JP3550722B2 - 熱可塑性樹脂およびその製造方法ならびに該熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂およびその製造方法ならびに該熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定のモノマー連鎖を有する熱可塑性樹脂およびその製造方法、ならびにこの熱可塑性樹脂とABS樹脂とを含有し、耐熱性、衝撃強度および色調に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂として今日多くの分野で使用されているものとしてABS樹脂があるが、用途分野の多様化に伴ない、ABS樹脂の耐熱性向上が強く望まれている。この要望に応えるために、スチレンのα−メチルスチレンへの代替えが試みられていたが、耐熱性の向上に限界があり、さらに高温下での熱安定性が問題となってきている。このような背景の中、近年N−フェニルマレイミドとスチレンの交互共重合体に代表されるマレイミド系共重合体が耐熱向上材として注目され、α−メチルスチレン系ABS樹脂の代替えとして各種試行されている。N−フェニルマレイミド/スチレン交互共重合体は、その剛直な分子構造ゆえにABS樹脂の耐熱性を向上させることができるものの、分子同士の絡み合い密度が低下するため、破壊靭性や衝撃強度を低下させてしまう。この問題を解決するために、アクリロニトリルに代表される共重合可能な第3モノマーを組み合わせる手法が各種報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれまでに報告されている各種重合法では、マレイミド系単量体と他の各種単量体を、分子レベルで均一に共重合するには至っていなかった。マレイミド系単量体同士、あるいは芳香族ビニル単量体同士、あるいはその他単量体同士から形成さる共重合体中のモノマー連鎖は、他配合樹脂との相溶性の低下、あるいは成形品の色調の悪化など、物性バランスを低下させるため、極力低下させる必要がある。本発明の目的は、樹脂の耐熱性を損なうことなく、衝撃強度および色調などの物性バランスを向上させた(マレイミド/芳香族ビニル/シアン化ビニル)共重合体およびその製造法ならびにこの共重合体とABS樹脂とを含有する樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、共重合体の芳香族ビニルおよびシアン化ビニルの同種単量体連鎖をこれまでになく減量させることにより、この共重合体を含有する樹脂組成物の耐熱性を損なうことなく、衝撃強度および色調を向上させることができることを見い出した。すなわち本発明は、マレイミド、芳香族ビニルおよびシアン化ビニルからなる共重合体であって、共重合体中のモノマー連鎖において、芳香族ビニルの3連鎖が総芳香族ビニル量の20%以下であり、かつ、シアン化ビニルの2連鎖以上が総シアン化ビニル量の40%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂に関する。さらに本発明は、全単量体の30重量%以上からなる単量体100重量部と難水溶性の有機溶剤0.5〜2重量部を乳化し、その水性乳化液を反応器へ連続添加することにより、熱可塑性樹脂の連鎖を特定する製造方法に関する。さらに本発明は、上記熱可塑性樹脂又は上記方法により製造された上記熱可塑性樹脂と、ABS樹脂とを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。以下本発明の詳細を述べる。
【0005】
本発明に使用される(a)マレイミド系単量体は、マレイミドのほか、マレイミドのチッ素原子に結合する置換基がアルキル基、アリール基、または置換アリール基であるマレイミド誘導体である。この(a)マレイミド系単量体の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ロモフェニル)マレイミド、N−(p−クロロフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられるが、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドである。なお、(a)マレイミド系単量体としては、例えば無水マレイン酸を共重合させ、アニリンなどでイミド化したものも含まれる。
【0006】
また、(b)芳香族ビニル単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられるが、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。さらに、()シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレオニトリルなどが挙げられるが、好ましくはアクリロニトリルである。(d)その他のビニル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0007】
(a)マレイミド系単量体の使用量は、(a)〜(d)成分中に5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。(a)マレイミド系単量体が5重量%未満では、耐熱性が不足し、一方45重量%を超えると、成形加工性、衝撃強度が低下する。また、(b)芳香族ビニル単量体の使用量は、(a)〜(d)成分中に30〜75重量%、好ましくは40〜60重量%である。(b)芳香族ビニル単量体が30重量%未満では、重合率が上がらず、一方75重量%を超えると、満足な耐熱性が得られない。
【0008】
さらに、(c)シアン化ビニル単量体の使用量は、(a)〜(d)成分中に10〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。(c)シアン化ビニル単量体の使用量が10重量%未満では衝撃強度が低く、40重量%を超えると、耐熱性が低下する。さらに、(d)その他のビニル系単量体の使用量は、(a)〜(d)成分中に20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、もしくは無しである。(d)その他のビニル系単量体が20重量%を超えると、耐熱性、衝撃強度が低下し、物性バランスが損なわれる。
