JP3544289B2 - 溶鋼移送用ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶鋼の移送に使用する取鍋用ノズル、浸漬ノズル等の溶鋼移送用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼移送用ノズルは取鍋−タンディッシュ間、タンディッシュ−モールド間の溶鋼の移送に際し、溶鋼汚染や溶鋼流の乱れを防止し、長時間通湯しなければならない役割をもっている。一般に取鍋用ノズルや浸漬ノズルは、取鍋あるいはタンディッシュに設置されたスライディングノズルにより流量制御された溶鋼を移送する。
【0003】
スライディングノズルから溶鋼移送用ノズルにいたる設備は溶鋼と空気の接触を防止するため密閉されたものになっている。また、タンディッシュあるいはモールドにおいては溶鋼表面をパウダーで被い、溶鋼と空気の接触を防止し、溶鋼表面の酸化を防止している。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
しかし、スライディングノズルの開口部を通過した溶鋼は、通常の溶鋼移送用ノズルの場合はノズル内孔部を均一に流下するものではなく、偏った流動を示す。溶鋼がノズル内で偏った流動をした場合、どうしてもノズル内に負圧の部位が生じるのである。ノズル内に負圧部が生じると、密閉されているとはいえ、スライディングノズルの摺動部等からの微量の空気の侵入は避けられず、溶鋼の酸化が生じ、鋳片の品質を招くという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題解決に対し、水モデルによる実験を含め種々の検討を行った結果、ノズル内の溶鋼流に旋回を付与することにより、スライディングノズルからの溶鋼がノズル内孔に偏って流入した場合においても、ノズル内に負圧部分を生じることなく溶鋼を移送できることを見い出した。ノズル内の溶鋼流に旋回を付与する手法を種々検討した結果、実機に適用可能な方法としてノズル孔内にねじりテープを設置することにより、良好な旋回を付与することに成功し本発明を完成させたものである。即ち、本発明はノズル内の溶鋼の流れに旋回を付与するためのねじり部品を備えている溶鋼移送用ノズルにおいて、ねじり状の部品が1枚のテープをねじってなる形状のねじりテープであり、該ねじりテープのねじりピッチLと幅Dの比(L/D)が0.5〜2.0の範囲であり、スライディングノズル周辺部からの空気侵入を防止したことを特徴とする溶鋼移送用ノズルである。ここで、ねじりテープは、そのねじり角度が100度以上であるものが好ましい。
【0006】
本発明の溶鋼移送用ノズルを使用した場合、ノズル内の溶鋼流に旋回が付与されるため、ノズル内において溶鋼流のよどみが生じないのである。その結果、ノズル内における負圧部分の生成が防止されるため、スライディングノズル摺動部からの空気の侵入を防止することができる。その効果により、溶鋼の酸化および介在物生成を防止し、鋼の高品質化に寄与するものである。
【0007】
また、本発明の溶鋼移送用ノズルにおいて、溶鋼流に旋回を付与することにより、吐出孔全体からの均一な吐出が得られるため、ノズルからの最大吐出流速を大幅に低減することができる。このことは例えばロングノズルに適用した場合、タンディッシュパウダーの乱れを抑制し、溶鋼の酸化防止およびパウダーの巻き込み防止にも寄与するため、一層の溶鋼の高品質化の効果が得られるのである。また、浸漬ノズルに適用した場合はモールド内での介在物の侵入を浅く抑えることにより、モールド下部の湾曲部での介在物の堆積を抑制することができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について具体的に説明する。図1は本発明の溶鋼移送用ノズルに用いるロングノズルの1例を示す側面略図である。図2は本発明に使用するねじりテープの斜視図である。また、図3(a)は、ねじりテープのねじり角度θ=135度の例の平面図であり、同(b)は同(a)の例の側面図である。図1から明らかなように、溶鋼移送用ノズルは、ロングノズル本体1の上端にねじりテープ2を設置し、その上部にスライディングノズル3を間にジョイント4を介して設置している。
本発明の特徴であるノズル内の溶鋼流に旋回を付与するためのねじりテープ2は図2に示すようなものである。部品の幅Dはノズル内径により決まるものであり、部品の長さ(ピッチ)Lおよびねじり角度θは本発明の効果を得るに十分な溶鋼流の旋回が得られる範囲で設定すれば良い。ねじり角度θは平面テープ状のものをねじった角度である。図3はθ=135度の例で(a)は平面図、(b)は側面図である。ねじりテープ状部品の形状に関する水モデル実験の結果を表1、表2に示す。表1はねじりテープの幅Dおよびねじり角度θを一定とし、ピッチLを変化させた場合であり、表2は幅D,ピッチLを一定とし、ねじり角度θを変化させた場合である。なお、表1の4と表2の10は同一である。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
