JP3549823B2 - シワを低減するためのアルベリンの用途 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも有効量のアルベリン(Alverine)又はそれらの塩の、組成物又は組成物の調製における用途であって、該アルベリン又はそれらの塩類又は該組成物が、皮膚組織及び/又は皮下組織の脱収縮化(decontract)及び/又は弛緩(relax)を意図したものに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、女性、また男性ですら、できる限り若く見られたいという願望を有する傾向にあり、そのため、特にシワやコジワに反映される皮膚上の加齢に伴う痕を根絶することを求めている。この点について、身体の外観は精神及び/又はモラルに影響するため、若い皮膚の徴候である輝きがあってシワのない皮膚を可能な限り長い間保持することを意図した製品のことが広告及びファッション界において言及されている。身体的かつ心理的に若く感じることは重要である。
【0003】
従来、シワ及びコジワは、皮膚に作用する活性剤を含有する化粧品を使用し、例えば皮膚を保湿したり、その細胞再生性を改善したり、あるいは皮膚組織を構成するコラーゲンの合成を促進させたりして低減されている。しかしながら、現時点において、皮膚に存在する筋肉成分が如何にしてシワに作用するのかは知られていない。本発明はこのアプローチに基づくものである。
またこのように、顔の皮膚の筋肉は、顔面神経の運動神経求心性のコントロール下にあり、さらに皮下組織の小葉間中隔が、横紋筋組織(皮筋層)を構成する線維をその内部に含むことが知られている。またさらに、筋線維芽細胞として知られている真皮線維芽細胞の亜集団は、筋組織に共通する収縮特性を有している。
【0004】
本出願人は、ある病理学的又は治療的状況において、筋肉組織のアセンブリをコントロールする神経が顔のシワにおいて所定の役割を担っていることを見出した。よって、神経流入(nerve influx)の伝達が中断されるか及び/又は低減される、顔面神経の攻撃において、神経支配領域では顔面筋肉の麻痺が現れる。この顔面麻痺は、他の臨床的徴候の中でも、シワの低減又は消失に反映される。
従って、顔の筋肉が過剰収縮(hypercontraction)する状態において、本出願人は顔のシワが増加することを発見した。さらに、神経弛緩剤により誘発される副作用及びパーキンソン病の筋肉の高緊張状態においても、シワが増加することが見出されている。
【0005】
さらに、元々、痙攣の低減に使用されていたボツリヌス毒素は、筋痙攣状態(A. Blitzerら, Arch. Otolaryngol. Head Neck Surg., 1993, 119, 1018−1022頁を参照)、及び瞼の間のシワであるみけん点(グラベラ)のシワ(J.D. Carruthersら, J. Dermatol. Surg. Oncol., 1992, 18, 17−21頁を参照)に作用可能であることが示されている。さらにこのボツリヌス毒素は、シワの治療における形成外科においても従来から使用されている。従って、シワの神経筋成分に薬理学的に作用することが可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
多くの試験を行ったところ、本出願人は、神経筋流入(neuromuscular influx)の直接のコントロール下にある収縮筋線維、特に横紋筋線維が、シワの形成において本質的な役割を担っており、神経筋流入を調節すると、シワ(wrinkles)だけでなくコジワ(fine lines)も低減され、皮膚の微起伏を「滑らかにする」効果を発揮することを見出した。
【0007】
生理学的に横紋筋(心筋細胞を除く)の活動は神経系により誘発され、平滑筋の活動は自発的で、ホルモン又は神経型の種々の刺激により調節される。
自発収縮の原因となる細胞は「ペースメーカー」細胞であり:電気的励起波の増幅が、細胞膜の少なくとも耐電性のある区域において少しずつ生じる。
自発的活動の他に、平滑筋線維の興奮は種々の刺激:機械的伸長、所定の細胞レセプターに特異的に作用する腸内ホルモン又は神経伝達物質の存在、これら同様のレセプターに対するアゴニスト又はアンタゴニスト効果を有するある種の薬剤により誘発され得る。
【0008】
線維の種類(平滑又は横紋)にかかわらず、収縮の原因となる共通した最終メッセンジャーはカルシウムイオンである(Ca2+)。
しかしながら、収縮メカニズムにおけるこのカチオンの介在性は、線維の種類(平滑又は横紋)により全く異なったものである。
エバシ(Ebashi)グループの研究では、平滑筋(横紋筋とは異なる)において、アクチン及びミオシン分子の滑動は、トロポニンがCa2+を取り上げることにより阻害され、その後は生じない。カチオンはライオトニン(leiotonin)Cとして知られているタンパク質と組合されて、アクチン−ミオシン架橋の直接活性化効果に作用する。Ca2+とライオトニンCの結合作用は、収縮の原因であるミオシンの軽鎖のリン酸化の原因となっている。
さらに、平滑筋の弛緩は、横紋筋のものとは異なり、非常に活発である。それはホルモン及び神経媒介物に依存する。
これらの生理学的活性の顕示は、薬理剤による消化運度の制御に起始する。