【0009】
本発明における芳香族ビニル(以下Bと略称)の同種モノマー連鎖は、総B量に対し、[B−B−B]連鎖を20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下に抑える必要がる。[B−B−B]連鎖が20%を超えると、ABS樹脂組成物として配合するAS樹脂あるいはABSグラフト体との相溶性が低下し、衝撃強度の低下につながる。一方、シアン化ビニル(以下Cと略称)の同種モノマー連鎖は、総C量に対し、[Cの2連鎖以上]を40%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下に抑える必要がある。[Cの2連鎖以上]が40%を超えると、衝撃強度の低下、色調の悪化および成形加工性の低下が極端に目立つようになる。
【0010】
マレイミド(以下Aと略称)、BおよびCからなる共重合体においては、各種モノマー連鎖が生成するが、例えばBを中心とする3連鎖には、以下の6種の結合様式が存在する。
(a)[A−B−A] (b)[A−B−B]
(c)[A−B−C] (d)[B−B−B]
(e)[B−B−C] (f)[C−B−C]
共重合体に含まれる総B量に対してのBの3連鎖[B−B−B]の比率は、下記に示す試験法から求めた。共重合を重クロロホルムに溶解し、テトラメチルシランを内部標準として 13 NMRを測定し、133〜147ppmの範囲のピークをBを中心とする3連鎖全種(Bの総量)とし、144〜147ppmの範囲のピークを[B−B−B]連鎖として帰属し、各面積を測定することにより総B量に対する[B−B−B]の比率を決定できる。
【0011】
また[Cの2連鎖以上]の比率は、例えばアクリロニトリルにおいては共重合体を重クロロホルムに溶解し、テトラメチルシランを内部標準として13CNMRを測定し、118〜122ppmに現われるピークをCの総量とし、この内、121ppmにピークを持つ領域を[Cの1連鎖]として帰属し、119ppmにピークを持つ領域を[Cの2連鎖以上]として帰属し、各面積比を測定することにより総C量に対する[Cの2連鎖以上]の比率を決定できる。
【0012】
本発明で重要とされるモノマー連鎖を規定できる好ましい製造方法としては、例えば乳化重合において、全単量体の30重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは全量を少量の有機溶剤と共に水中に乳化状態にした水性乳化液を連続的に添加し、重合反応を行なう方法がある。重合開始前にモノマーを仕込むことは、マレイミド系単量体の析出を促進させるため、B同士あるいはC同士の連鎖量の増加につながってしまう。また、非乳化状態での単量体の添加は、マレイミド系単量体の析出を促進させるため、B同士あるいはC同士の連鎖量の増加につながってしまう。
【0013】
また、単量体を乳化する際に添加される有機溶剤としては、水への溶解度が1%以下の難水溶性のものが好ましく、添加量としては単量体100重量部に対し、0.5〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.5重量部である。0.5重量部未満ではシアン化ビニル単量体の水相への溶解度を下げることができずCの連鎖量を増加させてしまう。逆に2重量部以上では凝固脱水時に異臭強いことに加え、有機溶剤残存による耐熱物性の低下をもたらす。添加する有機溶剤としては、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ヘプタノール、オクタノール、ノニルアルコール、デシルアルコール、四塩化炭素などが好ましい。
【0014】
さらに本発明に使用される重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで代表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸処方/スルホキシレート処方の混合系処方などで代表される還元剤との組み合わせによるレドックス系の開始剤、さらに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどを任意に使用することができる。特に好ましくはクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドで代表される有機ハイドロパーオキサイド類の酸化剤と含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸処方/スルホキシレート処方混合系処方などで代表される還元剤との組み合わせである。
【0015】
また、本発明に使用される乳化剤としては、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、不均化ロジン酸カリウムなどの有機酸カルボン酸塩およびラウリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩が使用できるが、好ましくはスルホン酸塩である。さらに、分子量調節剤としては、メルカプタン類、チウラムジスルフィド類、ハロゲン化炭化水素類およびα−メチルスチレンダイマーなどを使用することができ、これらは単独あるいは2種以上併用することもできる。そのほか、必要に応じて電解質、キレート剤、分散剤、pH調節剤、緩衝剤などの各種助剤を加えることもできる。
【0016】
