JP3550209B2 - 印刷物の汚れ識別装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえば、印刷物の印刷状態を検査する印刷物検査装置において、印刷物の変色、折り目、しわ、しみ、印刷のかすれ、穴、破れ、切れなどの汚れを識別する印刷物の汚れ識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の印刷物の汚れ識別装置は、印刷物の一方の表面画像をテレビジョンカメラやラインセンサなどを用いた画像入力装置により、印刷物全面に亘って画像データを取込み、この取込んだ画像データを、あらかじめ設定されている基準データと比較することにより、汚れの識別を行なっている。
【0003】
具体的には、たとえば、特開昭60−176191号公報に開示されているように、印刷領域と無印刷領域をそれぞれ2値化し、抽出画素を累積して、その差を基準値と比較する方法が考えられている。
【0004】
さらに、特開昭59−57107号公報や、特開昭59−184807号公報に開示されているように、印刷物の表裏それぞれの画像データから、それぞれ汚れに関する物理量を計測し、表裏の各計測結果を加算して、その加算結果をあらかじめ設定されている基準データと比較する方法が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、上述したように、印刷物の汚れの識別方法として、印刷物の一方の面に対する汚れに関する特徴量を計測する方法や、印刷物の表裏それぞれの面に対する汚れに関する各特徴量をそれぞれ計測し、表裏の各計測結果を加算したものを印刷物の汚れに関する特徴量とする方法が行なわれてきたが、それらには以下のような問題点がある。
【0006】
汚れに関する特徴量を印刷物の一方の面に対してのみ計測する方法では、計測しないもう一方の面に汚れが生じていた場合、正確な汚れを識別することができない。
【0007】
また、印刷物の表裏の各物理量を加算して基準値と比較する方法では、いずれか一方が著しく汚れていた場合、その特徴量を評価に反映できないという問題を持つ。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷物の汚れ識別装置は、対象となる印刷物の一方の面の画像データを入力する第1の画像入力手段と、前記印刷物の他方の面の画像データを入力する第2の画像入力手段と、前記第1の画像入力手段により入力された前記印刷物の一方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第1の特定領域抽出手段と、前記第2の画像入力手段により入力された前記印刷物の他方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第2の特定領域抽出手段と、前記第1の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の一方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、前記第2の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の他方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、前記第1の特徴量抽出手段により抽出された特徴量をあらかじめ設定される基準値と比較することにより、前記印刷物の一方の面における汚れを判定する第1の汚れ判定手段と、前記第2の特徴量抽出手段により抽出された特徴量をあらかじめ設定される基準値と比較することにより、前記印刷物の他方の面における汚れを判定する第2の汚れ判定手段と、前記第1の汚れ判定手段の判定結果と前記第2の汚れ判定手段の判定結果とを比較し、この比較結果に基づきいずれか一方の判定結果を前記印刷物に対する最終的な汚れ識別結果として選択する評価手段とを具備している。
【0009】
