JP3547680B2 - 車両用浮き床構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用浮き床構造、特に鉄道車両の車体に用いられる浮き床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道車両車体は、床構造、側構造、屋根構造、及び妻構造から構成されている。従来、鉄道車両車体の床構造は、乗員が接する床板とこれを支持する台枠との間に、弾性体を配設することで、該弾性体の圧縮変形又はせん断変形で乗客荷重を受けるようにするとともに、台枠から床板に伝達される振動を低減し、室内を低騒音にするようにされている。
【0003】
例えば特開平10−152050号公報に記載されるように、台枠の根太と床板との間に弾性体を配置し、弾性体を載せる根太に所定の間隔で穴を設け、弾性体に前記穴に入る突出部を所定の間隔で設け、前記突出部にはねじ座を配置しており、前記床板から前記ねじ座にねじを螺合させるようにしたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような床構造では、車内騒音の低減のために、低荷重時において低固有振動数を得ようとすると、圧縮方向に軟らかい弾性体を使用しなくてはならないが、そのようにすると、乗客歩行時等のように乗客荷重が上床板に作用する高荷重時には、上下方向の変位が大きく、不必要に低い固有振動数となり、踏み心地の悪化や、床敷物の亀裂の問題を生じ、側立ち上げ部における複雑な変位吸収構造などが必要とされる。
【0005】
また、例えば特開平10−152049号公報に記載されるように、台枠の床を支持する根太に防振のための弾性体を固定するストッパを設けることも提案されているが、かかる構造でも、やはり、車内騒音の低減のために、低荷重時において低固有振動数を得ようとすると、圧縮方向に軟らかい弾性体を使用しなくてはならず、乗客荷重が上床板に作用する高荷重時には、上下方向の変位が大きく、不必要に低い固有振動数となり、踏み心地の悪化や、床敷物の亀裂の問題を生じるのに加えて、上側の上床板に設けられたねじ座が下側のストッパ−に当たり、それらが接触する結果として上床板が剛支持されることとなり、車内騒音の低減を図ることができない。
【0006】
本来、乗客が上床板を踏んだ場合でも、踏んでいない場合でも、固有振動数が余り変化せず、また、上下方向の静的変位は、上記理由により小さい方が望ましい。
【0007】
この発明は、車内騒音が小さく、床面の踏み心地や敷物の亀裂などの問題を回避できる車両用浮き床構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両用浮き床構造は、台枠の上側に、乗客荷重を受ける上床板が弾性体を介して配設される車両用浮き床構造であって、前記弾性体の長手方向の各端部付近と前記台枠又は上床板との間に、前記弾性体より剛性が高い第1のスペーサーが配設され、前記弾性体の長手方向の中央部付近と前記上床板又は台枠との間に、前記弾性体より剛性が高い第2のスペーサーが配設され、乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には、前記弾性体が、前記第2のスペーサーに押されて前記台枠又は上床板に接触するように構成されている。ここで、前記第1のスペーサーの長手方向における間隔、第2のスペーサーの長手方向における長さ、弾性体の厚さ及び硬度を適切に選定することにより、車内騒音の低減と床面(上床面)の踏み心地の良さとの両立が図れる。また、前記弾性体は、車両長手方向に沿って配設しても、他の方向に沿って配設してもよい。
【0009】
このようにすれば、乗客が上床板を踏んでいない部分では、上床板が、台枠上に第1のスペーサー、弾性体及び第2のスペーサーを介して弾性的に支持されているので、弾性体は、曲がりやすく、かつ撓みやすい状態となっている。そのため、乗客が上床板を踏んでいない低荷重時には、その弾性体により、上床板は、台枠上に、バネ定数が小さく、軟らかい弾性体であたかも支持されているかのようになっている。よって、台枠から上床板を経由して室内に伝播される振動を弾性体により効果的に低減され、上床板が振動することにより室内に放射される音圧が低減される。
【0010】
