JP3550218B2 - 給紙装置 - Google Patents

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JP3550218B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷装置やファクシミリ装置等の情報処理装置に単票用紙を供給する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷装置に単票用紙を供給する場合、給紙トレイのホッパプレ−ト上に単票用紙を積載し、給紙トレイを印刷装置あるいは印刷装置に単票用紙を供給する給紙装置に装着して、単票用紙を印刷装置に自動供給する方法が一般に採用されている。印刷装置側あるいは給紙装置側には、給紙トレイ上の最上部の単票用紙を1枚ずつ繰り出すピッキングロ−ラが備わっている。給紙トレイは、印刷装置あるいは給紙装置から抜かれた状態では、ホッパプレ−トが給紙トレイ底部に位置付けられ、印刷装置あるいは給紙装置に装着された時に、ホッパプレ−トが上昇して、単票用紙をピッキングロ−ラに押圧するようになっている。単票用紙が、ピッキングロ−ラに押圧されることにより、給紙トレイから繰出し可能な状態となる。そのような印刷装置を開示したものとして例えば特公平5−21807号公報に記載された装置が挙げられる。
【0003】
その公報によれば、給紙トレイのホッパプレ−トに積載した単票用紙をピッキングロ−ラに押圧して、単票用紙を給紙可能な状態とするために、給紙トレイに揺動レバ−、可動部材、付勢バネ等の機構部材を備えており、プリンタから外した状態ではポッパプレ−トが給紙トレイ底部に位置付けられ、プリンタに装着されたときに、ポッパプレ−トが回動して、積載されている単票用紙をスプリングの力でピッキングロ−ラに押しつけるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の印刷装置あるいは給紙装置においては、オペレ−タが印刷装置あるいは給紙装置本体から抜き差しする給紙トレイに、単票用紙をピッキングロ−ラに押圧する機構部材が取り付けられているので、給紙トレイの重量が重く、オペレ−タの作業性が悪いという問題点があった。また、給紙トレイを抜き差しする際に、誤って落としてしまうと、給紙トレイに設けられた機構部品を破損してしまう場合があるという問題点があった。
【0005】
更に、給紙装置の稼働時には、印刷に使用される単票用紙のサイズの種類数に応じて複数個の給紙トレイを常備して運用することが多いが、給紙トレイに多くの機構部品が設けられていると、部品点数が増えるて高価になり、高価な給紙トレイを印刷に必要な単票用紙のサイズに応じて数多く揃えなければならないという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明で設けた解決手段は、単票用紙が積載されたホッパプレ−トを回動自在に備えた給紙トレイが、内部に装着されると、ホッパプレートが上昇し、ホッパプレ−トに積載された単票用紙がホッピングロ−ラに押しつけられて繰り出される給紙装置において、給紙装置本体に、給紙トレイの給紙装置本体への装着に伴いホッパプレートを上昇方向に付勢する付勢部材と、付勢部材の付勢力に抗してホッパプレートの上昇を阻止する阻止部材とからなる上昇機構と、給紙トレイに、給紙装置本体への装着に伴い上昇機構の付勢部材の付勢力を働かせホッパプレートを上昇方向に動かす機構と、給紙装置本体の所定の位置への装着に伴い上昇機構の阻止部材の作用を解除する機構とからなる上昇機構動作部とを設けたものであり、
上記上昇機構の付勢部は、側壁に回動自在に設けられ、給紙トレイの装着時に、一端がホッパプレ−トの一部に対向する略L字状のア−ムと、
L字状ア−ムよりも給紙トレイ装着方向下流に設けられ、給紙装置の側壁に対して摺動及び回動自在に支持されたスライド部材と、
スライド部材に設けられた支持ポストと、
スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で側壁側に向かって突出している第1の突起と、
スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で給紙トレイ側に向かって突出している第2の突起と、
一端がスライド部材の他端に取り付けられ、他端がL字状ア−ムの他端に取り付けられ、L字状ア−ムとスライド部材とを互いに近付ける方向に付勢する付勢部材と、
上記スライド部材よりも給紙トレイ装着方向下流に設けられ、給紙トレイ装着時に上記第1の突起が引っ掛かり、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する水平カム面を備えたカム状凸部とから構成され、
上記上昇機構の阻止部は、給紙トレイが所定位置に装着されていない場合に、上記L字状ア−ムの給紙トレイ方向への回動を阻止するリンク機構から構成され、
上記上昇機構動作部のホッパプレートを上昇方向に動かす機構は、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着により、上記支持ポストに当接し、スライド部材を摺動させる第1の凸部と、
上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向下流で、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着により、上記第2の突起をひっ掛け、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する第3の凸部とから構成され、
上記上昇機構動作部における上昇機構の阻止部の作用を解除する機構は、上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向上流で、上記給紙トレイの側壁が、給紙トレイ装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着によりリンク機構の一部を回動させて、L字状ア−ムをホッパプレ−トを上昇させる方向へ回動させる第2の凸部で構成される給紙装置。
【0007】
【作用】
単票用紙が積載されたホッパプレ−トを回動自在に備えた給紙トレイが、給紙装置本体内部に装着されると、給紙トレイの上昇機構動作部が働き、給紙装置本体に設けられた上昇機構の付勢部材にホッパプレートを上昇させる方向の付勢力を生じさせるが、上昇機構は阻止部材による阻止力が働き、ホッパプレートの上昇は抑えられる。
給紙トレイが給紙装置本体の所定位置に装着されると、阻止部材の作用が解除され、上昇機構がホッパプレートを上昇させ、ホッパプレートに積載された単票用紙をホッピングローラに押しつけ、繰り出し可能な状態とする。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
【0009】
第1実施例
図1は本発明に係る第1実施例の給紙トレイを示す斜視図、図2は第1実施例の印刷装置の構造を示す説明図、図3は第1実施例の給紙装置を示す斜視図、図4は第1実施例の給紙装置の構造を示す説明図である。
図2において、印刷装置1は、印刷装置1に単票用紙を供給する第1の給紙装置2と、第2の給紙装置3と、第1の給紙装置2と、第2の給紙装置3に積載された単票用紙4を繰り出すホッピングロ−ラ5と、繰り出された単票用紙に印刷を行う印刷部6と、印刷済み単票用紙4が排出される排出部7とから構成される。
【0010】
第2の給紙装置(以下給紙装置とする)3は、印刷装置1に対して着脱自在となっており、図3に示す形状をしている。図3、図4において、給紙装置3は、給紙装置本体8と、給紙装置本体8に対して着脱自在となっている給紙トレイ9とから構成される。給紙装置本体8は、左右の側壁10、11と、フロントカバ12と、用紙ガイド13と、側壁10と側壁11とを支持締結する天井板14と後部支持フレ−ム15とから構成される。
【0011】
図4において、フロントカバ12には用紙ル−ト16が形成され、また、ホッピングロ−ラ5が回転可能に軸支されており、ホッピングロ−ラ5には、給紙装置3内部に設けられたアイドルギア18、19を介してモ−タ17の駆動が伝達されるようになっている。そして、モ−タ17が駆動されることにより、ホッピングロ−ラ5を回転させて、給紙トレイ9に収納された単票用紙4を用紙ル−ト16を経由して図2に示す印刷装置1へ供給する。
【0012】
