JP3550728B2 - 車両の総合制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の総合制御装置に関し、詳しくはスリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信を行って両装置又は一方の装置の制御を行うものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両においては、スリップ制御装置として、アンチスキッドブレーキ装置やトラクション制御装置等が装備されることがある。アンチスキッドブレーキ装置は、車両のブレーキ油圧を制御して各車輪の制動力を調整することにより、制動時における車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止するようにしたものである。一方、トラクション制御装置は、車両の発進時や加速時に駆動輪が過大な駆動力によりスリップして駆動ロスが生じ、加速度が低下することを防止するために、駆動輪のスリップ量を検出し、該スリップ量が路面の摩擦係数に対応する目標スリップ量となるように、駆動輪に付与するブレーキ油圧やエンジン出力を制御して駆動力を調整するものである。尚、アンチスキッドブレーキ装置やトラクション制御装置においては、車輪のスキッド状態ないしはスリップ量を求めるために、センサにより車輪速を検出するとともに、該車輪速の単位時間当りの変化量である車輪速加減速度を算出するのが一般的である。
【0003】
また、車両においては、衝突時での乗員の安全を確保するためにエアバッグ装置が装備されることがある。エアバッグ装置は、通常、エアバッグやガス発生器等を有し、車両の衝突時にガス発生器が作動してエアバッグを車室内に向けて膨脹展開させ、これにより、衝突時に前方に移動しようとする乗員の頭部及び胸部を拘束して保護するものである。
【0004】
ところで、従来のスリップ制御装置等の車両搭載装置の制御部(コントロールユニット)では、制御の信頼性を高めるために、同一の機能を有する二つのCPUを設け、該両CPUに同一の制御情報を与えて同一の制御演算を行わせ、相互通信により両CPUの演算結果を相互に比較し、両者が食い違っているときには、少なくとも一方のCPUがフェイルしているので、かかるフェイルを運転者に知らせるようにしている(例えば、特開昭59−130768号公報参照)。尚、この場合、一方のCPUが正常なときでも、いずれのCPUがフェールしているのかは判定できないので、結局装置はその機能を失うことになる。
【0005】
また、同一の制御情報を二つの検出手段で別々に検出し、両制御情報を基に制御を行うこともある。例えば上述のエアバッグ装置では、通常、車両の前後加減速度を検出する加減速度センサと、車両の減速度が所定値を越えると切換え動作をする減速度スイッチとを備え、上記加減速度センサで検出された車両の前後減速度が所定値を越えかつ上記減速度スイッチが切換え動作をしたときにのみ車両の衝突時と判断し、エアバッグを展開させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように同一の機能を有するCPUを二つを設けたり、同一の制御情報を検出する検出手段を二つ設けたりすることは、CPUや検出手段のためのコストが倍加するとともに、CPU周辺の回路が複雑化・大規模化し、制御部ひいては装置のコストが非常に高くつくという問題がある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特に、スリップ制御装置の制御部は車輪加減速度を算出していること、またエアバッグ装置の制御部(CPU)に余分な容量が残っていることに着目し、この両装置の制御部間で制御のための相互通信を行うことにより、制御の信頼性を確保しつつ、制御系を簡素にしてコストの低廉化を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられており、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられている構成とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有している構成とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられている一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有している構成とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有している構成とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられているとともに、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有している構成とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられている構成とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1、3又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するセンサ故障判断部を有する構成とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項4又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の副演算部と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部を有しているとともに、その演算指令部は、所定の数値をスリップ制御装置の副演算部と共に上記主演算部に出力するようになっており、制御故障判断部は、上記副演算部から入力された演算結果と上記主演算部から入力された演算結果とを比較し、両演算結果が異なるときにスリップ制御装置の制御部が故障していると判断するようになっている構成とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項4又は5記載の発明に従属し、上記エアバッグ装置の制御故障判断部は、上記演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを備えていて、副演算部から入力された演算結果を該マップと比較することでスリップ制御装置の制御部の故障を判断するようになっている構成とする。
【0017】
【作用】
上記の構成により、請求項1記載の発明では、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部でスリップ制御のために求めた車輪加減速度が該制御部からエアバッグ装置の制御部に入力され、該エアバッグ装置の制御部において、該車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時か否かを判断し、車両衝突時と判断するとエアバッグを展開させる。この場合、従来の如き減速度スイッチを必要とすることなく、車両衝突時の判断のための制御情報である車両の加減速度が二系統から得られるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。さらに、加減速度センサ及び減速度スイッチの各信号にはノイズが含まれ、誤作動する恐れがあり、加減速度センサに対しては、ノイズ対策のためにフィルター処理(なまし)をしており、このため、センサ信号が遅れを生じることになる。この遅れを解消し高速で計算を行うために、従来は8ビッドマイコンを用いていたが、この発明では、ノイズが少なく正確な車輪加減速度を用いているので、加減速度センサに対しては、相対的に簡略なフィルター処理をすれば足りる。この結果、4ビッドマイコンを用いることができ、コストダウンにもなる。
【0018】
また、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるようにしているため、車輪減速度が所定値を越えないときには加減速度センサにより検出した車体の前後減速度はエアバッグの作動制御には利用されないことになる。このため、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の簡素化がより図られる。
【0019】
請求項2記載の発明では、スリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信が行われ、エアバッグ装置制御部の制御故障判断部において、スリップ制御装置の制御部の故障が判断される。この場合、上記制御故障判断部は、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、スリップ制御装置制御部の故障判定ないし監視を行うことができるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。
【0020】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明と同じく、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断し、また請求項2記載の発明と同じく、スリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信を行い、エアバッグ装置制御部の制御故障判断部において、スリップ制御装置の制御部の故障を判断しているので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に高い次元で図られることになる。
