JP3544419B2 - 計量器を内蔵する容器入り粒状洗剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は計量器を内蔵する容器に充填された粒状洗剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
かつての粒状洗剤は、嵩密度が0.2〜0.4g/cm3 の低密度であったため、日本国内条件における一回の通常使用量は、洗濯液30リットルに対して重量で40g、体積で100〜200cm3 であった。従って、60〜100回の使用分の粒状洗剤を紙箱に入れた場合、その製品は重量にして2.5〜4.5kg、体積にして6000〜20000cm3 になり、重く嵩張るものであった。そのため、工場からの輸送コストが増大するのみならず、消費者にとっても、持ち運びや置き場所に苦労する、計量しにくい等の点で不便なものであった。
【0003】
上記問題に対して、例えば特開昭48−61511号公報及び特開昭58−132093号公報に開示された高密度の粒状洗剤は、嵩密度が0.5g/cm3 を越え、その体積が小さくなることから、上記問題を解決するものとして注目されていた。
【0004】
さらに、その高密度の粒状洗剤の溶解性や分散性を改善するため、本件出願人は、例えば特開昭62−167399号公報、特開平5−271700号公報、特開昭61−69897号公報、特開昭61−69899号公報、特開昭61−69900号公報、特開平4−339898号公報、及び特開平5−209200号公報に開示したように、多くの技術を見い出し、高密度粒状洗剤の実用化に寄与してきた。
【0005】
高密度粒状洗剤の一回の使用量は、洗濯液30リットルに対して重量で25g、体積で約35cm3 程度とできるため、使用回数50〜60回分の使用分の粒状洗剤を容器に充填した場合、その製品は従来よりも4割程度も軽く、また体積は7割程度も小さくなるため、便益性に優れるものである。
【0006】
従来、その高密度粒状洗剤を充填する容器として、形状は従来の紙箱と同様であるが、紙箱よりも防湿性や強度に優れ、上蓋により上端開口が開閉されるカートン状のものが使用されている。また、高密度化による一回の使用体積の低下により、スプーンによる計量が行なわれている。
【0007】
スプーン計量は、簡便な操作で任意の洗剤量を精度良く瞬時に計量できる方法として大変優れた方法であり、1980年代後半から数年のうちに、日本をはじめ欧米、アジア等で広く用いられることとなった。しかしながら、スプーン計量は、多くの使用者においてその使用時に両手がふさがるという至便性において課題も残されている。
【0008】
そこで、高密度化による一回の使用体積の低下の効果を利用し、片手で簡便に扱うことができる新しい粉末洗剤の計量方法として、本件出願人は、特開昭61−57699号公報において、振り出し量を計量可能な計量器を内蔵する容器入り高密度粒状洗剤を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
計量器を内蔵することで、1回の必要量を振りだすことのできる洗剤用容器は既に知られている。しかしながら、実際に粉体ないし粒状洗剤を充填してみると十分に計量できない場合が見られた。特に製品として製造されて間もない時に使用すると計量値が設計した値よりも低くなる傾向が見られ、また特公平7−116480号記載の計量器のような、傾動、正立を繰り返すことで計量するような場合、長期間の使用、即ち傾動、正立の回数が増えるにしたがって十分な洗剤量を振り出せなくなる傾向が見られた。
本発明は、上記課題を解決することのできる計量器を内蔵する容器入り粒状洗剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの原因として計量器を構成するプラスチック部分の成形時から発生する静電気と、傾動、正立の繰り返しにより発生する静電気による帯電が計量器に粉末洗剤を付着させるため、計量の精度が低下することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、粒状洗剤を計量するための計量器を内蔵する容器であって、計量器が帯電防止性を有するものである該容器に高嵩密度粒状洗剤を充填した容器入り粒状洗剤を提供するものである。
【0012】
帯電防止剤を使用した市販のプラスチック容器はすでに知られており、例えば、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤等の容器本体やキャップには通常帯電防止剤が含まれている。しかしながら、これらは外界からのちりやほこりが容器表面に付着することを防止することを目的として配合されているものであり、充填物に対する問題点については何ら考慮されていなかった。
その上、計量器を内蔵する容器の場合、計量器は容器内部に存在することから、ちりやほこりの影響を受けないものであるため帯電防止剤を配合する必要性は見あたらず、加えて配合コストや帯電防止剤を配合する加工工程の面から考慮すると、帯電防止剤を配合しないことが有利であることは自明であった。しかしながら、実際に本計量器付き容器を用いて計量精度の向上の検討を重ねていく過程において、上述のような問題点が見い出された。
【0013】
このような観点から本発明はなされたものであり、本発明の容器入り粒状洗剤は、粒状洗剤を充填する容器が洗剤を計量するための計量器を内蔵し、この計量器が帯電防止性を有するものである。計量器に発生する静電気を防止することで、計量精度の低下を抑制することができる。より具体的には、計量器を構成する素材として、例えば金属等の導電性の物質を使用すること、または金属粉やカーボンブラック等の導電性物質もしくは界面活性剤等の帯電防止剤を練り込んだプラスチックを使用する等の方法があるが、加工性・物性・コストの面から、金属素材或いは導電性物質を使用するより、帯電防止剤をプラスチックに練り込むかもしくは帯電防止剤をプラスチック表面に塗布する方法が好ましく、特に帯電防止性の持続性の点から帯電防止剤を練り込んだプラスチックにて計量器を構成することが好ましい。
