JP3544634B2 - りん酸塩被膜化成処理用表面調整処理液の管理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼、亜鉛、アルミニウム合金、及びマグネシウム合金の金属表面のりん酸塩被膜化成処理(以下、「りん酸塩化成処理」という)に使用される表面調整処理液の管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面のりん酸塩化成処理において、たとえば自動車用では塗装後の耐食性向上のため、塑性加工用ではプレス時の摩擦低減またはプレス型寿命延長のために金属表面に微細で緻密なりん酸塩被膜結晶を形成することが行われている。この微細で緻密なりん酸塩被膜結晶を得るために金属表面を活性化し、りん酸塩被膜結晶析出の核を作る目的でりん酸塩化成処理工程の前に表面調整工程が採用されている。以下に微細で緻密なりん酸塩被膜結晶を得るために行われている一般的なりん酸塩化成工程を例示する。
(1)脱脂
(2)水洗(多段)
(3)表面調整
(4)りん酸塩化成処理
(5)水洗(多段)
(6)純水洗
【0003】
表面調整工程は、りん酸塩被膜結晶を微細で緻密なものにするために用いられる。その組成物に関しては、例えば米国特許第2874081号、第2322349号、及び第2310239号などにより公知となっており、表面調整剤に含まれる主たる構成成分としてチタン、ピロリン酸イオン、オルソリン酸イオン及びナトリウムイオン等が開示されている。上記表面調整組成物は「ジャーンステッド塩」と称され、その水溶液にはチタンイオンとチタンコロイドが含まれる。脱脂、水洗を行った金属を前記表面調整組成物の水溶液に浸漬もしくは、金属に表面調整処理液を噴霧することによってチタンコロイドが金属表面に吸着する。吸着したチタンコロイドが次工程のりん酸塩化成処理工程においてりん酸塩被膜結晶析出の核となり、化成反応の促進およびりん酸塩被膜結晶の微細化、緻密化が可能となる。現在工業的に利用されている表面調整組成物は全てジャーンステッド塩を利用したものである。しかしながら、ジャーンステッド塩から得られるチタンコロイドを表面調整工程に用いた場合、種々の問題点があった。
【0004】
第1の問題点としては、表面調整処理液の経時劣化が挙げられる。従来の表面調整組成物を用いる場合、その組成物を水溶液とした直後はりん酸塩被膜結晶の微細化及び緻密化に関して著しい効果を発揮する。しかし、水溶液とした後に数日間経過すると、チタンコロイドが凝集することによって経過日数の間の表面調整処理液の使用の有無に関わらずその効果が失われ、得られるりん酸塩被膜結晶は粗大化する。そこで、特開昭63−76883号公報には、表面調整処理液中のチタンコロイドの平均粒径を測定し平均粒径がある一定値未満になるように表面調整処理液を連続的に廃棄し、更に廃棄された分の表面調整組成物を補給することによって表面調整効果を維持管理する方法が提案されている。しかし、この方法は表面調整処理液の効果に対する要因を定量的に管理することを可能としたが、効果を維持するためには表面調整処理液を廃棄する必要があった。また、この方法で表面調整処理液の効果を水溶液とした初期と同等に維持するためには多量の表面調整処理液の廃棄を必要とする。従って、実際には使用される工場の廃水処理能力の問題もあり、連続的な表面調整処理液の廃棄と全量更新を併用してその効果を維持している。
【0005】
第2の問題点としては、表面調整処理液を建浴する際に使用される水質によって、その効果及び寿命が大きく左右されることが挙げられる。通常表面調整処理液を建浴する際には工業用水が使用される。しかし、周知の通り工業用水にはカルシウム、マグネシウム等の全硬度の元になるカチオン成分が含まれており、その含有量は使用される工業用水の水源によってまちまちである。ここで、従来の表面調整処理液の主成分であるチタンコロイドは、水溶液中でアニオン性の荷電をもつことにより、その電気的反発力によって沈降せずに分散していることが知られている。従って、工業用水中にカチオン成分であるカルシウムやマグネシウムが多量に存在するとチタンコロイドはカチオン成分によって電気的に中和され、反発力を失い凝集沈殿を引き起こすことによってその効果を失う。そこで、カチオン成分を封鎖しチタンコロイドの安定性を維持する目的でピロリン酸塩等の縮合りん酸塩を表面調整処理液に添加する方法が提案されている。しかし、縮合りん酸塩を表面調整処理液に多量に添加すると縮合りん酸が鋼鈑表面と反応し不活性被膜を形成するために、その後のりん酸塩化成処理工程において化成不良が発生する弊害を有する。また、極端にマグネシウムやカルシウム含有量が多い地域では純水を用いて表面調整処理液の建浴及び給水を行う必要があり経済面でも極めて不利である。
【0006】
第3の問題点として、使用条件における温度、pHの制約が挙げられる。具体的には、温度35℃以上、pH8.0〜9.5以外の範囲ではチタンコロイドが凝集し表面調整効果を発揮することができなくなる。従って、従来の表面調整組成物を使用する際には定められた温度、pH範囲で使用する必要があり、且つ、脱脂剤等に表面調整組成物を添加して金属表面の清浄化と活性化の効果を長時間に渡って一液で発揮させることは不可能であった。
【0007】
第4の問題点として、表面調整処理液の効果によって得られるりん酸塩被膜結晶の微細化の限界値が挙げられる。表面調整効果はチタンコロイドが金属表面に吸着してりん酸塩被膜結晶析出の際の核を形成することにより得られる。従って、表面調整工程で金属表面に吸着したチタンコロイドの数が多ければ多いほど微細で緻密なりん酸塩被膜結晶が得られる。その為には、表面調整処理液中のチタンコロイドの数を増やす、すなわちチタンコロイドの濃度を高めることが容易に考えられる。しかし、濃度を増すと表面調整処理液中でのチタンコロイド同士の衝突頻度が増し、衝突することによってチタンコロイドの凝集沈殿が発生する。現在使用されているチタンコロイドの濃度の上限は表面調整処理液中のチタンとして100ppm以下であり、それ以上にチタンコロイド濃度を増やすことによってりん酸塩被膜結晶を微細化することは従来技術では不可能であった。