例えば、スパスマベリン(Spasmaverine)又はディプロリン(Diproline)として公知のアルベリン(Alverine)又はジ(フェニルプロピル)エチルアミンは、消化平滑筋弛緩薬として知られている。
【0009】
本出願人は、アルベリンの弛緩効果が平滑筋に特異的なものではないことを見出した。
アルベリンは横紋筋における脱収縮化及び/又は弛緩効果を誘発可能で、よって、シワ及びコジワを矯正し、皮膚の平滑化を促進するのに有利な活性剤を構成可能である。
本出願人の知る限りでは、このような特性は、従来技術においてはいずれにも記載又は示唆されていない。
【0010】
よって本発明は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩の有効量の、組成物又は組成物の調製における用途であって、該アルベリン又はその塩又は組成物が皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮を意図したものに関する。本発明において、「アルベリン塩」という表現は、アルベリンの有機又は無機塩類を意味する。
本発明で使用可能な有機塩類としては、グルコン酸アルベリン、酢酸アルベリン、クエン酸アルベリン、オレイン酸アルベリン及び蓚酸アルベリンを挙げることができる。
無機アルベリン塩としては、鉱物性塩類、例えば塩化アルベリン、ホウ酸アルベリン、硝酸アルベリン、リン酸アルベリン、硫酸アルベリン及び炭酸アルベリンを挙げることができる。
【0011】
よって、本文中において、特に示した場合を除いて、「アルベリン」という用語は、イオン形態又は塩形態での両方のアルベリンを意味して使用されると理解すべきである。
好ましくは、本発明において、有機塩はクエン酸アルベリンで、無機塩は塩化アルベリンである。
このものの用途は、シワ及び/又はコジワを低減し、皮膚を滑らかにするのに特に効果的であることが見出されている。
【0012】
よって、本発明の他の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はそれらの塩の有効量の、組成物又は組成物の調製における用途であって、アルベリン又はその塩又は組成物がシワ及び/又はコジワの低減を意図したものにある。
特に、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮は、筋肉の脱収縮又は弛緩である。
本発明のアルベリンは予防及び/又は治療に使用することができる。
【0013】
また、本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮を意図した組成物にある。
さらに本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する、シワ及びコジワの低減及び/又は皮膚の平滑化を意図した組成物にある。本発明において、組成物は化粧品又は製薬用途、好ましくは化粧品用途を意図したものである。
本発明において、アルベリン又はその塩を含有する組成物は、局部的(locally)、すなわち局所的(topically)、すなわち皮下及び/又は皮内注射、又は全身的、すなわち一般的には経口的及び/又は筋内注射により投与することができる。よって、アルベリン又はその塩を含有する組成物は、好ましくは局所的に投与される。
【0014】
局所適用を意図した本発明の組成物は、生理学的に許容可能な媒体、すなわち頭皮を含む皮膚、粘膜及び/又は眼と融和性のある媒体を含有する。特に組成物は、化粧品用又は皮膚病用組成物構成可能である。組成物は、特に化粧品用は皮膚科学的組成物を構成可能である。
【0015】
また本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する組成物を投与することを含む、シワ及び/又はコジワを低減するための美容処理方法にある。
本発明において、「投与」という用語は、局所適用、注射又は摂取を意味する。
本発明において、美容処理方法は、好ましくは局所適用を含む。
【0016】
本発明で使用されるアルベリン又はその塩の量は、所望する効果に依存することは明らかである。
例えば、アルベリン又はその塩の重量は、例えば組成物の全重量に対して0.0001%〜20%、好ましくは0.001%〜5%である。
【0017】
本発明の組成物は、局所的、注射又は経口的適用において通常使用されている任意の製薬的形態をとることができる。
本発明の組成物は、好ましくは局所適用に使用される製薬的形態である。
本発明の組成物の種々の成分の量は、考慮される分野で従来的に使用されており、それらの製薬的形態に適した量である。
【0018】
局所適用用としては、本発明の組成物は皮膚と適合性のある媒体を含有する。これらの組成物は、特にイオン性及び/又は非イオン性脂質を含有する小胞分散液の形態、又はエアゾール又はマイクロエマルション、ゲル又はクリームの外観を有する油中水型又は水中油型エマルション、水性、アルコール又は水性−アルコール溶液、ゲルの形態にすることができる。これらの製薬的形態は、考慮される分野で通常の方法に従って調製される。
局所適用用のこれらの組成物は、特に、顔、首、手又はボディの化粧品的又は皮膚科学的な保護用、トリートメント用又は手入れ用組成物(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、抗日光用オイル又はクリーム及びボディミルク)、メークアップ用組成物(例えばファンデーション)又は人工的にサンタン状態にする組成物を構成することができる。
