JP3550913B2 - ポリイミドシロキサンおよびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、テトラカルボン酸又はその二無水物などを主成分とするテトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサン及び芳香族ジアミンからなるジアミン成分とから得られる可溶性で弾性率が小さく、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、および低誘電性などを有する特殊なポリイミドシロキサンに係わるものである。これらの特徴を利用して、電子デバイス用材料、電気絶縁材料被覆剤、塗料、成形品、積層品あるいは、フィルム材料などとして有用な耐熱材料を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドシロキサンについては、数多くの文献、特許が報告されている。例えば、フレキシブル配線板、半導体集積回路などの層間絶縁膜や銅箔と基材間の接着剤組成などの用途に使用した例が種々知られている。
例えば、特開平4−23833号および特開平4−36321号公報に記載されている可溶性のポリイミドシロキサンは、フレキシブル配線板、半導体集積回路などの層間絶縁膜や、銅箔と基材間の接着剤組成などの用途に使用した例である。しかし、接着剤や絶縁膜として使用した場合、接着強度や密着力にムラが生じ再現性が悪いという問題点が生じていた。
【0003】
この原因を鋭意検討した結果、ポリイミドシロキサンの純度に問題があり、ポリイミドシロキサンの製造工程を経た後の使用段階の形状になった時点で接着強度や密着力に悪影響を及ぼす化合物が残存しており、被着体の表面を汚染して問題を起こしていたことがわかった。
この発明者らは、この知見に基づき更に研究を進めて、この発明に至ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、ポリイミドシロキサンの不純物に起因する、接着剤や絶縁膜として使用した場合の接着強度や密着力にムラが生じ再現性が悪いという問題点を有さないポリイミドシロキサン、およびその製法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、テトラカルボン酸成分と、下記一般式(A)で示されるジアミノシロキサン
【化3】
Figure 0003550913
(ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは1〜30の数を示す。)および芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを重合およびイミド化することにより得られるポリイミドシロキサンであって、Si抽出含量(ポリイミドシロキサン0.2gを2−プロパノ−ル溶媒15g中に入れて60℃で15時間抽出後、抽出液中のSiを誘導結合高周波プラズマ分光分析:ICP−AES法で定量)が15〜50ppmであることを特徴とするポリイミドシロキサンに関するものである。
【0006】
また、この発明は、テトラカルボン酸成分と、下記一般式(A)で示されるジアミノシロキサン
【化4】
Figure 0003550913
(ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは1〜30の数を示す。)および芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを重合およびイミド化した後、貧溶媒中で析出させ、アルコ−ル系溶媒で2時間以上攪拌洗浄することを特徴とするSi抽出含量(ポリイミドシロキサン0.2gを2−プロパノ−ル溶媒15g中に入れて60℃で15時間抽出後、抽出液中のSiを誘導結合高周波プラズマ分光分析:ICP−AES法で定量)が15〜50ppmであるポリイミドシロキサンの製法に関する。
【0007】
この発明におけるテトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1、1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、これらを2種以上混合しても問題ない。この中でも、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、あるいは3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を30モル%以上、特に60モル%以上、さらに90〜100モル%の割合で含むテトラカルボン酸成分が好適に使用される。
【0008】
この発明におけるジアミン成分としては、前記一般式(A)で示されるジアミノシロキサンを好ましくは5モル%以上、特に10モル%以上、さらに15〜100モル%と、ベンゼン環を2個以上、特に2〜5個有する芳香族ジアミン、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等の芳香族ジアミン、好ましくは1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等のベンゼン環を3〜4個有する芳香族ジアミンを0〜85モル%含有するジアミン成分を使用する。
