JP3544363B2 - 容器入り食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばパスタ等をサラダ野菜具等とともに容器に収納した容器入り食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンビニエンスストア等で販売される弁当やその他の食品類は容器入れとしたものが大半を占めている。これらの容器入り食品用の容器は弁当で代表されるように桶状の容器とこれに被せる蓋とから構成され、容器及び蓋を薄肉の合成樹脂プレート製としたものである。このような合成樹脂プレート製の容器及び蓋を用いることにより、コンパクトで使用後の処理も簡単な容器入り食品として提供することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
弁当等の食品用の容器では蓋を開いてから箸を使ってそのまま食することができる。ところが、容器に収納した食材をかき混ぜて食するような食品の場合では容器が偏平であることから、食材をかき混ぜるときに食材が容器から溢れ出やすくなり、食材を落としてしまう。また、かき混ぜてしまうと食材が乱れてしまうので外観が劣るようになり、食欲を損ねることにもなりかねない。特に、パスタの上にサラダを載せるような食品類では、麺状のパスタを充分にかき混ぜるには手間をとり、ドレッシングを注いでもパスタの全体に一様にドレッシングを至らせることはできない。
【0004】
このように従来の容器入り食品では、食材をかき混ぜると食材が容器から溢れたりするほかドレッシング等で食材を一様に包み込むことができない。また、面等の食基材の上に具を積層したものを店頭販売するときには、食基材と具とを分けていたほうが外観がよいので、購入した人は箸やフォーク等で食記載と具とをかき混ぜて混合攪拌することになり、食する前の手間がかかる傾向にある。
【0005】
そこで、本発明は、食材をかき混ぜるのに代えて容器をシェークすることで食材に対してドレッシング等の添加食材を一様に食材に浸透させることができるとともに食基材と具をと好みに応じて混合攪拌できる容器入り食品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の容器入り食品は、外郭を逆円錐台状とするとともに上端の開口の外周に環状のフランジを形成した透明の容器の本体に、最初に麺を収納し、次いで具を収納することにより麺の上に具を積層し、次いで容器の本体にドレッシングを注ぎ入れた後、容器の本体の開口部分に、上端側が先細りするドーム状であって、下端の外周に指先を掛けるためのプルトップを備えるとともに、下端部に所定の間隔を開けて外周面側から内部側に膨出させた係合部をステッチ状に設け、さらに、この係合部の上側に本体のフランジを嵌め込むための嵌合部を形成した透明の蓋を装着して、容器をシェークすることにより収納した麺と具とドレッシングとを混合攪拌するように構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、容器の本体の上端に密閉状態に被せる蓋を上端側が先細りするドーム状とし、本体に詰めた食基材に積層する具の表面レベルを本体の上端より下側となるようにしているので、具の表面とドーム状の蓋との間には混合攪拌空間ができる構成とすることができる。このような構成において、蓋を開いてドレッシングや出し汁等の液状の添加食材を注ぎ込んだ後に、蓋を閉じると容器の中は密閉される。そして、この密閉状態で容器を上下に振るようにシェークすると、具の表面と蓋の内面との間で具及び食基材を上下に振ることができ、具や食基材をかき混ぜることなくドレッシングや出し汁等を具及び食基材に一様に浸透させることができる。このように容器をシェークするとき、蓋はその上端が先細りするドーム状に形成されているので、具や食基材が拡散することなく団子状となり、食基材の上に具が積層された姿を維持できる。したがって、かき混ぜた場合よりも食基材と具とをきれいに積層したままとすることができ、外観が好ましいものとなり食欲をそそるものとなる。
【0013】
また、容器を強く上下方向にシェークすれば、食基材と具とを混合攪拌することができる。この場合、シェークの強さによって食基材と具との混ざり合いを好みに応じて調節することができる。すなわち、ドレッシングや出し汁等の浸透だけでなく、容器をシェークする強さを大きくしたり時間を長くすることによって、食基材と具の一部だけを混合させたり全体を混合させたりすることができ、食する人の好みに応じて混合の度合いを変えることができる。
【0014】