【0019】
本発明の組成物がエマルションである場合、その中に含有される脂肪物質の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。エマルションの形態の組成物に使用される脂肪物質及び乳化剤は、化粧品又は皮膚科学において従来より使用されているものから選択される。
本発明で使用可能な脂肪物質としては、鉱物性油(ペトロラタム)、植物性油(カリテバターの液状留分)及びそれらの水素化誘導体、動物性油、合成油(ペルヒドロスクワレン)、シリコーン油(ポリジメチルシロキサン)及びフッ化油を挙げることができる。他の脂肪物質としては、脂肪アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール)、脂肪酸(ステアリン酸)及びロウ類が挙げられる。
乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲の割合で存在し得る。
【0020】
また、知られている方法で、本発明の化粧品用又は皮膚病用組成物は、対応する分野で一般的なアジュバント、例えば親水性又は親油性のゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーン剤及び染料をさらに含有してもよい。またさらにこれらの組成物は親水性又は親油性の活性剤を含有してもよい。これら種々のアジュバント又は活性剤の量は、化粧品又は皮膚科学において従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバント又は活性剤は、その性質に応じて、脂肪相、水相及び/又は脂質小胞体中に取り込まれる。
【0021】
本発明の組成物に含有可能な活性剤としては、シワ又はコジワの処置に対する効果を有する他の活性剤、特に角質溶解剤を挙げることができる。「角質溶解」という用語は、落屑、剥奪又は擦り落とし特性を有する活性剤、又は角質層を柔軟にすることのできる活性剤を意味する。
本発明の組成物が含有可能なシワ又はコジワの処置に対する効果を有する活性剤としては、特にヒドロキシ酸及びレチノイド類を挙げることができる。
【0022】
ヒドロキシ酸は、例えば直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和であってよい、α−ヒドロキシ酸又はβ−ヒドロキシ酸である。さらに、炭素ベース鎖中の水素原子は、ハロゲン、ハロゲン化、アルキル、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル又はアルコキシ基で2〜18の炭素原子を有するもので置換されていてもよい。
使用可能なヒドロキシ酸は、特にグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、2−ヒドロキシアルカン酸、マンデル酸及びサリチル酸、並びにそれらのアルキル誘導体、例えば5−n−オクタノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−デカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、又は4−n−ヘプチルオキシサリチル酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、又はそれらのアルコキシ誘導体、例えば2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸である。
【0023】
レチノイド類は、特にレチノイン酸(all−トランス又は13−シス)及びその誘導体、レチノール(ビタミンA)及びそのエステル類、例えばパルミチン酸レチニル、酢酸レチニル及びプロピオン酸レチニル、並びにそれらの塩類であってよい。これらの活性剤は、特に組成物の全重量に対して0.0001〜5重量%の範囲の濃度で使用可能である。
【0024】
本発明の組成物が経口的投与を意図したものである場合、それらはこの分野の通常の製薬的形態、例えば錠剤、ゲルカプセル、飲用製品、特に使用時に作製されるもの、顆粒又はパウダー、特にこのような適用用の通常の賦形剤に入ったものにすることができる。
本発明の組成物が注射を意図したものである場合、それらは注射に通常使用される賦形剤を含有する溶液の形態、例えば等張性の塩化ナトリウム溶液の形態にすることができる。
【0025】
【実施例】
以下の実施例及び組成物は本発明を例証するものであって如何なる方法でも発明を限定するものではない。組成物において示した割合は、特記しない限り重量パーセンテージを表すものである。
【0026】
実施例1:ラットから単離された横隔神経/横隔膜調製物において測定された神経/筋肉接合部(運動板)モデル(横隔膜)でのアルベリンの活性度の測定(Pollard
B.J.ら、Br.J. Anaesth., 1988, 61, 419−424)
横隔神経と横隔膜を注意深く単離し、37℃の温度に維持された生存用液体(survival liquid)(クレブス・ヘンゼライト液体)が満たされた50mlのタンクに入れ、酸素/CO2の混合物(95/5)を使用して酸素添加した。
