JP3545113B2 - ガスセル型原子発振器 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、小型で構造が簡単ではあるが高い周波数安定度が得られるガスセル型原子発振器に係り、特に、大気圧の変動による共鳴周波数の変動を抑えて、周波数安定度を更に高めたガスセル型原子発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセル型原子発振器は、原子固有の共鳴周波数を周波数基準として発振周波数を安定化させる極めて安定度の高い発振器である。現在実用化されているものには、例えば、ガスセルに封入する原子としてルビジウムを用いたガスセル型ルビジウム原子発振器があり、周波数の2次標準器として、通信、放送、航法、GPS衛星等多岐にわたる分野に利用されている。
【0003】
図9は従来のガスセル型原子発振器の基本構成図である。図9を参照して従来技術を説明する。
従来のガスセル型原子発振器は、励起光源部1、二重共鳴部2、電流供給装置5、信号処理制御装置31、電圧制御水晶発振器32及び周波数合成・逓倍回路4で構成されている。
励起光源部1は励起光を出力する。
【0004】
二重共鳴部2については、図10に示す構成図を参照し説明する。
二重共鳴部2は、ガスセル21を内蔵したマイクロ波空洞共振器22と、その外側にガスセル21の全長にわたり安定な直流平行磁場を発生する静磁場コイル27と、加熱・恒温化する恒温ヒータ26と、外部磁場変動を除去する複数の磁気シールド槽25とから構成されている。二重共鳴部2の中央に位置するマイクロ波空洞共振器22は、アルカリ金属原子を封入したガスセル21と、励起光を採り入れる励起光入力窓28と、励起光入力窓28と対極する位置にガスセル21を透過した光を受光しその光強度を電気信号強度に変換して出力する光電変換素子23と、マイクロ波励振用アンテナ24とを備えている。なお、通常ガスセル21内には二重共鳴の共鳴スペクトル幅を狭くするため、緩衝気体として不活性ガスをアルカリ金属原子と共に封入する。
【0005】
電流供給装置5は二重共鳴部2のコイル27に一定の電流を供給する。その電流値は電流供給装置5内部で設定する。
信号処理制御装置31は二重共鳴部2からの信号を受けて、その信号に応じた制御信号を出力する。
電圧制御水晶発振器32は標準周波数信号(周波数f1 )を出力する。
周波数合成・逓倍回路4は前記標準周波数信号を基に周波数の合成、逓倍を行って、マイクロ波を出力する。該マイクロ波の周波数は周波数合成・逓倍回路4内のスイッチの設定で決まる。
【0006】
以上のように構成された従来のガスセル型原子発振器の動作を説明する。
電圧制御水晶発振器32の出力f1 を周波数合成・逓倍回路4にて周波数の合成、逓倍をして、ガスセル21に封入されている原子の共鳴周波数f2 に近いマイクロ波周波数N×f1 を発生させる。このマイクロ波周波数にて二重共鳴部2を励振し、かつ励起光源部1から二重共鳴部2へ励起光を照射して、後述する二重共鳴現象を起こさせる。二重共鳴部2からは、加えるマイクロ波周波数と共鳴周波数との周波数差(N×f1 −f2 )の情報を含んだ信号が出力される。信号処理制御装置31にて前記信号から周波数情報を抽出し、周波数差がゼロになるように電圧制御水晶発振器32の発振周波数を制御する。この電圧制御水晶発振器32の出力周波数f1 を標準周波数出力として取り出し、利用する。
【0007】
ここで、光・マイクロ波二重共鳴現象について、図11に示すルビジウム原子のエネルギー準位の3準位原子系モデルを例にとり説明する。
図11において、熱平衡状態におけるルビジウム原子は、基底準位(5S1/2 )の2つの超微細準位(F=1,F=2)に等分に分布している〔図11(a)〕。このとき、ある一定波長の共鳴光(励起光)をルビジウム原子に照射すると、基底準位の高い超微細準位(5S1/2 ,F=2)にあるルビジウム原子は変化を受けないが、低い超微細準位(5S1/2 ,F=1)にあるルビジウム原子は励起光の光エネルギーを吸収して、励起準位(5P3/2 )に光ポンピングされる。励起準位(5P3/2 )にポンピングされたルビジウム原子は、エネルギーを自然放出して、基底準位(5S1/2 )の2つの超微細準位(F=1,F=2)に等確率で落ちる。励起光を照射し続けることによりこの過程が繰り返され、ルビジウム原子のほとんどが基底準位の高い超微細準位(5S1/2 ,F=2)に集められ、反転分布の状態となる〔図11(b)〕。この状態でルビジウム原子固有の共鳴周波数に近い高周波磁場(マイクロ波)を加えると、共振振動を受けてエネルギーを放出し、基底準位の低い超微細準位(5S1/2 ,F=1)に誘導放出される〔図11(c)〕。低い準位の原子は励起光により、再度励起準位へと光ポンピングされるが、マイクロ波による高周波磁場が共鳴周波数からずれると、誘導放出される原子の数が減り、その結果として低い準位(5S1/2 ,F=1)の原子の数は減り、その結果光ポンピングされる原子の数が減り、励起光の吸収量が減る。