一方、乗客が上床板を踏んでいる部分では、弾性体が第1のスペーサーの間を通じて、第2のスペーサーによって台枠に押し付けられることになるので、弾性体が圧縮されることで上床板の荷重を受けることになる。そのため、その弾性体により、上床板は、台枠上に、前述した場合とは逆に、バネ定数が大きく硬い弾性体であたかも支持されているかのようになっている。また、この状態では、圧縮変形で使用することになるので、弾性体が切断されるということがなく、一定量以上の変形は規制される。
【0011】
また、前記第1及び第2のスペーサーは、薄板状の金属スペーサーとすることが望ましい。
【0012】
このようにすれば、弾性体と金属との剛性の相違により、上床板の状態の変化が、金属からなる第2のスペーサーを介して弾性体に的確に伝達され、所望の特性が実現される。
【0013】
この場合、前記第1のスペーサーは、前記第2のスペーサーよりも厚さが薄く形成されているようにできる。
【0014】
このようにすれば、前記上床板が高荷重を受け、前記第2のスペーサーに押されて前記弾性体が前記台枠に接触しても、前記第1のスペーサーに対応する部分の弾性体は、上床板に接触しておらず、隙間が形成される。よって、前記弾性体が第2のスペーサーに押されて台枠に接触するまで、上床板が、前記第1のスペーサーに対応する部分の弾性体に接触することがなく、一定の範囲での軟らかさが確実に確保される。
【0015】
また、本発明に係る車両用浮き床構造は、台枠の上側に、乗客荷重を受ける上床板が弾性体を介して配設される車両用浮き床構造であって、前記上床板と弾性体との間に上部スペーサーが、前記弾性体と台枠との間に下部スペーサーがそれぞれ設けられて上床板が台枠上に弾性的に支持され、弾性体は、曲がりやすくかつ撓みやすい状態となっており、乗客が上床板を踏んでいない低荷重時には弾性体が台枠に接触することなく荷重を支持し、乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には弾性体の中央部分が下部スペーサの間を通じて撓んで台枠に押し付けられ上下方向において圧縮されながら荷重を支持し、低荷重状態から高荷重状態に亘って弾性体の中央部分が下方に撓みながら荷重を支持する構成とされ、前記上床板が、前記台枠に対して、前記低荷重時にはバネ定数が小さく、前記高荷重時にはバネ定数が大きく、弾性体の中央部分が下部スペーサの間を通じて撓んで台枠に押し付けられ上下方向において圧縮されながら荷重を支持している状態であり、低荷重から高荷重に変化するに連れて徐々にバネ定数が増加するように支持されているようにすることもできる。すなわち、台枠の上側に、上床板を、高荷重時には硬く、低荷重時には軟らかい非線形の防振構造で支持することになり、低荷重時には騒音低減を、高荷重時には乗客の踏み心地を重視する構造となっている。
【0016】
このようにすれば、乗客が上床板を踏んでいない低荷重時には、上床板を支持する構造のバネ定数が小さく、軟らかいので、台枠の振動が上床板に伝達されるのが遮断され、車内側へ放射される騒音が効果的に低減される。一方、乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には、上床板を支持する構造のバネ定数が大きく、硬くなるので、乗客は、安定した踏み心地を得て、床敷物の亀裂などの問題も生じない。
【0017】
また、その場合、さらに、前記上床板が、一定量以上の変位が規制されるように構成されていることが望ましい。
【0018】
これにより、乗客が上床板を踏んだときに、上床板が台枠側(下側)に一定量以上撓むということがなくなり、上床板のたわみ量が大きいことによる乗客の踏み心地の悪化が回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0020】
図1は本発明に係る車両用浮き床構造の概略構成を示す斜視図、図2は同構造において乗客が上床板を踏んでいない箇所の状態を示す説明図、図3(a)(b)はそれぞれ上部金属スペーサー(第2のスペーサー)、ゴム(弾性体)及び下部金属スペーサー(第1のスペーサー)の関係を示す正面図及び側面図である。
【0021】
図1及び図2において、上床板1は、台枠2の上に、上部金属スペーサー3(第2のスペーサー)、ゴム4(弾性体)及び下部金属スペーサー5(第1のスペーサー)を介して設けられている。
【0022】