また、本発明の印刷物の汚れ識別装置は、対象となる印刷物の一方の面の画像データを入力する第1の画像入力手段と、前記印刷物の他方の面の画像データを入力する第2の画像入力手段と、前記第1の画像入力手段により入力された前記印刷物の一方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第1の特定領域抽出手段と、前記第2の画像入力手段により入力された前記印刷物の他方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第2の特定領域抽出手段と、前記第1の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の一方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、前記第2の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の他方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、前記第1の特徴量抽出手段により抽出された特徴量と前記第2の特徴量抽出手段により抽出された特徴量とを比較し、この比較結果に基づきいずれか一方の特徴量を前記印刷物に対する特徴量として選択する特徴量統合手段と、この特徴量統合手段により選択された特徴量をあらかじめ設定された基準値と比較することにより前記印刷物に対する汚れを判定する汚れ判定手段とを具備している。
【0010】
【作用】
印刷物の一方の面の画像データから、汚れに関する特徴量をその特徴に応じた領域で抽出して、汚れを判定した結果と、もう一方の面の画像データから、同様に汚れを判定した結果とを合わせて評価することで、印刷物のいずれか一方の面に偏った汚れも正確に識別することができる。
【0011】
また、印刷物の一方の面で抽出した特徴量と、もう一方の面で抽出した特徴量とを合わせて評価することによっても、同様に印刷物のいずれか一方の面に偏った汚れであっても正確に識別することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施例について説明する。
図1は、第1の実施例に係る、印刷物の汚れ(たとえば、変色)を識別する印刷物の汚れ識別装置の構成を概略的に示すものである。すなわち、識別対象である印刷物Pの一方の面(表面)は、たとえば、テレビジョンカメラやラインセンサなどの光電変換部を含む画像入力部1によって、その表面全体が光学的に走査され、光電変換されることにより全面の画像データが読取られ、デジタル化されて入力される。画像入力部1によって入力された印刷物Pの表面の画像データは、画像メモリ2に格納される。
【0013】
汚れに関する特徴量の抽出は、本実施例では、その特徴量に応じて領域を特定して処理するが、この特定領域の限定は、特定領域抽出部3によって行なわれる。すなわち、特定領域抽出部3は、印刷物P全面の画像データから抽出する特徴量に応じた特定領域を抽出する。特徴量抽出部4は、限定された特定領域内の画像データに対して所定の画像処理を行なうことにより、印刷物Pの表面に対する汚れの物理的現象を、特徴量と呼ばれる数値データとして抽出する。
【0014】
特徴量抽出部4から出力された各数値データは、それぞれ汚れ判定部5に入力され、入力画像の表面に対する汚れ具合、たとえば、1(最もきれい)〜M(最も汚い)のいずれかの数値が出力され、その表面における汚れの判定が行なわれる。
【0015】
同様に、印刷物Pの他方の面(裏面)に対しても、汚れの判定を行なうための画像入力部6、画像メモリ7、特定領域抽出部8、特徴量抽出部9、および汚れ判定部10が設けられており、これらは前記画像入力部1、画像メモリ2、特定領域抽出部3、特徴量抽出部4、および、汚れ判定部5と同様に構成されている。
【0016】
汚れ判定部5,10による印刷物Pの表裏それぞれの判定結果は、表裏評価部11にそれぞれ入力される。表裏評価部11は、あらかじめ設定された基準値を基に印刷物Pの汚れ具合、たとえば、1〜Mのいずれかの数値が出力され、印刷物Pに対する最終的な汚れ判定が行なわれる。
【0017】
以下、各部の処理について詳細に説明する。
画像入力部1は印刷物Pの表面全体の画像データを読取り、画像入力部6は印刷物Pの表面全体の画像データを読取る。なお、ここでは、画像入力部内の光電変換部を固定し、印刷物Pを搬送させることにより画像データを読取る場合を例に説明するが、これとは逆に、印刷物Pを固定し、画像入力部内の光電変換部を移動させることにより読取る場合も同様である。
【0018】
図2、図3は、画像入力部1,2の構成例を示している。すなわち、印刷物Pは、2本の搬送ベルト21,22によって挟持された状態で図示矢印方向に搬送される。搬送ベルト21,22の図面に対する下部には、基準板23が固定されていて、この基準板23上のほぼ中央部を印刷物Pが搬送されるようになっている。
【0019】
基準板23と対応する搬送ベルト21,22の図面に対する上部には、基準板23および搬送される印刷物Pを照明する照明用の光源24、および、基準板 23および搬送される印刷物P上からの反射光を受光して電気信号に変換する光電変換部25が配設されており、光電変換部25の出力はA/D変換器26に入力される。