ノズル内の溶鋼流に良好な旋回を付与するためには、表1、表2よりピッチLは部品の幅Dとの比(L/D)は、ねじり角度が一定の場合0.5〜2.0の範囲が好ましく、特に好ましくは0.8〜1.5の範囲である。また、ねじり角度θは100度以上であることが好ましく、特に好ましくは120度以上である。ねじり角度が一定の場合、L/Dが0.5以下では溶鋼の流れを著しく妨げるため好ましくなく、L/Dが2.0以上では十分な旋回流が得られない。また、ねじり角度が100度以下では十分な旋回流が得られない。ねじり角度が270度を越える場合は、部品の製造が煩雑になるが、良好な旋回流が得られる効果は維持されるものである。
【0012】
ねじりテープの材質は、形状加工が可能で溶鋼に耐えられるものであれば特に制限されるものではなく、一般にノズル本体に使用される材質あるいは他の材質のものをはめ込んでも良い。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って説明する。
【0014】
実施例1;以下のように溶鋼移送用ノズルに用いる図1に示すロングノズルを製造した。ノズル本体は内径74mm、外径130mm、長さ900mmとした。ノズル本体の材質はアルミナ50wt%、シリカ20wt%、黒鉛30wt%のアルミナ−シリカ−カーボン質とし、静水圧プレスにより成形した。ノズル内孔の上端から80mmの範囲にねじりテープ状部品を設置するための切削加工をした。ねじりテープはあらかじめ成形したものを使用した。また、ねじりテープは窒化ホウ素焼結品で作成し、形状は幅Dは80mm、ピッチLは80mm(L/D=1)、ねじり角度180度、厚さ10mmである。ノズル本体にねじりテープを設置し、700℃で熱処理してロングノズルとした。比較のために、ロングノズル本体は実施例と同材質で、ねじりテープを設置しないものも準備した。
【0015】
本発明の実施例および比較例のロングノズルを取鍋下部のスライディングノズルに接続して設置してアルミキルド鋼の鋳造を行った。実施例のロングノズルはタンディッシュ内の湯面における流速が0.06〜0.11m/sであり、比較例の場合は0.05〜0.27m/sであった。実施例のロングノズルでは流速の変動幅が約1/5に低減できており、溶鋼面の乱れ防止効果が明らかであった。
【0016】
実施例と比較例のロングノズルを使用した場合、溶鋼の酸化、タンディッシュパウダーおよび取鍋スラグの拡散に起因する鋳片欠陥発生率は約1/8に低減されていた。
【0017】
【発明の効果】
本発明のノズル内の溶鋼流に旋回を付与するためのねじりテープを備えた溶鋼移送用ノズルは、ノズル内の溶鋼流が旋回していることにより、ノズル内での負圧部の生成を防止し、また溶鋼流の吐出速度を低減することができる。この結果、スライディングノズル摺動部等からの空気の侵入を防止し、溶鋼の酸化および介在物の生成が抑制される。またタンディッシュあるいはモールド内の溶鋼面における湯面変動が抑制され、介在物、パウダー等の侵入距離を浅く抑えることができるため、鋳片中への巻き込みやモールド下部の湾曲部での介在物の堆積が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶鋼移送用ノズルに用いるロングノズルの1例を示す側面略図である。
【図2】本発明に使用するねじりテープの斜視図である。
【図3】(a)ねじりテープのねじり角度θ=135度の例の平面図である。(b)(a)の例の側面図である。
【符号の説明】
1.ロングノズル本体
2.ねじりテープ
3.スライディングノズル
4.ジョイント
D.ねじりテープの幅
L.ねじりテープの長さ(ピッチ)
θ.ねじりテープのねじり角度
Claims (2)
- ノズル内の溶鋼流に旋回を付与するためのねじり部品を備えている溶鋼移送用ノズルにおいて、ねじり状の部品が1枚のテープをねじってなる形状のねじりテープであり、該ねじりテープのねじりピッチLと幅Dの比(L/D)が0.5〜2.0の範囲であるスライディングノズル周辺部からの空気侵入を防止したことを特徴とする溶鋼移送用ノズル。
- ねじりテープは、該ねじりテープのねじり角度が100度以上である請求項1記載の溶鋼移送用ノズル。
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JP27503297A JP3544289B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 溶鋼移送用ノズル |
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JP27503297A JP3544289B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 溶鋼移送用ノズル |
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