また、容器の本体と蓋を透明のものとしておけば、ドレッシングや出し汁を注いでシェークしたときにドレッシング及び出し汁等の具や食基材への浸透の具合を目視で確認することができる。このため、ドレッシング及び出し汁等を過不足なく注ぐことができ、具から食基材までを美味しく食することができるようになる。そして、ドレッシングを用いない場合でも、食基材と具の混ざりの度合いを同様に容易に目視で確認することができ、より好みに応じた混ざり合いの形態とすることがきる。
【0015】
更に、食基材をスパゲティーやうどんやそば等の麺類としたものでは、長い麺類の全体にドレッシングや出し汁等を浸透させることができ、より一層美味しく食することができる。
【0016】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の容器入り食品を説明する。
【0017】
図1は本発明に係る容器入り食品の外観図である。
【0018】
容器は本体1とその上端に密閉状態に被せられるとともに着脱自在とした蓋2とから構成されたものである。これらの本体1と蓋2はたとえばアクリル樹脂を用いた透明のものである。そして、本体1の内部にはスパゲティーSを入れるとともにこのスパゲティーSの上に具Aを積層して詰め込んでいる。具Aはコーン,キャベツの切り身、トマトの切り身,レタスの切り身,挽き肉等を含むもので、その他にサラダ製品となるものを適宜含ませたものであればよい。
【0019】
図2は容器の本体1と蓋2を分解して示す斜視図である。
【0020】
本体1は外郭を逆円錐台状としたもので、上端の開口の外周には環状のフランジ1aを形成している。蓋2は上端側が先細りするドーム状に形成され、下端の外周に指先を掛けるためのプルトップ2aを備えたものである。そして、蓋2の下端部には外周面側から内部側に膨出させた係合部2bを所定の間隔を開けてステッチ状に形成し、この係合部2bの上側に本体1のフランジ1aを嵌め込むための嵌合部2cを形成している。蓋2を本体1に被せたときには、図3に示すように本体1のフランジ1aが蓋2の嵌合部2cの中に嵌まり込み、本体1の内部は蓋2によって密閉状態に保たれる。また、蓋2はドーム状に形成されているので、本体1の上端よりも低いレベルとなるように具Aを詰め込んでいれば、この具Aの表面と蓋2の内面との間を混合攪拌空間として形成することができる。
【0021】
以上の構成において、容器の本体1内には食基材としてスパゲティーSが先に詰め込まれ、その後に具AがスパゲティーSの上に積層されるように詰め込まれる。店頭で販売するときには、このようにスパゲティーSと具Aを収納した容器入り食品とする。この場合、本体1と蓋2とは図3に示したようにフランジ1aと嵌合部2cによって嵌合連結されて容器の内部はほぼ密閉状態に維持されるので、本体1と蓋2とを一体化した容器を冷蔵庫に入れて保管する場合でも水分の蒸発を防ぐことができる。したがって、食基材としてのスパゲティーS及び具Aの保水性が高く維持できるので、賞味を損ねることがなくなる。
【0022】
スパゲティーSと具Aを収納した容器を飲食店で販売する場合や購入した後に人が食する場合には、図4の(a)に示すように蓋2を本体1から取り外す。この取り外しのときには、プルトップ2aを指先で挟んで上に引き上げることにより、容易に蓋2を本体1から取り除くことができる。蓋2を開けた後には、ドレッシングDをその収納容器3から具Aの表面に適当な量だけ注ぐ。この注がれたドレッシングDは本体1内の具AとスパゲティーSの間に次第に浸透していく。ドレッシングDの浸透具合は、本体1及び蓋2が透明なので外部から目視で簡単に確認することができ、ドレッシングDを過不足なく本体1内に注ぐことができる。
【0023】
ドレッシングDを注いだ後には、図4の(b)に示すように蓋2を再び本体1に被せて容器内部を密閉する。そして、本体1を手で握って上下左右に振るようにシェークする。このようにシェークすることにより、ドレッシングDを本体1内のスパゲティーSと具Aの全体に一様に混ざり込ませることができる。このドレッシングDの混ざり込みの状況は、本体1及び蓋2がともに透明なので、容易に目視で確認することができる。このため、店頭販売の職人によらずとも誰もが適切なドレッシングDの浸透状況を作りだすことができ、ファーストフードとしても提供することができる。
【0024】
また、図4の(b)のように本体1を手で握ってシェークするときでも、スパゲティーSと具Aを積層状態のままに保持してドレッシングDをスパゲティーAと具Aに混ざり込ませることができる。すなわち、具Aの表面と蓋2との間には、蓋2のドーム形状によって上端側が先細りする混合攪拌空間が形成されているので、具AとスパゲティーSが上下することにより、具Aは拡散することなく団子状に固まりやすくなる。このため具Aはまとまった形状に維持されるとともに、スパゲティーSの上面に積層された状態に保持され、スパゲティーSと具Aをむやみに混ざり合うことがなくなり、外観を良好に保つことができる。