【0020】
なお、光電変換部25の受光面には、印刷物P上から垂直に反射光(または、透過光でもよい)が入力される。この場合、光源24は、図3に示すように、印刷物Pと光電変換部25とを結ぶ直線Lからの角度θが、0°もしくは90°に近くなることを避けるように設け、たとえば、角度θが30°〜60°の間に入るように設置する。図3では、搬送方向に対して進行方向から照明する場合を図示してあるが、後方から照明してもよい。
【0021】
ここで、基準板23の役割について、図4に示す印刷物Pを例として具体的に説明する。図4に示す印刷物Pは、白紙上の中央部に白以外のインクにより「A」の文字が印刷されている画像とし、特徴量を抽出する特定領域は、図5に示す斜線領域、すなわち、画像データの中央領域とする。
【0022】
特徴量を抽出する領域に当たる背景には、反射率の高い物質を基準板23の中心部23aに用いる。また、この反射率の高い物質は、表裏に印刷のある印刷物Pを搬送させた場合、基準板23にインクなどが付着して反射率が低下しないように、汚れにくい物質でなければならない。すなわち、反射率が高く、かつ、汚れにくい物質を搬送される印刷物Pの裏側に設置する。この物質の例として、たとえば、オパールあるいはセラミックなどがあげられる。
【0023】
また、基準板23上の搬送ベルト21,22の外側に位置し、かつ、印刷物Pの搬送方向と直交する方向の両端部に対応する領域27,28は、印刷物Pの用紙とコントラストの高い色とする。たえば、図4のように白色の用紙の場合は黒色とする。これは、画像データを解析する場合に、印刷物Pの位置を容易に決定できるようにするためである。
【0024】
特定領域抽出部3,8は、位置情報や濃度情報などを用いて特定領域を抽出する(切出す)。図4を識別対象の印刷物Pの例として、特定領域の抽出方法を具体的に説明する。
【0025】
まず、読取った画像データから、印刷物P全面の領域を抽出する。ここで、印刷物Pは搬送されている場合を想定しているため、固定位置で抽出する場合、搬送むらなどの影響で正しく抽出できない場合が考えられる。そこで、本実施例では、濃度情報を基に印刷物Pの領域を抽出する。ここで、印刷物Pの用紙色と背景色とのコントラストが充分高くなるよう基準板23を設定しているため、濃度値による閾値設定で印刷物Pと背景との境界を容易に抽出できることは明白である。
【0026】
次に、特徴量を抽出する特定領域を抽出する。抽出方法の一例として、位置情報を用いて特定領域を抽出する方法を説明する。画像データのうち、図5の斜線領域、すなわち、画像データの中央領域を抽出する場合、この抽出領域は、印刷物Pの中心点sからの距離によって限定される領域である。印刷物Pの中心点sは、平行する2辺に平行で、2辺からの距離が等しい直線SL1と、もう一組の平行する2辺に平行で、2辺からの距離が等しい直線SL2との交点とする。この印刷物Pの中心点sから印刷物Pの4辺へそれぞれ垂線を引き、中心点sからの距離がtとなる線で囲まれた矩形の内部を抽出領域とする。
【0027】
次に、濃度情報を用いて特定領域を抽出する方法を説明する。画像データのうち、図6(a)に示す斜線の領域、すなわち、画像データの印刷領域を抽出する。この抽出領域は、画像データ全面の濃度値の頻度分布を求め(図6(b)参照)、この頻度分布の濃度値の低い部分、すなわち、濃度値H1〜H2までに相当する領域を抽出したものである。
【0028】
濃度値H1は、たとえば、入力可能な濃度値の範囲の最小値とする。他の濃度値H1の決定方法として、取込んだ画像データ全面の濃度値のうち、最も低い濃度値をH1とする方法もある。
【0029】
また、濃度値H2は、以下のようにして求める。汚れのないきれいな印刷物Pに対して、たとえば、濃淡画像の2値化方法として公知である「大津の判別分析法」などにより、印刷領域と無印刷領域とを分ける境界の濃度値を得、この境界の濃度値をH2とする。
【0030】
なお、特定領域の抽出方法は、これらに限定されるものではなく、たとえば、濃度値の中程度の領域を抽出することも勿論、可能である。
特徴量抽出部4,9は、特定領域抽出部3,8で抽出した特定領域内の画像データに対して、印刷物Pの汚れに関する特徴量を抽出する。ここで、特徴量抽出部4,9は、基本的に同じ処理を行なうことを前提に説明するが、本実施例においては、特徴量抽出部4,9が互いに異なった処理をしても、その効果になんら変わりはない。
【0031】
印刷物Pの汚れに関する特徴量としては、たとえば、印刷物の変色、折り目、しわ、しみ、印刷のかすれ、穴、破れ、切れなどがあげられる。これらの中から、本実施例では、特定領域抽出部3,8で抽出した図5、図6(a)の領域に対する抽出方法を例としてあげる。