前記一般式(A)で示されるジアミノシロキサンとしては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ω,ω’−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノブチル))ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(4−アミノフェニル))ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル))ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル))ポリジフェニルシロキサン
などが挙げられる。
【0009】
前記各成分は、例えばフェノ−ル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、グリコ−ル系溶媒、グライム系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機極性溶媒中で、100℃以下、好ましくは0〜60℃の温度で反応させてアミド−酸結合を有するポリマ−を生成させ、次いで、そのポリマ−(ポリイミド前駆体であるポリアミド酸)を、特にイミド化剤を共存させる場合には100〜250℃の温度に、熱イミド化の場合には140〜250℃の温度に加熱することによる反応で重合及びイミド化することが好ましい。
ポリマ−の生成は前記各成分をランダム重合させてもよく、あるいはブロック重合させてもよい。
また、ポリマ−末端を、酸無水物あるいはモノアミンで封止してもよい。
この発明のポリイミドシロキサンは、テトラヒドロフラン(THF)に可溶であり、対数粘度(0.5g/100ml、N−メチル−2−ピロリドン、30℃)が0.1〜1.5であることが好ましい。
また、この発明のポリイミドシロキサンは、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜250℃、熱分解温度(Td)が350℃以上であることが好ましい。
【0010】
この発明のポリイミドシロキサンは、上記の方法で合成されたポリイミドシロキサン溶液を、例えば純水中に投入するなどして析出後、洗浄させた後、得られたポリイミド粉末をアルコ−ル系溶媒、好適には1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコ−ル等の炭素数3〜4個のアルキルアルコ−ル溶媒と、100℃以下、特に30〜80℃の温度で、混合物を攪拌するなどの方法によって、ポリイミド粉末とアルコ−ル系溶媒とを少なくとも2時間以上接触させた後、洗浄後乾燥して、Si抽出含量が50ppm以下、好ましくは35ppm以下である粉末状のポリイミドシロキサンとして得ることができる。
Si抽出含量が50ppmより多いと、ポリイミドシロキサンの密着性が低下する。
【0011】
前記の炭素数3〜4個のアルキルアルコ−ルは単独で使用してもよく、あるいはそれらの混合溶液でもよく、さらにこれら炭素数3〜4のアルキルアルコ−ルと炭素数1〜2あるいは炭素数5〜7のアルキルアルコ−ル、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、1−ペンタノ−ル、2−ペンタノ−ル、3−ペンタノ−ル、2−メチル−1−ブタノ−ル、イソペンチルアルコ−ル、tert−ペンチルアルコ−ル、3−メチル−2−ブタノ−ル、ネオペンチルアルコ−ル、2−メチル−1−ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノ−ル、2−エチル−1−ブタノ−ル、アリルアルコ−ルとの混合溶媒〔炭素数3〜4個のアルキルアルコ−ル:A成分:他のアルキルアルコ−ル:B成分の混合割合は、好適には100:0〜20:80である。〕であってもよい。
溶媒として前記の炭素数3〜4個のアルキルアルコ−ルであるアルコ−ル系溶媒を全く使用しないで、他の溶媒を使用しても、目的とする再現性よく機能を発揮するポリイミドシロキサンを高い生産性で得ることができない。
【0012】
この発明のSi抽出含量が50ppm以下であるポリイミドシロキサンは、粉末状で使用してもよく、あるいはアミド系溶媒(ピロリドン系溶媒、ホルムアミド系溶媒、アセトアミド系溶媒など)や、グライム系溶媒(メチルジグライム、メチルトリグライムなど)などの有機極性溶媒に溶解して、比較的低粘度の溶液として使用することもできる。
また、この発明のポリイミドシロキサンは、好適には熱分解温度が400℃以上であり、ジアミノシロキサン成分がジアミン成分中20〜70モル%である場合には単独のフィルム(あるいは塗膜)として弾性率が5〜3000MPaである。
さらに、この発明のSi抽出含量が50ppm以下であるポリイミドシロキサンは、優れた機械的強度、電気絶縁性を有しているとともに、種々の基材との密着性が良好であるので、良好な加工性(例えばパンチング性)が達成され、種々の電気または電子部品(特に、フレキシブル配線板)の表面塗膜(保護膜)や層間絶縁膜および、銅箔とフィルム(厚さ10〜200μm)例えばポリイミドフィルム(ユ−ピレックス:宇部興産製、カプトン:デュポン社製)、ガラス板などの基材との接着剤成分、あるいは導電ペ−スト成分としても好適に使用することができる。