前記上床板1は、主に室内の座席荷重及び乗客荷重等の垂直荷重を受け持つ部材であり、例えば、アルミニウム合金製の接着ハニカムパネルが用いられる。一方、前記台枠2は、例えば、アルミニウム合金などの軽合金製の押し出し材で構成されたもので、車端圧縮荷重及び圧力荷重等に耐える強度部材とされている。なお、上床板1の上側には、床敷物6が設けられている。
【0023】
前記ゴム4は、上下面が平面である略直方体形状に形成されており、車両長手方向(前後方向)に沿って配設されている。そのゴム4の下面において、車両長手方向の前後端部には、それぞれ、前記ゴム4よりも剛性が高い薄板状の下部金属スペーサー5で支持されている。また、前記ゴム4の上面において、車両長手方向の中央部は、前記ゴム4よりも剛性が高い薄板状の上部金属スペーサー3を介して、上床板1を支持している。ここで、前記金属スペーサー3,5として薄板状のものを用いているので、上下方向の静的変位は大きくならない。また、前記金属スペーサ3,5は、必ずしも中央部や端部に完全に位置している必要はなく、少し位置がずれていてもよい。
【0024】
より具体的に説明すると、図3に示すように、前記ゴム4は、例えば天然ゴム(NBR#40)からなり、縦断面が正方形状の直方体形状とされる。一方、前記上部及び下部金属スペーサー3,5は、例えばアルミニウム合金からなる薄板状のスペーサーである。具体的な寸法の一例を示すと、ゴム4は、幅W=50mm、長さL1=400mm、高さH=50mmであり、上部金属スペーサー3は、幅W=50mm、長さL2=100mm、厚さt1=1mmであり、下部金属スペーサー4は、幅W=50mm、長さL2=100mm、厚さt2=1.5mmである。上部金属スペーサー3はゴム4の上面の長さ方向の中央位置に、下部金属スペーサー5はゴム4の下面の前後端部位置にそれぞれ設けられている。そして、上部及び下部金属スペーサー3,5の長さL2は等しく、ゴム4の長さL1がそれのほぼ4倍で、下部金属スペーサー5の間隔(L1−2×L2)は下部金属スペーサー5の長さL2の2倍で、下部金属スペーサー5の中央側端部と上部金属スペーサー3の両端部との長さ方向の水平間隔(L1−3×L2)/2が、各金属スペーサー3,5の長さL2の1/2程度となっていることになる。
【0025】
そして、乗客が上床板1を踏んでいない箇所では、図2に示すように、上床板1が台枠2上に上部金属スペーサー3、ゴム4及び下部金属スペーサー5を介して弾性的に支持されており、ゴム4は、曲がりやすくかつ撓みやすい状態となっている。そのため、前記ゴム4により、上床板1は、台枠2上に、小さいバネ定数で軟らかい弾性体であたかも支持されているかのようになっている。
【0026】
一方、乗客が上床板1を踏んでいる箇所では、図4に示すように、ゴム4の中央部が下部金属スペーサー5の間を通じて台枠2に押し付けられることになるので、ゴム4が圧縮されることで上床板1の荷重を受けることになる。そのため、そのゴム4により、上床板1は、台枠2上に、前述した場合とは逆に、大きいバネ定数の弾性体であたかも支持されているかのようになっている。
【0027】
このような機能を発揮するゴム4を用いた弾性支持構造体を、上床板1と台枠2との間に適宜配設することで、従来の構造において通常用いられている根太を省略することができる。
【0028】
さらに詳述すれば、上床板を支持する防振構造が弾性体のみで支持する従来の構造であれば、乗客荷重を上床板を介して弾性体が常時圧縮変形して受けることになるので、図5において弾性ラインeで示すように、荷重の変化に対しバネ定数が変化せず、ほぼ一定となる。よって、踏み心地が悪くなるのを回避するためにバネ定数をあまり小さくすることはできない。そのため、乗客が上床板を踏んでおらず、踏み心地について考慮する必要がない低荷重時状態の場合であっても、バネ定数はあまり小さくなく、車内騒音の低減を図るという点で不利であった。
【0029】
また、上床板を支持する防振構造がストッパーを備える従来の構造(特開平10−152049号公報参照)では、バネ定数を小さくして弾性体を軟らかくすることができ、乗客が上床板を踏んでおらず、踏み心地について考慮する必要がない低荷重時には、車内騒音の低減化が図れるが、乗客荷重が作用してストッパーが当接する高荷重時には、弾性的支持状態ではなく、剛体的支持状態となり、その状態では車内騒音の低減化が図れないと考えられる(図5の弾性ラインf参照)。
