JP3544448B2 - 磁気研磨による鏡面加飾方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気研磨による鏡面加飾方法に係わり、更に詳しくは、磁気研磨により鏡面加工しながらその面上に模様を施す鏡面加飾方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気研磨法は磁気力を利用する研磨法であり、磁化される鉄芯の中央より固体磁性砥粒と研磨粒とを混合した研磨流体を供給して固体磁性砥粒を磁極鉄芯に吸引させて研磨する乾式磁気研磨法(例えば特開昭61−244457号)と、液状の研磨材と強磁性物質粒子(鉄粉など)との混合物を供給し、鉄芯に強磁性粉子を吸引させてブラシを形成させ、この磁性粉子間に研磨材スラリーを保持させて研磨する湿式磁気研磨法(例えば特開平5−8169号)とがある。
【0003】
図4は、湿式磁気研磨法の模式図であり、研磨材の粒子1と強磁性物質の粒子2とを、界面活性剤を含有する液状媒体3の存在下に使用して磁気研磨を行うようになっている。なお、この図において、4は研磨工具である磁気鉄芯であり、5は被研磨体(ワーク)、6は容器である。
【0004】
更に、磁性材と研磨液とをそれぞれ別の装置によって個別に供給し、磁性材/研磨液の変更や交換に容易に応じることができるようにした磁気研磨装置も提案されている(特開平8−323613号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ステンレス板等のワーク表面に模様を施すには、ワークを鏡面研磨し、その表面にエッチング等で模様を加工している。しかし、この方法では、鏡面研磨、エッチング、化学処理等の後処理、等の複数の工程を必要とする問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、上述した磁気研磨法を用いた単一の工程で、ワークの表面を鏡面加工しながらその面上に模様を施す方法(鏡面加飾方法と呼ぶ)を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、板状ワークとの対向面が磁極となるように磁化される鉄芯と、該鉄芯の磁力によりワークとの間に保持させる磁性粒子と、ワークの鉄芯との反対面に対向して位置し鉄芯との間の透磁率を部分的に変化させる磁気加飾手段とを備え、鉄芯とワークとの相対移動によりワーク表面を磁気研磨し同時に透磁率の変化に対応した模様を付加する、ことを特徴とする磁気研磨による鏡面加飾方法が提供される。
【0008】
上記本発明の方法によれば、磁気加飾手段により板状ワークと鉄芯との間の透磁率を部分的に変化させ、その間に位置する磁性粒子とワークとの接触圧力を変化させることにより、ワーク表面を磁気研磨により鏡面加工しながら、同時に透磁率の変化に対応した模様をその表面に施すことができる。なお、磁性粒子として磁性砥粒を用いることにより磁性粒子自体の接触圧力でワークを磁気研磨でき、或いはこの磁性粉子間に研磨材スラリーを保持させて磁気研磨することもできる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記磁気加飾手段は、所望の模様に対応した凹みを有する磁性体からなる。この構成により、研磨する板材の下方に凹凸を有する磁性体(例えば鋼材)を置くだけで、磁束密度を意図的に変化させて研磨量に差を付けることができる。
【0010】
また、別の実施形態によれば、前記磁気加飾手段は、所望の模様に対応した非磁性板と、該非磁性板をワークとの間に挟持する磁性体とからなる。この構成により、ワークと磁性体の間に非磁性体(紙、プラスチック等)を挟持するだけで、容易に磁束密度を意図的に変化させて研磨量に差を付けることができる。
【0011】
前記板状ワークは非磁性材料からなることが好ましい。非磁性材料としては、ステンレス、銅、プラスチック、セラミックス、等を適用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の磁気研磨による鏡面加飾方法を示す模式図である。この図に示すように、本発明の鏡面加飾方法は、板状ワーク11との対向面が磁極となるように磁化される鉄芯12と、鉄芯12の磁力によりワーク11との間に保持させる磁性粒子14と、ワーク11の鉄芯との反対面に対向して位置し鉄芯12との間の透磁率を部分的に変化させる磁気加飾手段16とを備え、鉄芯12とワーク11との相対移動によりワーク表面を磁気研磨し同時に透磁率の変化に対応した模様を付加するようになっている。なお、この図で13はコイルであり、直流電源により、鉄芯12を磁化するようになっている。また、コイル13の中心を鉄芯12はその軸心を中心に自由に回転するようになっている。更に、ワーク11及び磁気加飾手段16と鉄芯12とが相対的にこの図で水平に移動するようになっている。
【0013】
図2は、図1のA部の拡大図である。この図に示すように、磁気加飾手段16は、所望の模様に対応した凹み17aを有する磁性体17からなる。磁性体17は、鉄又はコバルト、或いは磁性体であるこれらの合金であるのがよい。また、板状ワーク11は非磁性材料、例えばステンレス、銅、プラスチック、セラミックス、等であるのがよい。この構成により、研磨する板材11の下方に凹凸を有する磁性体17(例えば鋼材)を置くだけで、破線で示す磁力線の磁束密度を意図的に変化させて研磨量に差を付けることができる。
【0014】
すなわち、凹み17aのない部分の磁性体17と接するワーク11の部分では、磁力線の磁束密度が強くなり、ワーク11と磁性粒子14との接触圧力が大きくなり、凹み17aのある部分では逆に磁束密度が弱くなり、ワーク11と磁性粒子14との接触圧力が小さくなる。従って、磁性粒子14として磁性砥粒を用いることにより磁性粒子自体の接触圧力でワーク11を磁気研磨でき、或いはこの磁性粉子間に研磨材スラリーを保持させて磁気研磨することもでき、これにより、ワーク表面を磁気研磨により鏡面加工しながら、同時に透磁率の変化に対応した模様をその表面に施すことができる。
