JP3549647B2 - 表示パネルを用いた画像露光方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を表示パネルに構成されたマトリクス状の各画素毎に分割し、それぞれの画素の透過光量又は反射光量或いは発光量を調整することによって、感光材料上に画像を露光する表示パネルを用いた画像露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液晶表示パネルにおけるマトリクス状に配列された複数の画素のそれぞれの透過光量を調整することにより、画像を形成し、この液晶表示パネルを透過する光を感光材料へ照射する画像露光方法が提案されている(例えば、特開平3−41868号、特開平4−323640号公報参照)。
【0003】
特開平3−41868号では、液晶シャッターと感光材料とを縦方向と横方向とに相対移動可能な記録手段と、画像読取手段とからなるシステムが開示されており、特開平4−323640号では、感光材料に露光される画素ピッチPに対して(2n+1)P/2単位で2次元的に液晶表示パネルをステップ移動させて露光する液晶プリンタが開示されている。
【0004】
このような、液晶表示機能を原画像の表示に用いることにより、画像がデジタル画像となるため、画像の記録、画像処理が容易となる。
【0005】
ところで、画像の解像度は画素数に起因するが、上記、特開平4−323640号では、画素を二次元的に1.5 ピッチずらして、1画像を分割して露光するようにしており、このようにすれば、単純計算で2倍の解像度を得ることができる。
【0006】
ここで、画素の一部に欠陥があった場合、所望の透過光量に制御できず、原画像の濃度から得られる光量とは異なる光量になる場合がある。特に、このような不良画素は、全く光が透過しない状態で固定される所謂ツブレ欠陥と、完全に開放状態で光が透過してしまう状態で固定される所謂ヌケ欠陥と、が多く見られる。
【0007】
このため、画像の一部に周囲とは異なる濃度の点が現れることになる。特に、感光材料上で白色に近い画像の中にヌケ欠陥画素が存在したり、黒色に近い画素の中にツブレ欠陥画素が存在するような場合には、特に顕著になり、画像の品質低下を招くことになる。
【0008】
なお、上記先行技術の他に、関連技術として、スペクトル又は3原色のいずれかのスペクトルの画像を再生するための第4の液晶表示パネルを持つ液晶ディスプレイ装置(特開平5−134268号公報)、少なくとも1つの欠陥補正用電気光学変調素子を備え、これと本来の画像表示用電気光学素子の光出力の一方のみを投影光学系に導入させる画像表示装置(特開平5−313118号公報)等が提案されている。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、濃度(透過光量又は反射光量或いは発光量)の調整ができない画素が存在し、その位置が特定できる場合に、その不良(欠陥)画素の周囲の画素の濃度(透過光量又は反射光量或いは発光量)を用いて補正し、欠陥による感光材料上の点状の濃度異常を目立たなくし、画像品質の低下を防止することができる表示パネルを用いた画像露光方法を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、画像を表示パネルに構成されたマトリクス状の各画素毎に分割し、それぞれの画素の透過光量又は反射光量或いは発光量を調整することによって、感光材料上に画像を露光する表示パネルを用いた画像露光方法であって、前記表示パネル上の画素に透過光量又は反射光量或いは発光量調整不能な不良画素があるとき、前記表示パネルのマトリクス状の画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置ずらし回数に応じて1画素それぞれに必要な露光量を分して1回の露光量とし、該特定された不良画素に対応する画像の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御し、前記ずらしを行なうことで、画像の露光を複数回に分けて行なうことを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、表示パネル上の特定の画素に欠陥がある場合、この不良画素で単一の画像を表示すると、当該画素の欠陥が顕著に現れる。そこで、この不良画素を複数の画像に対応させるべく、画素ずらしを行う。すなわち、最初に画像を表示した状態で露光した後、表示パネルのマトリクス状に配列された画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置を変更し、さらに表示パネルを画素ずらし量と同じ量だけ逆方向に移動して表示した状態で露光する。これを必要回数行うことで、画像の露光を複数回に分けて行う。
【0012】
この場合、ずらし回数に合わせて、1画素それぞれに必要な露光量を分割した露光量とする。これにより、特定の画像が不良画素に100%依存することがなく、複数の画像にこの露光依存割合を分散することができる。画像の濃度によっては、分散することにより、全く不良のない、完全補正された画像を得ることができる。また、対応する画像の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御しているので、仮に、完全補正されなくとも、不良画素による濃度変化が1点に集中するようなことが防止される。
【0013】
従って、不良画素があったとしても、この不良画素による画質の低下を低減することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、画像を表示パネルに構成されたマトリクス状の各画素毎に分割し、それぞれの画素の透過光量又は反射光量或いは発光量を調整することによって、感光材料上に画像を露光する表示パネルを用いた画像露光方法であって、前記表示パネル上の画素に透過光量又は反射光量或いは発光量調整不能な不良画素があるとき、露光回数を2回として1画素それぞれに必要な露光量を分割して1回の露光量とし、該特定された不良画素に対応する画素の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御し、1回目の露光が終了した時点で、前記表示パネルのマトリクス状の画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置を1画素ピッチずらした後、2回目の露光を行なうことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、表示パネル上の特定の画素に欠陥がある場合、この不良画素で単一の画像を表示すると、当該画素の欠陥が顕著に現れる。そこで、この不良画素を複数の画像に対応させるべく、画素ずらしを行う。すなわち、最初に画像を表示した状態で露光した後、表示パネルのマトリクス状に配列された画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置を変更し、さらに表示パネルを画素ずらし量と同じ量(1画素ピッチ)だけ逆方向に移動して表示した状態で露光する。