【0014】
帯電防止剤を用いる方法は、金属素材並びに金属粉及びカーボンブラック等の導電性物質を練り込む方法とは異なる。金属素材、金属粉及びカーボンブラックを用いる方法は根本的に電荷の移動を発生させないことにあるのに対して、帯電防止剤を用いる方法は、帯電防止剤が界面活性能を有する化合物であることから、プラスチックに練り込むまたは塗布することにより、プラスチック表面に親水基を配列させ、プラスチック表面の吸湿性を増大させることで電気抵抗を低下させている。
【0015】
帯電防止剤としては、非イオン系としてポリ(オキシエチレン)アルキルアミン系〔N,N−ビス(2ヒドロキシエチル)アルキルアミンを含む〕、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド系、ポリ(オキシエチレン)アルキルエ−テル系、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエ−テル系、グリセリン脂肪酸エステル系及びソルビタン脂肪酸エステル系があり、アニオン系としてはアルキルスルホネ−ト系、アルキルベンゼンスルホネ−ト系、アルカルサルフェ−ト系及びアルキルホスフォネ−ト系が、カチオン系としては第4級アンモニウムクロライド系、第4級アンモニウムサルフェート系及び第4級アンモニウムナイトレート系があり、その他には両性系や導電性樹脂等の従来知られている帯電防止剤を使用することができるが、本発明では非イオン系を主成分とすることが好ましく、特にポリ(オキシエチレン)アルキルアミン系及び/又はグリセリン脂肪酸エステル系の化合物を主成分とする帯電防止剤をプラスチックに練り込んだものがもっとも好ましい。その他に帯電防止剤の分散性を向上させるために分散剤として高級アルコ−ル、グリセリン、シリカ等を配合してもよい。前述したとおりプラスチックに帯電防止剤を練り込みことは従来より知られていることであり、帯電防止剤として市販の帯電防止剤を使用してもよい。例えば、エレクトロストリッパー(花王株式会社)、アモーゲン(第一工業製薬株式会社)、トゥイーン(ATLAS POWDER CO.)、カチオン(日本油脂株式会社)等を挙げることができる。
【0016】
帯電防止剤の配合量はプラスチックの材質及び性質(ガラス転移温度等)によって異なるが、プラスチック100重量部中に0.05〜5重量部(PHR)配合される。配合量が少ないと帯電防止効果が少なく、また多すぎると表面がべとつき易くなり、プラスチックの強度低下の原因となる。
【0017】
本発明の容器に内蔵される計量器に使用されるプラスチックの素材としては、ガラス転移温度が25℃以下、好ましくは10℃以下であるものを使用することが好ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。これは帯電防止剤をプラスチック中に練り込む場合、帯電防止剤はプラスチック表面に析出することで効果を発揮するため、ガラス転移温度が25℃以下のプラスチックに練り込まれた帯電防止剤はミクロブラウン運動により表面に出やすくなるためである。ガラス転移温度の高い素材、例えばポリスチレン等は、帯電防止剤による帯電防止効果が低く、帯電防止剤の配合量を増やす必要がある。
【0018】
帯電防止能の具体的な数値としては、ASTM:D257に記載の方法により測定される表面固有抵抗が1×1014Ω以下、好ましくは1×1013Ω以下とすることが好適であり、該数値を満たす素材により計量器を構成することが最も好ましい。
【0019】
本発明に配合される粉末ないし粒状洗剤は見かけ嵩密度が0.6g/cm3 以上の高嵩密度洗剤であり、好ましくは0.7〜1.2g/cm3 である。低嵩密度の場合は使用容量だけでなく使用重量が多くなり、振出操作において、片手で扱いづらくなり、計量器内蔵する洗剤として好ましくない。本発明は高密度の洗剤を充填した上で、計量器の1回使用量が5〜20g、好ましくは5〜15gの様な使用容量が特に少ない場合において効果的であるが、欧州や米国のような1回使用量が多い場合においても本発明は利用性の高い発明であることはいうまでもない。
【0020】
本発明は、洗剤が比較的粒径の小さい微粉を含むものであっても、帯電による影響を受けにくい点で好適であるが、洗剤粒子は特に平均粒径が重量平均で250〜1000μmが好適である。250μm未満になると計量精度が低下する。1000μmを超える極端に大きい粒子になると同様に計量精度が低下するうえ、洗剤自体の溶解性が低下し好ましくない。また粒径125μm以下の粒子は6重量%以下であることが精度のよい計量を行ううえで好ましく、粒径が1000μm以上の粒子は10重量%以下であることが好ましい。
【0021】
次に、前記の計量器内蔵容器に充填される粒状洗剤について詳述する。
本発明に用いられる高嵩密度洗剤は、洗浄基剤である界面活性剤とビルダー等の任意成分とからなる。
【0022】
界面活性剤は粒状洗剤中に10〜50重量%配合される。具体的には、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される一種以上である。例えば、非イオン界面活性剤の中から複数選択する場合のごとく同一種類のみから選択してもよく、また陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の中からそれぞれ選択する場合のごとく各種のものを複数選択してもよい。
【0023】
陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩またはエステル塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤等が例示され、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、脂肪酸塩等である。
【0024】
非イオン界面活性剤としては、以下のものが例示される。すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸アルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0025】
このうち、特に非イオン界面活性剤として、炭素数10〜18の直鎖または分岐鎖の1級または2級アルコールのエチレンオキサイド付加物であって、平均付加モル数5〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望ましい。より好ましくは炭素数12〜14の直鎖または分岐鎖の1級または2級のアルコールのエチレンオキサイド付加物であって、平均付加モル数6〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望ましい。
【0026】
高密度粒状洗剤中にポリオキシエチレンアルキルエーテル型の界面活性剤を配合する場合、特に5〜30重量%配合する場合において洗浄性能の点から効果的である。
【0027】
本発明は特に、非イオン界面活性剤とともに、陰イオン界面活性剤を3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%併用することにより、少量で洗浄力を有し且つブロッキング性は最も改善され、且つ粉末物性も良好になる。陰イオン界面活性剤として好ましいものは、炭素数10〜22の飽和又は不飽和脂肪酸塩、炭素数10〜22のアルキル硫酸塩、炭素数10〜22のα−スルホン化脂肪酸塩、及び炭素数10〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(但し、エチレンオキサイドの平均付加モル数は0.2〜20)からなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。これらの陰イオン界面活性剤のなかでも脂肪酸塩が好ましいが、脂肪酸塩を使用する場合は平均炭素数が13以上が望ましく、溶解性の上で17以下であることが望ましい。特に炭素数が16の飽和脂肪酸塩を全脂肪酸塩中に30重量%以上含むものが最適である。これら界面活性剤は、噴霧乾燥粒子中に配合してもよいし、造粒時に添加してもよい。また、酸型で添加し、アルカリ金属ケイ酸塩または炭酸塩などのアルカリ剤とドライ中和させてもよい。
【0028】
陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアミン塩等の第4アンモニウム塩等が例示される。両性界面活性剤としては、カルボキシ型またはスルホベタイン型等の両性界面活性剤が例示される。
【0029】
本発明は1回使用量の少ない洗剤において特に有用な発明である。1回使用量を少なくするためには、結晶性ケイ酸塩を配合することが好ましい。
【0030】
結晶性ケイ酸塩は、0.2重量%分散液において10.6以上のpHを示し、優れたアルカリ能を示すことができる。また、アルカリ緩衝効果についても特に優れており、炭酸ソーダや炭酸カリウムと比較してもアルカリ緩衝効果が優れるという性質を示すものであり、SiO2/M2O=0.9〜2.6(M:アルカリ金属)のものを使用することによって可能となる。このような結晶性ケイ酸塩のうち特開平5−184946号公報および特開昭60−74595号公報に記載されているものを使用することができ、具体的な組成としては次の組成を有するものが例示される。
▲1▼ xM2O・ySiO2・zMemOn・wH2O (1)
(式中のMは周期律表のIa族元素、MeはIIa、IIb、 IIIa、IVaもしくはVIII族元素から選ばれる1種または2種以上の組合せを示し、y/x=0.5〜2.6、z/x=0.01〜1.0、n/m=0.5〜2.0、w=0〜20である。)
▲2▼ M2O・x’SiO2・y’H2O (2)
(式中のMはアルカリ金属を表し、x’=1.5〜2.6、y’=0〜20である。)。
【0031】
まず、上記▲1▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩について説明する。
一般式(1)において、Mは周期律表のIa族元素から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙げられる。これらは単独であるいは例えばNa2OとK2Oとが混合してM2O成分を構成していてもよい。
Meは周期律表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選ばれ、例えばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これらは特に限定されるものではないが、資源及び安全上の点から好ましくはMg、Caである。また、これらは単独であるいは2種以上混合していてもよく、例えばMgO、CaOなどが混合してMem On 成分を構成していてもよい。
また、本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩においては、水和物であってもよく、この場合の水和量はw=0〜20の範囲である。
【0032】