したがって、ガスセルを透過した光(透過光)レベルを光電変換素子で観測し、透過光レベルが常に最小(すなわち、励起光の吸収が最大)となるようにマイクロ波周波数を制御することにより、原子固有の共鳴周波数が持つ極めて安定な周波数が移乗した標準周波数を得ることができる。
【0008】
近年、半導体技術の進歩により半導体レーザ(Laser Diode:以下、LDという。)が実用化され、ガスセル型原子発振器の励起光源として使用されるようになってきた。LDを使用する以前は、従来の励起光源は、キャリアガスと共に原子を封入したランプセルを高周波励振して放電させ、所望波長を含む幅広いスペクトラムを持った放電光を励起光としたランプ励起方式を用いていた。
LDは、その動作(注入)電流、動作温度を制御することによって発振波長を精密に制御することができ、コヒーレントな単一スペクトラムである励起光が得られるため、高効率な原子のポンピングが可能となり、周波数安定度がランプ励起方式よりも一桁向上した。
【0009】
そこで、ランプ励起方式においては、励起光源側の要因が大きいため、加熱・恒温化する恒温ヒータ26を用いて温度を一定に制御しておけばその総合性能に問題とならなかった、ガスセル21の内圧変動によって原子の共鳴周波数が変化する、圧力シフトの影響が顕在化してきた。
温度変動に起因するガスセル21の内圧変動に対しては、ガスセル21を包含するマイクロ波空洞共振器22の温度制御を更に高精密・高安定化することと、金属ガスと共に封入する複数の緩衝気体の種類とその圧力を加減すること等を行って、共鳴周波数の安定化を図っている。ここまで、が従来の技術である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温度制御を更に高精密・高安定化してもなお共鳴周波数の変動があることが判明してきた。
発明者等は、圧力シフトの要因の検討の中で、ガスセル型原子発振器が置かれた部屋の温度、湿度及び気圧の変動と共鳴周波数の変動との関係を調査した。
調査は、発振器の出力周波数データ並びに測定室内の気温、気圧及び湿度の周囲環境データの経時変化を記録し、周波数データと周囲環境要素との重回帰分析を行うこととし、それぞれの相関係数を求めて評価することとした。
【0011】
データは読み取り誤差を無くすためにパーソナルコンピュータによる自動測定とし、時間間隔100秒ごとにデータを記録し、約1ヶ月半の長期測定を行った。また、発振器の出力周波数の変動は、ある基準値との位相比較法で測定を行ったが、周波数の基準には水素メーザ原子発振器を用いた。水素メーザ原子発振器の周波数安定度性能は、2標本分散を時間領域における周波数安定度尺度と定義したアラン分散の尺度にて、τ≦(10の4乗)sec では、σy (τ)=3×(10のマイナス13乗)/τ+4×(10のマイナス14乗)/√(τ)+8.5×(10のマイナス16乗)、また(10の4乗)<τ≦(10の5乗)sec では、σy (τ)≦3.5×(10のマイナス15乗)であり、周波数基準として十分な性能を有している。
【0012】
重回帰分析の結果は、出力周波数と気圧との相関係数がほぼ0.8と大きく、湿度との相関係数は0.2以下、温度との相関は0.3程度であり、前述の周波数安定度劣化が気圧の影響による可能性が高まった。気圧の変化量に対する共鳴周波数変化量は、+1mHz/hPa 程度以下であった。
そこで、出力周波数と気圧との関係に絞って更に調査をすることとし、簡易真空槽を用いて、槽内に二重共鳴部を配置し、ロータリーポンプにて槽内を10hPa ずつ減圧したときの気圧データとガスセル型原子発振器の出力周波数データを記録し相関を調べたところ、その変化率及び方向性が長期データと一致した。
【0013】
次に気圧変動が二重共鳴部のどの場所に影響を与えるかについて考察すると、機械的強度が弱い箇所はガスセルが最も有力であり、ガスセルが気圧による影響で歪が生じたときのセル容積の変化量及びそれから生じる周波数変化量をシミュレートした結果、前述の測定結果による変化率と一致した。特に両端面が平板な円筒形状である場合に、平板の中央部にたわみが生じ、平板と円筒との接続部に歪が生じることがわかった。