【0013】
この発明のSi抽出含量が50ppm以下であるポリイミドシロキサンのイミド化率(赤外線吸収スペクトル分析法:IR によるイミド結合の割合)は、約90%以上、特に95〜100%であって、IRチャ−トにおいてアミド酸結合の吸収ピ−クが実質的に見出されないものであることが好ましい。
【0014】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を示す。
以下の各例における各試験法は、以下の通りである。
【0015】
ポリイミドシロキサンのSi抽出含量測定:ポリイミドシロキサン0.2gを2−プロパノ−ル溶媒15g中に入れ、60℃で15時間抽出する。この抽出液を超純水で30倍に希釈して、誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP−AES法)で、定量した。Si含有量は2−プロパノ−ル抽出液中の値である。
【0016】
対数粘度:ポリイミドシロキサンの濃度が0.5g/100mlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解し、その溶液の溶液粘度と溶媒のみの粘度を30℃で測定し、下記の計算式で算出した。
対数粘度=ln(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液の濃度
【0017】
弾性率:フィルム形状にしたポリイミドシロキサン(長さ:150mm、幅:10mm、厚み:50μm)を島津製作所製オ−トグラフ〔IM−100〕にて、ASTM−D882に準拠して測定した。
【0018】
ポリイミドシロキサンのガラス転移温度(Tg):レオメトリックス社製粘弾性アナライザ−〔RSA2〕にて測定した動的粘弾性チャ−トのtanδ値より求めた。
【0019】
ポリイミドシロキサンの熱分解開始温度(Td)は、島津製作所製〔TGA50〕にて、昇温5℃/分、30ml/分の空気流入下の条件で測定したTGA曲線より求めた。
【0020】
密着力:ポリイミドシロキサン50g、2官能ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂(油化シェル株式会社製:エピコ−ト828)34g、フェノ−ル樹脂(明和化成株式会社製:H−3)16g、硬化触媒(四国化成株式会社製:2E4MZ)0.1gをジオキサン200gに溶解させ接着剤溶液を調整する。調整した接着剤溶液を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ−ト上に、乾燥後20μmの厚みになるように流延させた後、100℃で2分間乾燥させてBステ−ジ状態の接着剤シ−トを試作した。この接着剤シ−トを厚み125μmのポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製:ユ−ピレックス−125S)と120℃、5Kg/cm、1m/分の条件でラミネ−トさせ、Bステ−ジ状態の接着剤付きポリイミドフィルムを試作した。このフィルムをインテスコ社製の引張試験機を用いて、剥離速度50mm/分、測定温度25℃で、接着剤シ−トを把持し90°剥離試験を行って測定した。
【0021】
パンチング性:上記のBステ−ジ状態の接着剤付きポリイミドフィルムを打ち抜き金型で穴明け加工してパンチング性を評価した。
【0022】
実施例1
容量2リットルのガラス製のセパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1000gを入れ、その溶液中に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)73.56g(250ミリモル)と、ジアミノポリシロキサン(DAPS)(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社製、BY16−853U)88g(100ミリモル)と、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)61.58g(150ミリモル)を加え、60℃で2時間窒素雰囲気下で攪拌する。その後さらに温度を200℃に昇温させ水を除去させながら3時間重合反応を行う。最後に、その反応液を10リットル水中に添加して、ホモミキサ−を使用して、30分間で析出させポリマ−を濾過させ、ポリマ−粉末を単離した。このポリマ−粉末について5リットルの2−プロパノ−ル中でホモミキサ−を使用して80℃で1時間洗浄を2回行い、120℃で5時間熱風乾燥後、120℃で24時間真空乾燥してポリイミドシロキサン粉末210gを得た。このポリイミドシロキサンは、対数粘度(30℃)が0.32であり、イミド化率が実質的に100%であった。
このポリイミドシロキサンについての測定結果および評価結果をまとめて表1および表2に示す。
【0023】
比較例1