また、一般式(1)においてy/xが0.5〜2.6であり、好ましくは1.5〜2.2である。y/xが0.5未満では耐水溶性が不十分であり、ケーキング性、溶解性、粒状洗剤の粉末物性に著しく悪影響を及ぼす。y/xが2.6を越えると、アルカリ能が低くなりアルカリ剤として不十分となり、かつイオン交換能も低くなり、イオン交換体としても不十分である。z/xは0.01〜1.0であり、好ましくは0.02〜0.9である。z/xが0.01未満では耐水溶性が不十分であり、1.0を越えるとイオン交換能が低くなり、イオン交換体として不十分である。x,y,zは前記のy/xおよびz/xに示されるような関係であれば、特に限定されるものではない。なお、前記のようにxM2Oが例えばx’Na2O・x”K2Oとなる場合は、xはx’+x”となる。このような関係は、zMemOn成分が2種以上のものからなる場合におけるzにおいても同様である。また、n/m=0.5〜2.0は、当該元素に配位する酸素イオン数を示し、実質的には0.5、1.0、1.5、2.0の値から選ばれる。
【0033】
本発明の粒状洗剤における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、前記の一般式に示されるようにM2O、SiO2、MemOnの三成分よりなっている。したがって、本発明の粒状洗剤における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩を製造するには、その原料として各成分が必要になるが、本発明の粒状洗剤においては特に限定されることなく、公知の化合物が適宜用いられる。例えば、M2O成分、MemOn 成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的には例えば、M2O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Na2SO4等が、MemOn成分の原料としては、CaCO3 、MgCO3 、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、MgO、ZrO2 、ドロマイト等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石、カオリン、タルク、溶融シリカ、ケイ酸ソーダ等が用いられる。
【0034】
本発明の粒状洗剤における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩の調製方法は、目的とする結晶性アルカリ金属ケイ酸塩のx,y,zの値となるように所定の量比で上記の原料成分を混合し、通常300〜1500℃、好ましくは500〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法が例示される。この場合、加熱温度が300℃未満では結晶化が不十分で耐水溶性に劣り、1500℃を越えると粗大粒子化しイオン交換能が低下する。加熱時間は通常0.1〜24時間である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行う事ができる。
【0035】
次に、前記▲2▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩について説明する。
この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、上記の一般式(2)で表されるものであるが、その一般式(2)中のx’、y’が1.7≦x’≦2.2、y’=0のものが好ましい。
【0036】
かかる結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、特開昭60−227895号公報にその製法が記載されており、一般的には無定形のガラス状珪酸ソーダを200〜1000℃で焼成して結晶性とすることによって得られる。合成方法の詳細は例えば Phys. Chem. Glasses. 7, 127−138(1966)、 Z. Kristallogr., 129, 396−404(1969) 等に記載されている。また、この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は例えばヘキスト社より商品名「Na−SKS−6」(δ−Na2 SiO2 O5 )として、粉末状、顆粒状のものが入手できる。
【0037】
本発明において、▲1▼及び▲2▼の組成で示される結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、平均粒径が、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜30μmである。
【0038】
なお、本発明の粒状洗剤における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、アルカリ能だけでなくイオン交換能も示し、少なくとも100CaCO3 mg/g以上、好ましくは200〜600CaCO3 mg/gを有している。
【0039】
本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、アルカリ能とアルカリ緩衝効果を有し、さらにイオン交換能を有するため、その配合量を適宜調整することにより、洗浄条件を好適に調整することができる。本発明においては、結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、全組成物中、3〜50重量%配合するのが好ましい。
【0040】
