JP3544523B2 - 補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備 - Google Patents

補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川の樋門又は樋管に本河川水の逆流防止を目的として設置されるゲート設備の中、河川の上下流水位により無動力で且つ自動的に作動する浮体式起伏型ゲート設備において、堆積した泥土等による閉作動障害、又は開閉作動途中の塵芥等の噛込みによる扉体の不完全閉塞が発生した場合等に、強制的に扉体を開閉作動させて障害を排除する装置を備え付けた浮体式起伏型ゲート設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川堤防の樋門又は樋管には、河川増水時(洪水時等)、堤防内又は支川に本河川水が逆流しないように昇降式のゲート設備が一般的に設置されてきたが、近年、ゲートの開閉を河川水位の状況に応じて自動的、且つ無動力で適宜に行える浮体式起伏型ゲートの設置が行われるようになってきた。
【0003】
このゲート形式は、水路河床に下部ヒンジ方式で設置された浮体式扉体が、上下流水位の変動で自在に起立及び倒伏できる構造で、下流側水を上流側に逆流させないことを目的として、感潮河川、又は干拓堤防内側潮遊池等で広く採用されてきたものである。
【0004】
図9に樋門・樋管等の出口を開放及び閉塞するゲート設備として設置された従来の浮体式起伏型ゲート設備を示す。図9(ア)は全閉時の状態を示す側断面図であり、図9(イ)は全開状態を示す側断面図である。
【0005】
この図中、50は浮体式起伏型扉体、51は扉体回転支承金物、52は側部戸当金物である。又、記号WL1は下流側水位、WL2は上流側の水位を示す。止水部は下部戸当金物と扉体下部間に取付けられ扉体起伏作動に追従して変形可能な下部止水ゴム53、扉体の側部に取付けられ扉体起伏作動に従い側部戸当金物を摺動する側部ゴム54、並びに上部戸当金物に取付けられた上部水密ゴム55によって構成され、全閉状態時には浮体式起伏型扉体50が下流側水位によって起立し、扉体スキンプレートが上部水密ゴム55に圧着し、側部水密ゴム54と連続して止水する構造となっている。
【0006】
図9において、下流側水位WL1が上流側水位WL2より高いときは扉体50は起立して下流側からの逆流を防止する。上流側水位WL2が下流側水位WL1より高いときは扉体50を倒伏して上流側からの水を下流に流す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、任意に開閉操作可能な機能を有しない浮体式起伏型ゲート設備を樋門又は樋管等の暗渠形式水路の出口を開放及び閉塞する主ゲート設備として設置した場合、不完全な開閉作動による障害が発生する可能性がある。
【0008】
即ち、扉体倒伏状態の時に扉体上に泥土、砂利、転石等が堆積し、その重さにより扉体の浮力による初期起立作動が妨害され、本河川増水時に円滑な扉体起立作動の障害となる。又は、自動作動途中に水面に浮遊する塵芥等が浮体式扉体と上部戸当金物(上部水密部)との間に噛込み、扉体の閉塞作動を妨害する。
【0009】
樋門又は樋管のゲート設備に不完全閉塞状態が発生すると、増水した本河川水が堤防内側に逆流し、宅地又は農地に湛水被害が発生する。更には堤防の洗掘又は決壊という重大な災害に発展する危険性がある。
【0010】
本発明は、上下流水位の変動に対し、無動力で且つ適宜に自動開閉作動を行うことが可能な浮体式起伏型ゲートの機能を備え、任意に全開及び全閉操作が可能な作動装置を備え付けることで、自動作動による開閉障害が発生した場合でも容易に障害を排除することが可能な補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の作動装置付浮体式起伏型ゲート設備は、河川堤防等に設けられる樋門又は樋管ゲートの水路下部床にヒンジ方式で設置され、河川水位の変動によって無動力、かつ自動的に樋門又は樋管の通水断面を開放及び閉塞するよう起立及び倒伏作動する浮体式起伏型扉体を備えた浮体式起伏型ゲート設備において、両ロッド式油圧シリンダのロッドの両先端部の一方に引上用ワイヤーロープの基