【0008】
そこで、特開昭56−156778号公報および特開昭57−23066号公報では、ジャーンステッド塩以外の表面調整剤として鋼帯表面に2価または3価の金属の不溶性りん酸塩を含む懸濁液を加圧下に吹き付ける表面調整方法が開示されている。しかし、この表面調整方法は被処理物に懸濁液を加圧下に吹き付けて初めてその効果が発揮されるため通常の浸漬および噴霧処理によって施されるりん酸塩化成処理の表面調整には使用できなかった。
【0009】
また、特公昭40−1095号公報では亜鉛めっき鋼鈑を高濃度の2価または3価金属の不溶性りん酸塩懸濁液に浸漬する表面調整方法が開示されている。しかし、この方法で示される実施例は亜鉛めっき鋼鈑に限られており、かつ表面調整効果を得るためには最低30g/L以上の高濃度の不溶性りん酸塩懸濁液を用いる必要があった。
【0010】
これらの問題点を解決する手段として特開平10−245685号公報では、りん酸塩被膜化成処理において、化成反応の促進および短時間化、ならびに得られるりん酸塩被膜結晶の微細化を図るために用いられる、経時安定性に優れた新規な表面調整処理液および表面調整方法が開示されている。この処理液は粒径が5μm以下の粒子を含む2価もしくは3価の金属の少なくとも1種を含有するりん酸塩の1種以上と、アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩またはこれらの混合物を含有し、且つpHを4〜13に調整したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記5μm以下の粒子を含む表面調整処理液(以下、当該表面調整処理液と称する)の管理方法については未だ確立されておらず、安定した性能を維持させ、最終的に形成されるりん酸塩被膜を所定被膜重量範囲内に制御するための手段が必要となる。本発明はこれらの従来技術の抱える前記問題点を解決するためのものであり、本発明は、このような制御手段を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では当該表面調整処理液がりん酸塩粒子から構成されることに着目し、その平均粒径と表面調整能との相関を調べ、表面調整処理液の管理方法に応用することを目的として種々検討を行った。その結果本発明者らは、当該表面調整処理液中のりん酸塩粒子の平均粒径を測定して、その平均粒径が表面調整処理液の機能が発揮されるように予め定められた範囲内になるように制御管理することを可能とする手法を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明の金属表面のりん酸塩化成処理用表面調整処理液の管理方法は2価もしくは3価の金属の少なくとも1種を含有するりん酸塩粒子の中から選ばれる1種以上を含有する表面調整処理液中のりん酸塩粒子の平均粒径を測定して、その平均粒径が表面調整処理液の機能が発揮されるように予め定められた範囲内になるように制御することを特徴とするものである。
【0014】
前記表面調整処理液をその収容容器から部分的にかつ実質的に連続的に廃棄更新し、液中のりん酸塩粒子の平均粒径を5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0015】
前記表面調整処理液に超音波を照射して液中のりん酸塩粒子の平均粒径が5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0016】
前記表面調整処理液に、分散剤として正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物の1種以上を添加することにより、液中のりん酸塩粒子の平均粒径を5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0017】
前記表面調整処理液に、分散剤として下記化学式1(式中RはHまたはCH、RはH、Cが1〜5のアルキル基またはCが1〜5のヒドロキシアルキル基)に示される単量体もしくはα、β不飽和カルボン酸単量体の中から選ばれる少なくとも1種以上と、前記単量体と共重合可能な単量体50重量%以下とを重合して得られる重合体または共重合体の1種以上とを添加することにより、液中のりん酸塩粒子の平均粒径を5μm以下に制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【化2】
Figure 0003544634
【0018】
前記表面調整処理液に、分散剤として単糖類、多糖類、及びその誘導体から選ばれた1種以上を添加することにより、液中のりん酸塩粒子の平均粒径を5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0019】
前記表面調整処理液に、分散剤として酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高分子化合物の1種以上を添加することにより、液中のりん酸塩粒子の平均粒径が5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0020】
分散剤成分の1種以上の合計濃度は1〜2000ppm、更には1〜1000ppmであることが好ましい
【0021】
前記表面調整処理液に分散剤としてアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩から選ばれた1種以上を添加することにより、液中のりん酸塩粒子の平均粒径が5μm以下になるように制御管理して適正な表面調整処理液の性能維持を行うのが好ましい。