結晶性ケイ酸塩は吸湿により非晶質に変質しやすく、イオン交換能が低下し、場合によっては洗浄力が低下する。従って、結晶性ケイ酸塩を含有する場合はできるだけ、洗剤中の水分量も少なくすることが好ましく(105℃、2時間の乾燥における揮発分が5重量%以下)、容器本体は紙容器よりも外界からの吸湿を遮断できる点から金属やプラスチック容器を使用することが好ましい。ところで、容器本体にプラスチック素材を使用する場合、ちりやほこりの付着防止のために、帯電防止剤を配合することは、前述したとおりであるが、視点を変えてみると、帯電防止剤の配合は充填物による容器内壁部への付着防止にもなっていることに気がつく。しかしながら、結晶性ケイ酸塩の配合による系内水分の限定は、帯電防止に対しては不利である。先に示したように帯電防止剤の作用効果は、プラスチック表面の吸湿性を高めることにあり、双方は相反する構成が必要となってくる。以上のことから結晶性ケイ酸塩を配合する洗剤を充填する場合は、十分な帯電防止能を得るために、計量器はもちろん容器本体においても、前述のガラス転移温度が25℃以下のプラスチックを素材として使用することが好ましい。計量部と容器本体の材質は同じであっても、異なっていても問題ない。また容器に配合される帯電防止剤もまた計量器と基本的には同じであってもよいが、材質にあった帯電防止剤が使用されるべきである。
【0041】
結晶性ケイ酸塩はアルカリ能だけでなく、金属イオン封鎖能を有するものが好ましいが、本発明には結晶性ケイ酸塩以外に従来より知られている金属イオン封鎖剤を併用することが好ましい。特に、金属イオン封鎖剤としては、Caイオン捕捉能が200CaCO3 mg/g以上のカルボキシレート重合体を金属イオン封鎖剤中に10重量%以上含有するものが好ましい。
このような重合体の具体例としては、以下の一般式(3)で表される繰り返し単位を有する重合体あるいは共重合体が挙げられる。
【0042】
【化1】
【0043】
上記一般式(3)中、X1 はメチル、HまたはCOOX3 を、X2 はメチル、HまたはOHを、X3 はH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4 またはエタノールアミンを示す。
【0044】
上記一般式(3)において、アルカリ金属としては、Na,K,Li等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Ca,Mg等が挙げられる。
【0045】
その重合体あるいは共重合体は、例えばアクリル酸、(無水)マレイン酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、およびその塩等の重合反応、または各モノマーの共重合反応、あるいは他の重合性モノマーとの共重合反応によって合成されるものである。このとき共重合に用いられる他の共重合モノマーの例としては、例えばアコニット酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ビニルホスホン酸、スルホン化マレイン酸、ジイソブチレン、スチレン、メチルビニルエーテル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル(及び共重合後に加水分解した場合はビニルアルコール)、アクリル酸エステル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。なお、重合反応は特に限定されることなく、通常公知の方法を用いることができる。
また、特開昭54−52196号公報記載のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸重合体を用いることもできる。
【0046】
上記の重合体、共重合体としては、重量平均分子量が800〜100万のものが用いられ、好ましくは、5000〜20万のものが用いられる。重量平均分子量が800未満であると重合体特有の効果による洗浄性能が得られず、100万を越えると逆に重合体の影響により再汚染が起こり洗浄性能が妨げられる。
【0047】
また、共重合させる場合の一般式(3)の繰り返し単位と他の共重合モノマーとの共重合率も特に限定されないが、好ましくは一般式(3)の繰り返し単位/他の共重合モノマー=1/100〜90/10の範囲の共重合比率である。
【0048】
また、金属イオン封鎖剤として、下記式(4)で示されるイオン交換容量が200CaCO3mg/g以上のアルミノケイ酸塩を含有してもよい。
x”(M2O)・Al2O3・y”(SiO2)・w”(H2O) (4)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、x”,y”,w”は各成分のモル数を表し、一般的には0.7≦x”≦1.5、0.8≦y”≦6、w”は任意の定数である。)。
【0049】
上記のアルミノケイ酸塩としては、結晶性のものと非晶質のものが例示されるが、結晶性のものとしては、特に次の一般式で示されるものが好ましい。
Na2O・Al2O3・ySiO2・wH2O
(式中、yは1.8〜3.0、wは1〜6の数を表す。)
結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)としては、A型、X型、P型ゼオライトに代表される平均一次粒子径0.1〜10μmの合成ゼオライトが好適に使用される。ゼオライトは粉末及び/又はゼオライトスラリー又はスラリーを乾燥して得られるゼオライト凝集乾燥粒子として用いてもよい。
【0050】
上記の結晶性アルミノケイ酸塩は、常法により製造することができる。例えば、特開昭50−12381号公報及び特開昭51−12805号公報に記載の方法を用いることができる。
【0051】
一方、上記の結晶性アルミノケイ酸塩と同様の一般式で示される非晶質アルミノケイ酸塩は、常法により製造することができる。例えば、SiO2とM2O(Mはアルカリ金属を意味する)のモル比がSiO2 /M2 O=1.0〜4.0であり、H2OとM2Oのモル比がH2O/M2O=12〜200であるケイ酸アルカリ金属塩水溶液を用いて、これにM2OとAl2O3 のモル比がM2O/Al2O3 =1.0〜2.0であり、H2OとM2Oのモル比がH2O/M2O=6.0〜500である低アルカリアルミン酸アルカリ金属塩水溶液を通常15〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度のもとで強攪拌下に添加する。