端を、他方に押下用ワイヤーロープの基端をそれぞれ取り付け、前記引上用ワイヤーロープの先端は、転向滑車を介して前記浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を起立させる方向で締結し、前記押下用ワイヤーロープの先端は、河床に配置した転向滑車により浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を倒伏させる方向で締結し、前記油圧シリンダを伸縮させることで扉体を起立及び倒伏させることを可能とし、油圧ポンプによる油の供給によって前記両ロッド式油圧シリンダを伸縮させ、同油圧ポンプによって油を供給しないときは、両ロッド式油圧シリンダ内の伸側及び縮側2油室の作動油が自由に移動することを可能とする油圧回路を設けたことを特徴とする。この構成により、通常は伸側及び縮側作動油が自由に移動できることで油圧シリンダが扉体の動作を制限せず、扉体が浮力によって無動力で自動的に開閉作動する。強制的に扉体を作動させる場合は前記伸・縮側を連結した油回路を閉鎖し、油圧ポンプによって作動油を供給することで、上下流水位変動に対する浮体式起伏型ゲートの作動を円滑に行わせる。
【0012】
この補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備において、両ロッド式油圧シリンダの両先端に1個又は複数個の動滑車を設置し、これに対応した固定滑車と前記動滑車に引上用ワイヤロープ及び押下用ワイヤーロープを巻装することにより、両ロッド式油圧シリンダの伸縮量を小さくでき、設備のコンパクト化を図ることができる。
【0013】
さらに、本発明の第2の補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備は、河川堤防等に設けられる樋門又は樋管ゲートの水路下部床にヒンジ方式で設置され、河川水位の変動によって無動力、かつ自動的に樋門又は樋管の通水断面を開放及び閉塞するよう起立及び倒伏作動する浮体式起伏型扉体を備えた浮体式起伏型ゲート設備において、油圧シリンダのロッドに引上用ワイヤーロープの基端を取り付け、前記引上用ワイヤーロープの先端は、転向滑車を介して前記浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を起立させる方向で締結し、前記油圧シリンダを縮ませることで扉体を起立させることを可能とし、油圧ポンプによって前記油圧シリンダを縮ませて強制的に扉体を起立させ、同油圧ポンプによって油を供給しないときは、前記油圧シリンダ内に設けたスプリングにより前記引上用ワイヤーロープの弛みを吸収する構造としたことを特徴とする。この第2の発明によれば、第1の発明による構造を簡単にして、基本的性能は満足したものとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1〜4に本発明の設置状態の概要図を示す。図1は本発明の第1実施例の浮体式起伏型ゲート設備の正面図、図2ア図は同ゲート設備の(上流から見て)左側面図、イ図は同ゲート設備の(上流から見て)右側面図、図3ア図は扉体の(上流から見て)右側連結部の詳細図、イ図は扉体の(上流から見て)左側連結部の詳細図、ウ図は連結ガイドローラの詳細図、図4ア図は補助作動装置の平面図、イ図およびウ図は補助作動装置の動作を示す正面図である。
【0015】
これらの図中、1は樋管、2は河川、3は河川堤防、4は補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備を構成する扉体、5は補助作動装置である。扉体4は、ヒンジ4aにより樋管1の出口側に起伏自在に取り付けられている。
【0016】
補助作動装置5は、図1および図4に示すように、ゲート設備の構造物に固定された両ロッド式の油圧シリンダ6を備えており、ロッド7の両端には、第1及び第2の動滑車支持フレーム8,9が固定されており、その動滑車支持フレーム8,9に複数(本例では4個)の動滑車10が回転自在に取り付けられている。
構造物側には、第1及び第2の固定滑車支持フレーム11,12が固定されており、その固定滑車支持フレーム11,12に、固定滑車13が回転自在に取り付けられている。