本発明は、以上のような(a)〜(d)成分を含有する単量体成分を乳化重合することによって得られるマレイミド系共重合体であるが、その際、共重合体中のモノマー連鎖を本発明の範囲に特定することで、本発明の目的が達成された。本発明の範囲のモノマー連鎖を有するマレイミド系共重合体は全単量体の30重量%以上の単量体と難水溶性の溶剤を乳化して連続添加する共重合方法で製造することができる。また本発明の範囲のモノマー連鎖を有するマレイミド系共重合体は、単量体の全量と難水溶性の溶剤を乳化して、連続添加する重合法で製造する方法がその好ましい例として挙げられる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例中、部および%は特に断わらないかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定は、下記の方法によった。
アイゾット衝撃強度
260℃で射出成形した試験片を用いてASTM D256(1/4″、ノッチ付き)に従い測定した。単位はkg・cm/cmである。
【0018】
メルトフローレート
JIS K7210に従い、240℃、荷重10kgで測定した。単位はg/10分である。
熱変形温度
260℃で射出成形した試験片を用いてASTM D648(1/2″、18.6kg/cmに従い測定した。単位は、℃である。
色調
260℃で射出成形した試験片のイエローインデックス(YI)を測定した。
【0019】
参考例1(ABS樹脂の製造)
フラスコ内に、ポリブタジエンゴムラテックスを固形分換算で60部投入し、イオン交換水150部、スチレン7部、アクリロニトリル3部をさらに加えてフラスコ内温度を60℃に昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加え、クメンハイドロパーオキサイド0.05部をさらに加えて重合を開始し、温浴温度を70℃に保った。1時間重合させたのち、スチレン21部、アクリロニトリル9部、クメンハイドロパーオキサイド0.05部を3時間かけて連続的に添加し、さらに1時間重合させて反応を完結させた。得られた共重合体ラテックスを塩化カルシウムを用いて凝固し、水洗、乾燥した。このグラフト共重合体(ABS樹脂)のグラフト率は50%、〔η〕(メチルエチルケトン可溶分の極限粘度)は0.45cm/gであった。
【0020】
実施例1
チッ素置換した内容積100Lの撹拌機を備えた温度制御可能な反応器に、イオン交換水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、およびAIBN0.06部を加えて昇温を開始した。反応器の内温が45℃に達した後、アクリロニトリル15部に溶解したN−フェニルマレイミド30部、スチレン55部、t−ドデシルメルカプタン0.15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部、オクタノール1.0部、AIBN0.20部およびイオン交換水50部を乳化装置〔ノリタケカンパニー(株)製、スタティックミキサーT3−27〕に送って連続的に乳化させた水性乳化液を上記反応器に、その内温を55℃に保ちながら6時間かけて添加した。反応開始後、6時間で重合率は98.0%に達した。
【0021】
得られた共重合体ラテックス塩化カルシウムで凝固し、水洗、乾燥した。このようにして得られたマレイミド系共重合体30部と前記参考例1で得られたグラフト体70部とを、ヘンシェルミキサーで混合して組成物とし、ペレット化、射出成形機により成形し、物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られたマレイミド系共重合体のモノマー連鎖量はすべて請求項1に記載の範囲内であり、良好な物性を示している。
【0022】
【表1】
Figure 0003550722
【0023】
実施例2
N−フェニルマレイミドを35部、スチレンを46部、アクリロニトリルを19部およびオクタノールを1.5部用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例1に比べ若干多いものとなっているが、物性の大幅な低下は認められない。
実施例3
N−フェニルマレイミドを25部、スチレン62部、アクリロニトリルを13部およびオクタノールを0.5部用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例1に比べ若干多いものとなっているが、物性の大幅な低下は認められない。
【0024】
実施例4
N−フェニルマレイミドを20部、スチレン50部、アクリロニトリルを30部およびオクタノールの代わりにトルエンを1.5部用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例1に比べ若干多いものとなっているが、物性の大幅な低下は認められない。
実施例5
オクタノールの代わりにベンゼン1.0部を用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例1にほぼ同じであった
【0025】
実施例6
オクタノールの代わりにn−ヘキサン0.5部を用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体のスチレン連鎖は実施例1に比べ若干多く、アクリロニトリル連鎖は少ないが、物性の極端な低下は認められない。
実施例7
n−ヘキサン0.5部を2.0部に増量した以外は実施例6と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例1にほぼ同じであった。
【0026】
実施例8
N−フェニルマレイミドを15部、スチレンを50部、アクリロニトリルを13部およびオクタノールの代わりにn−ヘキサンを0.5部用いた以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表1に示す。得られた共重合体の各モノマー連鎖は実施例に1比べ、比較的大きな値になっているものの、物性の極端な低下は認められない。
【0027】
比較例1