【0022】
前記アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩はオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メタ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、および有機酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であり、且つ、その濃度が0.5〜20g/Lであることが好ましい。
【0023】
前記2価もしくは3価の金属の少なくとも1種を含有するりん酸塩粒子の濃度は0.001〜30g/Lであることが好ましく、且つ前記2価もしくは3価の金属がZn、Fe、Mn、Ni、Co、Ca、Mg及びAlの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0024】
本発明の管理方法は、ノニオン性界面活性剤もしくはアニオン性界面活性剤、またはこれらの混合物と、アルカリビルダーを添加することによって金属のりん酸亜鉛処理前の金属表面の活性化と清浄化を兼ねて使用する場合にも適用できる。
【0025】
当該表面調整処理液の成分作用を詳細に説明する。
【0026】
2価もしくは3価の金属の少なくとも1種を含有するりん酸塩粒子の1種以上(以下、単に「2価もしくは3価の金属のりん酸塩」と称する)は当該表面調整処理液の必須成分である。2価もしくは3価の金属のりん酸塩としては下記に示す様な例が挙げられる。通常、2価もしくは3価の金属のりん酸塩は2水塩、4水塩等の水和物として存在するが、本発明の効果に対しては水和水の数に限定は無いため無水塩の形で例示した。
2価もしくは3価の金属のりん酸塩
Zn(PO,ZnFe(PO,ZnNi(PO,Ni(PO,ZnMn(PO
Mn(PO,MnFe(PO,Ca(PO,ZnCa(PO,FePO
AlPO,CoPO,Co(PO,Mg(PO
【0027】
金属表面に形成されるりん酸塩被膜結晶の粒径は反応初期に析出した単位面積あたりの結晶数が多いほど微細になることが知られている。これは、りん酸塩被膜の結晶の成長は隣り合う結晶同士が接触し金属表面を覆い尽くした時点で完結することから、反応初期に析出した結晶数が多ければ隣り合う結晶間の距離が小さくなり短時間で微細な結晶が金属表面を覆いつくすからである。従って、微細なりん酸塩結晶を析出させるためには、りん酸塩化成処理前に結晶の核を多く付与することが効果的であり、その為には核となる物質の粒径が小さい方が有利であることは言うまでもない。また、不溶性物質を水溶液中で安定に分散させるためにも2価もしくは3価の金属のりん酸塩の平均粒径は5μm以下であることが望ましい。仮に5μm以上の粒径の2価もしくは3価の金属のりん酸塩が本発明における表面調整処理液中に存在しても、本発明の効果に対しては何ら影響を与えることは無く、表面調整処理液中の5μm以下の微粒子の濃度が、ある濃度に達して初めてその効果が発揮されるのである。
【0028】
よって、微細に粉砕された2価もしくは3価の金属のりん酸塩を用いることによって前記した理由により極微細なりん酸塩結晶を析出させることが可能である。更に2価もしくは3価の金属のりん酸塩の平均粒径を管理することによって、得られるりん酸塩被膜結晶の粒径をコントロールすることが可能となる。
【0029】
以上より、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の平均粒径が当該表面調整処理液の性能に寄与する効果は大きく、よって安定した表面調整能を維持させ、最終的に形成されるりん酸塩被膜を所定被膜重量範囲内に制御するためには、この粒子の平均粒径を管理することが不可欠となる。
【0030】
新建浴時の平均粒径は特に管理する必要はない。新建浴時の表面調整処理液は所定被膜重量が得られるように定められているからである。
【0031】
当該表面調整処理液は、従来のジャーンステッド塩を主成分とした表面調整処理液よりも分散安定性に優れるものの、液中に存在する粒子は最終的には必ず凝集により粗大化すること、また、表面調整処理液を調整する際に使用する水質や、処理ランニング時における温度上昇、前段からの脱脂成分持ち込みや化成処理工程からの酸性雰囲気によるpH低下等の要因から、表面調整処理液の凝集は加速されることが予想され、よって当該表面調整処理液の管理方法としては、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の凝集に対する対策を考慮する必要がある。
【0032】
ジャーンステッド塩を主成分とした表面調整処理液の一般的な管理方法としては、液の連続的な部分廃棄更新とその廃棄分の薬剤補給によって液中の凝集した粒子を廃棄して、凝集していない新薬剤を補給する方法が挙げられる。この方法は2価もしくは3価の金属のりん酸塩を含有する当該表面調整処理液の管理方法としても適用できる。
【0033】
表面調整処理液中の微粒子は、微粒子同士が衝突し凝集することによって沈降する。従って、表面調整処理液の攪拌による再分散を強化することによって、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の凝集沈降を防止する手段も適用することができる。この場合の攪拌方法は、プロペラ、ポンプ等の攪拌機を用いた方法や、表面調整処理液にエアーを送り込んで攪拌する方法等、従来から利用されている攪拌方法で構わない。
【0034】
また表面調整処理液に超音波を照射し、平均粒径を制御する方法も有効である。これは当該表面調整処理液中の2価もしくは3価の金属のりん酸塩の凝集による粒径粗大化を制御する手段であり、この場合、超音波の照射を常時連続的に行う必要はない。
【0035】