【0017】
基端を構造物に固定された引上用ワイヤーロープ14は、複数の動滑車10と固定滑車13に交互に巻装されて、最後の固定滑車13から、図2ア図に示すように、樋門上部に取り付けられた第1の転向滑車16およびガイドローラ17を介して扉体4の可動側端部の一側に固定された固定ピン18に取り付けられたローラーカム19に締結されている。
【0018】
他方、基端を構造物に固定された押下用ワイヤーロープ15は、複数の動滑車10と固定滑車13に交互に巻装されて、最後の固定滑車13から、図2イ図に示すように、樋門上部に取り付けられた第2の転向滑車20、途中の第3の転向滑車21と河床に取り付けられた第4の転向滑車22および第5の転向滑車23を介して、扉体4の可動側端部の他側に固定された固定ピン24に取り付けられたローラーカム25に締結されている。なお、図中26は、扉体4が起立していったときに押下用ワイヤーロープ15が転向されるガイドローラ、27は、扉体4が最高位置まで起立したときに扉体4の上部と密着して水密状態を形成するための上部水密ゴム、28は、油圧シリンダ6の油圧操作装置である。
【0019】
これらの機構によって、浮体式起伏型扉体4が浮力により起伏作動をすると、押下用ワイヤーロープ15が引っ張られ、第2の動滑車支持フレーム9と第2の固定滑車支持フレーム12に支持された動滑車10と固定滑車13との距離が短くなる。これにより、第2の動滑車支持フレーム9が図面上左方向に移動し、シリンダロッド7が左方向に移動する。そうすると、第1の動滑車支持フレーム8も左方向に移動するため、動滑車10と固定滑車13の間に巻装されている引上用ワイヤーロープ14が引っ張られ、引上用ワイヤーロープ14の先端が固定されている扉体4の起伏動作に応じた長さだけの引上用ワイヤーロープ14が動滑車10の移動量として巻かれる。
【0020】
図3ア図は扉体の左側連結部の詳細図、イ図は扉体の右側連結部の詳細図、ウ図は連結ガイドローラの詳細図であり、引上用ワイヤーロープおよび押下用ワイヤーロープ14,15の先端は、それぞれ扉体4上部両側の固定ピン18,24に回動自在に取り付けられたローラーカム19,25に固定されている。ローラーカム19,25には、第1のローラ29および第2のローラ30が回転自在に取り付けられており、樋門両側の戸当たりガイド31上を転動できるように構成されている。引上用ワイヤーロープおよび押下用ワイヤーロープ14,15が引っ張られている状態では第1のローラ29が戸当たりガイド31に当接しながら扉体4を起伏動させる。第1および押下用ワイヤーロープ14,15が弛んだときは、ローラーカム19,25が転動しないように、第2のローラ30でローラーカム19,25を支持する。
【0021】
図5は第1実施例における油圧回路を示すものであり、ア図は扉体が水位変化によって自動作動している状態を示し、イ図は強制開放作動時の油圧回路図、ウ図は強制起立作動時の油圧回路図である。
【0022】
図中、32は両ロッド式油圧シリンダ6のシリンダチューブ、33はロッド7の中央部に設けられたピストンを示す。また、34は切替弁、35は3方向制御弁、36は油圧ポンプ、37はリリーフバルブ、38は油圧計、39は油タンクである。記号aは両ロッド式油圧シリンダ6の縮作動側油室の油口、bは両ロッド式油圧シリンダ6の伸作動側油室の油口である。
【0023】
水位状態によって扉体4に発生する浮力が、扉体4を起立方向へ作動させると同時に、扉体4に取付けられた押下用ワイヤーロープ15が引っ張られるので、動滑車10が移動し、動滑車10を支持している動滑車支持フレーム9が固定されている両ロッド式油圧シリンダ6のロッド7を左方向に移動させる。ロッド7の左方向への移動により、引上用ワイヤーロープ14が巻かれている動滑車10が固定滑車13に対して離れる方向に移動し、引上用ワイヤーロープ14の先端は扉体4の上昇に伴って短縮される。
【0024】
図5ア図の状態では、切替弁34が開放されていること、並びにピストン33、ロッド7がシリンダチユーブ32内で移動しても両ロッド式油圧シリンダ6内の作動油の総量が変化しないことにより、作動油はa、b両油口より自由に移動可能な状態である。従って、ロッド7に作用する外力によって自在に伸縮可能な状態である。
【0025】