【0032】
まず、図5に示す領域から抽出する印刷物Pの汚れに関する特徴量の1つとして、印刷物Pの用紙の変色があげられる。この変色の特徴抽出は、たとえば、図7に示すフローチャートにしたがって処理される。すなわち、図5の画像データの各画素の濃度値から濃度ヒストグラムを作成し(S1)、濃度値の最小値から順次隣合う濃度値の累積値を比較し、濃度値dの累積値が濃度値d−1の濃度値の累積値よりもはじめて下回ったときの濃度値、すなわち、図6(b)に示す H3を第1極大点として抽出する(S2)。
【0033】
同様に、濃度値の最大値から順次隣合う濃度値の累積値を比較し、濃度値dの累積値が濃度値d+1の濃度値の累積値よりも下回ったときの濃度値、すなわち、図6(b)に示すH4を第2極大点として抽出する(S3)。次に、第1極大点H1と第2極大点H2との差分をとり(S4)、その差分値を変色の特徴量とする。
【0034】
なお、極大点の算出方法は、上記方法に限定されるものではなく、たとえば、濃度ヒストグラムを微分して2つのピークを求めることも勿論、可能である。
次に、図6(a)に示す領域から抽出する別の印刷物Pの汚れに関する特徴量の1つとして、印刷のかすれがあげられる。この印刷かすれの特徴量は、濃度値の分散をvとして、以下の式にしたがって抽出する。
【0035】
v=(ΣXi2 −((ΣXi)2 /n))/n
ただし、Xi:濃度値
i:1〜n
n:画素数の総数
なお、特徴量の抽出方法は、これらに限定されるものではなく、たとえば、図5の領域に対して、印刷物Pの裏面に存在する基準版23の中心部23aの濃度値と印刷物Pの濃度値とを比較することで、穴を抽出することも勿論、可能である。
【0036】
汚れ判定部5,10は、特徴量抽出部4,9で抽出された各特徴量をそれぞれ入力し、それに対応した汚れに対応した数値を出力する。たとえば、図8に示すように、印刷かすれの抽出値(v)に応じてあらかじめ汚れ具合に相当する数値を基準値として設定しておき、この基準値と実際に抽出した抽出値とを比較することで、汚れ具合を判定する。
【0037】
表裏評価部11は、汚れ判定部5,10で判定された印刷物Pの表裏それぞれの汚れ具合を表す数値を入力し、表裏の判定結果を合わせて総合的な汚れ具合を表す数値を出力する。たとえば、「汚いほうの汚れ具合を選択する」というルールがあらかじめ設定されており、汚れ判定部5の出力値が汚れ判定部10の出力値よりも汚ければ、汚れ判定部5の出力値が、表裏評価部11の出力値(つまり、最終的な汚れ識別結果)として出力される。
【0038】
表裏評価部11における評価用のルールは、たとえば、「きれいなほうの汚れ具合を選択する」、あるいは、「2つの判定結果の平均の汚れ具合を選択する」などでもよい。
【0039】
なお、上記説明では、1つの特徴量を抽出することにより汚れを識別する場合について説明したが、2つ以上の複数の特徴量を抽出することにより汚れを識別する場合は、たとえば、図9に示すような構成で、図1と同様の識別を行なうことが可能である。すなわち、複数(N個)の特徴量抽出部41 〜4N および91 〜9N をそれぞれ設け、これらで抽出した各特徴量をそれぞれ汚れ判定部5, 10に入力し、汚れの判定を行なう。
【0040】
この汚れの判定方法としては、たとえば、前述した図8と同様、複数の特徴量それぞれに対し、あらかじめ汚れ具合を設定しておく方法や、あらかじめ設定した線形識別関数を用いる方法や、ニューラルネットワークを用いる方法などがあげられる。
【0041】
さらに、特徴量に応じて、限定する特定領域を変更したい場合、図示しないキーボードなどから領域抽出制御信号を領域抽出制御部12,13に入力し、この領域抽出制御部12,13で特定領域抽出部3,8を制御することにより、抽出する特定領域を指定あるいは変更することが可能となっている。上記領域抽出制御信号としては、たとえば、あらかじめ抽出する複数の領域を設定しておき、その領域に対応した数値や文字を入力する方法や、位置情報や濃度情報など抽出に用いる数値情報を直接入力する方法などがある。
【0042】
なお、画像データを入力した以降の処理が、印刷物Pの表裏で全く同じ処理を行なう場合、図10または図11に示すような構成でも、図1と同様な識別が可能である。図1は、表裏の識別処理を同時に行なう手法であるが、図10および図11は、表裏の識別処理を逐次処理で行なう手法である。
【0043】