次に給紙トレイ9について説明する。図1において、給紙トレイ9のトレイフレ−ム30の左右の側壁20、21には、給紙トレイ9の略中央部に、給紙トレイ装着方向と直交する方向に側壁20、21が突出して形成された第1の凸部22と、第1の凸部22よりも給紙トレイ装着方向上流(矢印C方向)で、左右の側壁20、21の第1の凸部22間の距離よりもわずかに広く、また側壁20、21間の最大幅を有した状態で、給紙トレイ装着方向と直交する方向に側壁20、21が突出して形成された第2の凸部23と、第1の凸部22から所定の距離L1だけ給紙トレイ装着方向下流(矢印B方向)で、給紙トレイ装着方向と直交する方向に側壁20、21が突出して形成された第3の凸部24が設けられている。側壁20、21には、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着される際に、給紙装置3の後述する給紙トレイ支持面上を摺動する摺動支持面25が形成されている。側壁20、21にはまた、ホッパプレ−ト26が、ポスト27により回動自在に取り付けられている。回動支点と反対側端部のホッパプレ−ト26には、張出部28が形成されている。そして、この張出部28は、張出部28の回動軌跡に沿って側壁20、21に形成された開口29aから側壁外側に突出しており、その突出位置は、摺動支持面25からわずかに高い位置から突出している。
【0013】
以上上記第1の凸部22と、第2の凸部23と、第3の凸部24とで上昇機構動作部31が構成されている。
【0014】
次に給紙装置3の側壁10、11に設けられた上昇機構32について説明する。ここでは、右側の側壁11について説明するが、左側の側壁10についても、同一部材が右側の側壁11と対称に具備されている。図5は第1実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図、図6は第1実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図、図7は第1実施例のスライド部材を示す斜視図、図8は第1実施例のスライド部材を示す側面図、図9は第1実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図、図10は第1実施例のスライド部材を示す側面図である。
【0015】
図5において、側壁11には、給紙トレイ支持面33が形成されており、給紙トレイ支持面33上は、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着される際に、上述した摺動支持面25が摺動する。給紙トレイ支持面33に一体に形成されたポスト34には、L字状のア−ム35が回動自在に取り付けられている。L字状ア−ム35の一端には、ポスト36が給紙トレイ9側に向かって、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着された際に、上記ホッパプレ−ト26に形成された張出部28の下部に位置付けられる位置に取り付けられている。また、L字状ア−ム35の他端には、スプリング掛け用孔37が開けられている。
【0016】
側壁11の上部にはポスト38が取り付けられている。このポスト38には第1のリンク39の一端が回動自在に取り付けられており、第1のリンク39の他端には、リンクポスト41が取り付けられている。
【0017】
リンクポスト41は、給紙トレイ装着時に、前記給紙トレイ9の第2の凸部23が、通過する空間内まで突出している。そして、一端がポスト36に、他端がリンクポスト41に回動自在に取り付けられた第2のリンク40により、L字状ア−ム35と第1のリンク39とが連結されている。
【0018】
ポスト38には、一端が側壁11に設けられたストッパ42に当接し、他端が第1のリンク39にひっ掛けられた状態で、ト−ションスプリング43が巻装されている。このト−ションスプリング43の付勢力により第1のリンク39は矢印A方向に付勢されている。ト−ションスプリング43は、第2のリンク40が後述するリンクストッパに当接した状態を保持しておく役割と、第1のリンク39と第2のリンク40が座屈した際に元の位置に戻す役割を果たしている。
【0019】
図5、図6に示すように、ト−ションスプリング43の付勢力により回動しようとするリンクポスト41の中心点が、ポスト38とポスト36を結んだ線よりも給紙カセット9装着方向上流(矢印C方向)に位置した状態で、第1のリンク39と第2のリンク40との矢印A方向への回動が停止するように、リンクストッパ44が側壁11に形成されている。従って、L字状ア−ム35が矢印F方向に回動しようとして、ポスト36に矢印F方向のモ−メントがかかった時、第1のリンク39と第2のリンク40はリンクストッパ44に当接する方向に座屈するため、座屈がリンクストッパ44により阻止されて、L字状ア−ム35の矢印F方向の回動も阻止される。
【0020】
そして、リンクストッパ44に第2のリンク40が当接した状態で、L字状ア−ム35に取り付けられたポスト36の上面が、給紙トレイ支持面33よりも下に位置するように、第1のリンク39と第2のリンク40の長さが設定されている。
【0021】
以上第1のリンク39と、第2のリンク40と、ト−ションスプリング43と、リンクストッパ44と、リンクポスト41とからリンク機構57が構成されている。
【0022】
側壁11には、また、L字状ア−ム35が下降した状態すなわち図5、図6に示す状態で、スプリング掛け用孔37と略同じ高さに、案内溝45が形成されている。そして、この案内溝45には、後述するスライド部材に形成された支持ポスト47と支持ポスト48とが摺動自在に係合している。
【0023】
図7において、スライド部材46には、支持ポスト47と、支持ポスト47と反対側に支持ポスト48とが一体に形成され、支持ポスト47は、給紙トレイ装着時に、前記給紙トレイ9の第1の凸部22が、通過する空間内まで突出している。そして、前述したように、スライド部材46の支持ポスト47と支持ポスト48は案内溝45に摺動自在に係合していると共に、図5に示すように、支持ポスト47と支持ポスト48を中心として、所定の角度を矢印D−E方向に回動自在に支持されている。
【0024】
スライド部材46の一端46a(支持ポスト47よりも給紙トレイ装着方向下流、すなわち図5に示す矢印B方向)には、側壁11側に向かって突出している滴形の第1の突起49と、給紙トレイ9側に向かって突出している平板状の第2の突起50とが形成されている。なお、第2の突起50の突出量は、給紙トレイ装着時に、前記給紙トレイ9の第3の凸部24が、通過する空間内までとなっている。また、図8において、支持ポスト47から第2の突起50までの距離L2は、前記給紙トレイ9の第1の凸部22から第3の凸部24までの距離L1と略同じに設定されている。
【0025】
図7において、スライド部材46の他端46b(支持ポスト47よりも給紙トレイ装着方向上流)には、スプリング掛け用孔51が開けられている。図5、図6において、スプリング掛け用孔51には、付勢部材としての引っ張りコイルスプリング53の一端が取り付けられている。引っ張りコイルスプリング53の他端はスプリング掛け用孔37に取り付けられており、引っ張りコイルスプリング53は、付勢力が発生すると、L字状ア−ム35の他端を図6に示す矢印B方向に付勢し、スライド部材46の他端46bを矢印C方向に付勢する。
【0026】
なお、図9において、案内溝45の給紙トレイ装着方向上流側には、ストッパ52が形成されており、支持ポスト47がストッパ52に当接した状態では、スライド部材46を矢印C方向へ移動させる引っ張りコイルスプリング53の付勢力はゼロに設定されている。すなわち、矢印B方向及び矢印C方向への付勢力がない。
【0027】
また、図5において、引っ張りコイルスプリング53の下部に対応する側壁11には、支持突起56が形成されており、支持突起56により、引っ張りコイルスプリング56は略水平状態を保持することができる。従って、スライド部材46も支持ポスト47、支持ポスト48を支点として回動することなく、略水平状態を保持することができる。
【0028】
図5、図9において、案内溝45よりも給紙トレイ装着方向下流の側壁11すなわち、静止時のスライド部材46の位置よりも給紙トレイ装着方向下流の側壁11には、カム状凸部54とカム状凸部55とが形成されている。カム状凸部54はカム面54a、カム面54b、水平カム面54cを備えている。そして、カム面aの上位点54a1は、案内溝45の水平方向の高さ位置、すなわち、スライド部材46の第2の突起50の水平方向の高さ位置よりわずかに高い位置に設定されている。そして、このカム状凸部54には、給紙トレイ装着時に、前記第1の突起49が引っ掛かるようになっている。
【0029】