【0030】
それに対し、本発明に係る上記構造では、低荷重時には、ゴム4は撓むことができるので、小さいバネ定数(図5の弾性ラインdのa部分参照)を得ることができる一方、高荷重時には、ゴム4は撓むことができなくなり、圧縮状態で乗客荷重を受けるようになるので、大きいバネ定数(図5の弾性ラインdのc部分参照)を得ることができる。しかも、そのようなゴム4の変形により、低荷重状態から高荷重状態に変化するに連れて徐々にバネ定数が増加するように(図5の弾性ラインdのb部分参照)弾性的に支持することを実現できる。これによって、低荷重状態から高荷重状態に亘って、台枠2の振動が上床板1に伝達されるのが遮断され、車内側へ放射される騒音が効果的に低減され、静かな車内騒音の車両を得ることができ、乗客の踏み心地を損なうおそれもない。
【0031】
ここで、前記弾性ラインdのaの部分は、ゴム4が台枠2に接触することなく荷重を支持している状態であり、bの部分は、ゴム4の中央部分が下方に撓みながら荷重を支持している状態であり、cの部分は、ゴム4が上下方向において圧縮されながら荷重を支持している状態である。このように、乗客が上床板1を踏んでいない低荷重状態から、乗客が上床板1を踏んでいる高荷重状態にバネ定数は緩やかに変化するので、固有振動数は急激に変化しない。
【0032】
このような支持弾性特性は、前記下部金属スペーサー5の間隔及び厚さ、上部金属スペーサー3の長さ、ゴム4の厚さ及び硬度を適切に選定することにより、広範囲にわたって支持弾性特性を変化させることが可能となり、自由度の高い設計を行うことができる。
【0033】
例えば、下部金属スペーサー5の間隔を広くすれば、ゴム4が撓みやすくなり、前記弾性ラインdの部分aから部分bへの切り替わり荷重や部分bから部分cへの切り替わり荷重が小さくなる傾向となる。下部金属スペーサー5の厚さを薄くしても同様の傾向となる。一方、上部金属スペーサー3の長さを長くすれば、逆に、前記弾性ラインdの部分aから部分bへの切り替わり荷重や部分bから部分cへの切り替わり荷重が大きくなる傾向となる。また、ゴム4の厚さを厚くしたり、硬度を高くしても同様の傾向となる。
【0034】
前記実施の形態においては、弾性体であるゴム4の下面(台枠)側に2つの金属スペーサー5を、上面(上床板)側に1つの上部金属スペーサ3を設けるようにしているが、本発明はそれに限定されるものではなく、逆に、弾性体の下面(台枠)側に1つのスペーサーを、上面(上床板)側に2つのスペーサを設けるようにすることも可能である。但し、上床板に乗員荷重が作用したときの応答性の点からは、前記実施の形態のように、上床板側に1つのスペーサ(第2のスペーサー)を、台枠側に2つのスペーサ(第1のスペーサー)を設けることが望ましい。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0036】
本発明に係る車両用浮き床構造は、乗客が上床板を踏んでいない、低荷重を受ける部分では、上床板を、台枠上に第1のスペーサー、弾性体及び第2のスペーサーを介して弾性的に支持するようにしているので、弾性体は、曲がりやすくかつ撓みやすい状態となり、台枠上に、上床板を小さいバネ定数の弾性体で支持し、振動騒音の低減に寄与することができる。そして、乗客が上床板を踏んでいる、高荷重を受ける部分では、弾性体を第1のスペーサーの間を通じて台枠に押し付け、弾性体を圧縮変形させるようにしているので、上床板は、台枠上に、前述した場合とは逆に、大きいバネ定数の弾性体であたかも支持されているかのようになり、安定した踏み心地感を得ることができる。また、そのような高荷重を受ける場合は、弾性体を圧縮変形させることで使用するので、弾性体が切断されるということがなく、また、一定量以上の変形を規制することができる。
【0037】
この場合、前記第1及び第2のスペーサーを、薄板状の金属スペーサーとすれば、弾性体と金属との剛性の相違により、上床板の状態の変化を、金属からなる第2のスペーサーを介して弾性体に的確に伝達し、所望の特性の確保を実現できる。
【0038】
また、前記第1のスペーサーは、前記第2のスペーサーよりも厚さを薄く形成すれば、前記上床板が高荷重を受け、前記第2のスペーサーに押されて前記弾性体が前記台枠に接触しても、前記第1のスペーサーに対応する部分の弾性体は、上床板に接触しないので、一定の範囲での軟らかさを確実に確保することができる。