【0014】
以上のことより、気圧の変動により二重共鳴部内のガスセルに歪が生じ、ガスセルの内圧力が変化し、緩衝気体の圧力シフトが生じることから、結果として共鳴周波数が変化することが確認された。
この発明の目的は、前述の問題点を解決し、気圧の変動による周波数安定度の劣化を抑えたガスセル型原子発振器を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
気圧変動によりガスセルの内部圧力が変動し、その結果、共鳴周波数が変動するが、その変動量については実験的に確認できる。
そこで、本発明のガスセル型原子発振器は、外気の圧力(ガスセルの外側の気圧)を測定する気圧測定器を備えることとし、該気圧測定器の測定値に基づいて共鳴周波数変動量を補正することとした。
【0016】
すなわち、アルカリ金属原子を封入したガスセル及び該ガスセルに磁場を発生させるコイルを内蔵した二重共鳴部と、前記コイルのための電流供給装置と、前記アルカリ金属原子の励起光を発生する励起光源部と、前記二重共鳴部からの出力信号を受け該出力信号に応じた周波数信号を発生する周波数信号発生部と、前記周波数信号を受けて前記アルカリ金属原子の共鳴マイクロ波を発生するマイクロ波発生回路とを備えたガスセル型原子発振器において、
前記励起光源部は半導体レーザでなり、更に、前記ガスセルの周りの気圧を測定し、その気圧値に応じた信号を出力する気圧測定器と、該気圧測定器から出力される信号を受けて、測定された気圧値に対応する補正信号を出力する補正信号発生回路と、該補正信号を受けて前記コイルの電流及び前記共鳴マイクロ波の周波数のうち少なくとも一方を制御する制御装置とを備えている。そして、前記電流供給装置及びマイクロ波発生回路の少なくとも一方は前記制御装置で制御可能になっている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図2に示す。
第一の実施の形態のガスセル型原子発振器は、アルカリ金属原子を封入したガスセル21及び該ガスセル21に磁場を発生させるコイル27を内蔵した二重共鳴部2と、前記コイル27のための電流供給装置5と、半導体レーザでなり前記アルカリ金属原子の励起光を発生する励起光源部1と、前記二重共鳴部2からの出力信号を受け該出力信号に応じた周波数信号を発生する周波数信号発生部3(信号処理制御装置31+電圧制御水晶発振器32)と、前記周波数信号を受けて前記アルカリ金属原子の共鳴マイクロ波を発生するマイクロ波発生回路(周波数合成・逓倍回路)4と、前記ガスセルの周りの気圧を測定し、その気圧値に応じた信号を出力する気圧測定器6と、該気圧測定器6から出力される信号を受けて、測定された気圧値に対応する補正信号を出力する補正信号発生回路7と、該補正信号を受けて前記共鳴マイクロ波の周波数を制御する制御装置8とを備え、かつ、前記マイクロ波発生回路(周波数合成・逓倍回路)4内の逓倍の倍率が外部からの信号によって変えられるようになっている。
マイクロ波発生回路(周波数合成・逓倍回路)4は、例えば図3のような構成になっており、従来は図中の可変分周器41,42のM1 ,M2 をディップスイッチ等で所定の値に設定して用いていたが、本発明の第一の実施の形態においては、前記M1 ,M2 を前記ディップスイッチのON,OFFでつくる“1”,“0”信号の代わりに制御装置8のCPUからの“1”,“0”信号によって設定している。
【0018】
第一の実施の形態のガスセル型原子発振器では、前記アルカリ金属原子に前記共鳴光と共鳴マイクロ波とを照射して、光・マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その際に生じる共鳴周波数に基づいて標準周波数信号の周波数を制御して出力するところは従来と同じであるが、気圧測定器で気圧を測定し、その測定値に対応する補正信号を補正信号発生回路から制御装置へ送り、該制御装置は前記補正信号に基づいてマイクロ波発生回路を制御して周波数の制御に気圧の変動が影響を及ぼさないようにしている。
マイクロ波発生回路は、制御装置の制御を受けて、標準周波数信号(周波数f1 )に基づくマイクロ波周波数n1 ・f1 に、補正信号に基づく周波数Δfの補正をしたマイクロ波(周波数n2 ・f1 )を二重共鳴部に送る。気圧の測定値と周波数Δfとの関係はあらかじめ求められており、n1 ・f1 をΔfだけ補正するためのn2 の値もあらかじめ求められている。二重共鳴部のガスセルは外部の気圧の変化により、ガスセルが変形し、その内容積が変化して、ガスセル内部の気圧が変化し、その結果共鳴周波数が変化しているが、その共鳴周波数の変化分は前記周波数Δfに相当するから、共鳴周波数がn1 ・f1 からn2 ・f1 に変化しているにもかかわらず、標準周波数信号は周波数f1 のままで安定化される。すなわち、気圧の変動が標準周波数信号の周波数f1 に影響を及ぼさない。