また、カム状凸部55は、スライド部材46が矢印D方向に回動する際の跳ね上がり防止部材であり、スライド部材46が矢印D方向に回動する際に、カム状凸部55の一端55aに当接することにより、一端55aがストッパとなり、スライド部材46の一端46aが矢印D方向に回動しようとする勢いを減少させることができる。
【0030】
カム状凸部54からカム状凸部55までの距離M1は図10に示す第2の突起50の幅Tよりも広く、カム状凸部54からカム状凸部55までの距離M2は第2の突起50の幅Tよりも狭く、カム状凸部54からカム状凸部55までの距離M3は第2の突起50の幅Tよりも広く設定されている。また、水平カム面54cの位置は、給紙トレイ9の第3の凸部24の高さと略同じかあるいはわずかに低く、且つスライド部材46の第1の突起49が略水平に移動した際の先端49aの高さよりも低く設定されている。
【0031】
以上L字状ア−ム35と、スライド部材46と、支持ポスト47、支持ポスト48と、第1の突起49と、第2の突起50と、引っ張りコイルスプリング53と、カム状凸部54と、リンク機構57とから上昇機構32が構成されている。
【0032】
次に上記構成における給紙トレイ9の給紙装置3への着脱動作について説明する。図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20は第1実施例の動作を示す説明図である。なお、説明に不必要な部分は省略してある。また給紙トレイ9側及び給紙装置本体8のフレ−ムは2点鎖線で示してある。また、給紙装置本体8の右側面側しか示してしないが、左側面側も同様の動作を行う。
【0033】
まず、オペレ−タが給紙トレイ9に単票用紙4を収納し、図11に示す給紙トレイ支持面33に給紙トレイ9の摺動支持面25を乗せて給紙装置本体8に矢印B方向へ押し込むことにより挿入していく。この時、ホッパプレ−ト26は下降しているので、単票用紙4はホッピングロ−ラ5と接触することなく、給紙トレイ9の第3の凸部24はスライド部材46の支持ポスト47と第2の突起50とに接触することなく、下側を通過する。更に給紙トレイ9を矢印B方向へ挿入すると、図12に示すように、給紙トレイ9の第1の凸部22がスライド部材46の支持ポスト47に当接する位置に到達する。
【0034】
更に、オペレ−タが矢印B方向に給紙トレイ9を挿入すると、スライド部材46も、第1の凸部22に押圧されて矢印B方向に給紙トレイ9と共に移動する。この時、側壁11の支持突起56が引っ張りコイルスプリング53を支持しているので、スライド部材46は略水平状態を保って移動する。そして、スライド部材46の移動にともなって引っ張りコイルスプリング53が伸びて付勢力が発生し始める。すると、L字状ア−ム35が側壁11のポスト34を支点として矢印F方向に回動しようとするが、ト−ションスプリング43の付勢力により、第2のリンク40がストッパ44に当接した状態で固定されているので、L字状ア−ム35の回動は阻止される。従って、ホッパプレ−ト26は下降した状態を保持し続ける。
【0035】
その後、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入すると、図13に示すように、スライド部材46の第1の突起49がカム状凸部54のカム面54aに当接し、第1の突起49はカム状凸部54のカム面54aに沿いながら移動する。すると、スライド部材46は支持ポスト47、支持ポスト48を支点として矢印E方向に回動しながら矢印B方向への移動をし続ける。なお、図12に示す位置でスライド部材46が停止している状態の第1の突起49の位置からカム状凸部54のカム面54aまでの距離を十分とれば、引っ張りコイルスプリング53の張力により、スライド部材46は、常に引っ張りコイルスプリング53の張力の作用線上、すなわち略水平方向に向くので、引っ張りコイルスプリング53を支持する支持突起56は不要となる。
【0036】
その後、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入すると、図14に示すように、給紙トレイ9の第2の凸部23がリンクポスト41に当接する。そして、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入し、図15に示すように、スライド部材46の第1の突起49がカム状凸部54のカム面54aを通過する位置まで給紙トレイ9が挿入されると、引っ張りコイルスプリング53の矢印C方向への付勢力によりスライド部材46は支持ポスト47と支持ポスト48を支点として矢印D方向に回動する。このとき、リンクポスト41が、給紙トレイ9の第2の凸部23に押圧されて、ポスト38の中心とポスト36の中心を結んだ線Y上を通過すると、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により、第1のリンク39と第2のリンク40はト−ションスプリング43の付勢力に抗して座屈し、L字状ア−ム35には引っ張りコイルスプリング53の付勢力が印加され、矢印F方向に回動し、図16に示す状態となる。そして、給紙トレイ9は側壁11に設けた図示せぬストッパに当接して、更なる給紙トレイ9の挿入は阻止される。
【0037】
スライド部材46が図15に示す状態から図16に示す状態に移行する過程は、スライド部材46が矢印D方向に回動する際に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により矢印C方向に戻されるので、第1の突起49は先端がカム状凸部54のカム面54bに接触しながら上昇し、図16に示すように、水平カム面54cに到達し、第1の突起49は、水平カム面54cに引っ掛かった状態となる。なお、スライド部材46が矢印D方向に回動する際に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により、スライド部材46の一端46aが大きく矢印D方向に回動しようとするが、カム状凸部55の一端55aに当接することにより、一端55aがストッパとなり、スライド部材46の一端46aが矢印D方向に回動しようとする勢いが減少する。その結果、第1の突起49は、必ず、水平カム面54cに引っ掛かる。
【0038】
またこのとき、第2の突起50は傾いた状態で給紙トレイ9の第3の凸部24の移動空間内に入り込むので、第2の突起50は給紙トレイ9の第3の凸部24に引っ掛かる。従って、オペレ−タが給紙トレイ9から手を離して、引っ張りコイルスプリング53の矢印C方向への付勢力がスライド部材46を介して給紙トレイ9に印加されても、引っ張りコイルスプリング53の矢印B方向への付勢力はL字状ア−ム35に印加され続け、給紙トレイ9は移動せず、図16に示す状態を保持する。
【0039】
そして、L字状ア−ム35が回動することにより、ポスト36が、図1に示すホッパプレ−ト26の張出部28に当接し、そのままホッパプレ−ト26を回動させて、図16に示すように上昇させる。すると、単票用紙4が、ホッピングロ−ラ5に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により押しつけられる。ここで、図4に示すモ−タ17が駆動され、単票用紙4は印刷装置1に供給される。印刷装置1に供給される単票用紙4の枚数が増えるに従って、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりL字状ア−ム35の矢印F方向への回動が進み、ポッピングロ−ラ5への単票用紙4の押圧は保持され続ける。なお、この時、ト−ションスプリング43の矢印A方向への付勢力が一番強くなっている。
【0040】
そして、給紙トレイ9に収納された単票用紙4が全て印刷装置1へ供給されると、図17に示す状態となり、ホッパプレ−ト26がホッピングロ−ラ5に当接する。
【0041】
次に単票用紙4を給紙トレイ9に新たに収納するために、給紙トレイ9を給紙装置本体8から抜く動作について説明する。
【0042】
図18において、オペレ−タは給紙トレイ9を矢印B方向へ押し込む。すると、給紙トレイ9の移動と共にスライド部材46も矢印B方向へ移動し、第1の突起49はカム面54cから外れる。すると、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりスライド部材46は支持ポスト47、支持ポスト48を支点として矢印D方向へ回動し、図19に示す状態となる。すなわち、第1の突起49はカム状凸部54からの保持から開放され、それにより、スライド部材46は真っ直ぐになるので、第2の突起50も第3の凸部24から開放される。
【0043】