ここで、露光回数を2回としているので、露光時間の大幅な延長を防止でき、かつ、ある程度、不良画素による画質低下を抑制することができる。また、不良画素に対応する画像の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御しているので、仮に、完全補正されなくとも、不良画素による濃度変化が1点に集中するようなことが防止される。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記不良画素が最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が0%の画素、透過光量又は反射光量或いは発光量が100%の画素であることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、不良画素としては、完全に光が不透過又は不反射或いは未発光で調整が不能となる光量0%不良と、光が最大透過又は最大反射或いは最大発光したままで調整が不能となる光量100%不良と、が多く存在する。このため、光量0%不良の場合には、全く感光材料上に光が当たらないため、別の画素でこの不良画素に対応する画像の濃度を得るようにする。また、光量100%不良の場合には、最大の露光量となってしまうため、露光を複数回に分け、順次画素ずらしを行うことにより、所望の露光量に近づけることができる。
なお、ずらし回数を増やせば増やすほど精度は向上するが、その分露光時間を長くすることになるため、状況に応じてずらし回数を選定すればよい。
(請求項
請求項に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記マトリクス状の画素群と分割画像との相対位置のずらしは、前記マトリクス状の画素群に対応させる分割画像の表示位置を二次元的にシフトさせ、かつそのシフト分前記表示パネル全体を上記方向とは逆方向に二次元的にシフトさせることを特徴としている。
【0015】
請求項に記載の発明は、表示パネルを微妙(1画素ピッチ毎)に移動できるような移動台上に搭載し、この表示パネルをx−y方向に移動できるようにする。画像は、マトリクス状の各画素に座標を設けたとすると、最初の露光後、最初に位置する座標を特定し、例えば、次の露光時には、表示パネルを1ピッチ二次元的にシフトさせ、画像の表示位置を表示パネルのマトリクス状の画素群に対して、1画素ピッチ分、二次元的に表示パネルのシフト方向とは逆方向にシフトさせる(x/及び又はy方向)。この後、露光することにより、見掛け上、画像をずらして表示パネル上に表示されたことになる。
【0016】
請求項5)
請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の発明において、前記ずらし方向が、天地又は左右方向のいずれか一方であることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、ずらし方向はマトリクス状に配列された天地又は左右方向であり、斜め方向は避けることが好ましい。斜め方向では、不良画素を目立たなくする効果が薄く、表示パネルの移動制御も複雑となるためである。なお、好ましくは左右方向にずらした方がよい。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の発明において、前記不良画素が、最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が0%の画素であるときは、前記不良画素の周囲の画素の露光量を必要に応じて所望の露光量よりも多くし、前記不良画素が、最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が100%の画素であるときは、前記不良がその周囲の画素の露光量を必要に応じて所望の露光量よりも少なくすることを特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、不良画素の補正の際に、どうしても完全補正できない場合がある。例えば、ツブレ欠陥で、ずらし回数が1回と定められていると、ツブレ欠陥に対応する画像の露光量が50%以上の場合に、これ以上の露光量を得ることができない。このとき、この不良画素周囲の画像の露光量が最大露光量Qに対して0%または100%に近い場合に、不良画素に隣接する画素の透過光量を調整し、急激な濃度変化を緩和するようにする。これにより、完全補正はできないが、極力不良であることを目立たなくすることができ、画質低下を軽減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明を液晶表示素子に適用した例を用いて画像形成方法及び装置を詳細に説明する。
【0021】
液晶画像形成装置10には、プリント部12が配設されている。プリント部12には、ハロゲンランプ若しくはコンパクト化が可能なLEDとリフレクタとによって焼付露光のための光源14が備えられている。
【0022】
光源14から照射される光源の焼付光軸L上に、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色の色分解フィルタ16が配設されている。これらの各色分解フィルタ16は、ドライバ18からの信号に応じて、光軸L上へ挿入又は離脱する。
【0023】
色分解フィルタ16の下方の焼付光軸Lには、後に説明する液晶表示パネル20が設けられている。
【0024】