【0052】
次いで、生成した白色沈澱物スラリーを通常70〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度で、通常10分以上10時間以下、好ましくは5時間以下加熱処理し、その後濾過、洗浄、乾燥する事により有利に得る事ができる。このとき添加方法は、低アルカリアルミン酸アルカリ金属塩水溶液にケイ酸アルカリ金属塩水溶液を添加する方法であってもよい。
なお、非晶質アルミノケイ塩は、吸油能を100ml/100g以上有するものを用いることによって、非イオン界面活性剤のしみ出しを少なくすることが容易になり好ましい。
【0053】
金属イオン封鎖剤の含有量は、全組成物中、10〜90重量%であり、中でも上記の重合体あるいは共重合体は、全組成物中に1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%配合される。1重量%未満であると充分な洗浄性能の向上が図られず、50重量%を越えると添加効果は飽和し、いたずらにコストを上げるだけで意味がないものとなる。
【0054】
本発明の粒状洗剤の組成物としては、上記成分の他、洗浄剤ビルダー、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの塩、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸等のホスホノカルボン酸の塩、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸の塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子、ジグリコール酸塩、クエン酸塩、オキシカルボン酸塩等の有機酸の塩等のビルダー、カルボキシメチルセルロースといった一般的に洗浄剤に配合することが知られているキレート剤や色あせ防止剤、再汚染防止剤などが挙げられる。本発明の粒状洗剤に配合される結晶性ケイ酸塩はアルカリ能を示すものであるが、その他通常洗剤に配合されている他のアルカリ剤であるJIS1号もしくは2号ケイ酸ナトリウムなどの非晶質のケイ酸塩やソーダ灰(炭酸ナトリウム)などのアルカリ剤を添加してもよい。
【0055】
その他に本発明の粒状洗剤の組成物としては、以下の様な成分も含有する事ができる。即ち、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等の酵素、炭素数1〜4程度の低級アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、カルシウムシリケート等のケーキング防止剤、第3ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール等の酸化防止剤、過炭酸ナトリウムなどの漂白剤又はテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性化剤、ビフェニル型及びスチルベン型などの蛍光染料、青味付剤、特開昭63−101496号公報に記載された香料等を含むことができ、目的に応じた配合がなされてよい。
【0056】
前述のように、本発明では結晶性のケイ酸塩を使用することによりブロッキングしにくくなるだけでなく、少量で優れた洗浄力を得ることができ、そのような結晶性ケイ酸塩の具体的な組成として、前述の一般式(1)、(2)のものが例示される。
【0057】
本発明の高密度粒状洗剤の製造方法は特に限定されることなく、従来より公知の方法を用いることができる。例えば、特開昭61−69897号公報、特開昭61−69899号公報、特開昭61−69900号公報、特開平5−209200号公報に記載の方法を使用することができる。
【0058】
本発明の計量器を内蔵する洗剤用容器としては、特開昭61−57699号公報をはじめ、実開平3−45859、実開平3−100183、実開平1−122453、実開昭62−108256、実開昭61−43176、実開平1−122453、のような蓋部に計量器を有し、容器の計量器が傾動時に洗剤を振り出すと同時に次回分の洗剤を充填するようなタイプにおいて特に効果的である。
【0059】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の粒状洗剤を充填する容器の実施形態を説明する。
【0060】
図1、図2に示す粒状洗剤充填用のボトル状容器1は、高分子ポリマーからブロー成形された弾性変形可能な容器本体2と、この容器本体2の上部に取り付けられる定量用栓体3とを備える。
【0061】
その容器本体2は、底壁11と、この底壁11の周囲から上方に伸びる周壁12と、図3に示すように、この周壁12の上端開口12Aを囲む頸部13とを有し、粒状洗剤が全容積に対し体積率で例えば50〜90%充填される。
【0062】
その周壁12は、相対向する左右側壁部12a、12b(図2において上下方向を左右方向とする)と、相対向する前後側壁部(図2において左右方向を前後方向とする)12c、12dと、左右側壁部12a、12bと前側壁部12cとの間の上下方向に沿う連結部12e、12fと、左右側壁部12a、12bと後側壁部12dとの間の上下方向に沿う連結部12g、12hとを有し、上記栓体3に設けられた振出口27の下方の洗剤充填空間を囲む。
【0063】
その後側壁部12dの上部は前方に向かい傾斜し、これにより、上記開口12Aは前方側に偏って配置されている。
【0064】
上記栓体3は、20g以下の粒状洗剤を計量可能な計量器として機能するもので、図3に示すように、上記頸部13の外周にねじ合わされる外筒21と、この外筒21に一体化される内筒22と、この内筒22の下部に上下位置変更可能に嵌め合わされる有底の可動筒23とを有する。その可動筒23の内筒22に対する上下動により、内筒22の容積を変更することが可能とされている。