ついで、横隔膜の張力の変動を、数グラムを当初の前負荷として記録した。
弛緩30分後に、横隔膜を横隔神経を介して間接的に刺激した。
第1段階では、各々の調製物におけるテスト用生成物の効果を、濃度を10−9M〜10−4Mで増加累積させて、横隔神経の刺激(0.1〜0.5ボルト、0.3ms、0.1Hz)を介した間接的な刺激により誘発された収縮において評価した。
テスト終了時の効果の場合、神経伝達物質の阻害が、プレ接合ブロッケージ(pre−junctional blockage)又はポスト接合ブロッケージ(post−junctional blockage)のいずれの結果によるものかを決定するために、横隔膜を直接刺激した。
【0027】
アルベリンを用いた運動板モデルにおいて得られた結果を次の表に示す:
【表1】
10−4M濃度において、アルベリンは間接的刺激に誘発される収縮を完全に阻害し、直接的刺激に誘発されるものの約50%を阻害した。結論として、アルベリンは、Ca交換を調節することにより、神経筋接合部に介在し、その直接刺激効果が説明される。
【0028】
実施例2:本発明の組成物の例
組成物1:フェイスケア用ローション
アルベリン 1.00%
酸化防止剤 0.05%
防腐剤 0.30%
エタノール(溶媒) 8.00%
水 全体を100%にする量
繰り返し使用した場合(1日に2回の適用を1ヶ月)、得られたローションはシワに作用した。
【0029】
組成物2:フェイスケア用ゲル
アルベリン 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース* 1.00%
防腐剤 0.30%
エタノール(溶媒) 15.00%
酸化防止剤 0.05%
水 全体を100%にする量
*:ハーキュレス社(Hercules)から販売されているクリューセル(Klucel)H(ゲル化剤)
得られたゲルはシワに作用した。1ヶ月間、毎朝及び毎夕に適用することができる。
【0030】
組成物3:フェイスケア用クリーム(水中油型エマルション)
アルベリン 0.50%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト(Polysorbate)60** 1.00%
ステアリン酸 1.40%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー(Carbomer)*** 0.40%
カリテバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクワレン 12.00%
防腐剤 0.30%
香料 0.50%
酸化防止剤 0.05%
水 全体を100%にする量
**:ICI社から販売されているトゥイーン(Tween)60(登録商標)
***:グッドリッチ社(Goodrich)から販売されているカルボポール(Carb
opol)940(登録商標)
シワ及びコジワに作用し、毎日適用することのできる滑らかな白色のクリームが得られた。
【0031】
組成物4:フェイスケア用クリーム(水中油型エマルション)
アルベリン 5.00%
モノ−、ジステアリン酸グリセリル 2.00%
セチルアルコール 1.50%
セチルステアリルアルコール/33EOでオ
キシエチレン化されたセチルステアリルアル
コールの混合物 7.00%
ポリジメチルシロキサン 1.50%
流動ペトロラタム 17.50%
防腐剤 0.30%
香料 0.50%
グリセロール 12.50%
水 全体を100%にする量
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも有効量のアルベリン(Alverine)又はそれらの塩の、組成物又は組成物の調製における用途であって、該アルベリン又はそれらの塩類又は該組成物が、皮膚組織及び/又は皮下組織の脱収縮化(decontract)及び/又は弛緩(relax)を意図したものに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、女性、また男性ですら、できる限り若く見られたいという願望を有する傾向にあり、そのため、特にシワやコジワに反映される皮膚上の加齢に伴う痕を根絶することを求めている。この点について、身体の外観は精神及び/又はモラルに影響するため、若い皮膚の徴候である輝きがあってシワのない皮膚を可能な限り長い間保持することを意図した製品のことが広告及びファッション界において言及されている。身体的かつ心理的に若く感じることは重要である。
【0003】
従来、シワ及びコジワは、皮膚に作用する活性剤を含有する化粧品を使用し、例えば皮膚を保湿したり、その細胞再生性を改善したり、あるいは皮膚組織を構成するコラーゲンの合成を促進させたりして低減されている。しかしながら、現時点において、皮膚に存在する筋肉成分が如何にしてシワに作用するのかは知られていない。本発明はこのアプローチに基づくものである。
またこのように、顔の皮膚の筋肉は、顔面神経の運動神経求心性のコントロール下にあり、さらに皮下組織の小葉間中隔が、横紋筋組織(皮筋層)を構成する線維をその内部に含むことが知られている。またさらに、筋線維芽細胞として知られている真皮線維芽細胞の亜集団は、筋組織に共通する収縮特性を有している。
【0004】