【0019】
次に、本発明の第二の実施の形態を図4に示す。
第二の実施の形態のガスセル型原子発振器は、アルカリ金属原子を封入したガスセル21及び該ガスセル21に磁場を発生させるコイル27を内蔵した二重共鳴部2と、前記コイル27のための電流供給装置5と、半導体レーザで成り前記アルカリ金属原子の励起光を発生する励起光源部1と、前記二重共鳴部2からの出力信号を受け該出力信号に応じた周波数信号を発生する周波数信号発生部3(信号処理制御装置31+電圧制御水晶発振器32)と、前記周波数信号を受けて前記アルカリ金属原子の共鳴マイクロ波を発生するマイクロ波発生回路(周波数合成・逓倍回路)4と、前記ガスセルの周りの気圧を測定し、その気圧値に応じた信号を出力する気圧測定器6と、該気圧測定器6から出力される信号を受けて、測定された気圧値に対応する補正信号を出力する補正信号発生回路7と、該補正信号を受けて前記コイル27のための電流を制御する制御装置8とを備え、かつ、前記電流供給装置5が供給する電流が外部からの信号によって変えられるようになっている。
前記電流供給装置5は、従来はコイル27による磁場の強さが変化しないように一定の電流を供給するような制御を行っていたが、本発明の第二の実施の形態では、制御装置8が前記補正信号に応じて供給する電流を前記一定の電流に加えて二重共鳴部2のコイル27に供給するようになっている。
【0020】
第二の実施の形態のガスセル型原子発振器では、前記アルカリ金属原子に前記共鳴光と共鳴マイクロ波とを照射して、光・マイクロ波二重共鳴を起こさせ、その際に生じる共鳴周波数に基づいて標準周波数信号の周波数を制御して出力するところは従来と同じであるが、気圧測定器6で気圧を測定し、その測定値に対応する補正信号を補正信号発生回路7から制御装置8へ送り、該補正信号に基づく補正用の電流を制御装置8から電流供給装置5へ供給して周波数の制御に気圧の変動が影響を及ぼさないようにしている。電流供給装置5は標準となる気圧値のときに供給する電流値に補正信号に基づく電流値Δiを加えた電流値の電流を二重共鳴部2のコイル27に供給する。気圧の測定値と電流値Δiとの関係はあらかじめ求められている。前述のように、外部の気圧の変化により、共鳴周波数が変化しているが、その共鳴周波数の変化分は前記コイル27に供給する電流値が補正され直流平行磁場の強さが変化したことで打ち消され、結果として共鳴周波数に変化はない。したがって、気圧の変動が標準周波数信号の周波数f1 に影響を及ぼさない。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。
ここでは、本発明のポイントである気圧の変化に対する補正について述べる。補正に関連しない部分の動作等は従来と同じであり、発明の実施の形態の欄で触れたので省略する。
図5は、第一の実施の形態の一実施例を示す構成図である。
気圧測定器6にて二重共鳴部2の周囲の気圧を測定し、気圧が変動したときにその変動量を電圧値△Vで出力する。これを受けて、前記補正信号発生回路7と制御装置8とを兼ねた周波数変動量補正回路9は、アナログ・デジタル変換器(A/D変換器)91でデジタル信号に変換し、CPU92で電圧値△Vに対応する共鳴周波数の変動量△f分が補正された周波数のマイクロ波が周波数合成・逓倍回路4から出力されるように、周波数合成・逓倍回路4を制御する。周波数合成・逓倍回路4は、発明の実施の形態の欄でも挙げた図3のようになっており、マイクロ波の周波数の制御は周波数合成・逓倍回路4のM1 ,M2 の設定をCPU92で切り換えることにより行われる。前記M1 ,M2 はM1 =16384〜20556,M2 =803〜1848の可変範囲となっており、マイクロ波の周波数fm =90MHz×76−〔{(90MHz×M1 /N1 )/N3 +90MHz×(M2 /N2 +1)}/N4 +90MHz〕/N5 =6834.686275MHz−(9.95×(10のマイナス5乗)Hz)×(M1 +M2 ×4173)で、設定分解能は0.1mHz,周波数可変範囲は434Hzである。この制御により、気圧が変化したときも、その気圧の変化に見合うマイクロ波の周波数の補正がなされ、標準周波数信号の周波数f1 に影響を与えない。