液晶表示パネル20には、液晶表示パネル20を駆動する液晶表示パネル駆動部22が接続されており、液晶表示パネル駆動部22は、更に液晶表示パネル駆動部22の駆動を制御するコントローラ24に接続されている。また、液晶表示パネル20には、液晶表示パネル20を図1の鎖線Mで示す平面内で移動させる液晶表示パネル移動部26が設けられている。液晶表示パネル移動部26は、移動手段として例えばPZT(pbTiOとpbZrOとの混晶)及び高分子膜(例えばフッ化ビニリデン)等の圧電素子28、64(図2及び図3参照)が適用されており、これらは、コントローラ24によって制御されるようになっている。なお、圧電素子28、64の駆動については後述する。
【0025】
コントローラ24は、ネガ画像記憶部30に接続されており、ネガ画像記憶部30から入力したネガ画像データに基づいて、液晶表示パネル20の駆動及び移動を制御している。
【0026】
液晶表示パネル20の下方の焼付光軸Lには、焼付用レンズ32を挟んでブラックシャッタ34が配置されている。ブラックシャッタ34は、ドライバ36からの駆動信号に応じて開閉し、焼付光軸L上の光を通過又は遮断するようになっている。また、レンズ32は、光軸Lに沿って移動可能となっており、これにより引伸倍率を変更することができる。
【0027】
ブラックシャッタ34の下方であって焼付光軸Lの最下方には、印画紙38が印画紙搬送部40によって位置決めされている。印画紙38の一端は、図示されていない回転軸に層状に巻き取られている。
【0028】
次に図2及び図3を参照して、液晶表示パネル20及びその周辺部の構造を説明する。
【0029】
液晶表示パネル20は、支持板20Aと表示面20Bから構成されている。支持板20Aは枠状に形成され、中央の矩形孔に表示面20Bを保持すると共に、図示しない配線基板が取り付けられている。
【0030】
表示面20Bには、電気的な手段によって、白色、黒色及びそれらの中間色を表示可能な多数の画素(一例として約51万画素)が、所定のピッチ寸法でマトリクス状に配列されている。ここで、本実施の形態では、1画素の大きさは20×20μm(一辺の寸法が20μmの正方形)であり、ピッチ寸法Gは40μmとなっている。
【0031】
液晶表示パネル20の一方の対辺には、一対のブロック材42が配置されている。ブロック材42には、液晶表示パネル20の側面とほぼ等しい面積の開口面積を有する挿入口46が設けられ、液晶表示パネル20の該対辺側端部が挿入されている。この挿入口46は、ブロック材42の反対面まで貫通されており、この反対面には板材44が取付けられている。
【0032】
ここで、一方のブロック材42に対応する板材44には、挿入口46の開口面に対向して補助部材48が取り付けられ、この補助部材48の挿入口46側対向面には、圧電素子28が配置されている。この補助部材48及び圧電素子28は、挿入口46に嵌入されている。補助部材48と板材44との接着は、ネジ等を用いて固定してもよく、また接着剤等により接着してもよい。圧電素子28は、液晶表示パネル20の幅方向側面とブロック材42の内部で対面して接触し、制御手段によって設定された幅方向(画素の配列平面上におけるX方向)の移動量分、液晶表示パネル20を移動させることができるようになっている。
【0033】
また、他方の板材44には、圧縮コイルばね50を介して、押圧部材52が配置され、挿入口46に収容されている。押圧部材52と板材44との間の圧縮コイルばね50の一端は、板材44に設けられた円溝54に収容され、他端は押圧部材52に当接されている。これにより、液晶表示パネル20は、押圧部材52によって、圧電素子28に接触する方向に押圧されている。
【0034】
一対のブロック材42は、液晶表示パネル20の他方の対辺に配置された一対の固定板56に各々ビス58によって螺合されている。一方の固定板56の外側面には、ブラケット60が所定間隔をもって取り付けられ、固定板56との対向面には、補助部材62に取り付けられた圧電素子64が配置され、固定板56と接触している。圧電素子64は、制御手段によって設定された長手方向(画素の配列平面上におけるY方向)の移動量分、固定板56及びブロック材42を介して液晶表示パネル20を移動させることができるようになっている。
【0035】
一対の各固定板56及びブラケット60には、各々同軸上の円孔が設けられ、シャフト66が貫通している。シャフト66の端部は、ブラケット60の近傍でE型リング68によって係止され、軸方向の移動が阻止されている。
【0036】
前記圧電素子64が配設された側と反対側の固定板56とブラケット60との間のシャフト66には、圧縮コイルばね70が取り付けられている。圧縮コイルばね70は、固定板56を介して液晶表示パネル20を圧電素子64に接触する方向に付勢する作用を有している。
【0037】
これにより、図3(B)に示される如く、通常は、液晶表示パネル20が圧電素子28に接触し、固定板56が圧電素子64に接触した状態とされ(基準位置(0,0))、圧電素子28のみが作用すると液晶表示パネル20は(x,0)方向に移動され、圧電素子64のみが作用すると液晶表示パネル20は、ブロック材42、固定板56と共に、(0,y)方向に移動され、圧電素子28及び圧電素子64が共に作用すると、液晶表示パネル20は、(x,y)方向に移動することになる。
【0038】
本実施の形態では、露光回数を2回とし、1回目の露光が終了した時点で、y方向(但し、yはプラス方向)に1ピッチ(40μm)移動させた後、2回目の露光を行うようになっている。このため、1回目と2回目とで異なる画像が表示されることになる。以下、各画素を特定するため、図4に示される如く、図3(B)のx方向を数字で、y方向をアルファベットで表すものとする。
【0039】
この図4において、例えば、座標(D,6)の画素(以下、座標を特定する場合に、座標(D,6)は「D6」のように簡略化して示す。)に欠陥がある場合、このD6には、2種の画像が交互に対応し、少なくとも1回は正常な露光制御が行えることになる。
【0040】
画素の欠陥には、大きく分けて2種類あり、透過光量が0%の状態で制御不能であるツブレ欠陥と、透過光量が100%の状態で制御不能であるヌケ欠陥と、に分けることができる。以下、ツブレ欠陥とヌケ欠陥とのそれぞれにおける、補正について説明する。
[ツブレ欠陥]
液晶表示パネル20のD6がつぶれていることを想定すると、考えられる条件としては、
▲1▼ D6とE6とによる合成露光量が100%露光量を超える場合
▲2▼ D6とE6とによる合成露光量が100%露光量以下の場合
となる。
【0041】
この内、D6が露光量50以下、E6が露光量50以下の場合には、D6とE6との露光制御のみで所望の露光量を得ることができる。
【0042】