本出願人は、ある病理学的又は治療的状況において、筋肉組織のアセンブリをコントロールする神経が顔のシワにおいて所定の役割を担っていることを見出した。よって、神経流入(nerve influx)の伝達が中断されるか及び/又は低減される、顔面神経の攻撃において、神経支配領域では顔面筋肉の麻痺が現れる。この顔面麻痺は、他の臨床的徴候の中でも、シワの低減又は消失に反映される。
従って、顔の筋肉が過剰収縮(hypercontraction)する状態において、本出願人は顔のシワが増加することを発見した。さらに、神経弛緩剤により誘発される副作用及びパーキンソン病の筋肉の高緊張状態においても、シワが増加することが見出されている。
【0005】
さらに、元々、痙攣の低減に使用されていたボツリヌス毒素は、筋痙攣状態(A. Blitzerら, Arch. Otolaryngol. Head Neck Surg., 1993, 119, 1018−1022頁を参照)、及び瞼の間のシワであるみけん点(グラベラ)のシワ(J.D. Carruthersら, J. Dermatol. Surg. Oncol., 1992, 18, 17−21頁を参照)に作用可能であることが示されている。さらにこのボツリヌス毒素は、シワの治療における形成外科においても従来から使用されている。従って、シワの神経筋成分に薬理学的に作用することが可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
多くの試験を行ったところ、本出願人は、神経筋流入(neuromuscular influx)の直接のコントロール下にある収縮筋線維、特に横紋筋線維が、シワの形成において本質的な役割を担っており、神経筋流入を調節すると、シワ(wrinkles)だけでなくコジワ(fine lines)も低減され、皮膚の微起伏を「滑らかにする」効果を発揮することを見出した。
【0007】
生理学的に横紋筋(心筋細胞を除く)の活動は神経系により誘発され、平滑筋の活動は自発的で、ホルモン又は神経型の種々の刺激により調節される。
自発収縮の原因となる細胞は「ペースメーカー」細胞であり:電気的励起波の増幅が、細胞膜の少なくとも耐電性のある区域において少しずつ生じる。
自発的活動の他に、平滑筋線維の興奮は種々の刺激:機械的伸長、所定の細胞レセプターに特異的に作用する腸内ホルモン又は神経伝達物質の存在、これら同様のレセプターに対するアゴニスト又はアンタゴニスト効果を有するある種の薬剤により誘発され得る。
【0008】
線維の種類(平滑又は横紋)にかかわらず、収縮の原因となる共通した最終メッセンジャーはカルシウムイオンである(Ca2+)。
しかしながら、収縮メカニズムにおけるこのカチオンの介在性は、線維の種類(平滑又は横紋)により全く異なったものである。
エバシ(Ebashi)グループの研究では、平滑筋(横紋筋とは異なる)において、アクチン及びミオシン分子の滑動は、トロポニンがCa2+を取り上げることにより阻害され、その後は生じない。カチオンはライオトニン(leiotonin)Cとして知られているタンパク質と組合されて、アクチン−ミオシン架橋の直接活性化効果に作用する。Ca2+とライオトニンCの結合作用は、収縮の原因であるミオシンの軽鎖のリン酸化の原因となっている。
さらに、平滑筋の弛緩は、横紋筋のものとは異なり、非常に活発である。それはホルモン及び神経媒介物に依存する。
これらの生理学的活性の顕示は、薬理剤による消化運度の制御に起始する。
例えば、スパスマベリン(Spasmaverine)又はディプロリン(Diproline)として公知のアルベリン(Alverine)又はジ(フェニルプロピル)エチルアミンは、消化平滑筋弛緩薬として知られている。
【0009】
本出願人は、アルベリンの弛緩効果が平滑筋に特異的なものではないことを見出した。
アルベリンは横紋筋における脱収縮化及び/又は弛緩効果を誘発可能で、よって、シワ及びコジワを矯正し、皮膚の平滑化を促進するのに有利な活性剤を構成可能である。
本出願人の知る限りでは、このような特性は、従来技術においてはいずれにも記載又は示唆されていない。
【0010】
よって本発明は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩の有効量の、組成物又は組成物の調製における用途であって、該アルベリン又はその塩又は組成物が皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮を意図したものに関する。本発明において、「アルベリン塩」という表現は、アルベリンの有機又は無機塩類を意味する。
本発明で使用可能な有機塩類としては、グルコン酸アルベリン、酢酸アルベリン、クエン酸アルベリン、オレイン酸アルベリン及び蓚酸アルベリンを挙げることができる。
無機アルベリン塩としては、鉱物性塩類、例えば塩化アルベリン、ホウ酸アルベリン、硝酸アルベリン、リン酸アルベリン、硫酸アルベリン及び炭酸アルベリンを挙げることができる。
【0011】
よって、本文中において、特に示した場合を除いて、「アルベリン」という用語は、イオン形態又は塩形態での両方のアルベリンを意味して使用されると理解すべきである。
好ましくは、本発明において、有機塩はクエン酸アルベリンで、無機塩は塩化アルベリンである。
このものの用途は、シワ及び/又はコジワを低減し、皮膚を滑らかにするのに特に効果的であることが見出されている。
【0012】