ここで、給紙トレイ9を矢印B方向に押し込んでいる力を解除すると、図20に示すように、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりスライド部材46と給紙トレイ9は矢印C方向に移動する。すると、引っ張りコイルスプリング53は、図5に示す付勢力がゼロの状態に近付いていくことになるので、引っ張りコイルスプリング53の矢印B方向への付勢力も徐々に弱くなっていく。すると、L字状ア−ム35を矢印F方向に回動させておく付勢力が弱くなるので、ホッパプレ−ト26が自重で矢印G方向に回動し、それと共にL字状ア−ム35も矢印G方向に回動し、下降する。
【0044】
一方、給紙トレイ9を矢印B方向に押し込んでいる力を解除すると、第1のリンク39と第2のリンク40はト−ションスプリング43の付勢力により両リンクが一直線状態となった位置を通過し、リンクストッパ44まで確実に到達する。そして、図11に示す状態に戻り、オペレ−タが給紙トレイ9を矢印C方向に更に抜くことにより、給紙トレイ9を給紙装置本体8から抜き取ることができる。
【0045】
上記第1実施例においては、オペレ−タが印刷装置1あるいは給紙装置本体8から抜き差しする給紙トレイ9に、単票用紙4をホッピングロ−ラ5に押圧する機構部材が取り付けられていないので、給紙トレイ9が軽くなり、取り扱いやすくなる。また、給紙トレイ9を誤って落としてしまっても、機構部材を破損してしまうことのない信頼性の高い給紙装置3を提供することができる。更に、給紙トレイ9は簡単な構造となっているので、給紙トレイ9を構成する部品点数は少ない。従って、安価な給紙トレイ9を製造することができるので、単票用紙4のサイズの種類数に応じて複数個の給紙トレイ9を常備して運用しなくてはならなくても問題ない。
【0046】
第2実施例
次に本発明の第2実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上記第1実施例と同様な部分には同一の符号を付して説明は省略する。図21は第2実施例のリンク機構を示す説明図である。
【0047】
この第2実施例において、上記第1実施例と異なる点は、ホッパプレ−ト26が上昇しておらず、L字状ア−ム35が静止している状態(図21に示す位置をL字状ア−ム35が静止している状態とする)で、L字状ア−ム35のポスト36の中心とポスト38の中心とを結んだ線Zよりも、リンクポスト41が、用紙トレイ9装着方向上流に位置し、且つ第2のリンク40がリンクストッパ44に当接している状態で、第1のリンク39のポスト38の中心と、リンクポスト41の中心とを結んだ線Xが垂直となるように、L字状ア−ム35の回動支点であるポスト34と、第1のリンク39の回動支点であるポスト38と、第2のリンク40と、リンクポスト41と、リンクストッパ44とを配置する。
【0048】
リンク機構57を上記の構成とすると、L字状ア−ム35が下降してくる際に、第1のリンク39の自重で確実に垂直位置すなわち、ポスト38の中心と、リンクポスト41の中心とを結んだ線Xが垂直となる位置まで戻すことが可能となる。従って、ト−ションスプリング43を削除することができる。
【0049】
以上が上記第1実施例と異なる点である。その他の点は上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0050】
上記第2実施例においては、上記第1実施例と同様の効果を奏すると共に、必要な構成部品の数を減らすことができる。また、L字状ア−ム35の回転角が大きくなっても、ト−ションスプリング43のように、弾性力が増加していくことがないので、弾性力の増加による単票用紙4のホッピングロ−ラ5への押圧力の影響がない。
【0051】
第3実施例
次に本発明の第3実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上記第1実施例と同様な部分には同一の符号を付して説明は省略する。図22は第3実施例のリンク機構を示す説明図である。
【0052】
この第3実施例において、上記第1実施例と異なる点は、図22に示すように、第2のリンク40が矢印H方向に回動する際に描かれる回動軌跡に対応する位置の側壁11の面が、給紙トレイ側に垂直に突出して、カム状壁58が形成されている。カム状壁58にはリンク係止部59が設けられている。なお、リンク係止部59はポスト36よりも用紙トレイ装着方向上流に対応する位置に形成されている。すなわち、L字状ア−ム35が静止している状態における、L字状ア−ム35の回動支点であるポスト34からポスト36までの距離よりも、ポスト34からリンク係止部59までの距離の方が長い位置に、リンク係止部59が形成されている。
【0053】
そして、この第3実施例においては、第1のリンク39が設けられておらず、第2のリンク40の他端40aは、リンク係止部59に係止されている。ポスト36にはト−ションスプリング60が巻装され、ト−ションスプリング60の一端はL字状ア−ム35の一端に形成されたスプリング掛け用孔61に取り付けられ、他端は第2のリンク40に取り付けられている。そして、このト−ションスプリング60は、第2のリンク40をリンク係止部59に係止させる方向(矢印I方向)に付勢している。
【0054】
以上第2のリンク40と、カム状壁58と、リンク係止部59と、ト−ションスプリング60とからリンク機構57が構成されている。
【0055】
次に、リンク機構57を上記の構成とした場合の給紙トレイ9を給紙装置本体8に装着する際の動作について説明する。なお、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着される前は、第2のリンク40及びL字状ア−ム35は図22に示す位置に位置付けられている状態とする。図23は第3実施例のリンク機構の動作を示す説明図である。
【0056】
上記第1実施例と同様に、給紙トレイ9を給紙装置本体8に挿入すると、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりL字状ア−ム53の一端が矢印F方向に回動しようとするが、第2のリンク40の他端40aがリンク係止部59に引っ掛かっているので回動は阻止される。更に給紙トレイ9を挿入していくと、給紙トレイ9の第1の凸部22がリンクポスト41に当接し、リンクポスト41を押す。すると、図23に示すように、第2のリンク40の他端40aがリンク係止部59から抜け出る。そして、L字状ア−ム35は矢印F方向に回動し始め、それにより、第2のリンク40の他端40aは2点鎖線で示すように、カム状壁58に沿って摺動する。そして、ポスト36がホッパプレ−ト26の張出部28を押圧してホッパプレ−ト26に積載された単票用紙4をポッピングロ−ラ5に押圧する。
【0057】
一方、給紙トレイ9が給紙装置本体8から抜かれると、L字状ア−ム35は上記第1実施例と同様に下降し、第2のリンク40はト−ションスプリング60の付勢力によりリンク係止部59に再び係止される。
【0058】
以上が上記第1実施例と異なる点である。その他の点は上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0059】
上記第3実施例においては、上記第1実施例と同様の効果を奏すると共に、必要な構成部品の数を減らすことができる。また、L字状ア−ム35の回転角が大きくなっても、ト−ションスプリング43のように、弾性力が増加していくことがないので、弾性力の増加による単票用紙4のホッピングロ−ラ5への押圧力の影響がない。
【0060】
第4実施例
次に本発明の第4実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上記第1実施例と同様な部分には同一の符号を付して説明は省略する。図24は第4実施例の給紙トレイを示す斜視図、図25は第4実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図である。
【0061】
この第4実施例において、上記第1実施例と異なる点は、給紙トレイ9には、第3の凸部24が形成されておらず、トレイフレ−ム30には、ロックア−ム63が、トレイフレ−ム30に左右対称に一体に形成されたポスト65により回動自在に取り付けられている。ロックア−ム63は、側壁20、21方向にそれぞれ伸びて、ロックア−ム63の先端は、フックア−ム64となっている。そして、このロックア−ム63は図示せぬ付勢手段により矢印P方向に付勢されている。
【0062】