すなわち、図10においては、印刷物Pの一方の面の画像入力部1と、他方の面の画像入力部6を持ち、これらの各出力を表裏判定部14に入力し、ここで表裏いずれかの画像データであるかを判定した後、図1と同様の識別処理を逐次行なう。この場合、たとえば、図1における画像メモリ2、特定領域抽出部3、特徴量抽出部4、および、汚れ判定部5の一系統のみを用いている。
【0044】
ここで、表裏判定部14は、図示しない外部からの表裏いずれかを示す制御信号による表裏判定や、入力される画像データに対して画像処理などを施し、たとえば、類似度法などを用いて表裏を判定する。
【0045】
汚れ判定部5で判定した結果は、表裏判定部14の判定結果に対応させて判定結果蓄積部15に一時蓄積される。そして、判定結果蓄積部15に表裏の各判定結果が揃った時点で、その表裏の各判定結果を印刷物Pを表す番号などと一緒に表裏評価部11に入力し、図1と同様に印刷物Pの汚れを識別する。
【0046】
図11においては、1つの画像入力部1だけを用いた場合の構成例であり、処理の流れは図10と同様である。したがって、この場合は、印刷物Pを2回搬送することになる。すなわち、最初、印刷物Pの一方の面を上にして搬送した後、反転させて印刷物Pの他方の面を上にして搬送することになる。
【0047】
次に、第2の実施例について説明する。
図12は、第2の実施例に係る印刷物の汚れ識別装置の構成を概略的に示すもので、特徴量抽出部4,9までは第1の実施例と同様である。すなわち、特徴量抽出部4,9で印刷物Pの表裏それぞれの特徴量が抽出されると、その各特徴量が特徴量統合部16にそれぞれ入力される。特徴量統合部16では、それぞれの面の特徴を反映した特徴量が求められ、その特徴量を汚れ判定部17に入力して、汚れの判定が行なわれる。
【0048】
以下に、濃度値を特徴量とした場合を例に説明する。識別対象の印刷物Pは図4とし、特徴量を抽出する領域は図13に示す斜線領域、すなわち、印刷物Pの全面とする。この領域に対する一方の面の特徴量抽出部4で特徴量として抽出された濃度ヒストグラムを図14(a)、もう一方の面の特徴量抽出部9で特徴量として抽出された濃度ヒストグラムを図14(b)とする。この例では、図14(b)の面に図14(a)の面にはない汚れが付着していることが濃度ヒストグラムからわかる。
【0049】
特徴量統合部16では、この各濃度ヒストグラムに対して、たとえば、濃淡画像の2値化方法として公知である「大津の判別分析法」などにより、印刷領域と無印刷領域とを分ける境界の濃度値を得る。この境界の濃度値を、図14(a)はH5、図14(b)はH6とする。そして、この抽出した濃度値H5,H6により、たとえば、「高い濃度値を選択する」などのあらかじめ設定したルールを基に表裏の汚れ具合を反映した特徴量を求める。なお、このルールはこれに限定されるものではなく、たとえば、「低い濃度値を選択する」あるいは「平均した濃度値を選択する」などでも勿論、可能である。
【0050】
汚れ判定部17では、特徴量統合部16で求められた特徴量により、図1における汚れ判定部5,10と同様に印刷物Pの汚れの判定が行なわれる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において種々変形実施可能なことは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の印刷物の汚れ識別装置によれば、印刷物の一方の面の画像データから、汚れに関する特徴量をその特徴に応じた領域で抽出して、汚れを判定した結果と、もう一方の面の画像データから、同様に汚れを判定した結果とを合わせて評価することで、印刷物のいずれか一方の面に偏った汚れも正確に識別することができる。
【0052】
また、印刷物の一方の面で抽出した特徴量と、もう一方の面で抽出した特徴量とを合わせて評価することによっても、同様に印刷物のいずれか一方の面に偏った汚れであっても正確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る印刷物の汚れ識別装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】画像入力部の構成を概略的に示す模式図。
【図3】画像入力部の要部を模式的に示す側面図。
【図4】印刷物の一例を示す平面図。
【図5】印刷物から抽出する特定領域の第1の例を説明する図。
【図6】印刷物から抽出する特定領域の第2の例を説明する図。
【図7】特徴量抽出部が行なう処理の一例を示すフローチャート。
【図8】汚れ判定部が行なう処理の一例を説明するための図。
【図9】第1の実施例の第1の変形例を示すブロック図。
【図10】第1の実施例の第2の変形例を示すブロック図。