他の画素を1/2づつ2回に分けて露光し、D6とE6とは、その内の1回で全露光すればよい。いずれか一方が露光量50以上の場合には、露光量50以下の方だけは、1回の露光で所望の露光量を得ることができるが、露光量50以上の方は以下に示す露光制御を行う。
【0043】
次に、D6が露光量50以上及び/又はE6が露光量50以上の場合には、それぞれ露光量50が最大であるため(1回の露光はつぶれた状態での露光のため露光量0となる)、それぞれが露光量50で露光されるように制御する。さらに、露光量50となった周囲の露光量を、必要に応じて所望の露光量よりも多くすることにより、露光量50の画素を目立たなくすることができる。多くする量は、原画に基づく所望の露光量によって設定する。
【0044】
D6とE6とは、実質的に1回の露光しか行われない。そこで、両者の合成露光量が最大露光量Qを超えていることを条件にE6の補正係数を決定する。すなわち、最大露光量Qに対するE6の比を補正係数とする。この結果、E6の1回の露光量は所望の露光量の1/2よりもE6の露光量に基づいて多くなる。
【0045】
一方、D6とE6の周囲の画素を特定すると、それぞれD5、C6、D7、E5、F6、E7となる。
【0046】
この6画素をD6またはE6の所望の露光量に応じて補正する。まず、1回目の露光では、左側3画素(D5、C6、D7)の補正係数を決める。
【0047】
**********************************
D5では、まず、D6とE6との合成露光量から1画素での最大露光量Qを差引き、これをC6とD7で分割して補正するために3で割った値(補正依存量)を計算する。この補正依存量とD5との合成露光量が最大露光量Qを超えている場合には、D5の露光量が100に近く、補正してもその効果が顕著に表れないため、補正領域から外す(補正係数=1)。また、合成露光量が最大露光量以下の場合には、D5を所望の露光量よりも増加することにより、D6の露光量を補正できるため、補正依存量とD5の合成露光量に対するD5の露光量の比を演算し、これをD5の露光補正係数とする。これにより、D5の1回目の露光量は所望の露光量に対して補正依存量に基づいて増加する。
【0048】
**********************************
上記*印の範囲内の補正制御をC6とD7で同様に実行し、それぞれの補正係数を求める。また、他の画素の補正係数は標準値(100%)である。
【0049】
この条件で、液晶表示パネル20に画像を表示し、1回目の露光を行う。この1回目の露光では、D6の露光量は0である。また、D5、C6、D7は、それぞれ演算された露光量で露光される。
【0050】
一方、E5、F6、E7は、1回目の露光ではそれぞれの所望の露光量の1/2で露光される(補正係数=1)。
【0051】
1回目の露光後、画素ずらしを実行する。この画素ずらしは、液晶表示パネル20を1画素分右横方向にずらす。見掛け上は、画像に対してつぶれ画素が右横方向すなわちE6にずれたことと同じになる。すなわち、2回目の露光時にはE6に対応する画素の画像が露光されないことになる。
【0052】
ここで、再度D6とE6との合成露光量が最大露光量Qを超えていることを条件にE6の補正係数を決定する。すなわち、D6とE6との合成露光量に対するE6の比を補正係数とする。この結果、E6の1回の露光量は所望の露光量の1/2よりもD6の露光量に基づいて多くなる。
【0053】
一方、周囲6画素の内の残りの3画素の露光量をD6、E6の露光量に応じて補正する。この、2回目の露光では、右側3画素の補正係数を決める。
【0054】
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
E5では、まず、D6とE6との合成露光量から1画素での最大露光量Qを差引き、これをF6とD7で分割して補正するために3で割った値(補正依存量)を計算する。この補正依存量とE5との合成露光量が最大露光量Qを超えている場合には、D5の露光量が100に近く、補正してもその効果が顕著に表れないため、補正領域から外す(補正係数=1)。また、合成露光量が最大露光量以下の場合には、E5を所望の露光量よりも増加することにより、D6の露光量を補正できるため、補正依存量とE5の合成露光量に対するE5の露光量の比を演算し、これをE5の露光補正係数とする。これにより、E5の2回目の露光量は所望の露光量に対して補正依存量に基づいて増加する。
【0055】
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
上記☆印の範囲内の補正制御をF6とE7で同様に実行し、それぞれの補正係数を求める。また、他の画素の補正係数は標準値(100%)である。
【0056】
この条件で、液晶表示パネル20に画像を表示し、2回目の露光を行う。この2回目の露光では、E6の露光量は0である。また、E5、D6、E7は、それぞれ演算された露光量で露光される。
【0057】
また、1回目で所定の補正係数に従って露光された、D5、C6、D7は、2回目の露光ではそれぞれの所望の露光量の1/2で露光される。
[ヌケ欠陥]
液晶表示パネル20のD6が抜けていることを想定すると、考えられる条件としては、
▲1▼ D6の露光量が100%露光量を超える場合
▲2▼ D6の露光量が100%露光量以下の場合
となる。
【0058】
この内、D6とE6が共に露光量50以上の場合には、D6とE6との露光制御のみで所望の露光量を得ることができる。
【0059】
他の画素を1/2づつ2回に分けて露光するとき、その1回目で、D6は露光量50、E6はその2回目で露光量50となる。そこで、D6は2回目、E6は1回目において、D6とE6との合成露光量の100%を超える量のそれぞれ占有割合分、露光すればよい。すなわち、1回目のE6の補正係数は、(D6+E6−Q)/E6)、2回目のD6の補正係数は、(D6+E6−Q)/D6)となる。
【0060】
次に、D6及び/又はE6が露光量50以下の場合には、1回の露光で露光量50となってしまうため、いずれか1回の露光時に素抜け画素位置にくる画像の他の1回の露光補正値を0%とする。すなわち、1回目はE6が0、2回目はD6が0となる。
【0061】
このように、D6とE6とは、実質的に1回の露光が素抜け状態で露光され、100%露光が余儀なくされる。そこで、D6及びE6の露光量が最大露光量Qの1/2(=Q/2)以下であることを条件に1回目露光時のE6の補正係数を0、すなわち露光しないようにする。