【0021】
請求項4記載の発明では、エアバッグ装置の制御部の演算指令部からスリップ制御装置の制御部の副演算部に対し所定の数値が与えられ、該演算部でスリップ制御とは無関係な所定の演算式に上記所定の数値を代入して演算を行う。しかる後、この演算結果が副演算部からエアバッグ装置制御部の制御故障判断部に入力され、該制御故障判断部で演算結果に基づいてスリップ制御装置の制御部の故障が判断される。この場合、上記演算指令部及び制御故障判断部は、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、スリップ制御装置制御部の故障判定ないし監視を行うことができるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。
【0022】
ここで、上記制御故障判断部による故障判断の方法として、具体的には、請求項8記載の発明の如く、エアバッグ装置の制御部の主演算部で上記副演算部と同一の演算式に所定の数値を代入して演算を行い、その演算結果と副演算部から入力された演算結果とを比較する方法と、請求項9記載の発明の如く、予め演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを用意し、副演算部から入力された演算結果を該マップと比較する方法とがある。後者の方法では、主演算部を必要とせず、制御系の簡素化がより図られる。
【0023】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の発明と同じく、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断し、また請求項4記載の発明と同じく、上記制御部の演算指令部からスリップ制御装置の制御部の副演算部に対し所定の数値を与えて所定の演算式で演算を行わせ、制御部の制御故障判断部でその演算結果に基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断しているので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に高い次元で図られることになる。
【0024】
請求項6記載の発明では、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるようにしているため、車輪減速度が所定値を越えないときには加減速度センサにより検出した車体の前後減速度はエアバッグの作動制御には利用されないことになる。このため、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の簡素化がより図られる。
【0025】
請求項7記載の発明では、エアバッグ装置の制御部のセンサ故障判断部において、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するため、加減速度センサの故障時に起因するエアバッグの誤作動を防止することができ、制御の信頼性の向上がより図られる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係わる総合制御装置をアンチスキッドブレーキ装置(ABS)とエアバッグ装置とを装備した車両に適用した実施例を示す。この実施例の総合制御装置を説明するに先立って、アンチスキッドブレーキ装置のハード構成について、図2を用いて説明する。
【0028】
図2において、この車両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速機6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左右の駆動軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達されるようになっている。
【0029】
上記各車輪1〜4には、これらの車輪1〜4と一体的に回転するディスク11a〜14aと、制動圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14aの回転を制動するキャリパ11b〜14bとを有してなるブレーキ装置11〜14がそれぞれ設けられているとともに、これらのブレーキ装置11〜14を作動制御するブレーキ制御装置15が車両に装備されている。
【0030】
上記ブレーキ制御装置15は、運転者によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置17と、該倍力装置17によって増大された踏込力に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを備えている。該マスターシリンダ18の圧力室18aから導かれた前輪用制動圧供給ライン19は、左前輪用制動圧供給ライン19aと右前輪用制動圧供給ライン19bとに分岐され、左前輪用制動圧供給ライン19aは左前輪1におけるブレーキ装置11のキャリパ11bに、右前輪用制動圧供給ライン19bは右前輪2におけるブレーキ装置12のキャリパ12bにそれぞれ接続されている。上記左前輪用制動圧供給ライン19aには、電磁式の開閉弁20aと電磁式のリリーフ弁20bとからなる第1のバルブユニット20が設けられ、右前輪用制動圧供給ライン19bにも、上記第1のバルブユニット20と同様に、電磁式の開閉弁21aと電磁式のリリーフ弁21bとからなる第2のバルブユニット21が設けられている。
【0031】
また、上記マスターシリンダ18の圧力室18aから導かれた後輪用制動圧供給ライン22には、上記第1及び第2のバルブユニット20,21と同様に、電磁式の開閉弁23aと電磁式のリリーフ弁23bとからなる第3のバルブユニット23が設けられている。そして、この後輪用制動圧供給ライン22は、上記第3のバルブユニット23の下流側で左後輪用制動圧供給ライン22aと右後輪用制動圧供給ライン22bとに分岐され、左後輪用制動圧供給ライン22aは左後輪3におけるブレーキ装置13のキャリパ13bに、右後輪用制動圧供給ライン22bは右後輪4におけるブレーキ装置14のキャリパ14bにそれぞれ接続されている。すなわち、本実施例におけるブレーキ制御装置15は、上記第1のバルブユニット20の作動によって左前輪1におけるブレーキ装置11の制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2のバルブユニット21の作動によって右前輪2におけるブレーキ装置12の制動圧を可変制御する第2チャンネルと、第3のバルブユニット23の作動によって左右の後輪3,4における両ブレーキ装置13,14の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立して制御されるようになっている。
【0032】
さらに、30はブレーキペダル16のON・OFFを検出するブレーキスイッチ、32,33,34及び35は各車輪1〜4の回転速度つまり車輪速をそれぞれ検出する四つの車輪速センサであり、これらセンサ・スイッチ類の検出信号は、いずれも上記第1〜第3チャンネルを制御するABS用制御ユニット41に入力される。
【0033】
上記ABS用制御ユニット41は、図1に示すように、センサ・スイッチ類からの信号が入力インタフェース42を通して入力される制御部43を備えている。該制御部43は16ビッドのCPUからなり、このCPU43に付随してメモリ44が設けられている。上記制御部43は制動圧制御用演算部45を有し、該演算部45は、各車輪速センサ32〜35からの車輪速信号に応じた制動圧制御信号を、出力インタフェース46を通して第1〜第3のバルブユニット20,21,23にそれぞれ出力することにより、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対する制動制御、すなわちABS制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うようになっている。すなわち、上記演算部45では、先ず、各車輪速センサ32〜35からの車輪速信号が示す車輪速を読み込むとともに、各車輪毎に車輪速の微分値である車輪加減速度を求める。次に、上記車輪速及び車輪加減速度を基に各車輪毎のスキッド状態を判断し、このスキッド状態に対応して第1〜第3バルブユニット20,21,23における開閉弁20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,23bとをそれぞれデューティ制御によって開閉し、制動圧を制御するようになっている。
【0034】
尚、第1〜第3のバルブユニット20,21,23における各リリーフ弁20b,21b,23bから排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンラインを介してマスターシリンダ18のリザーバタンク18bに戻される。また、ABS非制御状態においては、ABS用制御ユニット41(制動圧制御用演算部45)からは制動圧制御信号が出力されず、したがって図示のように第1〜第3のバルブユニット20,21,23におけるリリーフ弁20b,21b,23bがそれぞれ閉保持されるとともに、各バルブユニット20,21,23の開閉弁20a,21a,23aがそれぞれ開保持される。これにより、ブレーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリンダ18で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19及び後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2及び後輪3,4におけるブレーキ装置11〜14に対して供給され、これらの制動圧に応じた制動力が前輪1,2及び後輪3,4にダイレクトに付与される。