本発明の管理方法として適用した分散剤は2価もしくは3価の金属のりん酸塩の分散安定性を高め、且つ、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の金属表面への吸着を促進する働きを有している。すなわちそれらの成分は、2価もしくは3価の金属のりん酸塩表面に吸着し、その電荷による反発力および立体障害作用によって表面調整用処理液中での2価もしくは3価の金属のりん酸塩同士の衝突を防げることによって凝集沈降を防止する。また、その構造上金属表面への吸着能力を有しているため2価もしくは3価の金属のりん酸塩の金属表面への吸着を促進し表面調整用処理液へ被処理金属を接触させるだけで表面調整効果が得られる様になるのである。
【0036】
分散剤添加成分の濃度は1〜2000ppmであることが望ましい。濃度1ppm未満の添加では、平均粒径制御および促進効果は困難であり、2000ppmを越えるとそれ以上の効果は期待できず経済的に不利なだけである。
【0037】
前記(3)の本発明では分散剤成分として、正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物の1種以上を含有せしめる。正りん酸はオルソりん酸であり、ポリりん酸としてはピロりん酸、トリりん酸、トリメタりん酸、テトラメタりん酸、ヘキサメタりん酸もしくはそのナトリウム塩及びアンモニウム塩を使用することができる。また、有機ホスホン酸化合物としてはアミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、もしくはそのナトリウム塩を使用することができる。更に、前記正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物の1種類を使用しても何種類かを組み合わせて使用してもなんら差し支えない。
【0038】
前記(4)の本発明では分散剤成分として化学式1(式中RはHまたはC、RはH、Cが1〜5のアルキル基またはCが1〜5のヒドロキシアルキル基)に示される単量体もしくはα、β不飽和カルボン酸単量体の中から選ばれる少なくとも1種以上と、前記単量体と共重合可能な単量体50重量%以下とを重合して得られる重合体または共重合体を含有せしめる。
【0039】
化学式1(式中RはHまたはCH、RはH、Cが1〜5のアルキル基またはCが1〜5のヒドロキシアルキル基)に示される単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシペンチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシペンチル等を使用することができる。
【0040】
またα、β不飽和カルボン酸単量体としてはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸等を使用することができる。前記単量体と共重合可能な単量体としては酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、ビニルスルホン酸等を使用することができる。また、前記単量体のうちの1種類の単量体を重合して得られた重合体を使用しても、前記単量体の何種類かを組み合わせて重合して得られた共重合体を使用しても何ら差し支えはない。
【0041】
前記(5)の本発明では分散剤成分として単糖類、多糖類及びその誘導体から選ばれる1種以上を含有せしめる。本発明に用いられる単糖類、多糖類、及びその誘導体の基本構成糖類としては、例えばフルクトース、タガトース、プシコース、スルボース、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースなどから選ぶことができる。
【0042】
従って、単糖類を用いる場合は前記基本構成糖類そのものを、多糖類を用いる場合は前記基本構成糖類のホモ多糖もしくはヘテロ多糖を、また、それらの誘導体としては、基本構成糖類の水酸基をNO、CH、COH、CHCH(OH)CH、CHCOOH等の置換基でエーテル化して得られる単糖類や、前記置換基で置換された単糖類を構造に含むホモ多糖やヘテロ多糖を使用することもでき、また数種類の単糖類、多糖類、及びその誘導体を組み合わせて使用しても構わない。
【0043】
糖類の分類を行う際に、加水分解の度合いによって単糖類、小糖類、及び多糖類と分類される場合があるが、本発明では加水分解により2個以上の単糖類を生ずるものを多糖類、それ自身が、それ以上加水分解されない糖類を単糖類とした。
【0044】
本発明の用途は生体化学反応とは無関係であるため基本構成糖類の立体配置および旋光性によって効果が左右されることはなく、D−単糖、L−単糖と旋光性(+、−)のいかなる組み合わせでも使用することができる。また、単糖類、多糖類及びその誘導体の水溶性を高めるために前記単糖類、多糖類、及びその誘導体のナトリウム塩またはアンモニウム塩を使用してもなんら問題はない。更に前記構造で水溶化が困難な場合は予め水と相溶性を有する有機溶剤に溶解した後に使用しても構わない。
【0045】
前記(6)の本発明では分散剤成分として、酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高分子化合物の1種以上を含有せしめる。本発明における酢酸ビニルの重合体またはその誘導体としては、酢酸ビニル重合体のケン化物であるポリビニルアルコール、更にポリビニルアルコールをアクリロニトリルによるシアノエチル化して得られるシアノエチル化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールをホルマリンによるアセタール化して得られるホルマール化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールを尿素によるウレタン化して得られるウレタン化ポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコールにカルボキシル基、スルホン基、アミド基等を導入した水溶性高分子化合物を使用することができる。