【0039】
また、本発明に係る車両用浮き床構造は、前記上床板が、前記台枠に対し、低荷重時にはバネ定数が小さく、高荷重時にはバネ定数が大きく、低荷重から高荷重に変化するに連れて徐々にバネ定数が増加するように支持されているようにすれば、乗客が上床板を踏んでいない低荷重時には、上床板を支持する構造のバネ定数が小さく、軟らかくなり、台枠の振動が上床板に伝達されるのを遮断して、車内側へ放射される騒音を効果的に低減することができる一方、乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には、上床板を支持する構造のバネ定数が大きく、硬くなり、乗客は、安定した踏み心地を得ることができ、床敷物の亀裂などの問題も生じない。
【0040】
また、その場合、さらに、前記上床板について、一定量以上の変位を規制するように構成すれば、乗客が踏んだときに、上床板が台枠側に一定量以上変位するということがなくなり、乗員の踏み心地の悪化をさらに回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用浮き床構造の概略構成を示す斜視図である。
【図2】前記構造において乗客が上床板を踏んでいない箇所の状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係るゴムと、上部及び下部金属スペーサーとの関係を示す図である。
【図4】前記構造において乗客が上床板を踏んでいる箇所の状態を示す説明図である。
【図5】防振構造のバネ定数と上床板に作用する荷重との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 上床板
2 台枠
3 上部金属スペーサー(第2のスペーサー)
4 ゴム(弾性体)
5 下部金属スペーサー(第1のスペーサー)
6 床敷物

Claims (5)

  1. 台枠の上側に、乗客荷重を受ける上床板が弾性体を介して配設される車両用浮き床構造であって、
    前記弾性体の長手方向の各端部付近と前記台枠又は上床板との間に、前記弾性体より剛性が高い第1のスペーサーが配設され、
    前記弾性体の長手方向の中央部付近と前記上床板又は台枠との間に、前記弾性体より剛性が高い第2のスペーサーが配設され、
    乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には、前記弾性体が、前記第2のスペーサーに押されて前記台枠又は上床板に接触するように構成されていることを特徴とする車両用浮き床構造。
  2. 前記第1及び第2のスペーサーは、薄板状の金属スペーサーである請求項1の車両用浮き床構造。
  3. 前記第1のスペーサーは、前記第2のスペーサーよりも厚さが薄く形成されている請求項1又は2記載の車両用浮き床構造。
  4. 台枠の上側に、乗客荷重を受ける上床板が弾性体を介して配設される車両用浮き床構造であって、
    前記上床板と弾性体との間に上部スペーサーが、前記弾性体と台枠との間に下部スペーサーがそれぞれ設けられて上床板が台枠上に弾性的に支持され、弾性体は、曲がりやすくかつ撓みやすい状態となっており、
    乗客が上床板を踏んでいない低荷重時には弾性体が台枠に接触することなく荷重を支持し、乗客が上床板を踏んでいる高荷重時には弾性体の中央部分が下部スペーサの間を通じて撓んで台枠に押し付けられ上下方向において圧縮されながら荷重を支持し、低荷重状態から高荷重状態に亘って弾性体の中央部分が下方に撓みながら荷重を支持する構成とされ、
    前記上床板が、前記台枠に対して、前記低荷重時にはバネ定数が小さく、前記高荷重時にはバネ定数が大きく、弾性体の中央部分が下部スペーサの間を通じて撓んで台枠に押し付けられ上下方向において圧縮されながら荷重を支持している状態であり、低荷重から高荷重に変化するに連れて徐々にバネ定数が増加するように支持されていることを特徴とする車両用浮き床構造。
  5. さらに、前記上床板は、一定量以上の変位が規制されるように構成されている請求項4記載の車両用浮き床構造。
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