【0062】
さらに、露光量50となった周囲の露光量を、必要に応じて所望の露光量よりも少なくすることにより、露光量50の画素を目立たなくすることができる。少なくする量は、原画に基づく所望の露光量によって設定する。
【0063】
ここで、D6とE6の周囲の画素を特定すると、それぞれD5、C6、D7、E5、F6、E7となる。
【0064】
この6画素をD6またはE6の所望の露光量に応じて補正する。まず、1回目の露光では、左側3画素の補正係数を決める。
【0065】
**********************************
D5では、まず、D6の露光量からQ/2を差引き、これをC6とD7で分割して補正するために3で割った値(補正依存量)にD5の1/2(=D5/2)の露光量を加算した値を計算する。この補正依存量とD5/2との合成露光量が、負の数の場合には、D5を全開放しても補正しきれないため、D5の補正係数を一律”0”とする。
【0066】
また、正の数の場合には、この補正依存量とD5/2との合成露光量に対するD5/2の比を1回目の露光時のD5の補正係数とする。このとき、D6−(Q/2)が負の数であるため、D5の1回目の露光量は所望の露光量に対して補正依存量に基づいて減少する。
【0067】
**********************************
上記*の範囲内の補正制御をC6とD7で同様に実行し、それぞれの補正係数を求める。また、他の画素の補正係数は標準値(100%)である。
【0068】
この条件で、液晶表示パネル20に画像を表示し、1回目の露光を行う。この1回目の露光では、D6の露光量は50(100%)である。また、D5、C6、D7は、それぞれ演算された露光量で露光される。
【0069】
一方、E5、F6、E7は、1回目の露光ではそれぞれの所望の露光量の1/2で露光される。
【0070】
1回目の露光後、画素ずらしを実行する。この画素ずらしは、液晶表示パネル20を1画素分右横方向にずらす。見掛け上は、画像に対してつぶれ画素が右横方向すなわちE6にずれたことと同じになる。すなわち、2回目の露光時にはE6に対応する画素の画像が素抜け状態で露光されることになる。
【0071】
ここで、繰り返しの説明になるが、D6とE6とは、実質的に1回の露光が素抜け状態で露光され、100%露光が余儀なくされる。そこで、D6及びE6の露光量が最大露光量Qの1/2(=Q/2)以下であることを条件に、2回目露光時のD6の補正係数を0、すなわち露光しないようにする。
【0072】
これにより、D6は1回目、E6は2回目の露光で100%露光され、D6は2回目、E6は1回目の露光で0%露光となり、D6とE6とのそれぞれの露光量を最小限(露光量50%)にくい止めることができる。
【0073】
一方、周囲6画素の内の残りの3画素の露光量をD6、E6の露光量に応じて補正する。この、2回目の露光では、右側3画素の補正係数を決める。
【0074】
**********************************
E5では、まず、E6の露光量からQ/2を差引き、これをF6とE7で分割して補正するために3で割った値(補正依存量)にE5の1/2(=E5/2)の露光量を加算した値を計算する。この補正依存量とE5/2との合成露光量が負の数の場合には、E5を全開放しても補正しきれないため、E5の補正係数を一律”0”とする。
【0075】
また、正の数の場合には、この補正依存量に対するE5/2の比を2回目の露光時のE5の補正係数とする。このとき、E6−(Q/2)が負の数であるため、E5の2回目の露光量は所望の露光量に対して補正依存量に基づいて減少する。
【0076】
**********************************
上記*の範囲内の補正制御をF6とE7で同様に実行し、それぞれの補正係数を求める。また、他の画素の補正係数は標準値(100%)である。
【0077】
この条件で、液晶表示パネル20に画像を表示し、2回目の露光を行う。この2回目の露光では、D6の露光量は50(100%)である。また、E5、D6、E7は、それぞれ演算された露光量で露光される。
【0078】
また、1回目で所定の補正係数に従って露光された、D5、C6、D7は、2回目の露光ではそれぞれの所望の露光量の1/2で露光される。
【0079】
次に本実施の形態の作用を説明する。
ネガ画像記憶部30により一時記憶された焼付露光の対象となる画像データが、コントローラ24を介して液晶表示パネル駆動部22に送信されると、液晶表示パネル駆動部22が作動して、送信された画像データに基づいて、所定のピッチ寸法でマトリクス状に配列された画素から構成される液晶表示パネル20上にネガ画像が形成され、所定の処理に従って、印画紙38に露光される。
【0080】
このとき、本実施の形態では、露光制御を2回に分けて行い、それぞれの露光量を所望の露光量の1/2で行う。これにより、実質的に所望の露光量を得ることができる。2回に分けて露光するのは、液晶表示パネル20上の画素に欠陥があると、これを補正する必要があるためである。補正の方法(露光量の制御)は、欠陥の種類(ツブレ欠陥、ヌケ欠陥)とその不良画素に対応する画像の濃度の度合いによって、様々であり、以下、図5及び図6のフローチャートに従い、その露光量の制御手順を説明する。なお、不良画素は、D6であると、予め認識し、かつ不良の種類も確定しているものとする。
【0081】
図5には、ツブレ欠陥のときの露光量の制御フローチャートが示されている。ステップ100では、不良画素であるD6とその隣のE6の露光量の加算値が最大の露光量Qよりも多いか少ないかを判断する。ここで、否定判定された場合は、ステップ102へ移行してE6の補正係数を決定する。
【0082】
E6補正係数←(D6+E6)/E6・・・(1)
また、ステップ100で肯定判定された場合は、ステップ104に移行してE6の補正件数を以下の様に設定する。
【0083】
E6補正係数←Q/E6・・・(2)
ここで、ステップ102へ移行した場合には、完全補正が可能であるが、ステップ104に移行した場合には、D6を完全補正することができない。そこで、D6の周囲であるD5、C6、D7の各画素を用いて補正する。
【0084】
すなわちステップ104からステップ106へ移行し、D6とE6との合成露光量から最大露光量Qを差し引き、これをC6とD7で分割して補正するために3で割った値である補正依存量と、D5との合成露光量が前記最大露光量Qを超えているか否かを判断する。ここで肯定判定された場合には、D5自体の露光量が100%に近いため、補正してもその効果が顕著に現れず、ステップ108へ移行してD5の補正係数を1とする。