【0035】
一方、アンチスキッドブレーキ装置と共に車両に装備されるエアバッグ装置は、図1に示すように、ステアリングホイール又は車室内のその他の適宜個所に配設されるエアバッグユニット51と、該エアバッグユニット51の作動を制御するエアバッグ用制御ユニット52とを備えている。上記エアバッグユニット51は、図示していないが、エアバッグ及びインフレータ(ガス発生器)を有し、車両の衝突時に制御ユニット52の作動信号に基づいてインフレータが作動してエアバッグを車室内に向けて膨脹展開させ、これにより、衝突時に前方に移動しようとする乗員の頭部及び胸部を拘束して保護するようになっている。
【0036】
上記エアバッグ用制御ユニット52は、車体の前後加減速度を検出する加減速度センサ(いわゆるGセンサ)53からの信号が入力インタフェース54を通して入力される制御部55を備えている。該制御部55は4ビッドのCPUからなり、このCPU55に付随してメモリ56が設けられている。上記制御部55は、ABS用制御ユニット41の制御部43と相互通信可能に、つまり相互に信号を授受可能に接続されているとともに、衝突時判断部57とセンサ故障判断部58とを有している。上記衝突時判断部57は、上記加減速度センサ53により検出した車体の前後加減速度と上記ABS用制御ユニット41の制御圧制御用演算部45で求めた車輪加減速度(詳しくは各車輪の加減速度の平均値)とに基づいて車両衝突時か否かを判断し、車両衝突時と判断すると出力インタフェース59を通してエアバッグユニット51に作動信号を出力するようになっている。また、上記センサ故障判断部58は、加減速度センサ53により検出した車体の前後加減速度とABS用制御ユニット41の制御圧制御用演算部45で求めた車輪加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサ53の故障時と判断し、出力インタフェース59を通して警報器60に作動信号を出力して運転者に警報を発するようになっている。
【0037】
さらに、上記ABS用制御ユニット41の制御部43には、演算部45による制動圧制御ひいてはスリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部61が設けられている一方、上記エアバッグ用制御ユニット52の制御部55には、その余分な演算容量を利用して、上記副演算部61と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部62と、該主演算部62及び上記副演算部61に対し所定の数値を与えて上記演算式で演算させる演算指令部63と、上記主演算部62及び副演算部61から各々入力された演算結果同士を比較し、両演算結果が異なるときにABS用制御ユニット41が故障していると判断する制御故障判断部64とが設けられている。
【0038】
次に、上記実施例の総合制御装置の作動について説明するに、エアバッグ用制御ユニット52の衝突時判断部57及びセンサ故障判断部57は、図3に示すフローチャートに従って各々の制御を行う。
【0039】
すなわち、先ず、衝突時判断部57及びセンサ故障判断部58において、ABS用制御ユニット41の制動圧制御用演算部45でその制動圧制御のために算出した車輪加減速度G1を読み込むとともに、加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2を読み込む(ステップS1,S2)。続いて、衝突時判断部57において、上記車輪加減速度G1の絶対値が車両衝突時に相当する所定値G10以上であるか否かを判定し、所定値以上のときには更に上記車体加減速度G2の絶対値が同じく車両衝突時に相当する所定値G20以上であるか否かを判定する(ステップS3,S4)。そして、車輪加減速度G1及び車体加減速度G2が共に車両衝突時を示すときには、衝突時判断部57から作動信号が出力インタフェース59を通してエアバッグユニット51に出力され、該エアバッグユニット51において、インフレータが作動してエアバッグが車室内に向けて膨脹展開する(ステップS5)。一方、車輪加減速度G1が車両衝突時を示していないときには、センサ故障判断部58において、車輪加減速度G1と車体加減速度G2との差の絶対値が所定値a以下であるか否かを判定し、所定値以下でないときつまり車輪加減速度G1と車体加減速度G2とが大きく異なるときには加減速度センサ53が故障していると判断し、出力インタフェース59を通して警報器60に作動信号を出力してワーニングをする(ステップS6,S7)。
【0040】
このように、エアバッグ用制御ユニット52においては、加減速度センサ53からの車体加減速度G2と共にABS用制御ユニット41からの車輪加減速度G1とを基に車両衝突時を判断しているので、エアバッグの作動制御の信頼性を確保することができる。しかも、上記車輪加減速度G1は、ABS用制御ユニット41によるスリップ制御のために求められるものであり、かつ従来の如き減速度スイッチが不要であるので、コストの低廉化を図ることができる。また、上記車体加減速度G2と車輪加減速度G1との差から加減速度センサ53の故障を判断しワーニングをすることができるので、この故障に起因するエアバッグの誤作動を未然に防止することができ、エアバッグ制御の信頼性の向上をより図ることができる。
【0041】
また、上記実施例の総合制御装置においては、ABS用制御ユニット41の制御部43とエアバッグ用制御ユニット52の制御部55との間の相互通信を利用してABS制御ユニット41の監視機能が発揮される。
【0042】
すなわち、先ず、エアバッグ用制御ユニット52の演算指令部63からABS用制御ユニット41の副演算部61に所定の数値αが送信され、これと同時に上記数値αがエアバッグ用制御ユニット52の主演算部62にも送られる。
【0043】
上記副演算部61は、スリップ制御とは無関係な所定の演算式に基づいて、上記数値αを用いて演算を行う。ここで、演算式は、例えば下記の式のように、
f(x)=(Ax+B)/C …(1)
設定される。但し、A,B,Cは定数であり、xは独立変数である。そして、副演算部61は、式(1)の右辺のxにαを代入し、演算結果としてf(α)を得る。この後、副演算部61で演算された演算結果f(α)は、エアバッグ用制御ユニット52の制御故障判断部64に送信される。
【0044】
また、エアバッグ用制御ユニット52の主演算部62も、式(1)の右辺のxにαを代入し、演算結果としてf´(α)を得る。この演算結果f´(α)も制御故障判断部64に送信される。
【0045】
そして、上記制御故障判断部64は、副演算部61の演算結果f(α)と主演算部62の演算結果f´(α)とを比較し、両演算結果が異なるときには副演算部61の演算結果f(α)が誤っているものと判断する。このような演算結果の食い違いが生じたときには直ちに、あるいは連続して所定回数以上起こったときに、ABS用制御ユニット41が故障していると判断する。この場合、その判断結果はABS用制御ユニット41の制御部43に送信され、該制御部43からの制動圧制御信号の出力が中止されることにより、ABSが作動しなくなる。また、図示していない警報器が作動して、ABSの非作動状態にあることが運転者に知らされる。
【0046】
この場合、上記演算指令部63、主演算部62及び制御故障判断部64は、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、ABS用制御ユニット41の故障判定ないし監視を行うことができるので、上述のようにエアバッグ用制御ユニット52において加減速度センサ53からの車体加減速度G2とABS用制御ユニット41からの車輪加減速度G1とに基づいて車両衝突時を判断することと相俟って、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを高い次元で両立化することができる。
【0047】
尚、上記実施例では、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55にセンサ故障判断部58を設け、該センサ故障判断部58において、ABS用制御ユニット41の制御部43で求めた車輪加減速度G1と加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2との比較から加減速度センサ53の故障を判断し、警報器68を作動させてワーニングする構成としたが、加減速度センサ53の耐久性・信頼性が高いときなどには、上記センサ故障判断部58を省略しても良い。このセンサ故障判断部58を省略した場合、衝突時判断部57は、図4に示すフローチートに従って制御を行うが、基本的には実施例の場合と同じく、ABS用制御ユニット41の制御部43で求めた車輪加減速度G1と加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2とを読み込ん後、車輪加減速度G1及び車体加減速度G2が共に車両衝突時を示すときに車両衝突時と判断しエアバッグを作動させる。上記車両衝突時の判断では、車輪加減速度G1の絶対値が車両衝突時に相当する所定値G10以上であるか否かを判定し、所定値以上のときに更に車体加減速度G2の絶対値が同じく車両衝突時に相当する所定値G20以上であるか否かを判定しているため、車輪加減速度G1が所定値G10を越えないときには、加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度G2はエアバッグの作動制御には利用されることはない。また、実施例の如く加減速度センサの故障判定に利用されることもない。このため、加減速度センサ53で車体の加減速度G2を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の構成をより簡素化することができる。