気圧変化に対する周波数変動量△fは、あらかじめ測定しておく必要があるが、ガスセルが厚さ1mm程度の円筒状の場合、実験的にガスセル型ルビジウム原子発振器で確認された値としては、+1hPa の気圧変化に対して約+0.7mHzの共鳴周波数変化をもたらす。
【0022】
大気圧(〜1100hPa )の絶対圧測定及び気圧変動を精度良く測定するには、通常電気容量式(ダイアフラム)弾性圧力計が用いられる。本実施例においても、気圧測定器6として、前記圧力計を用いている。その原理を図6を用いて簡単に説明すると、受圧要素であるダイアフラム61と電極62にはそれぞれリード線63,64がつながれており、さらにダイアフラム61と電極62間は真空または参照圧力として一定量のガスが封入されている。この時、測定圧力側からある圧力が加わるとダイアフラム面がたわみ、リード線間の容量が変化する。この容量値を読み取り参照値と比較する事により、気圧が測定できる。ダイアフラムの材料には、耐食性に強いステンレス鋼やセラミックなどが用いられている。
【0023】
図7は、第二の実施の形態の一実施例を示す構成図である。
ガスセルに静磁場をかける理由としては、前述した基底準位の超微細準位の中に更に磁気的副準位が存在し、二重共鳴による共鳴線の数は例えば、ルビジウム原子の場合では7本、セシウム原子の場合では15本存在する。かつ、共鳴線の周波数間隔は加える静磁場の強さで決まり、その量は200〜700kHz/Oe〔1Oeは約79A/m 〕程度である。原子発振器として利用される共鳴線はこのうち1本だけなので、他の共鳴線と分離する必要があり、そのためにある一定の静磁場をかける必要がある。また静磁場をかけるとゼーマン効果による共鳴周波数シフトδf0 が生じ、その量は、ルビジウム原子の場合δf0 =574×(H0 の2乗)〔Hz〕(ただし、H0 は静磁場の強さであり単位は〔Oe〕である。)、セシウム原子の場合δf0 =472×(H0 の2乗)〔Hz〕である。そこで、このゼーマン効果を利用して、気圧変動による共鳴周波数変動量を補正する。
【0024】
図6の気圧測定器6にて二重共鳴部2周囲の気圧を測定し、気圧が変動したときにその変動量を電圧値△Vで出力する。これを受けて、前記補正信号発生回路7と制御装置8を兼ねた周波数変動量補正回路9は、アナログ・デジタル変換器(A/D変換器)91でデジタル信号に変換し、CPU92で前記電圧値△Vに対応する共鳴周波数のシフト分Δfを補正するのに必要な電流を発生させるための電圧をデジタル・アナログ変換器(D/A変換器)93に送り、アナログ信号に変換して静磁場コイル電流値の補正分△Iを電流供給装置5に送る。電流供給装置5は前記補正分△Iを加えた電流を二重共鳴部2のコイル27に供給する。この制御により、気圧の変化による共鳴周波数の変化分と、静磁場コイル電流の△Iの補正による共鳴周波数の変化分とが相殺され、共鳴周波数は一定に維持される。したがって、標準周波数信号の周波数f1 は気圧による影響を受けない。
【0025】
図8は、本発明の半導体レーザ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器で実際に得られた周波数安定度特性、従来の半導体レーザ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器の周波数安定度特性、ランプ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器の周波数安定度特性、及び高安定水晶発振器の周波数安定度特性を示す図である。図8のグラフを用いて以下に説明する。
図8は2標本分散σy2(τ)を時間領域における周波数安定度尺度と定義したアラン分散の尺度を用いおり、横軸は平均測定時間(τ[sec] )、縦軸は2標本標準偏差(σy (τ))である。
図中8−a線で示された部分が従来の半導体レーザ励起ガスセル型ルビジウム原子発振器の特性をあらわしているが、平均時間:τ=(10の4乗)〜(10の5乗)[sec] で安定度が劣化していることが確認できる。また、8−a’線は気圧データのアラン分散を計算し、さらに気圧データと周波数データとの相関係数を乗じた、気圧変動による周波数特性である。このことから、気圧の変動が発振器の安定度に影響しているのがわかる。平均時間:τ=(10の4乗)〜(10の5乗)[sec] の安定度が劣化している部分は、本発明を適用することで8−b線で示されるように改善された。8−c線で示された部分はランプ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器の特性、8−d線で示された部分は高安定水晶発振器の特性である。