図25において、給紙装置本体8の側壁11には、上記第1実施例で形成されていたカム状凸部54とカム状凸部55とがなく、給紙トレイ支持面33には、垂直壁33bが形成されている。また、スライド部材46には、第1の突起49と第2の突起50とが形成されていない。それ故、その分スライド部材46の長さは第1実施例よりも短くなっている。
【0063】
以上L字状ア−ム35と、スライド部材46と、支持ポスト47と、支持ポスト48と、引っ張りコイルスプリング53と、リンク機構57と、垂直壁33bとから上昇機構32が構成されている。また、第1の凸部22と、第2の凸部23と、フックア−ム64とから上昇機構動作部31が構成されている。
【0064】
次に上記構成における給紙トレイ9の給紙装置3への着脱動作について説明する。図26、図27、図28は第4実施例の動作を示す説明図である。なお、説明に不必要な部分は省略してある。
【0065】
図26において、まず、単票用紙4が収納された給紙トレイ9の摺動支持面25を、給紙トレイ支持面33に乗せて給紙装置本体8に矢印B方向へ押し込むことにより挿入していく。すると、給紙トレイ9の第1の凸部22がスライド部材46の支持ポスト47に当接する位置に到達する。
【0066】
更に、オペレ−タが矢印B方向に給紙トレイ9を挿入すると、スライド部材46も、第1の凸部22に押圧されて矢印B方向に給紙トレイ9と共に移動する。一方、ロックア−ム64は、用紙トレイ支持面33の一端33aに当接する。更に、オペレ−タが矢印B方向に給紙トレイ9を挿入し、所定位置まで給紙トレイ9が挿入されると、ロックア−ム64は矢印J方向に回動して一端39aを乗り越えて、図27に示すように垂直壁39bに引っ掛かり、給紙トレイ9は給紙装置本体8に係止される。それと同時に、第2の凸部23がリンクポスト41を押圧し、L字状ア−ム35には引っ張りコイルスプリング53の付勢力が印加され、ポッパプレ−ト26がポスト36により押圧されて上昇する。それにより、単票用紙4がポッピングロ−ラ5に当接し、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により単票用紙4はポッピングロ−ラ5への押圧状態が保持される。そして、モ−タ17の駆動によりホッピングロ−ラ5が回転し、単票用紙4が印刷装置1へ供給される。
【0067】
次に単票用紙4を給紙トレイ9に新たに収納するために、給紙トレイ9を給紙装置本体8から抜く動作について説明する。
【0068】
図28において、オペレ−タがフックア−ム64を矢印K方向に回動させると、フックア−ム64と垂直壁39bとの係止状態が解除される。すると、上記第1実施例と同様に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により給紙トレイ9は矢印C方向に押し出され、それと同時に、ホッパプレ−ト26も下降する。
【0069】
以上が上記第1実施例と異なる点である。その他の点は上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0070】
上記第4実施例においては、上記第1実施例と同様の効果を奏することができると共に、給紙トレイ9側においては、凸部の数を減らすことができ、給紙装置本体8側においては、スライド部材46に第1の突起49、第2の突起50を設ける必要がなく、また、側壁11にカム状凸部54、カム状凸部55を設ける必要がないので、その分必要な構成部品の数を減らすことができる。
【0071】
第5実施例
次に本発明の第5実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上記第1実施例と同様な部分には同一の符号を付して説明は省略する。図29は第5実施例の給紙トレイを示す斜視図、図30は第5実施例の給紙トレイの一部の構造を示す説明図である。
この第5実施例において、上記第1実施例と異なる点は、図29、図30において、給紙トレイ9のトレイフレ−ム30の左右の側壁20、21には、給紙トレイ9の略中央部に、給紙トレイ装着方向と直交する方向に側壁20、21が突出して形成された第1の凸部66a、66bと、第1の凸部66から所定の距離L1だけ給紙トレイ装着方向下流で、給紙トレイ装着方向と直交する方向に側壁20、21が突出して形成された第2の凸部67a、67bが設けられている。
【0072】
なお、第1の凸部66は、上記第1実施例の第1の凸部22と同一であり、第2の凸部67は、上記第1実施例の第3の凸部24と同一である。すなわち、第1実施例と同様に、左側の側壁20の第1の凸部66と右側の側壁21の第1の凸部66との間の幅は、側壁20、21間の最大幅よりもわずかに狭い幅を有している。
【0073】
側壁20、21には、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着される際に、給紙装置3の後述する給紙トレイ支持面上を摺動する摺動支持面25が形成されている。側壁20、21にはまた、ホッパプレ−ト26が、ポスト27a、27bにより回動自在に取り付けられている。回動支点と反対側端部のホッパプレ−ト26には、張出部28が形成されている。そして、この張出部28は、張出部28の回動軌跡に沿って側壁20、21に形成された開口29から側壁外側に突出しており、その突出位置は、摺動支持面25からわずかに高い位置となっている。
【0074】
側壁20、21にはまた、張出部28の下部に対応する位置から所定距離だけ給紙トレイ9装着方向下流に、規制リブ68が給紙トレイ9方向に突出して形成されている。
【0075】
以上第1の凸部66と、第2の凸部67と、規制リブ68とから上昇機構動作部31が構成されている。
【0076】
次に給紙装置3の側壁10、11に設けられた上昇機構32について説明する。ここでは、右側の側壁11について説明するが、左側の側壁10についても、同一部材が右側の側壁11と対称に具備されている。図31は第5実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図、図32、図33は第5実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図である。
【0077】
図31、図32において、側壁11には、用紙トレイ支持面33が形成されており、用紙トレイ支持面33上は、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着される際に、上述した摺動支持面25が摺動する。用紙トレイ支持面33に一体に形成されたポスト34には、略三角形のア−ム69が回動自在に取り付けられている。三角形ア−ム69の一端には、ポスト36が給紙トレイ9側に向かって取り付けられており、このポスト36の取り付け位置は、給紙トレイ9が給紙装置本体8に装着された際に、ホッパプレ−ト26に形成された張出部28の下部に位置付けられる位置であって、また、給紙カセット9が挿入される際に、上記規制リブ68が上方を通過する位置である。
【0078】
また、三角形ア−ム69の他端には、スプリング掛け用孔37が開けられている。このスプリング掛け用孔37には、上記第1実施例に示した引っ張りコイルスプリング53の他端が取り付けられている。そして、引っ張りコイルスプリング53に付勢力が発生すると、三角形ア−ム69の他端が矢印F方向に付勢される。
【0079】
三角形ア−ム69の重心Nは、図33に示すように、ポスト34を通る垂直線Wよりも給紙トレイ装着方向上流に位置するようになっており、垂直線Wよりも給紙トレイ装着方向上流に位置する三角形ア−ム69の重量が、引っ張りコイルスプリング53と、引っ張りコイルスプリング53の一端が取り付けられているスライド部材46とを合わせた重量よりも重くなるように設定されている。それ故、三角形ア−ム69は、給紙トレイ9が装着されていない状態では、ポスト34を支点として、常に自重で矢印G方向に回動し、ポスト36が用紙トレイ支持面33よりも下に位置した状態で静止している。
【0080】
以上三角形ア−ム69と、スライド部材46と、支持ポスト47と、支持ポスト48と、引っ張りコイルスプリング53と、第1の突起49と、第2の突起50と、カム状凸部54とから上昇機構32が構成されている。
【0081】
なお、本実施例においては、側壁11、12には上記第1実施例に示したリンク機構57は設けられていない。以上が上記第1実施例と異なる点である。その他の構造は上記第1実施例と同様なので、説明は省略する。
【0082】
