電圧V21に切り替わり、空乏層Dの境界面はF1の位置に上昇(主面1へ向かって移動)して、新たな段差部5”を伴うエッチング面22,42が形成される。同様に、この時点で第2電圧はさらに高い電圧V22に切り替わり、空乏層Dの境界面はF2の位置に上昇して、新たな段差部52を伴うエッチング面2,4が形成される。
【0054】
こうして、第2エッチング工程で多段階に印加電圧を増加させることにより、多段の段差部5’,5”,52が形成される。段差部が多段階に形成されることにより、当該部分での応力集中はよりいっそう緩和されるので、基板の破壊耐圧はよりいっそう向上する。
したがって、本変形態様の製造方法によれば、よりいっそう破壊耐圧が向上している半導体力学量センサを製造することが可能になるという効果がある。
【0055】
なお、第2エッチング工程で、印加電圧を第1電圧V1からより高い第2電圧V2に一度変更するだけでも、破壊耐圧の向上効果は得られる。
(実施例1の製造方法の変形態様2)
変形態様2の製造方法も、第1エッチング工程までは実施例1と同様であり、第2エッチング工程のみが異なる。
【0056】
すなわち、第2エッチング工程で印加される第2電圧V2は、第1電圧V1を初期値V2iとして徐々に連続的に増加するように制御される。第2エッチング工程の全ての時間にわたって、第2電圧は連続的に上昇し、最終的には相当程度高い終端値V2fにまで達して本工程を終了する。第2電圧の増加に伴い、図7に示すように、空乏層Dの境界面Fも連続的にF’の位置にまで上昇する。
【0057】
それゆえ、ストップ・エッチングにより形成される段差部51’も、ほとんど無段階に連続して形成される。したがって、本変形態様の製造方法によれば、さらに高い破壊耐圧を有する基板、ひいては半導体力学量センサの製造が可能になるという効果がある。
(実施例1の製造方法の変形態様3)
変形態様3は、第1エッチング工程では電圧印加せずに異方性エッチングを基板に施し、第2エッチング工程で印加電圧(第2電圧)V2を与えて段差部5の形成を行う製造方法である。本変形態様は、前述の変形態様1および変形態様2において、第1電圧V1をゼロとした特殊な場合として実施することができるので、変形態様1,2と同様のエッチング装置で実施することが可能である。
【0058】
本変形態様の製造方法によっても、前述の変形態様1,2と同様の効果を上げることができる。
(実施例1の製造方法のその他の変形態様)
本実施例の本質に係わらない多数の変形態様があり得る。
まず、異方性エッチング液として、アルカリ異方性エッチング液である水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH:(CHNOH)やエチレンジアミンなど、他の異方性エッチングを使用してもよい。
【0059】
次に、半導体としてはシリコンのみに限定されるものではなく、異方性エッチングが可能であれば他の半導体を使用してもよい。
また、P型半導体層PとN型半導体層Nとが、実施例1と逆転している基板の構成でもよい。この場合、PN逆転に伴い、印加電圧も逆にする。
なお、段差部5が形成されるメカニズムとして、底面2に向かうエッチング面2’に陽極酸化皮膜が形成されて、エッチング速度が落ちるせいであるとする考察もあることを付記しておく。
【0060】
〔実施例2〕
(実施例2の半導体力学量センサの構成)
本発明の実施例2としての半導体力学量センサは、図8に示すように、段差部50が底面2”と斜面4”との境界に形成されているセンサ基板を有する。
本実施例の基板は、前述の実施例1の基板と結晶方位は同一であり、形状寸法もほぼ同一である。本実施例が実施例1と最も異なる点は、段差部50を含む底面2”周縁部など、およそ凹部10”(実施例1の凹部10より各面が1〜2μm拡大)を形成している複数の面が接する隅部は、すべて曲面から形成されていることである。
すなわち、正方形の底面2”の四方の辺23”(図示せず),24”は曲面で形成されている。段差部50の付近においても、図8に示すように、二つの面が角度をもって接している隅部e1,e2は、曲率半径Rが1〜2μmの凹曲面で形成されている。凹部10”内の他の全ての隅部でも、同程度の曲率で凹曲面が形成されている。