【0085】
D5補正係数←1・・・(3)
また、ステップ106で否定判定された場合は、D5を所定の露光量よりも増加して、D6の露光量を補正すべく、ステップ110へ移行する。ステップ110では、D5の露光量に対する前記補正依存量とD5の合成露光量の比を演算し、この演算結果をD5の補正係数とする。
【0086】
D5補正係数←(((D6+E6−Q)/3)+D5)/D5・・・(4)
以上、ステップ108または110でD5の補正係数が決定した後は、ステップ112へ移行してC6の補正係数を決定する。このステップ112は前記ステップ106に対応しており、前記補正依存量にC6を加算した合成露光量が、最大露光量Qよりも大きいか小さいかを判断している。このため、前記D5の補正係数を決定した時と同様に、ステップ112で肯定判定された場合は、ステップ114へ移行してC6の補正係数を1とする。
【0087】
C6補正係数←1・・・(5)
また、ステップ112で否定判定された場合はステップ116へ移行して、C6の露光量に対する前記補正依存量とC6の合成露光量の比を演算し、これをC6の補正係数とする。
【0088】
C6補正係数←(((D6+E6−Q)/3)+C6)/C6・・・(6)
ステップ114またはステップ116でC6の補正係数が決定した後は、ステップ118へ移行して、次のD7の補正係数を決定する。このD7においても、前記D5及びC6と同様にステップ118において前記補正依存量に、D7を加算した合成露光量が、最大露光量Qよりも大きいか小さいかを判断する。この結果、肯定判定された場合はステップ120へ移行してD7の補正係数を1とする。
【0089】
D7補正係数←1・・・(7)
また、否定判定された場合はステップ122へ移行して、D7の露光量に対する前記補正依存量とD7の合成露光量の比を演算し、この演算結果をD7の補正係数としステップ124へ移行する。
【0090】
D7補正係数←(((D6+E6−Q)/3)+D7)/D7・・・(8)
なお、ステップ100で否定判定され、ステップ102で完全補正された場合は、ステップ102からステップ124へ移行する。ステップ124では1回目の露光において、他の画素の補正係数を1としてステップ126へ移行する。ステップ126では液晶表示パネル20へ画像を表示する。この表示は、前記補正係数が加味された状態で表示される。
【0091】
次のステップ128では1回目の露光が開始される。すなわち、本実施の形態では露光を2回に分けているため、このステップ128では所望の露光量(露光時間)の1/2だけが行われる。ステップ128で1回目の露光が終了すると、ステップ130へ移行し、液晶表示パネル20を座標xのプラス方向に1画素ピッチ分移動させる。
【0092】
これにより、ツブレ欠陥不良画素は見掛け上、E6に移行することになる。そこで、ステップ132ではD6の露光量とE6の露光量の合成露光量が、最大露光量Qよりも大きいか小さいかを判断する。このステップ132は、前記ステップ100と対応しており、欠陥とされる不良画素がD6からE6に変わったのみである。従って、以下のステップの説明は前記ステップ102からステップ128までと同様であるため、同一のステップ番号の末尾にアルファベットAを付して説明は省略する。このステップ102Aからステップ122Aにより、D6、E5、F6、E7の補正係数を定めることができる。
【0093】
Figure 0003549647
また、ステップ128Aで2回目の露光が完了すると、画像の露光は終了する。以上のような露光量制御において、ステップ100からステップ102へ移行する例は表1(ツブレ1)に示される如く、画像の露光量が46%の場合に該当する。
【0094】
【表1】
Figure 0003549647
【0095】
また、ステップ106で肯定判定されるのは、表2(ツブレ2)に示されるような画像の露光量が90%の時に該当する。
【0096】
【表2】
Figure 0003549647
【0097】
さらに、ステップ106で否定判定される例としては、表3(ツブレ3)に示されるような画像の露光量が76%のときが該当する。
【0098】
【表3】
Figure 0003549647
【0099】
図6にはヌケ欠陥のときの露光量の制御フローチャートが示されている。
ステップ200では、D6に対応する画像の露光量が、最大露光量Qの半分の露光量(Q/2)よりも大きいか小さいかが判断される。
【0100】
このステップ200で肯定判定された場合は、D6とE6との露光制御のみで所望の露光量が得ることができ、E6の補正係数を以下のように決定する。
【0101】
E6補正係数←(D6+E6−Q)/E6・・・(13)
また、ステップ200で否定判定された場合は、ステップ204へ移行する。ステップ204では、E6の補正係数を0とする。
【0102】
E6補正係数←0・・・(14)
すなわち、D6の露光量が50以下の場合には、1回の露光でこの所望の露光量を超えてしまうため、同一画像がE6に対応したとき、E6を全閉状態としておく。これにより、所望の露光量との差を最小限に食い止めることができる。
【0103】
次のステップ206では最小限に食い止めたD6の露光量は、所望の露光量との間に、依然として差があるため、その回りの画素D5、C6、D7で補正する必要がある。
【0104】
ステップ206では、そのD5の補正係数を決定するため、D6の露光量から最大露光量Qの半分(Q/2)を差し引き,これをC6とD7で分割して補正するために、3で割った値(補正依存量)にD5/2の露光量を加算した値を演算する。
この補正依存量とD5/2との合成露光量が負の数である場合には(否定判定)、D5を全開放しても補正しきれないため、ステップ208へ移行してD5の補正係数を0とする。
【0105】
D5補正係数←0・・・(15)
また、ステップ206で肯定判定、すなわち前記補正依存量とD5/2の合成露光量が正の数の場合には、ステップ210へ移行して前記補正依存量とD5との合成露光量に対するD5/2の比を、1回目の露光時のD5の補正係数とする。
【0106】
D5補正係数←((D5/2)+( D6−(Q/2))/3)/(D5/2)・・・(16)
次にステップ212では、C6の補正係数を決定すべく、前記補正依存量とC6の合成露光量が正の数か負の数かを判断する。このステップ212で否定判定、すなわち負の数と判定された場合はステップ214へ移行してC6の補正係数を0とする。