次に上記構成における給紙トレイ9の給紙装置3への着脱動作について説明する。図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40、図41、図42、図43は第5実施例の動作を示す説明図である。なお、説明に不必要な部分は省略してある。また給紙トレイ9側、及び給紙装置本体8のフレ−ムは2点鎖線で示してある。また、給紙装置本体8のの右側面側しか示してしないが、左側面側も同様の動作を行う。
【0083】
まず、オペレ−タが給紙トレイ9に単票用紙4を収納し、図34に示す給紙トレイ支持面33に給紙トレイ9の摺動支持面25を乗せて給紙装置本体8に矢印B方向へ押し込むことにより挿入していく。この時、ホッパプレ−ト26は下降しているので、単票用紙4はホッピングロ−ラ5と接触することなく、給紙トレイ9の第2の凸部67はスライド部材46の支持ポスト47と第2の突起50とに接触することなく、下側を通過する。更に給紙トレイ9を矢印B方向へ挿入すると、図35に示すように、給紙トレイ9の第1の凸部66がスライド部材46の支持ポスト47に当接する位置に到達する。
【0084】
更に、オペレ−タが矢印B方向に給紙トレイ9を挿入すると、スライド部材46も、第1の凸部66に押圧されて矢印B方向に給紙トレイ9と共に移動する。この時、側壁11の支持突起56が引っ張りコイルスプリング53を支持しているので、スライド部材46は略水平状態を保って移動する。そして、スライド部材46の移動にともなって引っ張りコイルスプリング53が伸びて付勢力が発生し始める。すると、三角形ア−ム69が側壁21のポスト34を支点として矢印F方向に回動しようとするが、ポスト36の上方には規制リブ68が位置付けられているので、三角形ア−ム69の回動は阻止される。従って、ホッパプレ−ト26は下降した状態を保持し続ける。
【0085】
その後、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入すると、図36に示すように、スライド部材46の第1の突起49がカム状凸部54のカム面54aに当接し、第1の突起49はカム状凸部54のカム面54aに沿いながら移動する。すると、スライド部材46は支持ポスト47、支持ポスト48を支点として矢印E方向に回動しながら矢印B方向への移動をし続ける。
【0086】
その後、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入すると、図37に示すように、ポスト36の上方を規制リブ68が通過する。そして、更にオペレ−タが給紙トレイ9を矢印B方向に挿入し、図38に示すように、スライド部材46の第1の突起49がカム状凸部54のカム面54aを通過する位置まで給紙トレイ9が挿入されると、引っ張りコイルスプリング53の矢印C方向への付勢力によりスライド部材46は支持ポスト47と支持ポスト48を支点として矢印D方向に回動する。このとき、ポスト36が引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりポスト34を支点として矢印F方向に回動し、図39に示す状態となる。そして、給紙トレイ9は側壁11に設けられた図示せぬストッパに当接して、更なる給紙トレイ9の挿入は阻止される。
【0087】
スライド部材46が図38に示す状態から図39に示す状態に移行する過程は、スライド部材46が矢印D方向に回動する際に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により矢印C方向に戻されるので、第1の突起49は先端がカム状凸部54のカム面54bに接触しながら上昇し、図39に示すように、水平カム面54cに到達し、第1の突起49は、水平カム面54cに引っ掛かった状態となる。なお、スライド部材46が矢印D方向に回動する際に、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により、スライド部材46の端部46aが大きく矢印D方向に回動しようとするが、カム状凸部55の一端55aに当接することにより、一端55aがストッパとなり、スライド部材46の端部46aが矢印D方向に回動しようとする勢いが減少する。その結果、第1の突起49は、必ず、水平カム面54cに引っ掛かる。
【0088】
またこのとき、第2の突起50は傾いた状態で給紙トレイ9の第2の凸部67の移動空間内に入り込むので、第2の突起50は給紙トレイ9の第2の凸部67に引っ掛かる。従って、オペレ−タが給紙トレイ9から手を離して、引っ張りコイルスプリング53の矢印C方向への付勢力がスライド部材46を介して給紙トレイ9に印加されても、引っ張りコイルスプリング53の矢印B方向への付勢力は三角形ア−ム69に印加され続け、給紙トレイ9は移動せず、図39に示す状態を保持する。
【0089】
そして、三角形ア−ム69が回動することにより、ポスト36が図29に示すホッパプレ−ト26の張出部28に当接し、そのままホッパプレ−ト26を回動させて、図39に示すように上昇させる。すると、単票用紙4がホッピングロ−ラ5に引っ張りコイルスプリング53の付勢力により押しつけられる。ここで、図4に示すモ−タ17が駆動され、単票用紙4は印刷装置1に供給される。印刷装置1に供給される単票用紙4の枚数が増えるに従って、引っ張りコイルスプリング53の付勢力により三角形ア−ム69の矢印F方向への回動が進み、ポッピングロ−ラ5への単票用紙4の押圧は保持され続ける。
【0090】
そして、給紙トレイ9に収納された単票用紙4が全て印刷装置1へ供給されると、図40に示す状態となり、ホッパプレ−ト26がホッピングロ−ラ5に当接する。
【0091】
次に単票用紙4を給紙トレイ9に新たに収納するために、給紙トレイ9を給紙装置本体8から抜く動作について説明する。
【0092】
図41において、オペレ−タは給紙トレイ9を矢印B方向へ押し込む。すると、給紙トレイ9の移動と共にスライド部材46も矢印B方向へ移動し、第1の突起49はカム面54cから外れる。すると、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりスライド部材46は支持ポスト47、支持ポスト48を支点として矢印D方向へ回動し、図42に示す状態となる。すなわち、第1の突起49はカム状凸部54からの保持から開放され、それにより、スライド部材46は真っ直ぐになるので、第2の突起50も第2の凸部67から開放される。
【0093】
ここで、給紙トレイ9を矢印B方向に押し込んでいる力を解除すると、図43に示すように、引っ張りコイルスプリング53の付勢力によりスライド部材46と給紙トレイ9は矢印C方向に移動する。すると、引っ張りコイルスプリング53は、付勢力がゼロの状態に近付いていくことになるので、引っ張りコイルスプリング53の矢印B方向への付勢力も徐々に弱くなっていく。すると、三角形ア−ム69を矢印F方向に回動させておく付勢力が弱くなるので、三角形ア−ム69は自重で矢印G方向に回動し、ポスト36が用紙トレイ支持面33よりも下方まで下がる。そして、それと共にホッパプレ−ト26も矢印G方向に回動し、下降する。
【0094】
オペレ−タが給紙トレイ9を矢印C方向に更に抜くことにより、給紙トレイ9を給紙装置本体8から抜き取ることができる。
【0095】
以上が上記第1実施例と異なる点である。その他の点は上記第1実施例と同様なので説明は省略する。
【0096】
上記第5実施例においては、上記第1実施例と同様の効果を奏することができると共に、給紙トレイ9側においては、凸部の数を減らすことができ、また、給紙装置本体8側においては、リンク機構57を必要としないので、その分必要な構成部品の数を減らすことができる。
【0097】
また、三角形ア−ム69の回転角が大きくなっても、ト−ションスプリング43のように、弾性力が増加していくことがないので、弾性力の増加による単票用紙4のホッピングロ−ラ5への押圧力の影響がない。
【0098】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したように構成されているので、以下に記載される効果を奏する。給紙装置本体に、用紙トレイが内部に装着されると、ホッパプレ−トを上昇させる上昇機構を設け、用紙トレイに、給紙装置の所定位置への装着にともない、ホッパプレ−トを上昇させる方向に上昇機構を働かす上昇機構動作部を設けたことにより、オペレ−タが給紙装置本体から抜き差しする給紙トレイに、単票用紙をホッピングロ−ラに押圧する機構部材が取り付けられていない。
その結果、給紙トレイが軽くなり、取り扱いやすくなる。また給紙トレイを誤って落としてしまっても、機構部材を破損してしまうことのない信頼性の高い給紙装置を提供することができる。
【0099】