【0046】
また、本発明における酢酸ビニルと共重合可能な単量体としてはアクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸等を使用することができる。
【0047】
前記酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体は水溶性でさえあれば本発明における効果を十分に発揮することができる。従ってその重合度及び官能基の導入率に効果が左右されることは無く、また前記単量体もしくは共重合体の1種類を使用しても何種類かを組み合わせて使用しても何ら差し支えはない。
【0048】
前記(7)の本発明では分散剤成分として、アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩の1種以上を含有せしめる。アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩としてはオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メタ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、および有機酸塩の群から選ばれる少なくとも1種であれば特に限定されるものではない。また、前記アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩を2種以上組み合わせて使用しても何ら問題はない。
【0049】
本発明に使用されるアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩は、表面調整処理液のpHをアルカリ側に保ち2価もしくは3価の金属のりん酸塩の分散安定性を高める効果を有する。更に、本発明に使用されるアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩は一般的には工業用洗浄剤に使用されるアルカリビルダーに準ずるものであるため、アルカリビルダーに期待される効果、硬水軟化性、油分の洗浄作用により脱脂兼表面調整処理方法での効果を高めるものとしても期待できる。
【0050】
前記アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩の濃度は0.5〜20g/Lであることが望ましい。濃度が0.5g/L未満ではpH調整作用、硬水軟化作用に乏しく、20g/Lを越えるとそれ以上の効果は期待できず経済的に不利なだけである。
【0051】
2価もしくは3価の金属のりん酸塩の濃度としては0.001〜30g/Lが好ましい。2価もしくは3価の金属のりん酸塩の濃度が0.001g/Lよりも小さいと金属表面に吸着する量が少ないため十分な効果が発揮できない。2価もしくは3価の金属のりん酸塩の濃度が30g/Lよりも大きくても、それ以上はりん酸塩化成処理反応を更に促進する効果は得られない為に経済的に不利なだけである。
【0052】
【実施例】
次に本発明の効果を実施例、比較例を用いて詳細に説明する。ただし、実施例にて示したりん酸亜鉛化成処理浴は、本発明の表面調整処理方法の一例を示したに過ぎず、表面調整処理方法とりん酸亜鉛化成処理浴の組み合わせ、及びその用途を限定するものではない。
【0053】
(供試板)
実施例と比較例に用いた供試板の略号と内訳を以下に示す。
SPC(冷延鋼鈑:JIS−G−3141)
GA(両面合金化溶融亜鉛めっき鋼鈑:めっき目付量45g/m
Al(アルミニウム合金板:6000系アルミニウム合金)
MP(マグネシウム合金板:JIS−H−4201)
【0054】
(アルカリ脱脂液)
実施例、比較例ともにファインクリーナーL4460A(登録商標:日本パーカライジング(株)製、略号:FC−L4460A)を2%、ファインクリーナーL4460B(登録商標:日本パーカライジング(株)製、略号:FC−L4460B)を1.2%に水道水で希釈し、42℃に加温して使用した。
【0055】
(表面調整処理液)
表面調整処理液として以下に示す4種の処理液を実験に供した。
(表面調整処理液A)
Zn(PO・4HO試薬300gに対し、ヘキサメタりん酸ソーダの0.01wt%希釈水溶液を1kg添加した後直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn(PO・4HO濃度が1g/Lとなるように調整し、表面調整用処理液Aを得た。表面調整処理液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:(株)堀場製作所)で測定した結果、1.2μmであった。
【0056】
(表面調整処理液B)
Zn(PO・4HO試薬300gに対し、ヘキサメタりん酸ソーダの0.01wt%希釈水溶液を1kg添加した後直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のZn(PO・4HO濃度が0.01g/Lとなるように調整し、表面調整用処理液Bを得た。表面調整処理液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:(株)堀場製作所)で測定した結果、1.2μmであった。
【0057】
(表面調整処理液C)