よって、本発明の他の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はそれらの塩の有効量の、組成物又は組成物の調製における用途であって、アルベリン又はその塩又は組成物がシワ及び/又はコジワの低減を意図したものにある。
特に、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮は、筋肉の脱収縮又は弛緩である。
本発明のアルベリンは予防及び/又は治療に使用することができる。
【0013】
また、本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮を意図した組成物にある。
さらに本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する、シワ及びコジワの低減及び/又は皮膚の平滑化を意図した組成物にある。本発明において、組成物は化粧品又は製薬用途、好ましくは化粧品用途を意図したものである。
本発明において、アルベリン又はその塩を含有する組成物は、局部的(locally)、すなわち局所的(topically)、すなわち皮下及び/又は皮内注射、又は全身的、すなわち一般的には経口的及び/又は筋内注射により投与することができる。よって、アルベリン又はその塩を含有する組成物は、好ましくは局所的に投与される。
【0014】
局所適用を意図した本発明の組成物は、生理学的に許容可能な媒体、すなわち頭皮を含む皮膚、粘膜及び/又は眼と融和性のある媒体を含有する。特に組成物は、化粧品用又は皮膚病用組成物構成可能である。組成物は、特に化粧品用は皮膚科学的組成物を構成可能である。
【0015】
また本発明の主題は、少なくとも1つのアルベリン又はその塩を有効量含有する組成物を投与することを含む、シワ及び/又はコジワを低減するための美容処理方法にある。
本発明において、「投与」という用語は、局所適用、注射又は摂取を意味する。
本発明において、美容処理方法は、好ましくは局所適用を含む。
【0016】
本発明で使用されるアルベリン又はその塩の量は、所望する効果に依存することは明らかである。
例えば、アルベリン又はその塩の重量は、例えば組成物の全重量に対して0.0001%〜20%、好ましくは0.001%〜5%である。
【0017】
本発明の組成物は、局所的、注射又は経口的適用において通常使用されている任意の製薬的形態をとることができる。
本発明の組成物は、好ましくは局所適用に使用される製薬的形態である。
本発明の組成物の種々の成分の量は、考慮される分野で従来的に使用されており、それらの製薬的形態に適した量である。
【0018】
局所適用用としては、本発明の組成物は皮膚と適合性のある媒体を含有する。これらの組成物は、特にイオン性及び/又は非イオン性脂質を含有する小胞分散液の形態、又はエアゾール又はマイクロエマルション、ゲル又はクリームの外観を有する油中水型又は水中油型エマルション、水性、アルコール又は水性−アルコール溶液、ゲルの形態にすることができる。これらの製薬的形態は、考慮される分野で通常の方法に従って調製される。
局所適用用のこれらの組成物は、特に、顔、首、手又はボディの化粧品的又は皮膚科学的な保護用、トリートメント用又は手入れ用組成物(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、抗日光用オイル又はクリーム及びボディミルク)、メークアップ用組成物(例えばファンデーション)又は人工的にサンタン状態にする組成物を構成することができる。
【0019】
本発明の組成物がエマルションである場合、その中に含有される脂肪物質の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。エマルションの形態の組成物に使用される脂肪物質及び乳化剤は、化粧品又は皮膚科学において従来より使用されているものから選択される。
本発明で使用可能な脂肪物質としては、鉱物性油(ペトロラタム)、植物性油(カリテバターの液状留分)及びそれらの水素化誘導体、動物性油、合成油(ペルヒドロスクワレン)、シリコーン油(ポリジメチルシロキサン)及びフッ化油を挙げることができる。他の脂肪物質としては、脂肪アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール)、脂肪酸(ステアリン酸)及びロウ類が挙げられる。
乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲の割合で存在し得る。
【0020】
また、知られている方法で、本発明の化粧品用又は皮膚病用組成物は、対応する分野で一般的なアジュバント、例えば親水性又は親油性のゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーン剤及び染料をさらに含有してもよい。またさらにこれらの組成物は親水性又は親油性の活性剤を含有してもよい。これら種々のアジュバント又は活性剤の量は、化粧品又は皮膚科学において従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバント又は活性剤は、その性質に応じて、脂肪相、水相及び/又は脂質小胞体中に取り込まれる。
【0021】