【0048】
また、上記実施例では、エアバッグ用制御ユニット52の制御故障判断部64において、ABS用制御ユニット41の故障を判断するために、ABS用制御ユニット41の制御部43にスリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部61を設けるだけでなく、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55にも上記副演算部61と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部62を設けるとともに、演算指令部63から所定の数値を副演算部61及び主演算部62に各々付与してそれらの演算式で演算を行わしめるようにしたが、上記主演算部62を設ける代わりに、エアバッグ用制御ユニット52のメモリ56に、上記演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを予め記憶させておき、制御故障判断部64において、副演算部61から入力された演算結果を該マップと比較することでABS用制御ユニット41の故障を判断するようにしても良い。この場合には、主演算部62が不要であるので、制御系の構成をより簡素化することができる。
【0049】
さらに、上記実施例では、本発明を、スリップ制御装置として、制動時に車輪1〜4がスリップしないよう制動力を制御するアンチスキッドブレーキ装置を、エアバッグ装置と共に装備する車両に適用した場合について述べたが、このアンチスキッドブレーキ装置の代わりに、発進時又は加速時に駆動輪が過大な駆動力によりスリップしないよう駆動力を制御するトラクション制御装置を、エアバッグ装置と共に装備する車両にも同様に適用することができるのは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断することにより、従来の如き減速度スイッチを必要とすることなく、また加減速度センサのフィルター処理を簡略にしながら、車両衝突時の判断を正確に行うことができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。さらに、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要であるので、制御系の簡素化をより図ることができ る。
【0051】
請求項2記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して制御故障判断部を設け、該判断部でスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、監視専用のCPUを必要とすることなく、故障判定ないし監視機能を発揮することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。
【0052】
請求項3記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断するとともに、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して制御故障判断部を設け、該判断部でスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、減速度スイッチ及び監視専用のCPUを要することなく、車両衝突時の判断の正確さと監視機能とを確保することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に高い次元で図ることができる。
【0053】
請求項4記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して演算指令部及び制御故障判断部を設け、この両者によりスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、監視専用のCPUを必要とすることなく、故障判定ないし監視機能を発揮することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。
【0054】
請求項5記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断するとともに、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して演算指令部及び制御故障判断部を設け、この両者によりスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、減速度スイッチ及び監視専用のCPUを要することなく、車両衝突時の判断の正確さと監視機能とを確保することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に高い次元で図ることができる。
【0055】
請求項6記載の発明によれば、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要であるので、制御系の簡素化をより図ることができる。
【0056】
請求項7記載の発明によれば、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するため、加減速度センサの故障時に起因するエアバッグの誤作動を防止することができ、制御の信頼性の向上をより図ることができる。
【0057】
さらに、請求項9記載の発明によれば、制御故障判断部がマップを利用してスリップ制御装置制御部の故障を容易に判断するようになっているので、制御系の簡素化をより図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる総合制御装置のブロック線図である。
【図2】アンチスキッドブレーキ装置のハード構成を示す図である。
【図3】エアバッグ制御のフローチャート図である。
【図4】変形例を示す図3相当図である。
【符号の説明】
41 ABS用制御ユニット
43 制御部
51 エアバッグユニット
52 エアバッグ用制御ユニット
53 加減速度センサ
55 制御部
61 副演算部
62 主演算部
63 演算指令部
64 制御故障判断部
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の総合制御装置に関し、詳しくはスリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信を行って両装置又は一方の装置の制御を行うものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両においては、スリップ制御装置として、アンチスキッドブレーキ装置やトラクション制御装置等が装備されることがある。アンチスキッドブレーキ装置は、車両のブレーキ油圧を制御して各車輪の制動力を調整することにより、制動時における車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止するようにしたものである。一方、トラクション制御装置は、車両の発進時や加速時に駆動輪が過大な駆動力によりスリップして駆動ロスが生じ、加速度が低下することを防止するために、駆動輪のスリップ量を検出し、該スリップ量が路面の摩擦係数に対応する目標スリップ量となるように、駆動輪に付与するブレーキ油圧やエンジン出力を制御して駆動力を調整するものである。尚、アンチスキッドブレーキ装置やトラクション制御装置においては、車輪のスキッド状態ないしはスリップ量を求めるために、センサにより車輪速を検出するとともに、該車輪速の単位時間当りの変化量である車輪速加減速度を算出するのが一般的である。
【0003】
また、車両においては、衝突時での乗員の安全を確保するためにエアバッグ装置が装備されることがある。エアバッグ装置は、通常、エアバッグやガス発生器等を有し、車両の衝突時にガス発生器が作動してエアバッグを車室内に向けて膨脹展開させ、これにより、衝突時に前方に移動しようとする乗員の頭部及び胸部を拘束して保護するものである。
【0004】
ところで、従来のスリップ制御装置等の車両搭載装置の制御部(コントロールユニット)では、制御の信頼性を高めるために、同一の機能を有する二つのCPUを設け、該両CPUに同一の制御情報を与えて同一の制御演算を行わせ、相互通信により両CPUの演算結果を相互に比較し、両者が食い違っているときには、少なくとも一方のCPUがフェイルしているので、かかるフェイルを運転者に知らせるようにしている(例えば、特開昭59−130768号公報参照)。尚、この場合、一方のCPUが正常なときでも、いずれのCPUがフェールしているのかは判定できないので、結局装置はその機能を失うことになる。
【0005】