次に、扉体4を強制開放する場合、図5イ図に示すように、切替弁34によって作動油の自由な移動を遮断し、方向切替弁35を操作し油圧ポンプ36によって油口aに作動油を供給することで任意に油圧シリンダ6のロッド7を右方向に移動させ、押下用ワイヤーロープ15によって扉体4を押し下げ、強制開放動作することが可能である。
【0026】
また、図5ウ図に示すように両ロッド式油圧シリンダ6が左方向に移動することで、引上用ワイヤーロープ14を引っ張り、扉体4を引き上げ、強制閉塞動作させることが可能である。
【0027】
なお、ロッド7の位置は、扉体4の開度と相関関係を有するので、ロッド7の位置を目視することにより開度を確認することができ、またはロッド7に取り付けたリニアエンコーダやロータリエンコーダ等の信号により、遠隔から開度を監視することができる。
【0028】
図6〜図8は、本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例の両ロッド式油圧シリンダ6の扉体強制開放機構を省き、強制閉塞機構のみの構造としたものである。すなわち、図6は本発明の第2実施例の浮体式起伏型ゲート設備の正面図、図7ア図は補助作動装置の平面図、イ図およびウ図は補助作動装置の動作を示す正面図、図8は扉体の強制倒伏を行う時の油圧回路図である。
【0029】
この第2実施例において、第1実施例と同等の機能を有する要素については、同一の符号を付して説明の重複を避ける。本実施例では、図8に示すように、油圧シリンダ6のシリンダチューブ32内に、ピストン33を図面上左方向に付勢して、引上用ワイヤーロープ14に張力がかからないときに、油圧回路の動作に関係なく引上用ワイヤーロープ14に所定の張力を与えて引上用ワイヤーロープ14が弛むのを防止するスプリング40を設けている。
【0030】
その動作について説明すると、図8の状態は扉体4が起立している状態の図である。扉体4が倒伏するとき、引上用ワイヤーロープ14は扉体自重によって引っ張られ油圧シリンダーロッド7は右側(伸方向)に伸ばされる。このときスプリング40はピストン33により圧縮された状態となる。河川水位が上昇し扉体4が浮力によって起立すると、起立した分、ワイヤーロープ14が緩められるが、スプリング40の復元力によりピストン33を左側に押し戻し、ワイヤーロープ14に張力を与える。方向制御弁35が中立の状態では上記油圧シリンダーの自由な伸縮作動を妨げない回路となっている。
【0031】
従って、通常の自動開閉作動時、ワイヤーロープ14は常に緊張した状態となり、油圧シリンダー6のロッド7は扉体4の起立状態に相応した伸縮状態となる。これより、ロッド7の伸縮状態から扉体の開閉状態を検知することが可能となる。扉体4が土砂等の障害物により自動起立作動が妨げられたとき、任意に方向制御弁35を切り替え(図では左側へ移動)油口bに作動油を供給し、強制的に油圧シリンダ6を縮作動させ扉体4を起立させる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明により、本発明の補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備は、樋門又は樋管等の逆流防止ゲートとして、通常は河川水位の変動に対し無動力自動開閉作動を行うが、自動作動に障害が発生した場合は管理者が任意に全閉又は全開操作することが可能であり、同時にゲート開度計及び上下流水位計を組合わせて的確な作動管理システムを構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の浮体式起伏型ゲート設備の正面図である。
【図2】ア図は同ゲート設備の(上流から見て)左側面図、イ図は同ゲート設備の(上流から見て)右側面図である。
【図3】ア図は扉体の(上流から見て)左側連結部の詳細図、イ図は扉体の(上流から見て)右側連結部の詳細図、ウ図は連結ガイドローラの詳細図樋管の右側断面図である。
【図4】ア図は補助作動装置の平面図、イ図およびウ図は補助作動装置の動作を示す正面図補助作動装置の平面図である。
【図5】第1実施例における油圧回路を示すものであり、ア図は扉体が水位変化によって自動作動している状態を示し、イ図は強制開放作動時の油圧回路図、ウ図は強制起立作動時の油圧回路図である。