本発明の組成物に含有可能な活性剤としては、シワ又はコジワの処置に対する効果を有する他の活性剤、特に角質溶解剤を挙げることができる。「角質溶解」という用語は、落屑、剥奪又は擦り落とし特性を有する活性剤、又は角質層を柔軟にすることのできる活性剤を意味する。
本発明の組成物が含有可能なシワ又はコジワの処置に対する効果を有する活性剤としては、特にヒドロキシ酸及びレチノイド類を挙げることができる。
【0022】
ヒドロキシ酸は、例えば直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和であってよい、α−ヒドロキシ酸又はβ−ヒドロキシ酸である。さらに、炭素ベース鎖中の水素原子は、ハロゲン、ハロゲン化、アルキル、アシル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル又はアルコキシ基で2〜18の炭素原子を有するもので置換されていてもよい。
使用可能なヒドロキシ酸は、特にグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、2−ヒドロキシアルカン酸、マンデル酸及びサリチル酸、並びにそれらのアルキル誘導体、例えば5−n−オクタノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−デカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、又は4−n−ヘプチルオキシサリチル酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、又はそれらのアルコキシ誘導体、例えば2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸である。
【0023】
レチノイド類は、特にレチノイン酸(all−トランス又は13−シス)及びその誘導体、レチノール(ビタミンA)及びそのエステル類、例えばパルミチン酸レチニル、酢酸レチニル及びプロピオン酸レチニル、並びにそれらの塩類であってよい。これらの活性剤は、特に組成物の全重量に対して0.0001〜5重量%の範囲の濃度で使用可能である。
【0024】
本発明の組成物が経口的投与を意図したものである場合、それらはこの分野の通常の製薬的形態、例えば錠剤、ゲルカプセル、飲用製品、特に使用時に作製されるもの、顆粒又はパウダー、特にこのような適用用の通常の賦形剤に入ったものにすることができる。
本発明の組成物が注射を意図したものである場合、それらは注射に通常使用される賦形剤を含有する溶液の形態、例えば等張性の塩化ナトリウム溶液の形態にすることができる。
【0025】
【実施例】
以下の実施例及び組成物は本発明を例証するものであって如何なる方法でも発明を限定するものではない。組成物において示した割合は、特記しない限り重量パーセンテージを表すものである。
【0026】
実施例1:ラットから単離された横隔神経/横隔膜調製物において測定された神経/筋肉接合部(運動板)モデル(横隔膜)でのアルベリンの活性度の測定(Pollard
B.J.ら、Br.J. Anaesth., 1988, 61, 419−424)
横隔神経と横隔膜を注意深く単離し、37℃の温度に維持された生存用液体(survival liquid)(クレブス・ヘンゼライト液体)が満たされた50mlのタンクに入れ、酸素/CO2の混合物(95/5)を使用して酸素添加した。
ついで、横隔膜の張力の変動を、数グラムを当初の前負荷として記録した。
弛緩30分後に、横隔膜を横隔神経を介して間接的に刺激した。
第1段階では、各々の調製物におけるテスト用生成物の効果を、濃度を10−9M〜10−4Mで増加累積させて、横隔神経の刺激(0.1〜0.5ボルト、0.3ms、0.1Hz)を介した間接的な刺激により誘発された収縮において評価した。
テスト終了時の効果の場合、神経伝達物質の阻害が、プレ接合ブロッケージ(pre−junctional blockage)又はポスト接合ブロッケージ(post−junctional blockage)のいずれの結果によるものかを決定するために、横隔膜を直接刺激した。
【0027】
アルベリンを用いた運動板モデルにおいて得られた結果を次の表に示す:
【表1】
10−4M濃度において、アルベリンは間接的刺激に誘発される収縮を完全に阻害し、直接的刺激に誘発されるものの約50%を阻害した。結論として、アルベリンは、Ca交換を調節することにより、神経筋接合部に介在し、その直接刺激効果が説明される。
【0028】
実施例2:本発明の組成物の例
組成物1:フェイスケア用ローション
アルベリン 1.00%
酸化防止剤 0.05%
防腐剤 0.30%
エタノール(溶媒) 8.00%
水 全体を100%にする量
繰り返し使用した場合(1日に2回の適用を1ヶ月)、得られたローションはシワに作用した。
【0029】
組成物2:フェイスケア用ゲル
アルベリン 2.00%
ヒドロキシプロピルセルロース* 1.00%
防腐剤 0.30%
エタノール(溶媒) 15.00%
酸化防止剤 0.05%
水 全体を100%にする量
*:ハーキュレス社(Hercules)から販売されているクリューセル(Klucel)H(ゲル化剤)
得られたゲルはシワに作用した。1ヶ月間、毎朝及び毎夕に適用することができる。
【0030】
組成物3:フェイスケア用クリーム(水中油型エマルション)