50℃に加温した0.5mol/L硫酸鉄(2価)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液100mLを交互に加え沈殿を生成させた。沈殿を含む水溶液を90℃で1時間加温して沈殿粒子を熟成させた後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた沈殿物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈殿物は一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[ZnFe(PO・4HO]であった。このフォスフォフィライト1000gに対し、ヘキサメタりん酸ソーダの0.001wt%希釈水溶液を2kg添加した後直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度が30g/Lとなるように調整して表面調整用前処理液として使用した。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:(株)堀場製作所)で測定した結果、0.9μmであった。
【0058】
(表面調整処理液D)
50℃に加温した0.5mol/L硫酸鉄(2価)溶液1Lに、1mol/Lの硫酸亜鉛溶液100mLおよび1mol/Lのりん酸1水素ナトリウム溶液100mLを交互に加え沈殿を生成させた。沈殿を含む水溶液を90℃で1時間加温して沈殿粒子を熟成させた後、傾斜洗浄を10回繰り返し実施した。濾過して得られた沈殿物を乾燥しX線回折で分析した結果、沈殿物は一部第3りん酸鉄を含むフォスフォフィライト[ZnFe(PO・4HO]であった。このフォスフォフィライト1000gに対し、ヘキサメタりん酸ソーダの0.001wt%希釈水溶液を2kg添加した後直径0.5mmのジルコニアビーズを用いたボールミルで約1時間粉砕した。粉砕後、水道水で懸濁液中のフォスフォフィライト濃度が30g/L、更に界面活性剤として市販のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数8)を2g/L添加したものを表面調整用処理液として使用した。尚、本実施例では脱脂処理を行わず、防錆油が付着したままのSPC板に、直接、洗浄を兼ねた表面調整処理を行った後に化成処理浴でりん酸亜鉛化成被膜処理液を行った。調整後の懸濁液中の微粒子の平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:(株)堀場製作所)で測定した結果、0.9μmであった。
【0059】
(りん酸亜鉛処理)
パルボンドL3020(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を4.8%に水道水で希釈し、成分濃度、全酸度、遊離酸度、促進剤濃度を現在自動車用りん酸亜鉛処理として一般に用いられている濃度に調整して使用した。以下に処理工程を示す。
【0060】
(処理工程)
(1)アルカリ脱脂 42℃、120秒スプレー
(2)水洗 室温、30秒スプレー
(3)表面調整 室温、20秒スプレー
(4)りん酸亜鉛処理 42℃、120秒浸漬
(5)水洗 室温、30秒スプレー
(6)脱イオン水洗 室温、30秒スプレー
【0061】
(りん酸亜鉛皮膜の評価方法)
(1)外観
目視観察により、りん酸亜鉛被膜のスケ、ムラの有無を確認した。評価は以下の通りとした。
◎ 均一良好な外観
○ 一部ムラあり
△ ムラ、スケあり
× スケ多し
×× 化成被膜なし
【0062】
(2)被膜重量(C.W.)
化成処理後の処理板の重量を測定し(W1[g]とする)、次いで化成処理板に下記に示す剥離液、剥離条件にて被膜剥離処理を施し、その重量を測定し(W2[g]とする)、式(1)を用いて算出した。
Figure 0003544634
【0063】
実施例1
表面調整処理液Aの50Lを新建浴時より一定期間おきにりん酸塩粒子の平均粒径の測定を行いながら、同一表面調整処理液で処理を行い、SPCの化成被膜重量を測定した。平均粒径の経時変化を調査した結果が第1図であり、化成被膜重量の経時変化を調査した結果が第2図になる。さらに同表面調整処理液Aの50Lについて、連続的部分廃棄更新を0.1L/hrとして同様な評価を行った。なおこの場合、部分廃棄更新量と同量の表面調整処理液Aを補給した。この結果も併せて第1図および第2図にプロットした。
【0064】
実施例2
前記表面調整処理液Aの50Lを新建浴時より一定期間おきにりん酸塩粒子の平均粒径の測定を行いながら、同一表面調整処理液で処理を行い、SPCの化成被膜重量を測定した。さらに同表面調整処理液Aの2Lについて、連続的、または3日間に1回30分間だけ断続的に超音波(超音波洗浄機(200W;UT−205:シャープマニファアクチャリングシステム(株)を照射させた液についても、一定期間おきに同様な測定を行った。平均粒径の経時変化を調査した結果を第3図、化成被膜重量の経時変化を第4図にプロットした。
【0065】
表1には本発明の実施例で使用した表面調整用処理液Aの組成と処理条件を示す。
実施例に使用した正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物は試薬および市販品(例えば日本モンサント工業(株)製等)の中から、その構造をもとに選定した。また、本発明の効果に表面調整用処理液のpHの制限はないが、正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物水溶液のpHが著しく低い場合は、2価もしくは3価の金属の金属のりん酸塩の溶解を防止するため予め水酸化ナトリウムで水溶液のpHを中性に調整した。
【0066】
実施例3〜6
前記表面調整処理液Aに対して、実施例3〜6に示す分散剤をそれぞれ所定量添加してよく攪拌した。その後、それぞれの表面調整処理液を30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0067】
表2には本発明の実施例で使用した表面調整用処理液Bの組成と処理条件を示す。