半導体レーザ励起ガスセル型ルビジウム原子発振器の特性(8−a線)との比較のために載せた。従来の技術の欄で述べたが、図8から分かるように、ランプ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器では、特性(8−c線)への気圧変動の影響は見られない。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明のガスセル型原子発振器では、気圧を測定して、その変動量に基づいて、コイルに供給する電流及び二重共鳴部に供給する共鳴マイクロ波の周波数の少なくとも一方を補正することとしたから、大気圧の変動による周波数安定度の劣化を抑えたガスセル型原子発振器を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセル型原子発振器の構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の構成を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に用いる周波数合成・逓倍回路の構成を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態の構成を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の一実施例の構成を示す図である。
【図6】気圧測定器の構成を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の一実施例の構成を示す図である。
【図8】本発明の半導体レーザ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器で実際に得られた周波数安定度特性、従来の半導体レーザ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器の周波数安定度特性、ランプ励起方式によるガスセル型ルビジウム原子発振器の周波数安定度特性、及び高安定水晶発振器の周波数安定度特性を示す図である。
【図9】従来のガスセル型原子発振器の構成を示す図である。
【図10】二重共鳴部の構成を示す図である。
【図11】原子の光・マイクロ波二重共鳴現象を説明するための図である。
【符号の説明】
1 励起光源部
2 二重共鳴部
3 周波数信号発生部
4 マイクロ波発生回路(周波数合成・逓倍回路)
5 電流供給装置
6 気圧測定器
7 補正信号発生回路
8 制御装置
9 周波数変動量補正回路
21 ガスセル
22 マイクロ波空洞共振器
23 光電変換素子
24 マイクロ波励振用アンテナ
25 磁気シールド槽
26 恒温ヒータ
27 コイル(静磁場コイル)
28 励起光入力窓
31 信号処理装置
32 電圧制御水晶発振器
41 可変分周器
42 可変分周器
61 ダイアフラム
62 電極
63 リード線
64 リード線
91 アナログ・デジタル変換器(A/D変換器)
92 CPU
93 デジタル・アナログ変換器(D/A変換器)

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  1. アルカリ金属原子を封入したガスセル(21)及び該ガスセルに磁場を発生させるコイル(27)を内蔵した二重共鳴部(2)と、前記コイルのための電流供給装置(5)と、前記アルカリ金属原子の励起光を発生する励起光源部(1)と、前記二重共鳴部からの出力信号を受け該出力信号に応じた周波数信号を発生する周波数信号発生部(3)と、前記周波数信号を受けて前記アルカリ金属原子の共鳴マイクロ波を発生するマイクロ波発生回路(4)とを備えたガスセル型原子発振器において、
    前記励起光源部は半導体レーザでなり、更に、前記ガスセルの周りの気圧を測定し、その気圧値に応じた信号を出力する気圧測定器(6)と、該気圧測定器から出力される信号を受けて、測定された気圧値に対応する補正信号を出力する補正信号発生回路(7)と、該補正信号を受けて前記コイルの電流及び前記共鳴マイクロ波の周波数のうち少なくとも一方を制御する制御装置(8)とを備え、かつ、前記電流供給装置及びマイクロ波発生回路の少なくとも一方は前記制御装置で制御可能になっていることを特徴とするガスセル型原子発振器。
    【0001】
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