また、同一の制御情報を二つの検出手段で別々に検出し、両制御情報を基に制御を行うこともある。例えば上述のエアバッグ装置では、通常、車両の前後加減速度を検出する加減速度センサと、車両の減速度が所定値を越えると切換え動作をする減速度スイッチとを備え、上記加減速度センサで検出された車両の前後減速度が所定値を越えかつ上記減速度スイッチが切換え動作をしたときにのみ車両の衝突時と判断し、エアバッグを展開させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように同一の機能を有するCPUを二つを設けたり、同一の制御情報を検出する検出手段を二つ設けたりすることは、CPUや検出手段のためのコストが倍加するとともに、CPU周辺の回路が複雑化・大規模化し、制御部ひいては装置のコストが非常に高くつくという問題がある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特に、スリップ制御装置の制御部は車輪加減速度を算出していること、またエアバッグ装置の制御部(CPU)に余分な容量が残っていることに着目し、この両装置の制御部間で制御のための相互通信を行うことにより、制御の信頼性を確保しつつ、制御系を簡素にしてコストの低廉化を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられており、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられている構成とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有している構成とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられている一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有している構成とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有している構成とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明と同じく、スリップ制御装置とエアバッグ装置とを装備した車両を前提とする。そして、上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられているとともに、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有している構成とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられている構成とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1、3又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するセンサ故障判断部を有する構成とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項4又は5記載の発明に従属するもので、上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の副演算部と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部を有しているとともに、その演算指令部は、所定の数値をスリップ制御装置の副演算部と共に上記主演算部に出力するようになっており、制御故障判断部は、上記副演算部から入力された演算結果と上記主演算部から入力された演算結果とを比較し、両演算結果が異なるときにスリップ制御装置の制御部が故障していると判断するようになっている構成とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項4又は5記載の発明に従属し、上記エアバッグ装置の制御故障判断部は、上記演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを備えていて、副演算部から入力された演算結果を該マップと比較することでスリップ制御装置の制御部の故障を判断するようになっている構成とする。
【0017】
【作用】
上記の構成により、請求項1記載の発明では、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部でスリップ制御のために求めた車輪加減速度が該制御部からエアバッグ装置の制御部に入力され、該エアバッグ装置の制御部において、該車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時か否かを判断し、車両衝突時と判断するとエアバッグを展開させる。この場合、従来の如き減速度スイッチを必要とすることなく、車両衝突時の判断のための制御情報である車両の加減速度が二系統から得られるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。さらに、加減速度センサ及び減速度スイッチの各信号にはノイズが含まれ、誤作動する恐れがあり、加減速度センサに対しては、ノイズ対策のためにフィルター処理(なまし)をしており、このため、センサ信号が遅れを生じることになる。この遅れを解消し高速で計算を行うために、従来は8ビッドマイコンを用いていたが、この発明では、ノイズが少なく正確な車輪加減速度を用いているので、加減速度センサに対しては、相対的に簡略なフィルター処理をすれば足りる。この結果、4ビッドマイコンを用いることができ、コストダウンにもなる。
【0018】
また、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるようにしているため、車輪減速度が所定値を越えないときには加減速度センサにより検出した車体の前後減速度はエアバッグの作動制御には利用されないことになる。このため、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の簡素化がより図られる。
【0019】
請求項2記載の発明では、スリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信が行われ、エアバッグ装置制御部の制御故障判断部において、スリップ制御装置の制御部の故障が判断される。この場合、上記制御故障判断部は、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、スリップ制御装置制御部の故障判定ないし監視を行うことができるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。
【0020】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明と同じく、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断し、また請求項2記載の発明と同じく、スリップ制御装置の制御部とエアバッグ装置の制御部との間で相互通信を行い、エアバッグ装置制御部の制御故障判断部において、スリップ制御装置の制御部の故障を判断しているので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に高い次元で図られることになる。
【0021】
請求項4記載の発明では、エアバッグ装置の制御部の演算指令部からスリップ制御装置の制御部の副演算部に対し所定の数値が与えられ、該演算部でスリップ制御とは無関係な所定の演算式に上記所定の数値を代入して演算を行う。しかる後、この演算結果が副演算部からエアバッグ装置制御部の制御故障判断部に入力され、該制御故障判断部で演算結果に基づいてスリップ制御装置の制御部の故障が判断される。この場合、上記演算指令部及び制御故障判断部は、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、スリップ制御装置制御部の故障判定ないし監視を行うことができるので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に図られることになる。
【0022】
ここで、上記制御故障判断部による故障判断の方法として、具体的には、請求項8記載の発明の如く、エアバッグ装置の制御部の主演算部で上記副演算部と同一の演算式に所定の数値を代入して演算を行い、その演算結果と副演算部から入力された演算結果とを比較する方法と、請求項9記載の発明の如く、予め演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを用意し、副演算部から入力された演算結果を該マップと比較する方法とがある。後者の方法では、主演算部を必要とせず、制御系の簡素化がより図られる。
【0023】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の発明と同じく、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断し、また請求項4記載の発明と同じく、上記制御部の演算指令部からスリップ制御装置の制御部の副演算部に対し所定の数値を与えて所定の演算式で演算を行わせ、制御部の制御故障判断部でその演算結果に基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断しているので、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とが共に高い次元で図られることになる。