【0107】
C6補正係数←0・・・(17)
また、ステップ212で肯定判定、すなわち正の数と判定された場合には、前記補正依存量とC6の合成露光量に対するC6の比を1回目の露光時のC6の補正係数とする。
【0108】
C6補正係数←((C6/2)+( D6−(Q/2))/3)/(C6/2)・・・(18)
次にステップ218では、D7の補正係数を決定すべく、前記補正依存量とD7の露光量を加算した合成露光量が、正の数か負の数かを判断する。このステップ218で否定判定された場合は、ステップ220へ移行してD7の補正係数を0とする。
【0109】
D7補正係数←0・・・(19)
肯定判定された場合には、ステップ222へ移行して前記補正依存量のD7の合成露光量に対するD7の比を、1回めの露光時のD7の補正係数とし、ステップ224へ移行する。
【0110】
D7補正係数←((D7/2)+( D6−(Q/2))/3)/(D7/2)・・・(20)
ステップ224では、ステップ200で肯定判定された場合には、E6以外の他の画素の補正係数を1とし、ステップ200で否定判定された場合はD6、D5、C6、D7以外の他の画素の補正係数を1に設定する。
【0111】
次のステップ226では、液晶表示パネル20へ画像表示する。この時の画像の表示は、前記設定された補正係数に基づいて表示される。
【0112】
次のステップ228では、この液晶表示パネル20の表示に基づいて1回目の露光が実行される。
【0113】
次いで、ステップ230で液晶表示パネル20の1画素ピッチ分の移動がなされる。ステップ230で液晶表示パネル20の移動が完了すると、ステップ232へ移行してE6の露光量が最大露光量Qの半分(Q/2)を超えているか否かが判断される。
【0114】
すなわち、液晶表示パネル20の移動によって、ヌケ欠陥とされる不良画素が見掛け上、E6の位置にくるため、このE6に基づいて前記ステップ200と同様な比較を行う。
【0115】
以下の処理は前記ステップ202からステップ228までの処理と同様であるため、同一の符号の末尾にアルファベットBを付して説明を省略する。このステップ202Bからステップ222Bにより、E6、E5、F6、E7の補正係数を定めることができる。
Figure 0003549647
また、ステップ228Bでは2回目の露光が実行され、これによって画像の露光は完了する。
【0116】
ここで、ステップ200で肯定判定される例として、表4(ヌケ1)に示される如く、画像濃度が56のときが挙げられる。
【0117】
【表4】
Figure 0003549647
【0118】
またステップ200で否定判定されステップ206で肯定判定される場合の例として、表5(ヌケ2)に示される如く、画像濃度が30のときが挙げられる。
【0119】
【表5】
Figure 0003549647
【0120】
また、ステップ206で否定判定される場合は、表6(ヌケ3)に示される如く、画像濃度が16のときが挙げられる。なお、ヌケ2とヌケ3との境は、露光量20%である。
【0121】
【表6】
Figure 0003549647
【0122】
このように、1つの画像を2回の露光に分けて行うことにより、液晶表示パネル20上の画素に不良画素があった場合でも、その周囲の画素の露光制御によって補正することができ、不良画素に対応する画像の濃度変化を目立たなくすることができる。
【0123】
なお、露光回数を、2回としたのは露光制御の時間を必要以上に長くすることなく、ある程度の補正ができるためである。露光時間を考慮しなければ、露光回数を増加すればするほど、補正精度は向上する。本実施の形態では、上記の如く露光露光回数を2回としたが、本実施の形態に示した画素ずらしは、3回以上の露光に対応可能となっているため、装置構成を変更せず、露光量の計算のみで、露光回数の設定変更が可能である。
【0124】
また、本実施の形態では、不良画像として透過光量が0%の状態で制御不能であるツブレ欠陥と、透過光量が100%の状態で制御不要であるヌケ欠陥について説明したが、透過光量が0%を超え100%未満の一定値で制御不能である欠陥についても同様な方法で補正できることは言うまでもない。
【0125】
なお、本実施の形態の画像露光方法は、カラー画像を念頭に説明しているが、白黒画像に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0126】
また、全色について補正を行う(3色を2回づつ)ようにしたが、例えば人間の眼に感じ易いG色の露光時のみ補正(画素ずらしによる分割露光)を行ってもよい。これによれば、全体の露光回数を軽減することができる。
【0127】
さらに、不良画素の状態と、不良画素に表示される画像信号の強度(それぞれの露光量)との組み合わせで補正するか否か、補正の度合いを決定したが、RGBの画像信号を輝度信号に変換して、それぞれの画素をこの輝度信号に基づいて補正するようにしてもよい。これによれば、各色毎に演算する必要がなく、演算処理を簡略化することができる。
【0128】
また、本実施の形態では画素ずらしを1画素ピッチとしたが、感光材料上で1.5画素以上のピッチとなるようにしてもよい。これによれば、不良画素が集中することを防止することができ、より目立たなくすることができる。
【0129】
なお、本実施の形態では、図4に示される如く、不良画素に対して横方向(左右方向)に位置する画素によって補正するようにしたが、天地(上下)方向に対応する画素で補正するようにしてもよい。この選択は、画像に応じて決定するようにしてもよい。例えば、不良画素が異なる色味(特に反対色)の境目に位置する場合は上下左右の同色のものを選択したり、罫線や文字のように白黒のみの表示部分の境目の場合には、罫線や文字の縁に沿った方向に隣接する画素を選択することが好ましい。
【0130】
また、白黒画像部分の場合、ツブレ欠陥で黒色表示位置或いはヌケ欠陥で白色表示位置に対応するときは、ツブレ結果が白色表示位置、ヌケ結果が黒色表示位置にくるように液晶表示パネル20を予め移動させておき、1回の露光で処理するようにしてもよい。この場合、液晶表示パネル20の表示可能領域を画像表示領域よりも大きくしておくことにより、調整幅をその分大きくとることができる。
【0131】
なお、本実施の形態では、表示パネルとして、液晶表示パネル20を例にとり説明したが、本発明が適用可能な表示パネルとしては、上記液晶表示パネル以外に以下に示すものがある。