更に、給紙トレイは簡単な構造となっているので、給紙トレイを構成する部品点数は少ない。従って、安価な給紙トレイを製造することができるので、単票用紙のサイズの種類数に応じて複数個の給紙トレイを常備して運用しなくてはならなくても問題ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の給紙トレイを示す斜視図である。
【図2】第1実施例の印刷装置の構造を示す説明図である。
【図3】第1実施例の給紙装置を示す斜視図である。
【図4】第1実施例の給紙装置の構造を示す説明図である。
【図5】第1実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図である。
【図6】第1実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図である。
【図7】第1実施例のスライド部材を示す斜視図である。
【図8】第1実施例のスライド部材を示す側面図である。
【図9】第1実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図である。
【図10】第1実施例のスライド部材を示す側面図である。
【図11】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図12】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図13】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図14】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図15】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図16】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図17】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図18】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図19】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図20】第1実施例の動作を示す説明図である。
【図21】第2実施例のリンク機構を示す説明図である。
【図22】第3実施例のリンク機構を示す説明図である。
【図23】第3実施例のリンク機構の動作を示す説明図である。
【図24】第4実施例の給紙トレイを示す斜視図である。
【図25】第4実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図である。
【図26】第4実施例の動作を示す説明図である。
【図27】第4実施例の動作を示す説明図である。
【図28】第4実施例の動作を示す説明図である。
【図29】第5実施例の給紙トレイを示す斜視図である。
【図30】第5実施例の給紙トレイの一部の構造を示す説明図である。
【図31】第5実施例の給紙装置本体の一部を示す斜視図である。
【図32】第5実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図である。
【図33】第5実施例の給紙装置本体の一部の構造を示す説明図である。
【図34】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図35】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図36】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図37】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図38】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図39】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図40】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図41】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図42】第5実施例の動作を示す説明図である。
【図43】第5実施例の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
3 給紙装置
8 給紙装置本体
9 給紙トレイ
22 第1の凸部
23 第2の凸部
24 第3の凸部
26 ホッパプレ−ト
31 上昇機構動作部
32 上昇機構
35 L字状ア−ム
39 第1のリンク
40 第2のリンク
41 リンクポスト
43 ト−ションスプリング
44 リンクストッパ
46 スライド部材
47 支持ポスト
48 支持ポスト
49 第1の突起
50 第2の突起
53 引っ張りコイルスプリング
54 カム状凸部
55 カム状凸部
57 リンク機構
58 カム状壁
59 リンク係止部
60 ト−ションスプリング
63 ロックア−ム
64 フックア−ム
66 第1の凸部
67 第2の凸部
68 規制リブ
69 三角形ア−ム

Claims (9)

  1. 単票用紙が積載されたホッパプレ−トを回動自在に備えた給紙トレイが、給紙装置内部に装着されると、ホッパプレートが上昇し、ホッパプレ−トに積載された単票用紙がホッピングロ−ラに押しつけられて繰り出される給紙装置であって、
    給紙装置本体に備えられ、給紙トレイの給紙装置本体への装着に伴い該ホッパプレートを上昇方向に付勢する付勢部と、該付勢部の付勢力に抗して該ホッパプレートの上昇を阻止する阻止部とからなる上昇機構と、
    給紙トレイに備えられ、給紙トレイが給紙装置本体の所定の位置へ装着されると該上昇機構の阻止部の作用を解除する機構と、阻止部の作用の解除により該上昇機構の付勢力を働かせ該ホッパプレートを上昇方向に動かす機構とからなる上昇機構動作部とを備え、
    上記上昇機構の付勢部は、側壁に回動自在に設けられ、給紙トレイの装着時に、一端がホッパプレ−トの一部に対向する略L字状のア−ムと、
    L字状ア−ムよりも給紙トレイ装着方向下流に設けられ、給紙装置の側壁に対して摺動及び回動自在に支持されたスライド部材と、
    スライド部材に設けられた支持ポストと、
    スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で側壁側に向かって突出している第1の突起と、
    スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で給紙トレイ側に向かって突出している第2の突起と、
    一端がスライド部材の他端に取り付けられ、他端がL字状ア−ムの他端に取り付けられ、L字状ア−ムとスライド部材とを互いに近付ける方向に付勢する付勢部材と、
    上記スライド部材よりも給紙トレイ装着方向下流に設けられ、給紙トレイ装着時に上記第1の突起が引っ掛かり、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する水平カム面を備えたカム状凸部とから構成され
    上記上昇機構の阻止部は、給紙トレイが所定位置に装着されていない場合に、上記L字状ア−ムの給紙トレイ方向への回動を阻止するリンク機構から構成され、
    上記上昇機構動作部のホッパプレートを上昇方向に動かす機構は、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着により、上記支持ポストに当接し、スライド部材を摺動させる第1の凸部と、
    上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向下流で、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着により、上記第2の突起をひっ掛け、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する第3の凸部とから構成され、
    上記上昇機構動作部における上昇機構の阻止部の作用を解除する機構は、上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向上流で、上記給紙トレイの側壁が、給紙トレイ装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着によりリンク機構の一部を回動させて、L字状ア−ムをホッパプレ−トを上昇させる方向へ回動させる第2の凸部で構成される給紙装置。