【0024】
請求項6記載の発明では、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるようにしているため、車輪減速度が所定値を越えないときには加減速度センサにより検出した車体の前後減速度はエアバッグの作動制御には利用されないことになる。このため、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の簡素化がより図られる。
【0025】
請求項7記載の発明では、エアバッグ装置の制御部のセンサ故障判断部において、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するため、加減速度センサの故障時に起因するエアバッグの誤作動を防止することができ、制御の信頼性の向上がより図られる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係わる総合制御装置をアンチスキッドブレーキ装置(ABS)とエアバッグ装置とを装備した車両に適用した実施例を示す。この実施例の総合制御装置を説明するに先立って、アンチスキッドブレーキ装置のハード構成について、図2を用いて説明する。
【0028】
図2において、この車両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速機6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左右の駆動軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達されるようになっている。
【0029】
上記各車輪1〜4には、これらの車輪1〜4と一体的に回転するディスク11a〜14aと、制動圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14aの回転を制動するキャリパ11b〜14bとを有してなるブレーキ装置11〜14がそれぞれ設けられているとともに、これらのブレーキ装置11〜14を作動制御するブレーキ制御装置15が車両に装備されている。
【0030】
上記ブレーキ制御装置15は、運転者によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置17と、該倍力装置17によって増大された踏込力に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを備えている。該マスターシリンダ18の圧力室18aから導かれた前輪用制動圧供給ライン19は、左前輪用制動圧供給ライン19aと右前輪用制動圧供給ライン19bとに分岐され、左前輪用制動圧供給ライン19aは左前輪1におけるブレーキ装置11のキャリパ11bに、右前輪用制動圧供給ライン19bは右前輪2におけるブレーキ装置12のキャリパ12bにそれぞれ接続されている。上記左前輪用制動圧供給ライン19aには、電磁式の開閉弁20aと電磁式のリリーフ弁20bとからなる第1のバルブユニット20が設けられ、右前輪用制動圧供給ライン19bにも、上記第1のバルブユニット20と同様に、電磁式の開閉弁21aと電磁式のリリーフ弁21bとからなる第2のバルブユニット21が設けられている。
【0031】
また、上記マスターシリンダ18の圧力室18aから導かれた後輪用制動圧供給ライン22には、上記第1及び第2のバルブユニット20,21と同様に、電磁式の開閉弁23aと電磁式のリリーフ弁23bとからなる第3のバルブユニット23が設けられている。そして、この後輪用制動圧供給ライン22は、上記第3のバルブユニット23の下流側で左後輪用制動圧供給ライン22aと右後輪用制動圧供給ライン22bとに分岐され、左後輪用制動圧供給ライン22aは左後輪3におけるブレーキ装置13のキャリパ13bに、右後輪用制動圧供給ライン22bは右後輪4におけるブレーキ装置14のキャリパ14bにそれぞれ接続されている。すなわち、本実施例におけるブレーキ制御装置15は、上記第1のバルブユニット20の作動によって左前輪1におけるブレーキ装置11の制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2のバルブユニット21の作動によって右前輪2におけるブレーキ装置12の制動圧を可変制御する第2チャンネルと、第3のバルブユニット23の作動によって左右の後輪3,4における両ブレーキ装置13,14の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立して制御されるようになっている。
【0032】
さらに、30はブレーキペダル16のON・OFFを検出するブレーキスイッチ、32,33,34及び35は各車輪1〜4の回転速度つまり車輪速をそれぞれ検出する四つの車輪速センサであり、これらセンサ・スイッチ類の検出信号は、いずれも上記第1〜第3チャンネルを制御するABS用制御ユニット41に入力される。
【0033】
上記ABS用制御ユニット41は、図1に示すように、センサ・スイッチ類からの信号が入力インタフェース42を通して入力される制御部43を備えている。該制御部43は16ビッドのCPUからなり、このCPU43に付随してメモリ44が設けられている。上記制御部43は制動圧制御用演算部45を有し、該演算部45は、各車輪速センサ32〜35からの車輪速信号に応じた制動圧制御信号を、出力インタフェース46を通して第1〜第3のバルブユニット20,21,23にそれぞれ出力することにより、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対する制動制御、すなわちABS制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うようになっている。すなわち、上記演算部45では、先ず、各車輪速センサ32〜35からの車輪速信号が示す車輪速を読み込むとともに、各車輪毎に車輪速の微分値である車輪加減速度を求める。次に、上記車輪速及び車輪加減速度を基に各車輪毎のスキッド状態を判断し、このスキッド状態に対応して第1〜第3バルブユニット20,21,23における開閉弁20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,23bとをそれぞれデューティ制御によって開閉し、制動圧を制御するようになっている。
【0034】
尚、第1〜第3のバルブユニット20,21,23における各リリーフ弁20b,21b,23bから排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンラインを介してマスターシリンダ18のリザーバタンク18bに戻される。また、ABS非制御状態においては、ABS用制御ユニット41(制動圧制御用演算部45)からは制動圧制御信号が出力されず、したがって図示のように第1〜第3のバルブユニット20,21,23におけるリリーフ弁20b,21b,23bがそれぞれ閉保持されるとともに、各バルブユニット20,21,23の開閉弁20a,21a,23aがそれぞれ開保持される。これにより、ブレーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリンダ18で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19及び後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2及び後輪3,4におけるブレーキ装置11〜14に対して供給され、これらの制動圧に応じた制動力が前輪1,2及び後輪3,4にダイレクトに付与される。
【0035】
一方、アンチスキッドブレーキ装置と共に車両に装備されるエアバッグ装置は、図1に示すように、ステアリングホイール又は車室内のその他の適宜個所に配設されるエアバッグユニット51と、該エアバッグユニット51の作動を制御するエアバッグ用制御ユニット52とを備えている。上記エアバッグユニット51は、図示していないが、エアバッグ及びインフレータ(ガス発生器)を有し、車両の衝突時に制御ユニット52の作動信号に基づいてインフレータが作動してエアバッグを車室内に向けて膨脹展開させ、これにより、衝突時に前方に移動しようとする乗員の頭部及び胸部を拘束して保護するようになっている。
【0036】
上記エアバッグ用制御ユニット52は、車体の前後加減速度を検出する加減速度センサ(いわゆるGセンサ)53からの信号が入力インタフェース54を通して入力される制御部55を備えている。該制御部55は4ビッドのCPUからなり、このCPU55に付随してメモリ56が設けられている。上記制御部55は、ABS用制御ユニット41の制御部43と相互通信可能に、つまり相互に信号を授受可能に接続されているとともに、衝突時判断部57とセンサ故障判断部58とを有している。上記衝突時判断部57は、上記加減速度センサ53により検出した車体の前後加減速度と上記ABS用制御ユニット41の制御圧制御用演算部45で求めた車輪加減速度(詳しくは各車輪の加減速度の平均値)とに基づいて車両衝突時か否かを判断し、車両衝突時と判断すると出力インタフェース59を通してエアバッグユニット51に作動信号を出力するようになっている。また、上記センサ故障判断部58は、加減速度センサ53により検出した車体の前後加減速度とABS用制御ユニット41の制御圧制御用演算部45で求めた車輪加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサ53の故障時と判断し、出力インタフェース59を通して警報器60に作動信号を出力して運転者に警報を発するようになっている。