【0132】
【表7】
Figure 0003549647
【0133】
なお、発光形の代表的な例として、CRTを例に挙げて装置構成を簡単に説明すると、図7に示される如く、CRT100の表示面に対向して印画紙102が図7の左ロール104から右ロール106へと移動するようになっている。左ロール104及び右ロール106は、画像サイズに応じて印画紙102を搬送する。このとき、マスク108の開口部分が次の露光領域となり、CRT100に映し出された画像が露光されることになる。
【0134】
CRT100には、表示コントローラ110が接続されており、この表示コントローラ110は、画像情報記憶装置112から読み取った画像をCRT100の特性(水平同期、垂直同期、走査線本数)に合わせて画像処理し、CRT100へ出力するようになっている。
【0135】
このような画像が表示さえるCRT100において、全く表示されない部分が、上記液晶表示パネル20のツブレ欠陥に相当し、表示コントローラ110の制御に拘らず、常に最大発光してしまう部分が、上記液晶表示パネル20のヌケ欠陥に相当するため、同様なシフト動作、分割露光を行うことによって、欠陥を目立たなくすることができる。この場合、CRT100と印画紙102との相対移動(n+0.5 ピッチ)が必要であるが、液晶表示パネル20のようにCRT100は容易に動き難いため、印画紙102を移動することが望ましい。
【0136】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る表示パネルを用いた画像露光方法は、濃度(透過光量又は反射光量或いは発光量)の調整ができない画素が存在し、その位置が特定できる場合に、その不良(欠陥)画素の周囲の画素の濃度(透過光量又は反射光量或いは発光量)を用いて補正し、欠陥による感光材料上の点状の濃度異常を目立たなくし、画像品質の低下を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示パネルを用いた画像露光装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶表示パネル及びその周辺部の構造を示す分解斜視図である。
【図3】(A)は本実施の形態に係る液晶表示パネルの平面図、(B)は図3(A)の液晶表示パネルの移動を座標表示した場合の特性図である。
【図4】液晶表示パネル上でマトリクス配列された各画素を特定するための座標変換図である。
【図5】ツブレ欠陥の不良画素を補正するための露光制御フローチャートである。
【図6】ヌケ欠陥の不良画素を補正するための露光制御フローチャートである。
【図7】表示パネルとしてCRTを用いた、画像記録装置の概略図である。
【符号の説明】
12 プリント部
20 液晶表示パネル
24 コントローラ
26 液晶表示パネル移動部
28、64 圧電素子

Claims (6)

  1. 画像を表示パネルに構成されたマトリクス状の各画素毎に分割し、それぞれの画素の透過光量又は反射光量或いは発光量を調整することによって、感光材料上に画像を露光する表示パネルを用いた画像露光方法であって、
    前記表示パネル上の画素に透過光量又は反射光量或いは発光量調整不能な不良画素があるとき、
    前記表示パネルのマトリクス状の画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置ずらし回数に応じて1画素それぞれに必要な露光量を分して1回の露光量とし、
    該特定された不良画素に対応する画像の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御し、
    前記ずらしを行なうことで、画像の露光を複数回に分けて行なう
    ことを特徴とする表示パネルを用いた画像露光方法。
  2. 画像を表示パネルに構成されたマトリクス状の各画素毎に分割し、それぞれの画素の透過光量又は反射光量或いは発光量を調整することによって、感光材料上に画像を露光する表示パネルを用いた画像露光方法であって、
    前記表示パネル上の画素に透過光量又は反射光量或いは発光量調整不能な不良画素があるとき、
    露光回数を2回として1画素それぞれに必要な露光量を分割して1回の露光量とし、
    該特定された不良画素に対応する画素の濃度の度合いによって、その周囲の画素の露光量を制御し、
    1回目の露光が終了した時点で、前記表示パネルのマトリクス状の画素群と、それぞれの画素に対応する分割画像との相対位置を1画素ピッチずらした後、2回目の露光を行なう
    ことを特徴とする表示パネルを用いた画像露光方法。
  3. 前記不良画素が最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が0%の画素、透過光量又は反射光量或いは発光量が100%の画素であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示パネルを用いた画像露光方法。
  4. 前記マトリクス状の画素群と分割画像との相対位置のずらしは、前記マトリクス状の画素群に対応させる分割画像の表示位置を二次元的にシフトさせ、かつそのシフト分前記表示パネル全体を上記方向とは逆方向に二次元的にシフトさせることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の表示パネルを用いた画像露光方法。
  5. 前記ずらし方向が、天地又は左右方向のいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の表示パネルを用いた画像露光方法。
  6. 前記不良画素が、最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が0%の画素であるときは、前記不良画素の周囲の画素の露光量を必要に応じて所望の露光量よりも多くし、
    前記不良画素が、最大の透過光量又は反射光量或いは最大の発光量Qに対して、透過光量又は反射光量或いは発光量が100%の画素であるときは、前記不良がその周囲の画素の露光量を必要に応じて所望の露光量よりも少なくする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の表示パネルを用いた画像露光方法。
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