チッ素置換した内容積100Lの撹拌機を備えた温度制御可能な反応器に、イオン交換水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、アクリロニトリル3部、N−フェニルマレイミド6部、スチレン11部およびAIBN0.06部を加えて昇温を開始した。反応器の内温が45℃に達した後、アクリロニトリル12部に溶解したN−フェニルマレイミド24部、スチレン44部、t−ドデシルメルカプタン0.15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部、オクタノール2.5部、AIBN0.20部およびイオン交換水50部を、乳化装置〔ノリタケカンパニー(株)製、スタティックミキサーT3−27〕に送って連続的に乳化させた水性乳化液を上記反応器に、その内温を60℃に保ちながら6時間かけて添加した。
【0028】
反応開始後、6時間で重合率は95.5%に達した。得られた共重合体ラテックス塩化カルシウムで凝固し、水洗、乾燥した。このようにして得られたマレイミド系共重合体30部と前記参考例1で得られたグラフト体70部とを、ヘンシェルミキサーで混合して組成物とし、ペレット化した後、射出成形機により成形し、物性を評価した。評価結果を表2に示す。全単量体の20%を重合前に反応器へ仕込み、さらに加えて有機溶剤の添加量が多いため、得られた共重合体のスチレン連鎖量が実施例1に比べ大幅に増加しており、そのため衝撃強度の低下が目立っている。
【0029】
【表2】
Figure 0003550722
【0030】
比較例2
オクタノールの代わりに水溶性の高いプロパノールを2.5部、AIBNの代わりに過硫酸カリウムを用いた以外は比較例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。添加した有機溶剤が易水溶性のため得られた共重合体のスチレンおよびアクリロニトリル連鎖量が比較例1に比べに増加しており、衝撃強度および色調の大幅な低下が目立っている。
【0031】
比較例3
N−フェニルマレイミドを20部、スチレン50部、アクリロニトリルを30部、オクタノールを2.5部、AIBNの代わりに過硫酸カリウムを0.2部、および重合温度を75℃とした以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。有機溶剤の添加量が多いため、得られた共重合体のアクリロニトリル連鎖量が比較例1に比べ増加しており、色調の大幅な低下が目立っている。
【0032】
比較例4
N−フェニルマレイミドを30部、スチレン25部、アクリロニトリルを45部およびオクタノールを1.0部用いた以外は実施例2と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。シアン化ビニルの仕込み量が多いため、得られた共重合体のアクリロニトリル連鎖量が比較例1に比べ極端に増加しており、そのため色調の極端な低下が目立っている。
【0033】
比較例5
重合開始前に仕込むドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部を1.0部に、また単量体と共に連続添加するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部を0部とした以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。単量体の連続添加を非乳化状態で行なっているため、得られた共重合体の各モノマー連鎖が実施例1に比べ大幅に増加しており、そのため衝撃強度および色調の低下が目立っている。
【0034】
比較例6
オクタノールを未使用とした以外は実施例1と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。有機溶剤を添加していないため、得られた共重合体の各モノマー連鎖が実施例1に比べ大幅に増加しており、そのため衝撃強度および色調の低下が目立っている。
比較例7
オクタノールを未使用とした以外は比較例5と同様にして共重合体を得、同様にして物性を評価した。評価結果を表2に示す。単量体の連続添加を非乳化状態で行ない、さらに加えて有機溶剤を添加していないため、得られた共重合体の各モノマー連鎖が実施例1に比べ極端に増加しており、そのため衝撃強度および色調の極端な低下が目立っている。
【0035】
【発明の効果】
本発明のマレイミド系熱可塑性樹脂、グラフト共重合体あるいはその他の共重合体と混合することによって、耐熱性、衝撃強度、色調の物性バランスの優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。

Claims (3)

  1. (a)マレイミド系単量体5〜45重量%、(b)芳香族ビニル単量体30〜75重量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜40重量%および(d)前記(a)〜(c)成分と共重合可能なその他のビニル系単量体0〜20重量%〔ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%〕からなる単量体(e)の共重合体であって、共重合体中のモノマー連鎖において、芳香族ビニルの3連鎖が総芳香族ビニル量の20%以下であり、かつ、シアン化ビニルの2連鎖以上が総シアン化ビニル量の40%以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂。
  2. 請求項1に示される単量体(e)を乳化重合する際に、全単量体(e)の30重量%以上からなる単量体100重量部と難水溶性の有機溶剤0.5〜2重量部を乳化した水性乳化液を反応器へ連続添加することを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 請求項1記載の熱可塑性樹脂又は請求項2記載の方法により製造された熱可塑性樹脂と、ABS樹脂とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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