【0037】
さらに、上記ABS用制御ユニット41の制御部43には、演算部45による制動圧制御ひいてはスリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部61が設けられている一方、上記エアバッグ用制御ユニット52の制御部55には、その余分な演算容量を利用して、上記副演算部61と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部62と、該主演算部62及び上記副演算部61に対し所定の数値を与えて上記演算式で演算させる演算指令部63と、上記主演算部62及び副演算部61から各々入力された演算結果同士を比較し、両演算結果が異なるときにABS用制御ユニット41が故障していると判断する制御故障判断部64とが設けられている。
【0038】
次に、上記実施例の総合制御装置の作動について説明するに、エアバッグ用制御ユニット52の衝突時判断部57及びセンサ故障判断部57は、図3に示すフローチャートに従って各々の制御を行う。
【0039】
すなわち、先ず、衝突時判断部57及びセンサ故障判断部58において、ABS用制御ユニット41の制動圧制御用演算部45でその制動圧制御のために算出した車輪加減速度G1を読み込むとともに、加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2を読み込む(ステップS1,S2)。続いて、衝突時判断部57において、上記車輪加減速度G1の絶対値が車両衝突時に相当する所定値G10以上であるか否かを判定し、所定値以上のときには更に上記車体加減速度G2の絶対値が同じく車両衝突時に相当する所定値G20以上であるか否かを判定する(ステップS3,S4)。そして、車輪加減速度G1及び車体加減速度G2が共に車両衝突時を示すときには、衝突時判断部57から作動信号が出力インタフェース59を通してエアバッグユニット51に出力され、該エアバッグユニット51において、インフレータが作動してエアバッグが車室内に向けて膨脹展開する(ステップS5)。一方、車輪加減速度G1が車両衝突時を示していないときには、センサ故障判断部58において、車輪加減速度G1と車体加減速度G2との差の絶対値が所定値a以下であるか否かを判定し、所定値以下でないときつまり車輪加減速度G1と車体加減速度G2とが大きく異なるときには加減速度センサ53が故障していると判断し、出力インタフェース59を通して警報器60に作動信号を出力してワーニングをする(ステップS6,S7)。
【0040】
このように、エアバッグ用制御ユニット52においては、加減速度センサ53からの車体加減速度G2と共にABS用制御ユニット41からの車輪加減速度G1とを基に車両衝突時を判断しているので、エアバッグの作動制御の信頼性を確保することができる。しかも、上記車輪加減速度G1は、ABS用制御ユニット41によるスリップ制御のために求められるものであり、かつ従来の如き減速度スイッチが不要であるので、コストの低廉化を図ることができる。また、上記車体加減速度G2と車輪加減速度G1との差から加減速度センサ53の故障を判断しワーニングをすることができるので、この故障に起因するエアバッグの誤作動を未然に防止することができ、エアバッグ制御の信頼性の向上をより図ることができる。
【0041】
また、上記実施例の総合制御装置においては、ABS用制御ユニット41の制御部43とエアバッグ用制御ユニット52の制御部55との間の相互通信を利用してABS制御ユニット41の監視機能が発揮される。
【0042】
すなわち、先ず、エアバッグ用制御ユニット52の演算指令部63からABS用制御ユニット41の副演算部61に所定の数値αが送信され、これと同時に上記数値αがエアバッグ用制御ユニット52の主演算部62にも送られる。
【0043】
上記副演算部61は、スリップ制御とは無関係な所定の演算式に基づいて、上記数値αを用いて演算を行う。ここで、演算式は、例えば下記の式のように、
f(x)=(Ax+B)/C …(1)
設定される。但し、A,B,Cは定数であり、xは独立変数である。そして、副演算部61は、式(1)の右辺のxにαを代入し、演算結果としてf(α)を得る。この後、副演算部61で演算された演算結果f(α)は、エアバッグ用制御ユニット52の制御故障判断部64に送信される。
【0044】
また、エアバッグ用制御ユニット52の主演算部62も、式(1)の右辺のxにαを代入し、演算結果としてf´(α)を得る。この演算結果f´(α)も制御故障判断部64に送信される。
【0045】
そして、上記制御故障判断部64は、副演算部61の演算結果f(α)と主演算部62の演算結果f´(α)とを比較し、両演算結果が異なるときには副演算部61の演算結果f(α)が誤っているものと判断する。このような演算結果の食い違いが生じたときには直ちに、あるいは連続して所定回数以上起こったときに、ABS用制御ユニット41が故障していると判断する。この場合、その判断結果はABS用制御ユニット41の制御部43に送信され、該制御部43からの制動圧制御信号の出力が中止されることにより、ABSが作動しなくなる。また、図示していない警報器が作動して、ABSの非作動状態にあることが運転者に知らされる。
【0046】
この場合、上記演算指令部63、主演算部62及び制御故障判断部64は、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55を構成するCPUの余分な容量を利用して設けられるものであり、監視専用のCPUを必要とすることなく、ABS用制御ユニット41の故障判定ないし監視を行うことができるので、上述のようにエアバッグ用制御ユニット52において加減速度センサ53からの車体加減速度G2とABS用制御ユニット41からの車輪加減速度G1とに基づいて車両衝突時を判断することと相俟って、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを高い次元で両立化することができる。
【0047】
尚、上記実施例では、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55にセンサ故障判断部58を設け、該センサ故障判断部58において、ABS用制御ユニット41の制御部43で求めた車輪加減速度G1と加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2との比較から加減速度センサ53の故障を判断し、警報器68を作動させてワーニングする構成としたが、加減速度センサ53の耐久性・信頼性が高いときなどには、上記センサ故障判断部58を省略しても良い。このセンサ故障判断部58を省略した場合、衝突時判断部57は、図4に示すフローチートに従って制御を行うが、基本的には実施例の場合と同じく、ABS用制御ユニット41の制御部43で求めた車輪加減速度G1と加減速度センサ53で検出した車体加減速度G2とを読み込ん後、車輪加減速度G1及び車体加減速度G2が共に車両衝突時を示すときに車両衝突時と判断しエアバッグを作動させる。上記車両衝突時の判断では、車輪加減速度G1の絶対値が車両衝突時に相当する所定値G10以上であるか否かを判定し、所定値以上のときに更に車体加減速度G2の絶対値が同じく車両衝突時に相当する所定値G20以上であるか否かを判定しているため、車輪加減速度G1が所定値G10を越えないときには、加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度G2はエアバッグの作動制御には利用されることはない。また、実施例の如く加減速度センサの故障判定に利用されることもない。このため、加減速度センサ53で車体の加減速度G2を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要となり、制御系の構成をより簡素化することができる。
【0048】
また、上記実施例では、エアバッグ用制御ユニット52の制御故障判断部64において、ABS用制御ユニット41の故障を判断するために、ABS用制御ユニット41の制御部43にスリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部61を設けるだけでなく、エアバッグ用制御ユニット52の制御部55にも上記副演算部61と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部62を設けるとともに、演算指令部63から所定の数値を副演算部61及び主演算部62に各々付与してそれらの演算式で演算を行わしめるようにしたが、上記主演算部62を設ける代わりに、エアバッグ用制御ユニット52のメモリ56に、上記演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを予め記憶させておき、制御故障判断部64において、副演算部61から入力された演算結果を該マップと比較することでABS用制御ユニット41の故障を判断するようにしても良い。この場合には、主演算部62が不要であるので、制御系の構成をより簡素化することができる。
【0049】