【0061】
(実施例2の半導体力学量センサの作用効果)
本実施例の基板の構成では、底面2”の四辺23”,24”を含めて、凹部10”に角張った凹部(隅部)が無く、いずれの隅部でも応力集中がいっそう緩和されている。
したがって、本実施例ではセンサ基板の薄肉部21”の四方から亀裂の入る破壊耐圧がいっそう高くなり、ほとんど薄肉部21”本体の破裂強度に近づくまでになっている。それゆえ、本実施例の半導体力学量センサによれば、実施例1に優って飛躍的に破壊耐圧を向上させることができるという効果がある。
【0062】
(実施例2の半導体力学量センサの製造方法)
本実施例の基板(図8参照)は、実施例1で製造した基板を出発材料とする。
すなわち、前述の実施例1で第2エッチング工程が終了した後、本実施例では、さらに第3エッチング工程で、基板を等方性エッチング液に約20秒だけ浸して1〜2μm程度エッチングする。その際、エッチング液はHNO(70%):HF(49%):CHCOOH(99.5%)の各水溶液を、45:2:3の割合で混合したものが使用され、エッチング液の温度は22°である。
【0063】
前述の第3エッチング工程により、基板の凹部10は1〜2μm程度等方性エッチングされ、全ての隅部に曲率R=1〜2μmの凹曲面が形成される。その結果、前述の飛躍的に高い破壊耐圧を持つ基板が製造される。
したがって、本実施例の製造方法によれば、前述のように飛躍的に高い破壊耐圧を持つ半導体力学量センサを製造することが可能になるという効果がある。
【0064】
〔実施例1および実施例2の評価〕
前述の実施例1および実施例2のセンサ基板の破壊耐圧を評価する目的で、静水圧による破壊試験を行った。
その際、比較対象として従来技術(特開平4−119672号)によるセンサ基板をも複数個製造し、同試験に供した。従来技術のセンサ基板は、図9に示すように、八角形の薄肉部20をもつ。同図そのまま(等方性エッチングなし)の基板を「従来1」、これに本発明の実施例2の第3エッチング工程と同様の等方性エッチング処理を施した基板を「従来2」と名付けて試験データをとった。
【0065】
その結果、図10に示すように、本発明の実施例1および実施例2には、破壊耐圧の向上において顕著な効果が認められた。同図中で、一点は一試験データに対応しており、従来1,2の試料数は各10点、実施例1の試料数は20点、実施例2の試料数は23点である。
すなわち、従来1の試料の破壊耐圧は15〜20〔kgf/cm〕程度しかなく、等方性エッチングされた従来2の試料の破壊耐圧でも40〜45〔kgf/cm〕程度である。しかし、実施例1の試料の破壊耐圧は、50〜80〔kgf/cm〕程度に向上しており、実施例2の試料の破壊耐圧に至っては、140〜195〔kgf/cm〕程度にまで飛躍的に向上している。
【0066】
以上の試験結果から、本発明の半導体力学量センサおよびその製造方法による効果は明らかであり、従来にない極めて高い破壊耐圧(破壊負荷)をもつ半導体力学量センサを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のセンサ基板の形状を示す組図
(a)主面から見た平面図
(b)横端面図
(c)縦端面図
(d)斜端面図
【図2】実施例1のセンサ基板の寸法および結晶方位を示す組図
(a)主面から見た平面図
(b)横端面図
【図3】実施例1の基板の段差部の応力集中緩和作用を示す部分端面図
【図4】実施例1の基板の底面での亀裂発生防止作用を示す部分平面図
【図5】実施例1のセンサ基板の製造方法を示す部分端面模式図
【図6】変形態様1のセンサ基板の製造方法を示す部分端面模式図
【図7】変形態様2のセンサ基板の製造方法を示す部分端面模式図
【図8】実施例2のセンサ基板の製造方法を示す部分端面模式図
【図9】従来技術のセンサ基板の寸法形状および結晶方位を示す組図
(a)主面から見た平面図
(b)横端面図
(c)縦端面図