【0025】
以上のように、ドレッシングDを注いだ後には具AやスパゲティーSをかき混ぜることなくドレッシングDを一様にまぶすことができ、スパゲティーSと具Aの積層された状態が壊れることがない。したがって、具Aが容器から溢れたり外観が劣化することもなくなり、食欲をそそる容器入り食品として提供できる。
【0026】
また、本体1を手で握って上下方向に強くシェークすれば、具AとスパゲティーSの全体を攪拌して混合させることができる。このような混合では、シェークの強さに比例して具AとスパゲティーSの混合度を大きくすることができ、好みに応じた混合の度合いとすることができる。そして、具AとスパゲティーSの混合だけでなく添加するドレッシングDも充分に拡散して具AとスパゲティーSの全体に浸透させることができる。
【0027】
更に、店頭で販売するときには、容器の本体1にスパゲティーSと具Aが積層された状態で販売することができ、スパゲティーSと具Aとが混ざりあっていないきれいな状態で客に渡すことができる。そして、客は食するに際して前述のように本体1を手で握ってシェークしさえすれば、スパゲティーSと具Aとをかき混ぜてから食することができる。また、ドレッシングDを注ぐ場合でも、このドレッシングをスパゲティーSと具Aの全体に浸透させることができ、美味しく食することができる。
【0028】
なお、以上の実施例ではスパゲティーSと具AにドレッシングDを注ぐ構成としたが、麺状の製品としてうどんやそばを食基材とすることができ、具としては天ぷら蒲鉾やえび天等を当てることができる。この場合では、ドレッシングに代えて出し汁を注いで容器を振ることでうどんそばとして食することができる。また、冷麺やそーめんを食基材とすることができ、この場合ではネギやその他の具を食基材の上に載せるとともに味つゆを注ぐことで冷麺及びそーめんとして食することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の容器入り食品では、外郭を逆円錐台状とするとともに上端の開口の外周に環状のフランジを形成した透明の容器の本体に、最初に麺を収納し、次いで具を収納することにより麺の上に具を積層し、次いで容器の本体にドレッシングを注ぎ入れた後、容器の本体の開口部分に、上端側が先細りするドーム状であって、下端の外周に指先を掛けるためのプルトップを備えるとともに、下端部に所定の間隔を開けて外周面側から内部側に膨出させた係合部をステッチ状に設け、さらに、この係合部の上側に本体のフランジを嵌め込むための嵌合部を形成した透明の蓋を装着して、容器をシェークすることにより収納した麺と具とドレッシングとを混合攪拌するように構成したことによって、ドレッシングを注いでから容器をシェークするとドレッシングを具との間に混ぜ込ませることができ、箸やフォーク等を用いなくてもドレッシング等を具に浸透させることができる。また、容器を適度な力でシェークすれば、先細りする蓋の内面に突き当たって団子状となり、具は拡散することなく食基材に積層された状態に保たれ、外観を損ねることがなく食欲をそそることができる。更に、蓋をしてから容器をシェークするので、具や食基材が外に溢れ出ることがなく、食卓や手を汚すこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器入り食品の概略斜視図。
【図2】容器の本体と蓋の分解斜視図。
【図3】容器入り食品の概略縦断面図。
【図4】(a)は蓋を開いてドレッシングを注いでいる状態を示す図、(b)はドレッシングの注入の後に容器をシェークしている状態を示す図。
【符号の説明】
1 本体
1a フランジ
2 蓋
2a プルトップ
2b 係合部
2c 嵌合部
A 具
D ドレッシング
S スパゲティー(食基材)
Claims (1)
- 外郭を逆円錐台状とするとともに上端の開口の外周に環状のフランジを形成した透明の容器の本体に、最初に麺を収納し、次いで具を収納することにより麺の上に具を積層し、次いで容器の本体にドレッシングを注ぎ入れた後、容器の本体の開口部分に、上端側が先細りするドーム状であって、下端の外周に指先を掛けるためのプルトップを備えるとともに、下端部に所定の間隔を開けて外周面側から内部側に膨出させた係合部をステッチ状に設け、さらに、この係合部の上側に本体のフランジを嵌め込むための嵌合部を形成した透明の蓋を装着して、容器をシェークすることにより収納した麺と具とドレッシングとを混合攪拌するように構成した容器入り食品。
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