さらに、上記実施例では、本発明を、スリップ制御装置として、制動時に車輪1〜4がスリップしないよう制動力を制御するアンチスキッドブレーキ装置を、エアバッグ装置と共に装備する車両に適用した場合について述べたが、このアンチスキッドブレーキ装置の代わりに、発進時又は加速時に駆動輪が過大な駆動力によりスリップしないよう駆動力を制御するトラクション制御装置を、エアバッグ装置と共に装備する車両にも同様に適用することができるのは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断することにより、従来の如き減速度スイッチを必要とすることなく、また加減速度センサのフィルター処理を簡略にしながら、車両衝突時の判断を正確に行うことができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。さらに、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要であるので、制御系の簡素化をより図ることができ る。
【0051】
請求項2記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して制御故障判断部を設け、該判断部でスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、監視専用のCPUを必要とすることなく、故障判定ないし監視機能を発揮することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。
【0052】
請求項3記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断するとともに、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して制御故障判断部を設け、該判断部でスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、減速度スイッチ及び監視専用のCPUを要することなく、車両衝突時の判断の正確さと監視機能とを確保することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に高い次元で図ることができる。
【0053】
請求項4記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して演算指令部及び制御故障判断部を設け、この両者によりスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、監視専用のCPUを必要とすることなく、故障判定ないし監視機能を発揮することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に図ることができる。
【0054】
請求項5記載の発明によれば、エアバッグ装置の制御部において、スリップ制御装置の制御部から入力された車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断するとともに、エアバッグ装置の制御部を構成するCPUの余分な容量を利用して演算指令部及び制御故障判断部を設け、この両者によりスリップ制御装置の制御部の故障を判断することにより、減速度スイッチ及び監視専用のCPUを要することなく、車両衝突時の判断の正確さと監視機能とを確保することができ、コストの低廉化と制御の信頼性の向上とを共に高い次元で図ることができる。
【0055】
請求項6記載の発明によれば、加減速度センサで車体の前後減速度を低いレベルまで精度良く検出するための複雑なフィルターが不要であるので、制御系の簡素化をより図ることができる。
【0056】
請求項7記載の発明によれば、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するため、加減速度センサの故障時に起因するエアバッグの誤作動を防止することができ、制御の信頼性の向上をより図ることができる。
【0057】
さらに、請求項9記載の発明によれば、制御故障判断部がマップを利用してスリップ制御装置制御部の故障を容易に判断するようになっているので、制御系の簡素化をより図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる総合制御装置のブロック線図である。
【図2】アンチスキッドブレーキ装置のハード構成を示す図である。
【図3】エアバッグ制御のフローチャート図である。
【図4】変形例を示す図3相当図である。
【符号の説明】
41 ABS用制御ユニット
43 制御部
51 エアバッグユニット
52 エアバッグ用制御ユニット
53 加減速度センサ
55 制御部
61 副演算部
62 主演算部
63 演算指令部
64 制御故障判断部
Claims (9)
- 車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両において、
上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、
上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられており、
上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられていることを特徴とする車両の総合制御装置。 - 車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両において、
上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、
上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有していることを特徴とする車両の総合制御装置。 - 車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両において、
上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、
上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられている一方、
上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、スリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部を有していることを特徴とする車両の総合制御装置。 - 車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両において、
上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、
上記スリップ制御装置の制御部は、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、
上記エアバッグ装置の制御部は、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有していることを特徴とする車両の総合制御装置。 - 車輪の過大なスリップを抑制するように駆動力又は制動力を制御するスリップ制御装置と、車両衝突時にエアバッグが展開して乗員を保護するエアバッグ装置とを装備した車両において、
上記スリップ制御装置の制御部と上記エアバッグ装置の制御部とは、相互に信号を授受可能に接続されており、
上記スリップ制御装置の制御部は、車輪加減速度を求めそれに基づいてスリップ制御をするように設けられているとともに、スリップ制御とは無関係な所定の演算式を用いて演算を行う副演算部を有している一方、
上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とに基づいて車両衝突時を判断しエアバッグを展開させるように設けられているとともに、上記副演算部に対し所定の数値を与えて上記所定の演算式で演算させる演算指令部と、その演算結果を副演算部から入力しそれに基づいてスリップ制御装置の制御部の故障を判断する制御故障判断部とを有していることを特徴とする車両の総合制御装置。 - 上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪減速度が所定値を越え、かつその時に加減速度センサにより検出した車体の前後減速度が所定値を越えているときにのみエアバッグを展開させるように設けられている請求項3又は5記載の車両の総合制御装置。
- 上記エアバッグ装置の制御部は、スリップ制御装置の制御部で求めた車輪加減速度と加減速度センサにより検出した車体の前後加減速度とを比較し、その差が所定値を越えるとき加減速度センサの故障時と判断するセンサ故障判断部を有している請求項1、3又は5記載の車両の総合制御装置。
- 上記エアバッグ装置の制御部は、上記スリップ制御装置の副演算部と同一の演算式を用いて演算を行う主演算部を有しているとともに、その演算指令部は、所定の数値をスリップ制御装置の副演算部と共に上記主演算部に出力するようになっており、制御故障判断部は、上記副演算部から入力された演算結果と上記主演算部から入力された演算結果とを比較し、両演算結果が異なるときにスリップ制御装置の制御部が故障していると判断するようになっている請求項4又は5記載の車両の総合制御装置。
- 上記エアバック装置の制御故障判断部は、上記演算式に所定の数値を代入して演算を行った場合の正解値をマップ化したものを備えていて、副演算部から入力された演算結果を該マップと比較することでスリップ制御装置の制御部の故障を判断するようになっている請求項4又は5記載の車両の総合制御装置。
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