アルベリン 0.50%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト(Polysorbate)60** 1.00%
ステアリン酸 1.40%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー(Carbomer)*** 0.40%
カリテバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクワレン 12.00%
防腐剤 0.30%
香料 0.50%
酸化防止剤 0.05%
水 全体を100%にする量
**:ICI社から販売されているトゥイーン(Tween)60(登録商標)
***:グッドリッチ社(Goodrich)から販売されているカルボポール(Carb
opol)940(登録商標)
シワ及びコジワに作用し、毎日適用することのできる滑らかな白色のクリームが得られた。
【0031】
組成物4:フェイスケア用クリーム(水中油型エマルション)
アルベリン 5.00%
モノ−、ジステアリン酸グリセリル 2.00%
セチルアルコール 1.50%
セチルステアリルアルコール/33EOでオ
キシエチレン化されたセチルステアリルアル
コールの混合物 7.00%
ポリジメチルシロキサン 1.50%
流動ペトロラタム 17.50%
防腐剤 0.30%
香料 0.50%
グリセロール 12.50%
水 全体を100%にする量
Claims (19)
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩からなる、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮化のための薬剤。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩からなる、シワ及びコジワの低減のための薬剤。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩からなる、皮膚の平滑化のための薬剤。
- アルベリン又はその塩が組成物の全重量に対して0.0001〜10重量%の量で組成物中に使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薬剤。
- アルベリン又はその塩が組成物の全重量に対して0.001〜5重量%の量で組成物中に使用されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薬剤。
- アルベリン塩が有機及び無機塩類から選択されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薬剤。
- 有機アルベリン塩が、グルコン酸アルベリン、酢酸アルベリン、クエン酸アルベリン、オレイン酸アルベリン及び蓚酸アルベリンから選択されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の薬剤。
- 有機アルベリン塩がクエン酸アルベリンであることを特徴とする請求項7に記載の薬剤。
- 無機アルベリン塩が、塩化アルベリン、ホウ酸アルベリン、硝酸アルベリン、リン酸アルベリン、硫酸アルベリン及び炭酸アルベリンから選択されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の薬剤。
- 無機アルベリン塩が塩化アルベリンであることを特徴とする請求項9に記載の薬剤。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩を含有してなる、皮膚組織及び/又は皮下組織の弛緩及び/又は脱収縮のための組成物。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩を含有してなる、シワ及びコジワの低減のための組成物。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩を含有してなる、皮膚の平滑化のための組成物。
- アルベリン塩が有機及び無機塩類から選択されることを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
- 有機アルベリン塩が、グルコン酸アルベリン、酢酸アルベリン、クエン酸アルベリン、オレイン酸アルベリン及び蓚酸アルベリンから選択されることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
- 有機アルベリン塩がクエン酸アルベリンであることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
- 無機アルベリン塩が、塩化アルベリン、ホウ酸アルベリン、硝酸アルベリン、リン酸アルベリン、硫酸アルベリン及び炭酸アルベリンから選択されることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
- 無機アルベリン塩が塩化アルベリンであることを特徴とする請求項17に記載の組成物。
- 少なくとも有効量のアルベリン又はその塩を含有する組成物を投与することを含む、シワ及び/又はコジワを低減するための美容処理方法。
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