実施例に使用した分散剤は表中の単量体を過硫酸アンモニウムを触媒として重合し重合体または共重合体としたものである。水溶性に難点のある単量体については市販の界面活性剤を使用して乳化した後に重合した。本発明の効果に表面調整処理液のpHの制限はないが、重合体または共重合体のpHが著しく低い場合には、2価もしくは3価の金属のりん酸塩の溶解を防止するため、予め水酸化ナトリウムで重合体または共重合体のpHを中性に調整した。
【0068】
実施例7〜10
前記表面調整処理液Bついて建浴初期に実施例7〜10に示す分散剤をそれぞれ所定量添加してよく攪拌した。その後、それぞれの表面調整処理液を30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0069】
表3には本発明の実施例で使用した表面調整用処理液Cの組成と処理条件、および平均粒径(建浴初期と経時後)を測定した結果を示す。
実施例に使用した単糖類、多糖類、及びその誘導体は市販品、例えばダイセル化学工業株式会社、第1工業製薬株式会社、旭化成工業株式会社製、大日本製薬株式会社等、の中から、その基本構成糖の種類、重合度、置換基、置換度をもとに選定した。尚、置換基については化学式1に基本構成糖の一つであるグルコースを例示した。グルコースの場合はR、R、Rの3ヵ所の水酸基をエーテル化することができる。本実施例では置換基の種類と、置換度(置換基による基本構成糖1単位あたりの水酸基の置換数)を変えてその効果を調査した。また、水溶性が低い単糖類、及びその誘導体についてはナトリウム塩を使用した。
【0070】
【化3】
Figure 0003544634
【0071】
実施例11〜14
前記表面調整処理液Cについて建浴初期に実施例11〜14に示す分散剤をそれぞれ所定量添加してよく攪拌した。その後、それぞれの表面調整処理液を30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0072】
表4には本発明の実施例で使用した表面調整用処理液A〜Bの組成と処理条件を示す。
実施例に使用した酢酸ビニルの重合体またはその誘導体は、過酸化物を開始剤として酢酸ビニルを重合し、更にケン化反応やアセタール化反応等によって、実施例に示す官能基を付与した。また、酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体は、酢酸ビニルと各々の単量体の重合反応によって合成した。
【0073】
実施例15〜18
前記表面調整処理液A〜Cについて建浴初期に実施例15〜18に示す分散剤をそれぞれ所定量添加してよく攪拌した。その後、それぞれの表面調整処理液を30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0074】
表5には本発明の実施例で使用した表面調整用処理液A〜Dの組成と処理条件を示す。
実施例に使用したアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩は試薬特級のものを使用した。
【0075】
実施例19〜22
前記表面調整処理液A〜Dについて建浴初期に実施例19〜22に示す分散剤をそれぞれ所定量添加してよく攪拌した。その後、それぞれの表面調整処理液を30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0076】
表6には本発明の比較例で使用した表面調整用処理液の組成と処理条件を示す。
【0077】
比較例1
前記表面調整処理液Aについて30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0078】
比較例2
前記表面調整処理液Bについて30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0079】
比較例3
前記表面調整処理液Cについて30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0080】
比較例4
前記表面調整処理液Dについて30日間室温で経時させ、経時後の微粒子の平均粒径を測定し、さらに同一表面調整処理液で処理を行い、化成被膜重量を測定した。
【0081】
表7〜12に実施例、比較例における表面調整処理液の平均粒径を測定した結果と、同一表面調整処理液で処理まで行った得られた化成処理被膜の外観評価および被膜重量を示す。
【0082】
第1図および第2図より、連続的部分的廃棄更新を行わない場合、表面調整液は経時と共に、その効果が劣化し、その結果、被膜重量が増大する傾向にある。本処理に用いた自転車用りん酸塩処理被膜の場合、被膜重量は2.0〜2.5g/mが標準である。よって30日間が使用経時限度であると認められ、また表面調整液中のりん酸塩粒子の平均粒径は最大5μmまでが限度である。
【0083】
また連続的部分的廃棄更新を行った場合、経時による平均粒径の粗大化が抑制される傾向にある。また、被膜重量はその粒径変化に対応しており、化成被膜重量の増大も同時に抑制されており、つまり連続的部分的廃棄更新量を安定した平均粒径が得られる様な値に設定すれば被膜重量の変動を抑制できることがわかる。
【0084】
第3図および第4図より、表面調整処理液に超音波を照射する手段も有効である。これは前記理由によるが、平均粒径を制御することにより、被膜重量の粗大化を制御することが可能であることがわかる。
【0085】
表7〜表12より本発明である表面調整処理液の管理方法として、使用する2価または3価の金属のりん酸塩の平均粒径を5μm以下に制御することにより、得られるりん酸塩被膜結晶のサイズ、および被膜重量を制御することが可能であることが解った。また本管理方法は、一般的には工業用洗浄剤に使用される界面活性剤を含有する表面調整処理液についても適用できるため、表面調整処理を脱脂と同時に行う脱脂兼表面調整処理方法での適用性も高いとわかる。
【0086】
【発明の効果】