  2. 上記リンク機構は、一端が側壁に回動自在に設けられた第1のリンクと、
    一端がL字状ア−ムの一端に取り付けられ、他端が第1のリンクの他端と係合し、回動する第2のリンクと、
    第1のリンクと第2のリンクの回動を阻止する阻止機構と、
    第1のリンクと第2のリンクとの係合地点に設けられ、上記給紙トレイの所定位置までの装着により第2の凸部に押圧され、上記第1のリンクと第2のリンクとを該阻止機構に抗して回動させるリンクポストとから構成される請求項記載の給紙装置。
  3. 上記第1のリンクと第2のリンクの回動を阻止するの阻止機構は、第1のリンクに取り付けられ、回動を阻止する方向へ第1のリンクと第2のリンクを付勢するト−ションスプリングと、
    給紙装置本体のト−ションスプリングの付勢力が印加される方向に設けられ、第1のリンクと第2のリンクとを静止させるリンクストッパとから構成される請求項記載の給紙装置。
  4. 上記第1のリンクと第2のリンクの回動の阻止機構は、ホッパプレ−トが上昇しておらず、L字状ア−ムが静止している状態で、第2のリンクが取り付けられたL字状ア−ムの一端の中心と、第1のリンクの一端の回動中心とを結んだ線よりも、上記リンクポストが給紙トレイ装着方向上流に位置し、且つ第1のリンクの一端の回動中心と、リンクポストの中心とを結んだ線が垂直となるように、L字状ア−ムと第1のリンクと第2のリンクとリンクポストとを配置したことにより行われる請求項記載の給紙装置。
  5. 上記リンク機構は、一端がL字状ア−ムの一端に取り付けられ、静止時にはL字状ア−ムの回動を阻止し、回動すると、L字状ア−ムをホッパプレ−トに当接する方向に回動させるリンクと、
    上記リンクの回動軌跡に対応する給紙装置の側壁に形成されたカム状壁と、
    L字状ア−ムが静止している状態において、上記リンクの一端よりも給紙トレイ装着方向上流に対応する位置のカム状壁に形成されたリンク係止部と、
    一端がL字状ア−ムの一端に取り付けられ、他端が上記リンクに取り付けられ、リンクの他端をリンク係止部に係止させる方向に付勢するト−ションスプリングとから構成される請求項記載の給紙装置。
  6. 単票用紙が積載されたホッパプレ−トを回動自在に備えた給紙トレイが、給紙装置内部に装着されると、ホッパプレートが上昇し、ホッパプレ−トに積載された単票用紙がホッピングロ−ラに押しつけられて繰り出される給紙装置であって、
    給紙装置本体に備えられ、給紙トレイの給紙装置本体への装着に伴い該ホッパプレートを上昇方向に付勢する付勢部と、該付勢部の付勢力に抗して該ホッパプレートの上昇を阻止する阻止部とからなる上昇機構と、
    給紙トレイに備えられ、給紙トレイが給紙装置本体の所定の位置へ装着されると該上昇機構の阻止部の作用を解除する機構と、阻止部の作用の解除により該上昇機構の付勢力を働かせ該ホッパプレートを上昇方向に動かす機構とからなる上昇機構動作部とを備え、
    上記上昇機構の付勢部は、側壁に回動自在に設けられ、給紙トレイの装着時に、一端がホッパプレ−トの一部に対向する略L字状のア−ムと、
    L字状ア−ムよりも給紙トレイ装着方向下流に設けられ、給紙装置の側壁に対して摺動及び回動自在に支持されたスライド部材と、
    スライド部材に設けられた支持ポストと、
    一端がスライド部材の他端に取り付けられ、他端がL字状ア−ムの他端に取り付けられ、L字状ア−ムとスライド部材とを互いに近付ける方向に付勢する付勢部材と給紙トレイ装着時に給紙トレイが摺動する摺動面に垂直に形成された垂直壁とから構成され、
    上記上昇機構の阻止部は、給紙トレイが所定位置に装着されていない場合には、上記L字状ア−ムの給紙トレイ方向への回動を阻止するリンク機構で構成され、
    上記上昇機構動作部のホッパプレートを上昇方向に動かす機構は、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの挿入により、上記支持ポストに当接し、スライド部材を摺動させる第1の凸部と、側壁に回動自在に設けられ、給紙トレイが所定位置に装着されると、上記垂直壁に引っ掛かり、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持するフックア−ムとから構成され、
    上記上昇機構動作部における上昇機構の阻止部の作用を解除する機構は、上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向上流で、上記給紙トレイの側壁が、給紙トレイ装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの挿入によりリンク機構の一部を回動させて、L字状ア−ムをホッパプレートを上昇させる方向へ回動させる第2の凸部で構成される給紙装置。
  7. 上記リンク機構は、一端が側壁に回動自在に設けられた第1のリンクと、
    一端がL字状ア−ムの一端に取り付けられ、他端が第1のリンクの他端と係合し、回動する第2のリンクと、
    第1のリンクと第2のリンクの回動を阻止する阻止機構と、
    第1のリンクと第2のリンクとの係合地点に設けられ、上記給紙トレイの所定位置までの装着により第2の凸部に押圧され、上記第1のリンクと第2のリンクとを該阻止機構に抗して回動させるリンクポストとから構成される請求項6記載の給紙装置。
  8. 上記第1のリンクと第2のリンクの回動を阻止する阻止機構は、第1のリンクに取り付けられ、回動を阻止する方向へ第1のリンクと第2のリンクを付勢するト−ションスプリングと、
    給紙装置本体のト−ションスプリングの付勢力が印加される方向に設けられ、第1のリンクと第2のリンクとを静止させるリンクストッパとから構成される請求項7記載の給紙装置。
  9. 単票用紙が積載されたホッパプレ−トを回動自在に備えた給紙トレイが、給紙装置内部に装着されると、ホッパプレートが上昇し、ホッパプレ−トに積載された単票用紙がホッピングロ−ラに押しつけられて繰り出される給紙装置において、
    給紙装置本体に、給紙トレイが内部に装着されると、ホッパプレートを上昇させる上昇機構を設け、
    給紙トレイに、給紙装置の所定位置への装着にともない、ホッパプレートを上昇させる方向に上昇機構を働かす上昇機構動作部とを備え、
    上記上昇機構は、側壁に回動自在に設けられ、自重で、一端は給紙トレイの装着時に給紙トレイが摺動する摺動面よりも下方に位置し、回動することにより一端がホッパプレ−トを上昇させる略三角形のア−ムと、
    三角形ア−ムよりも用紙カセット装着方向下流に設けられ、給紙装置の側壁に対して摺動及び回動自在に支持されたスライド部材と、
    スライド部材に設けられた支持ポストと、
    一端がスライド部材に取り付けられ、他端が三角形ア−ムの他端に取り付けられ、三角形ア−ムとスライド部材とを互いに近付ける方向に付勢する付勢部材と、
    スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で側壁側に向かって突出している第1の突起と、
    スライド部材の側面に設けられ、上記支持ポストよりも給紙トレイ装着方向下流で給紙トレイ側に向かって突出している第2の突起と、
    上記スライド部材よりも給紙トレイ装着方向上流に設けられ、給紙トレイ装着時に上記第1の突起が引っ掛かり、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する水平カム面を備えたカム状凸部とから構成され、
    上記上昇機構動作部は、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙トレイの所定位置までの装着により、上記支持ポストに当接し、スライド部材を摺動させる第1の凸部と、
    上記第1の凸部よりも給紙トレイ装着方向下流で、上記給紙トレイの側壁が、装着方向と直交する方向に突出して形成され、給紙装置の所定位置までの装着により、上記第2の突起をひっ掛け、ホッパプレ−トが上昇した状態を保持する第2の凸部と、
    給紙トレイ装着時、上記三角形ア−ムの一端よりも上方を摺動し、給紙トレイ方向に突出して給紙トレイ装着方向に所定長さだけ設けられ、給紙トレイが所定位置まで装着されるまでは三角形ア−ムの回動を規制する規制リブとから構成される給紙装置。
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