【0065】
その内筒22は上記開口12Aに嵌め合わされ、容器本体2内の粒状洗剤が開口12Aから流出するのを防止する。この内筒22の周壁の上下間に、後ろ向きに開口する流入口22aが形成されている。
【0066】
その内筒22に仕切り24が一体化されている。その仕切り24は、上端が外筒21の上端に至り、下端が上記流入口22aの下方であって内筒22の下端の上方まで至ることで、栓体3の内部の上方側を、後方側の流入空間25と前方側の排出空間26とに仕切っている。その排出空間26の上端が粒状洗剤の振出口27とされ、この振出口27を開閉する蓋28が外筒21に一体化されている。その排出空間26の上方側26aが、振出口27から下方に向かうに従い前方に向かうように、その仕切り24と外筒21の形状が設定されている。
【0067】
上記栓体3によれば、図5に示すように容器本体2を左右方向回りに傾けると、容器本体2内の粒状洗剤Sが流入口22aから流入空間25に流入する。その流入量は、計量しようとする量を超えるものとされる。次に、図3に示すように容器本体2の傾きを解除すると、計量しようとする量を超える粒状洗剤Sは流入口22aから排出され、残りの粒状洗剤Sが流入口22aより下方の内筒22内に一定量保持される。次に、容器本体2を再び傾けると、その保持された粒状洗剤Sのうち排出空間26に位置する粒状洗剤S、即ち所望の設定量の粒状洗剤Sが振出口27から振り出され、同時に、容器本体2内の粒状洗剤Sが次の計量のために流入口22aから流入空間25に流入する。また、その排出空間26の上方側26aは振出口27から下方に向かうに従い前方に向かうので、計量された粒状洗剤Sを完全に振り出すには、その排出空間26の上方側26aが上下方向に沿うように、容器本体2の傾き量を充分に大きくする必要がある。これにより、容器本体2内の粒状洗剤Sの残量が少なくなった場合でも、容器本体2の傾き量を充分に大きくするので、次の計量のために粒状洗剤Sを流入口22aから流入空間25に流入させることができる。
【0068】
なお、その容器においては、可塑剤の他に洗剤に配合される蛍光染料や香料などの劣化防止の為に、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤や、透過光率を下げる為のチタン粉末が基材に粘り込まれてもよく、また、難燃剤、酸化防止剤並びにホコリなどが容器外部に付着しないように公知の帯電防止剤が基材に配合されてもよい。なお、これらは通常知られている容器に使用されるものと同じ物質及び添加量で配合される。
【0069】
本発明に用いる計量器としては、例示したようにふたに計量器が付属したタイプで且つ容器本体と分離が可能なものが好ましい。高密度洗剤は、このような小型の計量器を可能にし、詰め替えなどの点から特に有利である。その他の計量器の例としては、実開昭58−65280号公報、、実開昭60−154252号公報、実開昭61−43176号公報、実開昭62−108256号公報、実開平1−122453号公報、実開平3−45859号公報、実開平3−100183号公報に開示されているようなものが挙げられる。
【0070】
本発明は計量器に帯電防止性を持たせることにより、洗剤の計量を精度よく測定するものであるが、洗剤の詰め替え等を行う上で、計量部を外す際に洗剤を周囲にまき散らすことがない点からも好ましいものである。
【0071】
【実施例】
以下実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0072】
実施例1
<洗剤の製造例>
(1)製造例1
以下の方法で表1の配合例1の洗剤粒子を製造した。
ゼオライトの5重量%、酵素、香料、及び結晶性シリケート以外の成分で含水率50%の水性スラリーを調整し、噴霧乾燥を行う。次いでスクリュー押し出し造粒機により造粒し、洗剤粒子を得る。造粒粒子をロータリーキルンに入れ、ゼオライト5重量%、酵素、結晶シリケートをブレンドし、同時に香料をスプレーし最終洗剤粒子を得た。
【0073】
(2)製造例2
以下の方法で表2の配合例1の洗剤粒子を製造した。
AE、吸油担体、酵素、香料及び結晶性シリケート以外の各成分で含水率50%の水性スラリーを調整し、噴霧乾燥を行った。得られた噴霧乾燥粒子、吸油担体5.0重量%及び結晶性シリケートをレディゲミキサー(撹袢転動造粒機、松坂技研(株)製)に投入し撹袢を開始した。そこにAEをスプレーすることにより添加し、造粒を行った。次いで吸油担体3.5重量%を投入し、表面改質を行った。得られた造粒粒子をロータリーキルンに入れ、残りの吸油担体、酵素をブレンドし、同時に香料をスプレーし最終洗剤粒子を得た。
【0074】
<洗剤の粉末物性の測定方法>
得られた粉末の粉末物性をを下記に示した方法で測定した。その結果を表1に併せて示す。
(A)嵩密度はJIS:K.3362の方法に従って測定した。
(B)流動性はASTM:B213−48に従って測定した。
【0075】
【表1】
【0076】
以下に、表1中の各成分について詳述する。
・LASは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムで炭素数12〜13のものを用いた。
・α−SFEはα−オレフィンスルホン酸ナトリウムのことであり、炭素数16〜18のものを用いた。
・AEはポリオキシエチレンアルキルエーテルで炭素数12〜16 平均EO付加モル数7.0のものを用いた。
石鹸は牛脂脂肪酸ナトリウムを用いた。
・ゼオライトは4A型ゼオライト、平均粒子径3μm(東ソー(株)製)を用いた。
【0077】
・吸油担体は下記合成例1により得られた非晶質アルミノケイ酸塩を用いた。
合成例1(非晶質アルミノケイ酸塩の製造方法)