(d)斜端面図
【図10】実施例1,2のセンサ基板の破壊耐圧の向上を示すグラフ
【符号の説明】
1:主面 10:凹部10 11:開口周縁
2:矩形の底面 21:薄肉部(ダイヤフラム)
23:辺(略<110>方位、隅部でもある)
24:辺(略<110>方位、隅部でもある)
3:斜面(面方位は略(111)、主面との交角約35°)
4:斜面(面方位は略(100)、主面との交角約45°)
41:垂直面 43:隅部
5,5’,5”,52:段差部 51:段差部表面
6:裏面 8:白金電極 9:直流電源
B1,B2:亀裂進行方位<111> E:隅部(交角) C:亀裂
D:空乏層 F:空乏層の境界部(境界面) R:曲率半径
P:P型半導体層 N:N型半導体層 PN:PN接合面
S2,S4:エッチング速度 V1,V2:第1電圧および第2電圧
2’,4’:第1エッチング工程終了時の底面および斜面
(変形態様1)
21,22,41’,42:第2エッチング工程途中の底面および斜面
V21,V22:第2電圧 F1,F2:空乏層の境界部(第2電圧対応)
(変形態様2)
51’:段差部曲面 F’:第2エッチング工程終了時の空乏層の境界部
V2i,V2f:第2電圧の初期値および終端値
(実施例2)
2”,4”,51”:第3エッチング工程終了時の底面、斜面、段差部表面
10’:凹部 21”:薄肉部 24”:辺 50:段差部
S:等方性エッチング速度 R:曲率半径 e1,e2:隅部

Claims (7)

  1. 主面と該主面に略平行な多角形状の底面とを持つ半導体単結晶である基板を有し、該底面は複数の斜面により全周囲を囲まれていて、該底面および全該斜面により該主面に開口する凹部が形成されている半導体力学量センサにおいて、
    前記主面の面方位は(110)であり、前記底面は各辺の方位が<100>方位または<110>方位である矩形形状をしており、かつ、
    前記底面を囲む周縁部の少なくとも一対の対向する辺に、所定の幅の段差部が形成されていることを特徴とする半導体力学量センサ。
  2. 前記段差部は、前記<100>方位の対向する一対の辺に形成されている請求項1記載の半導体力学量センサ。
  3. 前記底面を囲む前記斜面は、
    該底面の<100>方位の対向する一対の辺にそれぞれ接している面方位(100)の斜面と、
    該底面の<110>方位の対向する他の一対の辺にそれぞれ接している面方位(111)の斜面とであり、
    両該斜面は、所定の長さで互いに角度をもって接している請求項1記載の半導体力学量センサ。
  4. 前記段差部を含む前記底面の前記周縁部において、複数の面が接する隅部は曲面から形成されている請求項1記載の半導体力学量センサ。
  5. 面方位が(110)である主面を持ち該主面に沿って内部に空乏層を有する半導体単結晶からなる基板の該主面に、<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形の開口部を有するマスクを形成するマスキング工程と、
    該基板を該空乏層との境界部まで異方性エッチングして、全周囲が斜面に囲まれており該主面と略平行であって<100>方位および<110>方位の四辺で囲まれた矩形形状の底面をもつ凹部を形成する第1エッチング工程と、
    該基板をさらに所定時間の異方性エッチングして、該凹部の該底面を囲む辺縁部の少なくとも一対の対向する辺に、所定の幅の段差部を形成する第2エッチング工程とを有することを特徴とする半導体力学量センサの製造方法。
  6. 前記第2エッチング工程は、前記<100>方位の対向する一対の辺に前記段差部を形成する工程である請求項記載の半導体力学量センサの製造方法。
  7. 前記第2エッチング工程が終了した後、
    前記基板を等方性エッチング液に所定時間浸して、前記底面の前記辺縁部の複数の面が接する隅部を曲面で形成する第3エッチング工程を有する請求項記載の半導体力学量センサの製造方法。
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