【図11】第1の実施例の第3の変形例を示すブロック図。
【図12】本発明の第2の実施例に係る印刷物の汚れ識別装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図13】印刷物から抽出する特定領域の一例を説明する図。
【図14】特徴量抽出部が行なう処理の一例を説明する図。
【符号の説明】
P……識別対象(印刷物)、1,6……画像入力部、2,7……画像メモリ、3,8……特定領域抽出部、4,9,41 〜4N ,91 〜9N ……特徴量抽出部、5,10,17……汚れ判定部、11……表裏評価部、12,13……領域抽出制御部、14……表裏判定部、15……判定結果蓄積部、16……特徴量統合部。
Claims (2)
- 対象となる印刷物の一方の面の画像データを入力する第1の画像入力手段と、
前記印刷物の他方の面の画像データを入力する第2の画像入力手段と、
前記第1の画像入力手段により入力された前記印刷物の一方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第1の特定領域抽出手段と、
前記第2の画像入力手段により入力された前記印刷物の他方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第2の特定領域抽出手段と、
前記第1の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の一方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
前記第2の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の他方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
前記第1の特徴量抽出手段により抽出された特徴量をあらかじめ設定される基準値と比較することにより、前記印刷物の一方の面における汚れを判定する第1の汚れ判定手段と、
前記第2の特徴量抽出手段により抽出された特徴量をあらかじめ設定される基準値と比較することにより、前記印刷物の他方の面における汚れを判定する第2の汚れ判定手段と、
前記第1の汚れ判定手段の判定結果と前記第2の汚れ判定手段の判定結果とを比較し、この比較結果に基づきいずれか一方の判定結果を前記印刷物に対する最終的な汚れ識別結果として選択する評価手段と、
を具備したことを特徴とする印刷物の汚れ識別装置。 - 対象となる印刷物の一方の面の画像データを入力する第1の画像入力手段と、
前記印刷物の他方の面の画像データを入力する第2の画像入力手段と、
前記第1の画像入力手段により入力された前記印刷物の一方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第1の特定領域抽出手段と、
前記第2の画像入力手段により入力された前記印刷物の他方の面の画像データから当該画像データの濃度値の頻度分布を求めることにより特定領域を抽出し、この抽出した特定領域内の画像データを抽出する第2の特定領域抽出手段と、
前記第1の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の一方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
前記第2の特定領域抽出手段により抽出された特定領域内の画像データから前記印刷物の他方の面における汚れに関する特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
前記第1の特徴量抽出手段により抽出された特徴量と前記第2の特徴量抽出手段により抽出された特徴量とを比較し、この比較結果に基づきいずれか一方の特徴量を前記印刷物に対する特徴量として選択する特徴量統合手段と、
この特徴量統合手段により選択された特徴量をあらかじめ設定された基準値と比較することにより前記印刷物に対する汚れを判定する汚れ判定手段と、
を具備したことを特徴とする印刷物の汚れ識別装置。
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-
1995
- 1995-03-17 JP JP05859195A patent/JP3550209B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08256231A (ja) | 1996-10-01 |
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