イオン交換水に炭酸ソーダを溶解させ、6重量%濃度の水溶液を用意した。この水溶液132gとアルミン酸ソーダ水溶液(Conc. 50重量%)38.22gを容器1000mlの邪魔板付き反応槽に入れた。得られた混合溶液に、強攪拌下、2倍の水で希釈した3号水ガラス201.4gを、40℃にて、20分間かけて滴下しつつ反応させた。この際、CO2 ガスを吹き込むことによって反応系のpHをコントロールし(pH=10.5)、反応速度を最適化した。続いて反応系を50℃まで加熱し、同温度で30分間攪拌した。その後、反応系にCO2 ガスを吹き込み、過剰アルカリを中和した(pH=9.0)。得られた中和スラリーを、濾紙(東洋濾紙(株)製 No.5C)を用いて、減圧下に濾過した。濾過ケーキを、1000倍の水で洗浄し、濾過乾燥(105℃、300torr、10時間)し、残部はそのまま(洗浄せずに)同条件で乾燥した。さらに、解砕を行い、本発明の非晶質アルミノケイ酸塩粉体(平均粒径10μm)を得た。なおアルミン酸ソーダ水溶液は、1000mlの4つ口フラスコにAl(OH)3 243gと48%NaOH水溶液298.7gを入れて
混合し、攪拌下110℃まで加熱し、30分間溶解して調製した。
【0078】
得られた非晶質アルミノケイ酸塩の組成と、原子吸光分析及びプラズマ発光分析の結果、Al2O3=29.6重量%、SiO2=52.4重量%、Na2O=18.0重量%であった(1.0Na2O・Al2O3・3.10SiO2)。また、Caイオン捕捉能は185CaCO3 mg/g、吸油能は285ml/100g、0.1μm未満の細孔径を持つ細孔容積の比率は9.4%、0.1μm以上、2.0μm以下の細孔径を持つ細孔容積の比率は76.3%、含有水分量は11.2重量%であった。
【0079】
・非晶質ケイ酸塩は1号ケイ酸ナトリウム(東ソー(株)製)を用いた。
・結晶性シリケートは粉末SKS−6(ヘキストトクヤマ(株)製)をハンマーミルで粉砕し平均粒径50μmとしたものを用いた。
・アクリル酸−マレイン酸共重合体はナトリウム塩(70モル%中和物)であり、モノマー比はアクリル酸/マレイン酸=3/7(モル比)である。
・蛍光染料はチノパールCBS−X(チバガイギー社製)とホワイテックスSA(住友化学(株)製)を1/1の重量比で配合した。
・酵素はセルラーゼK(特開昭63−264699号公報記載)を0.7重量%API−21H(昭和電工(株)製)を0.4重量%、リポラーゼ100T(ノボ社製)を0.1重量%配合した。
【0080】
<振出試験>
表1の配合例1、2の洗剤を表2に示すような組み合わせで計量器付容器に充填し、容器入り洗剤を得、以下のような振出試験を行った。
【0081】
振出実験は、図1〜4の計量器付き容器に洗剤を充填して測定した。なお、一回使用量は15gに設定し、容器内に配合例1又は2の洗剤を750g充填したものを用いた。ここで用いた容器の条件は以下の通りである。
◎容器条件
形態:図1に示した実施形態のボトル状容器(容量:約1000ml)を使用した。
性状:φ2.15cmの円柱状圧縮子により、20mm/minの圧縮条件で容器把握部の数カ所を加圧して測定したときに(圧縮測定機器として(株)島津製作所製AUTOGRAPH AG−500E使用)、2.6mm〜3.0mmの容器内側への凹みを生じる様にした。
素材:容器形成の素材にはHDPE及びPPを用いた。
厚さ:周壁に1mm以下となるような箇所が少なくとも1カ所存在するように、0.9mm〜3.2mmに形成した。
なお、容器の素材にはポリ(オキシエチレン)アルキルアミン系の帯電防止剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加している。
振出実験の方法は、容器を把持し、正立状態から反転させ、倒立状態で計量部に充填された洗剤が排出するまで維持し、正立状態に戻す。この操作を繰り返し21回目〜40回目の各排出量の計量を行い。設計上の理論値である300gに対しての誤差を測定する。
【0082】
【表2】
【0083】
以上の結果から、帯電防止剤を練込む等の方法により帯電防止性が付与され、表面固有抵抗値が1×1014Ω以下である計量器を内蔵した容器において、優れた計量性を示すことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の容器の側面図
【図2】本発明の実施形態の容器の平面図
【図3】本発明の実施形態の容器の部分断面図
【図4】本発明の実施形態の容器の計量機能の説明用部分断面図
【符号の説明】
1 容器
3 栓体(計量器)
12 周壁
12a、12b 左右側壁部
12e、12f 連結部
15a、15b 把持部
27 振出口
Claims (6)
- 粒状洗剤を計量するための計量器を内蔵する容器に、結晶性ケイ酸塩を含有する高嵩密度粒状洗剤を充填してなる容器入り粒状洗剤であって、前記計量器及び前記容器がそれぞれ帯電防止性剤を含むガラス転移温度が25℃以下のプラスチックにより構成されており、且つ前記高嵩密度粒状洗剤の105℃、2時間の乾燥における揮発分が5重量%以下であることを特徴とする容器入り粒状洗剤。
- ASTM:D257に記載の方法により測定される前記計量器の表面固有抵抗が1×1014Ω以下である請求項1記載の容器入り粒状洗剤。
- 帯電防止剤がポリ(オキシエチレン)アルキルアミン系化合物及び/又はグリセリン脂肪酸エステル系化合物を含有するものである請求項1又は2記載の容器入り粒状洗剤。
- 前記ガラス転移温度25℃以下のプラスチックがポリエチレン及び/又はポリプロピレンである請求項1〜3の何れか1項記載の容器入り粒状洗剤。
- 計量器が、容器の傾動時に洗剤を振り出すと同時に次回分の洗剤を充填するものである請求項1〜4記載の計量器を内蔵する容器入り粒状洗剤。
- 高嵩密度粒状洗剤の嵩密度が0.6g/cm3以上であり、且つ平均粒子径が250〜1000μmである請求項1〜5の何れか1項記載の容器入り粒状洗剤。
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