【0015】
図3は別の実施形態を示す図2と同様の図である。この図において、磁気加飾手段16は、所望の模様に対応した非磁性板18と、非磁性板18をワーク11との間に挟持する磁性体17からなる。磁性体17は、表面に凹みが無い点を除いて、図2と同様である。非磁性板18は、例えば紙、プラスチック、或いは適当な塗料であり、板状ワーク11と鉄芯12との間の透磁率を部分的に変化させるようになっている。その他の構成は、図1及び図2と同様である。
【0016】
この構成により、ワーク11と磁性体17の間に非磁性体18(紙、プラスチック等)を挟持するだけで、容易に磁束密度を意図的に変化させて研磨量に差を付けることができる。
【0017】
上述した方法により、磁気加飾手段16により板状ワーク11と鉄芯12との間の透磁率を部分的に変化させ、その間に位置する磁性粒子14とワーク11との接触圧力を変化させることにより、単一の工程で、ワーク表面を磁気研磨により鏡面加工しながら、同時に透磁率の変化に対応した模様をその表面に施すことができる。
【0018】
【実施例】
ステンレス板の下方に厚さ13mmの鋼板を置いて本発明の方法による磁気研磨を実施した。その鋼板には、φ12、10、8、6、4、2mmの貫通穴と、同径の深さ5mmの穴が設けた。その結果、ステンレス板の裏面の形状を浮き彫りにした鏡面が表面に得られ、その表面粗さは0.1μmRmaxであった。研磨後の形状は円周部でやや盛り上がり中心部で凹んでいた。なお、中心部で磁束密度が低下するにもかかわらず、中心部が凹むのは加工圧による凹みと考えられる。
【0019】
この実施例から、板裏面の磁束密度の変化(鋼板の形状変化)が反映された鏡面を得ることが可能であることが確認され、鋼材表面の凹凸形状を転写しながら鏡面研磨が可能であることが判明した。
【0020】
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。また、本発明の方法を適用するための磁気研磨手段は、乾式であっても湿式であってもよい。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明の磁気研磨による鏡面加飾方法は、磁気研磨法を用いた単一の工程で、ワークの表面を鏡面加工しながらその面上に模様を施すことができる、新規で優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気研磨による鏡面加飾方法を示す模式図である。
【図2】図1のA部の拡大図である。
【図3】本発明の別の実施形態を示す図である。
【図4】従来の磁気研磨法の模式図である。
【符号の説明】
1 研磨材粒子
2 強磁性物質粒子
3 液状媒体
4 研磨工具(磁気鉄芯)
5 被研磨体(ワーク)
6 容器
11 板状ワーク
12 鉄芯
14 磁性粒子
16 磁気加飾手段
17 磁性体
17a 凹み
18 非磁性板
Claims (4)
- 板状ワークとの対向面が磁極となるように磁化される鉄芯と、該鉄芯の磁力によりワークとの間に保持させる磁性粒子と、ワークの鉄芯との反対面に対向して位置し鉄芯との間の透磁率を部分的に変化させる磁気加飾手段とを備え、鉄芯とワークとの相対移動によりワーク表面を磁気研磨し同時に透磁率の変化に対応した模様を付加する、ことを特徴とする磁気研磨による鏡面加飾方法。
- 前記磁気加飾手段は、所望の模様に対応した凹みを有する磁性体からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の鏡面加飾方法。
- 前記磁気加飾手段は、所望の模様に対応した非磁性板と、該非磁性板をワークとの間に挟持する磁性体からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の鏡面加飾方法。
- 前記板状ワークは、非磁性材料からなる、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の鏡面加飾方法。
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JP5877497A JP3544448B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 磁気研磨による鏡面加飾方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5877497A JP3544448B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 磁気研磨による鏡面加飾方法 |
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JPH10249712A JPH10249712A (ja) | 1998-09-22 |
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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CN108687573B (zh) * | 2018-05-23 | 2020-04-24 | 山东理工大学 | 一种自动化磁场辅助光整加工装置及方法 |
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1997
- 1997-03-13 JP JP5877497A patent/JP3544448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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