以上より、本発明の管理方法によって、りん酸塩化成処理ラインにおける表面調整処理液の管理精度が高くなることが考えられる。つまり、表面調整処理液中りん酸塩の平均粒径を適宜測定により把握しておき、連続的な部分廃棄更新をすることにより異常を未然に防ぎ、さらに前記りん酸塩が5μm以下に制御するための手段として超音波の照射、分散剤の添加により、安定したりん酸塩被膜を得ることを可能にしたのである。
【0087】
【表1】
Figure 0003544634
【0088】
【表2】
Figure 0003544634
【0089】
【表3】
Figure 0003544634
【0090】
【表4】
Figure 0003544634
【0091】
【表5】
Figure 0003544634
【0092】
【表6】
Figure 0003544634
【0093】
【表7】
Figure 0003544634
【0094】
【表8】
Figure 0003544634
【0095】
【表9】
Figure 0003544634
【0096】
【表10】
Figure 0003544634
【0097】
【表11】
Figure 0003544634
【0098】
【表12】
Figure 0003544634

【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は実施例1において廃棄更新なしと有りの両ケースについて平均粒径の経時変化を示すグラフである。
【図2】第2図は実施例1において廃棄更新なしと有りの両ケースについて化成被膜重量の経時変化を示すグラフである。
【図3】第3図は実施例2において超音波照射なし、超音波連続照射及び超音波断続照射の3ケースについて平均粒径の経時変化を示すグラフである。
【図4】第4図は実施例2において超音波照射なし、超音波連続照射及び超音波断続照射の3ケースについて化成被膜重量の経時変化を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 金属表面のりん酸塩化成処理において、化成処理前に2価もしくは3価の金属の少なくとも1種を含有するりん酸塩粒子の中から選ばれる1種以上を含有する表面調整処理液の表面調整能を管理する方法において、前記表面調整処理液中のりん酸塩粒子の平均粒径を測定して、その平均粒径が表面調整処理液の機能が発揮されるように予め定められた範囲内になるように制御することを特徴とする金属表面のりん酸塩化成処理用表面調整処理液の管理方法。
  2. 前記表面調整処理液をその収容容器から部分的かつ実質的に連続的に廃棄更新しながら前記表面調整処理液中のりん酸塩粒子の平均粒径を5μm以下になるように制御管理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面調整処理液に超音波を照射することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の方法。
  4. 前記表面調整処理液に、分散剤として正りん酸、ポリりん酸または有機ホスホン酸化合物の1種以上を添加することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記表面調整処理液に、分散剤として下記化学式1(式中RはHまたはCH、RはH、Cが1〜5のアルキル基またはCが1〜5のヒドロキシアルキル基)に示される単量体もしくはα、β不飽和カルボン酸単量体の中から選ばれる少なくとも1種以上と、前記単量体と共重合可能な単量体50重量%以下とを重合して得られる重合体または共重合体の1種以上とを添加することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
    Figure 0003544634
  6. 前記表面調整処理液に、分散剤として単糖類、多糖類、及びその誘導体から選ばれた1種以上を添加することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記表面調整処理液に、分散剤として酢酸ビニルの重合体またはその誘導体もしくは酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体からなる水溶性高分子化合物の1種以上を添加することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記分散剤成分の1種以上の合計濃度が1〜2000ppmである請求項4〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記表面調整処理液に、分散剤としてアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩またはこれらの混合物を添加し、且つ、pHを4〜13に調整することにより、平均粒径を5μm以下に制御管理することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩がオルソりん酸塩、メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メタ珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、およびホウ酸塩の中から選ばれる少なくとも1種の塩であり、且つ、その濃度が0.5〜20g/Lである請求項9に記載の方法。
  11. 前記平均粒径が5μm以下の粒子の濃度が0.001〜30g/Lであり、且つ、前記2価もしくは3価の金属がZn、Fe、Mn、Ni、Co、Ca、MgおよびAlの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
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