JP3548395B2 - 固体レーザ発振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体レーザ発振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平7−116878号公報記載のものに見られるように、光軸調整用レーザ発振器を備えたレーザ発振装置が提供されており、この光軸調整用レーザ発振器によりレーザ発振装置の光軸やレーザ発振装置から放射されるレーザ光の出力光軸などの光路調整を行っている。
【0003】
そして、上記光路調整を行わない場合には、レーザ発振装置からのレーザ光が光軸調整用レーザ発振器の内部に入ると光軸調整用レーザ発振器の損傷を招くため、これを防止するためにレーザ発振装置と光軸調整用レーザ発振器との間にシャッタを設け、このシャッタを閉じることで、上記光軸調整用レーザ発振器の損傷を防止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、シャッタを閉じ忘れた場合にレーザ発振装置からのレーザ光が光軸調整用レーザ発振器の内部に入ってしまい、損傷を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、光軸調整用レーザ発振器を固定配置して光軸調整が容易に行うことができるとともに、この光軸調整用レーザ発振器へレーザ光が入るのを確実に防止してこれによる光軸調整用レーザ発振器の損傷を防止することのできる固体レーザ発振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体レーザ発振装置は、固体レーザ媒質の両端に出力鏡と全反射鏡とが配置され、フラッシュランプから固体レーザ媒質への励起光の照射により出力鏡側となる固体レーザ媒質の一端側からレーザ光を出力する固体レーザ発振装置において、前記固体レーザ媒質の他端側には前記全反射鏡を挟んで光軸調整用レーザ発振器が固設されるとともに、この光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に固体レーザ媒質からのレーザ光をモニタする出力計が当該光軸調整用レーザ発振器及び全反射鏡と同軸上に且つ着脱自在に配置される一方、上記出力計が光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に配置されているか否かを検出する検出装置からの検出信号に基づいて、制御装置では当該出力計が光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に配置されていない場合に、上記固体レーザ媒質からのレーザ光の発生を不能にするように構成されたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明に係る固体レーザ発振装置の概略構成を示している。
図1において、1は固体レーザ媒質であり、この固体レーザ媒質1は、YAG、ガラス、ルビー等が使用されている。
【0010】
2は、フラッシュランプで、このフラッシュランプ2は前記固体レーザ媒質1を光励起するためのものである。
【0011】
前記固体レーザ媒質1の一端近傍には出力鏡3が配置されるとともに、他端近傍に全反射鏡4が配置されており、前記フラッシュランプ2からの励起光が固体レーザ媒質1に照射されることで、全反射鏡4の反射作用により出力鏡3が設けられた固体レーザ媒質1の一端側からレーザ光が出力される。
【0012】
前記固体レーザ媒質1の他端側には前記全反射鏡4を挟んで光軸調整用レーザ発振器5が設けられている。
【0013】
光軸調整用レーザ発振器5は、前述した固体レーザ媒質1、出力鏡3及び全反射鏡4の光軸を調整するためのもので、予め固体レーザ媒質1の同軸上に固定した状態で配置されている。この光軸調整用レーザ発振器5は、可視光線が発生可能に構成されている。
【0014】
また、光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間には、これら光軸調整用レーザ発振器5及び全反射鏡4と同軸上に出力計6が介在されている。
【0015】
ここで、全反射鏡4は、固体レーザ媒質1から当該全反射鏡4に照射されたレーザ光のほとんどを反射するのであるが、わずかなレーザ光はそのまま透過するのが実情である。よって、この全反射鏡4を透過したわずかなレーザ光を上記出力計6でモニタし、このモニタ結果を制御装置7に出力している。
【0016】
制御装置7では、上記モニタ結果に基づいてレーザ光の現状の出力を表示するとともに、レーザ光の出力が低下した場合には電源8からフラッシュランプに投入する電力を増加させて所定のレーザ出力が得られるように制御している。
【0017】
ここで、前記出力計6は、前記光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間から着脱自在に構成されている。
【0018】
また、前記出力計6の近傍には検出装置としてのリミットスイッチ、近接スイッチなどのセンサ9が設けられている。センサ9は、出力計6が光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間に介在されているか否かを検出するもので、センサ9の検出信号が前記制御装置7に入力される。
【0019】
そして、制御装置7では上記センサ9からの検出信号に基づいて、出力計6が光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間に介在されている場合のみ電源8をONにして固体レーザ媒質1によるレーザ光の発生を可能にするとともに、出力計6が光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間に介在されていない場合には、電源8をOFFにして固体レーザ媒質1によるレーザ光の発生を不能にしている。
【0020】
これによりレーザ光が発生している場合には、出力計6は必ず光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間に介在されており、全反射鏡4を透過したレーザ光をこの出力計6で必ず受けることになる。この結果、レーザ光は、光軸調整用レーザ発振器5に入ることがなく、レーザ光が入ることによる光軸調整用レーザ発振器5の損傷を確実に防止することができる。
【0021】
また、光軸調整を行う場合には出力計6を光軸調整用レーザ発振器5と全反射鏡4との間から取り外すことで、前回に調整した光軸調整時の基準を簡単に再現することができ、光軸調整を容易に行うことができる。この際、フラッシュランプ2の電源8はセンサ9からの検出信号によりOFFになされており、レーザ光が発生するおそれがなく、安全に光軸調整を行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に出力計を着脱自在に設け、レーザ光が発生している場合には全反射鏡を透過したレーザ光を出力計で受けるようにしたことで、レーザ光が光軸調整用レーザ発振器に入ることがなく当該光軸調整用レーザ発振器の損傷を確実に防止することができる。
【0023】
また、光軸調整を行う場合には、出力計を光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間から取り外すことで、前回に調整した光軸調整時の基準を簡単に再現することができ、光軸調整を容易に行うことができる。
【0024】
さらに、検出装置により出力計が光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に配置されていないことを検出した場合に、制御装置によってレーザ光の発生を不能にしたことで、安全に光軸調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体レーザ発振装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 固体レーザ媒質
2 フラッシュランプ
3 出力鏡
4 全反射鏡
5 光軸調整用レーザ発振器
6 出力計
7 制御装置
9 センサ(検出装置)

Claims (1)

  1. 固体レーザ媒質の両端に出力鏡と全反射鏡とが配置され、フラッシュランプから固体レーザ媒質への励起光の照射により出力鏡側となる固体レーザ媒質の一端側からレーザ光を出力する固体レーザ発振装置において、
    前記固体レーザ媒質の他端側には前記全反射鏡を挟んで光軸調整用レーザ発振器が固設されるとともに、この光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に固体レーザ媒質からのレーザ光をモニタする出力計が当該光軸調整用レーザ発振器及び全反射鏡と同軸上に且つ着脱自在に配置される一方、上記出力計が光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に配置されているか否かを検出する検出装置からの検出信号に基づいて、制御装置では当該出力計が光軸調整用レーザ発振器と全反射鏡との間に配置されていない場合に、上記固体レーザ媒質からのレーザ光の発生を不能にするように構成されたことを特徴とする固体レーザ発振装置。
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