【図6】本発明の第2実施例の浮体式起伏型ゲート設備の正面図である。
【図7】ア図は補助作動装置の平面図、イ図およびウ図は補助作動装置の動作を示す正面図である。
【図8】本発明の第2実施例の油圧回路図で、扉体起立時(全閉時)の状態図である。
【図9】ア図は従来の浮体式起伏型ゲート設備の全閉状態を示す側断面図、イ図は従来の浮体式起伏型ゲート設備の全開状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 樋管、2 河川、3 河川堤防、4 扉体、4a ヒンジ、5 補助作動装置、6 両ロッド式の油圧シリンダ、7 ロッド、8 第1の動滑車支持フレーム、9 第2の動滑車支持フレーム、10 動滑車、11 第1の固定滑車支持フレーム、12 第2の固定滑車支持フレーム、13 固定滑車、14 引上用ワイヤーロープ、15 押下用ワイヤーロープ、16 第1の転向滑車16、17 ガイドローラ、18 固定ピン、19 ローラーカム、20 第2の転向滑車、21 第3の転向滑車、22 第4の転向滑車、23 第5の転向滑車、24 固定ボルト、25 ローラーカム、26 ガイドローラ、27 上部水密ゴム、28 油圧操作装置、29 第1のローラ、30 第2のローラ、31 戸当たりガイド、32 シリンダチューブ、33 ピストン、34 切替弁、35 3方向制御弁、36 油圧ポンプ、37 リリーフバルブ、38 油圧計、39 油タンク、40 スプリング

Claims (3)

  1. 河川堤防等に設けられる樋門又は樋管ゲートの水路下部床にヒンジ方式で設置され、河川水位の変動によって無動力、かつ自動的に樋門又は樋管の通水断面を開放及び閉塞するよう起立及び倒伏作動する浮体式起伏型扉体を備えた浮体式起伏型ゲート設備において、
    両ロッド式油圧シリンダのロッドの両先端部の一方に引上用ワイヤーロープの基端を、他方に押下用ワイヤーロープの基端をそれぞれ取り付け、
    前記引上用ワイヤーロープの先端は、転向滑車を介して前記浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を起立させる方向で締結し、
    前記押下用ワイヤーロープの先端は、河床に配置した転向滑車により浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を倒伏させる方向で締結し、
    前記油圧シリンダを伸縮させることで扉体を起立及び倒伏させることを可能とし、
    油圧ポンプによる油の供給によって前記両ロッド式油圧シリンダを伸縮させ、同油圧ポンプによって油を供給しないときは、両ロッド式油圧シリンダ内の伸側及び縮側2油室の作動油が自由に移動することを可能とする油圧回路を設けたことを特徴とする補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備。
  2. 両ロッド式油圧シリンダの両先端に1個又は複数個の動滑車を設置し、これに対応した固定滑車と前記動滑車に引上用ワイヤロープ及び押下用ワイヤーロープを巻装したことを特徴とする請求項1記載の補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備。
  3. 河川堤防等に設けられる樋門又は樋管ゲートの水路下部床にヒンジ方式で設置され、河川水位の変動によって無動力、かつ自動的に樋門又は樋管の通水断面を開放及び閉塞するよう起立及び倒伏作動する浮体式起伏型扉体を備えた浮体式起伏型ゲート設備において、
    油圧シリンダのロッドに引上用ワイヤーロープの基端を取り付け、
    前記引上用ワイヤーロープの先端は、転向滑車を介して前記浮体式起伏型扉体上部に、同扉体を起立させる方向で締結し、
    前記油圧シリンダを縮ませることで扉体を起立させることを可能とし、
    油圧ポンプによって前記油圧シリンダを縮ませて強制的に扉体を起立させ、同油圧ポンプによって油を供給しないときは、前記油圧シリンダ内に設けたスプリングにより前記引上用ワイヤーロープの弛みを吸収する構造としたことを特徴とする補助作動装置付浮体式起伏型ゲート設備。
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