容量2リットルのガラス製のセパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1000gを入れ、その溶液中に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)73.56g(250ミリモル)と、ジアミノポリシロキサン(DAPS)(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社製、BY16−853U)88g(100ミリモル)と、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)61.58g(150ミリモル)を加え、60℃で2時間窒素雰囲気下で攪拌する。その後さらに温度を200℃に昇温させ水を除去させながら3時間重合反応を行う。最後に、その反応液を10リットル水中に添加して、ホモミキサ−を使用して、30分間で析出させポリマ−を濾過させ、ポリマ−粉末を単離した。このポリマ−粉末について5リットルの水中でホモミキサ−を使用して60℃で30分間の洗浄を2回行い、120℃で5時間熱風乾燥後、120℃で24時間真空乾燥してポリイミドシロキサン粉末220gを得た。このポリイミドシロキサンは、対数粘度(30℃)が0.25であり、イミド化率が実質的に100%であった。
このポリイミドシロキサンについての測定結果および評価結果をまとめて表1および表2に示す。
【0024】
実施例2〜3および比較例2〜3
テトラカルボン酸成分として表1に示す種類と量(モル比)のテトラカルボン酸二無水物を使用し、ジアミン成分として、表1に示す種類および量(モル比)のジアミン化合物を使用した他は、実施例1(実施例2〜3)あるいは比較例1(比較例2〜3)と同様にして、ポリイミドシロキサン(いずれもイミド化率:95%以上)をそれぞれ製造した。
このポリイミドシロキサンについての測定結果および評価結果をまとめて表1および表2に示す。
【0025】
比較例4
実施例1で重合した反応液を10リットルの水中に添加して、ホモミキサ−を使用して30分間で析出させポリマ−をろ過させ、ポリマ−粉末を単離し、そのポリマ−粉末について「5リットルの2−プロパノ−ル中でホモミキサ−を使用して20℃で5時間洗浄」を2回行ない、120℃×24時間真空乾燥してポリイミドシロキサン粉末210gを得た。このポリイミドシロキサンは、対数粘土(30℃)が0.30、イミド化率が100%であった。
このポリイミドシロキサンについての測定結果および評価結果をまとめて表1および表2に示す。
【0026】
比較例5
実施例1で重合した反応液を10リットルのイソプロパノ−ル中に添加して、ホモミキサ−を使用し析出を行った。この析出ポリマ−は、粘着性があり、析出ろ過の工程が非常に困難であり、イソプロパノ−ル中への析出実験を中止した。
【0027】
【表1】
Figure 0003550913
【0028】
【表2】
Figure 0003550913
【0029】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載のような効果を奏する。
【0030】
この発明のポリイミドシロキサンは、ジアミノポリシロキサンに基づく構成単位を有しているポリマ−であるので、耐熱性、電気的特性および機械的特性を保持しているとともに、柔軟性があり、有機極性溶媒への溶解性が優れており、しかも密着性が良好である。
【0031】
また、この発明のポリイミドシロキサンは、そのBステ−ジ状態の密着性が高いことから、密着作業性が良好になるなど、電気・電子関係の分野に好適に使用でき、接着強度や密着性の再現性がよく、品質管理やコストの面で好ましい。
【0032】
また、この発明によれば、簡単な操作で高品質なポリイミドシロキサンを得ることができる。

Claims (3)

  1. テトラカルボン酸成分と、下記一般式(A)で示されるジアミノシロキサン
    Figure 0003550913
    (ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは1〜30の数を示す。)および芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを重合およびイミド化することにより得られるポリイミドシロキサンであって、Si抽出含量(ポリイミドシロキサン0.2gを2−プロパノ−ル溶媒15g中に入れて60℃で15時間抽出後、抽出液中のSiを誘導結合高周波プラズマ分光分析:ICP−AES法で定量)が15〜50ppmであることを特徴とするポリイミドシロキサン。
  2. 基材の塗膜用、または同種あるいは異種基材の層間用の絶縁材料の1成分である請求項1記載のポリイミドシロキサン。
  3. テトラカルボン酸成分と、下記一般式(A)で示されるジアミノシロキサン
    Figure 0003550913
    (ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは1〜30の数を示す。)および芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを重合およびイミド化した後、貧溶媒中で析出させ、アルコ−ル系溶媒で2時間以上攪拌洗浄することを特徴とするSi抽出含量(ポリイミドシロキサン0.2gを2−プロパノ−ル溶媒15g中に入れて60℃で15時間抽出後、抽出液中のSiを誘導結合高周波プラズマ分光分析:ICP−AES法で定量)が15〜50ppmであるポリイミドシロキサンの製法。
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